JP2015030180A - 繊維強化プラスチック成形の脱型装置及びその脱型方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マトリックス樹脂に熱硬化性樹脂を使用しRTM成形された繊維強化プラスチック成形品を成形型から取り出す脱型方法において、成形体に変形や破損なく脱型出来るようになり、寸法安定性が高い成形品をより効率的に生産でき、成形サイクルタイムを短縮することを目的とする。【解決手段】少なくとも、前記成形型内に設置され、前記成形型から前記繊維強化プラスチック成形品を取り出すための突き出しピンと、前記突き出しピン及び/又は前記突き出しピン近傍を冷却する冷却手段とを有し、前記冷却手段により、前記突き出しピンの作用により前記繊維強化プラスチック成形品に押圧力のかかる領域近傍を、繊維強化プラスチック成形品のガラス転移温度の80%に相当する温度以下まで冷却した後に、前記突き出しピンにより、前記繊維強化プラスチック成形品を突き出して取り出す構成。【選択図】図1

Description

本発明は繊維強化プラスチック(以下FRPと称することがある)を成形した後、成形型より脱型するにあたって、成形品が変形や破損することなく効率的に脱型出来る、FRPの脱型方法に関するものである。
RTM成形における成形品の脱型工程では、成形型はマトリックス樹脂の硬化に必要な温度に予め調整されており、生産性の観点から適正に硬化する温度範囲内において、可能な限り高温に設定されている事が望ましい。
脱型直前の成形品は基本的に成形型温度とほぼ同等であることから、例えば離形性が悪く成形品が成形型に貼りついてしまった場合、脱型の際に製品に作用する負荷(例えば押し出しピンの作動や作業者による引き剥がし作業)により、高温下で軟化している成形品に変形や破損を生じさせる不具合があった。この不具合は成形型温度と成形品のガラス転移温度(以下Tgと称す)が近接しているほど発生しやすい不具合である。脱型システムの改善が成形サイクルを短縮する上でも成形品の変形や破損を防ぐ上でも必要とされてきた。
FRPの成形に限定することなく、効率的な脱型機構として、押し出しピンと圧縮空気を同時作動させて造型中子を離型する手法が提案されている(例えば特許文献1)。
特許文献1に記載の発明は、金型に換装された噴気孔を有する押し出しピンが金型内に突出し、造形金型を金型より離型しかつ押し出し、同時に圧縮ガスを噴出する構成が開示されている。しかし、金型内面の清掃を効率よくすることを目的としており、前記の通り高温下で軟化した成形品において、ピン周辺を冷却し、ピンで脱型する思想は開示されておらず、成形品の変形や破損の原因となる可能性がある。
RTM成形に限らず、FRPの成形では、射出成形、RIM成形といった成形が行われており、これまでに高圧空気流で入り口を有する通気孔と流出口を開閉する上下動可能な密栓とを具備し、流出口よりの高圧空気で成形体を押し上げて離型させる成形型が提案されている。(例えば特許文献2)
しかし、自動車外板部材のような大型の成形品を高圧空気流だけで押し上げるには流出口を大量に設ける必要があり金型コストが高くなる可能性がある。
また、特許文献3に記載された発明は、成形された繊維強化プラスチックを成形型から取り出す脱型方法であって、前記成形型もしくは該成形型に設置されたシリンダーに収納された稼動可能なエジェクターピンによって、前記繊維強化プラスチックを押し出して、該繊維強化プラスチックと成形型の間に隙間を設けながら、該隙間に気体を送りこんで、前記繊維強化プラスチックを前記成形型から取り出す構成が記載され、これによりFRPの成形において脱型時間を短縮して成形全体にかかる時間の短縮を図るほか、成形体厚みが薄いものや、サンドイッチ構造を含むものであったりしても成形体の意匠面を傷つけずに、脱型できる効果が開示されている。
