JP2023091624A - タンクの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂含浸性、及び、タンク性能向上と、良好な表面品質を得ることのできるタンクの製造方法を提供する。【解決手段】中空のライナー4の外表面に繊維を巻き付けて成る繊維層5が形成されたプリフォーム2を金型10内に配置する工程(S202)と、前記プリフォーム2の前記ライナー4内に低温窒素ガスを導入する工程(S203)と、前記ライナー4内圧を下げる工程(S204)と、前記ライナー4内圧を樹脂圧力以下に維持しつつ、前記金型10内に樹脂6を充填する工程(S205)と、前記金型10内に前記樹脂6が完全に充填した後、前記ライナー4内圧を上昇させて樹脂圧力より高くする工程(S206)と、を含む。【選択図】図1
Description
本発明は、繊維によって補強(強化)されたタンクの製造方法に関するものである。
特許文献1は、FRP製タンク(以下、高圧タンクとも称する)の製造方法を開示している。この製造方法では、ライナーに繊維を巻き付けて被覆する被覆工程を実行した後、繊維に樹脂を含浸させる含浸工程を行い、その後、樹脂を含浸させた繊維を加熱することによって、樹脂を硬化させる。また、特許文献1は、かかる高圧タンクの製造方法において、ライナーに繊維を巻き付けて成るプリフォームの中に窒素ガスを充填した後に金型内に樹脂を注入する方法を開示している。
また、特許文献2は、かかるRTM(Resin Transfer Molding)法を利用した高圧タンクの製造方法を開示している。この製造方法では、高圧タンクの内部空間を形成するライナーの外表面に繊維層が形成されたプリフォームを金型内に配置し、前記金型内に配置された前記プリフォームに向けてゲートから樹脂を射出しながら、前記プリフォームの中心軸線を回転中心にして、前記プリフォームを前記金型内で周方向に回転させる。
特許文献2によれば、繊維が厚く積層されたプリフォームに樹脂を含浸する場合に、樹脂の射出による圧力によって引き起こされる不具合を抑制できるが、特許文献2のようなタンクの回転だけでは、繊維層の内層までの樹脂含浸効果は少ない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、樹脂含浸性、及び、タンク性能向上と、良好な表面品質を得ることのできるタンクの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明の一態様は、中空のライナーの外表面に繊維を巻き付けて成る繊維層が形成されたプリフォームを金型内に配置する工程と、前記プリフォームの前記ライナー内に低温窒素ガスを導入する工程と、前記ライナー内圧を下げる工程と、前記ライナー内圧を樹脂圧力以下に維持しつつ、前記金型内に樹脂を充填する工程と、前記金型内に前記樹脂が完全に充填した後、前記ライナー内圧を上昇させて樹脂圧力より高くする工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、ライナーの温度制御により繊維層の密度(Vf)を管理できるため、樹脂含浸性、及び、タンク性能向上と、良好な表面品質を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
以下では、タンクの一例としての燃料電池車用高圧タンクを例に挙げて説明する。但し、本発明の適用対象となるタンクは、燃料電池車用高圧タンクに限定されるものではなく、タンクを構成するライナーないしプリフォームの形状、素材等も図示例に限られない。
RTM法においては、ライナーに炭素繊維を幾重(幾層)にも巻き付ける(巻回する)ことによってライナーの外表面に繊維層が形成されたプリフォームを作成し、プリフォームの繊維層にエポキシ樹脂を含浸させて硬化させることによって、ライナーの外周に炭素繊維とエポキシ樹脂を含む繊維強化樹脂層が形成された燃料電池車用高圧タンクが製造される。ライナーは、高圧タンクの内部空間を形成する樹脂製(例えばナイロン樹脂製)の中空容器である。
燃料電池車用高圧タンクは、炭素繊維が厚肉に積層されるため、炭素繊維の内層まで樹脂が含浸していかない。炭素繊維の内層まで樹脂を含浸させるために高圧で樹脂を注入すると、タンク自体の変形が発生するなど、品質、性能低下が発生する。また、タンク形状が円筒形であるため、樹脂を全体に均一に充填するのが困難で、樹脂含浸が均一にならない。また、タンク強度を上げるためには炭素繊維の積層隙間を詰める、密度(Vf)を上げる必要があるが、反面、樹脂流動性が低下して、内層側の樹脂含浸性が低下する。
