JPH08339085A - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性樹脂組成物

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JPH08339085A
JPH08339085A JP16803195A JP16803195A JPH08339085A JP H08339085 A JPH08339085 A JP H08339085A JP 16803195 A JP16803195 A JP 16803195A JP 16803195 A JP16803195 A JP 16803195A JP H08339085 A JPH08339085 A JP H08339085A
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energy ray
meth
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雅巳 奥尾
Yoshiki Higuchi
慶樹 樋口
Hiroshi Omura
博 大村
Shuji Suyama
修治 須山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水現像性に優れている、すなわち中性水によ
る現像が容易な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提
供する。また、レジスト材料などとして用いられた場
合、活性エネルギー線に対する感度が良好で、鮮明な画
像が得られる上に、ノンタック性の塗膜を与え、しかも
硬化後の耐水性にも優れた活性エネルギー線硬化性樹脂
組成物を提供する。 【構成】 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、
(A)N,N−ジメチルアクリルアミドなどより形成さ
れる水溶性セグメント(I)とメチルアクリレートなど
より形成される疎水性セグメント(II)からなるブロッ
ク共重合体、(B)重合性単量体および(C)重合開始
剤を含有する。ブロック共重合体中のセグメント(II)
のガラス転移温度(Tg)が−5℃以上であり、セグメン
ト(I)またはセグメント(II)のガラス転移温度(T
g)が80℃以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば活性エネルギ
ー線硬化によるレジスト材料として用いられる活性エネ
ルギー線硬化性樹脂組成物に関するものである。さらに
詳しくは、優れた感度や解像度を有し、ノンタック性の
被膜を得ることができるとともに、水現像性および耐水
性に優れた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板材料などに用いられるネ
ガ型レジストは、未露光部を除去する現像方法によって
区別され、1,1,1−トリクロロエタンに代表される
有機ハロゲン溶剤を用いる溶剤現像型、炭酸ナトリウム
水溶液やテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド
水溶液などのアルカリ水溶液を用いるアルカリ現像型、
および中性水を用いる水現像型の3種類に大別される。
フォトレジストの使用が始まった当時は溶剤現像型が主
流であったが、労働環境、自然環境の問題から近年では
このタイプのレジストはあまり使用されておらず、代わ
ってアルカリ現像型のフォトレジストが使用されてい
る。
【0003】近年、使用後の現像液の中性化処理などの
コスト低減、現像設備の簡素化、アルカリ水溶液の作業
者への影響などを考慮して、中性水による現像が可能な
レジストの必要性が高まっている。
【0004】現在、水現像型レジストはフレキソ版やス
クリーン印刷版などの印刷版材料として広く用いられて
いる。これらの水現像型レジストとしては、ポリビニル
アルコール(例えば特開平5−119476号公報)や
水溶性ナイロン(例えば特開平5−210241号公
報)が提案されている。
【0005】また、特開平6−27664号公報では、
x)、y)およびz)よりなる製版用光硬化性エラスト
マー組成物が開示されている。すなわち、ガラス転移温
度(Tg)が−30℃以下の疎水性軟質セグメント(X)
およびガラス転移温度が+30℃以上の親水性硬質セグ
メント(Y)の2つのセグメントからなるか、または
(X)、(Y)に加えて更にガラス転移温度が+50℃
以上の疎水性硬質セグメント(Z)の3つのセグメント
からなるブロック共重合体である両親媒性エラストマー
結合剤である。y)は遊離基機構によって重合でき、結
合剤と相溶性であり、少なくとも1個のエチレン性不飽
和末端基を有し且つ常圧下で100℃よりも高い沸点を
有する低分子量化合物である。z)は化学線の作用下に
化合物y)の重合を開始することができる化合物であ
る。
【0006】このような両親媒性エラストマー結合剤を
用いた組成物では、適度の露光後の水系現像により印刷
インキ耐性やショア硬度に優れた露光印刷版を得ること
ができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この現像に
用いる水性媒体としては、1%の水酸化ナトリウムを用
いる必要がある。これは、水溶性セグメントが不飽和カ
ルボン酸より構成されているために、中性水による現像
が困難なためである。しかも、この両親媒性エラストマ
ー結合剤は、ガラス転移温度(Tg)が−30℃以下の疎
水性軟質セグメント(X)を必須成分とするために、塗
膜にタック性があり、画像の形状が記録されたフォトマ
スクを密着して露光することが困難である。
【0008】このように、従来の技術では、中性水によ
る現像が可能なレジスト材料として、感度や解像度に加
えてノンタック性の塗膜を得ることができ、かつ耐水性
に優れたものはほとんど見い出されていない。
【0009】この発明は、上記のような従来技術に存在
する問題に着目してなされたものである。その目的とす
るところは、水現像性に優れる、すなわち中性水による
現像が容易な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供
することにある。
