JPH0834898A - 水溶性感光性樹脂組成物 - Google Patents

水溶性感光性樹脂組成物

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JPH0834898A
JPH0834898A JP19196594A JP19196594A JPH0834898A JP H0834898 A JPH0834898 A JP H0834898A JP 19196594 A JP19196594 A JP 19196594A JP 19196594 A JP19196594 A JP 19196594A JP H0834898 A JPH0834898 A JP H0834898A
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JP
Japan
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water
photosensitive resin
resin composition
soluble
casein
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Application number
JP19196594A
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English (en)
Inventor
Shozo Miyazawa
祥三 宮澤
Shozo Toda
昭三 戸田
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Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd
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Publication date
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特にエッチングマスクパターンとしてのレジ
ストとして、酸性エッチング液に対する耐性に優れ、高
感度、高解像性で保存安定性も良好で、かつ基板との密
着性に優れ、濃アルカリ水溶液にて容易に剥離可能であ
るとともに、エッチング前の硬膜処理工程が不要な、非
クロム系の水溶性感光性樹脂組成物を提供する。 【構成】 カゼインと、下記の一般式(I) 【化1】 (式中、XはNa、KまたはNH4 を表す)で表される
構成単位を有する高分子化合物と、1,2−ナフトキノ
ンジアジド−4−スルホン酸塩および1,2−ナフトキ
ノンジアジド−5−スルホン酸塩(Na、KまたはNH
4 塩)の中から選ばれる少なくとも1種とを含有してな
る水溶性感光性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水溶性感光性樹脂組成物
に係り、特に、エッチング前の硬膜処理工程が不要で、
酸性エッチング液に対する耐性に優れ、高感度、高解像
性で保存安定性も良好で、かつ基板との密着性に優れ、
濃アルカリ水溶液にて容易に剥離可能な、非クロム系の
水溶性感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーブラウン管用シャドウマスクの製
造においては、基板として低炭素アルミキルド鋼やニッ
ケル36%含有アンバー型合金などの薄板を用い、これ
をまず脱脂、水洗により整面処理後、表面に感光性樹脂
組成物を塗布し、乾燥、成膜させる。次いで、電子ビー
ム通過孔に対応した箇所に目的の画像を有するマスクパ
ターンを上記基板に密着させて露光を行い、現像後、硬
膜化処理工程を経て所定パターンの耐食性被膜(レジス
ト膜)を形成させる。そしてこれを、塩化第二鉄液や塩
化第二銅液等のエッチング液により基板のレジスト膜非
形成部分をエッチング(酸性エッチング)し、多数の電
子ビーム透過孔を形成させた後、レジスト膜を剥離し、
シャドウマスクを作成している。
【0003】従来、このようなカラーブラウン管用シャ
ドウマスクやICリードフレーム、蛍光表示管用メッシ
ュ等の電子部品の製造においては、エッチングマスクパ
ターンとしてのレジストとして、カゼインを主成分とす
