JPH08338731A - 検出回路及びこれを用いた振動角速度計 - Google Patents

検出回路及びこれを用いた振動角速度計

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JPH08338731A
JPH08338731A JP7170154A JP17015495A JPH08338731A JP H08338731 A JPH08338731 A JP H08338731A JP 7170154 A JP7170154 A JP 7170154A JP 17015495 A JP17015495 A JP 17015495A JP H08338731 A JPH08338731 A JP H08338731A
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JP
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vibrator
circuit
electrode
input signals
electrodes
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JP7170154A
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Inventor
Yoshitaka Sango
貴敬 三五
Tetsuo Hattori
徹夫 服部
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動子からの2つの入力信号に位相差が発生
しても前記2つの入力信号のレベルの差を正確に測定す
るとともに、電源ノイズ等の同相ノイズが乗っても前記
2つの入力信号のレベルの差を正確に測定し、測定精度
を向上させる。 【構成】 振動子1の電極14からの信号が、理想ダイ
オード回路30により正の極性に半波整流される。振動
子1の電極15からの信号が理想ダイオード回路40に
より同じ正の極性に半波整流される。理想ダイオード回
路30,40の出力が、平滑回路50,60によりそれ
ぞれ平滑される。平滑回路50,60の出力の差動が、
差動回路70によりとられる。差動回路70の出力が、
前記振動子に作用するコリオリ力に相当する信号とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空機、船舶、自動車
等のナビゲーションシステムやこれらの姿勢制御等、或
いはスチールカメラ、ビデオカメラの手振れや振動感知
などに使用する振動角速度計及びこれに用いられる検出
回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】振動角速度計において用いられる従来の
振動子の例について、図12及び図13を参照して説明
する。
【0003】図12は従来の振動子200を示す図であ
り、図12(a)はその斜視図、図12(b)は正面図
である。図13は従来の他の振動子300を示す図であ
り、図13(a)はその斜視図、図13(b)は正面図
である。
【0004】図12に示す振動子200は、温度変化に
対して弾性定数の変化が小さいエリンバー合金からなる
正4角柱状の振動基体210を備えている。その振動基
体210の一方の対向側面に、両面に電極(図示せず)
を形成した駆動用圧電素子220,240が貼り付けら
れ、他方の対向側面には同様に、両面に電極(図示せ
ず)を形成した検出用圧電素子230,250が貼り付
けられている。
【0005】図13に示す振動子300は、前記振動基
体210と同じ材料からなる正三角柱の金属柱振動基体
310の各側面に、両面に電極(図示せず)を形成した
振動用圧電素子340、及び、同様に両面に電極(図示
せず)を形成した検出用圧電素子320,330を貼り
付け設置してある。
【0006】振動子200を用いた従来の振動角速度計
の概略構成を図14に示し、振動子300を用いた従来
の振動角速度計の概略構成を図15に示す。
【0007】これらの振動角速度計は、振動子200,
300の長さ方向に平行な軸の周りの回転角速度を測定
できるものである。それらの測定原理を図14及び図1
5を参照して説明する。
【0008】図12に示す振動子200の場合、圧電素
子220,240には図14に示すように発振回路26
0にて交流電圧が印加され、振動基体210が圧電素子
220,240の貼り付け面に垂直な方向(図12
(b)中の上下方向)に凹凸が発生するように振動す
る。振動基体210が振動しているときに振動子200
の長さ方向に平行な軸の周りに角速度を持って回転した
とすると、その回転角速度、振動数及び振動子の質量に
比例する大きさのコリオリ力が、振動子200の長さ方
向と振動の凹凸方向(図12(b)中の上下方向)の両
方に垂直な方向(つまり、検出用圧電素子230,25
0の貼り付け面に垂直な方向(図12(b)中の左右方
向))に発生し、該コリオリ力によって振動基体210
が該コリオリ力の方向に凹凸を発生するように振動す
る。この振動により圧電素子230,250には正圧電
効果により電圧が発生し、両電圧の差動を差動回路27
0によりとると、差動回路270の出力がコリオリ力に
相当する検出信号となり、角速度を計測することができ
る。
【0009】図13に示す振動子300の場合には、駆
動用圧電素子340に図15に示すように発振回路36
0からの出力が印加され振動子300が振動している際
に、振動子300の長さ方向に平行な軸の周りに角速度
を持って回転したとすると、コリオリ力による振動が前
述と同様に発生し、圧電素子320と圧電素子330か
らの出力の差動を差動回路370によりとると、差動回
路370の出力がコリオリ力に相当する検出信号とな
り、角速度を計測することができる。この例では、発振
回路360は、圧電素子320と圧電素子330の出力
の和信号を得てこの和信号に基づいて自励振のための発
振動作を行う。検出用圧電素子320,330はコリオ
リ力の方向に対し垂直に配置されず、所定の方向をなし
ているため、該コリオリ力の方向余弦分が検出用圧電素
子320,330により感知される。
【0010】なお、差動回路270,370は、振動子
200,300からの2つの入力信号に基づいて振動子
