JPH07217571A - スクロール型コンプレッサのシール部材用組成物 - Google Patents

スクロール型コンプレッサのシール部材用組成物

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JPH07217571A
JPH07217571A JP979294A JP979294A JPH07217571A JP H07217571 A JPH07217571 A JP H07217571A JP 979294 A JP979294 A JP 979294A JP 979294 A JP979294 A JP 979294A JP H07217571 A JPH07217571 A JP H07217571A
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scroll
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JP979294A
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Takumi Shimokusuzono
工 下楠薗
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C27/00Sealing arrangements in rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C27/005Axial sealings for working fluid

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 スクロール型コンプレッサのシール部材用組
成物を、低摩擦係数の摺動特性に加えて、溶融成形時の
良好な流動性、耐摩耗性および軟質金属製の摺動相手材
に対する非損傷性を全て兼ね備えたものとする。 【構成】 ポリフェニレンサルファイド樹脂70〜90
重量%、PTFEなどのフッ素樹脂5〜20重量%、芳
香族ポリアミド繊維2〜10重量%、平均径3μm以下
でモース硬度2〜3の硫酸カルシウムウィスカなどの無
機化合物ウィスカ3〜15重量%を含有した樹脂組成物
からなるスクロール型コンプレッサのシール部材用組成
物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はスクロール型コンプレ
ッサの摺動面に装着されるスクロール型コンプレッサの
シール部材用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、スクロール型コンプレッサの構
造を図1〜4に基づいて説明すると、このものは、アル
ミニウムまたはアルミニウム合金などの軽金属類製の基
板3の片面に同材料の渦巻き壁4を直立形成したスクロ
ール部材5を設け、スクロール部材の渦巻き壁4の上端
面には長手方向に溝6を形成し、溝6に四フッ化エチレ
ン樹脂(以下、PTFEと略記する)などの潤滑性樹脂
材料からなる渦巻き線形のシール部材2を組み付け、前
記渦巻き方向と逆向きの渦巻き壁を形成したスクロール
部材(図示せず)を別途設け、これら一対のスクロール
部材の渦巻き壁相互を偏心状態にかみ合わせて、軸周り
に相対的に公転運動を行わせることによって、渦巻き壁
4の間に形成される密閉空間を中心方向に移動させなが
ら空間内の流体を圧縮し、流体を中心部から吐出するよ
うにしたものである。
【0003】そして、図4に示すように、一対のスクロ
ール部材5、5´のシール部材2、2´を相互に他のス
クロール部材5´、5の渦巻き壁の底に摺接させること
によって、渦巻き壁4の間を通過する流体のシールを図
っている。
【0004】上記したPTFEを主要材料としたシール
部材2は、射出成形が不可能で生産性が悪く、また耐ク
リープ性にも劣るので、近年では射出成形可能な潤滑性
樹脂材料からなるシール材も開発されている。
【0005】すなわち、本願の発明者らが先に特開昭6
2−223488号公報で開示した射出成形可能なスク
ロール型コンプレッサのシール材は、芳香族ポリエーテ
ルケトン樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリエ
ーテルイミド樹脂を主成分とし、PTFEおよび射出成
形可能な含フッ素樹脂を添加したもの、または同発明者
らが特開昭63−158362号公報で開示したもの
は、芳香族ポリエーテルケトン樹脂を主成分とし、いず
