JP2024033302A - 高圧タンクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維束の配向性を高めることができる高圧タンクの製造方法を提供する。【解決手段】ライナに内圧をかけながらライナの外周に複数層に亘るフープ巻の層を具備するように繊維束を巻き付ける工程を含み、2層目以降のフープ巻の層が、最もライナ側に配置されたフープ巻の層に対して、周方向のいずれの位置でもひずみが大きくなるように繊維束の張力及びライナの内圧を調整する。【選択図】図3

Description

本開示は、樹脂が含浸された繊維束が巻かれた層を有する高圧タンクの製造方法に関する。
燃料電池車等に用いられる高圧タンクは、当該高圧タンクの内部空間を形成するライナを有し、このライナに対してその外周に樹脂が含浸された繊維束が巻かれていることにより補強層が形成されており、これにより高い強度を実現している。
特許文献1には、タンクの製造方法において、ライナに内圧をかけながら繊維束を巻回することが記載されている。
特開2019-127968号公報
従来の高圧タンクにおいて、フープ巻きをしていく際に、一部の領域で局所的な圧縮場が発生して巻きしまり(繊維束の揃い具合(繊維束の配向性)が低下する問題)が発生することがあり、ライナが変形して剛性が低下する虞がある。特に高圧タンクの軽量化に伴う薄肉化等によりこれが顕著となる傾向にある。
本開示は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、繊維束の配向性を高めることができる高圧タンクの製造方法を提供することを課題とする。
本願は、高圧タンクの製造方法であって、ライナに内圧をかけながらライナの外周に複数層に亘るフープ巻の層を具備するように繊維束を巻き付ける工程を含み、2層目以降のフープ巻の層が、最もライナ側に配置されたフープ巻の層に対して、周方向のいずれの位置でもひずみが大きくなるように繊維束の張力及びライナの内圧を調整する、高圧タンクの製造方法を開示する。
本開示によれば、繊維束を巻く際に内圧及び繊維張力を調整することでライナ外表面におけるのひずみ状態が改善して繊維束の配向性が向上する。
図1(a)は高圧タンク10の外観、図1(b)は断面を示す図である。 図2は高圧タンク10における繊維束12aの巻き方を説明する図である。 図3はフープ群の層別の周方向位置ごとのひずみを示す図である。
1.高圧タンクの構造
図1(a)には1つの形態にかかる高圧タンク10の外観を模式的に表し、図1(b)には高圧タンク10の軸線に沿った断面を模式的に表した。これらの図からわかるように、本形態で高圧タンク10はライナ11、補強層12、保護層13、及び、口金14を有している。以下に各構成について説明する。
1.1.ライナ
ライナ11は、高圧タンク10の内部空間を区画する中空の部材であり本形態では円筒状である。ライナ11は、径が概ね一定である胴体部11aの両端の開口がドーム状の側端部11bにより狭められ、狭められた開口11cには口金14が配置されている。
ライナ11はその内部空間に収容されたもの(例えば水素)を漏らすことなく保持することができる材料で構成されていればよく、材料は公知のものを用いることができる。具体的には例えばナイロン樹脂、ポリエチレン系の合成樹脂や、ステンレス鋼、アルミニウム等の金属等からなるものである。
ライナ11の厚さは特に限定されることはないが、0.5mm~3.0mmであることが好ましい。
その中でも、高圧タンクの軽量化の観点からライナを構成する材料は合成樹脂であることが好ましく、その厚さは胴体部において2.0mm以下であることが好ましい。このような軽量化されたライナを具備する高圧タンクでは上記したように繊維束の配向性に問題が生じやすかったが本開示により配向性を高めることができた。
1.2.補強層
補強層12は、繊維が複数層に亘って積層されるとともに、その繊維には硬化した樹脂が含浸されている。繊維による層は、ライナ11の外周に繊維束が所定の厚さにまで複数層に亘って巻き付けられてなる。補強層12の厚さや繊維束の巻き数は必要な強度により決められるため特に限定されることはないが、厚さは10mm~30mm程度である。
<繊維束> 補強層12の繊維束には例えば炭素繊維が用いられており、繊維束は炭素繊維が束となって所定の断面形状(例えば長方形断面)を有する帯状である。具体的には特に限定されることはないが、断面形状が、幅が6mm~20mm、厚さが0.1mm~0.5mm程度の長方形であることが挙げられる。繊維束に含まれる炭素繊維の量も特に限定されることはないが、例えば24000本程度の炭素繊維からなることが挙げられる。