る水溶液に感光剤として重クロム酸アンモニウム等の重
クロム酸塩水溶液を加えた水溶性感光性樹脂組成物が用
いられてきた。また、塩化第二鉄液や塩化第二銅液等の
エッチング液に対するレジストの耐食性を向上させるた
めに、光硬化部(レジストパターン)の硬膜化処理を行
っているが、これは通常、現像処理後に無水クロム酸水
溶液に浸漬し、水洗後バーニングすること等によって行
っている(例えば、特公昭44−28725号公報、
等)。これらはいずれも処理廃液中に六価クロムを含
む。
【0004】しかしながら、環境保護対策上、六価クロ
ム排水基準は0.5ppm以下に、総クロム量でも2p
pm以下に規制されているため、クロム酸塩、重クロム
酸塩を含む感光性樹脂組成物や硬化剤を用いて電子製造
部品の製造を行おうとすると、その排水処理対策費用だ
けでも膨大なものになり、製造コストの大幅なアップを
余儀なくされるという問題がある。
【0005】このためクロムを含有しない水溶性感光性
樹脂組成物として、例えば特公昭41−7100号公報
にはカゼインとアジド化合物を含む感光性溶液が、特公
昭44−28725号公報にはポリビニルアルコールと
テトラゾニウム塩類、ジアジド化合物、ジアゾ樹脂等の
感光性成分からなる製版用感光液がそれぞれ開示され、
また特公昭56−20541号、同56−42859
号、同57−6098号公報等にはポリビニルアルコー
ルとジアゾ樹脂を含む水溶性レジストが提案されている
が、いずれもその特性において不足の点が多く、実用に
至っていないというのが現状である。
【0006】また、硬膜化処理においても、無水クロム
酸水溶液に代えて、モリブデン酸塩類もしくはタングス
テン酸塩類よりなる溶液に浸漬し、パターンの硬膜化処
理を行う方法も提案されている(特開昭52−1250
05号公報、等)が、解像性、被膜の柔軟性不足、剥離
性等の点で十分な特性が得られず、実用的でないという
問題がある。
【0007】さらに、カゼイン−重クロム酸塩系水溶性
感光性樹脂組成物においては、細心の注意を払って取り
扱えば解像性、耐酸性等に優れたパターンが得られるも
のの、基板メタルとクロム酸塩との反応による暗反応
が起こり、感度変化が発生する、該暗反応は温度、湿
度条件に左右され、その結果、感度のバラツキが生じ
る、レジスト自体の経時変化が速いのでポットライフ
が短く、保存安定性に欠ける、上記〜が原因でレ
ジストの解像力低下、現像性の悪化等が生じることがあ
る、等の不具合がある。
【0008】このような現状から、カゼイン−重クロム
酸塩系水溶性感光性樹脂組成物に代えて、非クロム系の
水溶性感光性樹脂組成物の開発が望まれていた。また、
レジストの硬膜化においてもクロム廃液の問題を解消し
得る解決策が要望されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる事情に
鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、
特にエッチングマスクパターンとしてのレジストとし
て、酸性エッチング液に対する耐性に優れ、高感度、高
解像性で保存安定性も良好で、かつ基板との密着性に優
れ、濃アルカリ水溶液にて容易に剥離可能であるととも
に、レジストの硬膜化においてもクロム廃液の問題を解
消し得る、非クロム系の水溶性感光性樹脂組成物を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、カゼインと、
ある特定の構成単位を有する高分子化合物と、特定構造
の化合物とを含有させることにより上記課題を満足させ
るのみならず、製品製造工程の簡素化や製造コストの低
減化を図ることのできる水溶性感光性樹脂組成物が得ら
れるという知見を得、これに基づいて本発明を完成させ
るに至った。
【0011】すなわち本発明は、(イ)カゼインと、
(ロ)下記の一般式(I)
【0012】
【化4】 (式中、XはNa、KまたはNH4 を表す)で表される
構成単位を有する高分子化合物と、(ハ)下記の一般式
(II)および一般式(III)
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】 (式中、XはNa、KまたはNH4 を表す)で表される
