JP2005289067A - 繊維強化樹脂製円筒状成形物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 複雑な設備や工程を伴わずに繊維強化樹脂製円筒状成形物を得る。
【解決手段】 熱硬化性樹脂の基地中に繊維シートを円筒面に沿って含み、未硬化の熱硬化性樹脂液を用いて遠心力成形されてなる繊維強化樹脂製円筒状成形物である。さらに、この成形物はクロスとマットの両方の繊維シートを含む。また、繊維シートを中空丸棒状に巻いて成形型の内部へ装入後、成形型を回転して遠心力により繊維シートを成形型の内面へ付着させた後、未硬化の熱硬化性樹脂液を注入して遠心力成形する製造方法である。熱硬化性樹脂液の注入は案内梁又は支持管にて支持された注入管により行なう。また、内面に繊維シートを付着させた成形型の回転を停止して未硬化の熱硬化性樹脂液を注入後、成形型を回転して遠心力成形する。中空丸棒状に巻いた繊維シートを成形型内へ装入するときは、巻き方向を回転により外周側から開いて成形型内面に展開する方向にする。
【選択図】 図1
【解決手段】 熱硬化性樹脂の基地中に繊維シートを円筒面に沿って含み、未硬化の熱硬化性樹脂液を用いて遠心力成形されてなる繊維強化樹脂製円筒状成形物である。さらに、この成形物はクロスとマットの両方の繊維シートを含む。また、繊維シートを中空丸棒状に巻いて成形型の内部へ装入後、成形型を回転して遠心力により繊維シートを成形型の内面へ付着させた後、未硬化の熱硬化性樹脂液を注入して遠心力成形する製造方法である。熱硬化性樹脂液の注入は案内梁又は支持管にて支持された注入管により行なう。また、内面に繊維シートを付着させた成形型の回転を停止して未硬化の熱硬化性樹脂液を注入後、成形型を回転して遠心力成形する。中空丸棒状に巻いた繊維シートを成形型内へ装入するときは、巻き方向を回転により外周側から開いて成形型内面に展開する方向にする。
【選択図】 図1
Description
本発明は未硬化の熱硬化性樹脂液を用い、遠心力により成形した繊維強化樹脂(以下FRPと略記する)製円筒状成形物及びその製造方法に関するものである。
FRP製円筒状成形物には、繊維強化材に未硬化の熱硬化性樹脂液を含浸させながら円筒状芯型の上に巻き重ねて成形する外巻き法によるものと、繊維強化材と未硬化の熱硬化性樹脂液を回転する成形型内へ入れて成形するもの等がある。
非特許文献1は、通常一般的に用いられている外巻き法のフィラメントワインディング法とハンドレイアップ法について記載している。フィラメントワインディング法はガラス等の連続繊維束を未硬化の熱硬化性樹脂液に浸しながら円筒状芯型の上に巻き重ねる方法である。ハンドレイアップ法はガラス等の繊維シートを円筒状芯型の上に巻き、ローラで押えて未硬化の熱硬化性樹脂液を浸透させながら芯型の上に巻き重ねる方法である。
特許文献1は、遠心力によるFRP管の成形方法及びその装置について記載している。特に第2欄〜第3欄、第12欄の記載を要約すると、その成形方法は、マンドレル芯の外表面上にて繊維強化材の筒又は管を編み、マンドレル芯ごと遠心力成形型の内部へ挿入した後、マンドレル芯のみを抜き取り、繊維強化材の筒又は管編物を遠心力成形型の内面に残す。次に、熱硬化性樹脂液を貯溜槽から導管を経由して遠心力成形型の両端位置に設けたノズルへ圧力供給する。遠心力成形型内へ注入された熱硬化性樹脂液は、遠心力により成形型の内周面に沿って均等に分布するとともに、繊維強化材の部分にも浸透して熱硬化し、FRP管を完成する。貯溜槽は洗滌や樹脂液の充填に便利なように配置及び設計されている。また、図面の第7シート(FIG.12、FIG.13)には、遠心力成形型及びその両端部位置に設けたノズルから熱硬化性樹脂液を注入する構造を示している。
特許文献2は、強化繊維布と熱可塑性樹脂シートとの積層体を熱可塑性樹脂シートが外側になるように心金に巻回し、この心金を積層体とともに鋳型内に挿入し、心金と鋳型を互いに逆回転して、前記積層体を心金から巻戻しながら前記強化繊維布が外側になるように鋳型内周面に巻移し、次いで積層体を加熱して熱可塑性樹脂シートを溶解しながら遠心力成形したのち冷却する複合材料管の成形法について記載している。そして、樹脂液を最初から使用する遠心力成形法に比べて複合樹脂管を効率的に成形することができるとしている。
特許文献3は、樹脂素材と触媒を混合したものと、樹脂素材と促進剤を混合したものとを回転中の型枠内に個別にしかも同一箇所に向かって噴射するとともに、ガラスロービングを所要長に切断しながら上記噴射位置に気圧により散布し、かつ上記噴射位置及び散布位置と型枠とを相対的に型枠の軸線方向に移動する遠心力によるFRP管の成形方法及びその装置について記載している。そして、遠心力により、型枠の全長に亘り同一圧力で加圧されるので、樹脂とガラスチョップドストランドとの間に微細な空隙も残留せず、質が緻密でかつ同一肉厚のFRP管を成形できる効果があるとしている。
