JP2013163269A - 射出成形用金型及び射出成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】リングカッタ周りの清掃を省くことができる射出成形用金型を提供することを課題とする。
【解決手段】リングカッタ31の内周面とインナー型39との間を、内側シールリング36でシールし、リングカッタ31の外周面と内型21との間を、外側シールリング35でシールする。
【効果】リングカッタと金型の間を、内側シールリングと外側シールリングでシールすることにより、キャビティに充填した溶融樹脂が、金型側へ漏れないようにした。結果、樹脂漏れに起因する清掃が不要になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂成形品に穴を開けるリングカッタを備えている射出成形用金型に関する。
車両のインパネ(インストルメントパネル)は、樹脂成形品が主流である。樹脂成形品は、金型を用いた樹脂射出成形により製造される。
樹脂の射出成形では、キャビティに溶融樹脂を充填する。充填の際に、樹脂の流れが複雑化し、流れ同士が衝突することで、ウエルドラインと称する筋ができることがある。ウエルドラインは製品の外観にも影響を与え、外観性を低下させると共に、機械的強度の低下を招く。
樹脂の流れを変更することや金型を加熱するなどしてウエルドラインが発生しにくくする対策が、打たれるが、金型が複雑になるなど、有効な対策になりにくい。
別の対策として、ウエルドラインを特定の場所に発生させ、後に、特定の場所をウエルドラインごと切除することが考えられる。具体的には、金型にリングカッタを備え、このリングカッタで切除する。
そこで、リングカッタを備える金型が各種提案されてきた(例えば、特許文献1(第1図(b))参照。)。
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図17は従来のリングカッタを備える金型の断面図であり、下型101と上型102との間にキャビティ103が形成され、このキャビティ103にスプル104を介して溶融樹脂が充填される。
溶融樹脂が冷却され凝固したら、油圧プレス105を伸動させ、押出板106を上昇させる。押出板106上にリングカッタ107が設けられているため、リングカッタ107がキャビティ103内に進入する。樹脂製品にリングカッタ107で穴を開けることができる。この穴内にウエルドラインが含まれていれば、ウエルドラインを切除することができる。
ところで、下型101に対して、リングカッタ107を上下に移動するため、下型101とリングカッタ107との間に、隙間108、109を確保する必要がある。隙間108、109が小さ過ぎると、リングカッタ107が下型101に接触し易くなり、接触により、リングカッタ107の移動が妨げられる。そこで、ある程度の大きさの隙間108、109を設けて、移動の円滑化を図る必要がある。
しかし、キャビティ103に充填した溶融樹脂の一部が、隙間108、109に侵入し、固化する。すると、リングカッタ107が移動困難になる。対策として、ショット毎又は定期的に、リングカッタ107周りを清掃することが行われる。
清掃が面倒であり、清掃時間中は生産が停止するため、生産能率も低下する。
そのため、リングカッタを備える金型において、清掃が不要又は清掃の頻度が少なくて済む構造が求められる。
特開平2−196613号公報
本発明は、リングカッタ周りの清掃を省くことができる、又は、清掃の頻度が少なくて済む射出成形用金型を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、金型内に成形用のキャビティを有し、前記金型に樹脂成形品に穴を開ける穴開け機構を備えている射出成形用金型において、
前記穴開け機構は、前記金型に軸方向可能に設けられ先端が前記キャビティに出没するリングカッタと、前記金型に取付けられ前記リングカッタの内周面に沿って配置される内側シールリングと、前記金型に取付けられ前記リングカッタの外周面に沿って配置される外側シールリングとを備え、前記内側シールリング及び前記外側シールリングにより、溶融樹脂が前記金型へ侵入することを防止するようにしたことを特徴とする。
