JPH02223414A - 繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法

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JPH02223414A
JPH02223414A JP1171680A JP17168089A JPH02223414A JP H02223414 A JPH02223414 A JP H02223414A JP 1171680 A JP1171680 A JP 1171680A JP 17168089 A JP17168089 A JP 17168089A JP H02223414 A JPH02223414 A JP H02223414A
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fiber
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molding
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Shunei Sekido
俊英 関戸
Masashi Ogasawara
小笠原 正史
Toru Ishiwatari
亨 石渡
Tatsuo Akimoto
秋本 龍夫
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、強化繊維がチョツプドストランド状の繊維か
らなる繊維強化熱可塑性樹脂製成形体の成形方法、およ
び分岐配管や継手などの複雑な形状を有する繊維強化熱
可塑性樹脂製管状体とその成形方法に関する。
[従来の技術] 従来、マ) IJクスが熱可塑性樹脂、強化繊維がチョ
ツプドストランド状の短繊維である成形体の成形方法と
しては、 A、熱可塑性樹脂と強化繊維の短繊維を繊維体積含有率
にして40%未満の割合で射出成形機内で混練し、溶融
状態で成形金型内に射出成形する射出成形法、 B、成形金型の近くに設けられた加熱チャンバ内に予め
成形された成形体のプリフォーム材を収納し、溶融した
状態でプランジャーによって加圧して成形金型内に射出
成形するトランスファ成形法、 C0上型と下型間に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸した強
化繊維からなるシート・モールディング・コンパウンド
(SMC)やバルク・モールディング・コンパウンド(
BMC)のプリプレグを挿入し、このプレプレグを加熱
しながら上型と下型とを相対移動して加圧賦形する圧縮
成形法などが知られている。
また、上記成形体の形状が例えば、第4図、第6図およ
び第7図に示すような比較的強度が要求されるクロス状
の分岐用配管や、継手などの如く、複雑な形状が要求さ
れる管状体である場合には、その成形方法としては、 A0強化繊維引揃えシートに熱硬化性樹脂を含浸し、こ
れをマンドレルに巻き付けたのち、上記樹脂を加熱硬化
させ、次いでマンドレルを抜き取る方法、 B、熱硬化性樹脂を含浸しながら強化繊維やそのテープ
をマンドレルに巻き付けて加熱硬化させたのち、マンド
レルを除去する、いわゆるフィラメントワインディング
法、などが知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記射出成形法は、成形前には長さが数
mmあった短繊維が射出成形機内での混練工程や狭いゲ
ート部や複雑な金型の空隙部を通過させる射出工程中に
おいて折損するので、成形金型内では殆んどl mm以
下の長さになってしまい、成形体としての本来の機械的
強度が発揮されない・という問題、また、トランスファ
成形法は、射出成形法のような混練工程はないが、溶融
樹脂や短繊維を狭いゲートを経て成形金型内に射出する
工程があるため、やはり多くの短繊維が折損したり折れ
曲がるという問題がある。
更に、上記三方法の成形法で得られた成形体は、強化繊
維が溶融樹脂と共にゲートを経て金型内に流入するため
、強化繊維がゲートの位置で限定される特定の配向をな
す。
したがって、これにより得られた成形体は、等方性が低
く、特定の方向にのみ強度を発揮する異方性材料となる
欠点、また固定された金型の特定の位置にゲートを設け
る成形法であるため、流動樹脂の合流位置にいわゆるウ
ェルドラインと呼ばれる機械的強度の低い部分が生じる
欠点がある。
また、圧縮成形法は、ゲートを使用しないから得られた
成形体にウェルドラインが発生せず、プリプレグの強化
繊維として長繊維や短繊維を用いることができ、それら
の繊維の配向方向を自由に設定できる利点はあるが、成
形体が鋭いリム部を有する成形体や肉厚変化の著しい成
形体の場合には、この方法では樹脂を溶融し流動させる
わけではないため、狭い空隙部にプリプレグを押し込む
ことが困難であるという欠点がある。
この欠点を改善する方法として、特公昭6029613
号公報に、3分割以上に分割した複数の金型を用い、こ
の金型の中に、予め最終成形体に成形した樹脂が半溶融
状態で未硬化のいわゆるBステージ状態の繊維強化熱硬
化性樹脂からなる予備成形体を複数個組合せて収納し、
次いでこの予備成形体に対して複数の方向から圧縮成形
する成形方法が提案されているが、射出成形法のように
樹脂が流動可能゛な溶融状態ではないため、成形金型内
の狭い細部にまで溶融樹脂や強化繊維が浸透しないとい
う欠点があり、未だ問題解決には至っていない。
一方、前記管状体の成形法において、熱硬化樹脂を含浸
した強化繊維やそのテープ、あるいはそれらの引揃えシ
ートをマンドレルに巻き付けて加熱硬化させる成形方法
は、使用する強化繊維が長繊維であるため、比較的強度
は高いが、管状体の長手方向の断面形状が異径状や、分
岐管のように一点に複数の管状体が集合する複雑な形状
の管状体の場合には、このようなワインディング法では
強化繊維をマンドレルに巻き付けたり、マンドレルを抜
