JP4730637B2 - Rtm成形法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、RTM(Resin Transfer Molding)成形法に関し、とくに、樹脂の未含浸部のない、品質に優れたFRP構造体、あるいは複雑な形状を持つFRP構造体の製造に好適なRTM成形法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、FRP構造体の成形法の一つとして、補強基材(例えば、補強繊維基材)を配置した成形型内へ液状の樹脂を注入して硬化させるRTM成形法が知られている。このRTM成形法には(1)補強繊維の充填量を大きくできる、(2)補強繊維の種類や配向の選択、組み合わせの自由度が大きい、(3)圧縮成形やオートクレーブ成形のようにBステージ状態のプリプレグの貯蔵に関する問題がない、(4)樹脂注入圧力が小さいので型締め圧力が小さくてよいため型費が安い、等の利点がある。
【0003】
RTM成形法では、とくに成形品の形状が複雑なものや大型のものについては、補強基材の粗密により流路抵抗が異なることや、注入開始から一定の時間が経過すると樹脂の粘度が低下あるいはゲル化して流動しにくくなることが原因で、補強基材全体に樹脂が含浸せずに未含浸部やボイドが残ることがある。
【0004】
ところが、RTM成形法では、型締め後の液状樹脂の注入操作が、通常、一回に限定され、また、注入口および減圧口はその役割が固定されているため、成形後に未含浸部やボイドが残っても修正のために樹脂を流すことができないという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の課題は、従来のRTM成形法では成形が困難であった複雑な形状を持つFRP構造体、あるいは未含浸部のない品質に優れたFRP構造体を、容易に成形できるRTM成形法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るRTM成形法は、注入口および減圧口を有する成形型内に、補強基材を配置し、成形型の上面を上型あるいはバッグ材で覆って密封した後、減圧口から吸引しながら注入口から樹脂を注入するRTM成形法において、成形途中に成形品に未含浸部が残りそうになったときに、樹脂注入完了前に少なくとも一部の減圧口を注入口に切り替えて樹脂を注入することによって未含浸部に樹脂を充填することを特徴とする方法からなる。中でも成形体のサイズが1m2 以上となると、未含浸部が発生する可能性が大きく、サイズ1m2 以上の成形体に対して好ましい成形法である。バッグ材としては、例えば、樹脂フィルム、中でも、外から密封した内部を観察できる、透明または半透明の樹脂フィルムを用いることができる。
【0007】
成形型内には、複数の注入口と減圧口を設けておくことが好ましく、例えば、注入口は1〜10個、減圧口は2〜10個程度設けておくことが好ましい。また、成形型の有する注入口が減圧口よりも低い位置に配置されており、各注入口および各減圧口の間隔が15cm以上離れていることが好ましい。
【0008】
そして、上記切り替えの際にも、少なくとも一つの減圧口(つまり、注入口へと切り替えられなかった減圧口)から吸引する(吸引を継続する)ことが好ましい。すなわち、減圧口から真空引きすることによって、例えば−0.05MPa以下の真空度にし、樹脂の注入を補助することが好ましい。
【0009】
上記成形法においては、成形途中に減圧口を注入口に切り替えて注入する樹脂が、それまで注入していた樹脂と同一であることが好ましい。つまり、残りそうな未含浸部にも、それまでと同一の樹脂が充填される。
【0010】
成形型の有する注入口および減圧口と流路(樹脂流路、吸引路)との接続部を、例えばカプラー等を利用した着脱式にしておくと、注入口と減圧口の切り替えを流路の差し替えによって行うことができる。
【0011】
このRTM成形法においては、使用する(注入する)樹脂として、代表的にはエポキシ樹脂を用いることができる。ただし、その他の樹脂、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることもできる。
【0012】
