JPH083538A - スクロール型コンプレッサのシール材組成物 - Google Patents

スクロール型コンプレッサのシール材組成物

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JPH083538A
JPH083538A JP6144588A JP14458894A JPH083538A JP H083538 A JPH083538 A JP H083538A JP 6144588 A JP6144588 A JP 6144588A JP 14458894 A JP14458894 A JP 14458894A JP H083538 A JPH083538 A JP H083538A
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scroll
resin
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melt viscosity
type compressor
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JP6144588A
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Takumi Shimokusuzono
工 下楠薗
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NTN Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L81/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of polysulfones; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L81/02Polythioethers; Polythioether-ethers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L27/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L27/02Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • C08L27/12Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a halogen; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment containing fluorine atoms
    • C08L27/18Homopolymers or copolymers or tetrafluoroethene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L77/00Compositions of polyamides obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スクロール型コンプレッサのシール材組成物
を、低摩擦係数の摺動特性、溶融成形時の良好な流動
性、フロンR134aを使用したコンプレッサでの耐久
性(耐摩耗性)を全て兼ね備えたものとする。 【構成】 フッ素樹脂2〜10重量%、炭素繊維5〜2
0重量%、下記化5の式で表わされる繰り返し単位を9
0モル%以上含有するポリフェニレンサルファイド樹脂
75〜93重量%を含み、キャピラリーレオメータによ
る320℃、せん断速度103 sec-1、毛管直径1m
m、毛管長さ10mm、バレル直径9.55mm、バレ
ル長さ350mmの条件における溶融粘度が1200〜
3000ポイズである樹脂組成物とする。ポリフェニレ
ンサルファイド樹脂は、重合後の直鎖状態で300℃の
溶融粘度が300〜2500ポイズの樹脂を採用する。 【化5】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はスクロール型コンプレ
ッサの摺動面に装着されるスクロール型コンプレッサの
シール材組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】スクロール型コンプレッサの一般的な構