化合物の中から選ばれる少なくとも1種とを含有してな
る水溶性感光性樹脂組成物を提供するものである。
【0015】以下に、本発明の水溶性感光性樹脂組成物
の各構成成分について詳述する。
【0016】本発明の水溶性感光性樹脂組成物の(イ)
成分としてのカゼインとしては、水溶性感光性樹脂組成
物に使用し得るものはいずれも用いることができるが、
特に安定性の点で、酸カゼインを硼砂、アミン類、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムなどのカセイアルカリ等
の有機、無機のアルカリ剤を含む水に溶解したカゼイン
水溶液等が好適に用いられる。これらは、例えば「FR
−15」「FR−16」「FR−17」(以上いずれも
富士薬品工業(株)製)、「G−90L」「G−90
M」「G−90S」「G−90W」「G−90SDN」
(以上いずれも東京応化工業(株)製)等として市販さ
れており、商業的に入手可能である。
【0017】(ロ)成分としての上記一般式(I)で表
される構成単位を有する高分子化合物(ホトポリマー)
は、例えば、ジアセトンアクリルアミドと他のモノマ
ー、好ましくは水溶性モノマーを公知の方法で共重合さ
せて得られる水溶性ポリマー(ベースポリマー)に、4
−アジドベンズアルデヒド−2−スルホン酸およびその
塩類から選ばれる少なくとも1種をアルドール縮合反応
により導入することによって得ることができるが、合成
方法はこれに限定されるものではない。
【0018】ここで、上記水溶性モノマーとしては、例
えばアクリル酸、メタクリル酸、ジメチルアクリルアミ
ド、ジエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリ
ン、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N−ビニル
−2−ピロリドン等を挙げることができるが、特にジメ
チルアクリルアミド、アクリロイルモルホリンが好まし
い。また、共重合した後、加水分解反応させることによ
ってアルコール性水酸基を生じる酢酸ビニルも、上記水
溶性モノマーに包含される。これら水溶性モノマーは単
独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用
いてもよい。
【0019】上記ジアセトンアクリルアミドと水溶性モ
ノマーとの共重合割合は、ジアセトンアクリルアミド1
モルに対し、水溶性モノマー0.5〜10モルが好まし
く、より好ましくは1.5〜3.0モルである。水溶性
モノマーの割合が10モルを超えると感光性が低下し、
一方、0.5モル未満では溶解性が悪くなり、好ましく
ない。
【0020】このようにして得られる水溶性ポリマー
は、重量平均分子量がGPCでのポリスチレン基準で1
5×104 〜100×104 であるのが好ましく、より
好ましくは20×104 〜30×104 である。また、
分散度は1〜10、好ましくは1〜3、さらに好ましく
は1〜2である。
【0021】次に、この水溶性ポリマーに、4−アジド
ベンズアルデヒド−2−スルホン酸およびその塩類から
選ばれる少なくとも1種をアルドール縮合反応により導
入するが、その導入量は感光特性の点から、ジアセトン
アクリルアミド100モル%に対し5〜95モル%、よ
り好ましくは30〜90モル%、特には80〜90モル
%が好ましい。
【0022】このようにして上記一般式(I)で表され
る構成単位を有する高分子化合物(ホトポリマー)を得
ることができる。
【0023】なお、水溶性モノマーとして酢酸ビニルを
用いた場合、ジアセトンアクリルアミドと酢酸ビニルと
を共重合し、アルカリにて酢酸基を加水分解することに
よって水酸基含有水溶性ポリマーを合成することができ
る。この水酸基含有水溶性ポリマーは、酸性水溶液中で
アルデヒド類をアセタール化反応により導入することに
よって、耐水性に極めて優れたパターン形成が可能な水
溶性ポリマーとなることから、好適に用いられる。
【0024】このようなアルデヒド類としては、例えば
ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアル
デヒド、n−ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド等