しかし、特許文献3に記載された発明では、エジェクターピンによって、繊維強化プラスチックを押し出して、繊維強化プラスチックと成形型の間に隙間を設けてから、その隙間に気体を送り込む方法であり、エジェクターピンによって繊維強化プラスチックを押し出す前に、押し出しピン近傍を冷却する方法や構成については示唆されていない。
特公昭47―14270号公報 実開平6−3615号公報 特開2009−202440号公報
複雑で大型の形状を成形しようとした場合には、強い力によって型面に張り付いている成形体をはがすために、エジェクターピンによって大きな力で押すことになる。
この場合、成形体の表面を傷つけてしまうことが考えられ、エジェクターを意匠面側にも設けることには課題がある上、成形体が薄い場合や内部にコア材を介在するサンドイッチ構造を含む成形体を脱型する場合には、成形体を破壊したり、サンドイッチ構造においては内部のコア材もつぶしてしまったりすることがある。
本発明の目的は、繊維強化プラスチックを成形した後、成形型より脱型するにあたって、成形品が変形や破損することなく効率的に脱型出来、さらに金型の冷却を一部にとどめることができ、冷却・加温のサイクルを短くでき、生産性の向上につなげられる繊維強化プラスチック成形品の脱型装置及び脱型方法を提供することにあたる。
上記課題を解決するために種々検討を行った結果、本発明者は、以下に示す繊維強化プラスチックの脱型方法を見いだすに至った。
(1)マトリックス樹脂に熱硬化性樹脂を使用しRTM成形された繊維強化プラスチック成形品を成形型から取り出す脱型装置であって、前記成形型内に設置され、前記成形型から前記繊維強化プラスチック成形品を取り出すための突き出しピンと、前記突き出しピン及び/又は前記突き出しピン近傍を冷却する冷却手段を具備することを特徴とした繊維強化プラスチックの脱型装置。
(2)前記冷却手段は、前記突き出しピンの内部に冷却媒体を送出する第1の冷却手段、および/または、前記突き出しピンの周辺部に位置する金型内部に冷却媒体を送出する第2の冷却手段、とからなる(1)に記載の繊維強化プラスチックの脱型装置。
(3)前記冷却手段と個別に独立して温度調節できる温調手段をさらに有する(1)または(2)に記載の繊維強化プラスチックの脱型装置。
(4)少なくとも前記突き出しピンの作用により前記繊維強化プラスチック成形品が押圧される領域を、前記繊維強化プラスチック成形品としてのガラス転移温度の40〜80%に相当する温度まで冷却する(1)〜(3)のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの脱型装置。
(5)前記成形型と前記突き出しピンとの間にシール機構を有している(1)〜(4)いずれかに記載の繊維強化プラスチックの脱型装置。
(6)マトリックス樹脂に熱硬化性樹脂を使用しRTM成形された繊維強化プラスチック成形品を成形型から取り出す脱型方法であって、少なくとも、前記成形型内に設置され、前記成形型から前記繊維強化プラスチック成形品を取り出すための突き出しピンと、前記突き出しピン及び/又は前記突き出しピン近傍を冷却する冷却手段を有し、前記冷却手段により、少なくとも前記突き出しピンの作用により前記繊維強化プラスチック成形品が押圧される領域を、前記繊維強化プラスチック成形品におけるガラス転移温度の40〜80%に相当する温度以下まで冷却する工程と、前記冷却工程後、前記突き出しピンにより、前記繊維強化プラスチック成形品を突き出して取り出す工程を有すること特徴とした繊維強化プラスチックの脱型方法。
本発明によって、繊維強化プラスチック成形品を成形型から取り出す脱型工程において、成形品に変形や破損なく脱型出来るようになり、寸法安定性が高い成形品をより効率的に生産でき、成形サイクルタイムを短縮することが可能である。
本発明に用いる、車体の外板部材を熱硬化性樹脂によりRTM成形するCFRP成形装置の概略斜視図である。 本発明に係るCFRP成形装置の概略全体図である。 本発明に係るCFRP成形装置における、突き出しピンと成形金型の突き出しピン近傍温度調節手段の部分拡大断面図である。