造を図1〜4に基づいて説明すると、このものは、アル
ミニウムまたはアルミニウム合金などの軽金属製の基板
3の片面に同材料の渦巻き壁4を直立形成したスクロー
ル部材5を設け、渦巻き壁4の上端面には長手方向に溝
6(図3参照)を形成し、溝6に四フッ化エチレン樹脂
(以下、PTFEと略記する)などの潤滑性樹脂材料か
らなる渦巻き線形のシール材1(図2参照)を組み付
け、前記渦巻き方向と逆向きの渦巻き壁を形成したスク
ロール部材(図示せず)を別途設け、これら一対のスク
ロール部材の渦巻き壁相互を偏心状態にかみ合わせて、
軸周りに相対的に公転運動を行わせることによって、渦
巻き壁4の間に形成される密閉空間を中心方向に移動さ
せながら空間内の流体を圧縮し、流体を中心部から吐出
するようにしたものである。
【0003】そして、図4に示すように、一対のスクロ
ール部材5、5´のシール材1、1´は、相互に他のス
クロール部材5´、5 の渦巻き壁の底に摺接し、これ
により渦巻き壁4の間を通過する流体のシールを図って
いる。
【0004】上記したようなPTFEを主要成分とした
シール材1は、射出成形が不可能で生産性が悪く、また
耐クリープ性にも劣るので、近年では射出成形可能な潤
滑性樹脂材料からなるシール材も開発されている。
【0005】すなわち、本願の発明者らが先に特開昭6
2−223488号公報で開示した射出成形可能なスク
ロール型コンプレッサのシール材は、芳香族ポリエーテ
ルケトン樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリエ
ーテルイミド樹脂を主成分とし、PTFEおよび射出成
形可能な含フッ素樹脂を添加したもの、または同発明者
らが特開昭63−158362号公報で開示したシール
材は、芳香族ポリエーテルケトン樹脂を主成分とし、い
ずれも潤滑性、耐クリープ性を改良したものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したよう
に芳香族ポリエーテルケトン樹脂、ポリアリーレンスル
フィド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂などの耐熱性樹脂
を主成分とし、さらにPTFEと含フッ素樹脂を添加し
たシール材組成物は、射出成形が可能となり、潤滑性、
耐クリープ性の点でも優れるが、射出成形時の流動性が
充分に良好でないという問題点がある。
【0007】流動性について具体的に生ずる問題点とし
ては、スクロール型コンプレッサの渦巻き壁と略同じ長
さ(20〜60cm)の細長状のシール材を射出成形す
るとき、金型のシール材の全長(展開長さ)の中間にゲ
ート口を配置しなければ均等に充填できないことが挙げ
られる。
【0008】この場合、中間位置にゲート口を配置して
射出成形されたシール材は、その後に突出したゲート部
分を後加工によって再成形する必要があるので、生産効
率が悪く、すなわち低コスト化の要請に応えることがで
きず、また後加工によってはゲート部分の成形寸法精度
が安定しないので、シール性能の安定した製品が得られ
ないことになる。
【0009】また、従来のシール材は、コンプレッサの
運転時に加熱された状態で、フロンガスなどの冷媒、各
種添加剤を含有した潤滑油に接触するので、このような
使用条件においてシール材自体が劣化し易く、安定した
耐摩耗性が得られないという問題点もある。
【0010】特に、近年の地球環境擁護の必要性のた
め、特定のフロンから環境破壊性のない1,1,1,2
−テトラフルオロエチレン(フロンR134a)などの
代替フロンを冷媒として採用する機会が多くなったが、
このようなフロンを使用した場合に、従来の鉱油を基油
とするスニソオイルからポリアルキレングリコール(以
下、PAGと略記する。)系の潤滑油が採用されるよう
になった。
【0011】しかし、PAGは、極圧性等を改良する必
要があって、通常、各種の添加剤を添加して使用してお
り、またPAG自身の吸湿性によって高温でシール材を
加水分させるという問題点がある。
【0012】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決し、スクロール型コンプレッサのシール材組成
物を、低摩擦係数の摺動特性に加えて、溶融成形時の良
好な流動性を具備させ、しかもフロンR134aなどの
代替フロンを使用したコンプレッサでの耐久性(耐摩耗