の脂肪族系アルデヒド類;ベンズアルデヒド、ジアルキ
ルベンズアルデヒド、アルキルベンズアルデヒド、シン
ナミックアルデヒド等の芳香族系アルデヒド類;ピリジ
ンアルデヒド等の複素環系アルデヒド類;等が挙げられ
る。これらアルデヒド類には、4−アジドベンズアルデ
ヒド−2−スルホン酸およびその塩類や、ホルミルスチ
リルピリジンおよびその4級化塩等も含まれる。これら
アルデヒド類は、単独で用いてもよく、また2種以上を
組み合わせて用いてもよい。実用上好ましく用いられる
ものはプロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、
クロトンアルデヒド等であり、なかでもn−ブチルアル
デヒドが最も好適に用いられる。
【0025】このアルデヒド類によるアセタール化反応
は、水溶性ポリマーの全水酸基の15モル%以下をアセ
タール化することが好ましい。15モル%を超えると安
定性に優れた水溶性ポリマーを得るのが難しいからであ
る。なおこの場合、合成される水溶性ポリマーの重合度
としては100〜3,000が好ましく、より好ましく
は500〜2,500である。
【0026】(ハ)成分として、上記一般式(II)お
よび一般式(III)で表される化合物の中から選ばれ
る少なくとも1種が配合されるが、ここで一般式(I
I)および一般式(III)で表される化合物は、具体
的には1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸
塩および1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン
酸塩である。ここで塩としては特に限定されるものでは
なく、本発明のホトポリマー溶液に相容性を示すもので
あれば、どのような塩の形のものでも適用可能である
が、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム等の一価
の陽イオン種の塩が好ましく、中でも経時安定性がよい
点、硬膜化が効率よく進行する点で、ナトリウム塩が特
に好ましい。
【0027】本発明においては、上記(イ)、(ロ)成
分に加えて(ハ)成分を配合したところに特徴がある。
この(ハ)成分を配合させることにより、露光時、露光
部の硬膜化が十分に進行し、これにより現像時でのパタ
ーンの膨潤、流出によるパターンくずれを防止すること
ができることはもとより、エッチング液に対する耐食性
にも優れ、マスクパターンに忠実な光硬化パターンを形
成することができる。また従来の、エッチング液に対す
る耐食性向上のための、現像後の硬膜処理工程が不要と
なるため、製品製造工程の簡素化や製造コストの低下を
図ることができ、スループットが向上する。さらにま
た、従来のようにクロム酸塩を用いることなく硬膜化が
できるため、環境保護面においても人体に害を及ぼすお
それ等がなく安全である。
【0028】本発明の水溶性感光性樹脂組成物における
各成分の配合割合は、(イ)カゼイン100重量%に対
し、(ロ)高分子化合物(ホトポリマー)を1〜40重
量%程度の割合で配合させるのが好ましく、より好まし
くは10〜30重量%程度である。ホトポリマーの配合
割合が1重量%未満では感度が落ち、耐水性も悪くな
り、一方、40重量%を超えると剥離性が低下する。ま
た、(ハ)一般式(II)および一般式(III)で表
される化合物の中から選ばれる少なくとも1種の配合割
合は、(イ)カゼイン100重量%に対し、1〜10重
量%、好ましくは2〜8重量%、より好ましくは5〜6
重量%である。1重量%未満では硬膜効果が十分に得ら
れず、一方、10重量%を超えると感度の低下が起こ
る。
【0029】本発明においては、上記必須構成成分
(イ)〜(ハ)の他に、必要に応じて相容性のあるポリ
マーや各種添加剤、例えば着色剤、可塑剤、界面活性
剤、基板との密着性を高めるためのカップリング剤等を
適宜、添加、配合させることができる。特に、相容性の
あるポリマーとしてポリビニルアルコールや変性ポリビ
ニルアルコールを配合することによってレジストパター
ンの溶解剥離性を向上させることができる。これらポリ
ビニルアルコールや変性ポリビニルアルコールは水溶性
を示すものであればよく、部分ケン化物でも完全ケン化