使用する補強基材としては特に限定されないが、成形品の強度・剛性等の面からは、炭素繊維からなる補強基材、中でも織物であることが好ましい。その他の補強繊維としては、ガラス繊維、アラミド繊維、さらには他の無機繊維や有機繊維も使用でき、また、炭素繊維を含めて、これら補強繊維を併用した補強基材とすることもできる。また、このような補強繊維からなる補強基材の他に、コア材を用いてそれを一体成形することにより、例えば、コア材の両面側にFRP層が配置されたサンドイッチ構造を有するFRP構造体に構成することもできる。コア材には、軽量な発泡体や木材等を使用できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明に係るRTM成形法は、従来のRTM成形法では成形が困難であった複雑な形状を持つFRP構造体、あるいは未含浸部のない品質に優れたFRP構造体を成形することを目的としている。
【0014】
本発明におけるFRPとは、補強繊維により強化されている樹脂を指し、補強繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維、あるいはケブラー繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる補強繊維が挙げられる。FRPのマトリックス樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、さらには、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂も使用可能である。
【0015】
本発明に係るRTM成形法で使用する樹脂としては、粘度が低く補強繊維への含浸が容易な熱硬化製樹脂または熱可塑性樹脂を形成するRIM用(Resin Injection Molding)モノマーが好適であり、その中でもFRP構造体の熱収縮を低減させ、クラックの発生を抑えるという点から、エポキシ樹脂または熱可塑性樹脂やゴム成分などを配合した変性エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂がより適している。
【0016】
また、本発明で使用する補強基材とは、上記FRPに成形する前の少なくとも補強繊維を指し、例えば樹脂の含浸されていない補強繊維の他、補強繊維の織物やチョップドファイバー、マット、ニット材料、さらにこれらとインサート部品との組み合わせ等が挙げられ、その用途により使い分けられる。前記インサート部品とは、例えばスチールやアルミニウムなどの金属板や、金属柱、金属ボルト、ナット、ヒンジなどの接合用の金属、アルミハニカムコア、あるいはポリウレタン、ポリスチレン、ポリイミド、塩化ビニル、フェノール、アクリルなどの高分子材料からなるフォーム材やゴム質材、木質材等が挙げられ、主として、釘が効くことや、ネジが立てられる等の接合を目的としたインサート部品、中空構造で軽量化を目的としたインサート部品、振動時の減衰を目的としたインサート部品などが多く用いられる。
【0017】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、成形型(雌型)1内に補強基材3を配置して、上型(雄型)あるいはバギングフィルム2で成形型の上面を覆って内部を密封する。
【0018】
成形型1の材料としては、FRP、鋳物、構造要炭素鋼、アルミニウム合金、亜鉛合金、ニッケル電鋳、銅電鋳等が挙げられるが、型剛性、耐熱性、作業性の面からFRPあるいはアルミニウム合金が好適である。
【0019】
バギングフィルム2としては、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリビニルアルコールフィルム等が挙げられる。バギングフィルム2は気密性が保持できれば何でもよいが、真空シール材6との接着性に優れるポリアミドフィルムが好適である。
【0020】
図2に、本発明に係るRTM成形法の一例を表す全体図を示す。
