JP2773261B2 - 繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法

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JP2773261B2 JP1171680A JP17168089A JP2773261B2 JP 2773261 B2 JP2773261 B2 JP 2773261B2 JP 1171680 A JP1171680 A JP 1171680A JP 17168089 A JP17168089 A JP 17168089A JP 2773261 B2 JP2773261 B2 JP 2773261B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、強化用繊維として短繊維を含む、特に、分
岐配管や継手のような複雑な形状の成形体を得る場合に
好適な、繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法に関す
る。
[従来の技術] 繊維で強化された樹脂からなる成形体の製造方法とし
ては、従来、次のような方法が知られている。
A.溶融熱可塑性樹脂と強化用短繊維とを混練し、金型内
に射出成形する射出成形法。
B.金型の近くに設けた加熱チャンバに、予め成形した、
熱可塑性樹脂と強化用短繊維のプリフォーム材を入れ、
加熱してプリフォーム材の樹脂を溶融させて金型内に射
出成形するトランスファ成形法。
C.上型と下型の間に未硬化の熱硬化性樹脂と強化用繊維
からなるシート・モールディング・コンパウンド(SM
C)やバルク・モールディング・コンパウンド(BMC)な
どの成形材料を入れ、加熱しながら上型と下型とを相対
移動して加圧賦形する圧縮成形法。
などが知られている。
また、たとえば第4図、第6図および第7図に示すよ
うな比較的複雑な形状の成形体を製造する方法として
は、 A.強化用繊維の引揃えシートに未硬化の熱硬化性樹脂を
含浸し、これをマンドレルに巻き付けた後、樹脂を加熱
硬化させ、マンドレルを抜き取るシートワインディング
法、 B.強化用繊維やそのテープに未硬化の熱硬化性樹脂を含
浸しながらマンドレルに巻き付け、樹脂を硬化させた
後、マンドレルを抜き取るフィラメントワインディング
法、 などが知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、射出成形法は、成形前には長さが数mm
と比較的長かった強化用短繊維のほとんどが、成形機内
での混練工程や、狭いゲートを通過する射出工程で折損
するので、成形体中では1mm以下と短くなってしまい、
高い機械的強度の成形体が得られないという問題があ
る。
また、トランスファ成形法は、混練工程はないもの
の、射出工程があるため、やはり多くの強化用短繊維が
折損したり折れ曲がるという問題がある。
さらに、これらの方法で得られる成形体は、成型時に
強化用短繊維を溶融樹脂とともにゲートを経て金型内に
流入させるため、短繊維がゲートの位置で規制され特定
の方向に配向してしまい、等方性が低くなる。また、金
型にゲートを設けるため、流動する樹脂の合流位置に、
いわゆるウェルドラインと呼ばれる機械的強度の低い部
分が生じる欠点がある。
また、圧縮成型法は、ゲートを使用しないので成形体
にウェルドラインが発生せず、強化用繊維として長繊維
や短繊維のいずれをも用いることができ、さらには繊維
の配向方向を自由に設定できるという利点があるが、鋭
いリム部を有する成形体や肉厚の変化が大きい成形体を
製造する場合には、狭いキャビティに成形材料を押し込
むことが困難である。
この問題を改善する方法として、特公昭60−29613号
公報には、3個以上に分割した複数の金型を用い、金型
に、予め最終の成形体の形状に成形した、樹脂がBステ
ージの状態にある予備成形体を複数個組合せて入れ、次
いでこの予備成形体を複数の方向から圧縮成形する方法
が記載されている。しかしながら、この方法は、射出成
形法のように樹脂が溶融状態にはならないため、金型内
