JPH07227876A - 樹脂製管継手の製造方法 - Google Patents

樹脂製管継手の製造方法

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JPH07227876A
JPH07227876A JP2021894A JP2021894A JPH07227876A JP H07227876 A JPH07227876 A JP H07227876A JP 2021894 A JP2021894 A JP 2021894A JP 2021894 A JP2021894 A JP 2021894A JP H07227876 A JPH07227876 A JP H07227876A
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JP
Japan
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mold
pipe joint
resin
shell
resin composition
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Application number
JP2021894A
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Inventor
Hirohide Nakagawa
裕英 中川
Kimitoku Takao
公徳 高尾
Nobuhiro Goto
信弘 後藤
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化樹脂製管継
手を充分な強度で簡単に製造できる樹脂製管継手の製造
方法を提供する。 【構成】製造する管継手に対する受口内面形成用シェル
1をコア31に装着し、このシェル装着コアを内型3と
して外型4内にセットし、型内に硬化性樹脂組成物を加
圧注入し、該注入樹脂組成物の硬化後、上記シェルと一
体の硬化体を取り出す。内型3に繊維補強材6を被施
し、型内に加圧注入した硬化性樹脂組成物を繊維補強材
に含浸させ、硬化させることができ、また、加圧注入す
る硬化性樹脂組成物にフィラ−を混入することもでき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は受口内面に凹凸を有する
熱硬化樹脂製管継手を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維強化樹脂製管継手の製造方法
として、塩化ビニル樹脂製管継手にマツト等の繊維材を
巻回し、これを外型内にセットし、熱硬化性樹脂組成物
を型内に注入して繊維材層を含浸し、この含浸樹脂組成
物の硬化をまって離型することが公知である(特公平2
−25776号公報)。
【0003】しかしながら、この管継手の製造方法で
は、受口内面にゴムリング装着溝や抜け止めリング装着
溝等のアンダ−カットや逆テ−パを有する管継手の場
合、塩化ビニル樹脂製管継手の内面を成形するための内
型の構造が複雑となり(中央部で分割可能とし、左右部
を縮径可能とする必要があり、特に、分岐継手、十字状
継手の場合、著しく複雑となる)、金型費用が高価につ
き、経済的に不利である。
【0004】本発明者等においては、フィラメントワイ
ンディング法による繊維強化樹脂製管継手の製造方法と
して、「軸方向に凹凸状に曲折する内周面を有する短管
状の補助部材を、円筒状または円柱状芯金の端部上に装
着して成形型を形成し、その成形型の周りに硬化性樹脂
含浸繊維を巻き付けて繊維強化樹脂層を形成し、樹脂を
硬化させ、硬化した繊維強化樹脂層の端部に補助部材を
一体に接合せしめ、その後、円筒状もしくは円柱状芯型
を抜去すること」を、既に提案した(特開平5−278
140号)。
【0005】この方法において、使用する補助部材は、
繊維強化樹脂製管継手の受口の内側面に一体化されてそ
の受口内面を形成するものであり、直線状管継手、曲り
管継手、分岐管継手、十字状管継手に共用できる、ま
た、補助部材の内面を成形するための内型の構造を、例
えば、同じ受口を有する直線状管継手の内面を成形する
ための内型の構造に較べて簡易にできる。したがって、
この方法によれば、各種の繊維強化樹脂製管継手を製造
する場合の金型の一部共通化、金型の低コスト化等によ