き取ることが困難であるため、成形が非常に難しいとい
う問題があった。
すなわち、本発明は、成形に際し成形体中の強化繊維の
折損を生じさせず、かつ、短繊維の配向方向を制御し、
ウェルドラインが発生せず、しかも、機械的強度の比較
的高い成形体が容易に得られる成形方法、および、この
ような優れた機械的特性を備えた、特に直管や分岐管な
どの管状体を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するための本発明の構成は、以下の通り
である。すなわち、 (1)強化繊維が短繊維からなり、マトリックスが熱可
塑性樹脂からなる繊維強化樹脂を金型内に注入して繊維
強化熱可塑性樹脂製成形体を加圧成形する繊維強化熱可
塑性樹脂製成形体の成形方法において、 前記金型を複数個の割型からなる分割金型とし、該金型
内の前記繊維強化熱可塑性樹脂製成形体が特定の配向方
向を必要とする位置に、予め前記強化繊維を特定の方向
に配向させた前記繊維強化熱可塑性樹脂からなる予備成
形体を充填し、次いで該予備成形体内の熱可塑性樹脂を
加熱溶融させ、該状態で前記分割金型のうちのいずれか
の金型を他方の金型に相対移動することによって前記繊
維強化熱可塑性樹脂製成形体を加圧成形することを特徴
とする繊維強化熱可塑性樹脂の成形方法。
(2)  前記予備成形体は、長さ5mm以上の強化繊
維が熱可塑性樹脂に混入されたテープ状またはストラン
ド状の繊維強化熱可塑性樹脂からなり、該繊維強化熱可
塑性樹脂の集合体を、ホットプレス成形して得ることを
特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂製成形体の成形方法。
(3)長さが5mm以上の短繊維が混入された熱可塑性
樹脂からなる繊維強化熱可塑性樹脂を金型に充填し、該
金型を加熱することにより、繊維強化熱可塑性樹脂中の
熱可塑性樹脂を溶融しながら加圧し、成形する繊維強化
熱可塑性樹脂製成形体の成形法方において、 (イ)前記金型として、複数個に分割された割型で、か
つ、該割型の少なくとも一つが押型である分割金型を用
い、 (ロ)前記金型内で成形される繊維強化熱可塑性樹脂成
形体中の短繊維の配向を特定方向に揃えたい位置の近傍
に、前記繊維強化熱可塑性樹脂中の短繊維の配向が予め
一方向に揃えられた予備成形体を、該予備成形体の短繊
維の配向と前記押型の移動方向とを直交せしめた位置関
係に配設し、 (ハ)次いで、該金型内に充填された前記予備成形体を
加圧し流動させて成形する、 ことを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂製成形体の成形
方法。
(4)前記予備成形体は、テープ状またはストランド状
の繊維強化熱可塑性樹脂によって成形され、かつ、該予
備成形体中の短繊維は長さが5mm以上、51mm未満
であることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂製成形体
の成形方法。
(5)前記予備成形体は、外形が円板状に形成されてな
り、分割金型として成形部の少なくとも一部に筒状の空
洞部を有し、かつ、筒状の空洞部へ挿入するための空洞
部より小径の押型を備えた管状成形体用金型を用い、該
押型を前記空洞部内へ挿入することによって前記予備成
形体を加圧し、管状体を成形することを特徴とする繊維
強化熱可塑性樹脂製成形体の成形方法。
(6)長さが5mm以上、51mm未満の短繊維が混入
された熱可塑性樹脂からなる繊維強化熱可塑性樹脂の管
状本体部、および該管状本体部の外周の少なくとも一部
に配設された長さが51mm以上の長繊維よりなる強化
繊維部とからなることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹
脂製管状体。
■ 前記管状体本体部の横断面の外周形状が、一部に直
線部を有する非円形状であることを特徴とする繊維強化
熱可塑性樹脂製管状体。
(8)筒状の空隙部を有し、かつ、該空隙部の外径より
も小径の押型を備えた金型の該空隙部に、長繊維が混入
された熱可塑性樹脂からなるシート状物を前記空隙部内
周面の少なくとも一部に配設し、次いで熱可塑性樹脂中
に短繊維が混入され、かつ、該単繊維の配向が予め一方
向に揃えられた予備成形体を、該予備成形体の短繊維の
配向と前記押型の移動方向とを直交せしめて配設し、次
いで前記金型により前記予備成形体および前記シート状
物中の熱可塑性樹脂を加熱、溶融し、次いで前記押型を
、前記空隙部内に挿入して加圧成形することを特徴とす
る繊維強化熱可塑性樹脂製管状体の成形方法。
を要旨とするものである。
ここで、熱可塑性樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂例
えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、スチレン−ブタジ
ェン−アクリルニトリル共重合体、スチレン−アクリル
ニトリル共重合体、ポリアミド、ポリカーボネイト、ポ
リスルフォン、ポリアセタール、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリフェニレンオキシド、熱可塑性ポリウレタン
、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタ
レート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレン
サルファイド等の樹脂が用いられ、またこれらの2種ま
たはそれ以上の樹脂の混合物をも含み、これらの樹脂に
一般的に用いられる可塑剤、熱安定剤及び光安定剤、充
填剤、染顔料、加工助剤、耐衝撃剤、増量剤等を添加さ
せることができる。
強化繊維としては、公知の繊維状体が用いられ、例えば
ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、そ