請求項2に係る発明では、内側シールリングが前記キャビティ側へ付勢されるように内側シールリングを押す第1加圧手段を金型に備えられ、内側シールリングの先端が接触する金型の部位に、第1加圧手段で付勢された内側シールリングの先端がリングカッタ側へ撓ませる第1傾斜面が設けられ、
外側シールリングがキャビティ側へ付勢されるように外側シールリングを押す第2加圧手段を金型に備えられ、外側シールリングの先端が接触する金型の部位に、第2加圧手段で付勢された外側シールリングの先端がリングカッタ側へ撓ませる第2傾斜面が設けられていることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、第1加圧手段は、第1収納室の底に敷く第1シムであり、この第1シムにより内側シールリングを押して、内側シールリングをキャビティ側へ付勢するようにすると共に、第2加圧手段は、第2収納室の底に敷く第2シムであり、この第2シムにより外側シールリングを押して、外側シールリングをキャビティ側へ付勢するようにしたことを特徴とする。
請求項4に係る発明では、第1加圧手段は、第1収納室の底であり、この底を浅くすることにより内側シールリングを押して、内側シールリングをキャビティ側へ付勢するようにすると共に、第2加圧手段は、第2収納室の底であり、この底を浅くすることにより外側シールリングを押して、外側シールリングをキャビティ側へ付勢するようにしたことを特徴とする。
請求項5に係る発明では、第1加圧手段は、内側シールリングを押し上げる第1回転カム及びこの第1回転カムを回転させる第1回転機構を備えていると共に、第2加圧手段は、外側シールリングを押し上げる第2回転カム及びこの第2回転カムを回転させる第2回転機構を備えていることを特徴とする。
請求項6に係る発明では、第1加圧手段は、内側シールリングを押し上げる第1テーパ片及びこの第1テーパ片をスライドさせる第1スライド機構を備えていると共に、第2加圧手段は、外側シールリングを押し上げる第2テーパ片及びこの第2テーパ片をスライドさせる第2スライド機構を備えていることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれか1項記載の射出成形用金型を用いて実施する射出成形方法であって、
前記キャビティへ溶融樹脂を充填する充填工程と、
前記リングカッタを前記キャビティ内へ前進させるカッタ前進工程と、
前記溶融樹脂を一定圧力で保持する保圧工程と、
前記溶融樹脂を冷却させると共に、前記リングカッタを後退させる冷却及びカッタ後退工程と、からなることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、リングカッタを内側シールリングと外側シールリングで挟む。すなわち、リングカッタと金型の間を、内側シールリングと外側シールリングでシールすることにより、キャビティに充填した溶融樹脂が、金型側へ漏れないようにした。結果、樹脂漏れに起因する清掃が不要になった。
請求項2に係る発明では、金型に第1傾斜面を設け第1加圧手段で内側シールリングを押し上げることで、内側シールリングをリングカッタへ付勢し、且つ金型に第2傾斜面を設け第2加圧手段で外側シールリングを押し上げることで、外側シールリングをリングカッタへ付勢するようにした。簡単な構造でありながら、シール性能を容易に高めることができる。
請求項3に係る発明では、第1加圧手段は第1収納室の底に敷く第1シムであり、第2加圧手段は第2収納室の底に敷く第2シムである。
シムであればシム厚さを容易に変更することができる。この変更により加圧力を容易に変更することができる。
請求項4に係る発明では、第1加圧手段は第1収納室の底であり、この底を浅くすることにより内側シールリングを押し上げる。同じく、第2加圧手段は第2収納室の底であり、この底を浅くすることにより外側シールリングを押し上げる。
シムなどが不要であるため、部品点数の削減が図れる。
請求項5に係る発明では、第1回転カムで内側シールリングを押し上げ、第2回転カムで外側シールリングを押し上げる。
回転カムであれば、回転角度により、押し上げ量を容易に調節することができる。特に、使用によりシールリングの先端が摩耗したときに、この摩耗量に応じてシールイングを押し上げることができる。
請求項6に係る発明では、第1テーパ片で内側シールリングを押し上げ、第2テーパ片で外側シールリングを押し上げる。
