JPH08340105A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JPH08340105A
JPH08340105A JP14471595A JP14471595A JPH08340105A JP H08340105 A JPH08340105 A JP H08340105A JP 14471595 A JP14471595 A JP 14471595A JP 14471595 A JP14471595 A JP 14471595A JP H08340105 A JPH08340105 A JP H08340105A
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semiconductor
iii
etching
semiconductor device
nitride
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JP14471595A
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English (en)
Inventor
信一郎 ▲高▼谷
Shinichiro Takatani
Hiroyuki Uchiyama
博幸 内山
浩幸 ▲高▼澤
Hiroyuki Takazawa
Seiji Yamamoto
清二 山本
Kozo Mochiji
広造 持地
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】半導体装置の製造に際し、ドライエッチングを
行った半導体表面の特性劣化を抑制する。 【構成】半導体装置を気相または真空中でエッチング加
工したのち、空気に触れることなく上記加工表面を窒化
して、窒化物層3を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エッチング表面に起因
する特性劣化を抑えた、電子素子や光素子等の半導体装
置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】化合物半導体による電子素子および光素
子の製造に用いるドライエッチング方法としては、エッ
チャントガスのプラズマを用いるプラズマエッチング、
反応性イオンエッチング(ジャーナル・オブ・ケミカル
フィジックス(J. Chem. Phys.)101(3)1、
Aug(1994))、反応性イオンビームエッチング等
が知られている。また、エッチャントガスを供給しなが
ら光を照射してエッチングする光励起エッチングも知ら
れている(アプライド・フィジックス・レターズ(App
l. Phys. Lett.)51(14)5、Oct(198
7))。
【0003】化合物半導体からなる電子素子のうち、例
えば電界効果型トランジスタ(FET)では、ゲート電
極を形成する部分における余分な半導体層を除去するリ
セスエッチングに、上記ドライエッチング方法が用いら
れる。また、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HB
T)では、ベース層やコレクタ層を露出させるエッチン
グに上記ドライエッチング方法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】エッチング後の試料を
大気中に取り出すと半導体表面が酸化される。例えば電
界効果トランジスタでは、上記リセスエッチングにしば
しばGaAs/AlGaAs、InGaAs/InAl
Asの選択エッチングが利用されるが、この場合はエッ
チングによりAlGaAsやInAlAs層が露出し、
これらの試料の表面には、エッチャントガスの成分であ
る塩素、ふっ素、臭素等が残留するが、上記残留物はエ
ッチング後に大気中に取り出した時、大気中の水分と反
応して腐蝕性を発現し、下地の半導体層を侵食して反応
層を形成する。これらの酸化やエッチャントガスの残留
物が引きおこす腐蝕により反応層が形成されると、その
分だけ半導体層が薄くなるため、下部のチャネル層の抵
抗が表面空乏層の影響を受けて高くなる。このため、F
ETの寄生抵抗は大きくなり、相互コンダクタンスが低
下するという問題が生じる。また、反応層内部には多数
の欠陥準位が存在するため、キャリアがこれらの欠陥準
