JP2013163269A - 射出成形用金型及び射出成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】リングカッタ31の内周面とインナー型39との間を、内側シールリング36でシールし、リングカッタ31の外周面と内型21との間を、外側シールリング35でシールする。
【効果】リングカッタと金型の間を、内側シールリングと外側シールリングでシールすることにより、キャビティに充填した溶融樹脂が、金型側へ漏れないようにした。結果、樹脂漏れに起因する清掃が不要になる。
【選択図】図1
Description
樹脂の射出成形では、キャビティに溶融樹脂を充填する。充填の際に、樹脂の流れが複雑化し、流れ同士が衝突することで、ウエルドラインと称する筋ができることがある。ウエルドラインは製品の外観にも影響を与え、外観性を低下させると共に、機械的強度の低下を招く。
別の対策として、ウエルドラインを特定の場所に発生させ、後に、特定の場所をウエルドラインごと切除することが考えられる。具体的には、金型にリングカッタを備え、このリングカッタで切除する。
そこで、リングカッタを備える金型が各種提案されてきた(例えば、特許文献1(第1図(b))参照。)。
図17は従来のリングカッタを備える金型の断面図であり、下型101と上型102との間にキャビティ103が形成され、このキャビティ103にスプル104を介して溶融樹脂が充填される。
清掃が面倒であり、清掃時間中は生産が停止するため、生産能率も低下する。
前記穴開け機構は、前記金型に軸方向可能に設けられ先端が前記キャビティに出没するリングカッタと、前記金型に取付けられ前記リングカッタの内周面に沿って配置される内側シールリングと、前記金型に取付けられ前記リングカッタの外周面に沿って配置される外側シールリングとを備え、前記内側シールリング及び前記外側シールリングにより、溶融樹脂が前記金型へ侵入することを防止するようにしたことを特徴とする。
外側シールリングがキャビティ側へ付勢されるように外側シールリングを押す第2加圧手段を金型に備えられ、外側シールリングの先端が接触する金型の部位に、第2加圧手段で付勢された外側シールリングの先端がリングカッタ側へ撓ませる第2傾斜面が設けられていることを特徴とする。
前記キャビティへ溶融樹脂を充填する充填工程と、
前記リングカッタを前記キャビティ内へ前進させるカッタ前進工程と、
前記溶融樹脂を一定圧力で保持する保圧工程と、
前記溶融樹脂を冷却させると共に、前記リングカッタを後退させる冷却及びカッタ後退工程と、からなることを特徴とする。
シムであればシム厚さを容易に変更することができる。この変更により加圧力を容易に変更することができる。
シムなどが不要であるため、部品点数の削減が図れる。
回転カムであれば、回転角度により、押し上げ量を容易に調節することができる。特に、使用によりシールリングの先端が摩耗したときに、この摩耗量に応じてシールイングを押し上げることができる。
テーパ片であれば、移動量により、押し上げ量を容易に調節することができる。特に、使用によりシールリングの先端が摩耗したときに、この摩耗量に応じてシールイングを押し上げることができる。
充填工程や保圧工程に比較して、充填工程ではリングカッタに加わる力が小さい。そこで、充填工程の末期にリングカッタを前進させることにした。穴開け機構に含まれるシリンダユニットの小径化が可能となり、穴開け機構の低コスト化が容易に図れる。
図1に示すように、射出成形用金型10は、固定型11と可動型20とからなる。固定型11と可動型20との間に形成されるキャビティ12へ溶融樹脂を充填し、凝固させ、固定型11から可動型20を離すことで、樹脂成形品を取り出す(払い出す)ことができる。
また、可動型20は、キャビティ12側の内型21と、この内型21の外面に当てられてボルト22、22で固定される第1バックアップ材23と、この第1バックアップ材23の外面に当てられてボルト24、24で固定される第2バックアップ材25とからなる。
このような可動型20に、リングカッタ31や、このリングカッタ31を移動させるシリンダユニット32を主体とする穴開け機構30が設けられる。
穴開け機構30は、リングカッタ31と、このリングカッタ31の基部を支えるカッタホルダ33と、このカッタホルダ33からシリンダユニット(図1、符号32)へ延びるロッド34と、内型21と第1バックアップ材23とで基部フランジ35fが挟まれて内型21に嵌められる外側シールリング35と、この外側シールリング35より小径である内側シールリング36と、この内側シールリング36の基部フランジ36fを挟むリングホルダ37及びこのリングホルダ37にボルト38、38で締結され且つ内側シールリング36内に嵌められるインナー型39と、リングホルダ37から第2バックアップ材25へ延びる長いロングボルト41、41と、これらのロングボルト41、41にねじ込まれるナット42、43と、図1に示すカップリング44及びシリンダユニット32とからなる。