特許文献4は、低速回転する円筒状型の内壁に、先ず硝子繊維製短繊維を落下し、その短繊維層の流れの上に熱硬化性樹脂と触媒との混合組成物、熱硬化性樹脂と硬化促進剤との混合組成物の2種の熱硬化性樹脂組成物を吐出させ、樹脂繊維混合体を作り、次いで該円筒状型の中心軸線方向に何れも平行して該円筒状型内に回転自在に設けられ、外周に凹凸面のある複数のローラで該樹脂と繊維混合体を該型体の表面上に押圧し、該樹脂と繊維混合体に含浸された前記2種の熱硬化性樹脂組成物を該ローラ面による押圧及び押圧解除を繰り返す作用でよく混合させるFRP製円筒体の低速回転式成形方法について記載している。そして、遠心力成形では、円筒状型が高速回転するため強化用繊維が大体円周方向に並んでしまい、成形された管の母線方向の強度が出ないが、この方法によると、低速回転のため強化用短繊維をアトランダムの方向に向けて合成樹脂液中に混在できるので、従来の遠心力成形品に比べて極めて高い強度が得られるとしている。
通常一般的に用いられている非特許文献1記載の外巻き法で製造した円筒状成形物は、その外表面が繊維形状若しくは巻き形状のまま出来上がるので、凹凸のある製品となり、外径寸法にばらつきがある。また、繊維束又は繊維シートを少量づつ巻き重ねながら成形するため製造に時間を要する、長い成形物を製造する場合は完成後に円筒状芯型が抜き取り難くなる、未硬化の樹脂液の過多により樹脂液が垂れ落ちたり、製品端部の切り捨て部分が大きかったりして原材料のロスが大きい等の問題点がある。さらに、円筒状芯型の外周面上にて成形する作業であって、成形体から有機性ガスを周囲に放散するので、このガスを捕集する設備が大掛かりであると言う問題点もある。
上記外巻き法の問題点を解決するには、遠心力成形法を用いると効果があると予想される。特許文献1では、繊維強化材を用いて遠心力により成形するが、繊維強化材を製作する手段とそれを成形型の内面に付着させる手段が複雑である。すなわち、先ずマンドレル芯の外表面上にて繊維強化材の筒又は管を編み、マンドレル芯ごと遠心力成形型の内部へ挿入した後マンドレル芯のみを抜き取り、繊維強化材の筒又は管の編物を遠心力成形型の内面に配置する。そして、遠心力成形型の他にマンドレル芯を必要とする。これらにより、作業及び設備が複雑である。
特許文献2では、強化繊維布を用いて遠心力により成形するが、熱可塑性樹脂シートを用いるため、熱可塑性樹脂シートを加熱溶解する作業及び設備を必要とする。また、心金に巻回した強化繊維布と熱可塑性樹脂シートとの積層体を成形型内に挿入して、心金と鋳型を互いに逆回転するが、比較的口径が小さくて長い円筒状成形物を製造する場合に、小さい内径の成形型内にこれらの部品を挿入して、逆回転させる機構を設けるのは難しいと思われる。
特許文献3では、未硬化の熱硬化性樹脂液を用いて遠心力成形するが、熱硬化性樹脂液とともに長繊維を所要長さに切断しながら成形型内に供給して繊維材強化する。そして、成形型内へガラスロービング切断繊維を散布する管と2種類の樹脂液を供給する管を必要とし、これらの管を比較的口径が小さくて長い成形型内へ装入するのは難しいと思われる。また、長繊維のガラスロービングを切断しながら圧縮空気で送給する等の付帯設備が必要になってくる。また、特許文献4に記載のように、成形時の高速回転により繊維材が大体円周方向に並ぶので、成形物の長さ方向強度の出ないことが心配される。
特許文献4では、遠心力成形法ではなく低速回転成形法であって、硝子繊維製短繊維と熱硬化性樹脂組成物を円筒状型の内面に落下又は吐出させ、外周に凹凸面のある複数のローラで樹脂と繊維の混合体を押圧及び押圧解除を繰り返して成形するが、複数のローラその他を有する大きな装備を成形型の内側へ挿入するため、直径が大きい成形物にしか適用できない。
本発明は、上述の各問題点をなくし、外径寸法の仕上がり精度がよく、円筒状芯型を必要とせず、その結果手間のかかる芯型抜き取り作業がなく、原材料のロスがなく、有機性ガスの捕集設備が大規模にならず、しかも繊維が円周方向に並ぶ傾向のない緻密質のFRP製円筒状成形物、及び、複雑な作業や設備を必要とせずに、長い成形物にも適用できる遠心力成形方法を提供するものである。
本発明を図面に基づいて説明する。図1は本発明によるFRP製円筒状成形物実施例の回転軸に直角方向の断面図、図2は同じく回転軸方向の断面図であり、長さ方向は平行鎖線により部分的に省略して示す。図3は図1の回転軸に直角方向断面の部分拡大図、図4は図2の回転軸方向断面の部分拡大図である。図3及び図4において、強化用繊維シートのクロスの断面は波線と黒丸の組合せ図形、強化用繊維シートのマットの断面は波線のみの図形により便宜的に示す。
図5は本発明による強化用繊維シートを中空丸棒状に巻いて成形型の内部へ装入したときの状態を示す回転軸に直角方向の断面図である。図6は本発明による強化用繊維シートを中空丸棒状に巻いて成形型の内部へ装入したときの他の状態を示す回転軸に直角方向の断面図である。これらの図において、強化用繊維シートの断面は渦線により示す。図7は本発明による実施例装置の正面図、図8は図7の注入管支持部分の拡大正面図、図9は同じく回転軸に直角方向の拡大断面図である。