の他の無機質繊維、合成繊維などが用いられる。なお、
引張強度が30kg/mrr(以上、ヤング率が100
0kg/m%以上の繊維状強化材やそれらの組み合せを
用いるのが好ましい。
そして、上記強化繊維からなる短繊維の長さとしては、
特に限定されないが、5mm以上のものが好ましく、5
mm以上から成形しようとする成形体の全長までの長さ
範囲のものがより好ましい。さらに、5〜51mmのも
のがより好ましく、5〜30mmのものが最も好ましい
。また、強化繊維の太さは、1〜50μmが好ましい。
繊維強化熱可塑性樹脂とは、上記の短繊維が混入された
熱可塑性樹脂であり、その短繊維の混入量は、特に限定
されないが、繊維含有体積率にして20〜70%である
のが好ましく、40〜60%であるのがより好ましい。
なお、繊維強化熱可塑性樹脂には、短繊維以外のものが
本発明の趣旨を損ねない範囲で混入されていてもよい。
予備成形体は、上記繊維強化熱可塑性樹脂中の短繊維が
予め特定の方向に配向されたもの、すなわち、短繊維の
長さ方向の向きが一方向に予め揃えられたものであるの
が好ましい。
長繊維が混入された熱可塑性樹脂からなるシート状物と
は、熱可塑性樹脂に長繊維が混入されシート状に形成さ
れたもので、その長繊維の長さは、特に限定されないが
、51胴を越えるものが好ましく、成形しようとする管
状体の全長、または、管状体長さの半分以上の長さを有
するものがより好ましい。また、その混入量も特に限定
されないが、繊維体積含有率にして35〜70%である
のが好ましく、45〜60%であるのがより好ましい。
なお、シート状物中の長繊維は、そのシートの長さ方向
に配向されているのが好ましい。
長繊維からなる強化繊維部とは、上記のシート状物が加
圧成形された部分である。
」1記成形体や成形方法において、短繊維状の強化繊維
間に含浸された未硬化の熱硬化性樹脂の流動性が良好で
金型細部まで流動するような場合、予備成形体として前
記SMCやBMCを用いたり、樹脂が未硬化状態のいわ
ゆるBステージ状態にある長繊維強化熱硬化性樹脂の予
備成形体を用いてもよい。
加圧成形における加圧力は、特に限定されないが10k
g/c/以上が好ましい。また、加熱温度は、熱可塑性
樹脂の融点以上の温度である。
なお、繊維の配向とは、繊維の長さ方向の向きのことで
ある。
管状体の外表層における長繊維の配設は、その外表層の
少なくとも一部であればよいが、外表層の円周方向の周
長の1/10以上に配設されているのが好ましい。
筒状の空隙部における長繊維の配設は、その空隙部層面
の少なくとも一部であればよいが、空隙部層面の1/1
0以上に配設されているのが好ましい。
[作用] 本発明の成形方法は、上述した如く強化繊維と熱可塑性
樹脂によって成形した予備成形体を金型内に充填し、加
熱して樹脂を溶融した状態で加圧成形するに際し、成形
された成形体を使用するときに特に他の部分より大きな
引張応力や曲げ応力などの機械的応力が作用する特定の
場所(短繊維の配向を特定方向に揃えたい個所)に、短
繊維が機械的応力に強い適切な配向をなすように、金型
の特定の位置、即ち樹脂が押型によって少なくとも短繊
維の長さ以上の距離を流動し、短繊維の配向がその流動
樹脂流れに沿って揃えられる位置(上記の短繊維の配向
を揃えたい個所付近の位置)に予備成形体を設置し加熱
して加圧成形する。
したがって、本発明の成形方法で得られた成形体は、引
張り、曲げ、捩り、剪断などの機械的応力に優れたもの
が得られる。
また、本発明の管状体は、金型内における管状体本体部
の外周の少なくとも一部に長繊維が一方向に配列された
強化繊維部を予め配設したため、上記機械的応力が高く
なる作用を有する。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を図面を参照しながら具体的に
説明する。
実施例1 第1図および第2図は、本発明に係る請求項(1)およ
び請求項(3)に記載の成形方法を説明するための図で
、第1図は、例えば椀状断面を有する成型品を成形する
ための上型1と下型2とからなる金型の縦断面図、第2
図は、第1図の上型1を下型2方向へ移動した状態を示
す縦断面図である。以下の説明においては、成形された
椀状物のうち、特にその底部である円筒状の凸部となる
部分、すなわち、金型における凹部3に機械的強度を持
たせたい場合、つまり金型の凹部3を短繊維の配向方向
を揃えたい位置とした場合にこの成形方法を用いる。
図において、1は、椀状物の内周面を形成するための半
球状の凸部4を有する上型(押型)、2は、椀状物の外
周面を形成するための半球状の凹部5と底部に円筒状の
凹部3とを備えた下型で、両型をそれぞれの型の側部6
で嵌合することにより、両型の間に椀状の空隙郡部であ
る空隙部7が形成される。
一方、別の金型(図示せず)を用いて空隙部7に設置さ
れる外形が円板状の各種予備成形体8〜10を予め成形
する。本発明においては、予備成形体8〜10のうち、
特に予備成形体1oを用いる点に特徴を有している。
この予備成形体10を含む予備成形体8〜1゜を、押型
である上型1を図の下方へ移動し加圧成形することによ
り、最終成形体である椀状の成形物を得んとするのであ
る。
ただし、予備成形体1oの配設(充填)される量は、そ
の溶融体が凹部3に流入する量以上であるのが好ましい
なお、予備成形体10は、下型2に配置されたとき、短
繊維の配向方向が上型1の加圧時の移動方向と直交する
方向、すなわち図では左右方向に予め揃えられているの
が好ましい。
予備成形体8〜10の形状としては、強化繊維の間に充
分熱可塑性樹脂が含浸され、また簡単なホットプレス成
形法や射出成形法などで容易に成形できるような形状で
あれば如何なる形状でもよく、例えば上述した円板状の
他、例えば楕円板状、矩形板状等であってもよい。予備
成形体8〜10のうち、予備成形体8および9は、短繊
維の配向方向がランダムであるが、予備成形体10では
