JPH083710B2 - 電子楽器の入力装置 - Google Patents

電子楽器の入力装置

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JPH083710B2
JPH083710B2 JP62044375A JP4437587A JPH083710B2 JP H083710 B2 JPH083710 B2 JP H083710B2 JP 62044375 A JP62044375 A JP 62044375A JP 4437587 A JP4437587 A JP 4437587A JP H083710 B2 JPH083710 B2 JP H083710B2
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征一 ▲高▼木
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征一 ▲高▼木
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電子楽器における楽音を形成するための音高
情報を呼気に基づいて得る電子楽器の入力装置に関する
ものである。
〔従来技術〕
シンセサイザのような電子楽器において楽音を形成す
るための音高情報は、通常キーボードの押鍵操作信号や
空気振動管のバルブ操作信号によって得られるようにな
っており、その操作は基本的に通常の弦楽器や管楽器な
どの操作と同じであるから、楽器演奏に習熟した者でな
ければそのような電子楽器を自由に演奏することはでき
ない。このため、音声入力形式のシンセサイザ、即ち、
人の歌声から基本周波数を抽出し、この抽出した基本周
波数に応じた音高で楽音を生成する電子楽器が提供され
ている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、このような音声入力形式のシンセサイ
ザは、その構造上楽器演奏だけを行うことができず、ま
た、入力音声から基本周波数の抽出を行うには入力音声
のフィルタリング、サンプリング、及び、サンプリング
されたデータに対する広範囲の相関計算が必要とされる
ことから、高分解能をもってリアルタイムで楽音を形成
することが難しく、それが可能であってもその回路規模
の大型化を招くという問題点があった。
本発明の目的は、通常の楽器演奏に対する習熟度とは
無関係に比較的簡単な操作で演奏を可能とする電子楽器
の入力装置を比較的簡単な構成によって得ることにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、音高情報及び音量情報の符号化データに基
づいて楽音を形成する電子楽器の入力装置において、外
部から供給される呼気を検出してその圧力レベルに基づ
いて音高情報を電気的に出力する音高情報出力手段と、
上記呼気の供給に伴う圧力レベルに基づいて音量情報を
電気的に出力する音量情報出力手段を備えることを特徴
とするものであり、例えば、呼気流束の最大横断面内及
び最小横断面内に複数個の半導体圧力センサが含まれる
ようにそれらをマトリクス配置し、その内の所定のもの
を上記呼気流検出手段として、概ね単位面積当たりの呼
気圧に応じたその出力を音高情報として音高情報符号化
変換手段に供給し、また、斯る複数個の半導体圧力セン
サの内の所定のももの出力を加算回路で加算して得られ
る呼気の総圧に応じた加算値を音量情報として音量情報
符号化変換手段に供給するように構成されるものであ
る。
〔作 用〕 上記した手段によれば、例えば、口笛を吹く要領で口
の開口度に応じた呼気流束の大小と、呼気の強弱とによ
る呼気コントロールが行われるとき、マトリクス配置し
た複数の半導体圧力センサにより、呼気の総圧に基づい
て楽音形成に必要な音量情報を得ると共に、そのときに
おける概ね単位面積当たりの呼気圧力に基づいて楽音形
成に必要な音高情報を得ることにより、通常の楽器演奏
に対する習熟度とは無関係な口笛を吹くような呼気コン
トロールという比較的簡単な操作で演奏を可能とするも
のである。
〔実 施 例〕
以下、図面を参照しながら本発明の一実施例を説明す
る。
第1図は本発明の一実施例における電子楽器のブロッ
