JPH10119141A - 繊維補強樹脂成形品製造装置及び製造方法 - Google Patents

繊維補強樹脂成形品製造装置及び製造方法

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JPH10119141A
JPH10119141A JP8297301A JP29730196A JPH10119141A JP H10119141 A JPH10119141 A JP H10119141A JP 8297301 A JP8297301 A JP 8297301A JP 29730196 A JP29730196 A JP 29730196A JP H10119141 A JPH10119141 A JP H10119141A
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JP
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gap
resin
fiber
molding
stock solution
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JP8297301A
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English (en)
Inventor
Sadao Kubota
貞雄 窪田
Jiro Nagarego
治朗 流郷
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Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維に樹脂原液を含浸させ、成形して繊維補
強樹脂成形品を製造する装置において、高粘度樹脂原液
が使用でき、気泡径が小さく、密度分布が一様な発泡体
を得ることができる装置を提供する。 【解決手段】 樹脂原液含浸領域(A)、下部の樹脂原液
含浸繊維集束領域(B)の連続する2領域により構成さ
れ、柱状部分とその下方の錐状部分を有する内型及び内
型の周囲の外型と型間の間隙により2領域全体が構成さ
れ、領域(A)には、型間間隙上端部の輪状繊維導入口、
その下部の繊維を下部に送るための筒状間隙、この間隙
の下部の樹脂原液溜り用兼樹脂原液含浸用輪状間隙、こ
の間隙へ樹脂原液を送り込むための注入管の端部、樹脂
原液含浸繊維を上記輪状間隙から下部の領域(B)へ送り
込むための輪状の樹脂原液溜り出口が設けられ、領域
(B)には、内型の錐状部分の表面周囲に沿って上記出口
から内型の錘状部分の先端方向に向かって厚みが漸増す
るよう外型に取り巻かれた間隙が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維補強樹脂成形
品製造装置及びこの装置を用いた繊維補強樹脂成形品の
製造方法である。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維補強樹脂成形品製造装置及び
その装置を用いた製造方法としては、例えば特開昭48
−17862号公報記載の装置とその装置を用いた製造
方法が挙げられる。この装置は、一方向に揃えた長繊維
の束に発泡して硬化することのできる樹脂原液を含浸さ
せ、これを目的の製品と同じ断面形状を有する成形用筒
状体に通して、その内部で発泡及び硬化を行わせること
により繊維補強樹脂を製造する装置である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の装置を
用いた製法では、構造上発泡剤を用いて硬化することが
できる低粘度樹脂原液の使用に限られ、高粘度のものが
使用できず、また長繊維の束に含浸させた後に成形用筒
状体の内部で発泡及び硬化を行うため、得られた長繊維
補強発泡体は、気泡径が大きくかつ不均一になるという
問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
問題点を解決すべく鋭意検討した結果、発泡体でも非発
泡体でも幅広い樹脂原液が適用でき、適用する樹脂原液
の粘度が高くてもよく、気泡径及び密度分布が改善され
た発泡体を得ることもできる装置と製造方法を見出し、
本発明に到達した。即ち本発明は、下記装置<1>及び
製造方法<2>である。 <1> 繊維補強樹脂成形品製造装置 繊維に樹脂原液を含浸させ、成形して繊維補強樹脂成形
