JP2021167097A - 繊維強化樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂が含浸された繊維層に気泡が含まれ難い繊維強化樹脂成形品の製造方法を提供する。【解決手段】繊維層に樹脂組成物を含浸させる工程を含む繊維強化樹脂成形品の製造方法であって、型にプリフォームを設置して型の外部から型内の流路を経由してプリフォームの繊維層に樹脂組成物を供給する工程を有しており、流路を通過する樹脂組成物に対して振動を与えながら樹脂組成物を加熱することで気泡の含有を制御する繊維強化樹脂成形品の製造方法。【選択図】図7

Description

本開示は、樹脂が含浸された繊維層によって補強された成形品(繊維強化樹脂成形品)の製造方法に関する。
例えば、燃料電池車用高圧タンクは、当該高圧タンクの内部空間を形成するライナを有し、このライナに対してその外周に樹脂が含浸された繊維層が配置されることにより高い強度を実現している。また、燃料電池車用高圧タンクに限らず、高い強度を実現するため、樹脂が含浸された繊維層(補強層)を配置することがある。
このような繊維強化樹脂成形品の作製には、基材(例えば「ライナ」)に繊維を何層にも亘って積層した繊維層を形成したプリフォームを準備し、プリフォームの繊維層に硬化前の樹脂を含浸させて硬化することで補強層とするRTM(Resin Transfer Molding)という方法がある。
特許文献1には、高圧タンクの製造方法が開示され、ここには高圧タンクの内部空間を形成するライナの外表面に繊維層が設けられたプリフォームを金型内に配置し、この金型内に配置されたプリフォームに向けて樹脂を射出しながら、プリフォームの中心軸線を回転中心にしてプリフォームを金型内で周方向に回転させることで樹脂を繊維層に含浸することが開示されている。
特許文献2には、強化繊維シートに樹脂を含浸して硬化させる繊維強化複合材料の製造方法において、キャビティに注入される前の樹脂、または、キャビティに注入された後の樹脂に対して、超音波または振動を付与することで、樹脂に含まれる気泡を微細化することが開示されている。
特許文献3には、キャビティ内の繊維に樹脂を加圧注入する繊維強化樹脂成形品の製造方法において、金型に超音波振動機を接続し、キャビティへの注入樹脂に振動を与え、繊維間への樹脂の浸透を促進することが開示されている。
特開2019−056415号公報 特開2018−140595号公報 特開平1−242220号公報
含浸する樹脂組成物とするために主剤と硬化剤とを混合した際に、空気を巻き込んだり、樹脂の反応によって反応ガスが発生したりすることで、樹脂組成物中に気泡が含まれてしまうことがある。気泡を含んだ樹脂組成物が繊維層に含浸してしまうと補強層の強度低下等の品質低下に繋がるおそれがある。
本開示は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、樹脂が含浸された繊維層に気泡が含まれ難い繊維強化樹脂成形品の製造方法を提供することを主目的とする。
本願は、繊維層に樹脂組成物を含浸する工程を含む繊維強化樹脂成形品の製造方法であって、型にプリフォームを設置し、型の外部から型内の流路を経由してプリフォームの繊維層に樹脂組成物を供給する工程を有しており、流路を通過する樹脂組成物に対して振動を与えながら、樹脂組成物を加熱する、繊維強化樹脂成形品の製造方法を開示する。
本開示の製造方法によれば、型内でプリフォームに到達する前の圧力が高い部位で樹脂に振動を与えることで、十分に気泡を破壊(破泡)、縮小化することが可能となる。さらに、その際には樹脂組成物を加熱して粘度を低下させることで、より気泡が破泡、縮小化しやすくなる。その結果、補強層内における気泡の含有を抑制することが可能となり、繊維強化樹脂成形品の品質を向上させることができる。
図1(a)は型20及びプリフォーム10を説明する分解図で、プリフォーム10の軸線に沿った方向が表れた図、図1(b)はプリフォーム10の径に沿った方向が表れた図である。 図2(a)は型20及びプリフォーム10が組み合わされた図で、プリフォーム10の軸線に沿った方向が表れた図、図2(b)はプリフォーム10の径に沿った方向が表れた図である。 図3は下型22を上型21が組み合わされる方向から見た図である。 図4は含浸装置30、型20、及び、プリフォーム10の構成及び関係を説明する図である。 図5は繊維強化樹脂成形品の製造方法S10の流れを説明する図である。 図6(a)、図6(b)は型への設置、脱気、加熱開始の工程S11について説明する図である。 図7は樹脂組成物の供給の工程S13について説明する図である。 図8(a)、図8(b)は締め付け状態への変更の工程S14について説明する図である。