テーパ片であれば、移動量により、押し上げ量を容易に調節することができる。特に、使用によりシールリングの先端が摩耗したときに、この摩耗量に応じてシールイングを押し上げることができる。
請求項7に係る発明は、射出成形方法であって、溶融樹脂を充填する充填工程と、この充填工程に実施しリングカッタを前進させるカッタ前進工程と、溶融樹脂を一定圧力で保持する保圧工程と、溶融樹脂を冷却させると共に、リングカッタを後退させる冷却及びカッタ後退工程とをこの順で実施する。
充填工程や保圧工程に比較して、充填工程ではリングカッタに加わる力が小さい。そこで、充填工程の末期にリングカッタを前進させることにした。穴開け機構に含まれるシリンダユニットの小径化が可能となり、穴開け機構の低コスト化が容易に図れる。
本発明に係る射出成形用金型の断面図である。 本発明に係る射出成形用金型の分解図である。 リングカッタと内・外側シールリングの分解斜視図である。 図1の4部拡大図である。 図4の5部拡大図である。 図4の6部拡大図である。 図5の変更例を示す図である。 図4の変更例を示す図である。 図8の9−9線断面図である。 図4の更なる変更例を示す図である。 図10の11−11線断面図である。 内・外側シールリングの作用図である。 図12の変更例を示す図である。 本発明方法を説明する図である。 樹脂成形品の一例を示す図である。 図4の変更例を示す図である。 従来のリングカッタを備える金型の断面図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、射出成形用金型10は、固定型11と可動型20とからなる。固定型11と可動型20との間に形成されるキャビティ12へ溶融樹脂を充填し、凝固させ、固定型11から可動型20を離すことで、樹脂成形品を取り出す(払い出す)ことができる。
好ましくは、固定型11に刃受け材13を設ける。
また、可動型20は、キャビティ12側の内型21と、この内型21の外面に当てられてボルト22、22で固定される第1バックアップ材23と、この第1バックアップ材23の外面に当てられてボルト24、24で固定される第2バックアップ材25とからなる。
このような可動型20に、リングカッタ31や、このリングカッタ31を移動させるシリンダユニット32を主体とする穴開け機構30が設けられる。
この穴開け機構30の詳細を、図2に基づいて説明する。
穴開け機構30は、リングカッタ31と、このリングカッタ31の基部を支えるカッタホルダ33と、このカッタホルダ33からシリンダユニット(図1、符号32)へ延びるロッド34と、内型21と第1バックアップ材23とで基部フランジ35fが挟まれて内型21に嵌められる外側シールリング35と、この外側シールリング35より小径である内側シールリング36と、この内側シールリング36の基部フランジ36fを挟むリングホルダ37及びこのリングホルダ37にボルト38、38で締結され且つ内側シールリング36内に嵌められるインナー型39と、リングホルダ37から第2バックアップ材25へ延びる長いロングボルト41、41と、これらのロングボルト41、41にねじ込まれるナット42、43と、図1に示すカップリング44及びシリンダユニット32とからなる。
内側シールリング36及び外側シールリング35は、撓み性と剛性(強度)とを兼ね備えたエンプラ(エンジニアリング・プラスチック)が好適である。
この例では、内側シールリング36の基部フランジ36fは、リングホルダ37に添えた第1シム45を介して挟まれている。同様に、外側シールリング35の基部フランジ35fは、第1バックアップ材23に添えた第2シム46を介して挟まれている。第1・第2シム45、46の詳細及び作用は後述する。
組立て手順の一例を次に述べる。
先ず、複数の構成要素を図2に示すように、小組み(プレアセンブリ)する。 次に、ロッド34を第2バックアップ材25の穴47に通しながら、第2バックアップ材25を第1バックアップ材23に合わせる。
次に、カッタホルダ33に設けた貫通穴48、48及び第2バックアップ材25に設けた貫通穴49、49にロングボルト41、41を通すようにして、内型21に、リングホルダ37と内側シールリング36とインナー型39を収める。
なお、第2バックアップ材25には、貫通穴49に直交する直交穴51が設けられ、この直交穴51へは外からナット42を投入することができる。貫通穴49に挿入されたロングボルト41の先端にナット42をねじ込み、このナット42を回しながらロングボルト41を前進させる。完全に貫通した後のロングボルト41に、後からではナット43を取付けることができないからである。