図10は本発明による他の実施例装置の正面図である。図11は図10の注入管と支持管部分を拡大した回転軸に直角方向の断面図である。図12は同じく回転軸方向の断面図であり、長さ方向は平行鎖線により部分的に省略して示す。図13は本発明によるさらに他の実施例過程を示す正面図であり、成形型の部分は断面にて示す。図14は図13の成形型部分の回転軸に直角方向の拡大断面図である。なお、本発明はこれら図1乃至図14の実施例図に限るものではなく、本発明要件を満たすものであれば、他の実施態様であっても同様効果がある。
本発明の第1発明は、熱硬化性樹脂の基地中に円筒面に沿って強化用繊維シートを含有し、未硬化の熱硬化性樹脂液を用いて遠心力により成形されてなるFRP製円筒状成形物である。
第1発明において、熱硬化性樹脂は、液状の樹脂原料に硬化剤、硬化促進剤等を任意に添加調合し、所定時間経過して硬化するFRP製品の成形に一般的に用いられている熱硬化性樹脂である。強化用繊維シートは、ガラス繊維その他FRP製品に一般的に用いられている繊維材料をあらかじめシート状に加工したもので、長繊維を織ってクロス(布)に加工したもの、或いは短繊維を織らずにマット(不織布)に加工したものを総称する。
図1及び図2のように、第1発明のFRP製円筒状成形物1は、遠心力により成形されたもので、未硬化の熱硬化性樹脂液が強化用繊維シートの部分にまで浸透して、外周面側が熱硬化性樹脂の基地中に強化用繊維シートを円筒面に沿って含んだ繊維強化層12にてなり、最内周面側が強化用繊維シートを含まない熱硬化性樹脂層13にてなる複合構造をしている。そして、繊維強化層12により強さを、熱硬化性樹脂層13によりその樹脂本来の耐食性等を発揮する。
繊維強化層12は、用いる強化用繊維シートの種類と数を適宜選定して任意強さにできる。熱硬化性樹脂層13は、遠心力成形の特徴として形成される層であって、用いる熱硬化性樹脂材料を適宜選定して任意材質にできる。これら繊維強化層12の強さと熱硬化性樹脂層13の材質を組み合わせることにより、種々の用途に供用できる複合構造のFRP製円筒状成形物1が得られる。また、成形作業時に発生する有機性ガスは、前記従来の外巻き法のように周囲に放散せず、成形型内部に閉じ込められるので、これを成形型端部から吸引捕集することにより、小規模設備で作業環境が浄化できる。
第2発明はクロスとマットの両方の強化用繊維シートを含有してなる第1発明のFRP製円筒状成形物である。
すなわち、図1及び図2の繊維強化層12の部分にクロスとマットの両方の強化用繊維シートを含んだFRP製円筒状成形物である。断面をさらに部分拡大し、クロスとマットを交互に重ね合せた例を図3及び図4に示す。これらの図において、クロス21は波線と黒丸の組合せ図形、マット22は波線のみの図形により便宜的に示す。内周面14側の部分は強化用繊維シートを含まない熱硬化性樹脂層13である。
通常、クロスは長繊維を束ねて平織りしてあるので、長繊維方向の強さが最も向上する。マットは短繊維を無方向に配置してあるので、均等に各方向の強さを向上する。これら両方の強化用繊維シートを併用することにより、FRP製円筒状成形物のクロスの繊維方向のみに偏らず、他の方向の強さも向上できる。また、マットがクロスとクロスの間に挟まれることにより、マットがクロス織り目の凹部に入り込んでクロスとクロスの繋ぎ役をして、層間剥離を防止する効果もある。
第3発明は、強化用繊維シートを中空丸棒状に巻いて成形型の内部へ装入後、成形型を回転して遠心力により強化用繊維シートを成形型の内面へ付着させた後、未硬化の熱硬化性樹脂液を注入して遠心力により成形するFRP製円筒状成形物の製造方法である。
図5のように、強化用繊維シート2を中空丸棒状に巻いて成形型3の内部へ装入すると、当初は巻かれた状態の強化用繊維シート2と成形型3の内面との間に大きな隙間ができている。しかし、成形型3の例えば矢印T方向への回転と遠心力により、巻かれた状態の強化用繊維シート2は自動的に巻き解されて成形型3の内面へ付着するようになる。付着させた後は、任意の手段により未硬化の熱硬化性樹脂液を注入して遠心力により成形する。
上記方法により、成形型3の内面に強化用繊維シートを付着させると、FRP製円筒状成形物の全周及び全長に繊維材を均等に分布させることができる。注入された未硬化の熱硬化性樹脂液は、遠心力により強化用繊維シートの部分にまで浸透して濡らし、熱硬化性樹脂の基地中に強化用繊維が混在した形態になる。そして、介在しやすい空気や発生したガスの気泡は遠心力分離作用により成形物の内周面側へ移動の後排除されやすくなる。また、強化用繊維は予めシート状に加工されているので、未硬化の熱硬化性樹脂液を注入しても、成形型の回転により繊維材が円周方向に並ぶという不具合がなくなる。こうして完成したFRP製円筒状成形物は、図1及び図2のように、その外周面側は熱硬化性樹脂の基地中に強化用繊維シートが混在した繊維強化層12にてなり、最内周面側は熱硬化性樹脂層13にてなる複合構造となる。
