JPH0834135B2 - 高分子感温体 - Google Patents

高分子感温体

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JPH0834135B2
JPH0834135B2 JP2303725A JP30372590A JPH0834135B2 JP H0834135 B2 JPH0834135 B2 JP H0834135B2 JP 2303725 A JP2303725 A JP 2303725A JP 30372590 A JP30372590 A JP 30372590A JP H0834135 B2 JPH0834135 B2 JP H0834135B2
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temperature sensor
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雄三 山崎
千秋 小池
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Totoku Electric Co Ltd
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Totoku Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電気毛布、電気カーペット等の面状発熱体の
温度制御に用いられる感温検知線の感温層として使用さ
れる高分子感温体に関する。
〔従来の技術〕
従来の高分子感温体は、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩
化ビニル混和物等のポリ塩化ビニル樹脂系の高分子物質
に、導電性付与剤として過塩素酸第4級アンモニウム塩 を添加し、これらの樹脂に体積固有抵抗とインピーダン
ス値の温度依存性を付与せしめたものであり、電気毛
布、電気カーペット等の面状発熱体の感温検知線用の高
分子感温体に多用されている。
感温検知線は第1図に示すように、ガラス繊維又はポ
リエステル繊維等の巻芯1の外周に銅又は銅合金からな
る下巻導体2を巻線し、その外周に前記した高分子感温
体3をチューブ状に押出して設け、次にその外周に銅又
は銅合金からなる上巻導体4を巻線し、更にその外周に
ポリ塩化ビニル樹脂等の絶縁体5を設けた構造となって
おり、前記高分子感温体3の体積固有抵抗とインピーダ
ンス値の変化を基に御度制御を行なうものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
電気カーペット等の面状発熱体の感温検知線用の高分
子感温体に要求される特性としては、高精度な温度検知
性、耐環境性及び高温動作時の長期安定性等が挙げられ
る。
従来、ポリ塩化ビニル樹脂系の高分子物質に導電性付
与物質として過塩素酸第4級アンモニウム塩を混合、分
散させてなる高分子感温体は、感温層として動作中に於
いて130℃以上の高温に長時間さらされると、体積固有
インピーダンスの温度依存性の値が大きく変化してしま
うという問題があった。この問題について種々実験を行
ない検討した結果、この原因は導電性付与物質として用
いている過塩素酸第4級アンモニウム塩の第4級アンモ
ニウムカチオンに起因していることが判明した。すなわ
ち高温下では、アンモニウムカチオンは下巻導体及び上
巻導体の電極材料から溶出する銅イオンと反応し、銅イ
オンの存在しない場合と比較して著く熱劣化を受けるの
で、感温体中の導電キャリアが消失し、体積固有インピ
ーダンスの温度依存性(サーミスタB定数)が小さくな
るためであり、その結果感温体の温度制御性能が悪くな
り、最悪の場合は制御不能となるものである。
これらの問題点を解決するために種々の方法が特許・
文献等に開示されており、例えば(1)特公昭52−9839
号公報、(2)特公昭51−46262号公報、(3)特公昭4
6−5090号公報、(4)高分子Vol.34,No.9(1985)、
(5)工業材料Vol.30,No.4(1982)及び(6)金属表
面技術Vol.37,No.5(1986)等を挙げることができる。
しかしながら、何れも根本的な解決方法ではなく、高分
子感温体のポリ塩化ビニル混和物の各成分の配合比率の
面から改善した内容が多く、例えば可塑剤(トリメリッ
ト酸エステル系)、充填剤(炭酸カルシウム)及び安定
剤等の配合部数に関するものが主であり、導電性付与剤
を主体にした解決方法は殆どみられなかった。
本発明は上記従来技術が有する問題点を解決するため
に為されたものであり、体積固有インピーダンスの温度
依存性が大きく温度変動に対する追随性に優れ、かつ銅
イオンの存在下で高温に長時間さらされた後も体積固有
インピーダンスの温度依存性が殆ど変らない熱安定性に
優れた高分子感温体を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的を達成するために本発明は、ポリ塩化ビニル
樹脂系の高分子物質を基材とし、これに導電性付与剤と
してポリオレフィンオキサイドに過塩素酸リチウムを溶
解させた高分子固体電解質を添加した高分子感温体にあ
る。
前記ポリ塩化ビニル樹脂系の高分子物質としては、一
般に市販されている電線グレードのポリ塩化ビニル樹
脂、塩素化ポリオレフィン樹脂及び塩化ビニルと酢酸ビ
ニルの共重合体等が用いられ、必要に応じ可塑剤、安定
剤及び無機質充填剤が配合され実用に供される。なお、
前記可塑剤等については特に限定していないが、汎用の
電線グレードのポリ塩化ビニル樹脂用の材料であれば使
用可能である。
本発明の主たる要素である導電性付与剤は、ポリエチ
レンオキサイド(PEO)又はポリプロピレンオキサイド
(PPO)等のポリオレフィンオキサイドを非水溶剤(Pol
