JPH083621A - 製鋼工程における溶鋼温度の調整方法 - Google Patents

製鋼工程における溶鋼温度の調整方法

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JPH083621A
JPH083621A JP6133376A JP13337694A JPH083621A JP H083621 A JPH083621 A JP H083621A JP 6133376 A JP6133376 A JP 6133376A JP 13337694 A JP13337694 A JP 13337694A JP H083621 A JPH083621 A JP H083621A
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田 達 朗 平
Koichi Hirai
井 康 一 平
Kenichi Sakai
井 憲 一 酒
Atsushi Hirano
野 篤 志 平
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 後工程からの要求に基づき自工程の溶鋼温度
を階層型ニューラルネットワークを用いて正確、かつ、
迅速に熟練操業者に頼ることなく自動的に求める。 【構成】 転炉工程から過去のあるチャージの溶鋼を受
けた溶鋼鍋の使用回数、溶鋼の存在した時間、空
き時間、搬送時間、タンディシュの連続使用回数又
は溶鋼内への転炉での合金投入量、溶鋼到着時に於け
る溶鋼温度、の各実績データを階層型ニューラルネット
ワークに入力して、該階層型ニューラルネットワークの
重み係数としきい値を求め、この求めた重みとしきい値
を基にした前記ニューラルネットワークに温度調整対象
チャージの前記〜の予測データーを入力して、自工
程での対象チャージの溶鋼温度を求め、自工程で温度調
整手段により対象チャージの溶鋼を前記求めた温度に調
整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、後工程からの要求に基
づき自工程の溶鋼温度を調整する製鋼工程における溶鋼
温度の調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製鋼工程は、転炉工程、RH,DH等の
真空脱ガス工程、および連続鋳造工程より構成されてお
り、転炉工程を出た溶鋼は、真空脱ガス工程を経て連続
鋳造工程に到るケース1あるいは転炉工程を出た溶鋼が
直接連続鋳造工程に到るケース2がある。
【0003】例えば、前記ケース1における溶鋼温度は
図2に示すように、搬送中又は処理中における放熱や、
溶鋼鍋,タンディシュによる抜熱などによって順次降下
する。
【0004】一方、最後の工程である連続鋳造工程で
は、その鋳込み温度で、鋳造した鋳片の品質が決まるこ
とから、この鋳込み温度を規定値内に確保することが最
も重要である。このため、溶鋼鍋の抜熱や溶鋼鍋が移動
する間の放熱などに起因する溶鋼温度降下量を考慮し
て、前述した規定値内の鋳込み温度になるように、先
ず、連続鋳造工程の前工程である真空脱ガス工程での温
度が設定され、次に、この設定された真空脱ガス工程の
温度に基づき前工程である転炉工程での出鋼温度が決定
される。即ち、この温度設定は溶鋼鍋の抜熱や放熱を考
慮する非定常熱伝導現象を最後の工程である連続鋳造工
程から逆にたどっていくものである。
【0005】このため、例えば特開平3−161161
号公報に示されているように、溶鋼を払い出して空とな
った溶鋼鍋の内張耐火物表裏面温度と、該耐火物の比熱
や重量、及び実験から求める放熱補正係数からなるモデ
ル式を用いて、先ず、溶鋼鍋およびタンディシュ内張耐
火物の蓄熱量を求め、次に、その蓄熱量を用いて溶鋼温
度降下量を予測し、さらに、一定時間経過後の溶鋼温度
降下量を知るために溶鋼温度を少なくとも2回測定し、
この測定値を用いて前記モデル式で計算した耐火物の蓄
熱量の誤差を修正して以降の溶鋼温度降下量を再予測
し、この予測溶鋼温度降下量に基づいて前工程における
溶鋼温度の設定を行う方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平3−161161号公報に示されている方法は予測