【0010】その他の目的とするところは、レジスト材
料などとして用いられた場合、活性エネルギー線に対す
る感度が良好で、鮮明な画像が得られる上に、ノンタッ
ク性の被膜を得ることができ、しかも硬化後の樹脂の耐
水性に優れた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成
物の発明では、(A)水溶性セグメント(I)と疎水性
セグメント(II)とからなるブロック共重合体、(B)
活性エネルギー線の照射により重合する重合性単量体お
よび(C)活性エネルギー線により重合性単量体の重合
を開始させるための重合開始剤を含有し、前記ブロック
共重合体(A)中の疎水性セグメント(II)のガラス転
移温度(Tg)が−5℃以上であり、かつ水溶性セグメン
ト(I)または疎水性セグメント(II)のガラス転移温
度(Tg)が80℃以下である。
【0012】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、ブロック共重合体(A)の水溶性セ
グメント(I)が、(メタ)アクリルアミド、アミノア
ルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート、ポリオキシエチレンのモノ(メタ)
アクリレート、酸基含有単量体のアルカリ金属塩、水溶
性の(メタ)アリル化合物、環状複素環含有化合物、シ
アン化ビニルまたは反応性乳化剤より形成されるもので
ある。
【0013】請求項3に記載の発明では、請求項1また
は請求項2に記載の発明において、ブロック共重合体
(A)中の水溶性セグメント(I)の含有量が15〜8
5重量%で、組成物中のブロック共重合体(A)の含有
量が35〜80重量%である。
【0014】以下に、この発明について詳細に説明す
る。この発明において使用されるブロック共重合体は、
水溶性セグメント(I)と疎水性セグメント(II)とよ
り構成されている。このようなブロック共重合体を使用
することにより、レジスト材料などとして、水現像性、
感度、解像度、耐水性およびノンタック性が向上する。
これは次のような理由によるものと推定される。
【0015】すなわち、水溶性セグメント(I)に基づ
いて水現像性が向上する。また、疎水性セグメント(I
I)を有することにより、耐水性が向上する。しかも、
ブロック共重合体であることから、両セグメント
(I),(II)がいわゆる海島構造を形成して局在的に
結合していることから、水現像性と耐水性を両立させる
ことができ、活性エネルギー線照射部と非照射部におけ
る溶解性の差が顕著になり、感度や解像度が向上する。
加えて、疎水性セグメント(II)のガラス転移温度(T
g)を−5℃以上に設定したことから、樹脂組成物より
形成される被膜表面がノンタック性となる。
【0016】次に、このブロック共重合体中へ水溶性セ
グメント(I)を導入するためには、水溶性のビニル単
量体を使用する必要がある。この水溶性のビニル単量体
としては、下記の (1)〜(10)の単量体が挙げられ、これ
らの単量体の中から適宜その1種を単独でまたは2種以
上を混合して使用することができる。 (1) アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸、N,N−
ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド、N,N−ジ
エチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミ
ド、アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアミニ
プロピルアクリルアミド、メタアクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミ
ド。 (2) N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N
−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチ
ルアミノエチルアクリレートなどのアミノアルキル(メ
タ)アクリレート。 (3) 2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、
2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレート。 (4) EOの付加モル数が2〜98のポリエチレングリコ
ールモノメタクリレート、EOの付加モル数が2〜98
のメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレー
ト、EO付加モル数が2〜98のフェノキシポリエチレ
ングリコールモノアクリレート、EO付加モル数が1〜
4のノニルフェノールモノエトキシレートアクリレー
ト、メトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレン
グリコールアクリレートなどのポリオキシエチレンのモ
ノ(メタ)アクリレート。 (5) メタクリル酸のナトリウム塩、アクリル酸のナトリ
ウム塩、スチレンスルホン酸ナトリウム、スルホン酸ナ
トリウムエトキシメタクリレート、スルホン酸ナトリウ
ムエトキシアクリレート、モノ2−メタクリロイルオキ
シエチルアシッドホスフェートのナトリウム塩、モノ2
−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートのナ
トリウム塩などの酸基含有単量体のアルカリ金属塩。 (6) メタクリル酸ヒドロキシエチルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、メタクリル酸ヒドロキシプロピルトリ
メチルアンモニウムクロライド、アクリル酸ヒドロキシ
エチルトリメチルアンモニウムクロライドなどの四級ア
ンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート。 (7) アリルグリコール、EO付加モル数が3〜32のポ
リエチレングリコールモノアリルエーテル、メトキシポ
リエチレングリコールモノアリルエーテル、メタリルス