成形型1には複数の注入口5(図示例では2個)、および複数の減圧口4(図示例では2個)が設けてあり、注入口5には注入用樹脂流路8が、減圧口4には真空吸引用の吸引路9が、それぞれ、カプラー10を介して着脱自在に接続されている。樹脂流路8には液状の樹脂を収容した樹脂槽7が接続されており、吸引路9には吸引用真空ポンプ12まで樹脂が流入するのを防ぐため樹脂トラップ11が接続されている。カプラー10を用いた着脱式の流路接続構造により、各注入口5と各減圧口4との切り替えが可能となっている。なお、13は、成形型1のキャビティ内に形成された凸部を示しており、FRP成形品のこの凸部13に対応する部分には、穴や凹部が形成されるようになっている。
【0021】
注入口の数や位置は成形型の形状や寸法によって異なるが、注入口は1〜10個であるのが好ましい。これ以上の数になると型の気密性が保持しにくくなり、また、注入作業が繁雑になるためである。また、各注入口は15cm以上離れているのが好ましい。これより近いと隣接する注入口から注入された樹脂の流れが型内で合流してしまい、補強基材全体に樹脂を充填することが困難になる。型の形状にもよるが、各注入口を30cm以上離すのがより好適である。注入用流路8は無加圧で、または加圧して樹脂を流す必要があるため、十分な流量を確保するためにそのチューブには直径5〜30mmのものを用い、樹脂の注入圧力に耐えるために0.3MPa以上の耐圧性、樹脂硬化時の温度に耐えるために100℃以上の耐熱性が必要となる。また、樹脂注入中に空気が入ると成形品にボイドができ品質が悪くなるため、注入口と流路の間は気密性が保たれる必要がある。そのため、注入用流路の材料としては銅、スチール等の金属製、あるいはポリエチレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の管が挙げられるが、直径8〜15mm、厚み2〜3mmのテフロンチューブが作業性の面から好適である。
【0022】
減圧口の数や位置は成形型の形状や寸法によって異なるが、減圧口は2〜10個であるのが好ましい。これ以上の数になると型の気密性が保持しにくくなり、注入作業が繁雑になる。また、1個であると未含浸部が残ったときに本発明に係る方法を用いて対処することができない。各減圧口は15cm以上離れているのが好ましい。これより近いと隣接する減圧口への樹脂の流れで、補強基材全体に樹脂を充填することができなくなる。型の形状にもよるが、各減圧口は30cm以上離すのがより好適である。また、減圧口は樹脂の補強基材への含浸がしやすいよう注入口よりも高い位置に設置されることが好ましい。
【0023】
吸引路9は、主に真空吸引するための流路なので直径3〜15mmのものを用い、真空圧に耐えるために0.1MPa以上の耐圧性、樹脂硬化時の温度に耐えるために100℃以上の耐熱性が必要となる。そのため、吸引路としては銅、スチール等の金属製、あるいはポリエチレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック製の管が挙げられるが、直径5〜10mm、厚み1〜2mmのテフロンチューブが作業性の面からより好適である。
【0024】
本発明では成形途中に注入口を減圧口に切り替えるため、注入口および減圧口と流路の接続部はカプラーを用いた着脱式とした。切替の方式は接続部の気密性が保たれれば、減圧口にそれぞれコックのついた二股に分かれている流路を接続して、コックで注入路と吸引路を切り替える方式など他の方法でもよい。
【0025】
次に、減圧口4から真空ポンプ12で吸引して型内を、好ましくは−0.05MPa以下の減圧状態にし、注入口5から樹脂を注入する。樹脂が型内の基材に含浸し、減圧口4まで到達したら、注入口5を塞いで樹脂の注入を止めて昇温し樹脂を硬化させる。
【0026】
しかし、従来の方法では、成形品の形状が複雑なものや大型のものの場合には、基材の粗密により流路抵抗が異なることや、また、注入開始から一定の時間が経過すると樹脂の粘度が上昇あるいはゲル化して流動しにくくなることが原因で、基材全体に樹脂が含浸せずに未含浸部が残ることがあった。例えば図3に示すように、上記と同じ成形型1を用いた従来の成形方法では、凸部13の背部で、吸引口4間の部位に樹脂未含浸部14が残りやすい。
【0027】
また、従来の方法では、型締め後の液状樹脂の注入操作が一回に限定されるため、成形品に未含浸部が残ると修復ができず、廃棄せざるを得なくなる。