物でも用いることができる。なお変性ポリビニルアルコ
ールとしては、ジアセトンアクリルアミド、アクリロイ
ルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドン等により変
性させたものや側鎖にシリコーン含有基を付加させたも
のなど、各種の変性ポリビニルアルコールを使用するこ
とができる。これらは単独で用いてもよく、あるいは2
種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0030】本発明の水溶性感光性樹脂組成物は、10
mJ/cm2 の光量で露光した場合、その感度がグレー
スケール法(Kodak Photographic
Step Tablet No.2を使用)で6〜12
ステップ、より好ましくは8〜10ステップが残存する
ことが好ましい。6ステップ未満では感度が低すぎて実
用的ではなく、一方、12ステップを超えると保存安定
性が悪く、取り扱いが難しい。なお感度の調整は、ホト
ポリマー中の水溶性モノマー単位の割合を適宜選択する
ことにより容易に変えることが可能である。
【0031】次に、本発明の水溶性感光性樹脂組成物の
使用方法の一例を以下に説明する。
【0032】本発明の水溶性感光性樹脂組成物を基板上
に塗布し、乾燥した後、マスクパターンを介して選択的
露光を行い、次いで水で現像し、未露光部分を除去する
ことによって光硬化パターンを形成することができる。
ここで、本発明の水溶性感光性樹脂組成物を用いること
により、選択的露光時に硬膜化を十分に進行させること
ができるため、従来の現像後の硬膜化処理工程を経るこ
となく、マスクパターンに忠実な光硬化パターンを得る
ことができる。
【0033】さらにこの光硬化パターンをエッチングマ
スクとして基板をエッチング後、光硬化パターン(レジ
スト膜)を剥離して加工精度の高い微細パターンを有す
る基板を得ることができる。これにより、カラーブラウ
ン管用シャドウマスク、ICリードフレーム、蛍光表示
管用メッシュなどの製品製造を、簡素化された製造工程
でかつ製造コストを低減化して、しかも環境保護対策上
安全に行うことができる。
【0034】ここで上記水溶性感光性樹脂組成物は、例
えば固形分5〜12%程度となるよう、純水に希釈させ
たものを塗布液として用い、これを基板上に塗布する。
用いられる基板としては、例えば通常シャドウマスク製
造に用いられる脱炭したアルミキルド鋼、ニッケルを3
6%含有するニッケル−鉄合金(アンバー材)はもちろ
んであるが、その他、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、アルミ
ニウム、ステンレス鋼、銅合金等の金属基板、およびガ
ラス、シリコン基板等が挙げられる。
【0035】そして、この水溶性感光性樹脂組成物塗布
後の基板に、所定のマスクパターンを介して選択的露光
を行う。この光源としては、紫外線、また350〜40
0nm付近の光を出力するUVランプが好適に用いら
れ、その光量は水溶性感光性樹脂組成物の組成に応じて
若干異なるが、100〜1000mJ/cm2 程度が好
ましい。
【0036】次いで現像を行い、未露光部を除去して光
硬化パターンを形成するが、本発明の水溶性感光性樹脂
組成物は水による現像が可能である。ここで使用する水
は、特に不純物の混入を嫌う精密機器の製造分野を除い
ては、純水である必要はなく、通常、家庭で使用する水
道水で十分である。
【0037】次に、このようにして得られた基板上に形
成された光硬化パターンをエッチングマスクとして基板
をエッチングするが、エッチング液としては塩化第二鉄
液や塩化第二銅液が通常用いられるが、それ以外の金
属、例えばMg、Ca、Sr、Ba、Zn、Co、Mn
およびアンモニウムの塩化物および硝酸塩液等を使用す
ることもできる(酸性エッチング)。プリント回路など
のように銅箔をエッチングする場合は塩化第二銅液を用
いる場合が多く、リードフレーム、シャドウマスク、蛍
光表示管用メッシュ等のエッチングの場合には塩化第二
鉄液を用いる場合が多い。本発明の水溶性感光性樹脂組
成物はこのような酸性エッチング液に対する耐性に優れ
る。
【0038】エッチングが終了するとレジスト膜の剥離
工程に入る。本発明により得られる光硬化パターンは、