精度や温度測定値の信頼性及び計算負荷に、次の問題が
ある。即ち、溶鋼鍋の蓄熱量を推定する上記モデル式を
構成する耐火物温度や重量などに、下記〜に示すよ
うな大きな誤差要因があるため、これらを考慮した簡易
モデルをつくることは極めて大きな負荷となる。また、
モデルが出来たとしてもその精度を維持するためのメン
テナンスも多大なものとなり、実用性のないものであっ
た。
【0007】 溶鋼鍋内張耐火物の表面温度や裏面温
度(外壁鉄皮温度で代替えする場合が多い)は、放射温
度計や接触式の熱伝対温度計で測定するものであるが、
この接触式の熱電対では測定に手間が掛かり、放射温度
計では溶鋼鍋の表面状態によって数十°Cの誤差が生じ
る。
【0008】 溶鋼鍋内張耐火物温度は、溶鋼鍋全体
で一様でなく数十〜100°C程度の温度分布が生じて
おり、測定点の代表性からくる誤差は大きなものとな
る。
【0009】 溶鋼鍋の使用回数が多くなるに従い内
張耐火物の重量は減少するが、その変化率は一様でな
く、頻繁に該重量の測定が必要となり非常に手間が掛か
り、しかも、誤差も生じる。
【0010】 該耐火物の性状も溶鋼と接するにした
がい変化するため耐火物の比熱も変化し誤差の要因とな
る。
【0011】また、前工程の溶鋼温度の設定を行うため
に高次の非線形微分方程式を用い、これを収束計算で解
く事が考えられる。例えば、連続鋳造工程からその前工
程である真空脱ガス工程の温度を設定する場合、まず、
真空脱ガス工程での温度を仮設定し、この温度をモデル
に代入して連続鋳造工程の温度を計算し、規定の鋳込み
温度と比較して仮設定した真空脱ガス工程の温度を修正
する。これを繰り返して規定の鋳込み温度になった時の
真空脱ガス工程の温度を設定値とする収束計算である。
これは計算負荷が大きく、高速の計算機が必要になるた
めコストが嵩むと共に、操業変動に対応するため鋳込み
温度を変更する場合などに、迅速な対応が困難となる事
から、前記同様に実用性のないものであった。
【0012】このため、この温度設定作業は、熟練操業
者の勘と経験によって行われているが、この設定には熟
練操業者の個人差が発生するため十分な精度が得られな
い上に、優秀な熟練操業者を常に養成し、確保し続ける
必要がある等の問題があった。
【0013】本発明は、このような事情を鑑みて提案さ
れたもので、後工程からの要求に基づき自工程の溶鋼温
度を階層型ニューラルネットワークを用いて熟練操業者
に頼ることなく、正確かつ迅速に、自動的に求めること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】転炉工程から溶鋼を溶鋼
鍋に受け、その溶鋼を直接又は真空脱ガス工程を経て連
続鋳造工程に搬送して処理する製鋼工程で、転炉工程を
自工程とし真空脱ガス工程を後工程とする場合、真空脱
ガス工程を自工程とし連続鋳造工程を後工程とする場
合、更には、転炉工程を自工程とし連続鋳造工程を後工
程とする場合において、転炉工程から過去のあるチャー
ジの溶鋼を受けた前記溶鋼鍋の使用回数,その溶鋼を受
ける前の溶鋼がその溶鋼鍋内に存在した時間,前回受け
た溶鋼を排出してからそのチャージの溶鋼を受けるまで
の溶鋼鍋の空き時間,前記自工程から後工程にその溶鋼
鍋を搬送するのに要した搬送時間、更には、後工程を連
続鋳造工程とする場合はそのチャージの溶鋼を受けるタ
ンディシュの連続使用回数,後工程を真空脱ガス工程と
する場合は転炉工程でその溶鋼内への合金投入量等の溶
鋼温度降下因子の実績データ及び後工程に溶鋼が到着し
た時の溶鋼温度等のデータを、階層型ニューラルネット
ワークの入力層に入力すると共に、そのチャージの前記
自工程での溶鋼温度実績データを入力し、この各実績デ
ータを記憶した前記階層型ニューラルネットワークでそ
の重み係数としきい値を求め、この求めた重み係数とし
きい値を基にした前記ニューラルネットワークの入力層
に、温度調整対象チャージの溶鋼の後工程における目標
温度及び対象チャージの溶鋼を受けるのに使用する溶鋼
鍋の使用予定回数,この溶鋼鍋内に前回受けた溶鋼が存
在していた時間,対象チャージの溶鋼を受ける溶鋼鍋の
空き予定時間,前記自工程から後工程までの搬送予定時
間、更には、後工程を連続鋳造工程とする場合はタンデ