ク図である。第1図に示される電子楽器の入力装置1
は、楽音の形成に必要とされる音高情報及び音量情報を
基本的に呼気コントロールに基づいて得るものであり、
例えば、呼気流束の最大横断面内に含まれるように複数
個の半導体圧力センサS1乃至Snをマトリクス配置した概
ね円形のセンサアレイ2を有し、そのセンサアレイ2を
構成する個々の半導体圧力センサS1乃至Snによって呼気
流を検出する。夫々の半導体圧力センサS1乃至Snは、特
に制限されないが、シリコン単結晶上に拡散層のような
半導体領域を形成し、その半導体領域に対する圧力を、
それに呼応する抵抗値変化に基づいてアナログ電圧レベ
ルとして検出し得るものである。
上記センサアレイ2のほぼ中央部に位置する半導体圧
力センサS1な、呼気流の流速に応じた圧力レベル即ち呼
気流における概ね単位面積当たりの呼気圧力(以下単に
単位呼気圧とも記す)に対応する検出出力を音高情報と
して得る音高情報出力手段とされ、その半導体圧力セン
サS1の出力は音高情報符号化変換手段としてのAD(アナ
ログ・トゥー・ディジタル)変換回路3に供給されるよ
うになっている。また、全ての半導体圧力センサS1乃至
Snの出力端子はアナログ加算回路4の入力端子に結合さ
れ、夫々の半導体圧力センサS1乃至Snの検出出力の加算
値は呼気流量即ち呼気流束横断面における呼気の総圧
(以下単に呼気総圧とも記す)に応ずる音量情報として
AD変換回路(音量情報符号化変換手段)5に供給される
ようになっている。呼気流の実質的な検出分解能は上記
AD変換回路3及び5におけるサンプリング周期及び変換
ビット数によって決定される。
本実施例のように呼気の流速圧力に応ずるような単位
呼気圧によって音高を制御し、また、そのときの呼気流
量圧力に応ずるような呼気総圧によって音量を制御する
方式において、音高制御と音量制御とを差別化するため
に、言い換えるなら、単位呼気圧に対して呼気総圧を差
別化してセンサアレイ2で検出可能とするために、呼気
流束の最小横断面内には、複数の半導体圧力センサが含
まれるようにされる。この構成において、単位呼気圧に
対して呼気総圧を差別化してセンサアレイ2で検出可能
とするための呼気コントロールは、センサアレイ2によ
って検出される呼気総圧を呼気流束の横断面領域の大き
さを変えることでコントロールするようにして実行され
るものである。斯る呼気コントロールは、口笛を吹くと
きの動作にシミュレート可能であり、音量を一定に保っ
て音高レベルを上げるときには呼気流束の横断面積を徐
々に小さくしながら呼気を強める。逆に音量を一定に保
って音高レベルを下げるときは呼気流束の横断面積を徐
々に大きくしながら呼気を弱める。また、音高を一定に
保って音量レベルを上げるときは呼気の強さを一定に保
つようにして呼気流束の横断面積を必要な音量レベルに
応じて大きくする。逆に、音高を一定に保って音量レベ
ルを下げるときは呼気の強さを一定に保つようにして呼
気流束の横断面積を必要な音量レベルに応じて小さくす
る。したがって、斯る呼気コントロールは、呼気の強弱
と呼気流束の大小とを互いに補完し合うようなコントロ
ールとなり、それによって、口笛を吹く全く同様もしく
はそれに類似の操作によって容易に所望の呼気総圧と単
位呼気圧とが得られる。
第2図及び第3図に示される構成は、上記した呼気コ
ントロールを、口笛を吹く場合と全く同じ要領で口先の
微妙な形状変化などに基づいて実行可能とするものであ
る。即ち、第2図な示されるセンサアレイ2は、その受
圧面全体の大きさが呼気流束の最大横断面積に呼応し、
且つ、呼気流束の最小横断面内に複数個の半導体圧力セ
ンサが含まれるように全体が比較的小さく構成されてい
て、例えば、1つの半導体基板に各半導体圧力センサS1
乃至Snが形成されている。この場合、入力装置1に設け
られているセンサアレイ2の先方には、センサアレイ2
を構成する夫々の半導体圧力センサS1乃至Snの受圧面を
オペレータの口先から所定距離離間させると共に、オペ
レータの唇の外側に押し当てて口先の形状を口笛を吹く
ように自由に変えられるようにオペレータの口元に支持
されるマウスピース6を突設して、口笛を吹く要領で口
の開口度に応じた呼気流束の大小と、呼気の強弱とによ