り製造コストの低廉化を図ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平5−278
140号公報に開示された発明は、フィラメントワイン
ディング法による繊維強化樹脂製管継手の製造方法を対
象としており、RI成形等の加圧注入法への適用の示唆
はないし、そのままでは、適用は不可である。
【0007】そこで、本発明者等においては、上記特願
平4−80893号明細書に開示された方法において、
補助部材と芯金との間を樹脂の注入圧力に耐え得るよう
に封止し、この補助部材装着芯金を外型内にセットし、
硬化性樹脂含浸繊維のフィラメントワインディングに代
え、硬化性樹脂組成物を型内に加圧注入して、繊維強化
なしの樹脂製管継手を製作したところ、その管継手の耐
内圧強度が予想以上に優れていた。その理由は、定かで
はないが、樹脂の注入圧力(5〜10kg/cm2程度
とした)のために、上記の補助部材が弾性的に縮径され
たのち、注入樹脂が硬化の進行に伴い収縮する際、その
収縮に追従して上記収縮補助部材が弾性的に復元し、全
体の成形収縮が低減され、成形収縮に起因する内部歪等
が軽減される結果と推定される。
【0008】本発明の目的は、上記知見に基づき不飽和
ポリエステル樹脂等の熱硬化樹脂製管継手を充分な強度
で簡単に製造できる樹脂製管継手の製造方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る樹脂製管継
手の製造方法は、製造する管継手に対する受口内面形成
用シェルをコアに装着し、このシェル装着コアを内型と
して外型内にセットし、型内に硬化性樹脂組成物を加圧
注入し、該注入樹脂組成物の硬化後、上記シェルと一体
の硬化体を取り出すことを特徴とする構成であり、内型
に繊維補強材を被施し、型内に加圧注入した硬化性樹脂
組成物を繊維補強材に含浸させ、硬化させることがで
き、また、加圧注入する硬化性樹脂組成物にフィラ−を
混入することもできる。
【0010】以下、図面を参照しつつ本発明の構成を説
明する。図1は本発明により製造する樹脂製管継手の一
例を示し、1,1は受口の内面を形成しているシェル、
2は熱硬化樹脂製継手本体であり、この本体2とシェル
1とは接着により一体化されている。
【0011】図2は上記のシェルを示し、胴部にゴムリ
ング装着溝11と抜け止めリング装着溝12とが形成さ
れ、胴部の先端部13が径小にされている。本発明によ
り図1に示す樹脂製管継手を製造するには、図3の
(イ)に示すように、コア31に2箇のシェル1,1を
互いに対向させて装着し、コア1の両端にサポ−タ32
をボルト止め33により固定すると共にコア31と各シ
ェル1の先端径小部13との間並びに各シェル1の後端
14と各サポ−タ32との間を封止して、内型3を組み
立てる。
【0012】次いで、図3の(ロ)に示すように、離型
剤を塗布した外型4内に内型3をセットし、外型4をガ
スケット41を介してボルト(図示せず)の締め付け等
で型締めする。この状態において、内型3の中心線と型
4内空間の中心線とは、サポ−タ32,32により一致
される。
【0013】更に、注型装置5のノズル51を外型4の
注入孔42に連結する。而るのち、二液A,Bを各貯槽
52a,52bから各プランジャ−ポンプ53a,53
bで混合ヘッド54に計量供給し、これを混合し、所定
の圧力で混合液、すなわち、液状硬化性樹脂組成物を型
4内に注入し、注入ゲ−トを閉じ、この注入液の硬化を
まって型4を開き、コア31と共に硬化体を取り出し、
サポ−タ32を取外し、コア31を引き抜き、製品を得
る。
【0014】その後は、外型を清掃し、更に、その内面
に離型剤を塗布し、次ぎの内型をセットし(硬化性樹脂
組成物の注入・硬化の工程中に次ぎの内型を組み立てて
おく)、以上のプロセスを1サイクルとして以後、サイ
クルを繰り返していく。
【0015】この場合、樹脂の硬化、硬化体の取り出
し、外型の清掃並びに離型剤の塗布に要する合計時間を
1、樹脂の注入に要する時間をT2とすれば、T1/T2
台(正確には、n≦T1/T2<n+1を満たすn台)の
外型を使用し、これらの外型による製造をT2時間のず
れで行い、1箇の樹脂注入装置で次ぎから次ぎへと型に
注入していく方式、例えば、タ−ンテ−ブル方式を使用
することもできる。
【0016】上記熱硬化性樹脂組成物においては、二液
混合状態で熱または触媒の作用により硬化反応を起こ
