JP2006205546A - Rtm成形の脱型装置 - Google Patents

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慎太郎 田中
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秀博 竹本
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Abstract

【課題】RTM成形において脱型時間を短縮しサイクルタイムを短縮できるRTM成形の脱型装置およびRTM成形方法を提供する。
【解決手段】強化繊維プラスチックス成形用成形型において、成形型内に製品を押出すために稼動可能なエジェクタピンとそれを納めるシリンダー間に隙間を設け、当該隙間に予め熱可塑性樹脂の層を形成してなることを特徴とするRTM成形の脱型装置。
【選択図】図3

Description

本発明はFRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化樹脂)部材のRTM(Resin Transfer Molding)成形方法において、最適な成形条件を設けることによって、FRP部材を短時間で高効率に得られるRTM成形の脱型装置およびRTM成形方法に関する。
本発明に係るRTM成形型およびRTM成形方法には、上下対となる両面成形型からなり、樹脂注入口から樹脂排出口へ向けて樹脂を加圧注入し、樹脂による型内の空気押し出し後に樹脂排出口を閉じ型内を樹脂加圧して硬化させるRTM、型内を真空吸引し真空状態にし、樹脂を加圧注入・排気を行い、最終的には真空吸引口(樹脂排出口)を閉じ加圧注入硬化させるRTM成形の脱型装置およびRTM成形方法、または、片面成形型でキャビティー部に基材を充填し、フィルムなどでバギングし真空吸引した後、真空圧によって樹脂を吸引注入する真空RTM成形の脱型装置およびRTM成形方法を含む。
従来のRTM成形方法において、プリフォームのセットから成形品の脱型までは成形型上での作業となり、そのひとつひとつが成形サイクルを伸ばす原因となっている。比較的大型、複雑形状のRTM成形では脱型作業は作業者によって時間がかかる、または、離型性の悪い場合、成形品に割れが生じたり、破壊に至ることもある。
RTM成形に対して射出成形やRIM成形ではエジェクタを用いて簡単に脱型する方法が取られている。これらの成形方法で用いられる樹脂は比較的粘度が高く、摺動部への樹脂進入に対して特に配慮が要らないためである。
従来、高圧空気流出入口を有する通気孔と、流出口を開閉する上で動可能な傘形頭部を有する密栓を具備し、流出口からの高圧空気で成形体を押し上げて離型させるようにした成形金型、エジェクタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、RTM成形では用いられる樹脂は粘度が低く、さらに注入時に圧力をかけるため、エジェクタ部に樹脂がつまりエジェクタが作動しなくなるなどの問題を有し、採用が困難であった。
また、傘形頭部を有するエジェクタピンに、シール材として円錐孔部を有するリング状軟質シール部材を組み合わせることで、エジェクタ閉時のすわりを気にすることなく、回り止めも必要のない成形金型のエジェクタが提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この提案も軸のわずかなずれや樹脂の付着により傘形頭部とシール材との間に隙間が生じ閉まりが悪くなったり、リング状軟質シールの経時劣化に伴う硬化による変形能の低下やひび割れの発生による密閉性の低下といった避けられない欠点がある。
実開昭63−39519号公報 実開平6−3615号公報
本発明の目的は、RTM成形において脱型時間を短縮しサイクルタイムを短縮できるRTM成形の脱型装置およびRTM成形方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)強化繊維プラスチックス成形用成形型において、成形型内に製品を押出すために稼動可能なエジェクタピンとそれを納めるシリンダー間に隙間を設け、当該隙間に予め熱可塑性樹脂の層を形成してなることを特徴とするRTM成形の脱型装置。
(2)前記エジェクタピンの摺動面にシール機構を有していないことを特徴とする前記(1)に記載のRTM成形の脱型装置。
(3)前記シリンダーの摺動面にシール機構を有していないことを特徴とする前記(1)または(2)に記載のRTM成形の脱型装置。
(4)前記エジェクタピンの下面にO−リングを有していることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のRTM成形の脱型装置。