る呼気コントロールを容易に行うことができるようにさ
れている。
また、第3図に示される構成は、各半導体圧力センサ
S1乃至Snを共通の半導体基板に形成せずに個々に独立的
に形成された半導体圧力センサS1乃至Snを集合させて成
る比較的サイズの大きなセンサアレイ2を採用した場合
の構成であり、夫々の半導体圧力センサS1乃至Snに1対
1対応される比較的径の細い複数のダクト7を起端から
終端に向けて裾拡がり状に折曲して束ね、夫々の起端開
口OP1乃至OPnを概ね呼気流束の最大横断面内に含まれる
ように配置すると共に、各ダクト7の終端開口を夫々に
対応する半導体圧力センサS1乃至Snの受圧面に対向さ
せ、更に、上記同様のマウスピース6を起端開口OP1
至OPnの先方に突設して成る。斯る構成は、第2図に示
される構成と同様に、マウスピース6をオペレータの唇
の外側に押し当てて口先の形状を口笛を吹くように自由
に変えられるようにして、口笛を吹く要領で口の開口度
に応じた呼気流束の大小と、呼気の強弱とによる呼気コ
ントロールを容易に行うことができるようにするもので
あるが、個々の半導体圧力センサS1乃至Snのサイズを特
に小さくする必要はなく、単体として入手の容易な比較
的サイズの大きな所謂汎用的な半導体圧力センサを組合
せてマトリクス配置することによってセンサアレイ2を
容易に構成することができ、ひいては電子楽器の入力装
置1のコスト低減に寄与することができる。
第4図に示される構成は、上記第2図及び第3図のよ
うに呼気コントロールを口笛を吹く場合と全く同じ要領
で実行可能とするものではなく、マウスピースを直接口
でくわえて呼気コントロールを行う形式のものである。
即ち、夫々の半導体圧力センサS1乃至Snの受圧面に1対
1対応で終端開口を臨ませた複数ダクト9に連通する起
端開口OP1乃至OPnを概ね半球形の表面に形成したマウス
ピース8を介して呼気を供給するように構成される。こ
のマウスピース8は直接口でくわえて呼気を供給するか
ら、唇によって起端開口OP1乃至OPnを覆う面積を変える
ことによってセンサアレイ2に供給すべき呼気流量をコ
ントロールする必要があり、上記第2図及び第3図の構
成に比べ、口先の微妙な形状変化に基づく呼気コントロ
ールを行うことはできないが、各ダクト9の終端開口を
ノズル状に細くすれば、1回の呼気の連続的持続時間
を、第2図及び第3図の構成に比べて相対的に長くさせ
ることができる。
上記加算回路4は、第5図に示されるように、オペア
ンプ10の出力端子と反転入力端子とに帰還インピーダン
スZを接続すると共に、オペアンプ10の反転入力端子に
入力抵抗R1乃至Rnを並列的に接続して構成されるが、そ
の場合に上記帰還インピーダンスZを可変抵抗回路によ
って構成すると、そのためのマニュアル調整用のボリュ
ームスイッチ11の操作に基づいて、加算出力を全体的に
レベルシフトさせることが可能になり、呼気の流量制御
以外によっても補助的に音量情報を簡単に制御すること
ができる。また、夫々の入力抵抗R1乃至Rnの抵抗値は相
互に同一である必要はなく、呼気コントロールとの関係
で所定の規則に従って重みを付けることができる。例え
ば、センサアレイ2全体で検出される呼気総圧の増加が
音量の増大に対応され、また、1つの半導体圧力センサ
S1で検出される単位呼気圧の増加が音高の高音側へシフ
トに対応するものとされるとき、小さな音量で高い音を
出す場合には、それと同じ呼気流束断面積を維持しなが
ら小さな温良で低い音を出すときの呼気コントロールに
比べると、呼気流速が相対的に速くなり、それに呼応し
て呼気流量も増し、音量は増大傾向を採ることになる。
音量が相対的に小さい場合におけるそのような音量の増
大傾向は音量に大きな変化率をもたらすことになるか
ら、そのような場合の音量の変化率を低減させるため
に、センサアレイ2の中央部に位置する適宜個数の半導
体圧力センサ(但し半導体圧力センサS1を除く)に対応
する入力抵抗の抵抗値を相対的に大きくして、当該セン
サアレイ2の中央部に位置する半導体圧力センサによる
変換電圧レベルを相対的に下げるように構成してもよ
い。
第1図において12は、電子楽器全体の制御を司るCPU
(中央処理装置)であり、特にその構成を図示はしない