濃アルカリ水溶液に易溶であるから、剥離性も良好であ
り、剥離したレジストが再付着することがない。さらに
は、例えば40℃以上に加熱した5〜20%の水酸化ナ
トリウム水溶液に浸漬すれば剥離がより容易であり、上
記水溶液にグルコン酸ナトリウムを数%添加するとさら
に好ましい。
【0039】なお、本発明の水溶性感光性樹脂層は、カ
ゼインを含有していることから、基板との密着性も良好
である。また、共重合させる他のモノマーの選択によっ
て、アセタール化等のポリマーの変性によって基板との
密着性をさらに改善することも可能である。
【0040】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれによって限定されるものではない。
【0041】合成例1 水溶性ポリマー(ベースポリ
マー)の合成 ジメチルアクリルアミド230g、ジアセトンアクリル
アミド260g、純水6510gをフラスコに仕込み、
これを窒素でバブリングしながら加熱した。
【0042】温度が65℃になったところで窒素の流加
を止め、イソプロピルアルコール(IPA)100gを
注入し、さらに重合開始剤として2,2’−アゾビス
[2−(2’−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二
塩基酸(「VA−044」:和光純薬(株)製)40g
を水200gに溶解したものを注入し、還流下、1時間
かき混ぜた。次いで水冷し、温度70℃にて上澄液を捨
て、純水約2000gを加え、20℃まで冷却した。そ
の後、反応生成物をフラスコ内から取り出し、さらに純
水を加えて希釈し、重量平均分子量が23×104 (D
MF法、ポリスチレン基準)、分散度1.6、粘度13
mPa・s/25℃、濃度12.12%の水溶性ポリマ
ー(ベースポリマー)液約3300gを得た。
【0043】合成例2 ホトポリマーの合成 合成例1で得られたベースポリマー液500gに純水を
加えて希釈し、総865gとした。ここへ4−アジドベ
ンズアルデヒド−2−スルホン酸ナトリウム45gを添
加、かき混ぜ、溶解した(液温17℃)。ここへ5%水
酸化ナトリウム水溶液6mlを添加し、3日間反応させ
た後、希塩酸にて中和し、さらに純水で希釈し、濾過し
て濃度9.5%のホトポリマー液を得た。
【0044】合成例3 水溶性ポリマー(ベースポリ
マー)の合成 アクリロイルモルホリン437g、ジアセトンアクリル
アミド263g、純水6300gをフラスコに仕込み、
これを窒素でバブリングしながら加熱した。
【0045】温度が65℃になったところで窒素の流加
を止め、イソプロピルアルコール100gを注入し、さ
らに重合開始剤として「VA−044」40gを水30
0gに溶解したものを注入した。重合開始剤を注入して
から10分経過後、80℃まで加熱を行い、その温度下
において1時間かき混ぜた。次いで水冷し、温度70℃
にて上澄液を捨て、純水約3500gを加え、20℃ま
で冷却した。その後、反応生成物をフラスコ内から取り
出し、さらに純水を加え希釈し、重量平均分子量が21
×104 (DMF法、ポリスチレン基準)、分散度1.
75、粘度10mPa・s/25℃、濃度7.0%の水
溶性ポリマー(ベースポリマー)液6700gを得た。
【0046】合成例4 ホトポリマーの合成 合成例3で得られたベースポリマー液1000gに4−
アジドベンズアルデヒド−2−スルホン酸ナトリウム3
3gを添加、かき混ぜ、溶解した(液温10℃)。ここ
へ5%水酸化ナトリウム水溶液7mlを添加し、2日間
反応させた後、希塩酸にて中和し、さらに純水で希釈
し、濾過して濃度10.0%のホトポリマー液を得た。
【0047】合成例5 試料1の合成 カゼイン溶液(「G−90W」;東京応化工業(株)
製、カゼイン12.07重量%含有)1000gに、上
記合成例2で得たホトポリマー液240gを添加し、混
合した。ここへ純水400gと1,2−ナフトキノンジ
アジド−4−スルホン酸ナトリウム6.6gを加えてか
き混ぜ、固形分約10%の水溶性感光性樹脂組成物(試
料1)を得た。
【0048】合成例6 試料2の合成 カゼイン溶液(「G−90W」:東京応化工業(株)
製、カゼイン12.07重量%含有)1000gに、上
記合成例2で得たホトポリマー液510gを添加し、混