(5)型を閉じた後、型内を真空に保持する工程を有する成形に用いたことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のRTM成形の脱型装置。
(6)閉鎖された型内に樹脂を注入し、型内に滞在するときの最低樹脂粘度が、1〜100cPである成形に用いられることを特徴とする前記(1)、(4)、または(5)のいずれかに記載のRTM成形の脱型装置。
(7)注入される樹脂により型内部の圧力が0.1〜0.7MPaである成形に用いられることを特徴とする前記(1)、(4)、(5)、または(6)のいずれかに記載のRTM成形の脱型装置。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載のRTM成形の脱型装置を用いて成形することを特徴とするRTM成形方法。
本発明によるRTM成形の脱型機構では、低粘度樹脂を使用するRTM成形、成形型にエジェクターを配置することができ、その結果手間であった脱型作業が効率よく短時間で安定的に出来るためハイサイクルでの量産が可能となる。
以下、本発明であるRTM成形の脱型機構を有する成形型の実施形態の一例について、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明のRTM成形型を備えたRTM成形設備の概略図である。成形型2は上型16と下型17からなり、油圧シリンダー1によって型締めされる。下型17に直接補強繊維基材を、または事前に成形型に収まりやすいように補強繊維基材を製品形状に賦形したプリフォーム基材を設置し、型を閉じる。次に成形型に取り付けられた樹脂排出口(真空吸引管)8bから真空吸引し、型内圧力が0.01MPa以下である状態で、樹脂注入口8aから樹脂を注入する。一定時間樹脂を硬化させた後、成形品を脱型する。
成形型2には任意に複数の樹脂注入口8aに繋がる樹脂注入流路13、樹脂排出口8bに繋がる樹脂排出流路14が設けられている。樹脂注入流路13、樹脂排出流路14は各々カプラを介して樹脂注入口8a、樹脂排出口8bに接続する。樹脂注入流路13には樹脂注入装置3が接続されている。該樹脂注入装置3は主剤タンク5、および硬化剤タンク6にそれぞれ主剤、および硬化剤を収容し、それぞれのタンクは加温、真空脱泡できる機構を備えている。樹脂注入時にはそれぞれのタンクから主剤側加圧装置22、硬化剤側加圧装置24により樹脂を樹脂注入流路13に向かって押し流す。加圧装置22、24は、この例ではシリンジポンプを用いており、シリンジを同時に押し出すことで定量性も確保することが2液混合により硬化する樹脂には好ましい。主剤と硬化剤とは混合ユニット4で混合され、樹脂注入流路13に至る。樹脂排出流路14は真空ポンプ7または加圧ポンプ7への樹脂の流入を防ぐために、樹脂トラップ15に接続される。
なお、樹脂注入口8aの数や位置は成形型の形状や寸法、1型内で同時に成形する成形品の数量などによって異なるが、樹脂注入口8aはできるだけ少ないことが好ましい。これは樹脂注入装置3からの樹脂注入用流路13を樹脂注入口8aに接続する箇所が増えて注入作業が繁雑になることを防ぐためである。
樹脂注入流路13の材料は十分な流量の確保と樹脂との適合性(温度や耐溶剤性、耐圧)を考慮することが重要である。チューブには口径5〜30mmのものを用い、樹脂の注入圧力に耐えるために1.0MPa以上の耐圧性、樹脂硬化時の温度に耐えるために100℃以上の耐熱性を要し、厚みが2mm程度の、例えば“テフロン”(登録商標)などのフッ素樹脂製チューブやナイロンチューブが好適である。スチール、アルミ等の金属管であってもよい。また、樹脂排出口8bの数や位置は成形型の形状や寸法、1型内で同時に成形する成形品の数量などによって異なるが、排出口もできるだけ少ないことが好ましい。また、樹脂排出口8bは、型内に残留する気体が抜けやすいように樹脂注入口8aよりも気体が浮動し易い方向である高い位置に設置されることが好ましい。
樹脂排出流路14の材料は、樹脂注入流路13と同様に十分な流量の確保と樹脂との適合性(温度や耐溶剤性、耐圧)を考慮することが重要である。樹脂排出流路14としてはスチール、アルミ等の金属管、あるいはポリエチレン、“テフロン”(登録商標)などのフッ素樹脂等のプラスチック製のチューブが挙げられるが、直径5〜10mm、厚み1〜2mmのナイロンチューブがより好適である。
樹脂注入時の樹脂注入流路13、樹脂排出流路14の途中に設置する注入バルブ21aや排出バルブ21bは、図4に示すようなバイスグリップ21等により、直接作業者により流路を挟むことで全域開閉や口径を変化させることができる。また、バイスグリップ21のハンドル部分にアクチュエータを設置して自動化することや、またバイスグリップ21の代わりに電磁バルブやエアーオペレーションバルブを用いる等したバルブ開閉装置を適用することができる。さらに、排出バルブ21bは、単なる開閉の2値ではなく、流路の径を変化(ボールバルブの開度調節)させることも可能である。