れも潤滑性、耐クリープ性を改良したものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のポリフェニレンサルファイドなどのポリアリーレンス
ルフィド樹脂を主成分とし、PTFEおよび射出成形可
能な含フッ素樹脂を添加したシール部材用組成物は、射
出成形が可能であり、かつ潤滑性、耐クリープ性の点で
も優れたものであるが、射出成形時の流動性が充分に良
好でないという問題点がある。
【0007】このようなシール部材用組成物を用いてス
クロール型コンプレッサの渦巻き壁と略同じ長さの細長
い渦巻き型のシール部材を射出成形するには、シール部
材の全長(展開長さ)の中間にゲート口を配置しなけれ
ば、金型内に均等に充填できない。
【0008】そして、中間位置にゲート口を配置して射
出成形されたシール部材は、突出したゲート部分を後加
工によって再成形する必要があるので、生産効率が悪
く、すなわち低コスト化の要請に応えることができず、
また後加工によってはゲート部分の成形寸法精度が安定
しないので、シール性能の安定した製品が得られないと
いう問題点がある。
【0009】ここで、射出成形時に所要の流動性を獲得
するには、PTFEの配合割合を少なくすると共に、射
出成形可能なポリアリーレンスルフィド樹脂および含フ
ッ素樹脂の配合割合を多くすればよいとも考えられる。
そして、一般に樹脂組成物の耐摩耗性を改善する手法と
して、炭素繊維などの繊維補強剤を添加する手法が採ら
れる。
【0010】しかし、炭素繊維で強化した潤滑性樹脂組
成物は、アルミニウムなどの軟質軽金属製の摺動相手材
を損傷し易いものであり、さらには相手材摩耗粉の発生
によってシール部材自体も摩耗し易くなる。
【0011】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決し、スクロール型コンプレッサのシール部材用
組成物を、低摩擦係数の摺動特性に加えて、溶融成形時
の良好な流動性、耐摩耗性および軟質金属製の摺動相手
材に対する非損傷性を全て兼ね備えたものとすることで
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明においては、スクロール型コンプレッサ
のシール部材用組成物を、ポリフェニレンサルファイド
樹脂70〜90重量%、フッ素樹脂5〜20重量%、芳
香族ポリアミド繊維2〜10重量%、平均径3μm以下
の無機化合物ウィスカ3〜15重量%を含有する樹脂組
成物で構成したのである。
【0013】また、前記ポリフェニレンサルファイド樹
脂としては、下記化2の式で表わされる繰り返し単位を
90モル%以上含有し、溶融粘度が500〜1500ポ
イズのポリフェニレンサルファイド樹脂を採用すること
ができる。
【0014】
【化2】
【0015】前記したフッ素樹脂としては、ポリテトラ
フルオロエチレン樹脂が採用でき、平均径3μm以下の
無機化合物ウィスカとしては、モース硬度2〜3のウィ
スカを採用することができ、そして前記した無機化合物
ウィスカとしては、硫酸カルシウムウィスカを採用する
ことが好ましい。
【0016】以下に、その詳細を述べる。まず、この発
明に用いるポリフェニレンサルファイド樹脂(以下、P
PS樹脂と略記する)は、前記化2の式で表わされる繰
り返し単位を有する結晶性の線状高分子であり、このよ
うな繰り返し単位を90モル%以上含むものが好まし
い。前記した繰り返し単位が90モル%未満のPPS樹
脂では、組成物に射出成形性などの所期した性質がなく
なるからである。
【0017】PPS樹脂は、たとえば硫化ナトリウムと
p−ジクロルベンゼンとをN−メチルピロリドン、ジメ
チルアセトアミドなどのアミド系溶媒もしくはスルホラ
ンなどのスルホン系溶媒中で反応させた重合体からコン
パウンドを得ることが好ましい。なお、この重合体の結
晶性に影響を与えない範囲で、たとえば、下記化3の式
で示される共重合成分を10モル%未満含ませてもよ
い。
【0018】
【化3】
【0019】このようなPPS樹脂は、たとえば、特公
昭44−27671号公報などに開示されているハロゲ
ン置換芳香族化合物と硫化アルカリとの反応、米国特許
第3274165号に開示されているようなチオフェノ
ール類のアルカリ触媒もしくは銅塩などの共存下におけ
る縮合反応などによって合成される。
【0020】PPS樹脂は、縮合などの反応直後におい
ては、白色に近い未架橋品であって、このままでは低分
子量で低粘度であるから、溶融成形に適当な粘度とする