の狭い細部にまで樹脂や強化用繊維が回り込まないとい
う問題があり、未だ問題解決には至っていない。
一方、シートワインディング法やフィラメントワイン
ディング法は、使用する強化用繊維が長繊維であるた
め、得られる成形体の強度は比較的高いが、長手方向で
の断面の形状が異なる成形体や、複雑な形状の成形体を
得る場合には、繊維をマンドレルに巻き付けたり、マン
ドレルを抜き取ることが困難になるため、成形が非常に
難しいという問題がある。
本発明は、強化用繊維の折損が少なく、また、短繊維
の配向の制御が容易で、しかも、ウェルドラインの発生
を防止できる、機械的強度の高い成形体、特に複雑な形
状の成形体を容易に得ることができる、繊維強化熱可塑
性樹脂成形体の製造方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するための本発明は、以下のとおりで
ある。
(1)強化用短繊維と熱可塑性樹脂とを含む予備成形体
の複数個を金型内に層状に配置し、加熱・加圧成形して
繊維強化熱可塑性樹脂からなる成形体を製造する方法に
おいて、 a.金型として、少なくとも2個の分割型を有する金型
を用い、 b.複数個の予備成形体のうち、少なくとも1個は強化
用短繊維が一方向に揃えられている一方向予備成形体を
用い、 c.一方向予備成形体を、金型の、上記成形体において
一方向強化を図りたい部位を成形するキャビティに隣接
して配置した後、 d.金型を加熱して予備成形体の熱可塑性樹脂を溶融す
るとともに分割型を相対的に移動させ、 e.一方向予備成形体に含まれている強化用短繊維を溶
融熱可塑性樹脂とともに流動させてその流動の方向に配
向させる、 ことを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方
法。
(2)一方向予備成形体を、短繊維の方向が分割型の移
動方向と直交するように配置する、請求項1に記載の繊
維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
(3)長さが5mm以上の短繊維を含み、かつ、テープ状
またはストランド状に成形された予備成形体を用いる、
請求項1または2に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体
の製造方法。
(4)筒状のキャビティを有する雌型と、そのキャビテ
ィに挿通される雄型とを有する金型を用い、管状の繊維
強化熱可塑性樹脂成形体を成形する、請求項1〜3のい
ずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方
法。
(5)キャビティの内周面に沿う少なくとも一部に、強
化用長繊維と熱可塑性樹脂とを含むシートを配置した
後、そのシートの内側に予備成形体を配置して加圧成形
する、請求項4に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の
製造方法。
(6)長繊維が炭素繊維からなる、請求項5に記載の繊
維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
(7)板状に成形された予備成形体を用いる、請求項1
〜6のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の
製造方法。
(8)短繊維が炭素繊維からなる、請求項1〜7のいず
れかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
ここで、強化用の短繊維および長繊維としては、ガラ
ス繊維、炭素繊維、セラミック繊維、金属繊維、合成繊
維などを用いることができるが、特に好ましいのは炭素
繊維である。また、引張強度が30kg/mm2以上のもの、ヤ
ング率が1,000kg/mm2以上のもの、それらを組み合わせ
て用いることも好ましい。さらに、短繊維の長さは、5m
m以上であることが好ましく、5〜51mmがより好まし
く、5〜30mmが最も好ましい。また、短繊維および長繊