、上述したように概ね殆どの短繊維の配向が左右方向に
なるように平行に揃えられている。なお、予備成形体8
.9を、予備成形体10に置換えてもよい。
上記のように短繊維の配向方向をランダムにしたり、左
右方向に揃えたりする方法は、予備成形体を成形すると
きにテープ状またはストランド状の繊維強化熱可塑性樹
脂を所望の方向に揃えて成形金型に入れることによって
容易に得られる。
上記円板状の予備成形体8〜10の成形方法としては、
金型内部の円板状の空隙部に強化繊維を配置し、この空
隙部に射出成形機などによって溶融した熱可塑性樹脂を
充填して成形してもよいし、強化繊維の外周に熱可塑性
樹脂が被覆されたいわゆる被覆糸を多数上記金型内に配
置して押型でホットプレス成形してもよい。
これらの方法によって成形される予備成形体10は、再
び溶融成形されるので、必ずしも良好な繊維強化熱可塑
性樹脂に成形する必要はなく、多少のボイドなどを含む
ものでもよい。
次に、上型1および下型2のそれぞれの賦形部1′、2
′に最終成形体が取り出し易いように離型剤を塗布する
。そして、上記予備成形体8〜10を空隙部7に第1図
のように設置し、その際特に予備成形体10を上型1の
移動方向と直交する位置で、かつ、短繊維の配向方向を
特定方向(図の上下方向)に揃えたい円筒状の凹部3の
近傍に設置し、予備成形体8の上から軽く予備成形体9
.10を下方へ押える。この状態で上型1および下型2
を熱可塑性樹脂の融点以上にまで加熱し、次いで下型2
を固定したままで上型1を側部6に沿って下方へ移動さ
せる。すると、予備成形体9〜10は、溶融され状態で
」二型1から下型2方向への圧力を受けるので、第2図
に示すように断面形状が椀状の空隙部7を形成すると共
に、この空隙部7の隅々にまで溶融樹脂が流入する。こ
の際、予備成形体8〜10のうち、予備成形体8および
9は、直接上型1から圧力を受けるので側部6の方向お
よび下方へ溶融樹脂が流動するが、予備成形体10は成
形体9を介して下型2方向への圧力を受けるので、その
殆んどが下方の円筒状の凸部3内に流入する。この際、
予備成形体10中の短繊維は、四部5の底部では図の左
右方向に配向方向されているが、凹部3に流入した短繊
維は、流入口11から流入する際に、短繊維の長さ以上
の距離を移動する樹脂流により、短繊維の配向方向が9
0°転換される。
従って、予備成形体10を、予め第1図のように円筒状
の凹部3の近傍に設置しておくと、第2図に示すように
円筒状の凹部3内へ樹脂の流れに沿って流入した短繊維
の殆んどが上下方向に配向され、機械的強度の高い椀状
物が得られる。
すなわち、成形時の熱可塑性樹脂の流動方向を考慮した
短繊維の配向方向を有する予備成形体を予め成形し、こ
の予備成形体を金型内の短繊維の配向方向に特を揃えた
い部位の近傍に配設して成形することによって、最終成
形体の短繊維の配向方向を比較的自由にコントロールす
ることができるのである。
なお、上述した本発明において、椀状の最終成形体は、
金型が冷却された後に下型2から取り出されることにな
るが、取り出しを容易にするため、第2図に示すように
下型2を破線Mで2分割してもよい。また、上型1の移
動によって予備成形体8〜10の溶融物を加圧する際、
溶融物不足で未加圧となるのを避けるため、この予備成
形体の体積を空隙部7の容積よりも多少大きくするとよ
い。
また、本発明では予備成形体8〜10を用いたが、この
ような予備成形体を用いない成形法として、上述した被
覆糸を直接上型1と下型2との間に充填して熱可塑性樹
脂の融点以上の温度で加熱しながら上型1によってホッ
トプレス成形を行う成形法も考えられるが、この成形法
は、強化繊維の配向方向を制御することが難しいことと
、被覆糸を充填すると嵩高となって大量の被覆糸が充填
できないため加圧力が低くなるという欠点がある。
また、第1図にしめすように溶融樹脂の流入口11が狭
く、かつ、流入長さが長い円筒状の凹部3へ強化繊維や
溶融樹脂を注入する際に、短繊維が流入口との接触で折
損したり、短繊維が充分に流入できない問題が生じる場
合は、予めこの円筒状の凹部3の中に更に細片化された
予備成形体を配設しておいてもよい。
実施例2 第3図および第4図は、本発明に係る請求項(5)に記
載の成形方法を説明するための図で、第3図は、管状の
成形体を成形するため、金型に予備成形体が充填された
状態を示す斜視図、第4図は、第3図の金型で成形され
た管状体の斜視図である。
図において、12は、上型、13は、下型で、両金型の
それぞれの接合部には半径が15mmの半円状の空隙部
14が形成され、上型の凹部15と、下型の凸部16と
を嵌合させると直径が30mmの十字状の空隙部部が形
成できるようにされている。
そして、17は、この十字状の空隙部部に四方から挿入
して管状成形体の内径を形成するための押型で、先端部
には空隙部の内径よりもやや小さい外径を有するロッド
径が26mmの外径を備えた先端部18を有している。
なお、20は、上型12と下型13とを結合するための
固定ボルトである。
このように上型12と、下型13と、押型17とからな
る分割型の金型に対して、強化繊維として単糸数約60
00本のPAN系炭素繊維(東し株式会社製“トレカ”
T300 x6 K)を幅方向に引き揃えたものに、マ
トリックスとして熱可塑性樹脂であるナイロン6を含浸
させた厚みが約100μm1幅が約4mmのテープ状の
予備成形体を成形し、長さを10〜30mmに切断した
次いで、この切断されたテープ状の予備成形体を多数集
めて、別に設けた空隙部が円板状の金型(図示せず)内
に充填し、約250℃に加熱溶融の後、約100kg/
cnfの加圧力で押圧して直径が10〜30mm、厚さ
が3〜6mmの範囲でそれぞれ異なる繊維体積含有率が
約60%の複数の円板状の予備成形体19を成形した。
次に、これら異径の複数の予備成形体19を第3図に示
す下型13の半円状の空隙部14に載置した後、上型1
2を下型13に嵌合し、両金型を固定ボルト20で樹脂