<含浸樹脂> 補強層12において繊維(繊維束)に含浸及び硬化された樹脂は、繊維の強度を高めることができるものであれば特に限定されることはない。例えば熱により硬化する熱硬化樹脂を挙げることができ、具体的にはアミン系又は無水物系の硬化促進剤、及び、ゴム系の強化剤を含むエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等がある。その他、エポキシ樹脂を主剤とし、これに硬化剤を混ぜることにより硬化する樹脂組成物も挙げることができる。これによれば、主剤と硬化剤とを混ぜてから硬化するまでの間にこの混合物である樹脂組成物を繊維束に到達及び浸透させることで、自動的に硬化する。
<繊維束の巻き付け態様> 次に、高圧タンク10における繊維束12aのライナ11への巻き付け態様について説明する。図2に説明のための図を示した。図2にはわかりやすさのため巻かれた繊維束12aの一部を表している。上記したように、補強層12では繊維束12aがライナ11の外周に巻き付けられて構成されている。
繊維束12aの巻き付けの態様にはフープ巻とヘリカル巻があり、ヘリカル巻にはさらに低角度ヘリカル巻及び高角度ヘリカル巻がある。
フープ巻は図2にAで示したように主に胴体部に適用され、高圧タンク10の軸線Lに対して傾斜角αが80°以上90°以下で巻かれている。フープ巻は当該部分を巻き締めて気体圧によりライナ11が径方向外側へ拡張する力に対抗する力を作用させる。
一方、ヘリカル巻きは側端部を高圧タンクの軸線方向の内側向きに巻き締めることを主目的とした巻き方であり、側端部に引っ掛かるようにして繊維束12aをライナ11に対し全体的に巻き付けることにより、当該側端部の強度向上を図っている。低角度ヘリカル巻は図2にBで示したように主に反対側に存在する2つの側端部を渡すように巻き付けられ、高圧タンク10の軸線Lに対して傾斜角αが5°以上30°以下で巻かれている。高角度ヘリカル巻は図2にCで示したように主に胴体部と側端部とを渡すように巻き付けられ、高圧タンク10の軸線Lに対して傾斜角αが70°以上80°未満で巻かれている。
本形態では、ライナ11の外周面に接して(すなわち補強層12の最内層)に低角度ヘリカル巻きで1層巻かれ、その外側に高角度ヘリカル巻とフープ巻とによるフープ群による巻きつけがなされ、このフープ群が複数層に亘ってが繰り返されている。
また、複数のフープ群において、2層目以降のフープ群のフープ巻による層が、最も内側(ライナ側)に配置されたフープ群のフープ巻による層に対して、周方向のいずれの位置でもひずみが大きくなるように巻かれている。より好ましくは、複数のフープ群において、あるフープ群のフープ巻による層が、そのフープ群の1つ内側(ライナ側)に配置されたフープ群のフープ巻による層に対して、周方向のいずれの位置でもひずみが大きくなるように巻かれている。これにより繊維束の配向性を高めてライナの強度低下を抑えることができる。このようなひずみの制御は高圧タンクの作製時に調整される。そのための製造方法については後で説明する。
1.3.保護層
保護層13は必要に応じて補強層12の外周に配置される層であり、例えばガラス繊維が巻かれ、樹脂が含浸されてなる。含浸される樹脂は補強層12と同様に考えることができる。これにより高圧タンク10に対して耐衝撃性を付与することができる。保護層13の厚さは特に限定されることはないが、1.0mm~1.5mm程度にできる。
1.4.口金
口金14は、ライナ11の2つの開口11cに配置されている部材で、一方は、高圧タンク10の内外を連通する開口として機能すると共に、配管やバルブを取り付けるための取付部として機能する。また、口金14は、補強層12を形成する際に、ライナ11を多給糸フィラメントワインディング装置へ取り付けるための取付部としても機能する。
2.製造方法
上記した高圧タンク10はその1つの製造方法S10として、繊維束による層の形成の工程S11、型への設置・脱気の工程S12、樹脂組成物の供給・停止の工程S13、及び離型の工程S14を含んでいる。以下各工程について説明する。
2.1.繊維束による層の形成の工程S11
繊維束による層の形成の工程S11では、ライナ11の外周に繊維束12aを巻きつける。この工程では、ライナ11の内側の圧力を高めた上で、ライナ11の外表面に接する低角度ヘリカル巻の第1層を形成し、この第1層の外にフープ群を繰り返して複数層に亘って巻く。