ルホン酸の塩などの水溶性の(メタ)アリル化合物。 (8) N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム
などの環状複素環含有化合物。 (9) アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化
ビニリデンなどのシアン化ビニル。 (10)化学式(1)〜(7)で例示され、具体的には日本
油脂(株)製のラピゾールAIS−112およびAIS
−212、花王(株)製のラテムルS−180、180
−A、日本乳化剤(株)製のAntox−MS−2N、
Antox−MS−60、RA−4211、三洋化成
(株)製のエレミノールJS−2、RS−30、第一工
業製薬(株)製のアクアロンHS−20、HS−10、
HS−5、ニューフロンテアA−229E、旭電化工業
(株)製のSE−10Nなどの商品名で各社より販売さ
れている反応性乳化剤。
【0017】なお、以下の各式において、Фは芳香環を
表す。
【0018】
【化1】
【0019】但し、(OA)m ,(AO)n はポリオキ
シアルキレン基、R,R’はアルキル基を表す。
【0020】
【化2】
【0021】但し、Rはアルキル基を表す。
【0022】
【化3】
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】但し、芳香環(Φ)に結合する置換基はパ
ラ位である。
【0026】
【化6】
【0027】
【化7】
【0028】但し、芳香環(Φ)に結合する置換基はパ
ラ位である。などが挙げられる。これらのビニル単量体
の中でも、水溶性が大きく、かつラジカル重合性の良好
な(1) 、(4) 、(5) 、(6) 、(10)の単量体が好ましい。
【0029】水溶性セグメント(I)の割合は、ブロッ
ク共重合体全体の15〜85重量%が好ましく、30〜
60重量%がより好ましい。この割合が15重量%より
少ないと、レジスト材料としての水現像性、感度、解像
度に好結果が得られず、また85重量%より多くなる
と、感度、耐水性に好結果が得られない。
【0030】疎水性セグメント(II)をブロック共重合
体に導入するために必要な疎水性のビニル単量体として
は、下記の (a)〜(j) の単量体が挙げられ、これらの単
量体の中から適宜その1種を単独でまたは2種以上を混
合して使用することができる。 (a) メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピ
ルアクリレート、ブチルアクリレート、オクタデシルア
クリレート、ドコシルアクリレートなどの炭素数1〜2
2のアルキル基を持つアクリル酸エステル。 (b) メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プ
ロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、オクタ
デシルメタクリレート、ドコシルメタクリレートなどの
炭素数1〜22のアルキル基を持つメタクリル酸エステ
ル。 (c) ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、ジブチ
ルフマレート、ジメチルイタコネート、ジブチルイタコ
ネート、メチルエチルフマレート、メチルブチルフマレ
ート、メチルエチルイタコネートなどの不飽和ジカルボ
ン酸エステル。 (d) スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレンな
どのスチレン誘導体。 (e) メチルビニルケトン、ブチルビニルケトンなどの不
飽和ケトン。 (f) ビニルアセテート、ビニルブチレートなどのビニル
エステル。 (g) メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなど
のビニルエーテル。 (h) N−フェノルマレイミド、N−シクロヘキシルマレ
イミドなどのN−置換マレイミド。 (i) 塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニ
リデンなどのハロゲン化ビニルやハロゲン化ビニリデ
ン。 (j) アリルフェニルエーテル、アリルメチルエーテル、
アリルプロピオネート、アリルミリステート、アリルシ
クロヘキシルプロピオネートなどのアリル化合物。
【0031】これらのビニル単量体の中でも、ラジカル
重合性の良好な (a)、 (b)、 (c)、(d)、(f) が好まし
い。疎水性セグメント(II)の含有量は、ブロック共重
合体全体の15〜85重量%が好ましく、30〜60重
量%がより好ましい。この含有量が15重量%より少な
いと、レジスト材料としての感度、耐水性に好結果が得
られず、また85重量%より多くなると、水現像性、感
度、解像度に好結果が得られない。
【0032】また、ブロック共重合体の疎水性セグメン
ト(II)のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量分析
法(DSC)により測定される温度で−5℃以上である
ことが必要で、0℃以上であることが望ましい。このガ
ラス転移温度が−5℃より低いと、成膜した組成物の被
膜がタック性を有するので不適当である。
【0033】さらに、水溶性セグメント(I)あるいは
疎水性セグメント(II)の少なくとも一方のガラス転移
温度が80℃以下であることが必要で、60℃以下であ
ることが望ましい。両方のセグメント(I),(II)の
ガラス転移温度がともに80℃を越えると、水現像性、
感度が悪化するので不適当である。
【0034】次に、ブロック共重合体の合成は、常法に
従って行われる。具体的には、アニオンリビング法、逐
次添加法、高分子反応法、ポリメリックペルオキシド
法、ポリメリックアゾ化合物法などが採用されるが、製
造の容易性および収率向上の観点から最も好ましいのは
ポリメリックペルオキシド法である。
【0035】また重合方法としては、塊状重合法、溶液
重合法、懸濁重合法、乳化重合法の何れの方法であって
もよい。ここで、ポリメリックペルオキシドとは、一分
子中に複数のペルオキシド結合を有する化合物をいう。
ブロック共重合体は、このポリメリックペルオキシドを
重合開始剤として2段階の重合によって得られる。ポリ
メリックペルオキシドとしては従来公知のものが使用可
能であり、好ましくは次の化学式(8)〜(12)で示