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、マトリックス樹脂に熱硬化性樹脂を使用しRTM成形された繊維強化プラスチック成形品を成形型から取り出す脱型装置であって、前記成形型内に設置され、前記成形型から前記繊維強化プラスチック成形品を取り出すための突き出しピンと、前記突き出しピン及び/又は前記突き出しピン近傍を冷却する冷却手段を具備する構成である。
また、第6の発明は、マトリックス樹脂に熱硬化性樹脂を使用しRTM成形された繊維強化プラスチック成形品を成形型から取り出す脱型方法であって、少なくとも、前記成形型内に設置され、前記成形型から前記繊維強化プラスチック成形品を取り出すための突き出しピンと、前記突き出しピン及び/又は前記突き出しピン近傍を冷却する冷却手段を有し、前記冷却手段により、少なくとも前記突き出しピンの作用により前記繊維強化プラスチック成形品が押圧される領域を、前記繊維強化プラスチック成形品におけるガラス転移温度の40〜80%に相当する温度以下まで冷却する工程と、前記冷却工程後、前記突き出しピンにより、前記繊維強化プラスチック成形品を突き出して取り出す工程を有する構成である。
これによると、熱硬化性樹脂で成形された繊維強化プラスチック成形品を硬化した直後は高温状態となっており、高温のまま成形型から取り出すときに、突き出しピンからの押圧力により、成形品の一部又は全体に破損又は変形が生じやすい傾向にある。そのため、熱硬化性樹脂で成形された繊維強化プラスチック成形品を一旦冷却してから成形型から取り出す事が好ましいが、成形型全体を冷却すると、次の成形を行う際に、成形型全体の温度を再度上げる必要があり、生産性が低下してしまう。
そこで、本発明では突き出しピン及び/又は前記突き出しピン近傍を冷却する冷却手段を設けることにより、突き出しピンからの押圧力が掛かる領域を集中して冷却することにより、硬化後に成形品を取り出す際に、突き出しピンによる成形品へのダメージを抑制でき、また、次の成形の工程において、他の領域は冷却されていないため、生産の効率を落とすことなく、効率的に成形する事ができる。
また、第2の発明は、前記冷却手段は、前記突き出しピンの内部に冷却媒体を送出する第1の冷却手段、および/または、前記突き出しピンの周辺部に位置する金型内部に冷却媒体を送出する第2の冷却手段を有する構成とすることができる。
これにより、冷却を繊維強化プラスチック成形品と直接接触する突き出しピンとともに、突き出しピンの近傍周辺部の成形型を冷却する手段とするとことで、突き出しピンの作用により繊維強化プラスチック成形品に押圧力のかかる領域近傍を効率よく冷却することが可能となる。
また、第3の発明は、成形型は、前記冷却手段と個別に独立して温度調節できる温調手段をさらに有している構成とすることができる。
これにより、突き出しピンの作用により繊維強化プラスチック成形品に押圧力のかかる領域を冷却できるとともに、突き出しピンの作用による押圧力をほとんど無視してよい繊維強化プラスチック成形品の領域は冷却することなく、全体として必要な型温度を維持したまま、次の成形体の製造を行うことができ、生産性の効率を図ることができる。
また、第4の発明は、少なくとも前記突き出しピンの作用により前記繊維強化プラスチック成形品が押圧される領域を、前記繊維強化プラスチック成形品としてのガラス転移温度の40〜80%に相当する温度まで冷却することにより、突き出しピンからの押圧力が掛かる領域を集中して冷却することで、硬化後に成形品を取り出す際に、突き出しピンによる成形品へのダメージの抑制をより確実なものとすることができる。好ましくはガラス転移温度の50%に相当する温度まで冷却する。ガラス転移温度の80%に相当する温度よりも高いと成形品への損傷を抑制する効果が弱くなる傾向にある。
また、第5の発明は、前記成形型と前記突き出しピンとの間にシール機構を有する構成とすることができる。