前記の各特許文献では強化用繊維を樹脂中に含ませるための装置を夫々用いている。本第3発明の方法は、このような装置を特に必要とせず、中空丸棒状に巻いた強化用繊維シート2を成形型3の内部へ装入して回転するだけで、成形型3内面へ自然に付着させ、熱硬化性樹脂中に含ませることができる。成形型3内面に強化用繊維シート2を半径方向に重ねる数は、最初に強化用繊維シートの素材を裁断するときの寸法により決める。強化用繊維シート2を中空丸棒状に巻くのは、例えば丸棒状のものを芯にして手巻き作業で行なえるので、特別な装置を必要としない。
また、強化用繊維シート2は単一種類のシートだけではなく、異種類のシートを重ね合せて巻くことにより、異種類のシートが混在するFRP製円筒状成形物となる。重ね合わせは、強化用繊維シートを成形型3へ装入したときの外周側になる図6のシート23を下に置き、その上に内周側になる図6のシート25を置く。このとき、外周側シート巻き終り端24を内周側シート巻き終り端26よりも突出するように置いて巻き始めるのが好ましく、巻き始め端部分及び巻き終り端部分の重なり段差を目立たなくできる。
第4発明は、成形型内部の回転軸線方向に非回転の案内梁を挿通して設け、案内梁には成形型の回転軸線方向へ移動自在の支持枠を掛け、支持枠により注入管を回転軸線方向へ移動自在に支持し、注入管から未硬化の熱硬化性樹脂液を注入する第3発明のFRP製円筒状成形物の製造方法である。
すなわち、図7乃至図9の実施例装置のように、成形型3内部の回転軸線方向に非回転の案内梁43を挿通して設け、案内梁43には成形型3の回転軸線方向へ移動自在の支持枠46を掛け、支持枠46により未硬化の熱硬化性樹脂液注入管4を成形型3内部の回転軸線方向へ移動自在に支持して注入する第3発明の製造方法である。図7において、成形型3の内面に付着させた強化用繊維シートは、相対的に薄い層になり不明瞭なため割愛した。また、支持枠46も相対的に小さいので図7においては割愛した。
図7の実施例装置において、成形型3はユニバーサルジョイント61を介してモータ6に連結されており、モータ6の駆動により回転する。成形型3の支承ローラ62は、成形型3のローラ当接部31の外周を三点支承(図示せず)しており、成形型3の回転に従動する。短くて軽量の成形型の場合は、駆動側(モータ6側)の支承ローラを省いてもよい。
非回転の案内梁43の先端側44は、成形型3の駆動側端部32の軸心部に設けた軸受34により支持され、成形型3の回転に対して自由になっており、回転しない。案内梁43の他端側45は、取付け台47に着脱可能に固定されている。案内梁43が長くて撓むような場合は、案内梁43に張力を加える等により撓みを軽減する。案内梁43の断面は、本実施例では矩形であるが、その機能を果たすものであれば、他の断面形状でもよい。
未硬化の熱硬化性樹脂液は注入管4の先端41の開口から成形型3内へ注入する。注入管4の他端42は樹脂タンク48に接続してある。樹脂タンク48には未硬化の熱硬化性樹脂液が入れてあり、圧縮空気により樹脂タンク48内を加圧して、樹脂液を注入管4へ送る。
案内梁43には回転軸線方向へ移動自在の支持枠46を掛け、支持枠46にて注入管4を回転軸線方向に所定間隔で支持する。成形型3内への未硬化の熱硬化性樹脂液注入は、注入管4を案内梁43に沿って回転軸線方向へ移動しながら行なう。注入管4の移動は、注入管4の他端側42を接続した樹脂タンク48を載置してある台車49を回転軸線方向へ移動して行なう。
第4発明においては、成形型3の内部に非回転の案内梁43を挿通して設けているので、注入管が撓んで不具合が生じるような長い円筒状成形物を製造する場合に適している。また、図7では示していないが、成形型3の駆動側端部32に、成形型3内へ外部から空気が入るように流通構造を設け、注入管4の挿入側端部33の外側に吸引装置を配置すると、成形時に発生する有機性ガスを捕集できるので、作業環境の浄化に効果がある。
第5発明は、支持管の内部を移動自在に貫通する注入管の先端を支持管の先端よりさらに突出するように伸ばして成形型の内部へ挿入し、注入管から未硬化の熱硬化性樹脂液を注入する第3発明のFRP製円筒状成形物の製造方法である。
すなわち、図10乃至図12の実施例装置のように、支持管54の内部を貫通する注入管5の先端51が支持管54の先端55よりさらに突出するように伸ばして成形型3の内部へ挿入し、注入管5の先端51から未硬化の熱硬化性樹脂液を注入する。
図10において、未硬化の熱硬化性樹脂液の注入に関連する部品以外の成形型3、モータ6、支承ローラ62、その他付帯部品は前記第4発明の実施例装置と同じ構成であり、同じ符号で示す。図10においても、成形型3の内面に付着させた強化用繊維シートは、相対的に薄い層になり不明瞭なため割愛した。