が演算制御系や命令制御系を有し、所定のプログラムに
従ってシーケンシャルな制御動作を行う。CPU12には、
上記AD変換回路3から出力されるディジタル音高情報、
音高の基準音を選択的に指定して生成すべき楽音のオク
ターブをシフト可能とする音高基準設定部13の出力制御
信号、及び、音色を選択的に指定する音色設定部14の出
力制御信号が供給される。CPU12は上記各制御信号に基
づいてアドレス信号のような楽音選択データを楽音発生
部15に供給する。楽音発生部15には、楽音の発生に必要
な各種ディジタル波形データを格納した図示しないROM
(リード・オンリ・メモリ)が含まれていて、上記楽音
選択データによって指定されるアドレスに対応したディ
ジタル波形データをパラレルに出力する。楽音発生部15
から選択的に出力されるディジタル波形データは、楽音
発生のためのメロディーもしくは音階用の波形データに
相当するもので、それは乗算回路16に供給される。
乗算回路16には、乗算係数データが係数回路17を介し
て供給されているが、この乗算係数データは、上記AD変
換回路3から係数回路17に供給されるディジタル音高情
報に応じた所定の音量を得るための係数データである。
乗算回路16は、斯る乗算係数データと楽音発生部15から
供給されるディジタル波形データとを乗算して、メロデ
ィーもしくは音階に対して所定の音量を重畳したような
形式のデータを出力する。乗算回路16から出力される乗
算結果データは、DA(ディジタル・トゥー・アナログ)
変換回路18においてアナログ信号としての楽音信号に変
換され、その楽音信号はフィルタ回路19でノイズ成分の
ような所定の周波数成分が除去された後に、増幅回路20
で増幅されてスピーカー21から所定の楽音として放音さ
れる。
次に上記実施例の動作を説明する。
音高基準設定部13及び音び音色設定部14をイニシャル
設定した状態で入力装置1のセンサアレイ2に向けて呼
気を吹き込まないとき、夫々の半導体圧力センサS1乃至
Snの出力電圧の加算値を音量情報として受けるAD変換回
路5は係数回路17を介して音量ゼロのための乗算係数デ
ータを乗算回路16に供給すると共に、半導体圧力センサ
S1の出力電圧を音高情報として受けるAD変換回路3はCP
U12及び楽音発生部15を介してイニシャル波形データを
乗算回路16に供給する。それによって、上記初期状態で
は、スピーカー21からの楽音の放音が抑制されている。
入力装置1のセンサアレイ2に向けて呼気を吹き込む
と、そのとき呼気流の圧力を受ける半導体圧力センサの
出力電圧レベルがその圧力に応じて増大され、全ての半
導体圧力センサS1乃至Snの出力電圧の加算値(そのとき
の呼気総圧に対応する)は音量情報としてAD変換回路5
に供給され、そのときの音量情報に呼応する音量を得る
ための乗算係数データが係数回路17を介して乗算回路16
に供給される。一方、センサアレイ2に向けて呼気が吹
き込まれたとき、そのセンサアレイ2の中央部に位置す
る半導体圧力センサS1の出力電圧(そのときの単位呼気
圧に対応する)は、音高情報としてAD変換回路3に供給
され、そのときの音高情報に呼応する音階を得るための
ディジタル波形データがCPU12及び楽音発生部15を介し
て乗算回路16に供給される。乗算回路16は、同一時刻に
サンプリングされた各半導体圧力センサS1乃至Snの出力
電圧値に呼応する乗算係数データとディジタル波形デー
タとを相互に乗算処理して、その乗算結果データをDA変
換回路18に供給することにより、スピーカ21からは、当
該所定時刻における呼気総圧に呼応する音量で且つ単位
呼気圧に呼応する音階の楽音が放音される。
楽音によってメロディーを構成するための音量及び音
階を得る為の呼気コントロールは、本実施例のように呼
気の流速圧力に応ずるような単位呼気圧によって音高を
制御し、また、そのときの呼気流量圧力に応ずるような
呼気総圧によって音量を制御する方式において、口笛を
吹くときの動作に呼応されるものであり、音量を一定に
保って音高レベルを上げるときは呼気流束の横断面積を
徐々に小さくしながら呼気を強める。逆に音量を一定に
保って音高レベルを下げるときは呼気流束の横断面積を
徐々に大きくしながら呼気を弱める。また、音高を一定