の漏れが防止できるまで締め付けて一体化した。なお、
この場合、最終成形体にしたときに特に高い機械的強度
が要求される半円状の空隙部14の交叉部近傍(第4図
の管状成形体23の交叉部22近傍)には、短繊維の長
さが特に長く、また、その配向方向が半径方向、すなわ
ち、図の押型17の移動方向と垂直な方向に配向された
予備成形体19を配設した。この半円状の空隙部14の
交叉部に配置すべき予備成形体19の数は、押型17が
挿入されたとき、上下型12.13と押型17との隙間
から樹脂が若干もれる程度の個数であればよい。
次に、この状態で金型を熱板(図示せず)に押し当てて
金型内部の予備成形体19を230〜250℃に加熱し
、四方に配設されている押型1−7を油圧シリンダ(図
示せず)によって加圧力を約30kg/cnfで金型の
内部方向に移動させた。
この加圧状態を約3分間保持した後、金型を冷却して成
形体を取り出したところ、驚くべきことに成形前は単純
な円板状の予備成形体であったものが、第4図に示すよ
うにL/D=10(外径りが30mm、肉厚2mm、最
長部の長さLが300mm)で四方に開孔部21を有す
る十字状の管状物23が成形されていた。この管状物2
3の破壊曲げ応力を曲げ試験機で計測したところ、破壊
曲げ応力が約40kg/mrtfと短繊維強化樹脂製の
管状物としては非常に高いものであり、例えば接続部に
強度が要求される管継手として用いると好適であること
が判った。
実施例3 第5図ないし第7図は、いずれも第4図で説明した管状
体23に対し、更に機械的強度をより高くするように工
夫された本発明に係る管状体の説明図で、第5図は、請
求項(6)に記載の円形断面の管状体の一実施例を示す
斜視図である。
図において、24は、断面が円形状である本発明の直管
状の管状体であり、直管の外層全体に配設された、熱可
塑性樹脂がナイロン6、該樹脂に混入された長繊維が前
記炭素繊維からなりその長さが400mmの平織状のク
ロス層25(強化繊維部)と、内周部に配設された熱可
塑性樹脂と長繊維が」二記クロス層と同一組成、同一寸
法の長繊維層26と、両者の間に配設された、熱可塑性
樹脂がナイロン6、該樹脂に混入された短繊維がガラス
繊維チョツプドストランドC3(日東紡績■製)からな
りその長さが13mmの短繊維層27(管状本体部)と
で構成されている。ここで、長繊維層26中の長繊維は
、管状体24の軸方向の一方向に配向されている。この
長繊維層26中には、各種の機械的強度を考慮して」1
記軸方向の他、例えば軸方向から±30〜±45°方向
に傾斜した繊維が含まれてもよい。本実施例では、短繊
維層27中の短繊維は、ナイロン6中にランダムに混入
されているが、その配向方向を管状体24の軸方向に揃
えるのが好ましく、以下第6図および第7図で説明する
短繊維層29.47についても同様である。また、本実
施例の長繊維は、管状体24の外層の他、内層にも配設
されているが、少なくとも管状体の外周の一部に配設さ
れていればよい。
このように内外層、特に最外層に長繊維が軸方向に配向
されているため、管状体24に曲げ応力や捩り応力が作
用した場合でも、最外層に生じる最大応力に充分耐える
ことができ、短繊維だけで強化された管状体より極めて
高強度の管状体が得られる。
実施例4 第6図は、請求項(′7)に記載の管状体の実施例を示
す斜視図である。図において、28は外観がY字状をし
た非円形断面を有する管状体であり、熱可塑性樹脂がナ
イロン6、該樹脂に混入された短繊維が前記ガラス繊維
からなりその長さが6mmの短繊維層29と、熱可塑性
樹脂がナイロン6、該樹脂に混入された長繊維が前記炭
素繊維がらなり、その長さが150mmの長繊維強化層
3oとで構成されている。短繊維層29は、内部に孔3
1が穿設されていると共に、外周の上下二面が平行に面
取りされることにより、非円形形状をなしている。
そしてこの面取り部のそれぞれには、長繊維強化層30
が管状体28の軸方向に沿って接合されている。
すなわち、本実施例のY字状管状体28は、短繊維層2
9の直管部長さに相当するテープ状の長繊維層30を6
枚準備し、それぞれを上記面取り部に接合したものであ
り、その具体的な成形方法は、後に詳述する第11図の
金型の空隙部43a143bの形状をY字状とし、同図
で説明する成形方法を採ったものである。
このような管状体の断面形状を非円形状にすると、管状
体が屈曲した管状体や分岐管のような直管以外の管状体
であっても、曲げ応力や捩り応力などの最大応力作用部
位の最外層に大量の長繊維を配向しているため、非常に
高強度の管状体が得られる。
実施例5 第7図は、第6図とは異なる実施態様の管状体の一実施
例を示す斜視図である。図において32は、外観が十字
状の管状体であり、熱可塑性樹脂に短繊維層47、と該
短繊維層の上下両面に接合された長繊維層34a、34
bには共に前記炭素繊維を用い、短繊維層47の断面形
状を六角形状となし、短繊維層47の上下両面に管状体
の軸方向に沿って長繊維層34 a、 34 bを接合
したものである。
実施例3で説明したように管状体の断面形状は、直管の
場合は円形が好ましいが、実施例4.5のようなY字状
や、十字状の管状体のように交差部を有する場合は、断
面が円形であるとその管状体の外表層に長繊維を大量に
配設することが困難であり、特に大きな曲げ応力が作用
する交差部や変曲部への長繊維の配設が難しい。しかし
、実施例4.5のように断面を非円形状にすると、上記
要部への長繊維の配設が容易となるばかりでなく、長繊
維の配設長さとその量を容易に調節することができるの
で、機械的強度に優れた管状体が得られる。
実施例6 第8図は、第5図で説明したごとき断面が円形状の管状
体24の成形方法を説明するための工程分解図、第9図
は、第8図のシート状物35を構成している「コ」の字
状のシート状物36の斜視図、第10図は、第8図に示
す押型37を左右から挿入した状態を示す断面図で、い