樹脂の加圧は、シリンジポンプなどによる加圧方法によれば定量性も得られる。樹脂の注入圧Piは0.1〜1.0MPaの範囲で用いるのが好ましい。ここで樹脂の注入圧Piとは、真空ポンプまたは加圧装置23により加圧される最大圧力を指し、図1の注入圧力計26で表示させる圧力を表す。最終的に樹脂が型内の基材に完全に含浸され樹脂排出流路14まで到達したら樹脂排出流路14を閉じ、その後暫くしてから樹脂注入用流路13も閉じて樹脂注入を終了する。成形型は温調機25によって加温されており、これにより樹脂を硬化させる。なお、型内樹脂圧Pmとは、型内注入圧力計26の圧力を表す。
図2は、本発明の成形型の一例を示す断面図である。また、図3は、本発明の成形型のエジェクタピン先端部分の一例を示す拡大断面図である。
本発明は、RTM成形において、製品を押出すために稼動可能なエジェクタピン28とそれを納めるシリンダー29間に隙間を有し、当該隙間に予め熱可塑性樹脂の層30を形成している脱型装置である。このように、シリンダー周囲の平行部に熱可塑性樹脂の層30を有するため、軟質シール材でのシール機構のように、シール材の変形に頼らないことから、シール材の劣化等によるシール性の低下の虞がなく安定した動作が長期に渡って持続する。
本発明における、エジェクタピン28とそれを納めるシリンダー29の作動関係については、説明を省略するが、たとえば、特許文献2に示される実開平6−3615号公報などに記載されている。
本発明で使用する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンABS、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリサルフォン、ポリカーボネイト、ポリフェニレンスルファイド、ポリイミド、“テフロン”(登録商標)などのフッ素樹脂などである。
また、本発明は、エジェクタピン28の摺動面に従来の軟質のシール材によるシール機構を有していない脱型装置であることが好ましい。
前記エジェクターピン28の摺動面に有する従来の軟質のシール材によるシール機構とは、たとえば図5に示すようにエジェクターが作動する際にピンと、成形型あるいはライナーの間に軟質のシール材31が介在する機構をいう。本発明では、図3に示すようにこの摺動面の平行部に熱可塑性樹脂の層30を有するため、前記のような従来のシール機構が不要となるのである。
また、エジェクタピンの下面に図3に示すような、O−リング27を配置することも、型内の気密性を改善し、真空吸引時の効率良く高真空とできることから好ましい。
そして、型を閉じた後、型内を真空に保持する工程を有する成形に用いた脱型装置であることが好ましい。
型を閉じた後、型内を真空に保持する工程を有する成形とは、RTM成型において成形品への気泡残りを防ぐためにあらかじめ成形型を閉じ、型内を減圧、真空状態にするものである。
また、閉鎖された型内に樹脂を注入し、型内に滞在するときの最低樹脂粘度が100cP以下である成形に用いられる脱型装置であることが好ましい。
閉鎖された型内に樹脂を注入し、型内に滞在するときの最低樹脂粘度が100cP以下である成形とは、常温での樹脂粘度が比較的高いものであっても、樹脂注入がおこわなれる際、たとえば成形型温度が高い場合に樹脂の粘度が下がり、100cP以下になる状態をいう。使用される樹脂が常温で100cP以下である場合にも適用される。
なお、樹脂粘度の下限としては、1cP以上であることが、低粘度樹脂のシール性の観点から好ましい。
さらに、注入される樹脂により型内部の圧力が0.7MPa以下である成形に用いられる脱型装置であることが好ましい。
注入される樹脂により型内部の圧力が0.7MPa以下である成形とは、RTM成形において樹脂を圧入するが、脱泡操作・気泡をつぶすための操作においても型内部圧力が0.7MPa以下であることをいう。
なお、樹脂圧力の下限としては、0.1MPa以上であることが、本シール構造の必要性の観点から好ましい。
成形品の脱型は、図2に示すように、型により抜きにくい位置に対してある程度の間隔をおいて必要数エジェクタピンを配置することが好ましい。また、樹脂の粘度によりエジェクタ部への樹脂の進入を防ぐために、エジェクタピン先端、あるいは型へO−リングをつけている。
本発明によって効率よくかつ、安全に製品を脱型することができ、成形サイクルタイムを短縮することができる。