位に捕獲されたり再放出されることにより、特性が変動
するという問題も生じる。
【0005】ヘテロ接合バイポーラトランジスタにおい
ても、エッチングにより露出したGaAs、AlGaA
s、InGaAs、InAlAs等の半導体表面の酸化
やエッチャントガスの残留物による腐蝕により、反応層
が形成されると反応層内部の欠陥準位を介して少数キャ
リアの再結合がおこり、リーク電流が増加するという問
題が生じる。
【0006】上記のように半導体装置の製造において
は、ドライエッチング表面における上記反応層の発生を
抑えることが課題になっている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、ハロゲン元
素を含むガス、イオン、ラジカルを用いたエッチングに
より得られる、III族元素に富むIII−V族半導体表面
を、窒化して得られるIII族元素を主たる窒化物とする
窒化物層を有する半導体装置とすることによって達成さ
れる。また、窒化された半導体表面を、電界効果型トラ
ンジスタのゲート電極が接する半導体表面とすることに
より、または、電界効果型トランジスタのゲート電極に
隣接した側方の半導体表面とすることにより、あるい
は、バイポーラトランジスタのエミッタ領域とベース電
極との間の半導体表面であるか、ベース領域とコレクタ
電極との間の半導体表面であることにより、上記課題は
達成される。
【0008】また、ドライエッチング表面における反応
層の発生を抑えた半導体装置の製造方法は、半導体を気
相または真空中でエッチングする工程と、エッチングさ
れた上記半導体の表面を窒化する工程を含むことにより
満足させられる。上記窒化する工程が、窒素を含むガ
ス、イオンまたはラジカルに半導体表面を曝露する工程
からなるか、窒素を含むガス中でエッチング加工表面に
光を照射する工程からなるか、あるいは、エッチングす
る工程と同一の容器内で行うことにより得られる。
【0009】また、上記エッチングする工程が、ハロゲ
ン元素を含むガス、イオン、ラジカルと、半導体との反
応により行われ、あるいは、半導体がIII−V族半導体
であることにより得られる。
【0010】さらに、電界効果型トランジスタが、ゲー
ト電極部の半導体をエッチングしてリセス構造を形成し
たのち、エッチングした半導体表面を大気に曝すことな
く窒化することにより、あるいは、バイポーラトランジ
スタが、ベース層またはコレクタ層とのコンタクトを形
成するため、余分の半導体層をエッチングしたのち、エ
ッチングした半導体表面を大気に曝すことなく窒化する
ことによって、上記半導体装置を得ることができる。
【0011】
【作用】ハロゲン元素を含むガス、イオン、ラジカルを
用いてIII−V族半導体をエッチングした場合は、V族
元素のハロゲン化物は蒸気圧が高いために表面から脱離
しやすい。このためIII族元素に富んだ表面が得られ
る。この表面に、大気に曝すことなく窒素イオンや窒素
ラジカル等の活性な窒素を反応させると、主としてIII
族元素の窒化物からなる窒化物層が表面に形成される。
紫外線を照射する場合も、光化学反応により活性な窒素
が形成され、これが試料表面と反応してIII族元素の窒
化物層が形成される。これらの窒化物層に含まれる不安
定なV族元素の窒化物の量は少なく、大気中における表
面酸化を効果的に抑制することができる。また、窒化の
過程で塩素、ふっ素、臭素等の残留物が除去されるた
め、腐蝕による反応を抑えることができる。
【0012】上記記載の窒化処理は、エッチング装置内
でエッチング工程に引き続き行うことが可能であり、こ
の場合は工程のスループットを高めることができる。例
えば反応性イオンエッチングを行ったのちプラズマ放電
を停止し、ガスを窒素、アンモニア等の窒素を含むガス
に切り替え、再びプラズマを発生させて表面を処理すれ
ばよい。また、光励起エッチングを行う場合には、エッ
チャントガスを窒素を含むガスに切り替えて光を照射す
ればよい。
【0013】
【実施例】つぎに本発明の実施例を図面とともに説明す
る。図1は本発明による半導体装置の第1実施例を示す
図で、(a)〜(c)はそれぞれその製造工程を示す
図、図2は本発明の第2実施例である電界効果型トラン
ジスタを示す図で、(a)〜(e)はその製造工程をそ
れぞれ示す図、図3は本発明の第3実施例であるバイポ