に保って音量レベルを上げるときは呼気の強さを一定に
保つようにして呼気流束の横断面積を増大すべき音量レ
ベルに応じて大きくする。逆に、音高を一定に保って音
量レベルを下げるときは呼気の強さを一定に保つように
して呼気流束の横断面積を減少すべき音量レベルに応じ
て小さくする。このように、斯る呼気コントロールは、
呼気の強弱と呼気流束の大小とを互いに補完し合うよう
なコントロールとなり、それによって所望の呼気総圧と
単位呼気圧とを得るようにするものである。例えば、音
量コントロールに対応する呼気の総圧コントロールだけ
に着目すれば、第6図に示されるように、オペレータの
口の開口面積を変化させて呼気流束の横断面領域の大き
さをE1乃至Eiのように適宜変えることで行う。例えば、
呼気流束の横断面領域が比較的小さな領域E1される場合
には、加算回路4の出力レベルはイニシャルレベルに比
べてその増加率が低くされることによって相対的に小さ
な音量が得られ、また、呼気流束の横断面領域が比較的
大きな領域Eiとされる場合には、加算回路4の出力レベ
ルはイニシャルレベルに比べてその増加率が高くされる
ことによって相対的に大きな音量が得られる。このよう
な音量コントロールを行うに際して呼気流束の横断面領
域の大小に拘らず中央部に位置する半導体圧力センサS1
は常に呼気流による圧力を受けているので、そのときの
呼気流速コントロール即ち単位呼気圧コントロールによ
って音高(音階)を制御する。尚、呼気流束の最小横断
面内には、半導体圧力センサS1と共に全体として複数の
半導体圧力センサが含まれることになるから、呼気流束
の横断面積が最小にされたときでも、単位呼気圧と呼気
総圧とを差別化して検出することは阻まれない。
以上の説明から明らかなように本実施例によれば以下
の効果を得るものである。
(1)口笛を吹く要領で口の開口度に応じた呼気流束の
大小と、呼気の強弱とによる呼気コントロールが行われ
るとき、マトリクス配置した複数の半導体圧力センサに
より、呼気総圧に基づいて楽音形成に必要な音量情報を
得ると共に、そのときにおける単位呼気圧に基づいて楽
音形成に必要な音高情報を得ることにより、通常の楽器
演奏に対する習熟度とは無関係な口笛を吹くような呼気
コントロールという比較的簡単な操作で演奏を行うこと
ができる。
(2)楽音発生に必要とされる呼気コントロールは、口
笛を吹くような要領で呼気の強弱と呼気流束の大小とを
互いに補完し合うように実行可能であり、口先の微妙な
形状変化などによって所望の呼気総圧と単位呼気圧とを
得ることができるから、微妙な音量コントロールや音階
コントロールを比較的簡単に行うことができると共に、
楽器としての表現能力をも向上させることができる。特
に、第2図及び第3図に示されるようなマウスピース6
を備える構成においては、口笛を吹く場合と全く同じ要
領で口先の微妙な形状変化などを上記した呼気コントロ
ールに反映させることができる。
(3)第3図に示されるようにマトリクス配置された夫
々の半導体圧力センサS1乃至Snの受圧面に1対1対応で
終端開口を臨ませた複数のダクト7を介して導かれる呼
気を検出する構成にすると、個々の半導体圧力センサS1
乃至Snのサイズを特に小さくする必要はなく、単体とし
て入手の容易な比較的サイズの大きな所謂汎用的な半導
体圧力センサを組合せてマトリクス配置することによっ
てセンサアレイ2を容易に構成することができ、ひいて
は電子楽器の入力装置のコスト低減に寄与することがで
きる。
(4)第4図に示されるマウスピース8を介して夫々の
半導体圧力センサS1乃至Snに呼気を供給する構成にする
と、マウスピール8を直接口でくわえて呼気を供給する
ことができることにより、唇によって起端開口OP1乃至O
Pnを覆う面積を変えることによってセンサアレイ2に供
給すべき呼気流量を確実にコントロールすることがで
き、しかも、各ダクト9の終端開口がノズル状に細くさ
れている場合、1回の呼気の連続的持続時間を相対的に
長くさせることができ、呼気コントロールに基づく演奏
を容易にすることができる。
(5)呼気の吹き込みから放音に至るまでのプロセスに
は、音声入力式シンセサイザのようなサンプリングデー
タに対する広範囲の相関計算のような特別に複雑なデー