本発明に係るRTM 成形法で使用する樹脂としては、粘度が低く補強繊維への含浸が容易な熱硬化製樹脂または熱可塑性樹脂を形成するRIM用(Resin Injection Molding)モノマーが好適であり、その中でもFRP構造体の熱収縮を低減させ、クラックの発生を抑えるという点から、エポキシ樹脂または熱可塑性樹脂やゴム成分などを配合した変性エポキシ樹脂、ナイロン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂がより適している。
FRPの補強繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維等の無機繊維、あるいはアラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる補強繊維が挙げられる。FRPのマトリックス樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、さらには、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱可塑性樹脂も使用可能である。
また、本発明で使用する補強繊維基材とは、例えば樹脂の含浸されていない補強繊維を指し、その補強繊維の織物やチョップドファイバー、マット、ニット材料、さらにこれらとインサート部品との組み合わせ等が挙げられ、その用途により使い分けられる。前記インサート部品とは、例えばスチールやアルミニウムなどの金属板や、金属柱、金属ボルト、ナット、ヒンジなどの接合用の金属、アルミハニカムコア、あるいはポリウレタン、ポリスチレン、ポリイミド、塩化ビニル、フェノール、アクリルなどの高分子材料からなるフォーム材やゴム質材、木質材等が挙げられ、主として、釘が効くことや、ネジが立てられる等の接合を目的としたインサート部品、中空構造で軽量化を目的としたインサート部品、振動時の減衰を目的としたインサート部品などが多く用いられる。
成形型の材質としてはFRP、鋳鋼、構造用炭素鋼、アルミニウム合金、亜鉛合金、ニッケル電鋳、銅電鋳があげられる。量産には、剛性、耐熱性、作業性の面から構造用炭素鋼が好適である。また、FRP成形品の意匠性、離型性を向上させるため#1000以上の磨き面または、めっきであることが好ましい。ただし、エジェクタの効果を発揮するためには成形品非意匠面を極力下側にし、エジェクタを下側に配置することが好ましい。そのため非意匠面(エジェクタ配置面)に成形品が残るような形状、型設計が必要となる。
以上のFRP成形方法を用いて、CFRP成形品を製造した結果を説明する。
モデル型での成形結果
本発明に係わるFRP成形装置の一例として実施したRTM成形装置の全体図を図1に、金型部分について図2に示す。注入口8aを1個、排出口8bを1個持つ図2に示したような形状の金属型(上型16、下型17)に、炭素繊維基材(CO6343B:T300−3K、組織:平織、目付:200g/m、東レ(株)製)を10枚積層し、下型17に載置する。上型をクレーンで吊り上げ下型上に設置し、油圧シリンダー1にて下型17を閉じ密閉する。上型16は下型17を加圧するシリンダーを固定してあるプレートと連結され、下型に押される20Kgf/cmに耐える構造としている。また、上型16、下型17とも温調機25によって100℃に一定に加温されている。
エジェクタピンは成形型、下型17に約300mm間隔で計8本配置される。成形品と接する面の直径は30mm、突き出しストロークは50mmとした。各エジェクタピンは独立した油圧シリンダーをもっており、圧力差により、各ピンがそれぞれに突き出される。
樹脂注入口8aには樹脂注入用流路13を接続し、樹脂排出口8bには樹脂排出流路14を接続した。樹脂注入用流路13、樹脂排出流路14ともに直径12mm、厚さ1.5mmのナイロンチューブを使用した。樹脂排出流路14には樹脂が真空ポンプ7まで流入するのを防ぐため、途中に樹脂トラップ15を設けた。
型内の密閉を保つため、シール材20を型の外周に配置している。上型17を閉じることで、型の内部が樹脂注入用流路13と樹脂排出流路14以外に連通していないことが理想的である。エジェクタ部もエジェクタピン28と金型の境界に取り付けられたO−リング27、エジェクタ周りの熱可塑材によって密閉されることとが理想的である。しかし、実質的には完全な密閉は困難であり、たとえば、樹脂注入流路13に配置される樹脂注入バルブ21aを閉じ、樹脂排出バルブ21bを開した状態で真空圧力計26の圧力をモニターし、ここでは真空ポンプ7停止後10秒間0.01MPaを保持できた状態であれば成形上問題ないとして密閉の状態を確認することとした。
樹脂排出口8bから真空ポンプ7で排出し、型内圧力を0.01MPa以下となったことを該真空圧力計26により確認した後、加圧装置22、24により樹脂の注入を開始する。樹脂は主剤としてエピコート828(油化シェルエポキシ社製、エポキシ樹脂)、硬化剤は東レ(株)製のブレンドの酸無水物系硬化剤を混合して得た液状エポキシ樹脂を使用した。