品を製造する装置であり、 上部の樹脂原液含浸領域(A)及び下部の樹脂原液含
浸繊維集束領域(B)の連続する2領域により構成さ
れ、 柱状部分とその下方の錐状部分を有する内型(1)及
び内型(1)の周囲の外型(2)と型間の間隙により、
領域(A)、(B)全体が構成され、 領域(A)には、型間間隙上端部の輪状繊維導入口
(3)、その下部の繊維を下部に送るための筒状間隙
(4)、間隙(4)の下部の樹脂原液溜り用兼樹脂原液
含浸用輪状間隙(5)、間隙(5)へ樹脂原液を送り込
むための注入管の端部(6)、樹脂原液含浸繊維を間隙
(5)から下部の領域(B)へ送り込むための輪状の樹
脂原液溜り出口(7)が設けられ、 領域(B)には、内型(1)の錐状部分の表面周囲に
沿って出口(7)から内型(1)の錘状部分の先端
(9)方向に向かって厚みが漸増するよう外型(2)に
取り巻かれた間隙(8)が設けられてなることを特徴と
する繊維補強樹脂成形品製造装置。
【0005】<2> 繊維補強樹脂成形品の製造方法 <1>項記載の製造装置を用いた繊維補強樹脂成形品の
製造方法であり、下記第1〜第3工程からなることを特
徴とする繊維補強樹脂成形品の製造方法。 第1工程:繊維(F)を、成形品を下方へ引き抜く力に
より導入口(3)、間隙(4)を通して、輪状間隙
(5)へ輪状に送り込み、且つ樹脂原液(L)を、注入
管の端部(6)から間隙(5)へ送り込むことにより、
間隙(5)中で繊維(F)に樹脂原液(L)を含浸させ
る工程。 第2工程:出口(7)から間隙(8)へ樹脂原液含浸繊
維(F/L)を送り込み、間隙(8)内で樹脂原液含浸
繊維(F/L)を集束させる工程。 第3工程:先端(9)の下部へ引き抜かれる樹脂原液含
浸繊維(F/L)を、成形する工程。
【0006】
【作用】本発明の装置を用いて本発明の方法により繊維
補強樹脂成形品を製造すると、第1工程は樹脂原液
(L)を繊維(F)に含浸する工程であり、繊維(F)
が、繊維導入口(3)に輪状に送り込まれ、筒状間隙
(4)を通して輪状間隙(5)内に上方向から導かれ
る。輪状間隙(5)では、溜まっている樹脂原液が繊維
に含浸され、次いで、下の出口(7)から樹脂原液含浸
繊維(F/L)として引き抜かれる。従って繊維(F)
は注入管の端部(6)から供給される最新の樹脂原液
(L)に接触する利点があり、且つ、繊維(F)ととも
に間隙(5)内に入り込んだ空気が繊維導入口(3)を
上方から外部に通り抜けるため、樹脂原液含浸繊維(F
/L)内に粗大気泡を取り込まず成形不良を起こし難い
という利点がある。第2工程は樹脂原液含浸繊維(F/
L)を棒状に集束する工程であり、円筒状間隙(8)の
外径は、連続的に細くなると同時に間隙(8)の幅が増
す構造になっている。従って、間隙(8)を通過する間
に樹脂原液含浸繊維(F/L)は、均一に集束される。
第3工程は成形する工程であり、未硬化の樹脂原液含浸
繊維(F/L)の変形し易さを利用して、例えば成形型
を用いることにより、所望の形状、例えば角柱や円柱状
に賦形できる。又、本発明の装置は縦型であるため、成
形品の引き抜きに成形品自体の重量を利用できるため、
下方へ引き抜く力は軽減でき、場合によっては引き抜か
れる速度が早過ぎないよう調整する必要もある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の装置は、繊維に樹脂原液
を含浸させ、成形して繊維補強樹脂成形品を製造する装
置であり、繊維(F)と樹脂原液(L)が用いられ複合
化される。
【0008】この繊維(F)としては、例えば、ガラス
繊維、炭素繊維、天然繊維、合成繊維などの繊維材料が
挙げられる。これらのうち繊維が樹脂と一体となって目
的物である成形体を補強するという点で好ましいもの
は、ガラス繊維である。
【0009】繊維(F)の太さは、通常1〜10,00
0デニール、好ましくは10〜2,000デニールであ
る。繊維(F)としては、例えば、短繊維を絡ませて糸
状にしたもの、モノフィラメント、マルチフィラメン
ト、ストランド及びこれらの混合物が使用できる。
【0010】樹脂原液(L)としては、例えば、樹脂形
成性液状前駆体混合物(L1)及び熱可塑性樹脂を加熱
溶融した樹脂原液(L2)が挙げられる。
【0011】樹脂形成性液状前駆体混合物(L1)とし
ては、例えば、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール
樹脂等の樹脂の形成性を有する液状前駆体混合物であっ