性)を兼ね備えたものとすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明においては、スクロール型コンプレッサ
のシール材組成物を、フッ素樹脂2〜10重量%、炭素
繊維5〜20重量%、下記化2の式で表わされる繰り返
し単位を90モル%以上含有するポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂75〜93重量%を含み、キャピラリーレオ
メータによる320℃、せん断速度103 sec-1、毛
管直径1mm、毛管長さ10mm、バレル直径9.55
mm、バレル長さ350mmの条件における溶融粘度が
1200〜3000ポイズである樹脂組成物で構成した
のである。
【0014】
【化2】
【0015】また、前記ポリフェニレンサルファイド樹
脂として、重合後に直鎖状を呈する分子構造状態におい
てJIS K 7210による高化式フローテスタ試験
の300℃における溶融粘度が300〜2500ポイズ
の樹脂を採用することができる。
【0016】また、前記のスクロール型コンプレッサの
シール材組成物において、芳香族ポリアミド繊維を3〜
10重量%添加する構成を採用することができる。
【0017】前記のスクロール型コンプレッサとして
は、1,1,1,2−テトラフルオロエチレンを冷媒と
し、潤滑油としてポリアルキレングリコールを使用する
ものを採用することができる。
【0018】以下に、その詳細を述べる。まず、この発
明に用いるポリフェニレンサルファイド樹脂(以下、P
PS樹脂と略記する。)は、前記化2の式で表わされる
繰り返し単位を有する結晶性の線状高分子であり、この
ような繰り返し単位を90モル%以上含むものが好まし
い。前記した繰り返し単位が90モル%未満のPPS樹
脂では、組成物に射出成形性などの所期した性質がなく
なるからである。
【0019】PPS樹脂は、たとえば硫化ナトリウムと
p−ジクロルベンゼンとをN−メチルピロリドン、ジメ
チルアセトアミドなどのアミド系溶媒もしくはスルホラ
ンなどのスルホン系溶媒中で反応させた重合体からコン
パウンドを得ることが好ましい。なお、この重合体の結
晶性に影響を与えない範囲で、たとえば、下記化3の式
で示される共重合成分を10モル%未満含ませてもよ
い。
【0020】
【化3】
【0021】このようなPPS樹脂は、たとえば、特公
昭44−27671号公報などに開示されているハロゲ
ン置換芳香族化合物と硫化アルカリとの反応、米国特許
第3274165号に開示されているようなチオフェノ
ール類のアルカリ触媒もしくは銅塩などの共存下におけ
る縮合反応などによって合成される。
【0022】PPS樹脂は、縮合などの反応直後におい
ては、白色に近い未架橋品であって、このままでは低分
子量で低粘度であるから、溶融成形に適当な粘度とする
には、たとえば空気中において融点以下に加熱すること
で酸化架橋させて、分子量を適度に高めている。一般
に、溶融成形用途に市販されているPPS樹脂は、この
ような酸化架橋処理のなされたものである。
【0023】この発明では、PPS樹脂として、重合後
に直鎖状を呈する分子構造状態においてJIS K 7
210による高化式フローテスタ試験の300℃におけ
る溶融粘度が300〜2500ポイズの樹脂を採用す
る。すなわち、前記溶融粘度の測定条件としては、オリ
フィスの直径1mm、長さ10mm、荷重20kgf/
cm2 、測定温度300℃、予熱時間6分、測定機高化
式フローテスタである。
【0024】このような条件でPPS樹脂の溶融温度が
300ポイズ未満では、高温時の耐摩耗性、機械的特性
が悪く、2500ポイズを越える高粘度では、成形時の
流動性が著しく悪く、シール材の成形が困難になるから
である。
【0025】そして、上記した条件を満足するPPS樹
脂としては、製造段階で重合後の直鎖状のPPS樹脂
(いわゆるリニア型PPS樹脂)、またはこれを架橋さ
せたPPS樹脂(いわゆるリニア架橋型PPS樹脂)の
いずれを採用することも可能である。
【0026】しかし、リニア架橋型PPS樹脂は、組成
物の配合条件によっては脆弱となり易く、これでは成形
した摺動部に異物が混入した際に摺動面の一部が欠落す
る場合もあるため、引張り強さ、曲げ強さなどを改良し
たリニア型PPS樹脂を用いることが好ましい。このよ
うなリニア型PPS樹脂の市販品としては、トープレン
社製:LN−2(1000ポイズ)を例示することがで
きる。また、リニア架橋型PPS樹脂としては、トープ