このとき、複数のフープ群において、2層目以降のフープ群のフープ巻による層が、最も内側(ライナ側)に配置されたフープ群のフープ巻による層に対して、周方向のいずれの位置でもひずみが大きくなるように巻かれている。好ましくは、複数のフープ群において、あるフープ群のフープ巻による層が、そのフープ群の1つ内側(ライナ側)に配置されたフープ群のフープ巻による層に対して、周方向のいずれの位置でもひずみが大きくなるように巻かれている。これにより繊維束の配向性を高めてライナの変形、強度低下を抑えることができる。発明者は、このようなひずみと繊維束の配向性とに関係があるとの知見を得て、ひずみ制御することでライナの変形、強度低下を抑えることを可能とした。
フープ群の繊維束に生じるひずみを上記のようにするため、繊維束による層の形成の工程S11ではフープ群の層ごとにライナの内圧及び巻回時の繊維束の張力を制御する。具体的なライナの内圧及び繊維束の張力は、製造する高圧タンクの種類ごとに予めひずみとの関係を得ておき、これに基づいて制御する。ひずみの測定方法は特に限定されることはないが、例えば、1つのフープ群の層が形成されるごとに外周に光ファイバを巻き付けてパルス光を通し、後方散乱光を受信することによりひずみを測定する方法(分散型光ファイバセンシング)を用いて、ひずみを周方向位置ごとに測定することが挙げられる。
1つの例として次のように各層を積層させた。
<ライナ>
・材質:ポリアミド6(ナイロン6)及びポリアミド66(ナイロン66)、ヤング率2400MPa
・胴体部における厚さ:2mm
・内径:265mm
・軸線方向長さ:1200mm
<繊維束>
・繊維:炭素繊維
・繊維束の大きさ:幅16mm×厚さ0.3mm
<繊維束の巻き方>
・第1層:低角度ヘリカル巻き
・第2層(フープ群最内層):ライナ内圧0.05MPa、繊維束張力240N
・第3層(フープ群第2層):ライナ内圧0.2MPa、繊維束張力235N
・第4層(フープ群第3層):ライナ内圧0.4MPa、繊維束張力230N
・第5層(フープ群第4層、最外層):ライナ内圧0.55MPa、繊維束張力220N
<含浸樹脂>
・樹脂:エポキシ樹脂
フープ群の各層を形成するたびに高圧タンクの外周に光ファイバを巻き付けて分散型光ファイバセンシングを用いて高圧タンクに生じたひずみを周方向位置ごとに測定し、周方向に沿ったひずみ分布を得た。その結果、図3に示したようなひずみ分布となった。図3からわかるように、複数のフープ群において、2層目以降のフープ群による層が、最内層のフープ群による層に対して、周方向のいずれの位置でもひずみが大きくなるように巻かれている。本例ではさらに、隣接するフープ群において1つ内側(ライナ側)に配置されたフープ群による層に対して、周方向のいずれの位置でもひずみが大きくなった。これにより、繊維束の十分な配向性を得てライナの変形、強度低下を抑えることができた。
このような繊維束12aの巻き付けは、本形態ではフィラメントワインディング法により行う。例えば繊維束12aが巻かれたボビンが複数、ライナ11の外周に沿ってライナ11を取り囲むように配置された多給糸フィラメントワインディング装置を用いて繊維束12aを巻き付ける。同時に設置できるボビンの数は特に限定されることはないが、例えば48個のボビンを設置することができるものもある。
2.2.型への設置・脱気の工程S12
型への設置・脱気の工程S12では、繊維束による層の形成の工程S11で作製したプリフォーム(ライナに繊維束が巻かれた部材)を型の内側に設置して当該型の内側を真空引きすることにより脱気を行う。この脱気により、含浸される樹脂組成物が繊維束に浸透しやすくなり、含浸がより円滑に行われる。
2.3.樹脂組成物の供給・停止の工程S13
樹脂組成物の供給・停止の工程S13では、硬化前の樹脂組成物を流路を通じて型に配置されたプリフォームの繊維束による層に対して供給し、必要な量の樹脂組成物の供給により供給を停止する。これにより樹脂組成物が繊維束に含浸する。
2.4.離型の工程S14
離型の工程S14では、供給され含浸した樹脂組成物が硬化していることを得て、樹脂が含浸されたプリフォームを型から離脱する。
10…高圧タンク、11…ライナ、12…補強層、13…保護層、14…口金

Claims (1)

  1. 高圧タンクの製造方法であって、
    ライナに内圧をかけながら前記ライナの外周に複数層に亘るフープ巻の層を具備するように繊維束を巻き付ける工程を含み、
    2層目以降のフープ巻の層が、最も前記ライナ側に配置されたフープ巻の層に対して、周方向のいずれの位置でもひずみが大きくなるように前記繊維束の張力及び前記ライナの内圧を調整する、
    高圧タンクの製造方法。
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