JP4774927B2 - Frp補強タンクの成形装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水素ガスや液化石油ガス(以下LPGという)などを圧縮した状態で収容する圧力容器(タンク)の成形装置に係り、特に強化繊維により芯体となるライナーの外周をブレイディング組成して被覆したFRP補強タンクの成形装置に関するものである。
従来、周知のように、水素ガスやLPG(液化天然ガス)などを圧縮した状態で収容する所謂圧力容器は、耐圧性や耐衝撃性を確保する目的で、一般的には、金属製の容器が採用されてきている。しかし、この金属製の容器は、高重量のものであることから、軽量化が求められる自動車や飛行体の燃料タンク等に適用することは困難であると共に、運搬並びに取り扱いに多大な労力を要し、且つコスト高という問題点を有している。
さらに、収容するガスの種類や、使用する環境、例えば海の近辺などの塩分の影響が大きい場所等では、容器が腐蝕するという問題がある。
この種の圧力容器に見られる問題点を解消する目的において、ガラス繊維や炭素繊維、あるいはナイロン繊維等の高強力糸条よりなる組物構造体で樹脂製のライナーを被覆した繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics:以下、FRPという。)で圧力容器(FRP補強タンク)を作成する試みがある。このFRP補強タンクは、耐腐食性に優れ、さらに、軽量化とコストダウンが図れ、運搬並びに取り扱いが容易で、しかも、安価に提供し得る点において極めて有利なものである。
FRP補強タンクを製造するための繊維プリフォームは、所定形状の芯体(ライナー)に、フィラメントワインディング法により所定の強化繊維を巻き付けてFRP層を成形することも、ブレイダーにより所定の繊維をブレイディング組成して成形することもできる。また、繊維プリフォームに樹脂を含浸して硬化させてFRP補強タンクを製造する。
樹脂を含浸するには、予め樹脂を含浸させた強化繊維を用いてフィラメントワインディング組成もしくはブレイディング組成する方法や、樹脂が含浸されていない強化繊維をフィラメントワインディング組成後もしくはブレイディング組成後に含浸する方法がある。また、組成後に樹脂を含浸する方法には、真空含浸法や加圧含浸法がある。真空含浸法は、真空ポンプによりプリフォーム内の空気を除去した状態で樹脂を含浸させる方法であり、加圧含浸法は、加圧しながら樹脂を含浸させてプリフォーム内の空気を追い出しながら樹脂を圧入していく方法である。
ブレイダーにより繊維強化圧力容器を製造するブレイダーシステムとして、直胴部とドーム部とを備える形状のFRP製の圧力容器を、一体的に自動的にブレイディングする方法が既に本出願人より出願されている。(例えば、特許文献1参照)。
また、ブレイダーを用いて組成体を形成し、この組成体に樹脂を含浸させ硬化させて耐圧容器を製造する耐圧容器製造方法も既に出願されている。(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−262955号公報(第1−6頁、第1図) 特開2005−113963号公報(第1−6頁、第5図)
圧力容器の性能として、最高充てん圧力、最小破裂圧力が定められており、所定の耐圧性および耐久性が要求されている。そのために、FRP補強タンクを成形する場合には所定肉厚の成形品が必要となる。また、樹脂を含浸したプリフォーム内に空気が残留してボイド(空隙)が形成された部分や、樹脂含浸の不十分な部分があると、圧力容器の耐圧性や耐久性が損なわれるという問題が生じる。
また、樹脂を予め含浸した強化繊維をフィラメントワインディング組成もしくはブレイディング組成する方法および強化繊維に樹脂を含浸しながらフィラメントワインディング組成もしくはブレイディング組成する方法では、それぞれの組成時の巻き工程に長時間を要するので、この巻き工程の間に樹脂の硬化反応が進まないようにするために、反応性の低い(硬化時間が長い)樹脂を用いる必要がある。そのために、これらの方法では、成形工程に長時間を要するという問題が生じる。