維の太さは、1〜50μmの範囲であることが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、スチレン−ブタジエン−アクリルニトリル共重合
体、スチレン−アクリルニトリル共重合体、ボリアミ
ド、ポリカーボネイト、ポリスルフォン、ポリアセター
ル、ポリメチルメタクリレート、ポリフェニレンオキシ
ド、熱可塑性ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリフェニレンサルファイド等の樹脂を用い
ることができる。また、これらの2種またはそれ以上の
樹脂の混合物を用いることもできる。これらの樹脂に
は、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、充填剤、洗顔料、加
工助剤、耐衝撃剤、増量剤等が添加されていてもよい。
予備成形体は、上記の短繊維と熱可塑性樹脂とを含む
もので、短繊維の量は繊維体積含有率にして20〜70%で
あるのが好ましく、40〜60%であるのがより好ましい。
強化用長繊維と熱可塑性樹脂とを含むシートは、上記
の長繊維と熱可塑性樹脂とを混合してシート状に形成し
たもので、長繊維の長さは、51mmを超えるものが好まし
く、成形しようとする成形体の全長か、全長の半分以上
の長さを有するものがより好ましい。また、その量は、
繊維体積含有率にして35〜70%であるのが好ましく、45
〜60%であるのがより好ましい。さらに、長繊維は、シ
ートの長さ方向に配向されているのが好ましい。
筒状のキャビティにおける長繊維の配置は、そのキャ
ビティ周面の全面であるのが好ましいが、一部の周面で
あってものよい。
加圧成形における加圧力は、10kg/cm2以上であること
が好ましい。また、加熱温度は、熱可塑性樹脂の融点以
上の温度である。
[作用] 本発明の方法は、強化用短繊維と熱可塑性樹脂を含む
予備成形体を金型内に配置し、加熱・加圧成形するに際
し、一方向予備成形体を、金型の、上記成形体において
一方向強化を図りたい部位(得られる成形体を使用する
ときに、特に大きな引張応力や曲げ応力などの機械的応
力が作用する部位)を成形するキャビティに隣接して配
置した後、金型を加熱して予備成形体の熱可塑性樹脂を
溶融するとともに分割型を相対的に移動させ、一方向予
備成形体に含まれている強化用短繊維を溶融熱可塑性樹
脂とともに流動させてその流動の方向に配向させる。
したがって、本発明の方法で得られる成形体は、引張
り、曲げ、捩り、剪断などの機械的応力に優れたものと
なる。
[実施例] 実施例1 第1図および第2図は、請求項1および2に記載の方
法を説明するもので、第1図は、椀状断面を有する成形
品を成形するための、上型1と下型2とからなる金型の
縦断面図、第2図は、第1図の上型1を下型2の方向へ
移動した状態を示す、金型の縦断面図である。この例
は、椀状成形体の円筒状の凸部に機械的強度を持たせた
い場合、つまり金型2の円筒状の凹部3において短繊維
の配向方向を揃えたい場合を示している。
図において、1は、椀状内周面を形成するための半球
状の凸部4を有する上型(雄型)、2は、椀状外周面を
形成するための半球状の凹部5と、底部に円筒状の凹部
3とを備えた下型(雌型)を示し、両型を側部6で嵌合
することにより、両型の間に椀状のキャビティ7が形成
される。成形は、上型1の図の下方へ移動することによ
って行う。
8〜10は予備成形体である。これらの予備成形体8〜
10のうち、予備成形体8および9は、強化用短繊維の配
向方向がランダムな予備成形体であり、予備成形体10
は、短繊維が一方向に引き揃えられている一方向予備成
形体である。予備成形体10における短繊維は、下型2に
配置されたとき、成形時における上型1の移動方向と直
交する方向に揃えられている。なお、予備成形体8、9
も、一方向予備成形体であってもよい。
予備成形体8〜10の成形は、金型のキャビティに強化
用短繊維を配置し、このキャビティに射出成形機などに
よって溶融した熱可塑性樹脂を充填して成形してもよい
し、熱可塑性樹脂を被覆した短繊維を金型に入れてホッ
トプレス成形してもよい。予備成形体8〜10の形状は、