ーラトランジスタを示す図で、(a)〜(d)はその製
造工程をそれぞれ示す図である。
【0014】第1実施例 本実施例では反応性イオンエッチングにより得られるエ
ッチング表面を、窒化する場合について図1を用いて説
明する。まず、図1(a)に示すように、化合物半導体
1上に絶縁膜とレジスト膜等からなるパタン2を形成す
る。ついで、上記パタン2をマスクにして化合物半導体
1を、(b)に示すようにプラズマを用いる反応性イオ
ンエッチングにより所望の深さまでエッチングする。化
合物半導体1がGaAsである場合には、例えばSiC
4ガスとSF6ガスを2:1の割合で混合したガス中に
設置した試料のサセプタに、約50WのRF電力を供給
して上記混合ガスのプラズマを発生させればよい。プラ
ズマ中で発生するCl、Fイオンおよびラジカルが表面
に供給され、GaAsがエッチングされる。ついで、エ
ッチングに用いたガスの供給を停止し、窒素を含むガス
を導入してプラズマを発生させ、(c)に示すように化
合物半導体1のエッチングした表面に、窒化物層3を形
成する。上記の化合物半導体1がGaAsである例で
は、SiCl4ガスとSF6ガスの供給を停止し、窒素ガ
スを導入して再びサセプタにRF電力を供給し、窒素プ
ラズマを発生させればよい。
【0015】一般に化合物半導体1がIII−V族半導体
である場合は、III族元素の窒化物とV族元素の窒化物
とが形成される。例えばGaAs表面を室温で窒素プラ
ズマに曝した場合には、III族元素の窒化物であるガリ
ウム窒化物とV族元素の窒化物であるひ素窒化物とが形
成されることが知られている。しかし本発明のように、
塩素、ふっ素、臭素等のハロゲン元素を用いてエッチン
グした表面では、V族元素のハロゲン化物がIII族元素
のハロゲン化物より蒸気圧が高いため、III族元素が過
剰となる。したがって、この表面を窒化した場合は主と
してIII族元素の窒化物が形成される。III族元素の窒化
物はV族元素の窒化物より化学的に安定であるため、エ
ッチングにより得られるIII族元素過剰な表面を引き続
き窒化することにより、化学的に安定な表面を得ること
ができる。
【0016】本実施例では、エッチングや窒化の際のプ
ラズマの発生を、RF放電によって行う場合について説
明したが、この他の方法、例えばマイクロ波を利用して
プラズマを発生する場合も同様である。
【0017】第2実施例 本実施例では光励起エッチングと組み合わせて表面の窒
化を行う場合について、図1を用いて説明する。化合物
半導体1をInAs混晶比が約0.5のInGaAsと
し、表面に酸化シリコンからなるパタン2を図1(a)
のように形成する。ついで本試料を真空容器内に設置
し、100℃程度に加熱する。つづいて、エッチャント
ガスとして臭化水素(HBr)を導入し、試料表面に励
起光であるArFエキシマレーザ(波長=193nm)
を照射して、図1(b)に示すように所望の深さまでI
nGaAs1をエッチングする。つぎに、HBrガスの
導入を停止し、窒素を含むガスとしてヒドラジンガスを
真空容器に導入して再びエキシマレーザを照射する。こ
れにより図1(c)のように窒化物層3が形成される。
【0018】本実施例ではHBrを用いる光励起エッチ
ングによりIII族元素が過剰なエッチング表面が得ら
れ、この表面を光化学反応を用いて窒化することによ
り、主としてIII族元素の窒化物からなる安定な窒化物
層を形成することができる。また、励起光源としてはエ
キシマレーザに限らず、紫外線を発生する他の光源を用
いてもよく、例えば水銀ランプ、エキシマランプ等を用
いてもよい。また、真空紫外線や軟X線を用いてもよ
く、また、窒素を含むガスとしてはヒドラジン(N
22)の他に、NH3やN2等を用いてもよい。さらに、
化合物半導体としてはInGaAsをエッチングする場
合について説明したが、他のIII−V族半導体をエッチ
ングする場合も同様に行うことができる。いずれもIII
族元素の窒化物が形成されて表面が安定化される。
【0019】第3実施例 本実施例では本発明を半導体装置の製造に用いる場合の
一例として、電界効果型トランジスタの製造について説
明する。図2は二次元電子ガスをチャネルに用いる化合
物半導体電界効果トランジスタ、いわゆるHEMT(H
igh ElectronMobility Transistor)の製造方法であ
る。まず半絶縁性GaAs基板10上に分子線エピタキ