さらに、組成後に真空引きして樹脂を注入する真空含浸法によれば、プリフォーム内の空気を除去することは容易であるが、樹脂特に粘度の高い樹脂をプリフォーム内部まで含浸させることは困難である。また、組成後に樹脂を加圧注入する加圧含浸法によれば、粘度の高い樹脂でもプリフォーム内部まで含浸させることはできるが、プリフォーム内の空気を完全に除去することは困難である。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、圧力容器となるFRP補強タンクを成形する際に、成形工程に要する時間を短縮すると共に、ボイドが生じず成形品内部まで樹脂含浸が可能なFRP補強タンクの成形装置を提供することである。
上記の目的を達成するために請求項1に係る発明は、架台上に、芯体となるライナーに強化繊維層が巻回された巻付体を支持するライナー支持手段と、前記巻付体を密閉する筒体を摺動自在に支持する筒体支持手段とを配設してなるFRP補強タンクの成形装置であって、前記ライナー支持手段を、前記ライナーの中心軸に相当し前記ライナーの両側に延設して装着される心棒と、該心棒を支持する複数のシリンダ部材とから構成すると共に、それぞれの心棒をそれぞれ二個のシリンダ部材で支持する構成とし、前記シリンダ部材を駆動して前記心棒の支持を解除し、前記筒体を挿通可能としていることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項1に係る発明によれば、芯体となるライナーに強化繊維層が巻回された巻付体を密閉する筒体が、架台上に設置した巻付体を被覆する位置と露出する位置とに挿通可能となるので、巻付体への樹脂含浸と樹脂硬化と、成形されたFRP補強タンクの取り出しとを自在に行うことができる。
請求項2に係る発明は、前記筒体は分離自在な金型であり、前記金型に樹脂を注入する樹脂注入器と、前記金型から漏出する樹脂を受け取る樹脂トラップと、該樹脂トラップに連通する真空ポンプとを有し、前記金型の一方の端部に樹脂注入口を設けて前記樹脂注入器を接続し、他方の端部に真空引き口を設けて前記樹脂トラップを接続し、前記樹脂注入器にコンプレッサーを配設して所定の硬化剤と混合された樹脂を前記金型に加圧注入する構成とすると共に、注入された樹脂を硬化させるための加熱手段を前記金型に設け、さらに、前記それぞれのシリンダ部材を順に駆動して前記心棒の支持を解除し、前記分割された金型を順次挿通可能としていることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項に係る発明によれば、真空引きしながら樹脂を加圧注入することができ、粘度の高い樹脂でも、組成後の巻付体の内部まで樹脂を含浸して硬化させることが可能となる。
請求項に係る発明は、前記加熱手段が、前記金型の外表面に装着されるシートヒータであることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項に係る発明によれば、樹脂が含浸された巻付体の全体を一様に所定温度まで加熱することができる。
請求項に係る発明は、前記金型を直胴部と該直胴部の両側にそれぞれ配設されるドーム部とに少なくとも3分割し、一方のドーム部金型に樹脂注入口を設け、他方のドーム部金型に真空引き口を設けて、直胴部の両側にドーム部を備える形状の前記巻付体を被覆して密閉する構成としたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項に係る発明によれば、金型の直胴部長さを変更することでドーム部と直胴部を備える任意の長さのFRP補強タンクを製造することができる。
請求項に係る発明は、前記樹脂注入口に注入側バルブを、前記真空引き口に流出側バルブを設けると共に、それらのバルブの開閉制御、前記真空ポンプや前記コンプレッサーの駆動制御、および前記加熱手段の加熱温度を制御する制御装置を設けたことを特徴としている。