ィシュの連続使用予定回数,後工程を真空脱ガス工程と
する場合は転炉工程でその溶鋼に投入予定の合金量等の
溶鋼温度降下因子データを入力して、前記自工程での対
象チャージの溶鋼温度を求め、該自工程で温度調整手段
により対象チャージの溶鋼を前記求めた溶鋼温度に調整
する。
【0015】
【作用】本発明者は、製鋼工程での操業データを解析
し、溶鋼温度に影響を与える因子を抽出し、その因子の
測定の難易性と精度(信頼性)に付いて検討した。この
結果、特別なセンサーを必要とせずに容易に測定可能
で、かつ、外乱の少ないデータとして、真空脱ガス工程
を自工程とし連続鋳造工程を後工程とする場合、転炉工
程を自工程とし連続鋳造工程を後工程とする場合、およ
び、転炉工程を自工程とし真空脱ガス工程を後工程とす
る場合、のいずれにおいても共通して、 (1) 溶鋼鍋の蓄熱量状態を代表するデータとして: 溶鋼鍋の使用回数(耐火物の内張りを行ってから今
までに溶鋼を受けた回数)、 溶鋼鍋の空時間(前回受けた溶鋼を排出してから今
回溶鋼を受けるまでの時間)、 前回受けた溶鋼が溶鋼鍋内に存在した時間(転炉工
程から溶鋼を受けた後、連続鋳造工程のタンディシュに
溶鋼を排出してしまうまでの時間)、を選定した。
【0016】(2) 溶鋼鍋からの放熱量状態を代表するデ
ータとして、溶鋼を収容した溶鋼鍋の移動に要する時間
(マッチング時間)、を選定した。
【0017】更には、真空脱ガス工程を自工程とし連続
鋳造工程を後工程とする場合または転炉工程を自工程と
し連続鋳造工程を後工程とする場合の特有のものとして
は、 (3) タンディシュの蓄熱量状態を代表するデータとし
て、連続使用回数を選定した。
【0018】転炉工程を自工程とし真空脱ガス工程を後
工程とする場合の特有のものとしては、 (4) 化学反応による温度変動を代表するデータとして、
転炉工程での溶鋼への合金投入量を選定した。
【0019】一方、後工程から要求される溶鋼温度に基
づき自工程の溶鋼温度を決定するような高次の非線形微
分方程式を解放するのを得意とする3階層型ニューラル
ネットワークを選定した。
【0020】そして、先ず、3階層型ニューラルネット
ワークの入力層に過去の鋳造実績のあるチャージの、前
記(1)の〜の実績デ−タ,(2),(3)および(4)の実績
データ、ならびに、後工程に到達した溶鋼の実績温度デ
ータを入力し、教師データとして自工程におけるそのチ
ャージの溶鋼温度の実績データを入力して学習させて、
該3階層型ニューラルネットワークの入力層,中間層,
出力層の各重み係数およびしきい値を求め、この求めた
重み係数およびしきい値の基で、今回処理するチャージ
の前記(1)の〜の予定デ−タ,(2),(3)および(4)の
予定データ、ならびに、後工程の目標溶鋼温度データを
前記入力層に入力することにより、自工程の溶鋼温度を
演算する。このようにして演算した溶鋼温度となるよう
に、自工程における溶鋼温度の調整を行うことにより、
後工程に到達した溶鋼の温度を前記目標値にするもので
ある。
【0021】このようにして溶鋼温度の調整を行った結
果、後工程にその溶鋼が到達した際、その溶鋼温度の9
5%以上が許容範囲になった。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の一実施例を
説明する。図6は本実施例における溶鋼温度設定システ
ムの構成例を示したもので、図6中、1は上位計算機で
あり、製鋼工程における各工程の溶鋼成分調整目標値や
温度目標値の設定を行うためのものである。2は転炉プ
ロコン(転炉プロセス制御コンピュ−タ)、3は真空脱
ガスプロコン(真空脱ガスプロセスコンピュ−タ)、4
は連鋳プロコン(連鋳プロセス制御コンピュ−タ)であ
り、各プロコン2〜4は、上位計算機1の目標値を基に
各工程の溶鋼成分や温度などの制御を行うための計算機
である。
【0023】図1に、上位計算機1の、温度目標値設定
のための処理を示す。このフローチャートに従い、本発
明の一実施例である、連続鋳造工程で必要となる鋳込み
温度に基づく真空脱ガス工程の温度設定の例を説明す
る。
【0024】先ず、上位計算機1内には、図7に示すよ
うにニューロンの数を6個有する入力層Aと、ニューロ
ンの数を50個有する中間層Bと、ニューロンの数を1