には、たとえば空気中において融点以下に加熱すること
で酸化架橋させて、分子量を適度に高める。このような
酸化架橋処理をして溶融成形用途に市販されているライ
トンP−4(フィリップスペトローリアム社製)の溶融
粘度(オリフィス:直径1mm、長さ2mm、荷重10
kg)は、1000〜5000ポイズである。
【0021】そして、PPS樹脂の好ましい溶融粘度
は、500〜1500ポイズである。なぜなら、500
ポイズ未満では耐摩耗性が悪く、1500ポイズを越え
ると成形性(流動性)が悪くなって好ましくないからで
ある。
【0022】前記した架橋型PPS樹脂は、組成物によ
っては脆弱となり易く、これから成形した摺動部に異物
が混入した際に摺動面の一部が欠落する可能性もあるた
め、引張り強さ、曲げ強さなどを改良した直鎖型PPS
樹脂を用いることが好ましい。このような直鎖型PPS
樹脂の市販品としては、呉羽化学工業社製:KPS−W
214を例示することができる。
【0023】さらに、このような直鎖型PPS樹脂にお
いては、耐クリープ性が充分満足できないので、直鎖型
PPS樹脂であって、しかも若干の架橋構造を導入した
PPS樹脂を採用することがより好ましい。若干の架橋
構造を導入した直鎖型PPS樹脂であり、その溶融粘度
が500〜1500ポイズである市販品としては、トー
プレン社製:T3AGが挙げられる。
【0024】次に、この発明におけるフッ素樹脂は、組
成物に低摩擦係数で非粘着性特性を導入するために用い
るものであって、コンプレッサの性能に応じて適当な摩
擦係数となるものを採用すればよい。好ましいフッ素樹
脂としては、PTFEの他、ポリテトラフルオロエチレ
ン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリトリクロ
ロフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体などが挙げられ
る。このうち、最も低摩擦係数であるPTFEが最も好
ましいものであるが、このものの形態としては、平均粒
径が20μm以下の滑剤級の粉末が好ましい。
【0025】平均粒径が20μm以下の滑剤級の粉末P
TFEとして市販されているものとしては、英国アイ・
シー・アイ社製:フルオン(商標)L169、同L17
0、同L171、ダイキン工業社製:ルブロン(商
標)、L−2、同LD−1、デュポン社製:テフロン
(商標)、TLP−10、同TLP−10F−1などを
挙げることができる。
【0026】なお、組成物に良好な溶融粘度を維持する
ためには、バージンのPTFEよりも一度焼成したPT
FEを粉砕した再生PTFEを用いることが、PTFE
を繊維状化をさせ難い点で好ましい。また、再生PTF
Eに代え、もしくはこのものと併用してPTFEにγ線
照射処理してこれを低分子量化したPTFE粉末を用い
ることができる。γ線照射処理した市販の潤滑剤用PT
FEとしては、喜多村社製:KT400Hを例示するこ
とができる。
【0027】この発明に用いる芳香族ポリアミド繊維
は、下記の化4の式で示される一般式を繰り返し単位と
する樹脂からなり、このような樹脂のうちメタ系の分子
構造を有する芳香族ポリアミド樹脂の代表例として、米
国デュポン社製:ノーメックス(紙状)、帝人社製:コ
ーネックスが挙げられ、パラ系の分子構造を有する樹脂
の代表例として米国デュポン社製:ケブラー(繊維
状)、帝人社製:テクノーラがある。
【0028】
【化4】
【0029】芳香族ポリアミド繊維の形態としては、繊
維長0.2〜1mmであり、繊維径10〜15μmのも
のが好ましい。なぜなら、上記範囲未満では均一に分散
させるのに非常な時間とエネルギーを要し、分散系の流
動特性が悪くなるからであり、上記範囲を越えると、マ
トリックス中で分散状態が悪く、機械的強度、耐摩耗性
が劣ることとなって好ましくないからである。このよう
な条件を満足する市販の芳香族ポリアミド繊維として
は、アクゾ社製:トワロン(パラ系)、繊維長0.25
mm、繊維径13μmがある。
【0030】この発明に用いる無機化合物ウィスカは、
平均径3μm以下、好ましくは1.0〜2.0μmのも
のである。なぜなら、上記範囲未満の平均径では均一に
分散させるのに非常な時間とエネルギーを要し、分散系
の流動特性が悪くなるからであり、上記範囲を越える
と、マトリックス中で分散状態が悪く、機械的強度、耐
摩耗性が劣ることとなって好ましくないからである。無
機化合物ウィスカの具体例としては、酸化チタンウィス
カ、チタン酸カリウムウィスカ、ほう酸アルミニウムウ