上記の構成を有する請求項に係る発明によれば、真空引きしながら樹脂を加圧注入することも、徐々に昇温しながら樹脂を加圧注入することも可能となり、樹脂の含浸と硬化を短時間に確実に行えるよう制御することができる。
請求項6に係る発明は、前記金型にそれぞれ、隣接する金型同士を締結する締結手段を有するフランジを設け、前記巻付体を被覆した状態で、前記締結手段を介して全ての金型を締結して密閉する構成としていることを特徴としている。
上記の構成を有する請求項6に係る発明によれば、架台上に設置した巻付体を密封状態に被覆するので、高圧で樹脂の注入が可能となり、粘度の高い樹脂でも巻付体内部まで確実に含浸させることができる。
本発明によれば、芯体となるライナーに強化繊維層が巻回された巻付体を密閉する筒体が、架台上に設置した巻付体を被覆する位置と露出する位置とに挿通可能となるので、巻付体への樹脂含浸と樹脂硬化と、成形されたFRP補強タンクの取り出しとを自在に行うFRP補強タンクの成形装置を得ることができる。
以下、本発明に係るFRP補強タンクの成形装置の実施の形態について、図1から図4に基づいて詳細に説明する。
本発明に係るFRP補強タンクの成形装置1は、紐状の強化繊維をブレイディング組成した繊維製のプリフォームに樹脂(熱硬化性樹脂)を含浸した後で加熱硬化して、FRP補強タンクを成形する装置であって、図1に示すように、架台10上に、芯体となるライナーにブレイディング法により強化繊維層が巻回された巻付体2を支持して、該巻付体2を被覆して密閉する金型5(5A、5B、5C)を備えている。
巻付体2は、直胴部の両側にドーム部を備える形状であって、前記金型5を直胴部金型5Aと該直胴部金型5Aの両側にそれぞれ配設されるドーム部金型5B、5Cとに少なくとも3分割した構成としている。そのために、架台10上に設置される巻付体2の片側に直胴部金型5Aと一方のドーム部金型5Bを待機させ、前記巻付体2の反対側に他方のドーム部金型5Cを待機させる構成とし、それぞれの金型を前記架台上に設置されるレール11に沿ってスライドし摺動自在とすると、シリンダ部の両側にドーム部を備える形状の前記巻付体2を被覆する位置と露出する位置とに摺動して移動自在となる。つまり、巻付体2が着脱自在であり、前記巻付体2に樹脂が含浸硬化されたFRP補強タンクも着脱自在となる。
前記巻付体2は、心棒3A、3Bにより支持されている。また、心棒3Aはシリンダ部材4A、4Bに支持されており、心棒3Bはシリンダ部材4C、4Dに支持されている。前記心棒3A、3Bを、巻付体2の中心軸部を貫通する一本の心棒3としてもよいが、本実施の形態のように、巻付体2の両側に別々に心棒3A、3Bを装着して中心軸を構成すると、巻付体2の長さに拘らずに使用可能となり好適である。
上記の構成であれば、前記ドーム型金型5B、5Cを用いて、円筒形の直胴部金型5Aの長さを変更するだけで、種々の長さの巻付体2を構成することができ、任意の長さのFRP補強タンクを成形することができる。また、前記直胴部金型5Aをさらに複数の金型に分割することも可能である。
上記のように、巻付体2は、巻付体2の両側にそれぞれ二本合計四本のシリンダ部材で支持されているので、片側の一本を取り外しても、前記巻付体2を支持可能な構成としている。そのために、それぞれのシリンダロッド4a、4b、4c、4dのいずれかを短縮して、それぞれのロッド先端部に装着されたV型サポートを心棒から離反可能な構成である。
前記直胴部金型5Aはスライドガイド5aを備えており、ドーム部金型5Bはスライドガイド5bを、ドーム型金型5Cはスライドガイド5cを備えている。そのために、それぞれのスライドガイドはレール11上を摺動自在であり、それぞれの金型を巻付体2の軸線に沿って平行にスライドさせる構成である。
そのために、図1に示す状態から、シリンダロッド4aを短縮して降下すると、直胴部金型5Aをシリンダロッド4b部までスライド移動することができる。次いで、シリンダロッド4aを上昇し、心棒3Aを支持してシリンダロッド4bを降下すると、さらに巻付体2を被覆する位置までスライド移動する。このように、金型通過地点のシリンダ部材を駆動してこの動作を繰り返すことで、すべての金型をスライド移動して巻付体2を被覆することができる。