先ず、複数の構成要素を図2に示すように、小組み(プレアセンブリ)する。 次に、ロッド34を第2バックアップ材25の穴47に通しながら、第2バックアップ材25を第1バックアップ材23に合わせる。
次に、カッタホルダ33に設けた貫通穴48、48及び第2バックアップ材25に設けた貫通穴49、49にロングボルト41、41を通すようにして、内型21に、リングホルダ37と内側シールリング36とインナー型39を収める。
よって、ナット42、43により、インナー型39の位置を調整し、インナー型39の面を内型21の面に合わせることができる。
内側シールリング36の基部フランジ36fに環状の第1シム45が添えられ、外側シールリング35の基部フランジ35fに環状の第2シム46が添えられる。
この例では、便宜上、リングカッタ31を単純な円筒としたが、楕円等など非円断面の筒でもよく、形状は任意である。
傾斜角θ2も同様に、40°〜95°の範囲とし、45°が好ましい。
図5(a)に示すように、リングホルダ37とインナー型39との境界に、高さがt1の第1収納室56を設ける。一方、内側シールリング36の基部フランジ36fに、1枚又は複数枚の第1シム45を加えることにより、トータル厚さをt2とする。第1収納室56の高さt1は、トータル厚さt2より小さく設定する。
そして、第1収納室56の底57に第1シム45を敷くようにして、第1収納室56に基部フランジ56fを圧入する。
そして、第2収納室58の底59に第2シム46を敷くようにして、第2収納室58に基部フランジ35fを圧入する。
又は、第1シム45及び第2シム46は複数枚の薄いシムを重ね、組合せを換えることにより、厚さを変更することができるため、調整範囲が広くなる。
図7(a)に示すように、内側シールリング36の基部フランジ36fの厚さをt5とし、第1収納室56の想像線で示す底57を実線で示す底57まで浅くする。結果、第1収納室56の高さは、t5より小さなt6になる。第1収納室56に基部フランジ56fを圧入することで、矢印(3)の押し上げ力が発生する。
また、カム軸69はメタル軸受等の軸受71、71で支持することが望ましい。
図8に示す第2回転機構66に、サーボモータ又はステッピングモータを採用すると、回転角制御が可能となる。180°以内において、細かく回転角を設定することで、押し上げ量を細かく制御することができる。
すなわち、図11において、第1スライド機構74で第1テーパ片73を前進させると、第1リングベース67を押し上げることができ、後退させると第1リングベース67を下げることができる。第2テーパ片75も同様である。
第1・第2スライド機構74、76に、ステッピングシリンダを採用すると、移動量制御が可能となる。細かく移動量を設定することで、押し上げ量を細かく制御することができる。
図12(a)に示すように、押し上げ前には、インナー型39に内側シールリング36が収まっている。矢印(3)のように押し上げられると、(b)に示すように第1傾斜面53の作用で、内側シールリング36の先端が弾性変形領域にて曲げられる。
図13(a)に示すように、内・外側シールリング35、36の先端を鋭角にすることは必須ではない。すなわち、内・外側シールリング35、36の先端面は平坦で差し支えない。
(b)に示すように、第1傾斜面53の作用で内側シールリング36の先端が撓み、第2傾斜面54の作用で外側シールリング35の先端が撓むからである。
図14(a)に示すように、横軸は時間軸であり、基本的には充填工程と保圧工程と冷却工程とがこの順に実施される。
詳細に説明すると、図1のように固定型11に可動型20を合わせ(型組み又は型合わせ)し、キャビティ12へ高圧の溶融樹脂を充填する(充填工程)。キャビティ12の末端まで溶融樹脂を行き渡らせるため、工程の末期においてキャビティ12内の圧力が急増する。
状態変化は、図14(b)に示す通りである。
図14(c)に示すように、充填工程では、末期にカッタ反力が急増する。保圧工程では樹脂圧力が高いままであるため、カッタ反力は高い。冷却工程では、剪断抵抗は増加するが、樹脂圧力はゼロになるため、トータルとして保圧工程よりは、カッタ反力が小さくなる。しかし、保圧工程でのカッタ反力は、充填工程でのカッタ反力よりは大きい。