個有する出力層Cによりなる3階層のニューラルネット
ワークを構成する(S1)。次に、この上位計算機1
に、 転炉工程から排出した溶鋼が真空脱ガス工程に到達
した際の溶鋼温度, その溶鋼を受けた溶鋼鍋使用回数, 前回受けた溶鋼が溶鋼鍋に存在した時間である前回
鍋在湯時間, 前回転炉工程から受鋼した溶鋼を排出してしまって
から今回受鋼するまでの溶鋼鍋の空き時間である空鍋時
間, 真空脱ガス工程から連鋳工程まで溶鋼鍋が移動する
のに必要な時間であるマッチング実績時間, 連鋳工程におけるタンディッシュの連続使用回数、
および、 タンディッシュへの鋳込み温度実績データ、 を各々収集し蓄積する(S2)。
【0025】そして、上記〜の各データをニューラ
ルネットワークの入力層Aの各ニューロンに1個づつ入
力し、この入力されたデータを下記(1)式のXjにそれぞ
れ代入して、中間層Bの各ニューロンの内部状態である
Uiに変換する。
【0026】
【数1】
【0027】尚、Wijは入力層Aから中間層Bへの重み
係数であり、初期値として−1から1までの乱数を代入
する。
【0028】更に、このUiは下記(2)式により中間層B
の各ニューロンの出力Yiに変換する。
【0029】 Yi=f(Ui+θi) ・・・(2) 尚、θiは中間層Bの各ニューロン毎に異なるしきい値
であり、初期値として−1から1までの乱数を代入す
る。また、fは変換関数であり、図5に示すシグモイド
関数を用いた。
【0030】この中間層Bの各ニューロンの出力Yiは
下記(3)式により出力層Cのニューロンの内部状態であ
るUに変換する。
【0031】
【数3】
【0032】ここで、Wjは中間層Bから出力層Cへの
重み係数であり、初期値として−1から1までの乱数を
代入する。
【0033】次に、この出力層Cのニューロンの内部状
態であるUは下記(4)式により出力層Cのニューロンの
出力であるYに変換する。
【0034】 Y=f(U+θ) ・・・(4) 尚、θはしきい値であり、上記同様に−1から1までの
乱数を代入する。
【0035】ここで、教師データdとして前記のデー
タ、つまり、自工程である真空脱ガス工程での溶鋼温度
実績データを出力層Cに与え、出力層Cのニューロンの
出力がこの教師データdに近づくように、ニューラルネ
ットワークの入力層Aから中間層Bの、また中間層Bか
ら出力層Cの各重み係数Wij,Wj及びしきい値θi,θ
を、下記(1)〜(4)に示す学習方式に従い修正する。
【0036】(1) 次の(6)式により学習係数δを算定す
る; δ=(d−Y)fa(U) ・・・(6) ここでfaは前記変換関数fの微分値である。
【0037】(2) この算定した学習係数δを基に、次の
(5)式により中間層Bから出力層Cの新しい重み係数Wi
(new)を算出する; Wi(new)=η・δ・Yi+Wi(old) ・・・(5) 但し i:1〜50、 Wi(old):学習前の重み係数、 η:学習の緩和係数。
【0038】(3) 下記(7)式により学習係数δjを算出す
る; δj=fa(Uj)・(δ・Wj) ・・・(7) (4) この算出した学習係数δjを基に下記(8)式により入
力層Aから中間層Bの新しい重み係数Wij(new)を算出
する; Wij(new)=η・δj・Xi+Wij(old) ・・・(8) 但し i:1〜6、 j:1〜50。
【0039】又、これと全く同様にして各ニューロンの
しきい値θを修正して新しいしきい値θ(new)を求め
る。
【0040】次に、これらの修正された新しい重み係数
Wi(new),Wij(new)及びしきい値θ(new)を基に、前記
(1)式から(4)式により再度、各入力層A,中間層B,出
力層Cの各ニューロンで演算する。
【0041】この際、出力層Cのニューロンの出力値と
教師データdを比較し、その差が許容値内(この例では
0.001を使用)であれば学習を終了し、この時の重
み係数としきい値を上位計算機1の記憶部すなわちメモ
リに保存する。しかし、前記許容値よりも大きい場合
は、再度、上記(5)式〜(8)式を用いて新しい重み係数や
しきい値を計算し、再度、この重み係数やしきい値で
(1)式〜(4)式の計算を行い、出力層Cのニューロンの出
力と教師データdの差が許容値内になるまで繰り返し
て、重み係数Wiとしきい値θを決定し、上記同様にメ
