JPH058310A - 複合軸の製造法 - Google Patents

複合軸の製造法

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JPH058310A
JPH058310A JP3189535A JP18953591A JPH058310A JP H058310 A JPH058310 A JP H058310A JP 3189535 A JP3189535 A JP 3189535A JP 18953591 A JP18953591 A JP 18953591A JP H058310 A JPH058310 A JP H058310A
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cylindrical outer
fiber
reinforcing fiber
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JP3189535A
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Shiro Yamamoto
至郎 山本
Mikio Nishikawa
幹雄 西川
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】FRPを主体とする、軽量で機械的物性の良好
な複合軸の合理的な製造方法を提供する。 【構成】金属等で中空の円筒形外殻1をつくり、この中
空の円筒形外殻1を高速で回転させ、この外殻内に樹脂
と補強用繊維を導入し遠心力を利用して外殻内面に繊維
を巻き上げるとともに樹脂を固化させて繊維強化樹脂層
を成形する。この際、先に繊維を導入して巻き上げた後
樹脂を導入して、外殻内面に巻き上げた繊維層に樹脂を
含浸させることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複合軸、ことに複合駆動
軸、の改良された製造方法、特に少くとも内部が繊維強
化樹脂複合成形物(以下、FRPと略称することがあ
る)からなる複合軸を経済的にかつ良好な生産性で製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軸、特に駆動軸は、例えばプロペラシャ
フトとして原動機と作動部とを結合し動力を伝達する手
段として用いられ、従来金属シャフトが用いられて来た
が、振動低下、軽量化等の目的で、近年、FRP化が試
みられている。
【0003】駆動軸などの各種軸類をFRP化すること
については既にいくつかの提案がなされている。その目
的は振動低下、特に高速回転時の振動低下および省エネ
ルギー化の為の軽量化であることが多い。その形式は軸
本体を含めその両端の継ぎ手までを一体にFRPとした
もの、軽量軸芯と金属継ぎ手の両方をFRPで覆ってつ
ないだもの、軸本体をFRPとし継ぎ手を金属として両
者を接続したもの、の3通りに大別される。
【0004】これらの具体例は、例えば、上述の全FR
P駆動軸は特公昭48−19801号公報に、軽量軸芯
と金属継ぎ手とをFRPで覆ってつないだものは米国特
許第3553978号に、それぞれ記載されている。従
来公知のものの大多数は軸本体をFRPとし継ぎ手を金
属として両者を接続したものであり、これについては各
種の改善が提案されている(例えば、特公昭58−78
50号、特公昭61−4687号、特公昭59−856
8号、特公昭62−53375号、特開昭54−652
42号、特開昭54−132039号、特開昭55−5
4710号、特開昭55−159310号、特開平1−
229111号等参照)。
【0005】かかるFRP駆動軸の製法としては、プリ
プレグから成形する方法も知られているが、大多数はフ
ィラメントワインディング(以下、原則としてFWと略
称する)法であり、成形用の軸芯に繊維と樹脂を巻き付
けた後、軸芯を除去し、金属継ぎ手を取り付けるか、軽
量の軸芯に金属継ぎ手を取り付け、これに繊維と樹脂を
巻き付けるのが普通である。このようなFW法を利用し
た軸本体の製造法は、補強繊維の物性を生かし易く、補
強繊維の体積含有率も比較的上げ易いため、このような
成形物の製法として好ましいと考えられている。
【0006】また、軸の振動等の観点から、駆動軸は中
空よりも内部をフォーム等の軽量材料で充填することが
