JP2021154638A - 高圧タンクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維層に樹脂を含浸する際に、樹脂の含浸性を高め生産性の低下を抑制しつつ質の高い含浸をすることができる高圧タンクの製造方法を提供する。【解決手段】ライナの外周に炭素繊維及び可溶性繊維を巻きつける工程と、炭素繊維及び可溶性繊維を巻きつけたライナの可溶性繊維を溶かす工程と、ライナに巻き付けられた炭素繊維による層に樹脂を含浸する工程と、を含む、高圧タンクの製造方法。【選択図】図4

Description

本開示は、樹脂が含浸された繊維層によって補強された高圧タンクに関する。
燃料電池車用高圧タンクは、当該高圧タンクの内部空間を形成するライナを有し、このライナに対してその外周に樹脂が含浸された繊維層が設けられることにより補強層が形成され、これにより高い強度を実現している。このような高圧タンクの製造方法に関連する事項として例えば特許文献1、及び特許文献2が開示されている。
特許文献1には、形成された繊維層に対して樹脂を含浸する技術において、繊維層を構成する繊維束に厚さの差を設けることで間隙を形成し、この間隙を樹脂が通ることで樹脂の浸透を促進することが開示されている。
特許文献2には選択的浸透性ベールを塗布することで、局所的にドライプリフォーム中の樹脂流量を変更することが開示されており、選択的浸透性ベールは、カーボンフィラメントや熱可塑性ポリマー等であることが記載されている。
特開2019−059176号公報 特開2018−034498号公報
プリフォーム(ライナに繊維層が形成された部材)の繊維層に対して樹脂組成物を含浸させ、その後に硬化させることで補強層を形成する、いわゆるRTM(Resin Transfer Molding)では、繊維層の厚さや形状により均一な樹脂の含浸が難しいことがある。特に燃料電池車用高圧タンクは強度確保のため、繊維層を厚くするとともに、その形状が軸方向に長い円筒形であるため上記の問題がより顕著である。
これに対して高圧で樹脂を注入すれば、圧力によりライナ等に変形を生じさせたり、設備が大掛かりになったりする。
一方で、樹脂の流動性を高めた状態で含浸をさせると、樹脂の硬化に時間がかかるため生産性が低下する。
また、繊維層を構成する炭素繊維束をライナに巻く際、繊維束の蛇行、隙間を低減するため、張力をかけて巻くが、その際、その張力により繊維束は、拡幅され薄くなる。特に、最内層に近いほど、外側に巻かれた繊維束により巻き締まりが発生して、隙間は小さくなる。従って特許文献1のように厚さが異なる炭素繊維を巻いても、巻いた時の張力により、繊維束は拡幅され厚みが薄くなり、樹脂の流れる隙間は形成されなかった。特に、樹脂が含浸しにくいライナに近い側の層ほど、外側の層の繊維の張力で、当該隙間は潰れやすい。
本開示は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、繊維層に樹脂を含浸する際に、樹脂の含浸性を高め生産性の低下を抑制しつつ質の高い含浸をすることができる高圧タンクの製造方法を提供することを主目的とする。
本願は、ライナの外周に炭素繊維及び可溶性繊維を巻きつける工程と、炭素繊維及び可溶性繊維を巻きつけたライナの可溶性繊維を溶かす工程と、ライナに巻き付けられた炭素繊維による層に樹脂を含浸する工程と、を含む、高圧タンクの製造方法を開示する。
本開示によれば、溶かされた可溶性繊維が配置された部位に間隙が形成され含浸する樹脂組成物の流路となるため、円滑で確実な含浸が可能となり、生産性の低下を抑制しつつ高い品質の高圧タンクを得ることができる。
図1は高圧タンク10の外観を模式的に示す図である。 図2は高圧タンク10の断面図である。 図3(a)、図3(b)は繊維層13において繊維束14が巻かれた態様を説明する図である。 図4は高圧タンクの製造方法S10を説明する図である。 図5(a)、図5(b)は繊維の巻き付けの工程S11について説明する図である。 図6(a)、図6(b)は繊維の巻き付けの工程S11により巻き付けられた繊維の態様を説明する図である。 図7(a)、図7(b)は型45について説明する図である。 図8は、樹脂組成物の供給・停止の工程S14について説明する図である。 図9は繊維の巻き付けの工程S21について説明する図である。
1.高圧タンクの構造