合した。ここへ純水385gと1,2−ナフトキノンジ
アジド−4−スルホン酸ナトリウム6.6gを加えてか
き混ぜ、固形分約10%の水溶性感光性樹脂組成物(試
料2)を得た。
【0049】合成例7 試料3の合成 カゼイン溶液(「G−90W」:東京応化工業(株)
製、カゼイン12.07重量%含有)1000gに、上
記合成例2で得たホトポリマー液13gを添加し、混合
した。ここへ純水410gと1,2−ナフトキノンジア
ジド−4−スルホン酸ナトリウム6.6gを加えてかき
混ぜ、固形分約10%の水溶性感光性樹脂組成物(試料
3)を得た。
【0050】合成例8 試料4の合成 カゼイン溶液(「G−90W」:東京応化工業(株)
製、カゼイン12.07重量%含有)1000gに、上
記合成例4で得たホトポリマー液240gを添加し、混
合した。ここへ純水410gと1,2−ナフトキノンジ
アジド−5−スルホン酸ナトリウム6.6gを加えてか
き混ぜ、固形分約10%の水溶性感光性樹脂組成物(試
料4)を得た。
【0051】合成例9 試料5の合成 カゼイン溶液(「G−90W」:東京応化工業(株)
製、カゼイン12.07重量%含有)1000gに、上
記合成例4で得たホトポリマー液50gを添加し、混合
した。ここへ純水410gと1,2−ナフトキノンジア
ジド−5−スルホン酸ナトリウム6.6gを加えてかき
混ぜ、固形分約10%の水溶性感光性樹脂組成物(試料
5)を得た。
【0052】合成例10 試料6の合成 カゼイン溶液(「G−90W」:東京応化工業(株)
製、カゼイン12.07重量%含有)1000gに、上
記合成例4で得たホトポリマー液480gを添加し、混
合した。ここへ純水410gと1,2−ナフトキノンジ
アジド−5−スルホン酸ナトリウム6.6gを加えてか
き混ぜ、固形分約10%の水溶性感光性樹脂組成物(試
料6)を得た。
【0053】合成例11 試料7の合成 カゼイン溶液(「G−90W」:東京応化工業(株)
製、カゼイン12.07重量%含有)1000gに、上
記合成例2で得たホトポリマー液240gを添加し、混
合した。ここへ純水400gと1,2−ナフトキノンジ
アジド−4−スルホン酸ナトリウム1.8gを加えてか
き混ぜ、固形分約10%の水溶性感光性樹脂組成物(試
料7)を得た。
【0054】合成例12 試料8の合成 カゼイン溶液(「G−90W」:東京応化工業(株)
製、カゼイン12.07重量%含有)1000gに、上
記合成例2で得たホトポリマー液240gを添加し、混
合した。ここへ純水400gと1,2−ナフトキノンジ
アジド−4−スルホン酸ナトリウム11.5gを加えて
かき混ぜ、固形分約10%の水溶性感光性樹脂組成物
(試料8)を得た。
【0055】比較合成例1 比較試料1の合成 カゼイン溶液(「G−90W」:東京応化工業(株)
製、カゼイン12.07重量%含有)1000gに、上
記合成例2で得たホトポリマー溶液240gを添加し、
混合した。ここへ純水400gを加えてかき混ぜ、固形
分約10%の水溶性感光性樹脂組成物(比較試料1)を
得た。
【0056】比較合成例2 比較試料2の合成 カゼイン溶液(「G−90W」:東京応化工業(株)
製、カゼイン12.07重量%含有)1000gに、ビ
スアジド(4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−
ジスルホン酸ナトリウム)15gを添加、溶解し、水溶
性感光性樹脂組成物(比較試料2)を得た。
【0057】比較合成例3 比較試料3の合成 カゼイン溶液(「G−90W」:東京応化工業(株)
製、カゼイン12.07重量%含有)1000gに、ビ
スアジド(4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−
ジスルホン酸ナトリウム)15gと1,2−ナフトキノ
ンジアジド−4−スルホン酸ナトリウム6.6gを添
加、溶解し、水溶性感光性樹脂組成物(比較試料3)を
得た。
【0058】[実施例1]感度測定 合成例5〜12で得た試料1〜8をアルミニウム板上に
塗布、乾燥し、1μmの乾燥被膜を形成した。これをグ
レースケール法にて感度を測定した。すなわち、上記被
膜上にグレースケール(Kodak Photogra
phic Step Tablet No.2)を密着
させ、超高圧水銀灯にて10mJ/cm2 の露光を行