好ましいという考えもある(特開昭57−134329
号、特開昭63−199915号等参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、これらのF
RP主体の軸は、特にこれを駆動軸として用いる場合、
FRPの軸本体と金属継ぎ手との接続が問題となる他、
得られた軸の高速回転時のバランスを取り直すための作
業等も必要である。FW法の場合、通常、回転する軸芯
の外周に繊維又は繊維と樹脂とを巻き付けているが、回
転を高速にすれば繊維と樹脂は外側へ放り出される力が
加わり、必ずしも均一に巻き上がるとは言えない。これ
を回避するためには少なくとも繊維を堅く巻き付ける必
要があり、従って軸芯は頑丈であることが必要である。
このため軸芯は重くなりがちで、軽量な軸を得るため軸
芯は成形後にしばしば除去される。
【0008】本発明の1つの目的は、FRP主体の複合
軸において軸本体に金属継ぎ手等を容易にかつ強固に取
り付けられるか、金属継ぎ手を実質的に一体成形し得る
方法を提供することにある。本発明の他の目的は、成形
した複合軸のバランスがよく、成形後にバランス調整が
不要である製造方法を提供すること、好ましくは外周が
高密度であり、内層や芯部が低密度(軽量)である駆動
軸を一段で成形する方法を提供することにある。本発明
の更なる目的は、量産性にすぐれ、低コストでFRP複
合軸を製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の目
的を達成すべく鋭意研究の結果、予め中空の円筒形外殻
をつくり、これを高速で回転させ、その中に繊維と樹脂
を導入して該円筒形外殻の内面に繊維巻き上げ、樹脂を
硬化させて該内面にFRPを成形する方法、あるいは、
予め中空の円筒形の外殻をつくり、これを高速で回転さ
せ、その中に繊維を導入して該円筒形外殻の内面に繊維
を巻き上げ、しかる後、該外殻内へ液状の樹脂を導入
し、導入した樹脂を固化させて外殻内面にFRPを成形
する方法によって、上述の目的が達成されることを見出
し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明によれば、少くとも一部
がFRPである軽量な複合軸は、予め作製した中空の円
筒形外殻を、高速で回転で回転させつつ、その内部へ繊
維と樹脂を同時的又は逐次的に導入して該円筒形外殻の
内面に繊維を巻き上げ、それと同時に又はその後に、該
円筒形外殻内の樹脂を固化させて、該円筒形外殻の内面
に繊維強化樹脂層を成形する方法によって、製造され
る。
【0011】以下、本発明方法を詳細に説明する。
【0012】本発明方法では、先ず中空の円筒形外殻を
用意する。この円筒形外殻は、その両端又は一端に予め
金属継ぎ手を取付けたり、外殻本体を金属継ぎ手を一体
に形成したものでもよい。
【0013】本発明方法において使用する中空の円筒形
外殻としては、金属製の中空円筒が好ましく、鉄、アル
ミニウム又はこれらの少くとも何れかを主成分とする合
金からなるものが好適に用いられる。しかし、複合軸の
用途によっては合成樹脂製あるいはFRP製でもよく、
また、セラミックス製でもよい。該円筒形外殻の内外径
は、目的とする複合軸の用途に応じて選定される。軽量
な複合軸を得るには、出来るだけ外殻円筒の肉厚が小さ
いものが好ましく、例えば金属製の場合0.05〜1mm
程度、合成樹脂製の場合1〜5mm程度の肉厚とすること
ができる。該円筒の外周及び中空部の断面形状はほぼ真
円であることが好ましいが、安定に高速回転可能であれ
ば、他の形状でもよい。また、外径又は内径が円筒の長
さ方向において連続的又は段階的に変化しているもので
もよい。いずれの場合も、円筒形外殻は、安定に高速回
転でき、かつ高速回転させ成形する時に破壊したり極端
な変形を起さないものとすることが必要である。
【0014】本発明方法に用いる繊維はFRP層の補強
材となるもので、連続フィラメント糸、紡績糸等の連続
した糸条の形態で用いられる。補強材となる繊維(以
下、補強繊維という)の種類は高強力、高弾性率のもの
が好ましい。例えばガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊
維、炭化珪素繊維等の無機繊維や、アラミド繊維、ポリ
アリレート繊維、高強度ポリオレフィン繊維(例えば高