図1には1つの形態にかかる高圧タンク10の外観を模式的に表し、図2には高圧タンク10の軸線に沿った断面を模式的に表した。これらの図からわかるように、高圧タンク10はライナ11、補強層12、保護層15、及び、口金16を有している。以下に各構成について説明する。
<ライナ>
ライナ11は、高圧タンク10の内部空間を区画する中空の部材である。ライナはその内部空間に収容されたもの(例えば水素)を漏らすことなく保持することができる材料で構成されていればよく、材料は公知のものを用いることができるが、例えばナイロン樹脂、ポリエチレン系の合成樹脂や、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属等からなるものである。
ライナ11の厚さは特に限定されることはないが、0.5mm乃至1.0mmであることが好ましい。
<補強層>
補強層12は、繊維層13及び繊維層13に含浸され硬化した樹脂を有している。繊維層13は、ライナ11の外表面に繊維束14が所定の厚さにまで幾重にも亘って巻き付けられて構成されている。
補強層12の厚さは必要な強度により決められるため特に限定されることはないが、10mm乃至30mm程度である。特に燃料電池車用高圧タンクは、強度確保のために補強層を厚く形成する必要があり、それに伴い厚くなった繊維層への樹脂の含浸という観点から含浸の困難性が高い。なお、繊維層13のうち、繊維層13の厚さの半分よりライナ11側を「内層側」と記載することがあり、厚さの半分よりライナ11側とは反対側(外周側)を「外層側」と記載することがある。
繊維層13の繊維束14には炭素繊維が用いられおり、繊維束14は炭素繊維が束となって所定の断面形状(例えば長方形断面)を有する帯状である。具体的には特に限定されることはないが、断面形状が、幅6mm乃至9mm、厚さが0.1mm乃至0.15mm程度の長方形であることが挙げられる。繊維束に含まれる炭素繊維の量も特に限定されることはないが、例えば36000本程度の炭素繊維からなることが挙げられる。
このような炭素繊維による繊維束14がライナ11の外表面に巻き付けられることで繊維層13が形成されている。
繊維層13は繊維束14が何層にも亘って巻かれて形成されているが、本形態ではそのうちの少なくとも1層、好ましくは複数の層において、通常の層に比べて繊維束14の密度が小さい層を具備している。すなわち、通常の層では図3(a)に示したように当該層を正面から見た時に、いずれも繊維束14も隣接する繊維束14に接触するように配置されているが、少なくとも1層、好ましくは複数の層において図3(b)に薄墨で示したように、繊維束14が存在しない部分があり、一部の繊維束14で隣接する繊維束14と接触していない部分を有する層が備えられている。高圧タンク10ではこの部分に樹脂が満たされている。
図3(b)のような層は繊維層13のうち少なくとも1層、好ましくは複数の層で含まれており、また、その位置は特に限定されることはないが内層側が含まれることが好ましく、より好ましくはライナ11に接する層がこの図3(b)のように構成されている。
補強層12において繊維層13に含浸して硬化した樹脂は、初めは流動性のある状態で繊維層13に浸透し、その後何らかの方法により硬化することで繊維層の強度を高めることができるものであれば特に限定されることはない。これには例えば熱により硬化する熱硬化樹脂を挙げることができ、例えばアミン系又は無水物系の硬化促進剤、及び、ゴム系の強化剤を含むエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等がある。その他、エポキシ樹脂を主剤とし、これに硬化剤を混ぜることにより硬化する樹脂組成物も挙げることができる。これによれば、主剤と硬化剤とを混ぜてから硬化するまでの間にこの混合物である樹脂組成物を繊維層に到達及び浸透させることで、自動的に硬化する。
<保護層>
保護層15は補強層12の外周に配置されており、ガラス繊維が巻かれ、ここに樹脂が含浸されてなる層である。含浸される樹脂は補強層12と同様に考えることができる。これにより高圧タンク10に対して耐衝撃性を付与することができる。
保護層15の厚さは特に限定されることはないが、1.0mm乃至1.5mm程度とすることができる。
<口金>