タ処理を必要とせず、アナログデータの加算処理、AD変
換、楽音発生部におけるメモリアクセス、及びDA変換な
どの処理で済み、それによって、回路規模を比較的小型
に保ちつつ聴覚上違和感のないリアルタイム性を以って
楽音を形成することができる。したがって、そのリアル
タイム性故に、放音の結果を呼気コントロールにフィー
ドバックさせながら演奏を行うことができるので、正確
且つ容易に音階及び音量をコントロールすることができ
る。
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づい
て具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定され
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種
々変更可能である。
例えば、上記実施例では呼気流束の最大横断面内及び
最小横断面内に含まれるように複数個の半導体圧力セン
サをマトリクス配置し、その内の所定の1つの出力を音
高情報とし、また、その全ての出力を加算回路で加算し
た加算値を呼気流量に応ずる音量情報とし、それらを楽
音形成のための基礎情報としたが、それに限定されるも
のではなく、音高情報は全ての半導体圧力センサの出力
レベルの内からその最大値を採用するようにしてもよ
い。また、半導体圧力センサは、上記実施例で説明した
選択拡散型素子に限定されず、シリコン単結晶を用いた
ような単結晶バルク型素子やフィルム上にゲルマニウム
などを蒸着してホトエッチング技術などで成形した蒸着
型素子などに変更してもよい。
また、呼気流を検出してその圧力に応じたレベルの出
力を音高情報として得る音高情報出力手段は半導体圧力
センサに限定されず、pn接合やショットキー障壁を利用
した感圧ダイオード、エレクトレットコンデンサーマイ
クロフォンのようなコンデンサ型呼気流検出器などその
他の感圧手段に変更することができる。その場合に、音
高情報を得るための音高情報出力手段は、上記実施例の
ように音量情報を得るための検出手段と共に並設配置す
る必要はなく、更にそれら検出手段を相互に同一のセン
サによって構成する必要もない。例えば、先端部に口で
くわえる形式のマウスピースを有する管路の呼気通路内
に音高情報を取得するための呼気検出手段として1つの
半導体圧力センサを配置する場合に、音量情報を取得す
る手段として、唇による挾圧力を検出する感圧センサ、
又は鍵盤キー様のレバーやタッチキーを押下したときの
押圧力を検出するえセンサなどを採用することができ
る。特に後者のように押鍵状態に応じて発生音量を制御
する場合、タッチキーを押下したときの衝撃強さなどの
押鍵初期状態に応じて発生音量を制御すればピアノのよ
うな楽器音の発生に好適であり、また、タッチキーを押
下した後の押鍵状態に応じて発生音量を制御すれば管楽
器のように音の定常部が存在するような楽器音の発生に
好適である。したがって、タッチキーの押鍵操作に対す
る押圧力のサンプリングタイミングを切り換えることで
上記した2通りの楽器音の音量制御を任意に選択するよ
うにできる。
また、呼気流を検出してその圧力に応じたレベルの出
力を音高情報として得る音高情報出力手段は1つの半導
体圧力センサに限定されず、上記実施例における音量情
報を取得する構成に代えたり、また、熱線の抵抗変化検
出方式による流量計或いは流体力学的な流量計に変更す
ることもできる。その場合には、呼気圧とは無関係なタ
ッチキーなどを音量情報取得手段にすることが望まし
い。
更に、上記実施例のようにマトリクス配置した複数個
の半導体圧力センサの夫々に1対1対応で終端開口を臨
ませた複数のダクトに連通する起端開口を表面に形成し
たマウスピースの形状は、第4図に示される半球状に限
定されず、概ね円錐形状に細長く形成してもよく、特に
そのようにすれば、センサアレイに対して呼気流束の大
きさを変える操作は、口先に対するマウスピースのスラ
イド操作で済む。
本発明は、電子楽器それ自体だけでなく、電子楽器用
アタッチメントとしての入力装置にも適用することがで
きるものである。
〔発明の効果〕
本発明の電子楽器の入力装置は、外部から供給される
呼気を検出してその圧力レベルに基づいて音高情報を電