重合度ポリエチレンと呼ばれる繊維等)の高強度有機合
成繊維が用いられる。用途によっては綿、麻等の天然繊
維やポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロ
ニトリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニリデン繊
維等の通常の合成繊維も用いることができる。
【0015】本発明方法において用いる樹脂と補強繊維
の関係は、上述の如き遠心力を利用した内巻きフィラメ
ントワインディング(内面FW)を利用するという本発
明の本質から、補強繊維の密度が成形時の樹脂の密度よ
り大きいことが必要である。ガラス繊維や炭素繊維を用
いる場合には、一般に補強繊維の方が樹脂類より密度が
大きいので問題はないが、有機合成繊維等を用いる場合
には、この点を考慮して、補強繊維と樹脂の組合せを選
定しなければならない。
【0016】本発明方法に用いる樹脂は、熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂の何れであることも出来るが、多くの
場合、熱硬化性樹脂が好ましい。好適な樹脂としては、
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステ
ル樹脂、フェノール樹脂、シクロオレフィン(例えば
「メトン」)樹脂などがあげられる。これらの熱硬化性
樹脂の中でも、硬化に際し外部加熱を要しない樹脂が好
ましい。また、ポリアミド、フェノキシ樹脂等の熱可塑
性樹脂も用いられる。
【0017】なお、本発明でいう「樹脂」なる語は、各
種樹脂組成物、前駆体(モノマー)や部分的に重合した
プレポリマー状のものをも包含する広い概念で使用され
る。
【0018】本発明方法では、(1)予め樹脂を入れた
外殻を高速回転させ、これに繊維を導入する方法、
(2)繊維と樹脂とを共に高速回転しつつある外殻内に
導入する方法、(3)高速回転しつつある外殻に繊維を
導入して外殻内面に巻き上げた後外殻内へ樹脂を導入す
る方法、の何れを採用してもよく、樹脂の種類や形態等
に応じて適宜選択すればよい。例えば、熱硬化性樹脂の
場合、繊維に含浸して巻き上げることも出来るが、繊維
を巻き上げてから流動性の熱硬化性樹脂を注入すること
も好ましい。
【0019】熱可塑性樹脂の場合には、巻き上げてから
樹脂を溶融して注入することも出来るが、熱可塑性樹脂
からなるマトリックス繊維を補強用繊維と共に巻き上げ
た後、マトリックス繊維を加熱溶融して成形することが
好ましい。
【0020】本発明方法では、樹脂として発泡性樹脂を
用いることもできる。発泡性樹脂としては、ポリウレタ
ン等のそれ自体発泡性の樹脂を用いる他、エポキシ樹脂
等に有機又は無機の発泡剤(例えばアゾジカルボンアミ
ド等)を加えたり、加熱により発泡膨脹する粒子(例え
ばポリ塩化ビニリデンやポリアクリニトリル等を主とし
た、炭化水素やハロゲン化合物を含んだ、例えば松本油
脂製薬社の「マイクロスフェア」やエクスパンセル社の
「エクスパンセル」、ポリスチレンと発泡剤からなる積
水化成品社の「エスレンビーズ」等)を混合して用いる
ことが出来る。
【0021】また、本発明方法では、樹脂に非熱膨張性
の軽量粒子を混合して使用することもできる。かかる軽
量粒子としては、例えばガラスビーズ、シリカビーズ等
の中空粒子、シラスバルーンやシリカバルーン等の多孔
質粒子を用いることが出来る。これらの場合、軽量粒
子、発泡膨脹した粒子あるいは発泡剤等から発生する気
泡は高速回転成形時に軸の中心部に集まってくるため、
これらを用いると軸の中心部が多孔質(フォーム状)の
複合軸が製造される。
【0022】本発明方法において、補強繊維あるいはこ
れと樹脂とを中空の円筒である外殻内に導入するが、こ
の際、外殻はその軸芯を中心に高速回転させる。外殻の
回転による遠心力を利用して成形するため、少なくとも
毎分数百回以上、一般的には毎分数千回以上、好ましく
は1万回以上の速度で回転させる。そして、回転中の外
殻の中に補強繊維を適当な糸案内手段によりトラバース
させながら導入すると遠心力で該繊維は外殻内壁に吸い
寄せられ、巻き上げられてほぼ均一な厚さの繊維層を形
成する。
【0023】この場合、補強繊維に樹脂を含浸又は付着
させて巻き上げることも出来るし、巻き上げながら別途