レン社製:T4AG(2000ポイズ)を例示すること
ができる。
【0027】この発明のシール材組成物におけるPPS
樹脂の配合割合は、75〜93重量%、すなわち、他の
材料の残部として75重量%以上である。75重量%未
満では、スクロール型コンプレッサー用のシール材とし
て、小面積で展開長の長いものが成形困難だからであ
る。
【0028】次に、この発明に用いるフッ素樹脂は、組
成物に低摩擦係数で非粘着性特性を導入するために添加
するものであって、コンプレッサの設計性能に応じて適
当な摩擦係数となるものを採用することができる。低摩
擦係数で好ましいフッ素樹脂としては、PTFEの他、
ポリテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体、ポリトリクロロフルオロエチレン、テトラ
フルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体などが挙げられる。このうち、最も低摩擦係
数であるPTFEが最も好ましいのであるが、その形態
は平均粒径が20μm以下の滑剤級の粉末が好ましい。
【0029】平均粒径が20μm以下で滑剤級の粉末P
TFEとして市販品としては、英国アイ・シー・アイ社
製:フルオン(商標)L169、同L170、同L17
1、ダイキン工業社製:ルブロン(商標)、L−2、同
LD−1、デュポン社製:テフロン(商標)、TLP−
10、同TLP−10F−1などを挙げることができ
る。
【0030】なお、組成物に良好な溶融粘度を維持する
ためには、バージンのPTFEよりも一度焼成したPT
FEを粉砕した再生PTFEを用いることが、PTFE
を繊維状化させ難い点で好ましい。また、再生PTFE
に代え、もしくはこのものと併用してPTFEにγ線照
射処理してこれを低分子量化したPTFE粉末を用いる
ことができる。γ線照射処理した市販の潤滑剤用PTF
Eとしては、喜多村社製:KT400Hを例示すること
ができる。
【0031】上記したフッ素樹脂の配合割合は2〜10
重量%である。フッ素樹脂の配合割合が2重量%未満の
少量では、シール材組成物の潤滑性が不充分となって好
ましくなく、逆に10重量%を越える多量では、適当な
溶融流動性が得られないからである。
【0032】この発明に用いる炭素繊維は、平均繊維径
が好ましくは1〜20μm、より好ましくは10〜18
μmであり、かつアスペクト比が1〜80、より好まし
くは5〜50のものが好ましい。
【0033】なぜなら、炭素繊維の平均繊維径が1μm
未満の細径では繊維間の凝集する現象が見られて組成物
中に均一分散し難くなり、20μmを越える太径のもの
では、摺動時にアルミニウム合金製の相手材を摩耗す
る。また、アスペクト比が1未満のものでは、マトリッ
クス自体の補強効果が損なわれて機械的特性が低下し、
逆にアスペクト比が80を越えると、混合時の均一分散
が極めて困難となって、耐摩耗性が充分に改善されずに
品質低下を招くことになるからである。
【0034】このような炭素繊維の配合割合は、5〜2
0重量%である。なぜなら、5重量%未満の少量では、
機械的強度の補強効果、耐摩耗性の改善効果が小さく、
20重量%を越える多量では、溶融流動性が著しく低下
するからである。
【0035】この発明に用いる芳香族ポリアミド繊維
は、下記の化4の式で示される一般式を繰り返し単位と
する樹脂からなり、このような樹脂のうちメタ系の分子
構造を有する芳香族ポリアミド樹脂の代表例として、米
国デュポン社製:ノーメックス(紙状)、帝人社製:コ
ーネックスが挙げられ、パラ系の分子構造を有する樹脂
の代表例として米国デュポン社製:ケブラー(繊維
状)、帝人社製:テクノーラがある。
【0036】
【化4】
【0037】芳香族ポリアミド繊維の形態としては、繊
維長0.2〜1mmであり、繊維径10〜15μmのも
のが好ましい。なぜなら、上記範囲未満では均一に分散
させるのに非常な時間とエネルギーを要し、分散系の流
動特性が悪くなるからであり、上記範囲を越えると、マ
トリックス中で分散状態が悪く、機械的強度、耐摩耗性
が劣ることとなって好ましくないからである。
【0038】このような条件を満足する市販の芳香族ポ
リアミド繊維としては、アクゾ社製:TWARON(パ
ラ系)、繊維長0.25mm、繊維径13μmがある。
【0039】芳香族ポリアミド繊維は、この発明のシー
ル材組成物に3〜10重量%添加することにより、耐摩