支持管54は、注入管5を支持するためのもので、容易に撓まない材料を用い、その外側端部56は取付台57に強固に固定してある。取付台57は、支持管の先端55の成形型3内部への挿入と取出しができるよう、成形型3の回転軸線方向に往復移動できる。
注入管5は単独でも支持管54の内部を自由に往復移動できる。注入管5の先端51部の往復異動は、注入管5の単独移動と、注入管5と支持管54と取付台56とからなる注入部全体の移動とにより行なう。未硬化の熱硬化性樹脂液の供給は、矢印Rの方向に、注入管5の外側端52より行なう。外側端52は樹脂送給管(図示せず)と接続し、樹脂送給管の他端側は樹脂タンク(図示せず)に接続する。樹脂タンクには未硬化の熱硬化性樹脂液が入れてあり、圧縮空気により樹脂タンク内を加圧して、未硬化の熱硬化性樹脂液を注入管5へ送る。
図11及び図12において、注入管5と支持管54との間に注入管5へ固定したライナ53を設け、注入管5と支持管54との間の遊びを調節する。ライナ53を固定した注入管5は支持管54の内部から抜き取ることができる。
第5発明においては、注入管5が支持管54内部を貫通する構造をしているので、回転軸方向に直角の断面形状が小さく、成形型3の内部空間に余裕ができる。また、支持管54が注入管5を支持しているので、注入管5の先端51の下方への撓みが軽減される。このため、比較的口径の小さいFRP製円筒状成形物を製造する場合にも適している。さらに図10の実施例装置では、注入管5及び支持管54の成形型3への挿入が端部33側からのみである。しかし、成形型をベルトにより回転させる方式(前記特許文献1参照)、或いは支承ローラにより回転させる方式(前記特許文献3参照)等にすると、成形型の両端部から注入管及び支持管を挿入できるようになるので、特に長いFRP製円筒状成形物の製造に適するようになる。
第6発明は、強化用繊維シートを成形型の内面に付着させた後、成形型の回転を停止して未硬化の熱硬化性樹脂液を注入し、熱硬化性樹脂液を成形型内に溜めた後回転して遠心力により成形する第3発明のFRP製円筒状成形物の製造方法である。
すなわち、前記第3発明乃至第5発明と同様にして、強化用繊維シートを成形型の内面に付着させた後、成形型の回転を一旦停止する。そして、図13及び図14のように、停止状態の時に未硬化の熱硬化性樹脂液15を注入して、成形型3内の底部の全長に亘って溜める。その後再び回転して、熱硬化性樹脂液を遠心力により全周に分布させて成形する。
図13及び図14において、成形型3、モータ6、支承ローラ62、その他付帯部品は前記第4発明及び第5発明の実施例装置と同じ構成である。停止状態時の未硬化熱硬化性樹脂液の注入は、例えば前記第5発明実施例装置(図10乃至図12)の注入管5のみを伸ばして成形型3内へ挿入し、回転軸方向へ移動させながら行なう。注入完了後は、注入管を直ちに成形型3内から抜き取る。図13においても、成形型3の内面に付着させた強化用繊維シートは、相対的に薄い層になり不明瞭なため割愛した。
第6発明においては、成形型3が停止しているので、注入管の先端が撓んで成形型3内面に付着した強化用繊維シート27と接触しても支障がなく、安心できる。また、成形型3を回転させながら熱硬化性樹脂液を注入するのではなく、注入が完了してから回転させるので、作業が簡素化して安定する。
第7発明は、中空丸棒状に巻いた強化用繊維シートの巻き方向を回転により外周側から開いて成形型の内面に展開する方向にして、強化用繊維シートを成形型内へ装入する第3発明乃至第6発明のいずれかのFRP製円筒状成形物の製造方法である。
図5又は図6において、成形型3が矢印T方向へ回転する場合、この回転方向に対して、中空丸棒状に巻いた強化用繊維シート2、又は23と25の巻き方向を同図のようにして装入する。こうすることにより、強化用繊維シート2、又は23と25は回転により外周側から開いて成形型3の内面に展開し、成形型の内面へ強く付着し易くなる。
本発明により、前記発明が解決しようとする課題で述べた問題点が夫々解決される。そして、本発明のFRP製円筒状成形物は、外径寸法の仕上がり精度がよく、空気や発生したガスの気泡介在が少なく緻密質で、外周側が強さを確保した繊維強化層で最内周側が耐食性等を有する熱硬化性樹脂層からなる複合構造になる。これら繊維強化層の強さと熱硬化性樹脂層の材質を組み合わせると、種々の用途に供用できる複合構造のFRP製円筒状成形物が得られる。また、成形作業時に発生する有機性ガスを捕集しやすくなり、作業環境が浄化しやすくなる。
さらに、本発明のFRP製円筒状成形物の製造方法によると、強化用繊維シートを中空丸棒状に巻いて成形型の内部へ装入するだけで、成形型の回転と遠心力により、強化用繊維シートを自動的に巻き解して成形型の内面へ付着させることができる。そして、未硬化の熱硬化性樹脂液を注入することにより、繊維強化層が形成されるので、複雑な作業や設備を必要としない。また、本発明の熱硬化性樹脂液注入方法により、比較的口径が小さくて長いFRP製円筒状成形物の製造にも適している。