短繊維の間に熱可塑性樹脂が十分に含浸され、そして、
簡単な射出成形法やホットプレス成形法などで容易に成
形できるような形状であれば、どのような形状であって
もよい。通常は、円板状、楕円板状、矩形板状のものを
用いる。予備成形体は、成形時に溶融されるので、多少
のボイドなどを含んでいても差し支えはない。
さて、成形においては、まず、上型1および下型2の
それぞれの賦形面1′、2′に離型剤を塗布する。そし
て、予備成形体8〜10を第1図に示すようにキャビティ
7に配置する。このとき、予備成形体10は、強化用短繊
維の方向が上型1の移動方向と直交するように、かつ、
一方向強化を図りたい部位を成形する円筒状の凹部3に
隣接するよう配置する。この状態で上型1および下型2
を予備成形体8〜10の熱可塑性樹脂の融点以上に加熱
し、次いで上型1を側部6に沿って下方へ移動させる。
すると、第2図に示すように椀状のキャビティ7が形成
されるとともに、キャビティ7の隅々にまで溶融樹脂が
流動する。このとき、予備成形体8および9の樹脂は、
上型1から直接圧力を受けるので側部6の方向および下
方へ主として流動するが、予備成形体10の樹脂は、予備
成形体9を介して下型2の方向に圧力を受けるので、そ
のほとんどが下方の円筒状の凹部3内に流入する。その
ため、予備成形体8、9中の短繊維は、凹部5の底部で
は主として図の左右方向に配向されるが、凹部3に流入
する短繊維は、流入口11から流入する溶融樹脂とともに
90゜近く回転し、溶融樹脂の流動方向に配向される。し
たがって、凹部3においては、短繊維のほとんどが上下
方向に配向され、機械的強度の高い椀状物が得られる。
すなわち、成形時の熱可塑性樹脂の流動方向を考慮し
て、一方向予備成形体を、成形体において一方向強化を
図りたい部位を成形する円筒状の凹部3に隣接して配置
することによって、成形体の短繊維の配向方向を比較的
自由にコントロールすることができるのである。
上述した例において、椀状の最終成形体は、金型の冷
却後に下型2から取り出すことになるが、取り出しを容
易にするため、第2図に示すように下型2を破線Mの部
分で2分割してもよい。また、上型1によって加圧する
際の、溶融熱可塑性樹脂の不足による加圧不足を避ける
ため、予備成形体の体積をキャビティ7の容積よりも多
少大きくしておくとよい。また、溶融熱可塑性樹脂を、
第1図に示すような、流入口11が狭くかつ長い円筒状の
凹部3に流動させると、短繊維が流入口11との接触で折
損したり、短繊維が十分に流入しないこともあるが、そ
のような場合には、凹部3の中に細片化した別の予備成
形体を配置しておいてもよい。
実施例2 第3図および第4図は、請求項4に記載の方法を説明
するためのもので、第3図は、管状の成形体を製造する
ための、予備成形体が配置された状態の金型を示す斜視
図、第4図は、第3図の金型で製造された成形体の斜視
図である。
図において、12は上型、13は下型で、両金型には半径
が15mmの半円状のキャビティ14が形成され、上型の凹部
15と下型の凸部16とを嵌合させることで直径で30mmの十
字状のキャビティが形成されるようになっている。これ
ら上型12、下型13が雌型を形成している。一方、雄型17
は、雌型の十字状のキャビティに挿入されて管状成形体
の内径を規制するためのもので、キャビティの内径より
もやや小さい26mmの外径の先端部18を有している。な
お、20は上型12と下型13とを結合するための固定ボルト
である。
一方、単糸数6,000本の炭素繊維を引き揃えたもの
に、ナイロン6を含浸させた、厚みが100μm、幅が4mm
のテープ状の一方向予備成形体を成形し、これを長さ10
〜30mmに切断した。次いで、この切断した予備成形体を
別に設けた金型内に充填し、250℃、100kg/cm2の条件
で、加熱・加圧成形し、直径が10〜30mm、厚さが3〜6m
mの範囲でそれぞれ異なる、繊維体積含有率が約60%の
複数個の円板状の予備成形体19を成形した。
次に、これら複数個の予備成形体19を第3図に示すよ
うに下型13のキャビティ14に配置し、上型12と下型13を
嵌合し、両金型を固定ボルト20で締め付けて一体化し