し、不溶不融状態に成っていく。上記図3の(ロ)にお
いて、硬化性樹脂組成物の型4内への注入圧力によりシ
ェル1が弾性的に縮径される。この注入樹脂組成物の硬
化の進行に伴い樹脂が収縮(硬化収縮並びに冷却収縮)
していくが、この収縮に伴い縮径シェルが反発弾力で膨
らんで元の状態に復元されていき、シェルがアキュムレ
−タの作用をなし、樹脂圧の低下が抑制され、成形収縮
に基づく内部歪の発生が軽減されることが推定される。
【0017】上記硬化性樹脂組成物の加圧注入・硬化成
形には、RI成形(レジンインジェクション成形の略称
であり、型の適切な位置に設けた注入孔を通じ、直前に
必要量の触媒促進剤を配合した硬化性樹脂を圧入充填し
た後、注入孔を閉じ、常温乃至50℃程度で硬化させ
る)、またはRIM成形(リアクションインジェクショ
ンモ−ルディングの略称であり、二種以上の低分子量
で、かつ低粘度の2官能性以上の単量体または初期重合
体を、加圧下で混合室を通過させたのち、直ちに、密閉
型中に射出することにより、高度に化学的に活性を有す
る液体成分が金型内で反応して、高分子化合物が生成さ
れる)を使用することができる。
【0018】RI用の硬化性樹脂組成物には、硬化性樹
脂に硬化剤を0.5〜2PHR添加したもの(促進剤は
注入の直前に添加される)が使用され、その硬化性樹脂
には、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニ−
ルエステル樹脂、フェノ−ル樹脂等を使用でき、特に、
不飽和ポリエステル樹脂、ビニ−ルエステル樹脂が伸び
に優れており、好適である。
【0019】RIM用の硬化性樹脂組成物には、ポリ・
ジシクロペンタジエン系(ポリ・ジシクロペンタジエン
モノマ−・金属触媒・添加物からなるA液と前記モノマ
−・活性剤・反応遅延剤・添加剤からなるB液の組合
せ)、ウレタン系(ポリオ−ルのA液とポリイソシアナ
−トのB液の組合せ)、ナイロン系(例えば、ポリオ−
ル・ビスイミド・カプロラクタムからなるA液と触媒
(臭化マグネシウム)・カプロラクタムからなるB液と
の組合せ)、エポキシ系(エポキシポリマ−のA液と例
えばポリアマイド・ポリアミン等の架橋剤のB液との組
合せ)等を使用でき、特に、ポリ・ジシクロペンタジエ
ン系が耐水性、伸びに優れており好適である。
【0020】上記において、コアと各シェルの先端径小
部との間並びに各シェルの後端と各サポ−タとの間は、
型内への熱硬化性樹脂組成物の注入圧力に耐え得るよう
に封止する必要があり、例えば、コアとシェルの先端径
小部の間の封止については、ガスケットを装着するこ
と、あるいは、シェルの先端径小部を薄くしてリップシ
−ル方式とすること、シェル後端とサポ−タとの間の封
止については、シェルの後端部をフランジに形成し、こ
のフランジをパッキングと押え板とによりサポ−タに固
定すること等が有効である。
【0021】上記シェル1には、通常、抜け止めリング
等を挿着するための溝(アンダ−カット部)が形成さ
れ、該抜け止めリング等を介して加わる、管の抜けよう
とする集中荷重に耐え得るように、また、樹脂注入圧力
により圧潰することのないように強靱な材質が使用さ
れ、鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属、塩化
ビニル樹脂、ポリオレフィン(ポリエチレン、架橋ポリ
エチレン、ポリカ−ボネ−ト、ABS樹脂、ポリプロピ
レン)、アセタ−ル共重合体(ジュラコン)やポリアセ
タ−ル(ポリオキシメチレン)等のアセタ−ル樹脂、ア
クリル樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド
等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹
脂、フェノ−ル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、ウレ
タン樹脂等の熱硬化性樹脂等を使用できる。耐水性及び
コストの点で、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン、架橋
ポリエチレン等が好ましく、コストを度外視するなら
ば、アクリル樹脂やポリカ−ボネ−ト、ABS樹脂が好
ましく用いられる。
【0022】更に、及びに対しては、フィラ−(炭
酸カルシウムや水酸化アルミニウム等)や繊維類(炭素