これにより、流動状態の熱硬化マトリクス樹脂の漏れを防ぐことができる。
本発明の実施の形態について、脱型に用いられる冷却機能と脱型用突き出しピンが配置された成形型の実施形態の一例について説明する。
成形型は上型と下型からなり所定の温度に温調された後、油圧プレス機によって型締めされる。下型に直接補強繊維基材を、もしくは事前に成形型に収まりやすいように補強繊維基材を製品形状に賦形したプリフォーム基材を設置し、型を閉じる。
次に、成形型に取り付けられた真空吸引口から真空ポンプにより減圧し、型内が負圧状態で、樹脂注入口から樹脂を注入する。一定時間樹脂を硬化させた後、成形体(繊維強化プラスチック)を脱型する。
成形型には所定数の樹脂注入口と真空吸引口が設けられている。樹脂注入ライン、樹脂吸引ラインはそれぞれ配管を介して樹脂注入口、真空吸引口に接続される。樹脂注入ラインには樹脂注入装置が接続されている。真空吸引ラインには真空ポンプが接続される。この樹脂注入装置は主剤タンク、および硬化剤タンクにそれぞれ主剤、硬化剤を収容し、それぞれのタンクは加温できるようになっている。樹脂注入時にはそれぞれのタンクから主剤側加圧装置、硬化剤側加圧装置により樹脂を樹脂注入流路に向かって押し流す。加圧装置はこの例ではシリンジポンプを用いており、シリンジを同時に押し出すことで定量性も確保することが2液混合により硬化する樹脂には好ましい。主剤と硬化剤とはミキサーで混合され、樹脂注入ラインに至る。
次に、図3に本発明に係る突き出しピン付近の拡大断面図を示す。本発明は、下型3に収納された稼動可能な脱型用突き出しピン4によって成形品2を押し出し、RTM成形型本体11から成形品2を取り出す構成である。
ここで、本発明において脱型用突き出しピン4とは、下型3に収納されていて、下型3に貼りついている成形品2を取り出すときに、前述の収納部分から押し出して用いるものである。
図3のように、脱型用突き出しピン4で成形品2を突き出しピン4で押し上げながら、突き出しピン付近より逐次はがしていくことができる。
なお、本発明に用いられる脱型用突き出しピン4の作動は、油圧シリンダー等を取り付けて押し出させる方法を用いることができる。
成形品を効果的に脱型するためには、型の中でもより抜きにくい位置に対し、ある程度の間隔をおいて必要数の突き出しピン4を配置することが好ましい。ここで言う抜きにくい位置とは、例えば箱型形状の角部等のような部分のことを言う。また、ある程度の間隔とは、例えば2つの突き出しピン同士が設置される間隔が5〜50cm程度で設置されるような状態を言う。突き出しピン4は成形型の下型に配置され、成形体と接する面の好適な直径は10〜30mm、突き出しストロークは5〜50mmである。
本発明の突き出しピン4及び/又は突き出しピン近傍を冷却する冷却手段として、突き出しピン4の内部に冷却媒体を送出する第1の冷却手段、および/または、突き出しピン4の周辺部に位置する金型内部に冷却媒体を送出する第2の冷却手段を有する構成とすることができる。第1の冷却手段において、突き出しピン4の内部に冷却媒体を流すことにより、成形品と直接接触する突き出しピン4を冷却することができる。
また、突き出しピン近傍を冷却する第2の冷却手段の構成を図3に示す。突き出しピン近傍とは、突き出しピン4の周辺部の成形品と接近した領域である。突き出しピン4の突き出し部分の先端平面の中心部から最外辺までの長さに対して、2倍までの距離にある領域を冷却することが好ましい。好ましくは4倍である。この突き出しピン近傍領域を冷却することで、他の領域の冷却をすることなく、損傷なく成形品の取り出しを可能とすることができる。
突き出しピン近傍を冷却する第2の冷却手段としては、成形品と近接する成形型内で突き出しピンの周辺に円周状に冷却媒体を流れる配管を配置する構成が好ましい。
また、成形型は、冷却されるべき成形品の一部分または全体に相当する成形型表面と、冷却を必要としないそれ以外の成形型表面とを個別に独立して温度調節できる機能を有する構成とすることができる。