されるようなポリメリックペルオキシドを用いて、疎水
性ビニル単量体の1種または2種類以上を重合する。
【0036】
【化8】
【0037】
【化9】
【0038】
【化10】
【0039】
【化11】
【0040】
【化12】
【0041】重合に際し、ポリメリックペルオキシドの
活性酸素を約50%残存させたところで重合を停止させ
ることにより、ペルオキシド結合を含有する疎水性の重
合体を得ることができる。得られた重合体を重合開始剤
として、水溶性ビニル単量体の1種または2種以上を重
合することによって、目的とするブロック共重合体を合
成することができる。
【0042】逆に、ポリメリックペルオキシドを用い、
水溶性ビニル単量体の1種または2種以上を重合してペ
ルオキシド結合を含有する水溶性の重合体を得、次いで
疎水性ビニル単量体の1種または2種以上を重合するこ
ともできる。
【0043】ところで、活性エネルギー線硬化性樹脂組
成物には通常、ベース樹脂、単量体および活性エネルギ
ー線により重合を開始するための重合開始剤が必須成分
として含まれる。
【0044】前記ブロック共重合体は、活性エネルギー
線硬化性樹脂組成物のうちのベース樹脂として使用さ
れ、その含有量は組成物中35〜80重量%が好まし
く、40〜70重量%がさらに好ましい。
【0045】次に、重合性単量体(B)は、活性エネル
ギー線の照射により重合する単量体であり、一般に知ら
れているものが使用可能である。この重合性単量体
(B)としては、例えばブロック共重合体の製造におい
て例示した(1) 〜(10)および (a)〜(j) の単官能のラジ
カル重合性単量体のほか、下記(α)に例示される多官
能のラジカル重合性単量体や(β) 〜(δ)に例示され
る単官能および多官能のカチオン重合性単量体が挙げら
れる。これらの単量体の中から適宜その1種を単独で、
または2種以上を混合して使用することができる。 (α)多官能ラジカル重合性単量体 ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸
ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル
のアクリル酸付加物、ヒドロキシピバルアルデヒドとト
リメチロールプロパンのアセタール化物のジ(メタ)ア
クリレート、2,2−ビス[4−(アクリロイロキシ)
フェニル]プロパン、水添ビスフェノールAエチレンオ
キサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、トリシクロ
デカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパンプロピレンオキサイド付加物トリ(メタ)アク
リレート、グリセリンプロピレンオキサイド付加物トリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールの低級
脂肪酸およびアクリル酸のエステル、トリス(アクリロ
イロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリト
ールのカプロラクトン付加物(メタ)アクリレート、プ
ロピオン酸ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アク
リレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレートのカプロラクトン付加物など
のラジカル重合性多官能単量体。 (β)エポキシ化合物 ビスフェノールA、ビスフェノールFなどの多価フェノ
ールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピク
ロルヒドリンとの反応によって得られるエポキシ樹脂
や、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型
などのノボラック型エポキシ樹脂に代表される芳香族系
エポキシ樹脂、水添したビスフェノールAまたはそのア
ルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反
応によって得られるエポキシ樹脂や3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサン
カルボキシレートなどのシクロヘキセンオキサイド基、
トリシクロデセンオキサイド基、シクロペンテンオキサ
イド基等の脂環を有する脂環式エポキシ樹脂、1,4−
ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの脂環
式多価アルコールやそのアルキレンオキサイド付加体と
エピクロルヒドリンとの反応によって得られるポリグリ
シジルエーテルや、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジル
エステルに代表される脂肪族系エポキシ樹脂。 (γ)グリシジル化合物 メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテ
ル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニル
グリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、など
のグリシジルエーテル、ジグリシジルフタレート、ジグ
リシジルテトラヒドロフタレートなどのグリシジルエス
テル、N,N−ジグリシジルアニリン、テトラグリシジ
ルジアミノフェニルメタン、トリグリシジルpアミノフ
ェノールなどのグリシジルアミン。 (δ)ビニルエーテル 2−エチルヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエ
ーテル、フェニルビニルエーテル、ナフチルビニルエー
テル、2−クロロエチルビニルエーテル、2−ビニロキ
シエチルアクリレート、2−ビニロキシエチルメタクリ
レート、ジエチレングリコールジビニルエーテル。
【0046】これらの単量体の中でも活性エネルギー線
硬化性の良好な(α)多官能ラジカル重合性単量体、
(δ)ビニルエーテルが、活性エネルギー線による硬化
性を向上させる観点から好ましい。
【0047】重合性単量体(B)の含有量は、活性エネ