て、比較的短時間で硬化するものであれば使用できる。
これらのうち、常温硬化性であり、容易に軽量化でき、
容易に硬化時間を調整できるという点で好ましいもの
は、ポリウレタン樹脂形成性液状前駆体混合物である。
【0012】本発明の装置を用いることにより、樹脂形
成性液状前駆体混合物(L1)から非発泡樹脂とするこ
ともできるが、従来の問題点であった気泡径及び密度分
布を改善した発泡体を得ることができる利点もある。即
ち、有機ポリオール成分(a1)、有機ポリイソシアネ
ート成分(a2)、無機粉及び/又は中空微小球からな
る充填材(a3)及び脱水剤(a4)からなる組成物を
用い、メカニカルフロス発泡により得られる気泡径が細
かく密度分布が均一な硬質ポリウレタンフォームを得る
ことができる。
【0013】このメカニカルフロス発泡硬質ポリウレタ
ンフォームの液状前駆体混合物としては、上記(a1)
〜(a4)からなる組成物であって、組成物中に微小気
泡を分散させたものが使用できる。微小気泡の割合は、
全体積の10〜70%が好ましい。
【0014】上記組成物において、有機ポリオール成分
(a1)としては、ポリエーテルポリオール、ポリエス
テルポリオール、ひまし油類が挙げられる。ポリエーテ
ルポリオールとしては、多価アルコール、多価フェノー
ル、アミン類等の少なくとも2個の活性水素含有化合物
に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のア
ルキレンオキサイドが付加した構造のものが挙げられ
る。ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸等の
ポリカルボン酸とポリオールからの縮合ポリエステルポ
リオール、ε−カプロラクトン等のラクトン開環重合に
よるラクトンポリエステルポリオールが挙げられる。ひ
まし油類としては、ひまし油及びひまし油のトリメチロ
ールプロパン等の多価アルコールによる変性物などが挙
げられる。
【0015】有機ポリイソシアネート成分(a2)とし
ては、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどの
炭素数(NCO基中の炭素を除く)6〜20の芳香族ポ
リイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシ
アネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネ
ート及びこれらの変性物が挙げられる。
【0016】充填剤(a3)における無機粉としては、
炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム、硫酸カ
ルシウム、雲母、ミルドファイバーなどが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭酸カルシウム及びタル
クである。
【0017】充填剤(a3)における中空微小球として
は、通常直径5〜250μmで嵩比重0.01〜0.5
のものが使用できる。例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリルなどの
熱可塑性樹脂からなる中空微小球、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、尿素樹脂などの熱硬化性樹脂からなる中空
微小球、ガラス、アルミナ、シラス、カーボンなどの無
機物からなる中空微小球が挙げられる。充填剤(a3)
のうち、中空微小球は軽量化を図る際、好適に用いられ
る。
【0018】脱水剤(a4)としては、通常用いられる
脱水効果を持つ化合物が使用できるが、中性又はアルカ
リ性で粒径が0.1〜50μmの脱水剤が好ましい。こ
のようなものとしては、例えば、酸化カルシウム、硫酸
カルシウム(半水石膏)、塩化カルシウム、モレキュラ
ーシーブなどが挙げられる。好ましくはモレキュラーシ
ーブである。
【0019】(a1)と(a2)の比率は、イソシアネ
ート指数[NCO/活性水素原子含有基の当量比×10
0]が通常80〜140となる比率である。組成物中の
各成分の量は、組成物全質量に対して、(a1)と(a
2)の合計が通常42〜97.5%、充填剤(a3)が
通常2〜50%、脱水剤(a4)が通常0.5〜8%で
ある。
【0020】樹脂原液(L2)における熱可塑性樹脂と