この構成としては、図3に示すように、冷却時は上型/下型の突き出しピン近傍温度調節手段6、8又は脱型用突き出しピン内温度調節手段10により、突き出しピン4や突き出しピン近傍に位置する成形品の冷却を行い、それら以外の領域では上型/下型の温度調節手段7、9にて温度調整を行う構成である。
また、本発明において、突き出しピン4と成形型との間にシール機構を有していることが望ましい。具体的には、パッキン、O−リング、シールである。このシール機構は、ピンを収納する成形型内部へ樹脂の侵入を防ぐために設置する。
本発明に係るRTM成形法で使用する樹脂としては、粘度が低く補強繊維への含浸が容易な熱硬化性樹脂を形成するRIM用モノマーが好適であり、その中でもFRP構造体の熱収縮を低減させ、クラックの発生を抑えるという点から、エポキシ樹脂がより適している。
FRPの補強繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維等の無機繊維、あるいはアラミド繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維からなる補強繊維が挙げられる。FRPのマトリックス樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
また、本発明で使用する補強繊維基材とは、例えば樹脂の含浸されていない補強繊維を指し、その補強繊維の織物やチョップドファイバー、マット、ニット材料、さらにこれらの組み合わせ等が挙げられ、その用途により使い分けられる。
成形型の材質としてはFRP、鋳鋼、構造用炭素鋼、アルミニウム合金、亜鉛合金、ニッケル電鋳、銅電鋳があげられる。量産には、剛性、耐熱性、作業性の面から構造用炭素鋼が好適である。また、FRP成形体の意匠性、離型性を向上させるため#1000以上の磨き面または、ハードクロムめっきであることが好ましい。
次に、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1は、車体の外板部材を熱硬化性樹脂によるRTM成形する斜視図を示す。図2は、CFRP成形装置の一例として実施したRTM成形装置の全体図を示す。図3は、突き出しピンと成形金型の突き出しピン近傍温度調節手段を具備した構成の拡大断面図を示す。
図1において、21は樹脂供給ライン、22は真空吸引ライン、23はキャビティ、24は樹脂注入口、25は真空吸引口である。連続生産に適するために、樹脂注入口24と真空吸引口25はキャビティ23側へ連通する孔を持ち、機械的に開閉可能な構造とした。RTM成形金型は、樹脂注入口24を1個と真空吸引25を2個持つ構成の上型1と、脱型用突き出しピン4を含む下型3の上下型構造である。脱型用突き出しピン4は下型3の外縁部にあたる10箇所配置されている。成形品と接するピンの直径は25mm、突き出しストロークは最大40mmとした。
プリフォーム26は炭素繊維基材(組織:T700−12K平織、目付:330gsm、東レ(株)製)が4枚積層されており、下型3上に配置し、油圧プレス機18にて上型1を閉じ、型締めを行う。
樹脂注入口24は樹脂供給ライン21と、樹脂排出口は真空吸引口25と併用するものであり、真空吸引ライン22と連結されている。型内の密閉を保つために、シール材29を下型3の外周に配置してある。
上型1と下型3はそれぞれ温調機27、28によって120℃に温調され、一定加温されている。脱型用突き出しピン4自体は成形時に温度調節されていないが、隣接した下型からの熱により下型と略同じ温度に保持されている。
次に、図2を用いて、成形方法について説明する。
12は樹脂注入機、13は主剤タンク、14は主剤シリンジポンプ、15は硬化剤タンク 、16は硬化剤シリンジポンプ、17はミキサー、18はRTM成形金型を含む油圧プレス機、19は樹脂吸引用真空ポンプ、20は脱型用突き出しピン油圧ユニット、21は樹脂供給ライン、22は真空吸引ライン、23はキャビティを示す。