ずれも請求項(8)に記載の成形方法の一実施例を示す
図である。
以下、第5図で説明した直管状管状体24を成形する方
法をその工程順に従って説明する。
(1)まず、第8図の金型38の内部に設けられた円形
断面の空隙部39に、予め熱可塑性樹脂が含浸された強
化繊維からなる平織状シート40を、図に示す如く筒状
に丸めて空隙部内周面に沿わせるように挿入する。
(2)次いで、外形が円板状に成形された短繊維からな
る上記予備成形体19を複数個挿入する。
この場合、予備成形体19は、短繊維の配向方向が図の
如く、円板の軸線と直交する方向に配向されたものを用
い、この短繊維が後述する押型37の移動方向と直交す
るように予備成形体19を空隙部39内に挿入すること
が大切である。この予備成形体19は、管状体24の本
体部である短繊維層27を構成するものであるから、そ
の個数は必要数を予め計算のうえ、求めておく。
(3)次いで、第9図のごとく長繊維41に熱可塑性樹
脂42が含浸され、[ココの字状に折り曲げられたテー
プ状のシート状物36を複数個集合させて第8図の如く
シート状物35を形成し、これを空隙部39内の予備成
形体の両側に挿入する。
(4)次いで、金型38を上記予備成形体19およびシ
ート状物35中の熱可塑性樹脂が十分溶融するまで加熱
する。
(5)そして、この状態で」1記シート状物35の内周
面よりも小径の押型37を、金型38の左右から空隙部
39内に挿入し、熱可塑性樹脂が溶融した状態を維持さ
せながら、押型37を金型6の中央方向に移動させてい
く。この押型37の移動によって、空隙部39のほぼ中
央に配設された溶融状態の予備成形体19は、金型の両
開口部方向へ流動して行き、結局、第10図に示すよう
な状態となる。すなわち、予備成形体19中の短繊維は
、空隙部39の中央部では、図示の如く、押型37の軸
線と直交する位置を保っているが、その両側では、熱可
塑性樹脂の流れに沿って、空隙部39の内壁と押型37
との間へ流入し、図のように管状体の長手方向に沿う配
向となる。この場合、上記「コ」の字状のシート状物3
6は、押型37と共に金型の中央部に移動するが、平織
状シート40は、空隙部内周面に静止している。第10
図の状態は、熱可塑性樹脂が空隙部39内に完全に充満
した状態であるため、押型37の移動が停止した状態を
示している。更に押型37を押しつけると、熱可塑性樹
脂は加圧状態となり、より緻密な構造の管状体が得られ
る。
(6)  次に、加圧状態を保持しながら金型38を冷
却し、熱可塑性樹脂を固化させた後、管状体24を取り
出す。
上記の成形方法で成形された管状体24は、強化繊維が
予備成形体中19の短繊維だけでなく、内周には一方向
に配向された長繊維41が、外周には平織状の長繊維が
管状体の軸方向と一致した配向状態となるため、曲げ、
捩れなどに対する機械的強度が非常に高いものとなる。
なお、上記の例では、管状体24の中央部に隔壁が生じ
るが、隔壁のない貫通した管状体を得るには、予備成形
体19の配設数を少なくし、またシート状物35も用い
ず、左右の押型37が互いに当接するまで移動させるこ
とによって容易に得られる。
比較例1 実施例6に対し、実施例2で説明した金型12゜13と
同様の分割金型、熱可塑性樹脂および強化繊維を用い、
その分割金型の中央にゲートを設けて押型37を四方に
配置した状態で今度は射出成形したところ、実施例2と
同様の十字状の管状物が成形できた。
しかし、得られた最終成形体は、射出成形機に注入する
前の長さが数mmであった短繊維が殆んど1mm以下に
切断されたり、折れ曲がったりしているものであった。
そのため、繊維補強効果が低く破壊曲げ応力も約10k
g/mrdと低いため、管継手としての実用強度には達
していないものであった。
実施例7 第11図は、第7図に示す十字状管状体32を成形する
ための金型およびこの金型内に予備成形体が充填された
状態を示す斜視図で、請求項(8)に記載の成形方法を
実施する場合に用いられる金型の一実施例を示す斜視図
である。本図では、第3図と同一の符号のものは同一の
部材を示している。
本図に示す金型が第3図に示した金型と異なる点は、上
型12と下型13には、両金型が嵌合すると一辺が12
mmの正六角形を構成する半穴角形状の空隙部43a、
43bが形成されていること、上記空隙部内には、両金
型と高精度で嵌合するように加工された一辺が12mm
の正六角柱状の側型44が配設されていることの二点で
あり、他の点については第3図の金型と同様である。側
型44は、溶融樹脂の漏れを防ぐと共に空隙部43a1
43bの上、下面に予め配設されたシート状物45の両
端部を押圧してシート状物中の長繊維が移動したり、緩
まないように固定しておく役割をなすもので、四方に配
設された押型17が金型の中央に向って移動する際の案
内を行うため、中央に直径16mmの丸穴46が設けら
れている。なお、本実施例では、押型17はロッド径が
16mmの先端部18を有しているが、その先端部の形
状は、金型の中央交差部で押型同士が当接するように傾
斜角が45°の円錐台としてもよい。
このように構成された金型を用いて、管状体32を成形
する方法を以下に説明する。
先ず、短繊維として、前記炭素繊維を幅方向に引き揃え
たものに、熱可塑性樹脂としてナイロン6を含浸させた
厚みが約100μm1幅が約4mmのテープ状の予備成
形体(図示せず)を成形し、長さを5〜20mmに切断
した。
次いで、この切断されたテープ状の予備成形体を多数集
めて、別に設けた空隙部が円板状の金型(図示せず)内
に円板の軸線と直交するように充填し、約250℃に加
熱溶融の後、押圧して直径が10〜24mmの範囲の異
径状で、厚さが5〜10mm、繊維体積含有率が約60
%の複数の円板状の予備成形体19を成形した。
一方、前記テープ状の予備成形体を長さ200mmに切
断したものをその幅方向に引揃え、約220℃でホット
プレスして幅12mmのシート状物45を複数枚成形し
た。