い、次いで純水のかけ流しによる現像を行った。メチル
バイオレット水溶液で染色後、水洗、乾燥したところ、
表1に示すステップの感度を得た。
【0059】
【表1】 [実施例2]耐水性試験 シャドウマスク用スチール板(125×125mm)を
基板として用い、脱脂、水洗、乾燥させた後、上記試料
1〜8、比較試料1〜3をそれぞれ150rpmにて回
転塗布し、50℃にて10分間乾燥を行い、ホトレジス
ト層(膜厚2μm)を形成した。
【0060】このホトレジスト層上に所定パターンを有
するネガマスクを密着させ、超高圧水銀灯にて300m
J/cm2 の光量で露光を行った。
【0061】次いで、水道水を用いてスプレー現像を行
い、未露光部分を溶解除去した結果、試料1〜8を用い
た場合はパターンの膨潤、流失等がまったくみられず、
マスクパターンに忠実な光硬化パターンを形成すること
ができた。一方、比較試料1〜3を用いた場合は、すべ
て現像途中でパターンが流失してしまった。
【0062】[実施例3]耐エッチング性および剥離性
試験 次に、該シャドウマスク用スチール板上に形成された、
上記試料1〜8を用いて得られた光硬化パターンに20
0℃で10分間の加熱(ポストベーク)を行い、次いで
45Be '(ボーメ度)、50℃の塩化第二鉄溶液から
なるエッチング液を用いて15分間スプレーエッチング
を行い、続いて濃度10%、40℃の水酸化ナトリウム
水溶液に浸漬したところ、試料1〜8からなる光硬化パ
ターンは基板上より完全に剥離除去された。その後、各
基板を水洗、乾燥した結果、基板上に残留物はみられ
ず、またエッチング不良に起因するパターンの欠陥はみ
られなかった。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の水溶性感光
性樹脂組成物は、水による現像が可能で、耐エッチング
性に優れ、高感度、高解像性で保存安定性も良好で、か
つ基板との密着性に優れ、濃アルカリ水溶液にて容易に
剥離可能である。
【0064】また本発明の水溶性感光性樹脂組成物は、
これを用いた光硬化パターンの製造工程において、クロ
ム系化合物を一切使用しないため、作業上、また環境保
護対策上安全で、しかも従来必要とされていたエッチン
グ前の硬膜処理工程が不要であるため、コストの削減、
製造工程の簡素化が図れるという効果を奏する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/027 504 7/038 501 7/085 H01J 9/14 G

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)カゼインと、(ロ)下記の一般式
    (I) 【化1】 (式中、XはNa、KまたはNH4 を表す)で表される
    構成単位を有する高分子化合物と、(ハ)下記の一般式
    (II)および一般式(III) 【化2】 【化3】 (式中、XはNa、KまたはNH4 を表す)で表される
    化合物の中から選ばれる少なくとも1種とを含有してな
    る水溶性感光性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記(イ)成分100重量部に対して、
    上記(ロ)成分を1〜40重量部含有する、請求項1記
    載の水溶性感光性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記(イ)成分100重量部に対して、
    上記(ハ)成分を1〜10重量部含有する、請求項1ま
    たは2記載の水溶性感光性樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003029416A (ja) * 2001-07-11 2003-01-29 Toppan Printing Co Ltd フォトレジスト膜の露光方法及びフォトレジスト膜の露光装置
WO2004086144A1 (ja) * 2003-03-25 2004-10-07 Az Electronic Materials (Japan) K.K. 感光性樹脂組成物

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