外殻内へ樹脂を注入することも出来る。また、巻き上げ
てから外殻を回転させつつ樹脂を注入することも出来
る。いずれの場合も注入した樹脂は遠心力により繊維層
に吸い取られ浸透する。補強繊維の巻き上げ前に外殻内
に樹脂を存在させ、樹脂中に巻き上げることも可能であ
り、場合によってはこの方法が好ましいことがある。な
お、円筒形外殻は、巻き上げる補強繊維と含浸させる樹
脂が外部に放散しない構造に作ることが必要である。
【0024】巻き上げの綾角、巻硬度等は、遠心力に応
じて糸条のトラバース条件、糸条張力等をコントロール
することにより調整できる。一般に綾角は平均40〜6
0°が好ましい。
【0025】この中空の円筒形外殻は内面に凹凸を刻む
ことが好ましい。円筒形外殻の端部に継ぎ手を取り付け
る場合、この面が成形されるFRP軸との接着面になる
ためである。同様にFRP用の樹脂は外殻を形成する材
料(金属)との接着性の良いものが好ましく、外殻と膨
張係数の近似したものが好ましい。場合によっては注入
初期の樹脂と後から注入する樹脂の種類を変えることも
好ましい。樹脂として発泡性の樹脂を用いる場合も同様
である。
【0026】このように巻き上げた補強繊維層に入った
樹脂を、巻き上げ時又はその後に固化させれば、円筒形
外殻の内面にFRP層が成形される。熱硬化性樹脂の場
合は硬化させるが、硬化に加熱を要する場合には、外殻
全体を加熱室や加熱浴に入れて加熱すればよく、樹脂成
分の反応により外部加熱なしで硬化する場合はそのまま
(非加熱)でよい。熱可塑性樹脂の場合には、加熱溶融
して繊維層内に含浸させた後、その状態で冷却固化させ
ればよい。
【0027】以上の如き方法で、高い生産性にて円筒形
外殻の内面にFRP層を有する複合軸が製造される。円
筒形外殻として予め両端に金属継ぎ手を有するものを用
いれば、そのままで駆動軸として用いられるものを得る
ことができる。また、そのような継ぎ手を有しない外殻
を用いたときは、上述の如く成形した軸本体の両端に、
例えば溶接等の手段で金属継ぎ手を取付ける。
【0028】本発明方法で、外殻として金属円筒を用い
る場合は溶接による金属継ぎ手の取付けが可能であり、
この点が利点の一つである。この金属継ぎ手の材質は、
軸本体となる円筒形外殻と同一でもよく異なるものでも
よい。
【0029】次に、図面により本発明方法の具体的な実
施態様の例を説明する。
【0030】図1は本発明方法の各段階を説明するため
の模式化した断面図であり、図1中の(a)は金属継ぎ
手を一体化した円筒形外殻の例、(b)はこれの内面に
補強繊維を巻き上げたものの例、(c)はこれに樹脂を
注入したものでFRP層と樹脂層がある例、(d)は中
空部にフォームを形成した例である。
【0031】図1において、(1)は円筒形外殻、
(2)は金属継ぎ手、(3)は外殻内面に巻上げた補強
繊維層、(4)は樹脂層、(5)は未硬化の(又は硬化
した)樹脂を含浸した補強繊維(FRP)層、(6)は
多孔質部(フォーム)を示す。
【0032】本発明方法では、まず、例えば特殊鋼で中
空の円筒形外殻(1)と金属継ぎ手(2)を作製する。
金属継ぎ手(2)が鉄合金で外殻(1)がアルミ合金で
もよい。両者は例えば溶接により一体とし(a)の如き
両端に継ぎ手のある外殻とする。この外殻と金属継ぎ手
の一体化物(a)は上述の如き内面FWに際して、高速
で安定して回転出来るものであることが必要である。こ
こに示す例は、この外殻の内面に遠心力を利用して補強
繊維を巻き上げて、(b)の如く、内面に補強繊維層
(3)を形成し、さらに液状の樹脂(4)を注入して、
未硬化の樹脂含浸補強繊維層(5)とその内側(中心部
寄り)に樹脂のみの層(4)とを有する(c)の如き構
造とする。このまま樹脂を硬化させれば(c)の構造を
有する複合軸となるが、この際樹脂として発泡性のもの
を用い、加熱発泡させれば中心部に多孔質部(フォー
ム)を有する(d)の如き複合軸が得られる。
【0033】図2は、円筒形外殻の内面に補強繊維を巻
き上げる状態を示すもので、同図における(1)は金属
製の円筒形外殻、(2)は金属継ぎ手、(3a)は補強
繊維、(7)は補強繊維ガイド、(3)は巻き上げた補
強繊維、(8)は円筒形外殻を高速回転させるための回
転駆動モーターである。図示の如く、金属継ぎ手(2)
を取り付けた金属製の円筒形外殻(1)は回転駆動モー
ター(8)により、高速回転される。補強繊維(3a)