つまり、燃料電池車用高圧タンクの炭素繊維の積層厚みは、強度確保のため、非常に厚く(通常のRTM成形ボデー部品の約10倍)、樹脂含浸が困難であるが、特許文献2のようなタンク回転では、炭素繊維の内層までの樹脂含浸効果は少ない。また、炭素繊維の内層まで樹脂を含浸させるために高圧で樹脂を注入すると、圧力分布が不均一になり、部分的に高圧になった部位では、タンク内側の樹脂製ライナーの変形が発生するなど、品質、性能低下が発生する。また、金型とタンクの隙間が狭く、ゲートの反対側には樹脂が流れにくいため、樹脂が硬化する前に、全体へ樹脂を流動するためには、特許文献2のようにタンクを金型内で高速回転させる必要があるが、金型内のスペースは少なく、また、炭素繊維を損傷する可能性がある。また、炭素繊維の積層間隙間を詰める、密度(Vf)を上げると、エポキシ樹脂の樹脂含浸性の低下が発生する。
そこで、本実施形態は、以下の構成が採用されている。
[高圧タンクの製造装置]
図1は、実施形態に係る高圧タンクの製造装置を示す縦断面図である。
図1は、実施形態に係る高圧タンクの製造装置を示す縦断面図である。
本実施形態において製造される高圧タンクの中間体としてのプリフォーム2は、ライナー4と、ライナー4の外表面に形成され、ライナー4と一体になった繊維層5とを含む。ライナー4は、高圧タンクの内部空間を形成する、ガスバリア性を有する樹脂製の中空容器である。中空(換言すれば、筒状)のライナー4は、例えば、0.5mm~1mm程度の厚みを有する。繊維層5は、例えば、15mm~30mm程度の厚みを有する。繊維層5は、フィラメントワインディング法によって、ライナー4の外表面に繊維が幾重にも巻き付けられることによって形成される。
ライナー4に巻回される繊維としては、例えば、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維等を用いることができる。繊維は、連続繊維から構成されてもよく、長繊維や短繊維から構成されてもよい。後述するように、ライナー4に巻回された繊維(層)に樹脂を含浸させて硬化させることにより、ライナー4の周囲を被覆する繊維強化樹脂層が形成される。樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエチレン樹脂やポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることが可能である。
製造装置1は、RTM(Resin Transfer Molding)法を用いて、プリフォーム2を構成する繊維層5に樹脂6(符号は図5等に図示)を含浸させ、さらに、含浸させた樹脂6を硬化させることによって、高圧タンクを製造する。
製造装置1は、複数の型、例えば、固定型である下型11と、可動型である上型12とからなる金型10を備える。下型11と上型12とを閉じる(型締めともいう)ことによって、繊維強化樹脂層のためのキャビティーが形成される。繊維を積層したプリフォーム2を金型10内に配置するため、例えば、金型10のキャビティーは、プリフォーム2の公差分だけ大きく作製される。
なお、ここでは、下型11を固定型、上型12を可動型(固定型に対して可動する型)としているが、例えば、上型12を固定型、下型11を可動型としてもよいし、下型11および上型12の双方を可動型としてもよい。また、ここでは、金型10を、下型11および上型12の2個の型で構成しているが、3個以上の型で構成してもよい。
プリフォーム2は、ライナー4の軸に沿って配置される中空のシャフト7により金型10内に軸支されている。つまり、シャフト7は、プリフォーム2を金型10内(キャビティー内)に支持する支持機構を構成している。
金型10(図示例では下型11)には、真空脱気配管15が埋設されている。真空脱気配管15には真空ポンプ50が接続されている。真空ポンプ50を駆動することによって真空脱気配管15を介して金型10内(キャビティー内)を真空脱気(排気)することが可能である。