次に、このシート状物45を各空隙部43a143b内
の各々の上辺と底辺に、それぞれ5枚ずつ2方向に配置
し、更に、前記異径の複数の予備成形体19を第11図
に示す下型13の半穴角状の空隙部43bに予備成形体
中の短繊維が押型17の移動方向と直交するように設置
した後、前記シート状物45の端部に側型44を下型1
3に設置し、次いで上型12を下型13に嵌合し、固定
ボルト20で両金型を締め付けて一体化した。
次に、この状態で金型内部のシート状物45や予備成形
体19を230〜250℃に加熱することにより、熱可
塑性樹脂を溶融させ、四方に配設されている押型17を
油圧シリンダ(図示せず)によって金型の中央方向に徐
々に移動させた。この押型17の移動によって溶融樹脂
は、実施例6の場合と同様に空隙部内へ移行し、やがて
充満した。溶融樹脂が空隙部内に充満した後も押型17
を押し続け、溶融樹脂への加圧力が約40kg/cnf
となるようにした。
この加圧状態を約5分間保持した後、金型を冷却して上
型12と下型13を分離し、押型17を抜き取って内部
の成形体を取り出した。
得られた十字状の管状体に対し、第7図の矢印の方向に
示す曲げモーメントを作用させ、曲げ応力を計測したと
ころ、破壊曲げ応力が54kg/mポ、曲げ弾性率が4
600kg/mrrf’と短繊維強化熱可塑性樹脂製の
管状物としては非常に高いものであった。
比較例2 実施例7に対し、実施例7と同じ金型、予備成形体、成
形方法および成形条件は、用いたが、実施例7で用いた
シート状物45は全く使用しないで十字状の管状体を成
形した。
得られた成形体は、形状も寸法も実施例7で得られた管
状体と殆んど同様であったが、破壊曲げ強度は39kg
/mrd、曲げ弾性率は1700kg/mrrfと強度
が実施例7の70%強しかない比較的低強度のものであ
った。
[発明の効果] 本発明に係る成形体の成形方法、およびその成形体の形
状が特に管状である管状体とその成形方法は、以下に述
べる優れた効果を奏する。すなわち、 (1)請求項(1)および(3)の成形体の成形方法は
、射出成形機内で短繊維を熱可塑性樹脂と混練したり、
溶融樹脂を狭いゲートから通過させて成形する従来の成
形法と異なり、短繊維で強化した予備成形体を予め最終
形状に賦形する分割金型内の短繊維の配向を揃えたい位
置の近傍に配設し、再溶融しながら分割金型のうちいず
れか一方の割型を他方の割型に移動せしめて加圧成形す
るため、機械的強度を必要とする場所の短繊維の配向が
揃い機械的強度の低下を招くウェルドラインや、強化繊
維の折損のない機械的強度の優れた種々の形状の成形体
が比較的容易に得られる。
Q)請求項(2)および(4)の成形方法は、予備成形
体として、特定長さの短繊維の混入された熱可塑性樹脂
からなるテープ状またはストランド状の繊維強化熱可塑
性樹脂の集合体を用いて加熱しながら加工成形したもの
を用いるため、強化繊維の配向方向のコントロールが可
能となり、比較的自由に最終成形体の強度特性を設計で
き、最終の成形体は等方性材料に近い強度分布を有する
成形体が得られる。
(3)請求項(5)の成形方法は、予備成形体の外形を
円板状となし、この円板状予備成形体の外径よりも小径
の押型を移動することによって管状物を加圧成形するの
で、射出成形機などの複雑で高価な設備を用いずとも、
簡単な構造の金型で容易に強度の高い管状物が得られる
(4)また、請求項(6)の管状体は、熱可塑性樹脂を
補強する補強繊維が上記短繊維だけでなく、管状本体部
の外周の少なくとも一部、すなわち特に曲げなどの最も
大きな機械的応力が作用する部分に、長繊維が配設され
た管状体であるため、従来の短繊維だけで補強した管状
体に比べ、ウェルドラインがないことは勿論、非常に高
い機械的強度を有する。
(5)請求項(2)の管状体は、複数の直管が一個所に
交叉し、複雑な結合形状を有する分岐管などの管状体に
おいて、管状体の横断面形状を特に非円型形状としたた
め、大量の長繊維の配設が非常に容易となり、強度の高
い管状体を容易に得ることができる。
(6)請求項(8)の管状体の成形方法は、予め長繊維
からなるシート状物を金型の空隙部内周面の少なくとも
一部に配設し、次いで予め短繊維が一方向に配向された
予備成形体を、機械的強度を必要とする位置の近傍に、
短繊維の配向方向が押型の移動方向と直交するように金
型内に配設し、これらの樹脂を再溶融しながら押型を移
動せしめて加圧成形するため、ウェルドラインや繊維の
折損がない、強度の高い管状物が、射出成形機などの複
雑で高価な設備を用いずとも容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明に係る成形体の成形方法
を実施するための金型の縦断面図で、第2図は、第1図
の上型1を下型2方向へ移動した状態を示す縦断面図で
ある。 第3図は、本発明に係る管状体の成形方法を実施するた
めの金型の斜視図、第4図は、第3図の金型によって得
られた管状体の斜視図である。 第5図ないし第7図は、それぞれ本発明に係る管状体の
斜視図、第8図ないし第10図は、第5図の管状体を成
形するための成形方法を説明するためのそれぞれ、工程
分解図、斜視図および断面図、第11図は、第7図の管
状体の成形方法を説明するための斜視図である。 1.12・・・・・・上型 2.13・・・・・・下型 1′2′・・・賦型面 3・・・・・・・・・・・・・・・円筒状の凹部4・・
・・・・・・・・・・・・・半球状の凸部5・・・・・
・・・・・・・・・・半球状の凹部6・・・・・・・・
・・・・・・・側部7・・・・・・・・・・・・・・・
椀状の空隙部8.9.10.19 ・・・・・・・・・・・・・・・予備成形体1・・・・
・・・・・・・・・・・流入口4・・・・・・・・・・
・・・・・半円状の空隙部5・・・・・・・・・・・・
・・・凹部6・・・・・・・・・・・・・・・凸部7・
・・・・・・・・・・・・・・押型8・・・・・・・・