の先端は上記外殻(1)内を上下にトラバースするガイ
ド(7)により外殻内に供給され、外殻(1)の内壁に
接すると引き込まれ、内面に巻き上げられて補強繊維層
(3)を形成する。このときの回転数は通常毎分数千回
程度であり、従来のFW法の回転数(通常毎分数十回)
に比べてきわめて高い。巻き上げ速度はほぼ巻き上げ周
長×回転数であるので、これが高い生産性に直結してい
る。但し、繊維に撚りをかけながら(又は撚りを戻しな
がら)周長と{回転数と撚り数の差}との積として巻き
上げることも出来る。
【0034】この巻き上げに先立ち、液状の樹脂をあら
かじめ外殻円筒内に入れておくことや、補強繊維に樹脂
を付着させておくことが好ましい場合があるが、通常は
補強繊維を巻き上げてから樹脂を外殻円筒内へ注入す
る。
【0035】図3は巻き上げ後に樹脂を注入する状態を
示す。図3において、(1)は円筒形外殻、(2)は金
属継ぎ手、(8)は回転駆動モータ、(9)は原料樹脂
タンク、(10)は樹脂スプレーノズル、(11)は樹
脂導管、(5)は未硬化の樹脂を含浸した補強繊維層
(成形中のFRP)を示す。原料樹脂タンク(9)に入
れた原料樹脂は、先端に樹脂スプレーノズル(10)を
有する導管(11)内を流下するが、該導管(11)を
上下にトラバースさせながら、巻き上げた補強繊維層
(3)へスプレーする。樹脂は遠心力により補強繊維層
(3)に吸い込まれる。この際、樹脂は既に形成されて
いる補強繊維層の空間のみに侵入するので、該繊維層を
緻密に巻き上げてあればFRP層の繊維含有率は高いも
のに出来る。また、該繊維層中に存在する空気は高G
(重力に替わる加速度)で樹脂と入れ替わるため該繊維
層中には残り難い。この際、樹脂は回転に対して動力学
的に均等に行き汎るため、バランスのよい成形物が得ら
れる。
【0036】
【発明の効果】以上の如き本発明方法によりFRPを主
体とする複合軸が、容易かつ安価に、効率よく成形出来
る。この複合軸は最外周が金属等の外殻材料、その内側
を高繊維含有率のFRP、その内側を樹脂及び/又はフ
ォーム又はシンタクチックフォームすることが出来、必
要に応じて中心に中空部を残したものとすることが出来
る。そして、この複合軸はバランスがよく、高速回転に
適したものとすることが出来る。
【0037】また、本発明方法では、従来のFW法成形
に比べて補強繊維の巻き上げ速度を著しく高速に出来、
従って高い生産性を実現することも可能である。さらに
得られる複合軸はその大部分を金属製等の外殻が覆って
いるので、防水性の高い構造になっている。また、従来
のFRPのパイプの端部に金属継ぎ手を押し込んだ構造
のものでは、両者の剛性の違いから、FRPが剥げ易い
という問題があるが、本発明の方法によれば剛性が高い
金属を外周とすることが出来るので、このような問題が
なく、高速回転すればFRPはこの外周の金属に押し付
けられるようになるので、強靭性が発揮できる。
【0038】それ故、本発明方法による複合軸は、軽量
かつ強靱性が要求される分野、例えば自動車のドライブ
シャフト、自転車のフレーム、スポーツ用品のシャフ
ト、各種構造部材等の分野に有効に使用することができ
る。
【0039】
【実施例】次にプロペラシャフトモデルを作製する実験
例をあげて本発明をさらに詳細に説明する。これは本発
明の理解のためのものであり、本発明を制約するもので
はない。
【0040】
【実施例1】65Aの鋼管を入手して長さ500mmに切
断した。これに廃車になった乗用車のドライブシャフト
の継ぎ手を切り取って両端に取りつけた。この際に一方
の継ぎ手には中心部に孔を開けた。次に、これを旋盤加
工して鋼管部を肉厚約1.5mmに削り、全体的に高速回
転に耐え得るようにバランスを取った。
【0041】このようにして作製した筒状物を立ててそ
の軸芯を中心に回転させる装置を作った。すなわち下方
の軸受け部で回転させ、上方は70Aの鋼管を支える構
造とした。回転はベルト駆動による方式とした。
【0042】上記の装置に筒状物の一方の継ぎ手側を装
着し、筒状物を毎分3600回で回転させた。これに他
方の継ぎ手(孔をあけた)側から200de(22.5番
手)の日東紡製ガラス繊維ヤーンを導入し、上下にトラ
バースさせて、撚りを戻しながら軸に対して約45°の
角度に巻き上げた。2時間後にヤーンの導入を止め、次
に、同条件で回転させている筒状物内へエポキシ樹脂を