た。このとき、第4図に示す成形体において、特に高い
機械的強度が要求される交叉部22の部分を成形するキャ
ビティの部分には、短繊維の長さが特に長く、また、短
繊維の配向が板面方向である予備成形体を配置した。
次に、金型を加熱して予備成形体19を230〜250℃に加
熱した後、4個の雄型17を加圧力30kg/cm2で第3図矢印
方向に移動した。
この加圧状態を3分間保持した後、金型を冷却して成
形体を取り出したところ、第4図に示すような、外径D
が30mm、肉厚が2mm、最長部の長さLが300mmで、四方に
開孔部21を有する十字管状の成形体23が得られた。この
成形体23の破壊曲げ応力を測定したところ、40kg/mm2
この種の成形体としては非常に高いものであり、たとえ
ば接続部に強度が要求される管継手に用いるのに好適な
ものであった。
実施例3 第5図は、請求項5に記載の方法によって得られる管
状の成形体を示す斜視図である。
図において、断面が円形の直管状の成形体24は、ナイ
ロン6と炭素繊維の平織クロス(長繊維)とを含む外層
25と、ナイロン6と炭素繊維の長繊維とを含む内層26
と、ナイロン6と長さが13mmのガラス繊維チョップドス
トランド(短繊維)とを含む中間層27とで構成されてい
る。
内層26の長繊維は、成形体24の軸方向に配向されてい
る。もっとも、この内層26には、各種の機械的強度を考
慮して、軸方向の長繊維の他に、たとえば軸方向に対し
て±30〜±45゜の方向の繊維が含まれてもよい。
中間層27中の短繊維は、成形体24の軸方向に配向され
ているのが好ましいが、ランダムであってもよい。後述
する第6図および第7図に示すものにおいても同様であ
る。
また、本実施例では、長繊維を外層と内層に配置して
いるが、少なくとも外層の一部に配置することでよい。
このように、内外層、特に外層に長繊維を配置すると、
管状成形体24に曲げ応力や捩り応力が作用した場合で
も、成形体は応力に十分耐えることができ、短繊維だけ
で強化された成形体よりもさらに高強度の成形体が得ら
れる。
実施例4 第6図は、非円形断面を有するY字管状の成形体の斜
視図である。図において、成形体28は、ナイロン6と、
長さ6mmのガラス短繊維とを含む主層29と、ナイロン6
と、長さ150mmの炭素長繊維とを含む、表層30とで構成
されている。主層29は、内部に孔31を有しているととも
に、外周に上下二面が平行に面取りされていて、この面
取りされた面に表層30が長繊維の方向が成形体28の軸方
向になるように配置されている。
このように断面を非円形にすると、曲げ応力や捩り応
力などが作用する表層に大量の長繊維を配置することが
できるので、非常に高強度の成形体が得られる。
本実施例の成形体28は、後に詳述する第11図の金型の
キャビティ43a、43bの形状をY字状とし、同図で説明す
る方法によって製造することができる。
実施例5 第7図は、第6図に示した成形体の変形ともいうべき
もので、非円形断面を有する十字管状の成形体を示す斜
視図である。この例は、強化用短繊維を含む主層47の断
面形状を六角形にするとともに、上下両面に繊維の方向
が成形体32の軸方向に沿う長繊維の表層34a、34bを配置
したものである。
実施例6 第8図は、第5図で説明した直管状の成形体24の製造
方法を説明するための工程分解図、第9図は、この方法
で用いるコの字状のテープ36を示す斜視図、第10図は、
第8図における雄型37を雌型38に挿入した状態を示す金
型の縦断面図である。この例は、請求項4および5に記
載の方法に対応している。
以下、第5図に示した成形体24の製造方法をその工程
順にしたがって説明する。
まず、第8図において、雌型38の筒状のキャビティ39
に、熱可塑性樹脂が含浸された平織クロス40を、図に示
すように筒状に丸め、キャビティ39の内周面に沿わせる
ように挿入する。次いで、円板状に成形された、強化用
短繊維を含む予備成形体19を複数個挿入する。このと
き、予備成形体19は、短繊維の方向が板面方向になるよ
うに配向されたものを用い、短繊維が後述する雄型37の