図2には巻付体2を金型5で被覆した状態を示しているが、芯体となるライナー2Aにブレイディング法により強化繊維層2Bが巻回された巻付体2を複数の金型5A、5B、5Cから構成される金型5により密閉する構成としている。
金型は、それぞれ締結手段を有するフランジを備えており、相接するフランジ同士を締結することができる。本実施の形態では、前記フランジの周方向に多数設ける螺子固着部をネジ固定する構成としているが、密着させたフランジ部同士を固着する締結手段であればよく特に限定するものではない。このように、隣接するフランジを締結した金型5としているので、樹脂注入圧や真空圧に耐える剛性と気密性を有する金型となる。また、ドーム部金型5Bの外側には樹脂注入口7Aを有するフランジ部材7を装着し、ドーム部金型5Cの外側には真空引き口8Aを有するフランジ部材8を装着している。前記フランジ部材7はドーム部金型5Bの端部を密封すると共に心棒3Aを着脱自在とする取付部材であり、前記フランジ部材8は、ドーム部金型5Cの端部を密封すると共に心棒3Bを着脱自在とする取付部材となっている。
Spはスペーサであって、相接するフランジ間に前記スペーサSpを介装することで、微笑な寸法変化に対応して、所定寸法のFRP補強タンクを成形することが可能となる。また、前述した直胴部金型5Aの長さを変更することと合わせて、種々の長さ変更に容易に対応することができる。
上記のような構成としているので、ライナー2Aと強化繊維層2Bから形成される巻付体2は、分離自在な複数の金型5A、5B、5Cと両端部のフランジ部材7、8により、完全に密閉される構成となる。つまり、前記樹脂注入口7Aから、樹脂を加圧注入しても、前記真空引き口8A以外から漏れ出すことはない。
樹脂を巻付体2の内部まで含浸させるために、前記真空引き口8Aから空気を吸い出すと共に、樹脂注入口7Aから樹脂を加圧注入する構成としている。そのために、巻付体2の内部の空気を排出して樹脂を含浸させることが可能となる。
また、注入した樹脂が必ず巻付体2の内部を通過して排出されるためには、巻付体2の外径が金型5の内径と略等しくて、隙間のないことが好ましい。隙間が生じた場合はその隙間部に樹脂が多く付着する樹脂リッチ部が形成され、強度の弱い部分が生成されるからである。
そのために、ライナー2Aにブレイディング法により強化繊維層2Bが巻回された巻付体2の外径は、金型5が擦れる程度が好ましい。もし、所定の寸法より小さい時には、ガラスクロスを巻き付けて所定の外径寸法とすることができる。そうすると、このガラスクロス部分がGFRP(グラスファイバ強化プラスチック)となって、耐衝撃層としての機能を発揮し、FRP製の圧力容器として効果的な機能を有することになる。また、剥離処理を施したクロス材等を巻付体2表面に巻き付けて、樹脂硬化後に剥離することで表面樹脂層を除去することも可能である。
次に、図3に示すシステム概略図および図4に示すモデルにより本発明に係るFRP補強タンクの成形装置の成形システムについて説明する。
この成形システムは、樹脂注入器20、金型5、樹脂トラップ30、真空ポンプ31を備えている。樹脂注入器20は樹脂主剤と硬化剤を混合・攪拌した後、真空脱泡してコンプレッサー21によって、バルブ23および配管24を介して、金型へ加圧注入する機能を有する。
金型5は、フランジを有する鋼製の円筒形状とし、樹脂注入圧および真空圧に耐える剛性と気密性を有する。前記金型5には樹脂注入口とその反対側に流出口を設け、バルブ25、36の開閉により内部キャビティ部の真空引き、樹脂の加圧注入を切り換えることができる。また、金型5の流出口には樹脂トラップ30を設置し、バルブ36、配管35を経由して排出される樹脂が真空ポンプ31へ流入することを防止している。さらには、樹脂注入口と金型には、それぞれ熱電対を内蔵した加熱手段6、26を設置し、それぞれヒータコントローラを用いて所定の温度にプログラム制御する構成としている。