[繊維強化樹脂成形品の製造装置]
図1(a)、図1(b)、図2(a)、図2(b)、図3には、成形対象であるプリフォーム10、及び、プリフォーム10に樹脂を含浸させるための型20を説明するための概略を示した。図1(a)、図1(b)、図2(a)、図2(b)では、型20は断面で表し、プリフォーム10は断面ではなく表面で表し、その内側の形態は破線で表している。以降の図も同様に表すことがある。
図1(a)は型20及びプリフォーム10を説明する分解図で、プリフォーム10の軸線に沿った方向が表れた図、図1(b)は図1(a)のA−A線に沿った断面で、プリフォーム10の径に沿った方向が表れた図である。
図2(a)は型20及びプリフォーム10が組み合わされた図で、プリフォーム10の軸線に沿った方向が表れた図、図2(b)は図2(a)のB−B線に沿った断面で、プリフォーム10の径に沿った方向が表れた図である。
図3は下型22を表した図で、下型22のうち上型21が組み合わされる側から見た図である。図3には、上型21と組み合われたときの流路21aの位置を破線で表している。
また、図4には含浸のための装置(含浸装置30)を概略的に示した。
以下の説明からもわかるように、本開示は、プリフォームに具備された繊維層に対して樹脂組成物を含浸させ、その後に硬化させることで補強層を形成する、いわゆるRTM(Resin Transfer Molding)による繊維強化樹脂成形品の製造方法に関連するものである。
<プリフォーム>
プリフォーム10は、繊維強化樹脂成形品の1つの態様である高圧タンクとなる中間部材であり、少なくともライナ11及び繊維層12を有して構成されている。本形態は高圧タンクの中でも燃料電池車用高圧タンクである。
ライナ11は、高圧タンクの内部空間を区画する中空の部材である。ライナはその内部空間に収容されたものを漏らすことなく保持することができる材料で構成されていればよく、材料は公知のものを用いることができるが、例えばナイロン樹脂、ポリエチレン系の合成樹脂や、ステンレス鋼等の金属等からなるものである。
繊維層12は、ライナ11の外表面に繊維が所定の厚さにまで何層にも亘って巻き付けられた層である。繊維層12の厚さは必要な強度により決められるため特に限定されることはないが、10mm乃至30mm程度の厚さとされている。特に燃料電池車用高圧タンクは、強度確保のために繊維層を厚く形成する必要であり、繊維層への樹脂の含浸という観点から困難性が高い。
繊維は炭素繊維が用いられており、詳しくは炭素繊維が束となって所定の断面形状(例えば長方形断面)を有する帯状の炭素繊維束である。このような炭素繊維束がライナ11の外表面に巻き付けられることで繊維層12が形成されている。また、ライナ11の外表面への繊維(束)の巻き付けは、例えばフィラメントワインディング法等により行われる。
このようなプリフォーム10の繊維層12に対して樹脂を含浸し、必要に応じてその外周にさらにガラス繊維による保護層を形成することにより、高圧タンクとなる。
<型>
型20はプリフォーム10の繊維層12に対して樹脂を含浸するための型であり、本形態では上型21及び下型22を有して構成されている。上型21と下型22とが重なることで、型20の内側にプリフォーム10の形状に沿った内部空間が形成される。この内部空間は真空引きが可能とされ、密閉された空間を形成することできる。
また、上型21は、図2(a)、図2(b)に直線矢印で示したように下型22に対して相対的に移動することができ、これによりプリフォーム10の型20への設置、型20からの離脱(離型)をすることができる他、プリフォーム10に対して圧力を負荷するように移動させ、及び、この負荷された圧力を除荷するような移動も可能とされている。より詳しくは、型20は次のような、開放状態、締め付け状態、及び、除荷状態とすることができる。
開放状態は、上型21が下型22から完全に離隔され、下型22の上面が露出して開かれた状態である(不図示)。この状態でプリフォーム10の下型21への設置、及び、含浸後のプリフォーム10の型20からの離脱(離型)が行われる。
締め付け状態は、プリフォーム10が型20に設置された状態で、上型21と下型22とが完全に接続され、締め付けられた状態である(図2(a)、図2(b)、図8(a)、図8(b)参照)。なお、この締め付け状態においても、含浸前のプリフォーム10の繊維層12と、上型21及び下型22の面との間には若干の間隙ができることが好ましい。この間隙は、樹脂組成物の含浸によって、含浸後の繊維層12の体積が含浸前の体積よりも大きくなることを考慮したものである。この間隙は上型21とプリフォーム10及び下型22とプリフォーム10で同じである。