ィスカ、硫酸カルシウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカな
どが挙げられる。
【0031】また、このようなウィスカのうち、モース
硬度2〜3のものが、補強材として用いた場合にアルミ
ニウム合金などの比較的軟質の摺動相手材を損傷せず、
また耐摩耗性にも優れているので、好ましい。モース硬
度2〜3のウィスカとしては、硫酸カルシウムウィスカ
(U.S.Gypsum社製)が挙げられる。
【0032】なお、この発明のシール部材用組成物に
は、溶融状態での所期した流動性を阻害しない程度に黒
鉛、二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤を併用してもよ
いのは勿論である。
【0033】以上述べたシール部材組成物の配合割合
は、PPS樹脂70〜90重量%、フッ素樹脂5〜20
重量%、芳香族ポリアミド繊維2〜10重量%、平均径
3μm以下の無機化合物ウィスカ3〜15重量%であ
る。
【0034】なぜなら、PPS樹脂の配合割合が全組成
物量の70重量%未満の場合(すなわち、フッ素樹脂、
芳香族ポリアミド繊維、無機化合物ウィスカの合計量が
30重量%を越える場合)では、組成物の溶融粘度が高
くなって、シール部材の長手方向に一端にゲートを設け
た射出成形が困難となり、前記した種々の不都合が生じ
るからである。なお、他の必須成分を最低限の添加量を
とし、PPS樹脂を残部とした場合の配合割合は90重
量%である。
【0035】また、フッ素樹脂の配合割合が50重量%
未満の少量では、シール部材用組成物の潤滑性が不充分
となって好ましくなく、逆に20重量%を越える多量で
は、所期した溶融流動性が得られず、分散性、相溶性が
低下して均質な組成物が得られにくいといった問題が生
じるからである。
【0036】また、芳香族ポリアミド繊維が2重量%未
満の少量では、組成物に充分な耐摩耗性が備わらず、1
0重量%を越える多量では所期した溶融流動性が得られ
ない。
【0037】また、ウィスカが3重量%未満の組成物の
機械的強度が不充分であり、15重量%を越える多量で
は、所期した溶融流動性が得られないからである。
【0038】これら諸原材料の配合、加熱、溶融、混合
などの諸操作は、熱ローラ、バンバリーミキサ、ブラベ
ンダ、押出機などを利用し、通常290〜330℃、好
ましくは300〜320℃で均質な混合物が得られるま
で継続して実施すればよい。または、諸原材料を乳鉢、
ヘンシェルミキサー、ボールミル、リボンブレンダーな
どで予め混合した後に、溶融混合機、射出成形機、押出
し成形機等で280〜330℃、好ましくは300〜3
30℃の条件でペレットとするか、そのまま射出成形機
で所要の長さの線状、棒状、板状またはシート状その他
任意形状の長尺状のシール部材に成形する。
【0039】
【作用】この発明に係るスクロール型コンプレッサのシ
ール部材用組成物は、主成分であるPPS樹脂の溶融時
の良好な流動性を維持しており、フッ素樹脂による低摩
擦係数の摺動特性を発揮し、芳香族ポリアミド繊維およ
び無機化合物ウィスカを所定の配合割合で添加したこと
により、耐クリープ性と共に耐摩耗性に極めて優れ、し
かも摺動相手材を損傷しないシール部材用組成物とな
る。
【0040】
【実施例】実施例および比較例に用いた原材料を一括し
て示すと次の通りである。なお、括弧内に略称を示し
た。
【0041】 (1)ポリフェニレンサルファイド樹脂〔PPS〕 トープレン社製:T3AG (2)フッ素樹脂〔PTFE〕 喜多村社製:KT−400H (3)芳香族ポリアミド繊維〔アラミド繊維〕 アクゾ社製:トワロン(繊維長0.25mm、繊維径1
3〜14μm) (4)硫酸カルシウムの単結晶ウィスカ 大日精化工業社製:フランクリンファイバー A30
(繊維長50〜60μm 、繊維径2μm) (5)酸化チタンウィスカ 石原産業社製:酸化チタン FTL300(繊維長5μ
m、繊維径0.27μm) (6)チタン酸カリウムウィスカ 大塚化学社製:ティスモ−N (7)炭素繊維 呉羽化学社製:クレハ107T 〔実施例1〜7、比較例1〜7〕上記した原材料1〜7
を表1または表2に示す割合で配合し、ヘンシェルミキ
サーで均質になるよう混合した後、二軸溶融押出機(池
貝鉄鋼社製:PCM−30型)に供給し、温度290〜
310℃、スクリュー回転数150rpm、径2mm、
孔7個のストランドダイから押し出してペレット状に造
粒した。このペレットをノズル温度290〜320℃、
金型温度130〜150℃、射出圧力1500kg/c