導入した。このエポキシ樹脂としては100重量部の
「エピコート828」に13重量部のトリエチレンテト
ラミンを混合して用いた。2時間後に回転を停止し、翌
日、試作物を回収した。
【0043】かくして、良好なプロペラシャフトモデル
が得られ、このモデルはそのまま高速回転試験を実施し
たが十分に耐えるものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の各段階を模式的に示す断面図。 (a) 金属継ぎ手を一体化した円筒形外殻の例 (b) 上記外殻の内面に補強繊維を巻き上げた例 (c) これにさらに樹脂を注入し、樹脂含浸した繊維
層と樹脂層を形成した例 (d) この中空部をフォームとした例
【図2】円筒状外殻の内面に補強繊維を巻き上げる例を
示す簡略化した部分欠切断面図。
【図3】補強繊維を巻き上げた後、外殻内へ樹脂を注入
する例を示す部分欠切断面図。
【符号の説明】
1 円筒形外殻 2 金属継ぎ手 3 巻き上げた補強繊維層 3a 補強繊維 4 樹脂層 5 樹脂含浸補強繊維層 6 多孔質部 7 補強繊維ガイド 8 回転駆動モータ 9 原料樹脂タンク 10 樹脂スプレーノズル 11 樹脂導管
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00 4F 31:06 4F

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め作製した中空の円筒形外殻を、高速で
    回転させつつその内部へ繊維と樹脂を同時的又は逐次的
    に導入して該円筒形外殻の内面に繊維を巻き上げ、それ
    と同時に又はその後に、該円筒形外殻内の樹脂を固化さ
    せて、該円筒形外殻の内面に繊維強化樹脂層を成形する
    ことを特徴とする複合軸の製造法。
  2. 【請求項2】予め作製した中空の円筒形外殻を、高速で
    回転させつつその内部に繊維を導入して該円筒形外殻の
    内面に繊維を巻き上げ、次いで該円筒形外殻の内部へ樹
    脂を導入し高速回転による遠心力を利用して巻上げた繊
    維層内へ含浸させ、それと同時に又はその後に樹脂を固
    化させ、該円筒形外殻の内面に繊維強化樹脂層を成形す
    ることを特徴とする請求項1記載の複合軸の製造法。
  3. 【請求項3】円筒形外殻の内部へ導入する樹脂として発
    泡性の樹脂を用いることを特徴とする請求項1又は2記
    載の複合軸の製造法。
  4. 【請求項4】円筒形外殻の内部に樹脂と軽量粒子との混
    合物を導入することを特徴とする請求項2記載の複合軸
    の製造法。
  5. 【請求項5】円筒形外殻として金属製の中空円筒を用い
    ることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の複合
    軸の製造法。
  6. 【請求項6】円筒形外殻としてその少くとも一端に金属
    継ぎ手を有するものを使用することを特徴とする請求項
    1〜5の何れかに記載の複合軸の製造法。
  7. 【請求項7】内面に繊維強化樹脂層を成形した円筒形外
    殻の両端に金属継ぎ手を取付けることを特徴とする請求
    項1〜5の何れかに記載の複合軸の製造法。
JP3189535A 1991-07-04 1991-07-04 複合軸の製造法 Pending JPH058310A (ja)

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JP3189535A Pending JPH058310A (ja) 1991-07-04 1991-07-04 複合軸の製造法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011117509A (ja) * 2009-12-02 2011-06-16 Ntn Corp 等速自在継手
JP2013176823A (ja) * 2012-02-29 2013-09-09 Nsk Ltd 工作機械用主軸装置
KR20160015064A (ko) * 2014-07-30 2016-02-12 한국과학기술원 단열보드의 제조 방법

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