モリに保存する(S3)。
【0042】次に上位計算機1は、対象となるチャージ
の真空脱ガス工程、及び連続鋳造工程の操業予定スケジ
ュールから、 連続鋳造工程での目標鋳込み温度, 真空脱ガス工程から連続鋳造工程まで溶鋼鍋が移動
するのにかかる予定時間であるマッチング予定時間, 該チャージを連続鋳造工程で鋳造するとき使用する
タンディッシュの連続使用予定回数, 使用する溶鋼鍋の今回使用予定回数, 前回使用時に溶鋼鍋に溶鋼が存在した時間である前
回鍋在湯実績時間、および、 前回溶鋼を出鋼してから今回受鋼するまでの溶鋼鍋
の空き時間である空鍋実績時間、 を収集する(S4)。
【0043】そして、これら〜の各データを学習済
の新しい重み係数Wiとしきい値θを、保存しているニ
ューラルネットワークの入力層Aに入力する。これによ
り、入力層A,中間層Bおよび出力層Cの各ニューロン
は、前記(1)式〜(4)式に従い真空脱ガス工程での溶鋼温
度を求め、この求めた溶鋼温度をニューラルネットワー
クの出力層Cの出力値Yとして出力する(S5)。この
出力値Yを真空脱ガスプロコン3に出力し、これに従っ
て真空脱ガスプロコン3は、真空脱ガス処理時間や発熱
材や冷却材の使用量等の公知の真空脱ガス工程での溶鋼
温度調整を指示する。
【0044】このようにして真空脱ガス工程の温度を設
定した時の実績を表1に示す。これからわかるように本
例によると、±5℃以内の的中率が98.4%に達し、
従来の熟練操業者(的中率80%前後)による温度設定
に比べて的中率が大幅に向上した。
【0045】
【表1】
【0046】
【実施例2】次に真空脱ガス工程で必要となる温度に基
づく転炉工程の温度設定の場合を説明する。先ず、上位
計算機1内に、図8に示すようにニューロンの数を6個
有する入力層Aと、ニューロンの数を50個有する中間
層Bと、ニューロンの数を1個有する出力層Cによりな
る3階層ニューラルネットワークを構成する(S1)。
【0047】次に、上位計算機1は、 転炉工程での出鋼温度, 転炉工程での合金投入量, 溶鋼鍋使用回数, 前回使用時に溶鋼鍋に溶鋼が存在した時間である前
回鍋在湯時間, 前回溶鋼を出鋼してから今回受鋼するまでの溶鋼鍋
の空き時間である空鍋時間, 転炉工程から真空脱ガス工程に溶鋼鍋を搬送するの
に必要な時間であるマッチング時間、および、 真空脱ガス工程での溶鋼温度の実績値、 を各々収集し蓄積する(S2)。
【0048】そして、このニューラルネットワークの入
力層Aのニューロンに上記収集し蓄積した〜の実績
データを入力すると共に教師データdとして前記の実
績データを入力して前述した学習方式に従い学習する。
なおこの学習は前述した真空脱ガス工程での溶鋼温度の
演算と全く同一で(1)式から(8)式を用いて行なう。
【0049】更に、温度予測対象のチャージの転炉工程
および真空脱ガス工程における操業予定スケジュールか
ら、 真空脱ガス工程での目標溶鋼温度, 転炉工程における合金予定投入量, 転炉工程から真空脱ガス工程まで溶鋼鍋が移動する
のに必要な時間であるマッチング予定時間, 使用する溶鋼鍋の今回の使用実績回数, 前回使用時に溶鋼鍋に溶鋼が存在した時間である前
回鍋在湯実績時間、および、 前回溶鋼を排出してから今回受鋼するまでの溶鋼鍋
の空き時間である空鍋実績時間、 を収集し、この収集したデータを学習済みのニューラル
ネットワークの入力層Aの各ニューロンから入力する。
【0050】ニューラルネットワークに上記データが入
力されると前述した真空脱ガス工程での温度設定と全く
同様に(1)式〜(4)式に従い転炉工程での設定温度を演算
し、出力層Cのニューロンから出力する。そして、この
出力された転炉工程での設定温度を上位計算機1から転
炉プロコン2に入力し、これに従って、転炉プロコン2
は、転炉での吹錬時間や発熱材,冷却材の投入量等の公
知の転炉出鋼温度調整を指示する。
【0051】表2に、本例の様にして転炉工程の溶鋼温
度を設定した実績を示すが、これからわかるように本例
によると±10℃以内の的中率が96.9%に達し、熟
練操業者(的中率90%程度)に比べて、その的中率が
向上した。
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】本発明は測定が容易で、その測定値が信