しては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレン
テレフタレート、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリ
デン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオ
キサイド、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタクリ
レート等が挙げられる。また上記熱可塑樹脂を主成分と
する共重合体やグラフト樹脂やブレンド樹脂も使用可能
である。
【0021】樹脂原液(L)中には、任意成分として硬
化触媒、着色剤(染料、顔料)、可塑剤、増量剤、充填
剤、難燃剤、老化防止剤、抗酸化剤、抗菌剤、帯電防止
剤等の添加剤が含まれていてもよい。
【0022】
【実施例】以下本発明の装置の実施例を示す図面により
説明する。図1は、樹脂原液(L)として、樹脂形成性
液状前駆体混合物(L1)を使用した場合における、本
発明の装置全体の1実施例を示す部分切欠概念図であ
る。図2は、図1における領域(A)、(B)部分の拡
大縦断面図である。図3は、図2のa−a線に沿う拡大
横断面図である。図4は、図2のb−b線に沿う拡大横
断面図である。図5は、図2における間隙(8)の拡大
縦断面図である。図6は、図2のc−c線に沿う拡大横
断面図である。図7は、図2のd−d線に沿う拡大横断
面図である。
【0023】図1〜7において、Aは樹脂原液含浸領
域、Bは樹脂原液含浸繊維集束領域、Cは繊維補強樹脂
賦形・硬化領域、Fは繊維、Lは樹脂原液、F/Lは樹
脂原液含浸繊維、1は内型、2は外型、3は繊維導入
口、4は円筒状間隙、5は輪状間隙、6は注入管端部、
7は樹脂原液溜り出口、8は間隙、9は錘状部分の先
端、10は成形用通路、11は成形用樹脂原液混合ヘッ
ド、12は樹脂原液注入管、13はベルトコンベア式引
取機、14は糸巻である。
【0024】図1に示すとおり、繊維(F)は樹脂原液
含浸領域(A)の上方に配置された複数の糸巻(14)
から輪状繊維導入口(3)へ供給される。一方、樹脂原
液(L)として前記前駆体混合物(L1)を用いている
ため、前駆体の各成分が、成形用樹脂原液混合ヘッド
(11)で混合され、樹脂原液注入管(12)を通して
領域(A)に供給されることにより、樹脂原液(L)は
繊維(F)に含浸する。
【0025】図2に示すとおり領域(A)、(B)全体
は縦型である。領域(A)、(B)全体は、内型(1)
及び内型(1)の周囲の外型(2)と型間の間隙により
構成されており、この内型(1)は図1では円柱状であ
り、下方が円錐状で、先端が尖っている。内型(1)の
形状は、円柱以外に角柱であっても楕円柱であってもよ
く、下方も追随して円錐以外に角錐であっても楕円錘で
あってもよい。任意の位置における断面の形状も追随す
るため制限はない。内型(1)及び外型(2)の材質と
しては、アルミニウム、鉄、SUS、無極性樹脂(例え
ば、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂等)等が挙げら
れ、両型間の間隙の表面は、付着物の防止という点で無
極性樹脂材質が好ましく、金属表面の場合は、無極性樹
脂でコーティングすると良い。また、この内型(1)及
び/又は外型(2)には、必要によりジャケット等の冷
却又は加温手段を付設してもよい。樹脂形成性液状前駆
体混合物(L1)を使用する場合は型を冷却、熱可塑性
樹脂の加熱溶融液(L2)を使用する場合は型を加熱す
ることが、硬化速度や樹脂原液粘度の調整による付着物
の防止及び含浸不良の防止という点で好ましい。領域
(A)における繊維導入口(3)は、型間間隙上端部に
位置して輪状である。繊維導入口(3)の下部には、繊
維(F)を下部に送るための円筒状間隙(4)が設けら
れている。この間隙(4)の横断面形状も図3の通り輪
状である。間隙(4)の下部には、樹脂原液溜り用兼樹
脂原液含浸用の輪状間隙(5)が設けられている。この
間隙(5)の横断面形状は、図4に示すとおりであり、
横方向から樹脂原液(L)を送り込むための注入管の端
部(6)が接続している。また、この間隙(5)の下部
には、樹脂原液含浸繊維(F/L)を下部の領域(B)
へ送り込むための輪状の樹脂原液溜り出口(7)が設け
られている。領域(A)における円筒状間隙(4)の幅
はこの出口(7)の幅より狭い方が、樹脂原液(L)の
上方からの漏洩を防止するという点で好ましい。