シ法によりアンドープGaAs層31、アンドープIn
GaAs層32、n型AlGaAs層34、n(+)型
GaAs層38を順次成長する。アンドープInGaA
s層32はチャネル層であり、InAs混晶比は0.2
5、厚さは8nmとした。また、n型AlGaAs層3
4の厚さは27nmとした。この値は完成したトランジ
スタのゲート電極からチャネルまでの深さに相当する。
つぎにゲート電極部分に開口パタンを有する酸化シリコ
ン膜39を図2(a)のように表面に形成する。酸化シ
リコン膜のパタン形成には、通常のリソグラフィ法およ
びプラズマドライエッチング法を用い、まず、開口を形
成したのち再度全面に酸化シリコン膜を堆積してドライ
エッチングを施し、初めに形成した開口部に側壁を設
け、寸法が小さい開口パタンを得る。ついで酸化シリコ
ン膜39をマスクにして反応性ドライエッチングにより
n(+)型GaAs層38を除去する。エッチングの条
件は第1実施例と同様であり、エッチャントガスとして
SiCl4とSF6を用いた。この場合はGaAsに比べ
AlGaAsのエッチング速度が小さいので、GaAs
を選択的にエッチングしn型AlGaAs層34でエッ
チングを停止させることができる。なお、エッチングが
n型AlGaAs層34に到達したのちもエッチングを
しばらく続け、n(+)型GaAs層38を図2(b)
に示すように横方向にエッチングさせる。これは後程形
成するゲート電極との接触を避けるためである。つい
で、SiCl4、SF6ガスの供給を停止して窒素ガスを
導入し、再びRF電力を供給しプラズマを発生させ、エ
ッチングにより露出したAlGaAs表面とn(+)型
GaAs側面をプラズマに曝し、図2(c)に示すよう
に窒化物層43を形成する。エッチング直後のAlGa
As表面はAlのふっ化物等で覆われているが、窒化処
理によりふっ素が一部除去され、安定なAl窒化部やG
a窒化物を主成分とする窒化物層が形成される。ついで
指向性蒸着法でゲート金属膜を蒸着し、余分なゲート金
属膜をリソグラフィ法を用いて除去し、図2(d)に示
すようにゲート電極40を形成する。ゲート長が0.2
μmとなるように、酸化シリコン膜39の開口長さやゲ
ート金属膜蒸着の際の指向性等を調節した。最後にソー
ス、ドレイン電極の領域における酸化シリコン膜39を
除去して開口を形成し、AuGeからなる金属膜を上記
両開口に形成し、400℃程度に加熱して上記金属膜を
下のn(+)型GaAs層38と合金化させ、図2
(e)のようにソース電極41およびドレイン電極42
を形成すれば電界効果型トランジスタが完成する。
【0020】エッチング表面の窒化を行わなかった場合
には時間の経過とともにゲート電極横の半導体表面の酸
化が進み、またエッチャントガスの成分である塩素が大
気中の水分と反応し、AlGaAs表面を腐蝕させるた
め下層のチャネル抵抗が増加する。このため、トランジ
スタの寄生抵抗が増加し相互コンダクタンスが低下する
という問題があった。また、上記表面の酸化物層には高
密度の欠陥準位が存在するため、トランジスタを動作さ
せたとき欠陥準位へのキャリア捕獲や欠陥準位からのキ
ャリア再放出が起こり、特性が変動する問題もあった。
一方、本実施例のように表面の窒化を行った場合は、寄
生抵抗の増加や特性変動が少ない良好なトランジスタが
得られる。本実施例のトランジスタの相互コンダクタン
スは500mS/mmであった。
【0021】本実施例ではAlGaAsとGaAsとの
界面に誘起される二次元電子ガスをチャネルに用いるト
ランジスタの場合について説明したが、チャネル部に不
純物がドープされた構造のトランジスタ等でも全く同様
である。また、半導体の種類としてInP、InAlA
s、InGaP、InAlP等の他の化合物半導体を用
いた場合についても同様である。
【0022】第4実施例 本実施例では光励起エッチングにより電界効果型トラン
ジスタを製造する第4実施例を、図2に基づいて説明す
る。本実施例の電界効果型トランジスタはInPを基板
に用いており、上記第3実施例の説明で用いた図2にお
ける10を半絶縁性InP基板とし、31をアンドープ
InAlAs層、32をアンドープInGaAs層、3
4をn型InAlAs層、38をn(+)型InGaA
s層とすればよい。ただし、アンドープInAlAs層
31、n型InAlAs層34のInAs混晶比を0.