気的に出力する音高情報出力手段と、上記呼気の供給に
伴う圧力レベルに基づいて音量情報を電気的に出力する
音量情報出力手段とを備えるので、呼気の供給に当たっ
て呼気圧や呼気流速をコントロールするだけで楽音形成
に必要な音高情報及び音量情報を得ることができ、これ
によって、通常の楽器演奏に習熟していなくても、例え
ば口笛を吹くように呼気の強弱や口の開口度のいう比較
的簡単な操作だけで所望の演奏を行うことができる。
しかも、呼気の吹き込みに呼応して検出されるアナロ
グ信号を音高情報として得ることにより、それを電子楽
器で処理可能なデータ形式に変換するだけで音階を得る
ことができるから、音声入力式シンセサイザのようなサ
ンプリングテーダに対する広範囲の相関計算のような特
別に複雑なデータ処理を必要とせず、回路規模を比較的
小型に保ちつつ聴覚上違和感のないリアルタイム性を以
って楽音を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における電子楽器のブロック
図、第2図は唇の外方に当て付けて支持する形式のマウ
スピースを持つ入力装置の外観斜視図、第3図はサイズ
の比較的大きな半導体圧力センサをマトリクス配置して
成るセンサアレイを用いる場合の入力装置の外観斜視
図、第4図は唇でくわえる形式のマウスピースを持つ入
力装置の外観斜視図、第5図は入力装置に含まれる加算
回路の1例を示す回路図、第6図は呼気の流量及び流速
コントロールのための作用説明図である。 1……入力装置、2……センサアレイ、S1乃至Sn……半
導体圧力センサ、S1……呼気流検出手段、3……AD変換
回路、4……加算回路、5……AD変換回路、6……マウ
スピース、7……ダクト、8……マウスピース、9……
ダクト、OP1乃至OPn……起端開口、10……オペアンプ、
11……ボリュームスイッチ、Z……帰還インピーダン
ス、R1乃至Rn……入力抵抗。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音高情報及び音量情報に基づいて楽音を形
    成する電子楽器の入力装置であって、外部から供給され
    る呼気を検出してその圧力レベルに基づいて音高情報を
    電気的に出力する音高情報出力手段と、上記呼気の供給
    に伴う圧力レベルに基づいて音量情報を電気的に出力す
    る音量情報出力手段とを備えて成るものであることを特
    徴とする電子楽器の入力装置。
  2. 【請求項2】上記音高情報出力手段及び音量情報出力手
    段は、半導体圧力センサを含んで成るものであることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の電子楽器の入力
    装置。
  3. 【請求項3】上記半導体圧力センサは呼気流束の横断面
    内に複数個含まれるようにマトリクス配置され、上記音
    高情報出力手段は、上記複数個の半導体圧力センサの中
    から選ばれた所定の半導体圧力センサで検出される呼気
    圧に応じた出力を音高情報として音高情報符合化変換手
    段に供給し、また、上記音量情報出力手段は上記複数個
    の半導体圧力センサの中から選ばれた所定の複数個の半
    導体圧力センサの圧力を加算回路で加算して得られる呼
    気の総圧に応じた加算値を音量情報として音量情報符合
    化変換手段に供給するようにされて成るものであること
    を特徴とする特許請求の範囲第2項記載の電子楽器の入
    力装置。
  4. 【請求項4】上記マトリクス配置された複数個の半導体
    圧力センサは、夫々の受圧面に1対1対応で終端開口を
    臨ませた複数のダクトを介して導かれる呼気を検出する
    ものであることを特徴とする特許請求の範囲第3項記載
    の電子楽器の入力装置。
  5. 【請求項5】上記加算回路は、オペアンプの帰還インピ
    ーダンスを可変にして加算値のレベルシフトを可能に構
    成されて成るものであることを特徴とする特許請求の範
    囲第3項記載の電子楽器の入力装置。
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