図2において、真空吸引ノズルは真空ポンプ19と連結されている。脱型用突き出しピン4は脱型用突き出しピン油圧ユニット20上に連結され上下方向に駆動される。
真空吸引口25(図1に記載)から真空吸引ライン22を通じて真空ポンプ19で空気を排出し、キャビティ23内圧力が減圧した後、樹脂注入機12を作動させ、樹脂供給ライン21を通し、ミキサー17で混合・攪拌されたエポキシ樹脂で満たし、樹脂注入口24(図1に記載)より注入を開始する。マトリックス樹脂にはエポキシ樹脂を使用し、主剤として商品名EPIKOTE Resin 828(Momentive Specialty Chemicals BV社製)、硬化剤として酸無水物系の硬化剤を使用した。
樹脂注入機12では事前に主剤タンク13、硬化剤タンク15を30〜70℃の温度で攪拌しながら加温し、所定の粘度まで降下させた。
エポキシ樹脂は所定の流量で制御して注入した。主剤、硬化剤ともに各シリンジポンプ15、17により送り出され、本製品を1度の液送で十分充填可能なだけの容積を有しているものを選定した。流量をモニタすることで型内に充填されたエポキシ樹脂量を把握できる、真空吸引口25近傍まで樹脂が型内に満たされている事を確認した後に真空吸引口25を閉じる。
エポキシ樹脂がキャビティ23内に充満し、型内の圧力を一定時間保圧しながら、樹脂注入口24を閉じ、約5分硬化させた。
図3において、突き出しピンと成形金型の突き出しピン近傍温度の調節について説明する。
1は上型、2は成形品、3は下型、4は脱型用突き出しピン、5はOリング、6は下型側の突き出しピン近傍温度調節手段、7は下型側の温度調節手段、8は上型側の突き出しピン近傍温度調節手段、9は上型側の温度調節手段、10は脱型用突き出しピン内の温度調節手段、11はRTM成形型本体を示す。
脱型用突き出しピン4はその内部に冷却媒体を循環することができる脱型用突き出しピン内の温度調節手段10有する構成である。
脱型用突き出しピン4近傍を冷却するための下型側の突き出しピン近傍温度調節手段6は、成形品と近接する成形型内で突き出しピンの周辺に円周状に冷却媒体を流れる配管を配置した。本実施例では、突き出しピンの中心から30mmの位置に冷却媒体を流す配管を配置した。
さらに、40mm外側に下型側の温度調節手段7として、温度調節が可能な熱媒体を流せる配管を突き出しピン近傍温度調節手段6とは独立して配置した。
同様に上型側の温度調節手段9として、温度調節が可能な熱媒体を流せる配管を突き出しピン近傍温度調節手段8とは独立して配置した。なお、金型を開けた後は、上型と成形品との熱交換が行われないため、上型側 突き出しピン近傍温度調節手段8は必要に応じて冷却手段を省略しても良い。
脱型用突き出しピン4の摺動面に関しては設置されたOリング5によって密閉した。
(実施例1)
エポキシ樹脂の硬化後、脱型用突き出しピン内温度調節配管10と突き出しピンの周長に隣接した一部の下型側の突き出しピン近傍温度調節配管6に冷却水を流し成形品2を冷却開始すると同時に、油圧プレスにて上型1を開いた。冷却温度は、成形品のガラス転移温度はDSC(示差走査熱量測定装置)測定で130℃であったため、80%に相当する温度の104℃まで冷却を行った。
その冷却後に突き出しピン4を作動させて突き出し成形品2を脱型した。脱型後は次の成形に備え、脱型用突き出しピン内の温度調節手段10の冷却機能は止められ、突き出しピン4は元の位置に戻された。また、突き出しピン4の周長に隣接した下型側の突き出しピン近傍温度調節手段6は再度所定の温度まで加温された。
成形品を脱型した後、脱型ピン4と直接接触していた成形品の一部は、押圧力による成形品の局所的な凹みがみられたが、成形品が破損することなく脱型出来た。
(比較例1)