また、金型10(図示例では上型12)には、キャビティーに開口するゲート(樹脂注入口)14を形成する樹脂注入配管16が埋設されている。ゲート14は、本例では、プリフォーム2の(軸方向の)中央部に対向する位置に配置されている。樹脂注入配管16には樹脂注入機60が接続されている。樹脂注入機60から樹脂注入配管16を介してゲート14から金型10内(キャビティー内)に樹脂6を注入(供給)することができる。樹脂6は、例えば、主剤と硬化剤とからなる2液系の熱硬化性のエポキシ樹脂である。樹脂注入機60は、加圧装置66と、主剤と硬化剤を混合した樹脂6を貯留する樹脂溜まり64と、樹脂6を樹脂注入配管16に供給する開閉バルブ62とを備える。
また、金型10(図示例では下型11)には、窒素ガス供給配管17が埋設されている。窒素ガス供給配管17には、切替バルブ72を介して窒素ガスタンク74と液体窒素ガスタンク76とがそれぞれ接続されている。窒素ガスタンク74から窒素ガス供給配管17を介してプリフォーム2(のライナー4)内に(常温の)窒素ガスを供給することができる。また、切替バルブ72を切り替えることによって、液体窒素ガスタンク76から窒素ガス供給配管17を介してプリフォーム2(のライナー4)内に(低温の)液体窒素ガス(低温窒素ガスともいう)を供給することができる。
また、製造装置1は、金型10(下型11、上型12)の温度を制御する温度制御装置40と、製造装置1全体の稼働状態(詳しくは、温度制御装置40、真空ポンプ50、樹脂注入機60の加圧装置66と開閉バルブ62、切替バルブ72の稼働状態等)を制御するコントローラとしての制御装置90とを備える。
[高圧タンクの製造方法]
図2は、実施形態に係る高圧タンクの製造方法を説明するフローチャートである。また、図3は、製造工程における樹脂圧力とタンク内圧(プリフォームの内圧)の遷移を示す概略図である。また、図4~図7はそれぞれ、プリフォーム配置工程および真空脱気・冷却工程、樹脂注入・充填工程、内圧上昇工程、樹脂注入停止・樹脂硬化工程の状態を示す縦断面図である。
図2は、実施形態に係る高圧タンクの製造方法を説明するフローチャートである。また、図3は、製造工程における樹脂圧力とタンク内圧(プリフォームの内圧)の遷移を示す概略図である。また、図4~図7はそれぞれ、プリフォーム配置工程および真空脱気・冷却工程、樹脂注入・充填工程、内圧上昇工程、樹脂注入停止・樹脂硬化工程の状態を示す縦断面図である。
(金型保温工程:S201)
まず、制御装置90が温度制御装置40を制御することによって、金型10(下型11、上型12)を所定温度に保温する。樹脂6が熱硬化性樹脂である場合、この所定温度は、樹脂6の硬化温度以上の温度である。
まず、制御装置90が温度制御装置40を制御することによって、金型10(下型11、上型12)を所定温度に保温する。樹脂6が熱硬化性樹脂である場合、この所定温度は、樹脂6の硬化温度以上の温度である。
なお、ここでは、最初に金型10を樹脂6の硬化温度以上に保温しているが、例えば、最初は金型10を樹脂6の硬化温度未満に保温しておき、後述する工程の適宜のタイミング(例えば樹脂6を注入して樹脂6が積層内に含浸完了した後等)において金型10を樹脂6の硬化温度以上に保温してもよい。
(プリフォーム配置工程:S202)
続いて、プリフォーム2(中空のライナー4の外表面に繊維を巻き付ける(巻回する)ことによって繊維層5を形成したプリフォーム2)を金型10内(つまり、型締めによって形成されるキャビティー内)に配置する(図4)。プリフォーム2は、シャフト7により金型10内に軸支される。このとき、形状保持などのためにタンク内圧を所定圧力以上に維持するため、窒素ガスタンク74からプリフォーム2(のライナー4)内に(常温の)窒素ガスを供給する。
続いて、プリフォーム2(中空のライナー4の外表面に繊維を巻き付ける(巻回する)ことによって繊維層5を形成したプリフォーム2)を金型10内(つまり、型締めによって形成されるキャビティー内)に配置する(図4)。プリフォーム2は、シャフト7により金型10内に軸支される。このとき、形状保持などのためにタンク内圧を所定圧力以上に維持するため、窒素ガスタンク74からプリフォーム2(のライナー4)内に(常温の)窒素ガスを供給する。
(真空脱気・冷却工程:S203)
プリフォーム2を金型10内に配置した後(言い換えれば、型締め完了後に)、制御装置90が真空ポンプ50を制御することによって、金型10内を真空脱気する(図4)。併せて、制御装置90が切替バルブ72を切り替えることによって、プリフォーム2内に供給している(常温の)窒素ガスを低温窒素ガスに切り替え(すなわち、液体窒素ガスタンク76からプリフォーム2(のライナー4)内に液体窒素ガスを供給し)、プリフォーム2(のライナー4)を冷却する(図4)。