耗性を改善効果がある。配合割合が3重量%未満では、
耐摩耗性の向上が充分でなく、10重量%を越えると成
形時の溶融流動性を阻害するからである。
【0040】以上述べた材料は、さらにキャピラリーレ
オメータによる320℃、せん断速度103 sec-1
毛管直径1mm、毛管長さ10mm、バレル直径9.5
5mm、バレル長さ350mmの条件における溶融粘度
が1200〜3000ポイズである条件を満足する。
【0041】このような溶融粘度は、PPS樹脂の溶融
粘度のグレード、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維の配
合量、またはその他の充填剤の配合などによって変化
し、いちがいに必須成分の配合割合のみで規定されるも
のではない。
【0042】そして、上記溶融粘度が1200ポイズ未
満では、成形時にバックフローまたはノズルからの樹脂
垂れが起こり易くなって計量を確実に行なうことが難く
なり、また連続成形が困難であり、3000ポイズを越
える高粘度では、成形時の流動性が悪く好ましくない。
【0043】なお、上記以外の添加剤として、この発明
の効果を阻害しない範囲内で、例えば自己潤滑性、機械
的強度、熱安定性などの向上、または着色などの目的で
固体潤滑剤、顔料などを適宜混合してもよい。
【0044】これら諸原材料の混合は、ヘンシェルミキ
サー、タンブラーミキサーを用いたドライブレンド、ま
たはブラベンダー、押出し機を用いた周知の手段で行な
うことができる。
【0045】
【実施例】実施例および比較例に用いた原材料を一括し
て示すと次の通りである。
【0046】(1)PPS樹脂(リニア型、重合後(直
鎖状)の溶融粘度;1000ポイズ)トープレン社製:
LN−2 (2)PPS樹脂(リニア架橋型、重合後(直鎖状)の
溶融粘度;2000ポイズ)、トープレン社製:T−4
AG (3)PPS樹脂(リニア型、重合後(直鎖状)の溶融
粘度;6000ポイズ)トープレン社製:LC−6 (4)炭素繊維 呉羽化学社製:M207S、平均繊維径18μm、アス
ペクト比48 (5)ポリテトフルオロエチレン〔PTFE〕 喜多村社製:KT400H (6)芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維) アクゾ社製:TWARON、繊維長0.25mm、繊維
径13〜14μm (7)液晶ポリマー 住友化学工業社製:スミカスーパーE4000 〔実施例1〜6、比較例1〜8〕上記した原材料1〜6
を表1に示す割合で配合し、ヘンシェルミキサーで充分
混合した後、二軸溶融押出機(池貝鉄鋼社製:PCM−
30型)に供給し、温度290〜310℃、スクリュー
回転数100〜150rpmの条件で7個の孔(直径2
mm)を有するストランドダイから押し出してペレット
状に造粒した。このペレットをノズル温度290〜32
0℃、金型温度130〜150℃、射出圧力1500〜
2000kg/cm2 の射出成形機にかけて、図2に示
すような螺旋状のシール材2を射出成形した。
【0047】また、上記した成形条件と全く同様にし
て、所定形状の試験片を成形し、これを用いて以下の試
験を行なった。
【0048】[冷媒等に対する耐久性試験]試験片を収
容したステンレス製の耐圧容器内に、PAG(水分1重
量%含有)を入れ、内圧が180℃で30kgf/cm
2 となるように、代替フロンであるCH2 F−CF
3 (1,1,1,1,2−テトラフルオロエチレン)を
圧入し、そのまま180℃で500時間静置した。
【0049】実施例1〜6、比較例1〜6の試験片につ
いては、以下に示す摩擦係数および摩耗量、流動性につ
いての試験を行ない、比較例7、8については、前記冷
媒に500時間浸漬する前と浸漬した後の曲げ強度をそ
れぞれ測定し、その結果を表3に示した。
【0050】[摩擦係数および摩耗量]鈴木・松原式摩
擦摩耗試験機を用い、内径17mm、外径21mm、長
さ10mmの摩耗リング試験片(前記した浸漬試験に使
用した後のもの)を用い、圧力15kgf/cm2 、速
度:128m/分の条件下において、相手材としてFC
25を用いた。摩耗量は、試験片の試験前後の高さの差
(μm)を測定しこの結果を表1または表2に併記し
た。
【0051】[流動性試験] 住友重機社製:プロマットを用い、幅1.7mm、厚み
1.5mmの方形状断面を有するインボリュート曲線型
の金型を使用してスパイラルフロー試験を行ない、その
流動長(cm)を測定し、この結果を表1または表2に