yvent)とし、過塩素酸リチウム(LiClO4)をリチウム
濃度約10%として溶解させた高分子固体電解質である。
なお、体積固有インピーダンスの温度依存性を考慮し
て、この高分子固体電解質はポリ塩化ビニル系樹脂100
重量部に対し2〜15重量部添加したものであれば実用上
十分であり、15重量部を超えると、材料コストの上昇に
つながる。
〔作用〕
高分子感温体中のイオン伝導機構は、基本的には高分
子感温体固体中のイオン移動であるため、イオン伝導度
(σ)はσ=Σneμで表現することができる。ここで、
nはキャリアイオン数、eは電荷素量、μはキャリア移
動度である。イオン伝導度(σ)を大きくするために
は、nを大きくするか、μを大きくする必要がある。n
を大きくするためには基材となる高分子物質の誘電率
(ε)を大きくするとか、解離エネルギーの小さい塩を
用いることが有効な手段である。そして、μを大きくす
るためには、自由度が大きく、基材となる高分子物質に
よって束縛されにくい1価イオンの利用が望ましく、そ
の中でも荷電密度が相対的に低いイオンが有効である。
また、イオンの移動はセグメント運動に沿って起るの
で、基材となる高分子物質はできるだけ低いガラス転移
温度を有するものが望ましい。
以上の高分子固体中のイオン伝導に関する基本的知見
を基にして本発明の高分子感温体をみた場合、本発明の
高分子感温体の導電機構は、高分子固体電解質(高分子
固体溶媒)中のポリオレフィンオキサイドが、基材とな
るポリ塩化ビニル樹脂系の高分子物質中に均一に分散さ
れるので、この基材の高分子物質中にポリオレフィンオ
キサイドのエーテル酸素の連続した伝導場が形成され、
このエーテル酸素の伝導場を足掛りとして、高分子固体
電解質中の過塩素酸リチウム塩のリチウムイオンがイオ
ン−ダイポール相互作用を保ちながら基材高分子物質の
セグメント運動に沿って移動するものである。
従って、従来の高分子感温体と根本的に異る点は、高
分子感温体中にイオン−ダイポール相互作用を形成させ
るエーテル酸素を有している点にある。また、本発明の
伝導系は過塩素酸リチウム塩を使用しているためバイイ
オン系であり、アニオンとカチオンの両イオンが移動す
るが、高分子固体電解質中のポリオレフィンオキサイド
とリチウムイオンの相互作用が強いため、銅イオンによ
る伝導性の阻害を防止でき、熱安定性に優れた高分子感
温体となるものである。
〔実施例〕
以下に本発明の内容を実施例で示す。表1は実施例1
〜6及び比較例の高分子感温体組成物の配合表である。
実施例1〜6及び比較例の高分子感温体は、組成物を
それぞれ表1組成物配合表に基づく配合割合で十分混合
した後、150℃のロールで10分間混練し、更に150℃の熱
プレスにより1mm厚さシートに成型し、このシートより
1辺が10cmの正方形状の試料とした。次に、上記により
作成した実施例1〜6及び比較例の各試料について、0
〜100℃に於ける体積固有インピーダンスの温度依存性
を測定した。その結果を第2図に示す(実施例5は図示
しないが実施例2と実施例6の中間値)。
また、実施例3及び比較例の試料については銅イオン
劣化試験として、銅粉を満した容器中に各試料を浸漬
し、140℃の恒温槽に7日間放置して劣化させた後取り
出し、20〜100℃に於ける体積固有インピーダンスの温
度依存性を測定した。その結果を第3図に示す。なお、
上記の体積固有インピーダンスの測定は、JIS K6723軟
質塩化ビニルコンパンド7.8項に準拠して行った。
以上の特性測定結果から明らかなように、本発明の高
分子感温体は第2図に示す如く、体積固有インピーダン
スの温度依存性が20℃近辺の室温領域から80〜100℃の
高温領域に渡り極めて大きく、従って温度変動に対する
応答性が良いことがわかる。また、第3図から明らかな
如く本発明の高分子感温体は、銅イオン劣化試験後の体
積固有インピーダンスの温度依存性が劣化試験前と比較
して大きな変化がなく、銅イオンによる伝導性の阻害を
殆ど受けていないことがわかる。
〔発明の効果〕 本発明の高分子感温体は体積固有インピーダンスの温
度依存性(サーミスタB定数)が大きく、温度変化に対
する応答性が極めて良好である。従って、本発明の高分
子感温体を電気カーペット等の感温検知線の感温層とし
て使用した場合、制御温度幅に対し必要とする定数(イ
ンピーダンス値)幅を広くとることが出来るので、より
高精度な温度制御が可能となる。
また、本発明の高分子感温体は、高温に於ける銅イオ
ンによる伝導性の阻害を受けにくくなっているので、熱
安定性に優れた感温検知線の製造が可能となる。更に、
本発明の高分子感温体は、電線グレードの一般シース素
材と同様、通常の押出し成形により第1図に示す構造の
感温検知線を容易に製造することができるので製造コス
トも安価であり、産業上に寄与する効果は極めて大であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は感温検知線の構成を示す略図、第2図は高分子
感温体の体積固有インピーダンスの温度依存性を示すグ
ラフ図、第3図は高分子感温体の銅イオン劣化試験前と
後の体積固有インピーダンスの温度依存性を示すグラフ
図である。 1……巻芯、2……下巻導体、3……高分子感温体、4
……上巻導体、5……絶縁体。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ塩化ビニル系樹脂を基材とし、これに
    導電性付与剤としてポリオレフィンオキサイドに過塩素
    酸リチウムを溶解させた高分子固体電解質を添加したこ
    とを特徴とする高分子感温体。
JP2303725A 1990-11-08 1990-11-08 高分子感温体 Expired - Fee Related JPH0834135B2 (ja)

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