52、アンドープInGaAs層32のInAs混晶比
を0.53とした。またアンドープInGaAs層32
の厚さは40nmとした。またn型InAlAs層34
の厚さは27nmとした。この値は完成したトランジス
タのゲート電極からチャネルまでの深さに相当する。ま
ず、図2(a)に示すように酸化シリコンからなる開口
パタンを形成する。つぎに、酸化シリコン膜39をマス
クにして光励起エッチングによりn(+)型InGaA
s層38を(b)のように除去する。エッチングの条件
は第2実施例と同様であり、エッチャントガスとしてH
Brを用い、また、励起光源としてArFエキシマレー
ザを用いた。この場合はInGaAsに比べInAlA
sのエッチング速度が小さいので、InGaAsを選択
的にエッチングしn型InAlAs層34でエッチング
を停止させることができる。なお、上記エッチングがn
型InAlAs層34に到達した後もしばらくエッチン
グを続け、n(+)型InGaAs層38を(b)に示
すように横方向にエッチングさせる。これは後に形成す
るゲート電極との接触を避けるためである。ついでHB
rガスの供給を停止しヒドラジンガスを導入し、再びレ
ーザ光を照射してエッチングにより露出したInAlA
s表面とn(+)型InGaAs層側面に窒化物層43
を(c)に示すように形成する。窒化処理により臭素が
一部除去されAlやInの窒化物を主成分とする窒化物
層が形成される。つぎに指向性蒸着法でゲート金属膜を
蒸着し、余分のゲート金属膜をリソグラフィ法を用いて
除去し、(d)に示すようにゲート電極40を形成す
る。ゲート長が0.2μmになるように、酸化シリコン
膜39の開口長さおよびゲート金属膜蒸着の際の指向性
等を調節した。最後にソースおよびドレイン電極の領域
の酸化シリコン膜39を除去して開口を形成し、AuG
eからなる金属膜を上記開口に形成し、400℃程度に
加熱して上記金属膜をその下のn(+)型InGaAs
層38と合金化させて、ソース電極41およびドレイン
電極42を形成すれば、図2(e)に示すような電界効
果型トランジスタが完成する。
【0023】上記第3実施例と同様に、エッチング表面
の窒化を行わなかった場合には、ゲート電極横の半導体
表面の酸化が進み、また、エッチャントガスの成分であ
る臭素が大気中の水分と反応しInAlAs表面を腐蝕
させるため、下層のチャネル抵抗が増加する。このた
め、トランジスタの寄生抵抗が増加し相互コンダクタン
スが低下するという問題があった。また上記表面の酸化
物層には高密度の欠陥準位が存在するため、トランジス
タを動作させたとき、欠陥準位へのキャリア捕獲や欠陥
準位からのキャリア再放出が起こり特性が変動する問題
もあった。一方、本実施例のようにエッチング表面の窒
化を行った場合は、寄生抵抗の増加や特性変化が少ない
良好なトランジスタが得られる。本実施例のトランジス
タの相互コンダクタンスは800mS/mmであった。
【0024】本実施例ではInAlAsとInGaAs
との界面に誘起される二次元電子ガスをチャネルに用い
るトランジスタについて説明したが、チャネル部に不純
物がドープされた構造のトランジスタ等でも全く同様で
ある。また、他の化合物半導体を用いた場合についても
同様である。
【0025】第5実施例 つぎに本発明をバイポーラトランジスタの製造に用いる
場合の第5実施例を、図3を用いて説明する。まず、半
絶縁性InP基板20上に分子線エピタキシ法により、
n型InGaAsからなるコレクタ層21、p型InG
aAsからなるベース層22、n型InPからなるエミ
ッタ層23を順次成長したのち、タングステンシリサイ
ドからなるエミッタ電極24を図3(a)のように形成
する。ただし、ベース層22の厚さは30nm、エミッ
タ層23の厚さは100nmとした。ついで、上記エミ
ッタ電極24をマスクにしてエミッタ層23をマイクロ
波プラズマエッチングにより(b)に示すように除去す
る。エッチャントガスにはCl2とCH4を用い、流量比
を7:3とした。また、マイクロ波パワーを700W、
RFパワーを50Wとした。ついでマイクロ波とRF電
力の供給およびCl 2ガスとCH4ガスの供給を停止し、
窒素を含むガスとして窒素ガスを導入し、再びパワー5
0WのRF電力を供給して窒素プラズマを発生させる。
これにより、エッチング表面に窒化物層28が(c)の
ように形成される。つぎに、エミッタ電極24とエミッ
タ層23の側面に絶縁物からなる側壁25を形成したの
ち、ベース電極25を形成し、最後に周辺のベース層2
2を除去してコレクタ層21を露出させ、コレクタ電極
27を形成すれば図3(d)に示すようにバイポーラト
ランジスタが完成する。
【0026】窒化物層の形成をエッチング面に行わなか
った場合には、側壁25を形成する際等に表面が酸化さ
れ、界面準位が発生する。この界面準位を介して少数キ
ャリアの再結合がおこり、電流増幅率が低下するという
問題があった。また、界面準位の発生に伴って表面に発
生する導電チャネルを介しリークが発生する問題もあっ
た。しかしエッチング表面を窒化した場合は界面準位の
発生が抑えられるため、上記の問題の発生を阻止するこ
とができる。
【0027】本実施例では、ベース層へのコンタクトを
形成するために、余分なエミッタ層をエッチングする工
程に本発明を用いた場合を説明したが、コレクタ層への
コンタクトを形成するためのエッチング工程に用いても
よいことはいうまでもない。また、本実施例ではInG
aAsとInPからなるバイポーラトランジスタの場合
について説明したが、、GaAs、AlGaAs、In
AlAs、InGaAsP等の他の化合物半導体を用い
た場合についても同様である。
【0028】上記各実施例では、本発明を電子素子の製