口金16は、ライナ11の2つの開口端にそれぞれ取付けられている部材であり、その一方は、高圧タンク10の内外を連通する開口として機能すると共に、高圧タンク10に配管やバルブを取り付けるための取付部として機能する。また、口金16は、補強層12を形成する際に、ライナ11を後述する多給糸フィラメントワインディング装置へ取り付けるための取付部としても機能する。
なお、ライナ11が金属で構成されている場合には、口金を別途設ける必要はなく、ライナ11から連続して口金と同様の形状が形成されていればよい。
2.プリフォームの構造
プリフォーム20は、最終的に高圧タンク10となる中間部材であり、少なくともライナ11、繊維層13を有して構成されている。従って、プリフォーム20は補強層12の繊維層13に樹脂の含浸が行われる前の部材である。従って、プリフォーム20が備える構成は樹脂が含浸されていないこと以外については上記と同様であり、各構成についての説明は省略する。
なお、ここではプリフォーム20としてライナ11に繊維層13が配置されたものを示して説明するが、繊維層13の外周にさらに保護層15のためのガラス繊維が巻かれたものであってもよい。
3.製造方法1
図4には1つの形態にかかる高圧タンクの製造方法S10の流れを示した。図4からわかるように、高圧タンクの製造方法S10は、繊維の巻き付けの工程S11、可溶性繊維の溶解の工程S12、型への設置・脱気の工程S13、樹脂組成物の供給・停止の工程S14、及び離型の工程S15を含んでいる。以下各工程について説明する。
<繊維の巻き付けの工程S11>
繊維の巻き付けの工程S11(「工程S11」と記載することがある。)では、ライナ11の外周に繊維を巻きつける。図5に説明のための図を示した。図5(a)は可溶性繊維を含む層の繊維束14及び可溶性繊維24を巻き付けの場面、図5(b)は可溶性繊維を含まない層の繊維束14の巻き付けの場面を模式的に表したものである。
工程S11でライナ11に巻きつける繊維は繊維層13を構成する繊維束14及び可溶性繊維24である。繊維束14は上記した通りであるが、可溶性繊維24は図3(b)に薄墨で示した部分に配置される繊維である。すなわち、繊維束14はライナ11の外周に何層にも亘って巻かれるが、本形態ではそのうちの少なくとも1層、好ましくは複数の層において、可溶性繊維24が含まれる層を具備している。すなわち、通常の層では図6(a)に示したように当該層を正面から見た時に、いずれも繊維束14であるが、少なくとも1層、好ましくは複数の層において図6(b)に斜線で示したように、繊維束14及び可溶性繊維が含まれている。
図6(b)のように可溶性繊維24が含まれる層は全ての層のうち少なくとも1層、好ましくは複数の層であり、また、その位置は特に限定されることはないが内層側が含まれることが好ましく、より好ましくはライナ11に接する層がこの図6(b)のように構成されている。
ここで、可溶性繊維24は、水やアルコールにより溶ける性質を有する繊維であり、例えば、水溶性ナイロン、ポリエステル、セルロース等を挙げることができる。
そしてこのような繊維の積層は、図5からわかるように、本形態ではフィラメントワインディング法により行う。
本形態では、繊維束14が巻かれたボビンである繊維束ボビン40が複数、ライナ11の外周に沿ってライナ11を取り囲むように配置された多給糸フィラメントワインディング装置(以下「多給糸FW装置」と記載することがある。)1台を用いている。
より具体的には、ライナ11の周りに配置された複数の繊維束ボビン40を備える多給糸FW装置において、可溶性繊維24を含む層を形成する際には、図5(a)に示したように、複数の繊維束ボビン40のうち少なくとも1つを可溶性繊維24が巻かれたボビンである可溶性繊維ボビン41に変更し、繊維束ボビン40と可溶性繊維ボビン41から順次繊維束14及び可溶性繊維24を繰り出してライナ11の外周に巻き付ける。
なお、可溶性繊維24をライナ11に近い内層側に配置される場合、この可溶性繊維ボビン41を含む巻き付けは、巻き付けの工程のうちの早い段階(1層目であれば最初)に行われる。
一方、可溶性繊維24を含まない層を形成する際には、図5(b)に示したように、全てを繊維束ボビン40として繊維束ボビン40から順次繊維束14を繰り出してライナ11の外周に巻き付ける。
また、図5(a)から図5(b)への変更は単に可溶性繊維ボビン41から繊維束ボビン40へ変更するのみでよい。