併記した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】表1および表2の結果からも明らかなよう
に、比較例1では比較的良好な耐摩耗性を示したが、炭
素繊維の配合量が所定量より多いので、溶融粘度が高く
成形性が劣る。
【0056】また、フッ素樹脂を含有しない比較例2
は、摩擦係数が大きく、比較例3では炭素繊維を配合し
ていないので、補強効果が得られず耐摩耗性に劣る。比
較例4では、芳香族ポリアミド繊維を所定量を越えて多
量に配合したので、溶融粘度が規定値より高くなり流動
性の悪いものであった。
【0057】比較例5では、PPS樹脂の溶融粘度が所
定の粘度よりも高いので、所定量の配合ではあるが、所
定の溶融粘度範囲を満足せず、流動性が劣る。また、比
較例6では、液晶ポリマーのPAGに対する耐油性が悪
く、加水分解によって劣化した。
【0058】また、表3の結果から明らかなように、溶
融時の流動性の高い液晶ポリマー(比較例8)は、冷凍
機油に対する耐油性が劣る。
【0059】これに対して、配合および溶融粘度に関す
る全ての条件を満足する実施例1〜6は、PPS樹脂を
主成分としているので代替フロンに対する耐薬品性があ
り、かつ耐摩耗性、摩擦係数、溶融状態での成形性(流
動長、溶融粘度)の全てを満足する優れたシール材であ
った。
【0060】
【効果】この発明は、以上説明したように、主成分であ
るPPS樹脂にフッ素樹脂、炭素繊維をそれぞれ所定の
配合割合で添加したことにより、スクロール型コンプレ
ッサのシール材組成物が、低摩擦係数の摺動特性に加え
て、溶融成形時の良好な流動性を具備し、しかもフロン
R134aなどの代替フロンを使用したコンプレッサで
の耐久性を兼ね備えたものとなる利点がある。
【0061】また、前記PPS樹脂として所定の溶融粘
度のものを採用し、また所定量の芳香族ポリアミド繊維
を添加すれば、耐摩耗性や機械的強度がより優れたもの
となる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】スクロール型コンプレッサのスクロール部材の
斜視図
【図2】図1のシール材の斜視図
【図3】図1の要部の縦断面図
【図4】一対のスクロール部材を組み合わせた状態の断
面図
【符号の説明】
1、1´ シール材 3 基板 4 渦巻き壁 5、5´スクロール部材 6 溝
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 81/02 27:12)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ素樹脂2〜10重量%、炭素繊維5
    〜20重量%、下記化1の式で表わされる繰り返し単位
    を90モル%以上含有するポリフェニレンサルファイド
    樹脂75〜93重量%を含み、キャピラリーレオメータ
    による320℃、せん断速度103 sec-1、毛管直径
    1mm、毛管長さ10mm、バレル直径9.55mm、
    バレル長さ350mmの条件における溶融粘度が120
    0〜3000ポイズである樹脂組成物からなるスクロー
    ル型コンプレッサのシール材組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 ポリフェニレンサルファイド樹脂が、重
    合後に直鎖状を呈する分子構造状態においてJIS K
    7210による高化式フローテスタ試験の300℃に
    おける溶融粘度が300〜2500ポイズの樹脂である
    請求項1記載のスクロール型コンプレッサのシール材組
    成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のスクロール型
    コンプレッサのシール材組成物において、芳香族ポリア
    ミド繊維を3〜10重量%添加したことを特徴とするス
    クロール型コンプレッサのシール材組成物。
  4. 【請求項4】 スクロール型コンプレッサが1,1,
    1,2−テトラフルオロエチレンを冷媒とし、潤滑油と
    してポリアルキレングリコールを使用するものである請
    求項1、2、または3記載のスクロール型コンプレッサ
    のシール材組成物。
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