22は圧力計であり、コンプレッサー21による加圧力を表示している。また、32は真空計であって、バルブ33、配管34を介して樹脂トラップ30に伝達される真空度を表示している。
上記のように、樹脂注入口に注入側バルブを、前記真空引き口に流出側バルブを設けると共に、それらのバルブの開閉制御、真空ポンプやコンプレッサーの駆動制御、および加熱手段の加熱温度を別に設ける制御装置(不図示)により制御する構成としている。
そのために、芯体となるライナーに強化繊維層が巻回された巻付体2の内部まで樹脂を含浸可能な空気吸引および樹脂注入圧の制御、加熱温度の制御、および、加熱中のさらなる樹脂注入の制御を自在に設定可能となる。これは、樹脂が加熱されて硬化していく途中で硬化収縮するので、この収縮分を補う量の樹脂を加圧注入することが肝要となるからである。また、樹脂の収縮量つまり新たな樹脂の注入量は、巻付体2の形状や樹脂タイプにより異なるので、上記した制御装置を備える本実施の形態によれば、それぞれのFRP補強タンクの大きさや樹脂タイプに応じて、適当な樹脂注入圧と加熱温度とを設定し制御することができ好適である。
図4に示すモデルMは、金属製のライナーに炭素繊維(東レ製T800SC−24K)をブレイディング組成したプリフォームに、樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂のエピコート827(ジャパンエポキシレジン社製)と、硬化剤としての変性芳香族アミン系硬化剤エピキュアW(ジャパンエポキシレジン社製)とを用いて樹脂成形を行った例を示している。上記の樹脂と硬化剤とを組み合わせると、耐熱性、耐薬品性、物理性能に優れた硬化物が得られる。
また、金型を加熱する際に、金型5の外表面に装着するシートヒータから構成される加熱手段6のみを用いて加熱したサンプル例と、図4(a)に示すように、前記加熱手段6に加えてライナーもしくは心棒3C内部に設ける加熱手段9を用いて、内面側からも加熱したサンプル例を成形した。
図4(b)には肉厚tが30mmの厚肉の成形品を示している。前記成形品の樹脂含浸性(樹脂未含浸部の有無、樹脂注入時間、樹脂流出量)を検査、比較したところ、いずれの例でも、樹脂注入時間および樹脂流出量に差はなく、樹脂未含浸部も存在しなかった。樹脂未含浸部の有無は、図4(b)に示す脱芯した成形品内層部の検査と、成形品を輪切り状に切断しての検査を行い確認した。
上記したように、厚肉の成形品であっても加熱手段6のみで十分硬化可能であることが実証され、この実証実験に基づいて図1に示す実サイズのタンク成形装置を構成したものである。
図1に示すFRP補強タンクの成形装置1は、前述した通り、金型5を直胴部と該直胴部の両側にそれぞれ配設するドーム部とに3分割した例である。また、これらの金型は、それぞれ巻付体2の外径に密着する内径を有すると共に、型の抜き勾配となるテーパー部を有する金型であって、前記巻付体2のセットと成形後の脱型が容易にまた確実に行える構成とされている。
それぞれの金型は架台10上のレール11に沿ってスライド自在であるので、巻付体2の中心軸(心棒3の中心軸と一致する)に平行に摺動し、架台10上に設置される巻付体2を確実に被覆することができる。さらに、それぞれの金型のフランジ部同士をネジ固定(例えば、M12ボルト×18箇所)して締結して、樹脂注入圧と真空圧に耐える剛性と気密性を付与している。
また、樹脂の加圧注入および真空引きを長手方向の両側端面から行う構成とし、金型の外周面に設けた加熱手段により金型の温度を制御する構成とすることで、前記巻付体2の内部まで確実に樹脂を含浸させて硬化させることが可能となる。
前記金型は、巻付体および前記巻付体に樹脂が含浸されたFRP補強タンクに着脱自在であるので、繰り返し使用可能となり、所定形状のFRP補強タンクを連続生産することが可能となる。また、強化繊維層が巻回された巻付体を分割した金型で密閉して、真空引きしながら樹脂を加圧注入し、金型全体を加熱する成形装置としたので、金型の直胴部長さを変更することで任意の長さのFRP補強タンクを製造可能なFRP補強タンクの成形装置を得ることができる。