除荷状態は、プリフォーム10が型20に設置された状態で、締め付け状態よりも若干上型21と下型22とが離隔された状態である(図6(a)、図6(b)参照)。除荷状態は例えば、締め付け状態に対して上型21を若干上昇させることによりなされる。このときには、上型21とプリフォーム10との間隙が、下型22とプリフォーム10との間隙よりも大きくなる。
この除荷状態でも型20の内側に供給された含浸のための樹脂組成物は型20の外に漏れださないように密閉状態は維持されている。
また、上型21には、外部から、設置されたプリフォーム10の繊維層12までに達する流路21aが設けられている。この流路21aに樹脂組成物を流すことにより繊維層12に対して樹脂組成物を供給し含浸する。
なお、型20には形成された内部空間内の真空引き(真空脱気)をするための空気流通路も設けられている。
さらに、型20は振動装置23を具備している。振動装置23は振動発振器23b、及び、振動発振器23bにより振動する振動子(振動コア)23aを備えている。そして、振動コア23aは流路21a、及びここを流れる樹脂組成物を振動できるように配置されており、本形態では流路21aの少なくとも一部を構成するように配置されている。
さらにこの振動コア23aは内蔵されたヒーターにより加熱も可能である。
すなわち、振動コア23aにより対象物(流路21aを流れる樹脂組成物)を振動させるとともに加熱できるように構成されている。
このような振動コア23aは型20と同じ材料により形成することができる。例えば、本形態では図2(b)、図3からわかるように、振動コア23aは下型22のうち、流路21aの内面の一部を構成するように配置された六面体形状とすることができる。すなわち、当該六面体形状の1つの面の一部が流路21aの内面の一部を構成するように配置されている。ただし必ずしも六面体である必要はなく、流路21aの内面の一部を構成するような面を有していればよい。このような振動コア23aによれば効率よく流路21a内を流れる樹脂組成物に振動を加えつつ加熱をすることができる。
また、これに限らず、振動コア23aにより流路21a内を流れる樹脂組成物に振動を与えつつ加熱することができれば、振動コア23aが流路21aの内面の一部を構成しなくてもよく、振動コア23aが流路21から若干離れて配置されてもよい。
振動発振器23bは公知のものを適用することができる。
また、型20は不図示の温度制御装置により、その温度を所望の温度に保持することができるように構成されている。
型20に用いられる材料は特に限定されることはないが、通常の通り金属が好ましく用いられ、型20はいわゆる金型である。
<含浸装置>
含浸装置30は、プリフォーム10が設置された型20に対し、含浸される樹脂組成物を供給する装置である。図4からわかるように、本形態の含浸装置30は、主剤タンク31、主剤用ポンプ32、硬化剤タンク33、硬化剤用ポンプ34、及び、混合器35を有している。
主剤タンク31には含浸する組成物の主剤が貯蔵されたタンクである。主剤については後で説明する。主剤用ポンプ32は主剤タンク31に貯蔵された主剤を混合器35に供給するポンプである。
従って主剤タンク31と主剤用ポンプ32とが配管により接続され、主剤用ポンプ32と混合器35とが配管により接続されている。
硬化剤タンク33は硬化剤が貯蔵されたタンクである。硬化剤については後で説明する。硬化剤用ポンプ34は硬化剤タンク33に貯蔵された硬化剤を混合器35に供給するポンプである。
従って硬化剤タンク33と硬化剤用ポンプ34とが配管により接続され、硬化剤用ポンプ34と混合器35とが配管により接続されている。
混合器35は、供給された主剤と硬化剤とを混ぜるとともに、混ぜられることにより形成された樹脂組成物に圧力をかけて型20に送る機器である。具体的には混合器35は型20の流路21aに配管により接続され、送られた樹脂組成物は当該配管を通り、型20の流路21aに入る。上記のように、流路21aは設置されたプリフォーム10の繊維層12に通じているので、流路21aに樹脂組成物を流すことにより繊維層12に対して樹脂組成物を供給して含浸し得る。
[繊維強化樹脂成形品の製造方法]
次に、繊維強化樹脂成形品の製造方法について説明する。ここでは分かりやすさのため、繊維強化樹脂成形品の好ましい1つの例として高圧タンクを挙げ、その型や含浸装置は上記型20及び含浸装置30を用いて説明する。ただし、本発明はこれら型20及び含浸装置30の利用に限定されるものではない。