以上により、図1の金型10が組立てられ、最後にロッド34をカップリング44によりシリンダユニット32のピストンロッドに連結する。この例ではシリンダユニット32はブラケット52を用いて第2バックアップ材25に固定したが、シリンダユニット32を、直接第2バックアップ材25に固定することや、第2バックアップ材25を支える周辺部材に固定することは差し支えない。
また、インナー型39はキャビティ12側の面を、内型21の面に合わせる(面一にする)必要がある。インナー型39は、ロングボルト41により、第2バックアップ材25に支持されている。ナット42、43を回すことでロングボルト41を前後進させることができる。
よって、ナット42、43により、インナー型39の位置を調整し、インナー型39の面を内型21の面に合わせることができる。
図3に示すように、筒形状のリングカッタ31に対応するように、内側シールリング36は筒状を呈し、外側シールリング35は筒状を呈する。内側シールリング36の外径はリングカッタ31の内径と同一又はほぼ同一であり、外側シールリング35の内径はリングカッタ31の外径と同一又はほぼ同一である。
内側シールリング36の基部フランジ36fに環状の第1シム45が添えられ、外側シールリング35の基部フランジ35fに環状の第2シム46が添えられる。
この例では、便宜上、リングカッタ31を単純な円筒としたが、楕円等など非円断面の筒でもよく、形状は任意である。
図4に示すように、内側シールリング36の先端は鋭角を呈する。そして、内側シールリング36の先端に対応するインナー型39の部位に、傾斜角がθ1である第1傾斜面53が設けられている。同様に、外側シールリング35の先端が鋭角を呈する。そして、外側シールリング35の先端に対応する内型21の部位に、傾斜角がθ2である第2傾斜面54が設けられている。傾斜角θ1、θ2は、リングカッタ31の軸線に直角な線55を基準とする。
詳細は後述するが、傾斜角θ1により内側シールリング36の先端をリングカッタ31側へ撓ませる。傾斜角θ1が大きいほど図中、押し上げ力の水平分力に大きくなる。しかし、内側シールリング36の先端が鋭角になりすぎ、摩耗しやすくなる。そこで、傾斜角θ1は60°を上限とする。また、傾斜角θ1が40°未満であると、水平分力が小さくなり過ぎる。そこで、傾斜角θ1は40°〜95°から選択される。好ましくは傾斜角θ1は45°とする。45°であれば、垂直成分と水平成分が等しくなる。
傾斜角θ2も同様に、40°〜95°の範囲とし、45°が好ましい。
図4の5部拡大図である図5と、図4の6部拡大図である図6とに基づいてシムの役割を説明する。
図5(a)に示すように、リングホルダ37とインナー型39との境界に、高さがt1の第1収納室56を設ける。一方、内側シールリング36の基部フランジ36fに、1枚又は複数枚の第1シム45を加えることにより、トータル厚さをt2とする。第1収納室56の高さt1は、トータル厚さt2より小さく設定する。
そして、第1収納室56の底57に第1シム45を敷くようにして、第1収納室56に基部フランジ56fを圧入する。
圧入された形態は図5(b)に示される。初期厚さt2がt1まで圧縮された。基部フランジ36fがt1からt2に戻ろうとするため、矢印(3)のような押し上げ力が発生する。すなわち、この実施例では、第1収納室56の底57に敷いた第1シム45が、矢印(3)の押し上げ力を発生する第1加圧手段61に相当する。
図6(a)に示すように、第1バックアップ材23と内型21との境界に、高さがt3の第2収納室58を設ける。一方、外側シールリング35の基部フランジ35fに、1枚又は複数枚の第2シム46を加えることにより、トータル厚さをt4とする。第2収納室58の高さt3は、トータル厚さt4より小さく設定する。
そして、第2収納室58の底59に第2シム46を敷くようにして、第2収納室58に基部フランジ35fを圧入する。
圧入された形態は図6(b)に示される。初期厚さt4がt3まで圧縮された。基部フランジ35fがt3からt4に戻ろうとするため、矢印(3)のような押し上げ力が発生する。すなわち、この実施例では、第2収納室58の底59に敷いた第2シム46が、矢印(3)の押し上げ力を発生する第2加圧手段62に相当する。