繊維、ガラス繊維等)を添加することもできる。シェル
の製作法には、金属の場合は切削加工、鋳造加工を使用
でき、熱可塑性樹脂の場合は射出成形や真空成形を使用
でき、熱硬化性樹脂の場合は前記したRIやRIMを使
用できる。繊維類を添加した樹脂の場合は、SMCプレ
ス、BMCプレス、スタンパブルシ−トのプレス加工等
を使用できる。
【0023】上記熱硬化性樹脂組成物の注入・硬化成形
をRIやRIMで行う場合、発熱反応温度が高温である
ことが多く、この場合、シェルには、エンジニアリング
プラスチック(耐熱温度が100℃以上のポリアセタ−
ル、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリフェニレンサルフ
ァイド等)を使用することが安全である。
【0024】本発明において使用するコア3には、分
割、拡縮径の機構を付与する必要がなく、円筒体または
円柱体を使用できる。材質としては、鉄、ステンレス、
アルミニウム等の通常の材質以外に、熱可塑性または熱
硬化性の合成樹脂、コンクリ−ト等の無機質材の使用も
可能であるが、作業性の面から、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、塩化ビニル樹脂、ポリカ−ボネ−ト、ABS
樹脂、アクリル樹脂、繊維強化プラスチックを使用する
ことが好ましく、特に、金属メッキの繊維強化プラスチ
ック成形体や金属メッキ(クロムメッキ)をした鉄鋼製
の使用が離型性、耐久性の点で好適であり、シリコン系
ゴム製のものが軽量である点で好ましい。
【0025】本発明においては、内型に繊維補強材を被
施し、型内に加圧注入した硬化性樹脂組成物を繊維補強
材に含浸させ、この含浸樹脂組成物を硬化させて、図4
に示すように、熱硬化樹脂製継手本体2を繊維補強材6
を埋め込んだ繊維強化樹脂製とすることもできる。
【0026】この場合、繊維補強材6には、円筒状のも
のを使用し、これを内型上に挿通することが、マット状
繊維材を巻き付ける場合のラップ加減のバラツキ、個人
差等を排除でき有利である。
【0027】この円筒状繊維補強材には、繊維を円筒状
に編んだもの、繊維の方向が±45 0の平織または朱子
織であって全体が円筒状のもの(所謂、編組筒)、多層
編組筒に組み紐を組み込んだもの等を使用でき、内型に
容易にフィットさせるように半径方向に伸縮するもの
(105%〜500%程度の伸縮)を使用することが好
ましく、特に、内型上に挿通したのち、長手方向に引張
ることにより内型にフィットさせ得るものを使用するこ
とが好適である。この円筒状繊維補強材の繊維には、ガ
ラス繊維、炭素繊維等の無機繊維、ポリエチレン繊維、
ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ア
ラミド繊維等の有機合成繊維を使用でき、特に、繊維強
化樹脂成形体に衝撃吸収性が要求される場合は、ポリエ
チレン繊維、ポリアミド繊維を使用することが好まし
く、繊維強化樹脂成形体に強度、剛性が要求される場合
は、ガラス繊維を使用することが好ましい。特に、強度
以外に取扱い易さも考慮すれば、ガラス繊維を編んだも
ので半径方向の伸縮率が、120%〜200%のものを
使用することが好ましい。
【0028】この繊維補強材の熱硬化性樹脂に対する割
合は、熱硬化性樹脂100重量部に対し5〜300重量
部とされる。本発明においては、成形体のクラックの伝
播を防止し、樹脂使用量の節減のために、熱硬化性性樹
脂に微細無機フィラ−を添加することができる。このフ
ィラ−としては、炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム
の汎用グレ−ドで0.2〜60μmの粒子径、重質炭酸
カルシウムの微細グレ−ドで0.2〜15μmの粒子
径)、水酸化アルミニウム(平均粒子径は0.6〜70
μm)、マイクロバル−ン(平均粒子径は10〜130
μm)特に、ガラスマイクロバル−ン(平均粒子径は6
0〜80μm)等を使用でき、粒子径の細かいものは、
短繊維との組合せで使用することもできる。例えば、汎
用グレ−ドの重質炭酸カルシウム10〜300重量部と
アエロジル(繊維長1〜50μmのガラス短繊維)10
〜300重量部との組合せを使用できる。
【0029】上記の繊維補強とフィラ−添加とを併用す
ることも可能である。本発明に係る樹脂製管継手の製造