ルギー線による硬化性を維持させるため、活性エネルギ
ー線硬化性樹脂組成物中20〜60重量%が好ましい。
次に、活性エネルギー線により重合性単量体(B)の重
合を開始させるための重合開始剤(C)は、樹脂組成物
の加工時に適度の熱安定性を有し、かつ単量体の重合ま
たは硬化を開始するために必要なラジカルやカチオンな
どの活性種を活性エネルギー線により生成する化合物で
ある。この重合開始剤(C)としては、従来公知のもの
が使用可能であり、例えば、下記に示すラジカル重合系
のものやカチオン重合系のものが挙げられ、これらの光
重合開始剤の中から適宜その1種を単独でまたは2種以
上を混合して使用することができる。 (ア)ラジカル重合系 ジエチルチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メ
チルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン、
ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、ベンゾフェノン、ベンゾフェノンメチルエーテ
ル、2−エチルアントラキノン、2,4−ジメチルチオ
キサントン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセト
フェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン。 (イ)カチオン重合系 トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネー
ト、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレー
ト、トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、 (η
6 −ベンゼン)(η5 −シクロペンタジエニル)鉄(2
価)のヘキサフルオロホスフェート塩、ジフェニルヨー
ドニウムテトラフルオロボレート、フェニル−4−メト
キシフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネー
ト。
【0048】これらの重合開始剤(C)の中でも、活性
エネルギー線に対する感度が良好な2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプ
ロパノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエ
タン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニル−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチル
ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、トリフェ
ニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートが好ま
しい。
【0049】この重合開始剤(C)の含有量は、活性エ
ネルギー線硬化性樹脂組成物中0.1〜20重量%であ
ることが、活性エネルギー線による速やかな硬化性の観
点から好ましい。
【0050】この発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組
成物には、必要によりチオキサントン、アントラセン、
ペリレンなどの光増感剤、酸化防止剤、熱硬化型触媒、
染料、顔料、チクソトロピー賦与剤、可塑剤、界面活性
剤などを含ませてもよい。また、フェノール樹脂、メラ
ミン樹脂、ポリイミドなどの熱硬化性樹脂、ポリオレフ
ィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ナイロン、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリカーボネートなどの熱可塑性
樹脂を添加してもよい。
【0051】以上述べた各成分を混合することにより、
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調製することがで
きる。また、使用する際には、この樹脂組成物をメチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソ
ルブ、エチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメ
チルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエ
チルエーテルアセテート、乳酸エチル、水等の溶媒に溶
解もしくは分散させることによって、粘度や塗布性を調
節することができる。
【0052】この活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
は、使用に際し、転写、バーコーター、ロールコータ
ー、スピンコーターなどにより、印刷基版に用いられる
表面が砂目立て処理されたアルミ板、銅製やアルミニウ
ム製などの半導体用基板、液晶ディスプレイ基板などの
被着体に塗布される。また、離型紙、フィルムなどに塗
布してシート状としたのち、上記被着体に貼り付けても
よい。
【0053】この塗布ないし貼り付け後に、フォトマス
クを介して紫外線、電子線、X線およびγ線などの活性
エネルギー線を照射して硬化させる。その後、中性水に
て現像を行って未照射部分を除去することにより、 フォ
トマスクの形状の画像が形成される。 現像には、通常8
0℃以下の温度の中性水が用いられる。
【0054】この樹脂組成物によれば、中性水による現
像は容易であり、上記操作により感度良好にして鮮明な
画像を形成でき、硬化画像の耐水性にも優れている。
【0055】
【実施例】以下に、参考例、比較参考例、実施例および
比較例を挙げて、この発明をさらに具体的に説明する。
なお、実施例および比較例中で用いた重合体a〜iおよ
びエラストマーブロック共重合体は、下記の参考例1〜
5、比較参考例1〜5の方法にて製造したものである。
また、各例中の部および%は、特に断りのない限り、重
量基準である。