・・・・・・・先端部0・・・・・・・・・・・・・・
・固定ポルトド・・・・・・・・・・・・・・開孔部2
・・・・・・・・・・・・・・・管状成形体23の交叉
部3・・・・・・・・・・・・・・・管状成形体4・・
・・・・・・・・・・・・・直管状管状体8・・・・・
・・・・・・・・・・Y字状管状体7.29・・・・・
・短繊維層 30・・・・・・・・・・・・・・・強化繊維層32・
・・・・・・・・・・・・・・十字状管状体43a、4
3b・・・長繊維層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)強化繊維が短繊維からなり、マトリックスが熱可
    塑性樹脂からなる繊維強化樹脂を金型内に注入して繊維
    強化熱可塑性樹脂製成形体を加圧成形する繊維強化熱可
    塑性樹脂製成形体の成形方法において、 前記金型を複数個の割型からなる分割金型とし、該金型
    内の前記繊維強化熱可塑性樹脂製成形体が特定の配向方
    向を必要とする位置に、予め前記強化繊維を特定の方向
    に配向させた前記繊維強化熱可塑性樹脂からなる予備成
    形体を充填し、次いで該予備成形体内の熱可塑性樹脂を
    加熱溶融させ、該状態で前記分割金型のうちのいずれか
    の金型を他方の金型に相対移動することによって前記繊
    維強化熱可塑性樹脂製成形体を加圧成形することを特徴
    とする繊維強化熱可塑性樹脂の成形方法。
  2. (2)予備成形体は、長さ5mm以上の強化繊維が熱可
    塑性樹脂に混入されたテープ状またはストランド状の繊
    維強化熱可塑性樹脂からなり、該繊維強化熱可塑性樹脂
    の集合体を、ホットプレス成形して得ることを特徴とす
    る特許請求項(1)記載の繊維強化熱可塑性樹脂製成形
    体の成形方法。
  3. (3)長さが5mm以上の短繊維が混入された熱可塑性
    樹脂からなる繊維強化熱可塑性樹脂を金型に充填し、該
    金型を加熱することにより、繊維強化熱可塑性樹脂中の
    熱可塑性樹脂を溶融しながら加圧し、成形する繊維強化
    熱可塑性樹脂製成形体の成形法方において、 (イ)前記金型として、複数個に分割された割型で、か
    つ、該割型の少なくとも一つが押型である分割金型を用
    い、 (ロ)前記金型内で成形される繊維強化熱可塑性樹脂成
    形体中の短繊維の配向を特定方向に揃えたい位置の近傍
    に、前記繊維強化熱可塑性樹脂中の短繊維の配向が予め
    一方向に揃えられた予備成形体を、該予備成形体の短繊
    維の配向と前記押型の移動方向とを直交せしめた位置関
    係に配設し、 (ハ)次いで、該金型内に充填された前記予備成形体を
    加圧し流動させて成形する、 ことを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂製成形体の成形
    方法。
  4. (4)予備成形体は、テープ状またはストランド状の繊
    維強化熱可塑性樹脂によって成形され、かつ、該予備成
    形体中の短繊維は長さが5mm以上、51mm未満であ
    ることを特徴とする請求項(1)または(3)に記載の
    繊維強化熱可塑性樹脂製成形体の成形方法。
  5. (5)予備成形体は、外形が円板状に形成されてなり、
    分割金型として成形部の少なくとも一部に筒状の空洞部
    を有し、かつ、筒状の空洞部へ挿入するための空洞部よ
    り小径の押型を備えた管状成形体用金型を用い、該押型
    を前記空洞部内へ挿入することによって前記予備成形体
    を加圧し、管状体を成形することを特徴とする請求項(
    1)または(3)に記載の繊維強化熱可塑性樹脂製成形
    体の成形方法。
  6. (6)長さが5mm以上、51mm未満の短繊維が混入
    された熱可塑性樹脂からなる繊維強化熱可塑性樹脂の管
    状本体部、および該管状本体部の外周の少なくとも一部
    に配設された長さが51mm以上の長繊維よりなる強化
    繊維部とからなることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹
    脂製管状体。
  7. (7)管状体本体部の横断面の外周形状が、一部に直線
    部を有する非円形状であることを特徴とする請求項(6
    )に記載の繊維強化熱可塑性樹脂製管状体。
  8. (8)筒状の空隙部を有し、かつ、該空隙部の外径より
    も小径の押型を備えた金型の該空隙部に、長繊維が混入
    された熱可塑性樹脂からなるシート状物を前記空隙部内
    周面の少なくとも一部に配設し、次いで熱可塑性樹脂中
    に短繊維が混入され、かつ、該単繊維の配向が予め一方
    向に揃えられた予備成形体を、該予備成形体の短繊維の
    配向と前記押型の移動方向とを直交せしめて配設し、次
    いで前記金型により前記予備成形体および前記シート状
    物中の熱可塑性樹脂を加熱、溶融し、次いで前記押型を
    、前記空隙部内に挿入して加圧成形することを特徴とす
    る繊維強化熱可塑性樹脂製管状体の成形方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015107643A (ja) * 2013-12-03 2015-06-11 ザ・ボーイング・カンパニーTheBoeing Company 繊維強化熱可塑性部品を圧縮成形するための方法及び装置
JP2018138363A (ja) * 2017-02-24 2018-09-06 株式会社栗本鐵工所 位置決め装置、繊維強化樹脂成形体の製造装置及び成形型投入方法
CN113227603A (zh) * 2018-12-20 2021-08-06 帝人株式会社 冲击吸收部件的制造方法

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