【0026】領域(A)の下部に接続する領域(B)に
は、図2のとおり内型(1)の円錐状部分の表面周囲に
沿って、出口(7)から円錐先端方向に向かって幅が一
定割合で拡大するよう、外型(2)に取り巻かれた間隙
(8)と、内型(1)の円錐部先端(9)が設けられて
いる。間隙(8)の任意の場所の横断面は図6の形状で
あり、この横断面における間隙(8)の断面積S1は、
πr2 2−πr1 2[r1:内型(1)の外側円周の半径、
2:外型(2)の内側円周の半径]で表される。S1
の値はほぼ一定値であることが、粗大気泡の混入防止及
び樹脂原液含浸繊維(F/L)を効率的に集束するとい
う点で好ましい。間隙(8)の断面積を一定値にするに
は、例えば、間隙(8)の形状が変化した例を示す図5
のように、内型(1)の周囲が直線状に変化し、外型
(2)の内面が若干曲線状に変化してもよく、直線と曲
線の関係が逆でもよくて特に制限はない。先端(9)よ
り下の金型出口部分の横断面形状は、図7に示すとお
り、円形であるが、角があっても楕円でもよく特に制限
はない。
【0027】外型(2)の下部出口から引き抜かれる樹
脂原液含浸繊維(F/L)は、例えば成形型を用いて成
形される。図1はこの成形型として領域(C)における
通路(10)を有する金型を用いた例である。すなわ
ち、図1に示すとおり、領域(C)の通路(10)にお
いて、樹脂原液含浸繊維(F/L)が賦形され、引き続
き硬化される。通路(10)の断面の形状は、所望する
成形形状とすればよく、特に限定されないが、通路(1
0)の断面積S2と、上記図2で示される間隙(8)の
任意の場所における断面積(S1、即ちπr2 2−π
1 2)の関係が、S2/S1=0.8〜1.5、特に
0.9〜1.1であることが、樹脂原液含浸繊維(F/
L)を賦形し、成形品を引き抜くという点で好ましい。
通路(10)を有する金型の材質としては、アルミニウ
ム、鉄、SUS、無極性樹脂(例えば、ポリプロピレン
樹脂、フッ素樹脂等)等が挙げられ、通路(10)に接
する金型内の表面は、付着物の防止という点で無極性樹
脂が好ましく、金型が金属材質の場合は、この表面を無
極性樹脂でコーティングすると良い。図1に示す縦方の
通路(10)に代替する方式としては、外型(2)の下
部出口から引き抜かれる樹脂原液含浸繊維(F/L)が
未だ成形前の柔軟な状態であることを利用し、例えば、
横方向へ連続的に移動するベルト・コンベアに樹脂原液
含浸繊維(F/L)を乗せ、このベルト・コンベア上に
付設された金型内で硬化成形させるような方式も可能で
ある。前記のように、使用する樹脂原液(L)如何によ
っては、領域(C)に加熱ゾーン及び/又は冷却ゾーン
を設けることができる。通路(10)の下部に設けられ
たベルトコンベア式引取機(13)により、製造された
繊維補強樹脂成形品が引き抜かれる。引取機(13)は
成形品の引き抜き速度を調整する役割を果たすものであ
れば良く、ベルトコンベア式の他には、ゴムロール等で
あってもよい。引取機(13)下部に送られる硬化状態
の繊維補強樹脂成形品は、例えば一定の長さ毎裁断する
装置を設けることにより、適宜切断される。
【0028】
【発明の効果】本発明の装置を用いた本発明の方法によ
り、繊維補強樹脂成形品を製造することで、従来の問題
点であった、適用できる樹脂原液の粘度範囲、成形品の
気泡径及び密度分布が改善され、気泡径の小さい、緻密
な発泡体が高粘度のものまで適用できるようになり、成
形品が製造できるという利点がある。従って本発明の装
置は、木材では耐久性に問題があると考えられる、湿気
等の多い場所で木材の代替品として利用することのでき
る軽量で高い曲げ剛性を有する成形品等の製造用に有用
である。また、本発明の装置は、発泡体でも非発泡体で
も得られ、かつ熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でも複合
化できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の装置全体の1実施例を示す部分切欠
概念図である。
【図2】 図1における領域(A)、(B)部分の拡大
断面図である。
【図3】 図2のa−a線に沿う拡大横断面図である。
【図4】 図2のb−b線に沿う拡大横断面図である。
【図5】 図2における間隙(8)の拡大縦断面図であ
る。
【図6】 図2のc−c線に沿う拡大横断面図である。
【図7】 図2のd−d線に沿う拡大横断面図である。
