JP2022032231A - 高圧タンクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維層の乱れを抑制しつつ樹脂を含浸することが可能な高圧タンクの製造方法の提供。【解決手段】ライナの外表面に繊維層が配置されたプリフォーム10を準備し、繊維層に樹脂を含浸させる工程を備え、樹脂を含浸させる工程では、プリフォームのうち肩部の繊維層を覆うように押圧しつつ前記樹脂の含浸を行う。【選択図】図7

Description

本開示は、樹脂が含浸された繊維層によって補強された高圧タンクの製造方法に関する。
例えば、燃料電池車用高圧タンクは、当該高圧タンクの内部空間を形成するライナを有し、このライナに対してその外周に樹脂が含浸された繊維層からなる補強層が配置されることにより高い強度を実現している。
このような高圧タンクの作製には、ライナに繊維を巻き付けて繊維層を形成したプリフォームを準備し、繊維層に硬化前の樹脂を含浸させて硬化することで補強層とするRTM(Resin Transfer Molding)という方法がある。
特許文献1には、RTMによる高圧タンクの製造方法が開示され、ここには高圧タンクの内部空間を形成するライナの外表面に繊維層が形成されたプリフォームを金型内に配置し、この金型内に配置されたプリフォームに向けて樹脂を射出しながら、プリフォームの中心軸線を回転中心にしてプリフォームを金型内で周方向に回転させることで樹脂を繊維層に含浸することが開示されている。
特許文献2には、強化基材を構成している繊維の配向乱れを抑制しながら単位時間当たりの樹脂注入量を増加させるために、強化基材を押さえつけながら樹脂注入を行う点について記載されている。
特開2019-056415号公報 特開2018-199254号公報
高圧タンクはその性質上強度を高くする必要があることから、補強層を厚くすることが要求される。そのため、RTMによって繊維層に樹脂を含浸する際には厚い繊維層に樹脂を含浸させるため、高圧で樹脂を供給することを要する。
ところが、軸方向に長い円筒形の高圧タンクの場合、繊維層における繊維の向きが種々の方向に変化しているため、高圧で樹脂の供給を行うと繊維の配向の乱れが発生する虞がある。特に、外径が一定の直線部から外径が変化する曲線部に切り替わる肩部において繊維配向の乱れが発生しやすい。このような繊維配向の乱れは高圧タンクの品質や性能低下の原因となり得る。
本開示は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、繊維層の乱れを抑制しつつ樹脂を含浸することが可能な高圧タンクの製造方法を提供することを主目的とする。
本願は、高圧タンクの製造方法であって、ライナの外表面に繊維層が配置されたプリフォームを準備し、繊維層に樹脂を含浸させる工程を備え、樹脂を含浸させる工程では、プリフォームのうち肩部の繊維層を覆うように押圧しつつ樹脂の含浸を行う、高圧タンクの製造方法を開示する。
本開示の製造方法によれば、高圧タンクにおいて繊維層の乱れを抑制しつつ繊維層に樹脂を含浸することが可能となる。
図1(a)はプリフォーム10の外観、図1(b)はプリフォーム10の断面を表す図である。 図2(a)は型20及びプリフォーム10を説明する分解図で、プリフォームの軸線に沿った切断面、図2(b)は軸に直交する切断面である。 図3(a)は型20にプリフォーム10が配置された締め付け状態を説明する図で、プリフォームの軸線に沿った切断面、図3(b)は軸に直交する切断面である。 図4(a)は型20にプリフォーム10が配置された除荷状態を説明する図で、プリフォームの軸線に沿った切断面、図4(b)は軸に直交する切断面である。 図5(a)は押圧部材23の動きについて説明する図で、プリフォームの軸線に沿った切断面、図5(b)は軸に直交する切断面である。 図6は高圧タンクの製造方法S10の流れを説明する図である。 図7(a)、図7(b)は型への設置の工程S11、脱気の工程S12、接着剤供給の工程S13、及び、樹脂組成物供給の工程S14について説明する図である。 図8(a)、図8(b)は押圧部材の後退の工程S15について説明する図である。 図9(a)、図9(b)は締め付け状態への変更の工程S16について説明する図である。
1.プリフォーム