移動方向と直交する方向になるように挿入する。また、
予備成形体19は、第5図に示す成形体24の中間層27を構
成するものであるが、その必要個数を予め計算により求
めておく。
次いで、第9図に示す、長繊維41を一方向に引き揃え
たものに熱可塑性樹脂42を含浸し、コの字状に折り曲げ
たテープ36を、第8図に示すように複数個組み合わせて
集合体35を形成し、これをキャビティ39内の予備成形体
19の両側に挿入、配置する。
次いで、雌型38を上記予備成形体19および集合体35中
の熱可塑性樹脂が十分溶融するまで加熱し、この状態で
雄型37を雌型38の左右からキャビティ39内に挿入し、雌
型38の中央部に向けて移動させていく。この雄型37の移
動によって、キャビティ39のほぼ中央に配置されていた
予備成形体19は、雌型38の両開口部方向へ流動し、第10
図に示すような状態となる。すなわち、予備成形体19中
の強化用短繊維は、キャビティ39の中央部では雄型37の
軸線と直交する配向を保っているが、その両側では熱可
塑性樹脂の流動に伴って成形体の長手方向に沿う配向と
なる。なお、集合体35は、雄型37とともにキャビティ39
の中央部に移動するが、平織クロス40は静止したままで
ある。第10図に示す状態は、熱可塑性樹脂がキャビティ
39内に完全に充満し、雄型37の移動が停止した状態であ
る。さらに雄型37を押し込むと、熱可塑性樹脂が一層加
圧され、より緻密な成形体が得られる。
次に、加圧状態を保持しながら雌型38を冷却し、熱可
塑性樹脂を固化させた後、成形体24を取り出す。
なお、上記の例では、成形体24の中央部に隔壁が生じ
るが、隔壁のない貫通した管状の成形体を得るには、集
合体35を用いることなく予備成形体19の数を少なくし、
左右の雄型37をそれらが互いに当接するまで移動させれ
ばよい。
実施例7 第11図は、第7図に示した十字管状の成形体32を成形
する方法を示すものである。この例は、請求項4および
5に記載の方法に対応している。
この図に示す金型が第3図に示した金型と異なる点
は、雌型となる上型12と下型13には、両金型が嵌合する
と一辺が12mmの正六角形となる半六角形状のキャビティ
43a,43bが形成されていること、上記キャビティ内に
は、両金型と高精度で嵌合する一辺が12mmの正六角柱状
の側壁44が配設されていることである。他の点は第3図
に示した金型と同様である。側型44は、溶融熱可塑性樹
脂の漏れを防ぐとともに、キャビティ43a,43bの上下面
に予め配設されたテープ45の両端部を押圧してテープ45
中の長繊維が移動したり緩まないように固定しておくも
ので、四方に配設された雄型17が金型の中央に向って移
動するときの案内を行うため、中央部に直径16mmの丸穴
46を設けている。なお、雄型17は外径16mmの先端部18を
有しているが、先端部は、金型の中央部で雄型同士が当
接するように傾斜角45゜の円錐台形状としてもよい。
このように構成された金型を用いて、十字管状の成形
体32を製造する方法を以下において説明する。
まず、強化用短繊維として炭素繊維を引き揃えたもの
にナイロン6を含浸した厚みが100μm、幅が4mmのテー
プ状の予備成形体を成形し、長さ5〜20mmに切断した。
次いで、この切断した予備成形体を、別に設けた金型内
に繊維の方向が2次元平面内においてランダムになるよ
うに充填し、250℃に加熱溶融した後押圧して、直径が1
0〜24mmで、厚さが5〜10mm、繊維体積含有率が60%の
複数個の異なる円板状の予備成形体19を形成した。一
方、テープ状の予備成形体を長さ200mmに切断したもの
を重ね合わせ、220℃でホットプレス成形して、幅12mm
のテープ45を成形した。
次いで、テープ45をキャビティ43a、43bの上辺と底辺
にそれぞれ5枚ずつ配置し、さらに、複数個の異なる予
備成形体19を下型13のキャビティ43bに配置した後、テ
ープ45の端部に側型44を設置し、次いで上型12を下型13
に嵌合し、固定ボルト20で締め付けて一体化した。
次に、金型を230〜250℃に加熱してテープ45および予
備成形体19の熱可塑性樹脂を溶融させ、四方から雄型17