図5には1つの例にかかる繊維強化樹脂成形品の製造方法S10の流れを示した。図5からわかるように、本形態にかかる繊維強化樹脂成形品の製造方法S10は、型への設置、脱気、加熱開始の工程S11、振動開始の工程S12、樹脂組成物の供給の工程S13、締め付け状態への変更の工程S14、供給及び振動の停止の工程S15、及び、離型の工程S16を含んでいる。以下、各工程について説明する。
<型への設置、脱気、加熱開始の工程S11>
型への設置、脱気、加熱開始の工程S11(「工程S11」と記載することがある。)では、図6(a)、図6(b)に示したように、型20にプリフォーム10を設置し、除荷状態として真空引きにより脱気を行う。この脱気により、含浸される樹脂組成物が繊維層12に浸透しやすくなり、含浸がより円滑に行われる。
さらに工程S11では振動コア23aの加熱を開始する。これにより流路21aを通過する樹脂組成物が速やかに加熱される。加熱温度は特に限定されることはないが、流路21aを流れる樹脂組成物の粘度を下げることができるように樹脂組成物を加熱する。従って、流路21aを流れる樹脂組成物の種類より加熱温度を適宜変更する。
より具体的には、本形態では工程S11において、型20が開放状態とされ、上面が大きく露出した下型22に対してプリフォーム10を設置し、その後、下型22及びここに設置されたプリフォーム10に対して被せるように上型21を配置して除荷状態とする。従って、上型21とプリフォーム10との距離は、下型22とプリフォーム10との距離よりも若干大きくなるような状態である。当該大きくなる間隙の程度は特に限定されることはないが、繊維層の厚さの10%程度とすることができる。
そして、真空ポンプにより真空脱気をする。なお、真空脱気は次の振動開始の工程S12の前に終了する。
また、振動コア23aに内蔵されたヒーターを用いて加熱を開始する。
<振動開始の工程S12>
振動開始の工程S12(「工程S12」と記載することがある。)では、工程S11で脱気を停止した後、振動コア23aを振動させ、流路21aに対して振動の付与を開始する。具体的には振動発振器23bにより振動コア23aを振動させることにより行う。なお、振動コア23aによる加熱は維持した状態である。
振動コア23aによる振動の程度は、20kHz以上であることが好ましく、さらに好ましくは気泡の破壊や縮小化と、型への負担低減の両立を考慮して決められることが好ましい。かかる観点から低周波から中周波であることが好ましく具体的には40kHz以上80kHz程度とすることができる。
<樹脂組成物の供給の工程S13>
樹脂組成物の供給の工程S13(「工程S13」と記載することがある。)では、主剤及び硬化剤が混合された樹脂組成物を除荷状態の型20に対して供給する。
(主剤)
主剤は繊維層12に含浸されて硬化することで繊維層を強化することができる材料であり、その限りにおいて適切な材料を用いることができる。本形態ではエポキシ樹脂であるが、その他としてポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等を挙げることができる。
(硬化剤及び樹脂組成物)
硬化剤は主剤に混合することにより主剤を硬化させる材料である。硬化剤が主剤に混合されることにより樹脂組成物となる。従って本形態では硬化剤はエポキシ樹脂を硬化させることができる材料により構成されている。
硬化剤の種類は特に限定されるものではないが、例えばジシアンジアミド、メタフェニレンジアミン等の芳香族ポリアミンが挙げられる。また、この他、キシレンジアミン、ジエチレントリアミン等のような脂肪族ポリアミンを用いることもできる。
(樹脂組成物の供給)
主剤及び硬化剤を混ぜてなる樹脂組成物は型20の流路21aを流れてプリフォーム10の繊維層12に達する。ここで流路21aは狭いことからここに供給された樹脂組成物は高圧となる。さらに、このように高圧とされた樹脂組成物に対して振動コア23aにより加熱され、粘度が低下する。従って、流路21a内の樹脂組成物は高圧で、粘性が低い状態となる。このような状態の樹脂組成物に対して本工程S13では振動コア23aにより振動が付与される。これにより樹脂組成物中に存在する気泡を消したり、縮小化したりすることが可能である。
樹脂組成物中に存在する気泡は、主剤と硬化剤とを混ぜるときに巻き込んだ空気や、硬化反応により発生したガスに起因するが、いずれの気泡についても、消したり縮小化したりすることが可能である。