プリフォーム2を金型10内に配置した後(言い換えれば、型締め完了後に)、制御装置90が真空ポンプ50を制御することによって、金型10内を真空脱気する(図4)。併せて、制御装置90が切替バルブ72を切り替えることによって、プリフォーム2内に供給している(常温の)窒素ガスを低温窒素ガスに切り替え(すなわち、液体窒素ガスタンク76からプリフォーム2(のライナー4)内に液体窒素ガスを供給し)、プリフォーム2(のライナー4)を冷却する(図4)。
(内圧降下工程:S204)
次いで、例えばプリフォーム2内への窒素ガス供給を停止して、タンク内圧を下げ、繊維層5とライナー4ないし繊維層5の積層間の隙間を形成する(言い換えると、Vfを下げる)。
次いで、例えばプリフォーム2内への窒素ガス供給を停止して、タンク内圧を下げ、繊維層5とライナー4ないし繊維層5の積層間の隙間を形成する(言い換えると、Vfを下げる)。
(樹脂注入・充填工程:S205)
真空脱気停止後、樹脂6を金型10内に射出・注入する(図5)。具体的には、制御装置90は、開閉バルブ62を開き、樹脂溜まり64に貯留されている樹脂6を加圧装置66によって加圧する。これによって、上型12に設けられた樹脂注入配管16内を(未硬化の)樹脂6が流れ、ゲート(図示例では、プリフォーム2の中央部に設けられたゲート)14から、金型10内のプリフォーム2に向けて樹脂6が射出・注入される。樹脂注入開始後、金型10内に樹脂6が完全に充填するまで、タンク内圧は、金型10内の樹脂圧力以下に維持しつつ、樹脂6を金型10内に完全に充填させる。
真空脱気停止後、樹脂6を金型10内に射出・注入する(図5)。具体的には、制御装置90は、開閉バルブ62を開き、樹脂溜まり64に貯留されている樹脂6を加圧装置66によって加圧する。これによって、上型12に設けられた樹脂注入配管16内を(未硬化の)樹脂6が流れ、ゲート(図示例では、プリフォーム2の中央部に設けられたゲート)14から、金型10内のプリフォーム2に向けて樹脂6が射出・注入される。樹脂注入開始後、金型10内に樹脂6が完全に充填するまで、タンク内圧は、金型10内の樹脂圧力以下に維持しつつ、樹脂6を金型10内に完全に充填させる。
(内圧上昇工程:S206)
樹脂6が金型10内に完全に充填して、樹脂含浸開始後、樹脂圧力が上昇開始したタイミングで、窒素ガスタンク74からプリフォーム2(のライナー4)内に(常温の)窒素ガスを供給し、タンク内圧を上昇させて、樹脂圧力よりも高くする(すなわち、Vfを上げる)(図6)。
樹脂6が金型10内に完全に充填して、樹脂含浸開始後、樹脂圧力が上昇開始したタイミングで、窒素ガスタンク74からプリフォーム2(のライナー4)内に(常温の)窒素ガスを供給し、タンク内圧を上昇させて、樹脂圧力よりも高くする(すなわち、Vfを上げる)(図6)。
つまり、従来は、金型10内への樹脂注入開始から樹脂注入完了後(樹脂含浸開始後)において、タンク内圧を樹脂圧力よりも高くするが、本発明は、金型10内への樹脂注入開始から樹脂注入完了までは、タンク内圧を樹脂圧力以下に維持し、樹脂注入完了後(樹脂含浸開始後)において、タンク内圧を樹脂圧力よりも高くする(図3参照)。
(樹脂注入停止・樹脂硬化工程:S207)
樹脂6がプリフォーム2の繊維層5の積層内に含浸完了し、樹脂6の硬化発熱終了後、樹脂6の注入を停止して、樹脂6を硬化させる(図7)。
樹脂6がプリフォーム2の繊維層5の積層内に含浸完了し、樹脂6の硬化発熱終了後、樹脂6の注入を停止して、樹脂6を硬化させる(図7)。
(脱型工程:S208)
樹脂6が硬化した後、金型10(本例では、上型12)を開く。樹脂6の硬化が完了することで、ライナーの外周に繊維強化樹脂層が形成された高圧タンク8が得られる。
樹脂6が硬化した後、金型10(本例では、上型12)を開く。樹脂6の硬化が完了することで、ライナーの外周に繊維強化樹脂層が形成された高圧タンク8が得られる。