【0056】また、参考例および比較参考例の方法によ
り製造されたペルオキシド結合含有重合体およびブロッ
ク共重合体の分析値は以下の方法により求めたものであ
る。 (活性酸素量)ヨードメトリー法により求めた。 (重量平均分子量Mw)SEC法(サイズエクスクルー
ジョンクロマトグラフ)により測定を行った。 (ガラス転移温度)示差走査熱量分析法(DSC)によ
り測定を行った。 〔参考例1〕 (1−a、ペルオキシド結合含有重合体の製法)温度
計、撹拌器および還流冷却器を備えた反応器に、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル60gを仕込み、窒
素ガスを吹込みながら70℃に加熱する。次に、前記化
学式(12)の化合物4gとメタクリル酸ブチル40g
からなる混合溶液を2時間かけて仕込み、さらに2時間
重合反応を行った。得られた溶液はペルオキシド結合含
有重合体(前駆体a)を42重量%含有する透明な液体で
あった。 また、 活性酸素の測定よりペルオキシド結合が
仕込量に対して51%残存していた。重合結果を分析結果
とともに表1に示した。
【0057】なお、表1〜7中の略号は次の通りであ
る。DMA:N,N−ジメチルアクリルアミド、HEM
A:2−ヒドロキシエチルメタクリレート、DMAEM
A:N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、P
ME−400:メトキシポリオキシエチレンメタクリレ
ート(EOの付加モル数:9)、MAA:メタクリル
酸、AIS−112:日本油脂(株)製反応性乳化剤ラ
ピゾールAIS−112、BMA:ブチルメタクリレー
ト、EA:エチルアクリレート、St:スチレン、B
A:ブチルアクリレート、MMA:メチルメタクリレー
ト、VAc:ビニルアセテート、DLPO:ジラウロイ
ルペルオキシド
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】(1−b、ブロック共重合体の製造)温度
計、撹拌器および還流冷却器を備えた反応器に、参考例
1のペルオキシ結合含有重合体(前駆体a)のプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル溶液104g、N,N
−ジメチルアクリルアミド20g、2ーヒドロキシエチ
ルメタクリレート20gおよびプロピレングリコールモ
ノメチルエーテル60gを仕込んだ。そして、窒素ガス
を吹込みながら70℃に加熱し、6時間ブロック共重合
反応を行い、ブロック共重合体を含む半透明の重合体混
合液を得た。
【0061】このようにして得られた重合体aのプロピ
レングリコールモノメチルエーテル溶液を、重合反応
後、固形分30重量%に調節した。重合条件を表3に、
結果を分析値と合わせて表4に示す。 〔参考例2〜5および比較参考例1,2〕反応器への単
量体の種類および仕込量、重合開始剤の種類および仕込
量ならびに前駆体の種類を表1〜3および5に示すよう
に変更した以外は、参考例1の場合と同様にして、前駆
体b〜gおよび重合体b〜gの30重量%プロピレング
リコールモノメチルエーテル溶液を得た。重合した結果
を前駆体aおよび重合体aの結果と合わせて、表1〜6
に示した。
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】〔比較参考例3〕温度計、撹拌器および還
流冷却器を備えた反応器に、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル溶液120gを仕込み、窒素ガスを吹込
みながら70℃に加熱した。次に、予め調製しておいた
メタクリル酸ブチル40g、N,N−ジメチルアクリル
アミド40gおよびジラウロイルペルオキシド5gの混
合液を2時間かけて仕込み、更に8時間重合反応を行
い、ランダム共重合体を含む透明溶液を得た。
【0067】このようにして得られた重合体fのプロピ
レングリコールモノメチルエーテル溶液を、重合反応
後、固形分30重量%に調節した。重合した結果を表7
に示した。 〔比較参考例4〕温度計、撹拌器および還流冷却器を備
えた反応器に、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル溶液120gを仕込み、窒素ガスを吹込みながら70
℃に加熱した。次に、予め調製しておいたメタクリル酸
ブチル72g、N,N−ジメチルアクリルアミド8gお
よびジラウロイルペルオキシド5gの混合液を2時間か
けて仕込み、更に8時間重合反応を行い、ランダム共重
合体を含む透明溶液を得た。
【0068】このようにして得られた重合体iのプロピ
レングリコールモノメチルエーテル溶液を、重合反応
後、固形分30重量%に調節した。 重合した結果を、重合
体hの結果と合わせて、表7に示した。
【0069】
【表7】
【0070】〔比較参考例5〕 (5−a アニオン重合)温度計および撹拌器を備えた
ガラス製のオートクレーブへトルエン34.6gおよび
スチレン73.0gを仕込み、窒素ガスを吹込んで容器
内を窒素雰囲気にした後、ブチルリチウム0.13gお
よびヘキサン0.9gの混合液を仕込んだ。そして、加
温しながら2時間攪拌してから、トルエン138.6g
で希釈した。次に、イソプレン34.1gを仕込んで更
に2.5時間攪拌してから、1,1−ジフェニルエテン
0.68gおよびテトラヒドロフラン178gの混合液
を加えた。
【0071】続いて、これを塩化ナトリウム/氷水混合
液で冷却した。さらに、tーブチルメタクリレート1
4.1gを添加して、冷浴中で1時間攪拌を続けた後、
メタノール0.79gを加えて重合を停止した。次い
で、得られた反応溶液を5000gのメタノールに滴下
して生成した重合体を沈殿させた。沈殿した重合体を吸
引濾過し、洗浄した後、乾燥した。 (5−b、t−ブチル保護基の脱離反応)温度計、撹拌
器および還流冷却器を備えた反応器に、単離された重合
物100gおよびトルエン230gを加えて均一溶解し
た。これにp−トルエンスルホン酸0.6gを加えて8
0℃で6時間加熱した。冷却してから、反応物を250
0gのメタノールに滴下して重合体を沈殿させた。さら
に、これを洗浄し、真空下で室温において乾燥してエラ