樹脂注入装置3では事前に主剤5、硬化剤6を攪拌しながら40℃で加温し、所定の粘度まで降下させ、かつ真空ポンプ23で脱泡を行った。
真空ポンプ23は200g/ストロークに設定した。樹脂注入用流路13に設置した注入圧力計26によって注入樹脂圧(今回;0.5MPa)を確認して樹脂注入バルブ21aを開け、型内に樹脂を注入する。注入開始時は、樹脂排出流路14は開の状態とした。このとき型内圧力Pm<供給圧力Piにより樹脂が型内に容易に注入される。そして、樹脂の強化繊維基材への含浸促進と、気泡を効率的に除去するための操作として樹脂排出流路の開閉をおこなった。
樹脂が型内に充満し、なおかつ型内の気泡の流出作業が完了すると、樹脂排出流路14を閉じ樹脂注入は圧力計26によって型内部圧力が0.5MPaとなるように続ける。上記の操作のあと樹脂注入流路13を閉じこの状態で20分間放置し、硬化させる。
樹脂の硬化後、油圧シリンダー1により下型17を開き、上型16を固定するピンを外し、上型を取り外す。エジェクタピン19を作動させ金型上にピンを突き上げることによって製品を脱型する。本成形品では油圧エジェクタの脱型時の圧力は油圧ポンプ側ゲージで1MPaとし、十分に脱型可能であった。
成形品脱型後エジェクタピン頭部周りに若干の樹脂付着が見られたが、エジェクタピン軸部分への樹脂進入、成形型外への樹脂漏れはなかった。同様の成形を10回以上繰り返したが当該問題は発生せず、簡単に脱型し続けることが可能であった。
本実施例では、各エジェクタピンは独立した油圧シリンダーをもっており、圧力差により、各ピンがそれぞれに突き出される。結果、ピンの曲がりや、成形品の割れなく脱型することができた。
本発明は、エポキシ樹脂を用いたRTM成形方法に限らず、樹脂流動によるFRP成形法すべてに適用できる。
本発明の脱型装置を備えたRTM成形装置の概略全体図である。 本発明の脱型装置の一例を示す断面図である。 本発明の脱型装置の一例を示す拡大断面図である。 本発明における注入バルブ部または排出バルブ部の一例を示す斜視図である。 従来技術におけるシール機構の一例を示す拡大断面図である。
符号の説明
1:型締用油圧シリンダー
2:成形金型
3:樹脂注入装置
4:混合ユニット
5:主剤タンク
6:硬化剤タンク
7:真空ポンプまたは加圧ポンプ
8a:樹脂注入口
8b:樹脂排出口(真空吸引管)
9:油圧ユニット
10:油圧ポンプ
11:エジェクタ用油圧シリンダー
12:逆止弁
13:樹脂注入流路
14:樹脂排出流路
15:樹脂トラップ
16:RTM成形型上型
17:RTM成形型下型
18:油圧配管用カプラ
19:エジェクタピン
20:金型シール
21:バイスクリップ
21a:注入バルブ
21b:吸引バルブ
22:主剤側加圧装置
23:真空ポンプ
24:硬化剤側加圧装置
25:金型温調機
26:圧力計
27:O-リング
28:エジェクタピン
29:シリンダー
30:熱可塑性樹脂の層
31:軟質のシール材

Claims (8)

  1. 強化繊維プラスチックス成形用成形型において、成形型内に製品を押出すために稼動可能なエジェクタピンとそれを納めるシリンダー間に隙間を設け、当該隙間に予め熱可塑性樹脂の層を形成してなることを特徴とするRTM成形の脱型装置。
  2. 前記エジェクタピンの摺動面にシール機構を有していないことを特徴とする請求項1に記載のRTM成形の脱型装置。
  3. 前記シリンダーの摺動面にシール機構を有していないことを特徴とする請求項1または2に記載のRTM成形の脱型装置。
  4. 前記エジェクタピンの下面にO−リングを有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のRTM成形の脱型装置。
  5. 型を閉じた後、型内を真空に保持する工程を有する成形に用いたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のRTM成形の脱型装置。
  6. 閉鎖された型内に樹脂を注入し、型内に滞在するときの最低樹脂粘度が、1〜100cPである成形に用いられることを特徴とする請求項1、請求項4、または請求項5のいずれかに記載のRTM成形の脱型装置。
  7. 注入される樹脂により型内部の圧力が0.1〜0.7MPaである成形に用いられることを特徴とする請求項1、請求項4、請求項5、または請求項6のいずれかに記載のRTM成形の脱型装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のRTM成形の脱型装置を用いて成形することを特徴とするRTM成形方法。
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