方法においては、上記した直線状管継手(ソケット)の
他、曲り管継手(ベンド)、T字状管継手(チ−ズのほ
か、エルボ−も含まれる)、十字状管継手(クロス)等
の製造にも使用できる。ただし、コアにベンド、T字
状、十字状のもので、中間または交叉箇所を分割可能と
したものを使用し、硬化体の離型後、コアを分割して硬
化体から抜き取ることが必要である。更に、受口外面に
フランジ部を形成することも可能である。
【0030】勿論、異なる寸法のシェルを用意しておく
ことにより、レジュ−サ、異径チ−ズまたはクロスを製
造することもできる。上記樹脂製管継手には、断面円形
管の他、断面楕円形、断面長円形あるいは断面正方形の
パイプに対するものも含まれ、そのパイプの断面形状に
応じ、シェルの断面形状やコアの断面形状が、断面円形
の他、断面楕円形、断面長円形あるいは断面正方形とさ
れる。
【0031】
【作用】型内への硬化性樹脂組成物の注入圧力によって
シェルが弾性的に縮径される。そして、注入樹脂の硬化
が進行すると、樹脂が収縮していくが、この収縮に応じ
て縮径シェルが弾性的にその反発力で膨らみ、樹脂収縮
に基づく型内の樹脂圧低下が緩和され、樹脂収縮なく硬
化が進行されるのに近い状態となる(シェルがその弾性
のためにアキミュムレ−タのように作用する)と推定さ
れ、かかるもとでは、実質上、成形収縮を良く抑制で
き、内部歪の発生を充分に排除でき、管継手の耐内圧強
度を高くできる(このことは、次ぎの実施例1と比較例
1と内圧試験結果の対比からも確認できる)。
【0032】管継手のアンダ−カット等の凹凸を有する
受口内面を、シェル成形体の固着により形成しており、
アンダ−カット等の凹凸を有する受口内面を成形し、縮
径により離型するための機構を、コアには設ける必要が
なく、コアの構造を簡単にでき、コアの抜取りも至って
容易に行うことができる。
【0033】尤も、アンダ−カット等の凹凸を有するす
るシェルの成形には、縮径機構の金型が必要であるが、
この金型は、直線状管継手の受口部分のみからなる短管
を成形するものに相当し、機構を簡易にでき、寸法も小
さくできるから、金型費を低廉にできる。
【0034】従って、フィラメントワインディング方式
に較べ、高速であるRIまたはRIMにより、内部歪が
少なくて高い耐内圧強度を有する繊維強化樹脂製管継手
を能率良く製造できる。
【0035】
【実施例】
実施例1 請求項3記載の発明の実施例であり、製造した管継手は
水道管用の図1に示すソケット管継手(φ75)であ
る。シェルには厚み2.5mmの塩化ビニル樹脂の射出
成形品を、コアには表面平滑仕上げ(JIS B 060
1による表面粗さが0.1S〜0.8Sの範囲)した外
径77mmの鉄製(SS41)円筒を使用した。
【0036】熱硬化性樹脂組成物には、不飽和ポリエス
テル〔三井東圧化学工業(株)製オルソ系樹脂P−20
17〕100重量部、硬化剤〔化学アクゾ(株)製トリ
ゴノックス40〕0.8重量部、促進剤〔コバルト6%
水溶液〕0.6重量部、炭酸カルシウム〔粒子径0.2
〜60μm〕100重量部、アエロジル〔繊維長1〜5
0μm〕60重量部の配合を使用し、促進剤を最後に添
加し、その直後に圧力5kg/cm2で注入し、50℃
×1時間の条件で硬化させた。シェルと熱硬化性樹脂と
の接着力の確保のために、シェル表面にウレタン系プラ
イマ−〔三井東圧化学工業(株)製OP2015〕を塗
布した。
【0037】比較例1 実施例1に対し、シェルに代え、外郭がシェル内面に一
致し、内径がコア外径に等しい鉄製の割り型をコアの両
端部にセットし、この割り型表面に離型剤を塗布したも
のを用いた以外、実施例1に同じとした。製造した実施
例品並びに比較例品(試料数はそれぞれ10箇)につい
て、脈動圧試験(0〜20kg/cm2)を行ったとこ
ろ、比較例品においては、1000〜30,000回で
破壊したが、実施例品においては、60,000回を異
常なく経過した。
【0038】また、実施例品並びに比較例品(試料数は
それぞれ10箇)について、静水圧試験を行ったとこ
ろ、比較例品においては、50kg/cm2以下で破壊
したものが10箇中4箇もあったが、実施例品において
は、全て50kg/cm2を合格した。
【0039】なお、実施例品について、約9kgのナス
型錘を高さ1.5mから落下させる衝撃試験を行ったと
ころ、クラックの発生はなく、また、外傷も殆ど観られ
ず、フィラ−添加の効果を確認できた。