プリフォームは含浸の対象であり、最終的に高圧タンクとなる中間部材である。本形態は高圧タンクの中でも燃料電池車用の高圧タンクである。以下の説明からもわかるように、本開示は、プリフォームに具備された繊維層に対して樹脂組成物を含浸させ、その後に硬化させることで補強層を形成する、いわゆるRTM(Resin Transfer Molding)による高圧タンクに関連するものである。
図1(a)にはプリフォーム10の外観図、図1(b)にはプリフォーム10の断面図をそれぞれ表した。図1(a)、図1(b)からわかるように、プリフォーム10は、ライナ11、繊維層12、及び、口金13を有して構成されている。
<ライナ>
ライナ11は、高圧タンクの内部空間を区画する中空の筒状部材である。ライナはその内部空間に収容されたものを漏らすことなく保持することができる材料で構成されていればよく、材料は公知のものを用いることができるが、例えばナイロン樹脂、ポリエチレン系の合成樹脂からなるもの、及び、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属等からなるものである。
ライナ11の厚さは特に限定されるものではないが、0.5mm乃至1.0mmであることが好ましい。
<繊維層>
繊維層12は、ライナ11の外表面に繊維が所定の厚さにまで何層にも亘って巻き付けられた層である。繊維層12の厚さは必要な強度により決められるため特に限定されることはないが、10mm乃至30mm程度の厚さとされている。特に高圧タンクは、強度確保のために繊維層を厚く形成する必要であり、繊維層への樹脂の含浸という観点から含浸時の圧力が高くなる。
繊維層の繊維は炭素繊維が用いられており、詳しくは炭素繊維が束となって所定の断面形状(例えば長方形断面)を有する帯状の炭素繊維束である。このような炭素繊維束がライナ11の外表面に巻き付けられることで繊維層が形成されている。また、ライナ11の外表面への繊維(束)の巻き付けは、例えばフィラメントワインディング法等により行われる。
図1(a)からわかるように本形態の繊維層12では外径が一定の部分では繊維束がヘリカル巻きにより巻かれており(ヘリカル巻き部12a)、外径が変化する部分では繊維束がブレータ巻きにより巻かれている(ブレーダ巻き部12b)。このような繊維層12に対して樹脂を高圧で含浸をする場合、ヘリカル巻き部12aとブレーダ巻き部12bとの境界部分である肩部において繊維束の配向の乱れが生じやすくなる。そこで、本例ではこの境界部分(肩部)12cの繊維束の乱れを抑制しつつ樹脂の含浸をすることを考える。
すなわち、本開示では外径が一定である部分と外径が変化する部分との境界である肩部12cにおいて繊維配向の乱れを抑制しつつ樹脂の含浸をすることを考える。
<口金>
口金13は、ライナ11の開口端部に配置された金属製の部材であり、高圧タンクを製造する際のチャック部分とされたり、高圧タンクへの収容物の充填及び高圧タンクからの収容物の取り出しの際の出入り口を形成したりする。
2.型
図2乃至図5には、プリフォーム10、及び、プリフォーム10に樹脂を含浸させるための型20を概略的に示した。以降に示す図では、型20は切断面(ハッチングを付している。)、プリフォーム10は断面ではなく表面で表している(ただし、見易さのため繊維束の巻きの表現は省略いている。)。
図2は型20、及び、プリフォーム10を分解して表した図である。図2(a)はプリフォーム10の筒状である軸線に沿った方向の切断面、図2(b)は当該軸線に直交する切断面で図2(a)のA-A’に沿った切断面である。
図3はプリフォーム10が型20に設置され、締め付け状態とされた一場面を表す図である。図3(a)はプリフォーム10の筒状である軸線に沿った方向の切断面、図3(b)は当該軸線に直交する切断面で図3(a)のB-B’に沿った切断面である。
図4はプリフォーム10が型20に設置され、除荷状態とされた一場面を表す図である。図4(a)はプリフォーム10の筒状である軸線に沿った方向の切断面、図4(b)は当該軸線に直交する切断面で図4(a)のC-C’に沿った切断面である。
図5は後述する押圧部材23が突出した場面を表す図である。図5(a)はプリフォーム10の筒状である軸線に沿った方向の切断面、図5(b)は当該軸線に直交する切断面で図5(a)のD-D’に沿った切断面である。