第1シム45及び第2シム46は、厚さの異なる物を複数枚準備し、差し替えることでシム厚さを容易に変更することができる。
又は、第1シム45及び第2シム46は複数枚の薄いシムを重ね、組合せを換えることにより、厚さを変更することができるため、調整範囲が広くなる。
第1・第2加圧手段62は、第1シム45や第2シム46による他、幾つかの代替手段が採用可能である。代表的な代替手段を次に説明する。
図7(a)に示すように、内側シールリング36の基部フランジ36fの厚さをt5とし、第1収納室56の想像線で示す底57を実線で示す底57まで浅くする。結果、第1収納室56の高さは、t5より小さなt6になる。第1収納室56に基部フランジ56fを圧入することで、矢印(3)の押し上げ力が発生する。
同様に、図7(b)に示すように、外側シールリング35の基部フランジ35fの厚さをt5とし、第2収納室58の想像線で示す底57を実線で示す底57まで浅くする。結果、第2収納室58の高さは、t5より小さなt6になる。第2収納室58に基部フランジ35fを圧入することで、矢印(3)の押し上げ力が発生する。
この例では、第1加圧手段61は、第1収納室56の底57を浅くしたことで達成され、第2加圧手段62は、第2収納室58の底59を浅くしたことで達成される。シムが不要であるため、部品点数の削減が図れる。
または、図8に示すように、第1加圧手段61は、第1回転カム63及びこの第1回転カム63を回転させる第1回転機構64を備えていると共に、第2加圧手段62は、第2回転カム65及びこの第2回転カム65を回転させる第2回転機構66とすることができる。この例では第1回転機構64と第2回転機構66を兼用したが、別々に設けてもよい。
内側シールリング36の基部フランジ36fの下に第1リングベース67を敷き、この第1リングベース67を第1回転カム63に載せ、外側シールリング35の基部フランジ35fの下に第2リングベース68を敷き、この第2リングベース68を第2回転カム65に載せることが望まれる。
また、カム軸69はメタル軸受等の軸受71、71で支持することが望ましい。
図9(a)に示すように、カム軸69に対して第2回転カム65は偏心している。(b)に示すように、第2回転カム65を回すことにより、最大偏心量の2倍だけ第2リングベース68を押し上げることができる。第1回転カム63も同様である。
図8に示す第2回転機構66に、サーボモータ又はステッピングモータを採用すると、回転角制御が可能となる。180°以内において、細かく回転角を設定することで、押し上げ量を細かく制御することができる。
または、図10の11−11線断面図である図11に示すように、第1加圧手段61は、第1テーパ片73及びこの第1テーパ片73をスライドさせる第1スライド機構74を備えていると共に、第2加圧手段62は、第2テーパ片75及びこの第2テーパ片75をスライドさせる第2スライド機構76とすることができる。この例では第1スライド機構74と第2スライド機構76を兼用したが、別々に設けてもよい。
図10に示すように、第1テーパ片73で、内側シールリング36を押し上げることができ、第2テーパ片75で、外側シールリング35を押し上げることができる。
すなわち、図11において、第1スライド機構74で第1テーパ片73を前進させると、第1リングベース67を押し上げることができ、後退させると第1リングベース67を下げることができる。第2テーパ片75も同様である。
第1・第2スライド機構74、76に、ステッピングシリンダを採用すると、移動量制御が可能となる。細かく移動量を設定することで、押し上げ量を細かく制御することができる。
第1・第2テーパ片73、75は、スライド方向に直角な外力(内・外側シールリングに加わる下向き力)に対して、耐久性が高い。
以上に複数の例で説明した第1・第2加圧手段61、62の作用を、図12に基づいて説明する。
図12(a)に示すように、押し上げ前には、インナー型39に内側シールリング36が収まっている。矢印(3)のように押し上げられると、(b)に示すように第1傾斜面53の作用で、内側シールリング36の先端が弾性変形領域にて曲げられる。
(c)に示すように、内側シールリング36は外側シールリング35に接近するように撓み、外側シールリング35は内側シールリング36に接近するように撓む。一般面より突出した距離δ1、δ2が圧縮代になる。