図7乃至図9に示す実施例装置を用い、外径10cm×長さ3mのFRP製円筒状成形物を試作した。まず、図6の外周側の強化用繊維シート23に相当する幅95cm×長さ3mに裁断した市販の強化用ガラス繊維クロス(ロービングクロス)の上に、内周側の強化用繊維シート25に相当する幅95cm×長さ3mに裁断した市販の強化用ガラス繊維マット(チョップストランドマット)を置き、ガラス繊維クロスの巻き端24がガラス繊維マットの巻き端26よりも3cm突出するように重ね合わせた。次に、内周側になる他端から幅方向に巻き始めて長さ3mの中空丸棒状にした。
このように巻いた繊維シート23と25は、予め内面に市販の離型剤(ワックス)を塗布した成形型3の中へ、図6のように、矢印T方向の回転により外周側から開いて成形型3の内面に展開する方向になるようにして装入した。次に、回転数1050rpmで成形型3を回転して、強化用ガラス繊維シートを成形型3の内面に付着させ、成形型3の内面上に強化用ガラス繊維シートのクロスとマットを交互に6重に重ねて付着させた。
成形型3の回転を一旦停止した後、注入管4を掛けた案内梁43を成形型3の内部へ挿通した。案内梁43は、先端側44を成形型の駆動側端部32の軸芯部に設けた軸受34に支持させ、他端側45を取付け台47に固定した。
一方、市販の熱硬化性樹脂原料液(ビニールエステル系樹脂)5.0kgに、市販の硬化剤2%、硬化促進剤0.4%等を添加して樹脂タンク48へ入れた。圧縮空気により樹脂タンク48内を加圧して、未硬化の熱硬化性樹脂液を注入管4へ送り、注入管の先端41から成形型3内へ注入できるようにした。
その後、成形型3を回転数950rpmで回転して、注入管の先端41を成形型駆動側端部32近くの位置から注入管挿入側端部33側へ向けて移動させながら、未硬化の熱硬化性樹脂液を成形型3の内部へ注入した。注入完了後は、未硬化の熱硬化性樹脂液が硬化するまでの60分間回転を維持した。一方、注入管4は注入完了後直ちに成形型3の内部から引き出し、樹脂タンク48と注入管4からなる未硬化の熱硬化性樹脂液流通経路を溶剤(アセトン)により洗滌した。
得られた外径10cm×長さ3mのFRP製円筒状成形物は、外周面まで熱硬化性樹脂が十分に浸透し、外周面及び内周面ともに滑らかであった。外周側からの肉眼観察により、熱硬化性樹脂中に強化用ガラス繊維クロス(ロービングクロス)の存在している様子が分った。肉厚は全長にわたって均等に約5mmであった。そして、外周側から約3.7mmまでは熱硬化性樹脂の基地中にガラス繊維が混在する強化層にてなり、さらにその内周側は熱硬化性樹脂層にてなる複合構造になっていた。また、支障となるようなガス等による大きな気泡はみられず、緻密質に成形されていることが分った。
図10乃至図12に示す実施例装置を用い、外径11cm×長さ3mの黒色FRP製円筒状成形物を試作した。図6の外周側シート23相当の幅100cm×長さ3mに裁断したガラス繊維クロスの上に、同じ寸法に裁断した内周側シート25相当のガラス繊維マットを置き、ガラス繊維クロスの巻き端24がガラス繊維マットの巻き端26よりも3cm突出するように重ね合わせた。次に、内周側になる他端から幅方向に巻き始めて長さ3mの中空丸棒状にした。この中空丸棒状巻いたシートの表面には、さらに表面被覆用の幅40cm×長さ3mに裁断した市販のサーフェイスマット(ガラス繊維フィラメントマット)を同じ方向に巻いた。
このように巻いたガラス繊維シート23と25は、予め内面に離型剤を塗布した成形型3の中へ、実施例1と同様に、図6にて示す方向になるように装入した。次に、成形型3を回転数1100rpmで回転して、ガラス繊維シートを成形型3の内面に付着させた後、回転を一旦停止した。こうして、成形型3の内面上にガラス繊維シートのクロスとマットを交互に6重に重ねて付着させた。その後、注入管の先端51が成形型駆動側端部32近くの位置になるよう、注入管5と支持管54と取付台57とからなる注入部全体を移動させるとともに、注入管5を単独で移動させて、成形型3の内部へ挿入した。
一方、熱硬化性樹脂原料液4.9kgに、硬化剤2%、硬化促進剤0.5%、黒色着色剤3%等を添加して樹脂タンク(図示せず)へ入れた。圧縮空気により樹脂タンク(図示せず)内を加圧して、未硬化の熱硬化性樹脂液を樹脂送給管(図示せず)を経由して注入管5へ送り、注入管の先端51から成形型3内へ注入できるようにした。
その後、成形型3を回転数1100rpmで回転して、注入管の先端51を成形型駆動側端部32近くの位置から注入管挿入側端部33側へ向けて移動させながら、未硬化の熱硬化性樹脂液を成形型3の内部へ注入した。注入完了後は、未硬化の熱硬化性樹脂液が硬化するまでの60分間回転を維持した。一方、注入管5は注入完了後直ちに成形型3の内部から引き出し、樹脂タンク(図示せず)、樹脂送給管(図示せず)、注入管5からなる未硬化の熱硬化性樹脂液流通経路を溶剤により洗滌した。