【符号の説明】 A 樹脂原液含浸領域 B 樹脂原液含浸繊維集束領域 C 繊維補強樹脂賦形・硬化領域 F 繊維 L 樹脂原液 F/L 樹脂原液含浸繊維 1 内型 2 外型 3 繊維導入口 4 円筒状間隙 5 輪状間隙 6 注入管端部 7 樹脂原液溜り出口 8 間隙 9 錘状部分の先端 10 成形用通路 11 成形用樹脂原液混合ヘッド 12 樹脂原液注入管 13 ベルトコンベア式引取機 14 糸巻

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維に樹脂原液を含浸させ、成形して繊
    維補強樹脂成形品を製造する装置であり、 上部の樹脂原液含浸領域(A)及び下部の樹脂原液含
    浸繊維集束領域(B)の連続する2領域により構成さ
    れ、 柱状部分とその下方の錐状部分を有する内型(1)及
    び内型(1)の周囲の外型(2)と型間の間隙により、
    領域(A)、(B)全体が構成され、 領域(A)には、型間間隙上端部の輪状繊維導入口
    (3)、その下部の繊維を下部に送るための筒状間隙
    (4)、間隙(4)の下部の樹脂原液溜り用兼樹脂原液
    含浸用輪状間隙(5)、間隙(5)へ樹脂原液を送り込
    むための注入管の端部(6)、樹脂原液含浸繊維を間隙
    (5)から下部の領域(B)へ送り込むための輪状の樹
    脂原液溜り出口(7)が設けられ、 領域(B)には、内型(1)の錐状部分の表面周囲に
    沿って出口(7)から内型(1)の錘状部分の先端
    (9)方向に向かって厚みが漸増するよう外型(2)に
    取り巻かれた間隙(8)が設けられてなることを特徴と
    する繊維補強樹脂成形品製造装置。
  2. 【請求項2】 筒状間隙(4)の幅が出口(7)の幅よ
    り狭い請求項1記載の製造装置。
  3. 【請求項3】 間隙(8)の任意の場所の横断面積(S
    1)がほぼ一定値である請求項1又は2記載の製造装
    置。
  4. 【請求項4】 更に領域(A)及び(B)の下部に繊維
    補強樹脂賦形・硬化領域(C)が連続して設けられ、領
    域(C)には間隙(8)から先端(9)の下部へ引き抜
    かれる樹脂原液含浸繊維を棒状に成形するための成形用
    通路(10)が設けられてなる請求項1〜3の何れかに
    記載の繊維補強樹脂成形品製造装置。
  5. 【請求項5】 S2/S1[S1:間隙(8)の任意の
    場所の横断面積、S2:通路(10)の横断面積]が、
    0.8〜1.5である請求項4記載の製造装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れか記載の製造装置を
    用いた繊維補強樹脂成形品の製造方法であり、下記第1
    〜第3工程からなることを特徴とする繊維補強樹脂成形
    品の製造方法。 第1工程:繊維(F)を、成形品を下方へ引き抜く力に
    より導入口(3)、間隙(4)を通して、輪状間隙
    (5)へ輪状に送り込み、且つ樹脂原液(L)を、注入
    管の端部(6)から間隙(5)へ送り込むことにより、
    間隙(5)中で繊維(F)に樹脂原液(L)を含浸させ
    る工程。 第2工程:出口(7)から間隙(8)へ樹脂原液含浸繊
    維(F/L)を送り込み、間隙(8)内で樹脂原液含浸
    繊維(F/L)を集束させる工程。 第3工程:先端(9)の下部へ引き抜かれる樹脂原液含
    浸繊維(F/L)を、成形する工程。
  7. 【請求項7】 第3工程が成形用通路(10)を有する
    成形型を用いて成形する工程であり、先端(9)の下部
    へ引き抜かれる樹脂原液含浸繊維(F/L)を、成形用
    通路(10)内で棒状に成形する請求項6に記載の成形
    方法。
  8. 【請求項8】 樹脂原液(L)が、有機ポリオール成分
    (a1)、有機ポリイソシアネート成分(a2)、無機
    粉及び/又は中空微小球からなる充填材(a3)及び脱
    水剤(a4)からなるポリウレタン樹脂形成性液状前駆
    体混合物である請求項6又は7に記載の成形方法。
  9. 【請求項9】 該ポリウレタン樹脂形成性液状前駆体混
    合物中に、全体積の10〜70%の割合で微小気泡が分
    散している請求項8記載の成形方法。
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