結果、(d)に示すように、内側シールリング36の先端はリングカッタ31の内面に強く押付けられ、外側シールリング35の先端はリングカッタ31の外面に強く押付けられる。すると、キャビティ12に充填される溶融樹脂が金型側へリークする心配はなくなる。リークが無ければ、金型の清掃を省くことができる、又は清掃の頻度を小さくすることができる。
図13は図12の変更実施例を示す図である。
図13(a)に示すように、内・外側シールリング35、36の先端を鋭角にすることは必須ではない。すなわち、内・外側シールリング35、36の先端面は平坦で差し支えない。
(b)に示すように、第1傾斜面53の作用で内側シールリング36の先端が撓み、第2傾斜面54の作用で外側シールリング35の先端が撓むからである。
次に、射出成形方法を、図14に基づいて説明する。
図14(a)に示すように、横軸は時間軸であり、基本的には充填工程と保圧工程と冷却工程とがこの順に実施される。
詳細に説明すると、図1のように固定型11に可動型20を合わせ(型組み又は型合わせ)し、キャビティ12へ高圧の溶融樹脂を充填する(充填工程)。キャビティ12の末端まで溶融樹脂を行き渡らせるため、工程の末期においてキャビティ12内の圧力が急増する。
充填後に、溶融樹脂は金型により冷やされて収縮する。放置すると、成形品の密度にむらが発生する。対策として、溶融樹脂の供給を継続して、キャビティ12の内圧を一定に維持する(保圧工程)。保圧工程では、溶融樹脂と固相樹脂とが混在した半溶融状態になる。
保圧工程後に、製品取出しに備えて、半溶融樹脂を冷却し、固体状態にする。
状態変化は、図14(b)に示す通りである。
リングカッタの前進を考えると、リングカッタには、内・外側シールリングによる摺動抵抗と、キャビティ内の樹脂を剪断する剪断抵抗と、樹脂圧力による押力の三要素を合わせた力が加わる。この合力を便宜上、カッタ反力と呼ぶ。
図14(c)に示すように、充填工程では、末期にカッタ反力が急増する。保圧工程では樹脂圧力が高いままであるため、カッタ反力は高い。冷却工程では、剪断抵抗は増加するが、樹脂圧力はゼロになるため、トータルとして保圧工程よりは、カッタ反力が小さくなる。しかし、保圧工程でのカッタ反力は、充填工程でのカッタ反力よりは大きい。
そこで、本発明では、(d)に示すように、充填工程の末期で且つ保圧工程の前に、カッタ前進工程を加えることにした。このタイミングであれば、樹脂圧力はまだ低く、小さな力でリングカッタを前進させることができる。カッタ後退は冷却工程の適当なときに実施する。
従来は、固定状態である冷却工程中に、カッタを前進させていたが、本発明では、敢えて充填工程末期にカッタを前進させる。本発明によれば、リングカッタを移動させるシリンダユニット(図1、符号32)の小型化が可能となる。
図14(d)の工程を実施することで、図15に示すようなインパネ77が得られる。すなわち、インパネ77に2個の穴78、79が形成される。これらの穴78、79は調和空気の吹出し口に供することができる。吹き出し口であれば、回転式ルーバーが嵌められるため、穴78、79の周辺部における若干のバリや凹凸は許容される。
次に、図4の変更例を、図16に基づいて説明する。図4の符号を流用し、変更点のみを説明する。
図16に示すように、内型21の下隅に、基部フランジ35fの上部を収納する段部21aを設け、この段部21aにより、基部フランジ35fの上方に隙間81が有るようにしてもよい。隙間81が有るため、外側シールリング35を上方へ容易に付勢させることができると共に、第2シム46の差し替えの自由度が増す。同様に、インナー型39の下隅に、基部フランジ36fの上部を収納する段部39aを設け、この段部39aにより、基部フランジ36fの上方に隙間82が有るようにしてもよい。隙間82が有るため、内側シールリング36を上方へ容易に付勢させることができると共に、第1シム45の差し替えの自由度が増す。
同様に、図7(a)(b)において、隙間が確保できるような段部(図16、符号21a、39a)を、内型21の下隅やインナー型39の下隅に設けてもよく、図8及び図10において、隙間が確保できるような段部(図16、符号21a、39a)を、内型21の下隅やインナー型39の下隅に設けてもよい。
尚、本発明は、インパネなどの車両内装品を対象とする射出成形に好適であるが、一般の樹脂製品の射出成形に適用することは差し支えない。