【0028】
これを防ぐために、本発明に係るRTM成形法では、成形途中に、バギングフィルム2を通しての観察等により未含浸部が残りそうになったとき、樹脂注入完了前に未含浸部の最寄りの減圧口を注入口に切り替えて樹脂を注入し、基材全体を未含浸なく樹脂を充填する。この減圧口を注入口に切り替えて注入する樹脂はそれまで注入していた樹脂と異なってもよいが、同一の樹脂であることが好ましい。減圧口を注入口に切り替える時機は、注入した樹脂が減圧口に到達する前に樹脂粘度が500mPa・s以上に増加したときとする。樹脂の注入が終了したら、樹脂を硬化させ、脱型してFRP構造体を得る。
【0029】
本発明によって従来法では成形が困難であった複雑な形状をしたFRP構造体も成形できるようになった。また、従来未含浸部ができて廃棄されていた成形品を未含浸なく成形することができるようになり、FRP構造体の収率を上げることができた。
【0030】
【実施例】
実施例1
注入口を2個、減圧口を2個持つ図2に示したような形状のFRP製成形型1(長さ2500mm、幅1800mm、高さ800mm)に、長さ2000mm、幅1500mmの炭素繊維(CK6250E:T700S−12K、組織:平織、目付:190g/m2、東レ(株)製)8plyからなる図2のような形状(3m2)の補強基材3を図1のように配置し、バギングフィルム2で上面を閉じ、密封した。
【0031】
注入口5にはそれぞれ樹脂注入用流路8を接続し、減圧口4にはそれぞれ吸引路9を接続した。注入用流路8には直径15mm、厚さ3mmのテフロンチューブを、吸引路9には直径10mm、厚さ1mmのテフロンチューブを使用した。吸引路9には樹脂が真空ポンプ12まで流入するのを防ぐため、途中に樹脂トラップ11を設けた。
【0032】
各減圧口4から真空ポンプ12で吸引し、成形型内を−0.1MPaとしてから、樹脂槽7から樹脂の注入を開始した。樹脂は”エピコート807”(油化シェルエポキシ社製、エポキシ樹脂)70重量部、”エピコート630”(油化シェルエポキシ製、エポキシ樹脂)30重量部、”アンカミン2049”(パシフィックアンカーケミカル社製、アミン硬化剤)43重量部を混合して得た液状エポキシ樹脂を使用した。注入開始時の樹脂温度は50℃で粘度は50mPa・sであった。
【0033】
樹脂注入後30分経過した時樹脂粘度が500mPa・sに増加し、樹脂の流動速度が遅くなったが、このときまだ図3の14の部分に樹脂が含浸しておらず、未含浸部として残りそうになった。そこで、未含浸部分14に最も近い減圧口4(2つの減圧口4のうちの一方の減圧口4)の吸引路を外して吸引を止め、樹脂槽7からの流路8から分岐されている注入用流路に差し替えて、注入口として樹脂を注入した。このとき注入した樹脂は、最初から注入していた樹脂と同一の”エピコート807”(油化シェルエポキシ社製、エポキシ樹脂)70重量部、”エピコート630”(油化シェルエポキシ製、エポキシ樹脂)30重量部、”アンカミン2049”(パシフィックアンカーケミカル社製、アミン硬化剤)43重量部を混合して得た液状エポキシ樹脂である。その結果、差し替えた注入口から減圧口への樹脂流れによって未含浸部14に樹脂を充填することができた。なお、このとき、差し替えないもう一方の減圧口からは真空吸引を継続した。
【0034】
樹脂注入終了後、型ごとオーブンに入れて100℃に加熱し、2時間その状態を保持して樹脂を硬化させ、型冷却後脱型を行い、未含浸部のないFRP構造体を得た。
【0035】
実施例2
実施例1において、吸引口を注入口に差し替えると同時に、バギングフィルムの上からドライヤーで未含浸部を局所的に加熱して樹脂の粘度を下げた結果、実施例1よりも短時間で未含浸部に樹脂を充填することができた。
【0036】
比較例1
注入口を2個、減圧口を2個持つ図2に示したような形状のFRP製成形型1(長さ2500mm、幅1800mm、高さ800mm)に、長さ2000mm、幅1500mmの炭素繊維(CK6250E:T700S−12K、組織:平織、目付:190g/m2、東レ(株)製)8plyからなる図2のような形状の補強基材3を図1のように配置し、バギングフィルム2で上面を閉じ、密封した。
【0037】