多給糸FW装置に同時に設置できるボビンの数は特に限定されることはないが、例えば48個のボビンを設置することができるものもある。その際には、可溶性繊維24を含む層を巻き付ける場合には、40個の繊維束ボビン40と8つの可溶性繊維ボビン41でライナ11を囲むように配置する態様で巻き付けを行うことができる。
なお、引き続き保護層15のためのガラス繊維が巻かれてもよい。
<可溶性繊維の溶解の工程S12>
可溶性繊維の溶解の工程S12では、工程S11で作製された部材(ライナ11に繊維束14及び可溶性繊維24が巻かれた部材)を水やアルコールに浸漬するなどして可溶性繊維を溶解する。
具体的には例えば、工程S11で作製された部材(ライナ11に繊維束14及び可溶性繊維24が巻かれた部材)を水やアルコールが貯蔵されたプールに浸漬することにより行われる。
これにより、ライナ11に巻かれた可溶性繊維24が溶解し、可溶性繊維24が配置されていた部分が空隙になる。
そして、この工程S12によりプリフォーム20が形成される。
<型への設置・脱気の工程S13>
型への設置・脱気の工程S13(「工程S13」と記載することがある。)では、工程S12で作製したプリフォーム20を型に設置し、真空引きにより脱気を行う。この脱気により、含浸される樹脂組成物が繊維層13に浸透しやすくなり、含浸がより円滑に行われる。
図7に、1つの例にかかる型45を説明するための図を示した。図7(a)はプリフォーム20とともに示した型45の模式的な分解断面図、図7(b)はプリフォーム20が設置された状態の型45の模式的な断面図である。
型45はプリフォーム20の繊維層13に対して樹脂を含浸するための型であり、本形態では上型46及び下型47を有して構成されている。上型46と下型47とが重なることで、型45の内側にプリフォーム20の形状に沿った内部空間が形成される。この内部空間は真空引きが可能とされ、密閉された空間を形成することできる。
また、上型46は、図7(b)に直線矢印で示したように下型47に対して相対的に移動することができ、これによりプリフォーム20の型45への設置、型45からのプリフォーム20の離脱(離型)をすることができる。
また、上型46には、外部から、設置されたプリフォーム20の繊維層13にまで達する流路46aが設けられている。この流路46aに樹脂組成物を流すことにより繊維層13に対して樹脂組成物を供給し含浸させる。
さらに型45には形成された内部空間内の真空引き(真空脱気)をするための不図示の空気流通路も設けられている。
また、型45は不図示の温度制御装置により、その温度を所望の温度に保持することができるように構成されている。
型45に用いられる材料は特に限定されることはないが、通常の通り金属が好ましく用いられ、型45はいわゆる金型である。
本工程S13では、型45の上型46が下型47から離脱されて開放状態とされ、上面が大きく露出した下型47に対してプリフォーム20を設置し、その後、下型47及びここに設置されたプリフォーム20に対して被せるように上型46を配置して締め付ける。そして、真空ポンプにより真空脱気をする。
真空脱気は次の工程で行われる樹脂組成物を繊維層13に供給する前に終了する。
<樹脂組成物の供給・停止の工程S14>
樹脂組成物の供給・停止の工程S14(「工程S14」と記載することがある。)では、図8に示したように、硬化前の樹脂組成物を流路46aを通じて型45に配置されたプリフォーム20の繊維層13に対して供給し、必要な量の樹脂組成物の供給により供給を停止する。これにより樹脂組成物が繊維層13に含浸する。
樹脂組成物は、流動性のある状態で繊維層に到達及び浸透し、その後何らかの方法により硬化することで繊維層の強度を高めることができるものであれば特に限定されることはない。これには例えば熱により硬化する熱硬化樹脂が挙げられ、例えばアミン系又は無水物系の硬化促進剤、及び、ゴム系の強化剤を含むエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等がある。この他にも、エポキシ樹脂を主剤とし、これに硬化剤を混ぜることにより硬化する樹脂組成物を挙げることができる。これによれば、主剤と硬化剤とを混ぜてから硬化するまでの間にこの混合物である樹脂組成物を繊維層に到達及び浸透させることで、自動的に硬化する。
本開示では、繊維層13において、溶解性繊維24が溶解した部分に間隙が形成されており、ここが樹脂組成物が流動する際の流路となり、繊維層13への樹脂組成物の含浸をより早く確実な含浸(ライナ11に接する層までの速やかな含浸)をさせることが可能となる。特にプリフォーム20の管状の軸線方向への樹脂組成物の浸透を円滑に行うことができる。