本発明は、ウエルドライン対策を施す必要がある樹脂製品の射出成形に好適である。
10…射出成形用金型、11…固定型、12…キャビティ、20…可動型、30…穴開け機構、31…リングカッタ、35…外側シールリング、36…内側シールリング、45…第1シム、46…第2シム、53…第1傾斜面、54…第2傾斜面、56…第1収納室、57…第1収納室の底、58…第2収納室、59…第2収納室の底、61…第1加圧手段、62…第2加圧手段、63…第1回転カム、64…第1回転機構、65…第2回転カム、66…第2回転機構、73…第1テーパ片、74…第1スライド機構、75…第2テーパ片、76…第2スライド機構。

Claims (7)

  1. 金型内に成形用のキャビティを有し、前記金型に樹脂成形品に穴を開ける穴開け機構を備えている射出成形用金型において、
    前記穴開け機構は、前記金型に軸方向可能に設けられ先端が前記キャビティに出没するリングカッタと、前記金型に取付けられ前記リングカッタの内周面に沿って配置される内側シールリングと、前記金型に取付けられ前記リングカッタの外周面に沿って配置される外側シールリングとを備え、前記内側シールリング及び前記外側シールリングにより、溶融樹脂が前記金型へ侵入することを防止するようにしたことを特徴とする射出成形用金型。
  2. 前記内側シールリングが前記キャビティ側へ付勢されるように前記内側シールリングを押す第1加圧手段を前記金型に備えられ、前記内側シールリングの先端が接触する前記金型の部位に、前記第1加圧手段で付勢された前記内側シールリングの前記先端が前記リングカッタ側へ撓ませる第1傾斜面が設けられ、
    前記外側シールリングが前記キャビティ側へ付勢されるように前記外側シールリングを押す第2加圧手段を前記金型に備えられ、前記外側シールリングの先端が接触する前記金型の部位に、前記第2加圧手段で付勢された前記外側シールリングの前記先端が前記リングカッタ側へ撓ませる第2傾斜面が設けられていることを特徴とする請求項1記載の射出成形用金型。
  3. 前記第1加圧手段は、前記第1収納室の底に敷く第1シムであり、この第1シムにより前記内側シールリングを押して、前記内側シールリングを前記キャビティ側へ付勢するようにすると共に、前記第2加圧手段は、前記第2収納室の底に敷く第2シムであり、この第2シムにより前記外側シールリングを押して、前記外側シールリングを前記キャビティ側へ付勢するようにしたことを特徴とする請求項2記載の射出成形用金型。
  4. 前記第1加圧手段は、前記第1収納室の底であり、この底を浅くすることにより前記内側シールリングを押して、前記内側シールリングを前記キャビティ側へ付勢するようにすると共に、前記第2加圧手段は、前記第2収納室の底であり、この底を浅くすることにより前記外側シールリングを押して、前記外側シールリングを前記キャビティ側へ付勢するようにしたことを特徴とする請求項2記載の射出成形用金型。
  5. 前記第1加圧手段は、前記内側シールリングを押し上げる第1回転カム及びこの第1回転カムを回転させる第1回転機構を備えていると共に、前記第2加圧手段は、前記外側シールリングを押し上げる第2回転カム及びこの第2回転カムを回転させる第2回転機構を備えていることを特徴とする請求項2記載の射出成形用金型。
  6. 前記第1加圧手段は、前記内側シールリングを押し上げる第1テーパ片及びこの第1テーパ片をスライドさせる第1スライド機構を備えていると共に、前記第2加圧手段は、前記外側シールリングを押し上げる第2テーパ片及びこの第2テーパ片をスライドさせる第2スライド機構を備えていることを特徴とする請求項2記載の射出成形用金型。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の射出成形用金型を用いて実施する射出成形方法であって、
    前記キャビティへ溶融樹脂を充填する充填工程と、
    この充填工程に実施し前記リングカッタを前記キャビティ内へ前進させるカッタ前進工程と、
    前記溶融樹脂を一定圧力で保持する保圧工程と、
    前記溶融樹脂を冷却させると共に、前記リングカッタを後退させる冷却及びカッタ後退工程と、からなることを特徴とする射出成形方法。
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