上記したように、本発明に係るFRP補強タンクの成形装置によれば、直胴部の両側にドーム部を備える形状のFRP補強タンクが連続成形可能となる。また、組成後の巻付体に樹脂を含浸するので、本実施の形態で説明したブレイディング法に限らずフィラメントワインディング法による組成時でも、樹脂を含浸していない強化繊維を用いて組成した後でも、巻付体内部まで確実に樹脂を含浸することができる。そのために、樹脂と硬化剤との混合は樹脂注入工程の直前でよく、要求されるポットライフ(可使時間)も短時間でよく、ポットライフが短い短時間硬化樹脂等が適用可能となり、製造工程の簡略化と高速化が可能となる。
本発明に係るFRP補強タンクの成形装置の全体概略図である。 本発明に係るFRP補強タンクの成形装置の要部断面斜視図である。 本発明に係るFRP補強タンクの成形装置のシステム概略図を示す。 本発明に係るFRP補強タンクの成形装置の模式図を示しており、(a)には要部模式図を示し,(b)は成形品サンプルの断面を示す。
符号の説明
1 FRP補強タンクの成形装置
2 巻付体
3A、3B 心棒
4A、4B、4C、4D シリンダ部材
5 金型
5A 直胴部金型
5B、5C ドーム部金型
6 加熱手段
7A 樹脂注入口
8A 真空引き口
10 架台
20 樹脂注入器
21 コンプレッサー
30 樹脂トラップ
31 真空ポンプ

Claims (6)

  1. 架台上に、芯体となるライナーに強化繊維層が巻回された巻付体を支持するライナー支持手段と、前記巻付体を密閉する筒体を摺動自在に支持する筒体支持手段とを配設してなるFRP補強タンクの成形装置であって、
    前記ライナー支持手段を、前記ライナーの中心軸に相当し前記ライナーの両側に延設して装着される心棒と、該心棒を支持する複数のシリンダ部材とから構成すると共に、それぞれの心棒をそれぞれ二個のシリンダ部材で支持する構成とし、前記シリンダ部材を駆動して前記心棒の支持を解除し、前記筒体を挿通可能としていることを特徴とするFRP補強タンクの成形装置。
  2. 前記筒体は分離自在な金型であり、
    前記金型に樹脂を注入する樹脂注入器と、前記金型から漏出する樹脂を受け取る樹脂トラップと、
    該樹脂トラップに連通する真空ポンプとを有し、前記金型の一方の端部に樹脂注入口を設けて前記樹脂注入器を接続し、他方の端部に真空引き口を設けて前記樹脂トラップを接続し、前記樹脂注入器にコンプレッサーを配設して所定の硬化剤と混合された樹脂を前記金型に加圧注入する構成とすると共に、注入された樹脂を硬化させるための加熱手段を前記金型に設け、
    さらに、前記それぞれのシリンダ部材を順に駆動して前記心棒の支持を解除し、前記分割された金型を順次挿通可能としていることを特徴とする請求項1記載のFRP補強タンクの成形装置。
  3. 前記加熱手段が、前記金型の外表面に装着されるシートヒータであることを特徴とする請求項に記載のFRP補強タンクの成形装置。
  4. 前記金型を直胴部と該直胴部の両側にそれぞれ配設されるドーム部とに少なくとも3分割し、一方のドーム部金型に樹脂注入口を設け、他方のドーム部金型に真空引き口を設けて、直胴部の両側にドーム部を備える形状の前記巻付体を被覆して密閉する構成としたことを特徴とする請求項またはに記載のFRP補強タンクの成形装置。
  5. 前記樹脂注入口に注入側バルブを、前記真空引き口に流出側バルブを設けると共に、それらのバルブの開閉制御、前記真空ポンプや前記コンプレッサーの駆動制御、および前記加熱手段の加熱温度を制御する制御装置を設けたことを特徴とする請求項からのいずれかに記載のFRP補強タンクの成形装置。
  6. 前記金型にそれぞれ、隣接する金型同士を締結する締結手段を有するフランジを設け、前記巻付体を被覆した状態で、前記締結手段を介して全ての金型を締結して密閉する構成としていることを特徴とする請求項から5のいずれかに記載のFRP補強タンクの成形装置。
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