以上で説明したように、燃料電池車用高圧タンクにおいて、RTM含浸技術によるタンク製造時、エポキシ樹脂を、厚肉積層の(炭素繊維を厚肉に巻いた)大型タンク全体に、均一に樹脂圧力をかけて、充填、含浸、硬化させることは困難であり、生産性低下やタンク性能低下に繋がる。また、タンクは、炭素繊維を厚肉積層しているため、高圧充填しないと、積層の最内層まで含浸しないが、そのため、ゲート直下等の圧力が高くなりすぎて、タンク内部の樹脂製ライナーの変形や、繊維ズレ等、生産性低下やタンク性能低下に繋がる重要品質問題が発生する。
本実施形態は、炭素繊維を巻いたタンクの繊維層の積層隙間を形成することで、樹脂注入時の抵抗を下げ、内層までの樹脂含浸性を向上させるため、樹脂製ライナーを樹脂含浸前に冷却することで、ライナー収縮と剛性アップする予備冷却工程(S203)を設ける。
樹脂含浸開始(金型内樹脂充填)までは、低温収縮による繊維層の積層隙間増大により、エポキシ樹脂の流動性を向上しつつ、剛性アップしたことで、タンク内圧を下げても、樹脂圧力によるライナー変形を防止できる。そのため、内層に樹脂が浸透しやすくなる。それと共に、樹脂含浸開始後は、注入された樹脂の温度により、伸縮性の向上したライナーに対して、内圧増加することで、樹脂増粘、硬化によるライナー変形の防止とVf向上による性能向上を図ることができる。
RTM成形方法としては、上述のように、プリフォーム2を金型10にセット後(S202)、プリフォーム2内に供給している(常温の)窒素ガスを低温窒素ガスに切り替え、プリフォームを冷却する(S203)。寸法縮小、剛性アップ状態になった後、タンク内圧を下げ(例えば、圧力供給停止)、繊維層5とライナー4ないし繊維層5の積層間の隙間を形成する(Vfを下げる)(S204)。RTM樹脂注入時(S205)、金型10内に樹脂6が完全に充填するまで、タンク内圧は、金型10内の樹脂圧力以下に維持しつつ、樹脂6が金型10内に完全に充填して、樹脂含浸開始後、樹脂圧力が上昇開始したタイミングで、タンク内圧を上昇させて、樹脂圧力より高くする(Vfを上げる)(S206)。
すなわち、本実施形態の製造方法は、中空のライナー4の外表面に繊維を巻き付けて成る繊維層5が形成されたプリフォーム2を金型10内に配置する工程(S202)と、前記プリフォーム2の前記ライナー4内に低温窒素ガスを導入する工程(S203)と、前記ライナー4内圧を下げる工程(S204)と、前記ライナー4内圧を樹脂圧力以下に維持しつつ、前記金型10内に樹脂6を充填する工程(S205)と、前記金型10内に前記樹脂6が完全に充填した後、前記ライナー4内圧を上昇させて樹脂圧力より高くする工程(S206)と、を含む。
プリフォーム2のライナー4を冷やすことでプリフォーム2のライナー4の収縮と剛性向上がなされる。また、ライナー4内圧を下げることで、繊維層5の積層隙間を形成できる。この繊維層5の積層隙間により樹脂6の含浸が促進される。また、剛性向上により、ライナー4内圧を下げてもライナー4の変形を抑制できる。
以上より、樹脂製ライナーの温度制御による炭素繊維層の密度(Vf)を管理できるため、高圧タンクにおいて、樹脂含浸性、及び、タンク性能向上と、良好な表面品質を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1 高圧タンク(タンク)の製造装置
2 プリフォーム
4 ライナー
5 繊維層
6 樹脂
8 高圧タンク(タンク)
10 金型
14 ゲート(樹脂注入口)
15 真空脱気配管
16 樹脂注入配管
17 窒素ガス供給配管
40 温度制御装置
50 真空ポンプ
60 樹脂注入機
74 窒素ガスタンク
76 液体窒素ガスタンク
90 制御装置
2 プリフォーム
4 ライナー
5 繊維層
6 樹脂
8 高圧タンク(タンク)
10 金型
14 ゲート(樹脂注入口)
15 真空脱気配管
16 樹脂注入配管
17 窒素ガス供給配管
40 温度制御装置
50 真空ポンプ
60 樹脂注入機
74 窒素ガスタンク
76 液体窒素ガスタンク
90 制御装置
Claims (1)
- 中空のライナーの外表面に繊維を巻き付けて成る繊維層が形成されたプリフォームを金型内に配置する工程と、
前記プリフォームの前記ライナー内に低温窒素ガスを導入する工程と、
前記ライナー内圧を下げる工程と、
前記ライナー内圧を樹脂圧力以下に維持しつつ、前記金型内に樹脂を充填する工程と、
前記金型内に前記樹脂が完全に充填した後、前記ライナー内圧を上昇させて樹脂圧力より高くする工程と、を含むことを特徴とするタンクの製造方法。
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