ストマーブロック共重合体を得た。 〔実施例1〕重合体aのプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル溶液(固形分30%)20gに、単量体とし
てトリメチロールプロパンの6モルエチレオキサイド付
加物のトリアクリレート(共栄社油脂製TMP−6EO
−3A)3gと、活性エネルギー線により重合を開始す
るための開始剤として2−メチル−1−[4−(メチル
チオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン(チバ
ガイギー製イルガキュアー907)1.5gとを混合し
た。これを室温で10分間撹拌して、活性エネルギー線
硬化樹脂組成物を調製した。それらの組成をまとめて表
8に示した。 〔実施例2〜12および比較例1〜4)ブロック共重合
体の種類および添加量、単量体の種類および添加量、活
性エネルギー線により重合を開始するための開始剤の種
類および添加量を表8に示すように変更した以外は実施
例1と同様にして、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
を調製した。
【0072】なお、表8中の略号は次の通りである。 TMP−6EO−3A:トリメチロールプロパンの6モ
ルエチレオキサイド付加物のトリアクリレート、 9EG−DA:ポリエチレングリコール(EOの付加モ
ル数:9)のジアクリレート、 907:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニ
ル]−2−モルフォリノプロパノン(チバガイギー製イ
ルガキュアー907) 651:2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタ
ン−1−オン(チバガイギー製イルガキュアー65
1)、 1173:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
−プロパン−1−オン(チバガイギー製ダロキュア11
73) TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル
ホスフィンオキサイド(BASF製ルシリンTPO) PVA:比較例5で合成した酸変成ポリビニルアルコー
ル PAMID:比較例6で合成した水溶性ポリアミド EBCO:比較例7で合成したエラストマーブロック共
重合体 〔比較例5〕重合体aのプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル溶液(固形分30%)20gの代わりに、酢
酸ビニル60gおよびマレイン酸無水物40gを、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル233g中で、重
合開始剤としてジラウロイルペルオキシド0.1gを用
い、窒素雰囲気下に65℃で6時間重合後、水酸化ナト
リウムでケン化してから樹脂分を30重量%に調整して
得た酸変成ポリビニルアルコールのプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル溶液20gに変更した以外は、実
施例1の場合と同様にして活性エネルギー線硬化性樹脂
組成物とした。 〔比較例6〕重合体aのプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル溶液(固形分30%)20gの代わりに、付
加モル数12のポリエチレンオキサイドの両末端にアク
リロニトリルを付加し、これを水素還元して得たα,ω
−ジアミノポリオキシエチレンとアジピン酸の等モル塩
を55g、ε−カプロラクタム225gおよびヘキサメ
チレンジアミンとアジピン酸の等モル塩20gを溶融重
合して得た水溶性ポリアミドのプロピレングリコールモ
ノメチルエーテル溶液(固形分30%)20gを用いた
以外は、実施例1の場合と同様にして活性エネルギー線
硬化性樹脂組成物とした。 〔比較例7〕重合体aのプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル溶液(固形分30%)20gの代わりに、比
較参考例5で合成したエラストマーブロック共重合体の
プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液(固形分
30%)20gを用いた以外は、実施例1の場合と同様
にして活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とした。
【0073】
【表8】
【0074】上記の実施例1〜12および比較例1〜7
の各活性エネルギー線硬化樹脂組成物につき、下記の要
領で水現像性、感度、解像度、耐水性およびタック性を
調べた。これらの結果を表9に示す。 〈水現像性〉 表面に砂目立て処理を施してあるアルミ板上に活性エ
ネルギー線硬化性樹脂組成物を、(株)エイブル製スピ
ンコーターASS−300を用いて、2μmの膜厚に塗
布した。
【0075】70℃の熱風乾燥器中にて20分間乾燥
して溶剤を除去した。 2〜40μmのラインとスペースをもつフォトマスク
を介して、空気中で20mW/cmの超高圧水銀灯を用
いて10秒間露光を行った。
【0076】露光後の塗膜に対して表8に示す所定の
温度のイオン交換水を気液混合法で3kg/cm2の圧力でス
プレー現像を行い未露光部分の除去を行い、未露光部分
が現像によって消失する時間を測定した。
【0077】表9において、水現像性の欄の現像時間
(秒)が短いことは、水現像性が良好であることを示し
ている。 〈感 度〉水現像性試験のにおいて、2〜40μmの
ラインとスペースをもつフォトマスクの代わりにグレー
スケール(イーストマンコダック社製フォトグラフィッ
クステップタブレットNo.2)を介して露光した以外
は、水現像性試験と同様の操作にて、パターン露光−現
像を行った。残存したグレースケールの最高段数を求め
て感度とした。
【0078】表9において段数が大きいことは、感度が
高いことを示している。 〈解像度〉水現像性試験において、露光、現像後にフォ
トマスクのラインとスペースの像が抜けている最少部分
のラインとスペースの大きさを解像度(μm)とした。
表9で解像度の値が小さいことは、より高い解像度であ
ることを示している。 〈耐水性〉水現像性試験において露光−現像を行った後