実施例1と同様の成形条件にて成形を行い、脱型する際に、型用突き出しピン内 温度調節手段10と突き出しピンの周長に隣接した一部の下型側突き出しピン近傍温度調節手段6による冷却を行うことなく脱型を行った。この場合突き出しピン4と直接接触していた成形品2の一部が、その押圧力により突き破られてしまった。また、突き破られていない箇所でも脱型用ピン4周囲に相当する箇所が大きく変形し、製品形状を保っていない事を確認した。
(比較例2)
実施例1と同様の成形条件にて成形を行い、脱型する際に、突き出しピン内温度調節手段10、突き出しピンの周長に隣接した下型側突き出しピン近傍温度調節手段6、上型側突き出しピン近傍温度調節手段8に冷却水を流し、脱型を行った。この場合も実施例1と同様に、脱型ピン4と直接接触していた成形品の一部は、押圧力による成形品の局所的な凹みがみられたが、成形品が破損することなく脱型出来た。
1 上型
2 成形品
3 下型
4 脱型用突き出しピン
5 Oリング
6 下型側の突き出しピン近傍温度調節手段
7 下型側の温度調節手段
8 上型側 突き出しピン近傍温度調節手段
9 上型側 温度調節手段
10 脱型用突き出しピン内 温度調節手段
11 RTM成形型本体
12 樹脂注入機
13 主剤タンク
14 主剤シリンジポンプ
15 硬化剤タンク
16 硬化剤シリンジポンプ
17 ミキサー
18 油圧プレス機
19 樹脂吸引用真空ポンプ
20 脱型用突き出しピン油圧ユニット
21 樹脂供給ライン
22 真空吸引ライン
23 キャビティ
24 樹脂注入口
25 真空吸引口(樹脂排出口)
26 プリフォーム
27 上型温度調節機
28 下型温度調節機
29 シール材

Claims (6)

  1. マトリックス樹脂に熱硬化性樹脂を使用しRTM成形された繊維強化プラスチック成形品を成形型から取り出す脱型装置であって、前記成形型内に設置され、前記成形型から前記繊維強化プラスチック成形品を取り出すための突き出しピンと、前記突き出しピン及び/又は前記突き出しピン近傍を冷却する冷却手段を具備することを特徴とした繊維強化プラスチックの脱型装置。
  2. 前記冷却手段は、前記突き出しピンの内部に冷却媒体を送出する第1の冷却手段、および/または、前記突き出しピンの周辺部に位置する金型内部に冷却媒体を送出する第2の冷却手段、とからなる請求項1に記載の繊維強化プラスチックの脱型装置。
  3. 前記冷却手段と個別に独立して温度調節できる温調手段をさらに有する請求項1または2に記載の繊維強化プラスチックの脱型装置。
  4. 少なくとも前記突き出しピンの作用により前記繊維強化プラスチック成形品が押圧される領域を、前記繊維強化プラスチック成形品としてのガラス転移温度の40〜80%に相当する温度まで冷却する請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化プラスチックの脱型装置。
  5. 前記成形型と前記突き出しピンとの間にシール機構を有している請求項1〜4いずれかに記載の繊維強化プラスチックの脱型装置。
  6. マトリックス樹脂に熱硬化性樹脂を使用しRTM成形された繊維強化プラスチック成形品を成形型から取り出す脱型方法であって、少なくとも、前記成形型内に設置され、前記成形型から前記繊維強化プラスチック成形品を取り出すための突き出しピンと、前記突き出しピン及び/又は前記突き出しピン近傍を冷却する冷却手段を有し、前記冷却手段により、少なくとも前記突き出しピンの作用により前記繊維強化プラスチック成形品が押圧される領域を、前記繊維強化プラスチック成形品におけるガラス転移温度の40〜80%に相当する温度以下まで冷却する工程と、前記冷却工程後、前記突き出しピンにより、前記繊維強化プラスチック成形品を突き出して取り出す工程を有すること特徴とした繊維強化プラスチックの脱型方法。
JP2013161045A 2013-08-02 2013-08-02 繊維強化プラスチック成形の脱型装置及びその脱型方法 Pending JP2015030180A (ja)

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