型20はプリフォーム10の繊維層12に対して樹脂を含浸するための型であり、本形態では上型21及び下型22を有して構成されている。上型21と下型22とが重なることで、型20の内側にプリフォーム10の形状に沿った内部空間が形成される。この内部空間は密閉された空間を形成することできる。
本形態で上型21は、下型22に対して相対的に移動することができる。これによりプリフォーム10の型20への設置、型20からの離脱(離型)をすることができる他、プリフォーム10に対して圧力を負荷するように移動させ、及び、この負荷された圧力を除荷するような移動も可能とされている。より詳しくは、型20は次のような、開放状態、締め付け状態、及び、除荷状態とすることができる。
開放状態は、上型21が下型22から完全に離隔され、下型22の上面が露出して開かれた状態である(不図示)。この状態でプリフォーム10の下型22への設置、及び、含浸後のプリフォーム10の型20からの離脱(離型)が行われる。
締め付け状態は、図3に示したようにプリフォーム10が型20に設置された状態で、上型21と下型22とが完全に接続され、締め付けられた状態である。なお、この締め付け状態においても、含浸前のプリフォーム10の繊維層12と、上型21及び下型22の面との間には若干の間隙ができるように構成されている。これは繊維層12に樹脂が含浸することにより繊維層が膨張することを想定するものである。この間隙は上型21とプリフォーム10及び下型22とプリフォーム10で同じである。
除荷状態は、図4に示したようにプリフォーム10が型20に設置された状態で、締め付け状態よりも若干上型21と下型22とが離隔された状態である。除荷状態は例えば、締め付け状態に対して上型21を若干上昇させることによりなされる。このときには、上型21とプリフォーム10との間隙が、下型22とプリフォーム10との間隙よりも大きくなる。この除荷状態でも内側に供給された含浸のための樹脂組成物は型20の外に漏れださないように密閉状態は維持されている。
さらに本形態で上型21及び下型22には、図5に示したように、設置されるプリフォーム10に向けて突出及びプリフォーム10から後退するように移動可能な押圧部材23が備えられている。すなわち上型21の一部、及び下型22の一部が移動することができるように構成されている。
押圧部材23は、そのプリフォーム10側の面23aは、プリフォーム10の形状に沿った形状を有している。従って、押圧部材23は図5(a)、図5(b)からわかるように、押圧部材23がプリフォーム10に向けて突出した姿勢では面23aが上型21、下型22の他の面に対して突出する。また、押圧部材23は、図2(a)、図2(b)に示したように、プリフォーム10から後退した姿勢では、押圧部材23の面23aは他の面と面一になる。
押圧部材23は、樹脂の含浸の際にプリフォーム10の繊維層12の配向が乱れる虞が高い位置に対応した位置を含むように配置される。本例では上記したようにプリフォーム10の外形が一定である部位と外径が変化する部位との境界である肩部12cで繊維束の配向の乱れが生じやすくなり、これを抑制するため、図2乃至図5からわかるように本形態では押圧部材23がこのプリフォーム10の肩部に対応する位置に配置されている。
また、型20には、外部から通じる流路20a、流路20b、及び流路20cが設けられている。これら流路はそれぞれ次のようなものである。
流路20aは樹脂組成物用の流路である。この流路20aから硬化前の樹脂組成物が繊維層12に向けて供給される。従って、流路20aは型20の外部から、型20に設置されたプリフォーム10の繊維層12に達する。また、本形態では流路20aは上型21に設けられている。
流路20bは真空脱気用の流路である。この流路20bから繊維層12、及びその周辺の空気等が真空引きされる。従って、流路20bは型20の外部から、型20に設置されたプリフォーム10の繊維層12に達する。また、本形態では流路20bは下型22に設けられている。
流路20cは、接着剤供給用の流路である。流路20cにより外部から押圧部材23を通して繊維層12に接着剤が供給される。従って、流路20cは型20の外部から、押圧部材23を通じて型20に設置されたプリフォーム10の繊維層12に達する。
また、型20は不図示の温度制御装置により、その温度を所望の温度に保持することができるように構成されている。
型20に用いられる材料は特に限定されることはないが、通常の通り金属が好ましく用いられ、型20はいわゆる金型である。