得られた外径11cm×長さ3mの黒色FRP製円筒状成形物は外周面及び内周面ともに滑らかで良好であった。肉厚は全長にわたって均等に約5mmであり、外周側から約4mmまでは黒色の熱硬化性樹脂の基地中にガラス繊維が混在する強化層にてなり、さらにその内周側は黒色の熱硬化性樹脂層にてなる複合構造になっていた。
図13及び図14に示す実施例の方法で、外径11cm×長さ6mのFRP製円筒状成形物を試作した。この実施例においては、長さが異なる点を除いて成形型3とその回転駆動系は実施例1及び実施例2で用いた装置と同じ構成である。図6の外周側シート23相当の幅100cm×長さ6mに裁断したガラス繊維クロスの上に、同じ寸法に裁断した内周側シート25相当のガラス繊維マットを置き、ガラス繊維クロスの巻き端24がガラス繊維マットの巻き端26よりも3cm突出するように重ね合わせた。次に、内周側になる他端から幅方向に巻き始めて長さ6mの中空丸棒状にした。この中空丸棒状巻いたシートの表面には、さらに表面被覆用の幅40cm×長さ6mに裁断したサーフェイスマットを同じ方向に巻いた。
このように巻いたガラス繊維シート23と25は、予め内面に離型剤を塗布した成形型3の中へ、実施例1及び実施例2と同様に、図6にて示す方向になるように装入した。次に、成形型3を回転数1100rpmで回転して、ガラス繊維シートを成形型3の内面に付着させた後、回転を一旦停止した。こうして、成形型3の内面上にガラス繊維シートのクロスとマットを交互に6重に重ねて付着させた。
図13及び図14は、強化用繊維シート27(図14)を付着させた後、成形型3の回転を停止し、未硬化の熱硬化性樹脂液15を注入して、成形型3内の底部全長に亘って溜めた状態を示す。熱硬化性樹脂液15は、原料液10kgに硬化剤2%、硬化促進剤0.5%等を添加したものである。熱硬化性樹脂液15の注入は、実施例2の注入管5(図10乃至図12)のみを伸ばして成形型3の内部へ挿入し、注入管の先端51を駆動側端部32近くの位置から挿入側端部33近くの位置まで移動させながら行なった。
注入完了後、注入管5は直ちに成形型3の内部から抜き出し、樹脂タンク(図示せず)、樹脂送給管(図示せず)、注入管5からなる未硬化の熱硬化性樹脂液流通経路を溶剤により洗滌した。成形型3は、低速で回転して成形型3の内面に付着している強化用繊維シート27の全表面を底部に溜った熱硬化性樹脂液15により濡らした後、回転数1100rpmで回転して、未硬化の熱硬化性樹脂液が硬化するまでの60分間回転を維持した。
得られた外径11cm×長さ6mのFRP製円筒状成形物は、実施例2と同様に、外周面及び内周面ともに滑らかで良好であった。肉厚は全長にわたって均等に約5mmであり、外周側から約4mmまでは熱硬化性樹脂の基地中にガラス繊維が混在する強化層にてなり、さらにその内周側は熱硬化性樹脂層にてなる複合構造になっていた。
このFRP製円筒状成形物から試験片を採取して強さ試験を行なった結果は、軸方向引張強さ184MPa、軸方向曲げ強さ295MPa、周方向引張強さ172MPaであった。一方、従来のハンドレイアップ法とフィラメントワインディング法を併用して製作した内径10cm、肉厚約5mmのFRP製円筒状成形物は、軸方向引張強さ80〜120MPa、軸方向曲げ強さ100〜150MPa、周方向引張強さ200〜250MPaである。これらの比較により、本発明によるFRP製円筒状成形物は十分満足できる強さを有することが分かった。
1 ;FRP製円筒状成形物 11;外周面
12;繊維強化層 13;熱硬化性樹脂層
14;内周面 15;熱硬化性樹脂液
2 ;強化用繊維シート 21;クロス
22;マット 23;外周側シート
24;外周側シート巻き終り端 25;内周側シート
26;内周側シート巻き終り端 27;強化用繊維シート
3 ;成形型 31;ローラ当接部
32;駆動側端部 33;挿入側端部
34;軸受
4 ;未硬化の熱硬化性樹脂液注入管 41;注入管の先端
42;注入管の他端側 43;案内梁
44;案内梁の先端側 45;案内梁の他端側
46;支持枠 47;取付け台
48;樹脂タンク 49;台車
5 ;注入管 51;注入管の先端
52;注入管の外側端 53;ライナ
54;支持管 55;支持管の先端
56;支持管の外側端部 57;取付台
6 ;モータ 61;ユニバーサルジョイント
62;支承ローラ
矢印R;熱硬化性樹脂液の供給方向 矢印T;成形型の回転方向
12;繊維強化層 13;熱硬化性樹脂層
14;内周面 15;熱硬化性樹脂液
2 ;強化用繊維シート 21;クロス
22;マット 23;外周側シート
24;外周側シート巻き終り端 25;内周側シート
26;内周側シート巻き終り端 27;強化用繊維シート
3 ;成形型 31;ローラ当接部
32;駆動側端部 33;挿入側端部
34;軸受
4 ;未硬化の熱硬化性樹脂液注入管 41;注入管の先端