頼性の高い溶鋼温度降下の因子データのみを用いて、自
工程の溶鋼温度を階層型ニューラルネットワークで演算
するために、短時間で、且つ、大容量の計算機を用いる
事なく精度よく、温度調整が可能となり、転炉の出鋼温
度を引き下げられるため、製鋼工程の主要コストである
レンガなどの耐火物費用を大幅に削減できると共、に熟
練作業者を必要としなくなる等の多大の効果を奏するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の溶鋼温度設定方法の概要を示すフロ
−チャ−トである。
【図2】 溶鋼鍋の移動に伴う溶鋼温度の推移を示すグ
ラフである。
【図3】 本発明で使用するニューラルネットワークの
構成を示すブロック図である。
【図4】 図3のニューラルネットの入,出力および変
換関数を示すブロック図である。
【図5】 図4のニューロンで使用する変換関数の特性
を示すグラフである。
【図6】 本発明を実施する溶鋼温度設定システムの構
成例を示すブロック図である。
【図7】 本発明の一実施例である真空脱ガス工程での
溶鋼温度設定に使用するニューラルネットワークの構成
を示すブロック図である。
【図8】 本発明のもう1つの実施例である転炉工程で
の溶鋼温度設定に使用するニューラルネットワークの構
成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1:上位計算機 2:転炉プロコン 3:真空脱ガスプロコン 4:連鋳プロコン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平 野 篤 志 大分市大字西ノ洲1番地 新日本製鐵株式 会社大分製鐵所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転炉工程から溶鋼を溶鋼鍋に受け、その
    溶鋼を直接又は真空脱ガス工程を経て連続鋳造工程に搬
    送して処理する製鋼工程で、転炉工程を自工程とし真空
    脱ガス工程を後工程とする場合、真空脱ガス工程を自工
    程とし連続鋳造工程を後工程とする場合、更には、転炉
    工程を自工程とし連続鋳造工程を後工程とする場合にお
    いて、 転炉工程から過去のあるチャージの溶鋼を受けた前記溶
    鋼鍋の使用回数,その溶鋼を受ける前の溶鋼がその溶鋼
    鍋内に存在した時間,前回受けた溶鋼を排出してからそ
    のチャージの溶鋼を受けるまでの溶鋼鍋の空き時間,前
    記自工程から後工程にその溶鋼鍋を搬送するのに要した
    搬送時間、更には、後工程を連続鋳造工程とする場合は
    そのチャージの溶鋼を受けるタンディシュの連続使用回
    数,後工程を真空脱ガス工程とする場合は転炉工程でそ
    の溶鋼内への合金投入量等の溶鋼温度降下因子の実績デ
    ータ及び後工程に溶鋼が到着した時の溶鋼温度等のデー
    タを、階層型ニューラルネットワークの入力層に入力す
    ると共に、そのチャージの前記自工程での溶鋼温度実績
    データを入力し、この各実績データを記憶した前記階層
    型ニューラルネットワークでその重み係数としきい値を
    求め、 この求めた重み係数としきい値を基にした前記ニューラ
    ルネットワークの入力層に、温度調整対象チャージの溶
    鋼の後工程における目標温度及び対象チャージの溶鋼を
    受けるのに使用する溶鋼鍋の使用予定回数,この溶鋼鍋
    内に前回受けた溶鋼が存在していた時間,対象チャージ
    の溶鋼を受ける溶鋼鍋の空き予定時間,前記自工程から
    後工程までの搬送予定時間、更には、後工程を連続鋳造
    工程とする場合はタンディシュの連続使用予定回数,後
    工程を真空脱ガス工程とする場合は転炉工程でその溶鋼
    に投入予定の合金量等の溶鋼温度降下因子データを入力
    して、前記自工程での対象チャージの溶鋼温度を求め、
    該自工程で温度調整手段により対象チャージの溶鋼を前
    記求めた溶鋼温度に調整することを特徴とする製鋼工程
    における溶鋼温度の調整方法。
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