造に用いた場合について説明したが、光素子、例えば半
導体レーザやホトダイオード等の製造に用いる場合で
も、同様の効果が得られることはいうまでもない。
【0029】
【発明の効果】上記のように本発明による半導体装置
は、ハロゲン元素を含むガス、イオン、ラジカルを用い
たエッチングにより得られるIII族元素に富むIII−V族
半導体表面に、窒化して得られるIII族元素を主たる窒
化物とする窒化物層を有することによって、エッチング
後の表面の酸化や、残留したエッチャントガス成分が原
因する腐蝕による表面反応層の形成が抑制される。これ
によって、半導体装置の特性劣化や経時変化の発生を抑
制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体装置の第1実施例を示す図
で、(a)〜(c)はそれぞれの製造工程を示す図であ
る。
【図2】本発明の第2実施例である電界効果型トランジ
スタを示す図で、(a)〜(e)はそれぞれの製造工程
を示す図である。
【図3】本発明の第3実施例であるバイポーラトランジ
スタを示す図で、(a)〜(d)はそれぞれその製造工
程を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体 3、28、43 窒化物層 26 ベース電極 27 コレクタ電極 40 ゲート電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/73 7376−4M H01L 29/80 H 29/778 21/338 29/812 (72)発明者 山本 清二 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地株 式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 持地 広造 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地株 式会社日立製作所中央研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】III−V族半導体電界効果型トランジスタ
    において、III族元素の窒化物を主成分とする窒化物層
    が、ゲート電極下部の半導体との界面およびゲート電極
    とソース、ドレイン低抵抗領域との間のIII−V族半導
    体表面の両方に、連続して形成されていることを特徴と
    する半導体装置。
  2. 【請求項2】III−V族半導体バイポーラトランジスタ
    において、III族元素の窒化物を主成分とする窒化物層
    が、ベース電極下部の半導体との界面およびベース電極
    とエミッタ領域との間のIII−V族半導体表面の両方
    に、連続して形成されていることを特徴とする半導体装
    置。
  3. 【請求項3】III−V族半導体バイポーラトランジスタ
    において、III族元素の窒化物を主成分とする窒化物層
    が、コレクタ電極下部の半導体との界面およびコレクタ
    電極とベース領域との間のIII−V族半導体表面の両方
    に、連続して形成されていることを特徴とする半導体装
    置。
  4. 【請求項4】半導体を気相または真空中でエッチングす
    る工程と、エッチングされた上記半導体の表面を窒化す
    る工程とを含む半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】上記窒化する工程は、窒素を含むガス、イ
    オンまたはラジカルに、上記半導体表面を曝露する工程
    からなることを特徴とする請求項4記載の半導体装置の
    製造方法。
  6. 【請求項6】上記窒化する工程は、窒素を含むガス中で
    エッチング加工表面に光を照射する工程からなることを
    特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】上記窒化する工程は、上記エッチングする
    工程と同一の容器内で行うことを特徴とする請求項4か
    ら請求項6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】上記エッチングする工程は、ハロゲン元素
    を含むガス、イオン、ラジカルと、半導体との反応によ
    り行われることを特徴とする請求項4から請求項7のい
    ずれかに記載の半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】上記半導体はIII−V族半導体であること
    を特徴とする請求項4から請求項8のいずれかに記載の
    半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】電界効果型トランジスタの製造方法にお
    いて、ゲート電極部の半導体をエッチングしてリセス構
    造を形成したのち、上記エッチングした半導体表面を大
    気に曝すことなく窒化することを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
  11. 【請求項11】バイポーラトランジスタの製造方法にお
    いて、ベース層またはコレクタ層とのコンタクトを形成
    するため、余分の半導体層をエッチングしたのち、上記
    エッチングした半導体の表面を大気に曝すことなく窒化
    することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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