(本形態での具体的態様)
本形態で工程S13は具体的には、図7に表したように、主剤タンク31に貯蔵された主剤が主剤用ポンプ32により混合器35に供給される。一方で、硬化剤タンク33に貯蔵された硬化剤が硬化剤用ポンプ34により混合器35に供給される。
混合器35では供給された主剤、硬化剤が混合されて樹脂組成物となり、混合器35は、生成された樹脂組成物を型20の流路21aに対して供給する。このように混合器35で主剤と硬化剤とが混合される際に空気を巻き込み、気泡が生じることがある。また、混合により反応が開始されるためこの反応により気泡が発生することもある。
供給された樹脂組成物は流路21aを流れるが、上記したように、樹脂組成物は流路21aにおいて高圧で低い粘度とされている。そしてこの樹脂組成物に対して振動コア23aにより振動が加えられることにより、存在した気泡を消したり、縮小化したりすることができる。
流路21aを通過した樹脂組成物は、型20内に設置されたプリフォーム10の繊維層12の外周部に達する。このとき、型20は除荷状態とされ、型20によるプリフォーム10への圧力が抑えられているとともに、上型21とプリフォーム10との間に間隙が形成されているため、樹脂組成物が流動するに際して抵抗を抑えることができる。このため、供給された樹脂組成物は、上型21とプリフォーム10との間全体に円滑に充填される。
<締め付け状態へ変更の工程S14>
締め付け状態への変更の工程S14(「工程S14」と記載することがある。)では、上型21と下型22とを近づけるように移動させ、型を締め付け状態とする。これにより、樹脂組成物が金型20から受ける圧力が増大し、樹脂組成物の含浸が促進されると共に、繊維層12の外表面付近に位置する樹脂組成物が均されて、表面が滑らかになる。
本形態では図8(a)、図8(b)に示したように、上型21を下型22に近づけることにより行われる。
<供給及び振動の停止の工程S15>
供給及び振動の停止の工程S15(「工程S15」と記載することがある。)では、工程S14で締め付け状態に変更し、樹脂組成物が繊維層に十分含浸し、所望の供給量が満たされたときに、樹脂組成物の供給を停止する。また、合わせて振動コア23aの振動及び加熱も停止する。
そして樹脂組成物の硬化を待つ。
<離型の工程S16>
離型の工程S16(「工程S16」と記載することがある。)では、工程S15で樹脂組成物が硬化し、少なくとも繊維層12の外層側の樹脂組成物が硬化していることを得て、樹脂が含浸されたプリフォーム10を型20から離脱する。
本形態では型20の上型21を下型22から離脱し、開放状態とすることで離型を行う。
[効果・その他]
以上の各工程を含む製造方法、そのための型、含浸装置により、樹脂が含浸されたプリフォーム10が得られる。この樹脂が含浸されたプリフォーム10に対して、必要に応じてさらに樹脂が含浸されたガラス繊維による層が形成されるなどして高圧タンクとすることができる。
本開示によれば、主剤と硬化剤との混合時の巻込みによる気泡や、反応時により発生したガスによる気泡を型内のプリフォーム10に達する前(流路21a)で破泡、縮小化できる。型では発生した気泡を外に出すことができない状態であるが、このような場合であっても本開示により破泡及び気泡の縮小化をすることが可能である。
なお、本開示によれば気泡の消去及び縮小化のために型全体を加熱する必要がないため、プリフォーム10に到達した樹脂組成物に対する影響は非常に小さいことから、含浸性に対しても問題を生じることなく製造することができる。
以上のように、繊維層が厚い場合のRTM含浸技術により樹脂組成物を含浸させる際、型内でプリフォームに到達する前に気泡の消去、縮小化をすることができ、樹脂組成物の含浸性、性能向上と良好な品質を両立した繊維強化樹脂成形品を製造することができる。
10 プリフォーム
11 ライナ
12 繊維層
20 型
21 上型
22 下型
23 振動装置
30 含浸装置
31 主剤タンク
33 硬化剤タンク
35 混合器

Claims (1)

  1. 繊維層に樹脂組成物を含浸する工程を含む繊維強化樹脂成形品の製造方法であって、
    型にプリフォームを設置し、前記型の外部から前記型内の流路を経由して前記プリフォームの前記繊維層に前記樹脂組成物を供給する工程を有しており、
    前記流路を通過する前記樹脂組成物に対して振動を与えながら、前記樹脂組成物を加熱する、
    繊維強化樹脂成形品の製造方法。
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