型20のそれぞれの流路に対して対応する機器が配置される。すなわち、流路20aに対しては含浸する樹脂組成物を供給する機器が接続され、流路20bには真空ポンプ、流路20cには接着剤の供給装置が接続される。それぞれに機器の具体的仕様は特に限定されることはなく、公知ものを用いることができる。
3.高圧タンクの製造方法
次に、高圧タンクの製造方法について説明する。型は上記型20を用いて説明する。ただし、本開示は型20の利用に限定されるものではない。図6には1つの例にかかる高圧タンクの製造方法S10の流れを示した。図6からわかるように、本形態にかかる高圧タンクの製造方法S10は、型への設置の工程S11、脱気の工程S12、接着剤供給の工程S13、樹脂組成物供給の工程S14、押圧部材の後退の工程S15、締め付け状態への変更の工程S16、樹脂組成物供給停止の工程S17、及び、離型の工程S18を含んでいる。以下、各工程について説明する。
<型への設置の工程S11>
型への設置の工程S11(「工程S11」と記載することがある。)では、図7に示したように、型20にプリフォーム10を設置して型20を除荷状態とする。すなわち、型20の内側にプリフォーム10を設置し、このとき、上型21とプリフォーム10との間隙が、下型22とプリフォーム10との間隙よりも大きくなるように、上型21を下型22から離隔するようにして配置する。
このとき、押圧部材23をプリフォーム10に向けて突出した姿勢とし、その面23aをプリフォーム10に接触させるようにして押圧する。すなわち、本例ではプリフォーム10の肩部12cを含むようにしてその周辺を押圧部材23により覆う。
より具体的には、本形態では、上型21が下型22から完全に離隔され、下型22の上面が完全に露出して開かれた状態でプリフォーム10を下型22へ設置する。次に、下型22及びここに設置されたプリフォーム10に対して被せるように上型21を配置する。そして、上型21を上記のように下型22に対して離隔するように配置する。このとき、押圧部材23を突出した姿勢としておく。
<脱気の工程S12>
脱気の工程S12(「工程S12」と記載することがある。)では、工程S11によるプリフォーム10及び型20の状態を得た後、真空脱気を行いプリフォーム10の外周部における空気を取り去る。
より具体的に本形態では、工程S11によるプリフォーム10及び型20の状態を得た後、図7に矢印Aで示したように流路20bから真空ポンプにより脱気を行う。真空脱気により、含浸する樹脂組成物の繊維層への浸透をより円滑に行うことができる。
<接着剤供給の工程S13>
接着剤供給の工程S13(「工程S13」と記載することがある。)では、含浸する樹脂の供給によりプリフォーム10の繊維層12の配向が乱れる部分に対して接着剤を供給する。これにより、含浸する樹脂を供給する前に配向が乱れる部分を固定して当該配向の乱れの発生を抑制することができる。
供給する接着剤は特に限定されることはないが、含浸される樹脂と同じ材料であることが好ましい。これには例えばエポキシ樹脂を挙げることができる。
より具体的に本形態では、工程S11によるプリフォーム10及び型20の状態において、図7に矢印Bで示したように押圧部材23に設けられた流路20cから低圧で接着剤を供給する。押圧部材23は上記のように接着剤を供給すべき部位を含んでいるので流路20cによる接着剤の供給により効率よく必要な部位(肩部12c)への接着剤を供給できる。
<樹脂組成物供給の工程S14>
樹脂組成物供給の工程S14(「工程S14」と記載することがある。)では、硬化前の樹脂組成物を、工程S13で得た状態の型20に配置されたプリフォーム10の繊維層12対して供給する。
より具体的に本形態では、図7に矢印Cで示したように流路20aに対して、樹脂組成物を供給する機器から硬化前の樹脂組成物が供給され、樹脂組成物は、プリフォーム10の繊維層12の外周に達する。この樹脂組成物は含浸に必要な圧力を有して供給され、これにより樹脂組成物が繊維層12に浸透する。
このとき、型20は工程S11で得た除荷状態とされ、上型21とプリフォーム10との間に間隙が設けられ、プリフォーム10への圧力が抑えられており、樹脂組成物が流動するに際して抵抗を抑えることができる。このため、供給された樹脂組成物は、上型21とプリフォーム10との間全体に亘って均一性高く円滑に充填される。