を金型の中央部に向けて徐々に移動させた。この雄型17
の移動によって、溶融樹脂は、実施例6の場合と同様に
キャビティ内へ流動した。溶融樹脂がキャビティ内に充
満した最も雄型17を押し続け、溶融樹脂への加圧力が40
kg/cm2となるようにした。
この加圧状態を約5分間保持した後、金型を冷却して
上型12と下型13を分離し、雄型17を抜き取って成形体を
取り出した。
得られた成形体に、第7図における矢印方向に曲げモ
ーメントを作用させ、曲げ応力を測定したところ、破壊
曲げ応力は54kg/mm2、曲げ弾性率は4600kg/mm2とこの種
の成形体としては非常に高いものであった。
比較例1 実施例2において、金型の中央にゲートを設けるとと
もに、4個の雄型37を配置して射出成形し、実施例2と
同様の成形体を得た。
成形体を観察したところ、射出成形前には長さが10〜
30mmあった強化用短繊維のほとんどが1mm以下に切断さ
れていたり、折れ曲がったりしていた。破壊曲げ応力も
約10kg/mm2と低かった。
比較例2 テープ45を用いなかった以外は実施例7と同様にし
て、成形体を製造した。
得られた成形体は、形状も寸法も実施例7で得られた
成形体とほぼ同じあったが、破壊曲げ強度は39kg/mm2
曲げ弾性率は1,700kg/mm2と実施例7のそれぞれ72%、3
7%にすぎなかった。
[発明の効果] 本発明に係る成形体の製造方法は、以下に述べるよう
に優れた効果を奏する。
(1)射出成形機内で短繊維と熱可塑性樹脂を混練した
り、溶融樹脂を狭いゲートを通過させて成形する従来の
成形法と異なり、一方向予備成形体を、金型の、最終的
に得られる成形体において一方向強化を図りたい部位を
成形するキャビティに隣接して配置し、予備成形体の熱
可塑性樹脂を溶融するとともに分割型を相対的に移動せ
しめ、一方向予備成形体に含まれている強化用短繊維
を、溶融熱可塑性樹脂とともに流動させてその流動の方
向に配向させて成形するため、強度を必要とする部位の
強化用短繊維の配向を揃えることができ、強度の低下を
招くウェルドラインや強化用短繊維の折損の少ない、強
度に優れた種々の形状の成形体を容易に得ることができ
る。
(2)予備成形体として、特定長さの強化用短繊維を含
み、かつ、テープ状またはストランド状に成形されたも
のを用いる場合は、強化用短繊維の配向方向のコントロ
ールが容易となり、成形体の強度特性の設計自由度が増
大し、等方性材料に近い強度分布を有する成形体を得る
ことができる。
(3)筒状のキャビティを有する雌型と、そのキャビテ
ィに挿通される雄型とを有する金型を用いる場合は、射
出成形機などの複雑で高価な設備を用いずとも強度の高
い管状の成形体を容易に得ることができる。
(4)キャビティの内周面に沿う少なくとも一部に、長
繊維と熱可塑性樹脂とを含むシートを配置し、そのシー
トの内側に予備成形体を配置して加圧成形する場合は、
曲げなどの大きな機械的応力が作用する部分に長繊維が
配置されるため、短繊維のみで強化した従来の管状成形
体に比べて高い強度を発現させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明に係る成形体の製造方法
を実施するための金型の縦断面図である。 第3図は、本発明に係る成形体の製造方法を実施するた
めの金型の斜視図、第4図は、第3図に示した金型によ
って得られた管状の成形体の斜視図である。 第5図ないし第7図は、本発明によって得られる成形体
の斜視図である。 第8図ないし第10図は、第5図に示した成形体の製造方
法を説明するための、それぞれ工程分解図、シートの斜
視図および金型の縦断面図である。 第11図は、第7図に示した成形体の製造方法を実施する