<離型の工程S15>
離型の工程S15(「工程S15」と記載することがある。)では、工程S14で樹脂組成物が硬化し、繊維層13に含浸した樹脂組成物が硬化していることを得て、樹脂が含浸されたプリフォーム20を型45から離脱する。
本形態では型45の上型46を下型47から離脱し、開放状態とすることで離型を行う。
<効果・その他>
以上の各工程を含む製造方法により、樹脂が含浸されたプリフォーム20が得られる。この樹脂が含浸されたプリフォーム20に対してさらに樹脂が含浸されたガラス繊維による層が形成されるなどして高圧タンク10とすることができる。
本開示によれば、RTM含浸技術により繊維層に樹脂を含浸させることに関し、多給糸FW装置で繊維層の少なくとも一部に可溶性繊維が溶解した部分に間隙が形成されいるため、ここが樹脂組成物の流路となり、円滑な樹脂組成物の含浸が可能となる。これにより良好な生産性を有しつつ、適切な含浸が可能となり、品質の高い高圧タンクとすることができる。
また、可溶性繊維を溶かす際には含浸する樹脂組成物が供給される前であるため、樹脂組成物の硬化とは無関係に樹脂組成物のための流路を形成することができる。
また、この流路は可溶性繊維の配置により任意に形成することができるため、樹脂流動挙動を制御でき、良好な樹脂含浸条件を選定することもできる。
4.製造方法2
ここでは、他の形態にかかる高圧タンクの製造方法S20について説明する。高圧タンクの製造方法S20では、図4を示して説明した高圧タンクの製造方法S10に対して、繊維の巻き付けの工程S11の代わりに異なる繊維の巻き付け工程(「繊維の巻き付けの工程S21」と記載する。)が用いられる点で異なる。それ以降の工程である工程S12乃至工程S15は高圧タンクの製造方法S10と同じであるためここでは説明を省略する。以下、工程S21について説明する。
<繊維の巻き付けの工程S21>
繊維の巻き付けの工程S21(「工程S21」と記載することがある。)は、ライナ11の外周に繊維を巻きつける。図9に説明のための図を示した。
本形態もフィラメントワインディング法により繊維束14及び可溶性繊維24をライナ11に巻きつけるが、複数の多給糸FW装置が並べられた連続多給糸FW装置により当該巻き付けを行う。この形態では図9に示したように、複数の多給糸FW装置50a乃至多給糸FW装置50fが並べられている。これら個々の多給糸FW装置は図5を用いて説明した多給糸FW装置と同じである。
本形態では、複数の多給糸FW装置を配置することで、多給糸FW装置ごとに担当する層を分けて巻き付けを行うものである。従って図9に示したように、ライナ11が紙面右側から左側に移動し、例えば多給糸FW装置50aが1層目、多給糸FW装置50bが2層目、多給糸FW装置50cが3層目、…というようにして複数の多給糸FW装置を通過することで全部の層が巻かれる。
このような連続多給糸FW装置によれば、可溶性繊維24を含む多給糸FW装置を固定することができ、巻いている途中にボビンの変更をする必要がなく、効率よく繊維の巻き付けを行うことができる。
例えば、1層目(ライナ11に接する層)を可溶性繊維24が含まれる層にしたい場合には、図9の多給糸FW装置50aを図5(a)のようにして可溶性繊維ボビン41を含むようにすればよい。そして、多給糸FW装置50b乃至多給糸FW装置50fを図5(b)のように全てのボビンを繊維束ボビン40とする。これによれば、ボビンの種類の変更は必要ないため、効率よく繊維束14及び可溶性繊維24を巻くことができる。
10 高圧タンク
11 ライナ
12 補強層
13 繊維層
14 繊維束
15 保護層
16 口金
20 プリフォーム
24 可溶性繊維
40 繊維束ボビン
41 可溶性繊維ボビン
45 型
46 上型
47 下型

Claims (1)

  1. ライナの外周に炭素繊維及び可溶性繊維を巻きつける工程と、
    前記炭素繊維及び前記可溶性繊維を巻きつけた前記ライナの前記可溶性繊維を溶かす工程と、
    前記ライナに巻き付けられた前記炭素繊維による層に樹脂を含浸する工程と、を含む、
    高圧タンクの製造方法。
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