注入口5にはそれぞれ樹脂注入用流路8を接続し、減圧口4にはそれぞれ吸引路9を接続した。注入用流路8には直径15mm、厚さ3mmのテフロンチューブを、吸引路9には直径10mm、厚さ1mmのテフロンチューブを使用した。吸引路9には樹脂が真空ポンプ12まで流入するのを防ぐため、途中に樹脂トラップ11を設けた。
【0038】
各減圧口から真空ポンプで吸引し、成形型内を−0.1MPaとしてから、樹脂槽7から樹脂の注入を開始した。樹脂は”エピコート807”(油化シェルエポキシ社製、エポキシ樹脂)70重量部、”エピコート630”(油化シェルエポキシ製、エポキシ樹脂)30重量部、”アンカミン2049”(パシフィックアンカーケミカル社製、アミン硬化剤)43重量部を混合して得た液状エポキシ樹脂を使用した。注入開始時の樹脂温度は50℃で粘度は50mPa・sであった。
【0039】
樹脂注入後30分経過した時樹脂粘度が500mPa・sに増加し、樹脂の流動速度が遅くなったが、このときまだ図3の14の部分に樹脂が含浸しておらず、未含浸部として残りそうになったが、そのまま樹脂の注入を続けた。
【0040】
その後樹脂粘度が1500mPa・sまで上昇し、樹脂がほとんど流れなくなったため、樹脂の注入を中止し、型ごとオーブンに入れて100℃に加熱し、2時間その状態を保持して樹脂を硬化させ、型冷却後脱型を行い、FRP構造体を得たが、未含浸部14が残ってしまった。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るRTM成形法によれば、成形途中樹脂注入完了前に、成形品に未含浸部分が残りそうなとき、未含浸部分の最寄りの減圧口を注入口に切り替えて樹脂を注入することにより、未含浸部分のない品質の良いFRP構造体を得ることができる。本方法を用いることにより、成形品に未含浸部分が残ってしまい廃棄するということが減少するため、収率を上げることができる。
【0042】
また、本発明方法を用いることで従来成形することが困難であった、樹脂が含浸しにくい様な複雑な形状を持つFRP構造体を成形することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形法を用いた成形型の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の成形法の一例を示す概略全体斜視図である。
【図3】従来の成形法あるいは本発明の成形法で成形している途中の様子を示す型の斜視図である。
【符号の説明】
1 成形型(雌型)
2 バッグ材としてのバギングフィルム
3 補強基材
4 減圧口
5 注入口
6 シール材
7 樹脂槽
8 樹脂注入用流路
9 吸引路
10 カプラー
11 樹脂トラップ
12 真空ポンプ
13 凸部
14 未含浸部

Claims (7)

  1. 注入口および減圧口を有する成形型内に、補強基材を配置し、成形型の上面を上型あるいはバッグ材で覆って密封した後、減圧口から吸引しながら注入口から樹脂を注入するRTM成形法において、成形途中に成形品に未含浸部が残りそうになったときに、樹脂注入完了前に少なくとも一部の減圧口を注入口に切り替えて樹脂を注入することによって未含浸部に樹脂を充填することを特徴とするRTM成形法。
  2. 前記成形型に、複数の注入口と複数の減圧口が設けられている、請求項1に記載のRTM成形法。
  3. 前記切り替えの際にも、少なくとも一つの減圧口から吸引する、請求項1または2に記載のRTM成形法。
  4. 成形途中に減圧口を注入口に切り替えて注入する樹脂が、それまで注入していた樹脂と同一である、請求項1〜3のいずれかに記載のRTM成形法。
  5. 注入口と樹脂流路および減圧口と吸引路との接続部が着脱式になっており、注入口と減圧口の切り替えを流路の差し替えによって行う、請求項1〜4のいずれかに記載のRTM成形法。
  6. 注入する樹脂がエポキシ樹脂である、請求項1〜5のいずれかに記載のRTM成形法。
  7. 使用する補強基材が炭素繊維からなる織物である、請求項1〜6のいずれかに記載のRTM成形法。
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