2 の射出成形機にかけて、図1または図2に示すよう
な螺旋状のシール部材2を射出成形によって成形した。
【0042】この場合、図2に示すように、射出成形用
のゲート口1は、シール部材2の長手方向の一端のみに
配置した。
【0043】また、上記した成形方法と全く同様にし
て、所定の試験片を作成し、これを用いて摩擦係数、摩
耗量または組成物の流動性を以下の方法で測定し、評価
した。
【0044】[摩擦係数および摩耗量] 鈴木・松原式
摩擦摩耗試験機を用い、内径17mm、外径21mm、
長さ10mmの摩耗リング試験片を用い、圧力15kg
f/cm2 、速度:128m/分の条件下において、相
手材としてアルミニウム合金(AC8C)を用いた。摩
耗量は、試験片の試験前後の高さの差(μm)を測定
し、相手材は試験前後の重量差(mg)を測定し、この
結果を表1または表2に併記した。
【0045】[流動性] 住友重機社製:プロマットを
用い、幅1.7mm、厚み1.5mmの方形状断面を有
しインボリュート曲線型の金型を使用してスパイラルフ
ロー試験を行ない、その流動長(cm)を測定し、この
結果を表1または表2に併記した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】表1および表2の結果からも明らかなよう
に、比較例1では比較的良好な流動性を示したが、炭素
繊維が配合されているので、相手材への攻撃性(摩耗
量)が大きかった。ウィスカ類を全く配合しなかった比
較例2は、芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)が全
く配合されておらず、相手材への攻撃性は小さいが、試
験片自体の耐摩耗性に劣るものであった。比較例4は、
フッ素樹脂を含有しないので、摩擦係数が高く、比較例
5〜7では比較的良好な耐摩耗性を示すが、フッ素樹
脂、芳香族ポリアミド繊維、ウィスカ類がそれぞれ過剰
に配合されているので、所期した流動性(流動長)が得
られなかった。
【0049】これに対して、全ての配合条件を満足する
実施例1〜7は、試験片および相手材の摩耗量、摩擦係
数が小さく、流動性に優れたものであった。
【0050】
【効果】この発明は、以上説明したように、主成分であ
るPPS樹脂の溶融時の良好な流動性を維持しており、
フッ素樹脂、芳香族ポリアミド繊維および無機化合物ウ
ィスカをそれぞれ所定の配合割合で添加したことによ
り、スクロール型コンプレッサのシール部材用組成物
が、低摩擦係数の摺動特性に加えて、溶融成形時の良好
な流動性、耐摩耗性および軟質金属製の摺動相手材に対
する非損傷性を全て兼ね備えたものとなる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】スクロール型コンプレッサのスクロール部材を
示す斜視図
【図2】実施例を示す斜視図
【図3】図1の要部縦断面図
【図4】一対のスクロール部材を組み合わせた状態の断
面図
【符号の説明】
1 ゲート口 2 シール部材 3 基板 4 渦巻き板 5 スクロール部材 6 溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリフェニレンサルファイド樹脂70〜
    90重量%、フッ素樹脂5〜20重量%、芳香族ポリア
    ミド繊維2〜10重量%、平均径3μm以下の無機化合
    物ウィスカ3〜15重量%を含有した樹脂組成物からな
    るスクロール型コンプレッサのシール部材用組成物。
  2. 【請求項2】 前記ポリフェニレンサルファイド樹脂
    が、下記化1の式で表わされる繰り返し単位を90モル
    %以上含有し、溶融粘度が500〜1500ポイズのポ
    リフェニレンサルファイド樹脂である請求項1に記載の
    スクロール型コンプレッサのシール部材用組成物。 【化1】
  3. 【請求項3】 前記フッ素樹脂がポリテトラフルオロエ
    チレン樹脂である請求項1または2に記載のスクロール
    型コンプレッサのシール部材用組成物。
  4. 【請求項4】 前記平均径3μm以下の無機化合物ウィ
    スカが、モース硬度2〜3のウィスカである請求項1、
    2または3に記載のスクロール型コンプレッサのシール
    部材用組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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