42;注入管の他端側 43;案内梁
44;案内梁の先端側 45;案内梁の他端側
46;支持枠 47;取付け台
48;樹脂タンク 49;台車
5 ;注入管 51;注入管の先端
52;注入管の外側端 53;ライナ
54;支持管 55;支持管の先端
56;支持管の外側端部 57;取付台
6 ;モータ 61;ユニバーサルジョイント
62;支承ローラ
矢印R;熱硬化性樹脂液の供給方向 矢印T;成形型の回転方向
Claims (7)
- 熱硬化性樹脂の基地中に円筒面に沿って強化用繊維シートを含有し、未硬化の熱硬化性樹脂液を用いて遠心力により成形されてなる繊維強化樹脂製円筒状成形物。
- クロスとマットの両方の強化用繊維シートを含有してなる請求項1に記載の繊維強化樹脂製円筒状成形物。
- 強化用繊維シートを中空丸棒状に巻いて成形型の内部へ装入後、成形型を回転して遠心力により強化用繊維シートを成形型の内面へ付着させた後、未硬化の熱硬化性樹脂液を注入して遠心力により成形する繊維強化樹脂製円筒状成形物の製造方法。
- 成形型内部の回転軸線方向に非回転の案内梁を挿通して設け、案内梁には成形型の回転軸線方向へ移動自在の支持枠を掛け、支持枠により注入管を回転軸線方向へ移動自在に支持し、注入管から未硬化の熱硬化性樹脂液を注入する請求項3記載の繊維強化樹脂製円筒状成形物の製造方法。
- 支持管の内部を移動自在に貫通する注入管の先端を支持管の先端よりさらに突出するように伸ばして成形型の内部へ挿入し、注入管から未硬化の熱硬化性樹脂液を注入する請求項3記載の繊維強化樹脂製円筒状成形物の製造方法。
- 強化用繊維シートを成形型の内面に付着させた後、成形型の回転を停止して未硬化の熱硬化性樹脂液を注入し、熱硬化性樹脂液を成形型内に溜めた後回転して遠心力により成形する請求項3記載の繊維強化樹脂製円筒状成形物の製造方法。
- 中空丸棒状に巻いた強化用繊維シートの巻き方向を回転により外周側から開いて成形型の内面に展開する方向にして、強化用繊維シートを成形型内へ装入する請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の繊維強化樹脂製円筒状成形物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005106725A JP2005289067A (ja) | 2004-03-12 | 2005-03-03 | 繊維強化樹脂製円筒状成形物及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004114799 | 2004-03-12 | ||
JP2005106725A JP2005289067A (ja) | 2004-03-12 | 2005-03-03 | 繊維強化樹脂製円筒状成形物及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=35322530
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JP2005106725A Pending JP2005289067A (ja) | 2004-03-12 | 2005-03-03 | 繊維強化樹脂製円筒状成形物及びその製造方法 |
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JP (1) | JP2005289067A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108262981A (zh) * | 2018-03-27 | 2018-07-10 | 航天特种材料及工艺技术研究所 | 一种具有c形截面的双稳态壳结构及其连续制造方法 |
CN110448297A (zh) * | 2018-05-07 | 2019-11-15 | 西门子(深圳)磁共振有限公司 | 体线圈及磁共振成像装置 |
-
2005
- 2005-03-03 JP JP2005106725A patent/JP2005289067A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108262981A (zh) * | 2018-03-27 | 2018-07-10 | 航天特种材料及工艺技术研究所 | 一种具有c形截面的双稳态壳结构及其连续制造方法 |
CN108262981B (zh) * | 2018-03-27 | 2023-09-19 | 航天特种材料及工艺技术研究所 | 一种具有c形截面的双稳态壳结构及其连续制造方法 |
CN110448297A (zh) * | 2018-05-07 | 2019-11-15 | 西门子(深圳)磁共振有限公司 | 体线圈及磁共振成像装置 |
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