【0040】実施例2 請求項2記記載の発明の実施例であり、実施例1に対
し、フィラ−(炭酸カルシウム並びにアエロジル)の添
加を省略し、外径90mmのガラス編組筒を内型に被せ
て引張りにより内筒にフィットさせた以外、実施例1に
同じとした。製品におけるガラス繊維体積含有量は約3
0%であつた。
【0041】この実施例品についても、脈動圧試験並び
に静水圧試験を行ったところ、実施例1と同様脈動圧試
験については、60,000回を異常なく経過し、静水
圧試験についても、全て50kg/cm2を合格した。
また、実施例1と同様に、衝撃落下試験を行ったが、ク
ラックの発生はなく、外傷も殆ど観られなかった。
【0042】実施例3 請求項1記載の発明の実施例であり、実施例1に対し、
シェルとして、架橋ポリエチレン〔三菱油化(株)製リ
ンクロンHE−707〕製のものを用い、硬化性樹脂に
ジシクロペンタジエン樹脂〔日本ゼオン(株)製PEN
TAM100〕を使用し、樹脂を圧力2kg/cm2
注入し、この注入樹脂を20℃×5分の条件で硬化させ
た以外、実施例1と同じとした。
【0043】この実施例品についても、脈動圧試験並び
に静水圧試験を行ったところ、実施例1と同様脈動圧試
験については、60,000回を異常なく経過し、静水
圧試験についても、全て50kg/cm2を合格した。
【0044】
【発明の効果】本発明に係る樹脂製管継手の製造方法
は、RIやRIM等の加圧注入法により、熱硬化樹脂製
管継手を製造する方法であるが、受口内面形成用シェル
のアキュ−ムレ−タ的な作用により成形収縮をよく抑制
でき、内部歪の少ない耐内圧強度に優れた熱硬化樹脂製
管継手を製造できる。また、硬化後での製品からのコア
の抜取りが容易であるから、作業性に優れている。更
に、シェルには、ゴムリング装着溝や抜け止めリング装
着溝等のアンダ−カツトが存在するが、このシェルの成
形に必要な金型は、例えば、受口の内面形状が当該シェ
ルに同じの通常の直線状管継手の成形に使用される金型
に較べ、低廉であるから、低コスト化を図ることができ
る。
【0045】従って、本発明によれば、熱硬化樹脂製管
継手をRIやRIM等で高速度で、しかも、充分な強度
で簡単に低コストで製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造される樹脂製管継手の一例を
示す断面図である。
【図2】本発明において使用するシェルの一例を示す説
明図である。
【図3】本発明に係る樹脂製管継手の製造方法を示す説
明図であり、図3の(イ)は内型の組立後の段階を、図
3の(ロ)は熱硬化性樹脂組成物の注入直前の段階をそ
れぞれ示している。
【図4】請求項2記載の発明により製造される樹脂製管
継手の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シェル 2 樹脂製管継手本体 31 コア 32 サポ−タ 3 内型 4 外型 42 注入孔 51 ノズル 52a A液槽 52b B液槽 6 繊維補強材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製造する管継手に対する受口内面形成用シ
    ェルをコアに装着し、このシェル装着コアを内型として
    外型内にセットし、型内に硬化性樹脂組成物を加圧注入
    し、該注入樹脂組成物の硬化後、上記シェルと一体の硬
    化体を取り出すことを特徴とする樹脂製管継手の製造方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1において、内型に繊維補強材を被
    施し、型内に加圧注入した硬化性樹脂組成物を繊維補強
    材に含浸させ、硬化させる樹脂製管継手の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、加圧注入する硬化性樹
    脂組成物に微細無機フィラ−を混入する樹脂製管継手の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006212257A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Toshiba Tec Corp マッサージ機

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