の基板上の塗膜を、60℃の温度調整されたイオン交換
水中に24時間浸漬した後の塗膜の外観を目視により観
察した。浸漬前のものと比較して変化のない場合を○、
塗膜が破壊された場合を×とした。 〈タック性〉水現像性試験において、塗布−乾燥を行っ
た後の塗膜を手で触れた時に、全く粘り気が感じられ
ず、露光後にはフォトマスクが塗膜に付着しない場合を
○、塗膜を手で触れた時に粘り気があるが、露光後には
フォトマスクが塗膜に付着しない場合を△、塗膜を手で
触れた時に粘り気があり、露光後にはフォトマスクが塗
膜に付着してしまう場合を×とした。
【0079】
【表9】
【0080】上記の表9から明らかなように、実施例1
〜12の各活性エネルギー硬化性樹脂組成物は、いずれ
も、優れた感度、解像度を示すことはもちろんのこと、
ノンタック性の塗膜を与え、水現像性および耐水性に優
れている。
【0081】これに対し、水溶性セグメント(I)およ
び疎水性セグメント(II)のそれぞれのガラス転移温度
(Tg)がともに80℃を越える重合体fを用いた比較例
1の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、水現像性、
感度に劣っている。疎水性セグメントのガラス転移温度
が−5℃よりも低い重合体gを用いた比較例2の活性エ
ネルギー線硬化性樹脂組成物は、塗膜にタック性があ
り、またそのために、露光後にはフォトマスクが塗膜に
付着してしまい、水現像性、感度、解像度、耐水性の評
価が不能であった。
【0082】さらに、ブロック共重合体に代えて、ラン
ダム共重合体hを用いた比較例3では、水現像中に露光
部分についても一部除去されてしまうために、感度、解
像度、耐水性の評価が不能であった。ランダム共重合体
iを用いた比較例4では、水現像性、感度、解像度、耐
水性に劣っている。
【0083】また、ブロック共重合体に代えて、酸変成
したポリビニルアルコール(比較例5)、水溶性ナイロ
ン(比較例6)を用いた活性エネルギー線硬化性樹脂組
成物は、水現像性、耐水性に劣っている。さらに、ブロ
ック共重合体に代えて、エラストマーブロック共重合体
(比較例7)を用いた活性エネルギー線硬化性樹脂組成
物は、塗膜にタックがあり、また水現像性に劣ってい
る。
【0084】なお、前記実施態様より把握される技術的
思想について、以下に記載する。 (1)活性エネルギー線の照射により重合する重合性単
量体(B)は、多官能ラジカル重合性単量体またはビニ
ルエーテルである請求項1に記載の活性エネルギー線硬
化性組成物。このように構成すれば、活性エネルギー線
による樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。 (2)活性エネルギー線の照射により重合する重合性単
量体(B)の含有量は、20〜60重量%である請求項
1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。この構成に
より、活性エネルギー線による硬化性を維持することが
できる。 (3)活性エネルギー線の照射により重合性単量体の重
合を開始させるための重合開始剤(C)は、ラジカル重
合開始剤またはカチオン重合開始剤であり、かつその含
有量が0.1〜20重量%である請求項1に記載の活性
エネルギー線硬化性組成物。この構成によれば、活性エ
ネルギー線による重合性単量体の重合を円滑に行うこと
ができる。
【0085】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物によれば、水現像性
に優れる、すなわち水による現像が容易である。しか
も、レジスト材料などとして用いられた場合、活性エネ
ルギー線に対する感度が良好で、鮮明な画像が得られる
上に、ノンタック性の被膜を形成でき、かつ硬化後の樹
脂の耐水性に優れている。
【0086】従って、この発明の樹脂組成物を、プリン
ト配線板用のソルダーレジスト、印刷用の版材や、液晶
ディスプレイ用のカラーフィルター用、保護膜用、平坦
化膜用などの永久レジストに好適に利用することができ
る。
【0087】請求項2に記載の発明によれば、水現像性
を確実に発揮させることができる。請求項3に記載の発
明によれば、水現像性を高めることができるとともに、
耐水性や耐薬品性を向上させることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/28 H05K 3/28 D

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)水溶性セグメント(I)と疎水性
    セグメント(II)とからなるブロック共重合体、(B)
    活性エネルギー線の照射により重合する重合性単量体お
    よび(C)活性エネルギー線により重合性単量体の重合
    を開始させるための重合開始剤を含有し、 前記ブロック共重合体(A)中の疎水性セグメント(I
    I)のガラス転移温度(Tg)が−5℃以上であり、かつ
    水溶性セグメント(I)または疎水性セグメント(II)
    のガラス転移温度(Tg)が80℃以下である活性エネル
    ギー線硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ブロック共重合体(A)の水溶性セグメ
    ント(I)が、(メタ)アクリルアミド、アミノアルキ
    ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)
    アクリレート、ポリオキシエチレンのモノ(メタ)アク
    リレート、酸基含有単量体のアルカリ金属塩、水溶性の
    (メタ)アリル化合物、環状複素環含有化合物、シアン
    化ビニルまたは反応性乳化剤より形成されるものである
    請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ブロック共重合体(A)中の水溶性セグ
    メント(I)の含有量が15〜85重量%で、組成物中
    のブロック共重合体(A)の含有量が35〜80重量%
    である請求項1または請求項2に記載の活性エネルギー
    線硬化性樹脂組成物。
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