樹脂組成物は、流動性のある状態で繊維層に到達及び浸透し、その後何らかの方法により硬化することで繊維層の強度を高めることができるものであれば特に限定されることはない。これには例えば熱により硬化する熱硬化樹脂が挙げられ、例えばアミン系又は無水物系の硬化促進剤、及び、ゴム系の強化剤を含むエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等がある。この他にも、エポキシ樹脂を主剤とし、これに硬化剤を混ぜることにより硬化する樹脂組成物を挙げることができる。これによれば、主剤と硬化剤とを混ぜてから硬化するまでの間にこの混合物である樹脂組成物を繊維層に到達及び浸透させることで、自動的に硬化する。
<押圧部材の後退の工程S15>
押圧部材の後退の工程S15(「工程S15」と記載することがある。)では、図8に示したように押圧部材23を後退させる。これにより押圧部材23の面23aは他の部位と面一になる。
<締め付け状態へ変更の工程S16>
締め付け状態への変更の工程S16(「工程S16」と記載することがある。)では、上型21と下型22とを近づけるように移動させ、図9に示したように型20を締め付け状態とする。締め付け状態では、プリフォーム10が型20に設置された状態で、上型21と下型22とが完全に接続され、締め付けられた状態である。
この工程S16により、樹脂組成物が型20から受ける圧力が増大し、樹脂組成物の含浸が促進される。本形態では上型21を下型22に近づけることにより行われる。なお、当該工程S16では、まだ樹脂組成物の供給を維持している。
<樹脂組成物の供給停止の工程S17>
樹脂組成物の供給停止の工程S17(「工程S17」と記載することがある。)では、工程S16で樹脂組成物が繊維層12に十分含浸し、所望の供給量が満たされたときに、樹脂組成物の供給を停止する。そして樹脂組成物の硬化を待つ。
<離型の工程S18>
離型の工程S18(「工程S18」と記載することがある。)では、工程S17で樹脂組成物が硬化していることを得て、樹脂が含浸されたプリフォーム10を型20から離脱する。
本形態では型20の上型21を下型22から離脱し、開放状態とすることで離型を行う。
<効果、その他>
以上の各工程を含む製造方法、そのための型により、樹脂が含浸されたプリフォーム10が得られる。この樹脂が含浸されたプリフォーム10に対して必要に応じて樹脂が含浸されたガラス繊維による層が形成されるなどして高圧タンクとすることができる。
本開示によれば、高圧タンクのRTM樹脂含浸において、含浸する樹脂の高圧供給の前に、型に設置した押圧部材でプリフォームの繊維層における配向が乱れる部位の繊維を押さえて覆うので、当該部位の繊維層に樹脂の供給圧力が直接的付加されることが回避できる。これにより、繊維配向の乱れ、ズレを抑制することが可能となる。従って、含浸する樹脂を高圧、高速で供給しても、高圧タンクの品質を維持できるため、生産向上と大幅な低コスト化を図ることができる。
また、高圧タンクのRTM樹脂含浸において、含浸する樹脂の高圧供給の前に、型に設置した押圧部材でプリフォームの繊維層における配向が乱れる部位の繊維対して接着剤を供給して部分的に繊維を固定した後に、含浸のための樹脂を供給することで、繊維配向の乱れ、ズレを抑制することが可能となる。従ってこれによっても含浸する樹脂を高圧、高速で供給しても、高圧タンクの品質を維持できるため、生産向上と大幅な低コスト化を図ることができる。
また、押圧部材による繊維の固定及び被覆、及び、接着剤の供給による繊維の固定を併せるとより顕著に上記効果を奏するものとなる。特に押圧部材を通して接着剤を供給するものとすれば、より確実に効率よく接着剤を供給することが可能となる。
10 プリフォーム
11 ライナ
12 繊維層
20 型
21 上型
22 下型
23 押圧部材

Claims (1)

  1. 高圧タンクの製造方法であって、
    ライナの外表面に繊維層が配置されたプリフォームを準備し、前記繊維層に樹脂を含浸させる工程を備え、
    前記樹脂を含浸させる工程では、前記プリフォームのうち肩部の前記繊維層を覆うように押圧しつつ前記樹脂の含浸を行う、
    高圧タンクの製造方法。
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