図16に示すように、内型21の下隅に、基部フランジ35fの上部を収納する段部21aを設け、この段部21aにより、基部フランジ35fの上方に隙間81が有るようにしてもよい。隙間81が有るため、外側シールリング35を上方へ容易に付勢させることができると共に、第2シム46の差し替えの自由度が増す。同様に、インナー型39の下隅に、基部フランジ36fの上部を収納する段部39aを設け、この段部39aにより、基部フランジ36fの上方に隙間82が有るようにしてもよい。隙間82が有るため、内側シールリング36を上方へ容易に付勢させることができると共に、第1シム45の差し替えの自由度が増す。
Claims (7)
- 金型内に成形用のキャビティを有し、前記金型に樹脂成形品に穴を開ける穴開け機構を備えている射出成形用金型において、
前記穴開け機構は、前記金型に軸方向可能に設けられ先端が前記キャビティに出没するリングカッタと、前記金型に取付けられ前記リングカッタの内周面に沿って配置される内側シールリングと、前記金型に取付けられ前記リングカッタの外周面に沿って配置される外側シールリングとを備え、前記内側シールリング及び前記外側シールリングにより、溶融樹脂が前記金型へ侵入することを防止するようにしたことを特徴とする射出成形用金型。 - 前記内側シールリングが前記キャビティ側へ付勢されるように前記内側シールリングを押す第1加圧手段を前記金型に備えられ、前記内側シールリングの先端が接触する前記金型の部位に、前記第1加圧手段で付勢された前記内側シールリングの前記先端が前記リングカッタ側へ撓ませる第1傾斜面が設けられ、
前記外側シールリングが前記キャビティ側へ付勢されるように前記外側シールリングを押す第2加圧手段を前記金型に備えられ、前記外側シールリングの先端が接触する前記金型の部位に、前記第2加圧手段で付勢された前記外側シールリングの前記先端が前記リングカッタ側へ撓ませる第2傾斜面が設けられていることを特徴とする請求項1記載の射出成形用金型。 - 前記第1加圧手段は、前記第1収納室の底に敷く第1シムであり、この第1シムにより前記内側シールリングを押して、前記内側シールリングを前記キャビティ側へ付勢するようにすると共に、前記第2加圧手段は、前記第2収納室の底に敷く第2シムであり、この第2シムにより前記外側シールリングを押して、前記外側シールリングを前記キャビティ側へ付勢するようにしたことを特徴とする請求項2記載の射出成形用金型。
- 前記第1加圧手段は、前記第1収納室の底であり、この底を浅くすることにより前記内側シールリングを押して、前記内側シールリングを前記キャビティ側へ付勢するようにすると共に、前記第2加圧手段は、前記第2収納室の底であり、この底を浅くすることにより前記外側シールリングを押して、前記外側シールリングを前記キャビティ側へ付勢するようにしたことを特徴とする請求項2記載の射出成形用金型。
- 前記第1加圧手段は、前記内側シールリングを押し上げる第1回転カム及びこの第1回転カムを回転させる第1回転機構を備えていると共に、前記第2加圧手段は、前記外側シールリングを押し上げる第2回転カム及びこの第2回転カムを回転させる第2回転機構を備えていることを特徴とする請求項2記載の射出成形用金型。
- 前記第1加圧手段は、前記内側シールリングを押し上げる第1テーパ片及びこの第1テーパ片をスライドさせる第1スライド機構を備えていると共に、前記第2加圧手段は、前記外側シールリングを押し上げる第2テーパ片及びこの第2テーパ片をスライドさせる第2スライド機構を備えていることを特徴とする請求項2記載の射出成形用金型。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の射出成形用金型を用いて実施する射出成形方法であって、
前記キャビティへ溶融樹脂を充填する充填工程と、
この充填工程に実施し前記リングカッタを前記キャビティ内へ前進させるカッタ前進工程と、
前記溶融樹脂を一定圧力で保持する保圧工程と、
前記溶融樹脂を冷却させると共に、前記リングカッタを後退させる冷却及びカッタ後退工程と、からなることを特徴とする射出成形方法。
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JPH02196613A (ja) * | 1989-01-25 | 1990-08-03 | Mitsubishi Electric Corp | プラスチック成形用金型 |
JP2006205546A (ja) * | 2005-01-28 | 2006-08-10 | Toray Ind Inc | Rtm成形の脱型装置 |
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