ための金型の斜視図である。 図面中の符号の説明 1:上型 1′:賦型面 2:下型 2′:賦型面 3:円筒状の凹部 4:半球状の凸部 5:半球状の凹部 6:側部 7:椀状のキャビティ 8:予備成形体 9:予備成形体 10:予備成形体 11:流入口 12:上型 13:下型 14:半円状のキャビティ 15:凹部 16:凸部 17:雄型 18:先端部 19:予備成形体 20:固定ボルト 21:開孔部 22:成形体23の交叉部 23:管状の成形体 24:直管状の成形体 25:外層 26:内層 27:中間層 28:Y字管状の成形体 29:主層 30:表層 31:孔 32:十字管状の成形体 34a:表層 34b:表層 35:集合体 36:コの字状のテープ 37:雄型 38:雌型 39:キャビティ 40:平織クロス 41:長繊維 42:熱可塑性樹脂 43a:キャビティ 43b:キャビティ 44:側型 45:テープ 46:丸穴 47:主層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−161529(JP,A) 特開 平2−229013(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 43/02,43/18 - 43/20,43/34,45 /02,67/14

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強化用短繊維と熱可塑性樹脂とを含む予備
    成形体の複数個を金型内に層状に配置し、加熱・加圧成
    形して繊維強化熱可塑性樹脂からなる成形体を製造する
    方法において、 a.金型として、少なくとも2個の分割型を有する金型を
    用い、 b.複数個の予備成形体のうち、少なくとも1個は強化用
    短繊維が一方向に揃えられている一方向予備成形体を用
    い、 c.一方向予備成形体を、金型の、上記成形体において一
    方向強化を図りたい部位を成形するキャビティに隣接し
    て配置した後、 d.金型を加熱して予備成形体の熱可塑性樹脂を溶融する
    とともに分割型を相対的に移動させ、 g.一方向予備成形体に含まれている強化用短繊維を溶融
    熱可塑性樹脂とともに流動させてその流動の方向に配向
    させる、 ことを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】一方向予備成形体を、短繊維の方向が分割
    型の移動方向と直交するように配置する、請求項1に記
    載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】長さが5mm以上の短繊維を含み、かつ、テ
    ープ状またはストランド状に成形された予備成形体を用
    いる、請求項1または2に記載の繊維強化熱可塑性樹脂
    成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】筒状のキャビティを有する雌型と、そのキ
    ャビティに挿通される雄型とを有する金型を用い、管状
    の繊維強化熱可塑性樹脂成形体を成形する、請求項1〜
    3のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製
    造方法。
  5. 【請求項5】キャビティの内周面に沿う少なくとも一部
    に、強化用長繊維と熱可塑性樹脂とを含むシートを配置
    した後、そのシートの内側に予備成形体を配置して加圧
    成形する、請求項4に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形
    体の製造方法。
  6. 【請求項6】長繊維が炭素繊維からなる、請求項5に記
    載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  7. 【請求項7】板状に成形された予備成形体を用いる、請
    求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂成
    形体の製造方法。
  8. 【請求項8】短繊維が炭素繊維からなる、請求項1〜7
    のいずれかに記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造
    方法。
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