200,300に作用するコリオリ力に相当する検出信
号を得る検出回路となっている。
【0011】そして、振動子200,300からの2つ
の入力信号の差動をとる従来の差動回路270,370
として、具体的には、特開平3−150914号公報に
記載されているように、単に、オペアンプを有する反転
増幅回路が使用されていた。
【0012】しかし、反転増幅回路からなる差動回路の
場合、振動子からの2つの出力間に位相差が生じた場
合、原理的にその出力差を正確に検出することはでき
ず、角速度を精度良く測定することができない。
【0013】そこで、特開平2−223819号公報に
開示された差動回路(検出回路)が提案されている。
【0014】この差動回路は、2つの入力端及び1つの
出力端を有する差動回路であって、その入力側が前記入
力端の一方に接続される理想ダイオード回路と、その入
力側が前記入力端の他方に接続され、前記理想ダイオー
ド回路とは極性の異なる別の理想ダイオード回路と、そ
れらの入力側が前記理想ダイオード回路及び前記別の理
想ダイオード回路の出力側にそれぞれ接続される2つの
平滑回路と、該2つの平滑回路の出力を合成するための
合成手段と、を含むものである。
【0015】この差動回路によれば、例えば前記2つの
入力端を前記振動子300の検出用圧電素子320,3
30にそれぞれ接続すれば、理想ダイオード回路によっ
て、一方の圧電素子の出力(振動子からの一方の入力信
号)が一方向に半波整流され、別の理想ダイオード回路
によって、他方の圧電素子の出力(振動子からの他方の
入力信号)が逆方向に半波整流される。そして、それら
の整流された出力は、2つの平滑回路によって、それぞ
れ平滑される。そして、それらの平滑された出力は合成
手段によって、合成される(すなわち、加算される)。
このように、振動子の2つの検出用圧電素子320,3
30の出力が互いに逆方向に半波整流され平滑されてか
ら合成されるので、それらの間に位相差が生じても、そ
れらの出力差を正確に検出することができ、したがっ
て、振動子の角速度を精度良く測定することができる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
2−223819号公報に開示された検出回路では、2
つの理想ダイオード回路で振動子からの2つの入力信号
を互いに逆方向に半波整流し平滑してから合成(加算)
するので、電源ノイズやその他の外部からの電磁波等に
よるノイズなどの同相ノイズが2つの入力信号自体やそ
れらの個々の信号処理系に乗った場合には、そのノイズ
の影響が前記合成手段の出力(すなわち、検出信号)に
現れ、同相ノイズにより測定精度が低下してしまう。な
お、2つの入力信号は、互いに逆方向に半波整流される
ので、半波整流された時点で180度位相がずれること
になる。
【0017】そして、振動子からの2つの入力信号の位
相差による測定精度低下の方が前記同相ノイズによる測
定精度低下より大きいので、従来、位相差による測定精
度低下を防止すべく特開平2−223819号公報に開
示されたような検出回路を採用することが好ましいと考
えられ、その場合には、同相ノイズの影響を受けてもや
むを得ないものであると考えられてきた。すなわち、従
来は、位相差による測定精度低下の防止と同相ノイズに
よる測定精度低下の防止とは、トレードオフの関係にあ
るものとして考えられてきた。
【0018】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、振動子からの2つの入力信号に位相差が発生しても
前記2つの入力信号のレベルの差を正確に測定すること
ができ、しかも、電源ノイズ等の同相ノイズが乗っても
前記2つの入力信号のレベルの差を正確に測定すること
ができ、測定精度を一層向上させることができる検出回
路及びこれを用いた振動角速度計を提供することを目的
とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様による検出回路は、振動子から
の2つの入力信号に基づいて前記振動子に作用するコリ
オリ力に相当する検出信号を得る検出回路であって、前
記2つの入力信号のうちの一方を所定の極性に半波整流
する第1の半波整流手段と、前記2つの入力信号のうち
の他方を前記所定の極性と同一の極性に半波整流する第
2の半波整流手段と、前記第1及び第2の半波整流手段
の出力をそれぞれ平滑する第1及び第2の平滑回路と、
前記第1の及び第2の平滑回路の出力の差動をとる差動
回路と、を備えたものである。
【0020】本発明の第2の態様による検出回路は、前
記第1の態様による検出回路において、前記第1及び第
2の半波整流手段がそれぞれ理想ダイオード回路である
ものである。
【0021】本発明の第3の態様による振動角速度計
は、振動子と、該振動子を自励振駆動する自励振回路
と、前記振動子からの2つの入力信号に基づいて前記振
動子に作用するコリオリ力に相当する検出信号を得る検
出回路と、を備えた振動角速度計において、前記検出回
路を前記第1又は第2の態様による検出回路としたもの
である。
【0022】本発明の第4の態様による振動角速度計
は、前記第3の態様による振動角速度計において、前記
振動子が、直方体形状の圧電材料からなる第1及び第2
の部材と、前記第1の部材の第1の側面と前記第2の部
材の第1の側面との間に挟んで形成された第1の電極
と、前記第1の部材の前記第1の側面に相対する前記第
1の部材の第2の側面における両側位置にそれぞれ形成
されるか、あるいは、前記第1の部材の前記第1の側面
と隣合う前記第1の部材の第3及び第4の側面にそれぞ
れ形成された第2及び第3の電極と、前記第2の部材の
前記第1の側面に相対する前記第2の部材の第2の側面
に形成された第4の電極と、を備え、前記第2及び第3
の電極から得られる信号をそれぞれ前記2つの入力信号
とするものである。
【0023】本発明の第5の態様による振動角速度計
は、前記第4の態様による振動角速度計において、前記
振動子が、前記第1の部材の前記第2の側面の略中央の
位置に形成された第5の電極を更に備えたものである。
【0024】本発明の第6の態様による振動角速度計
は、前記第3の態様による振動角速度計において、前記
振動子が、直方体形状の圧電材料からなる第1の部材
と、直方体形状の第2の部材と、前記第1の部材の第1
の側面と前記第2の部材の第1の側面との間に挟んで形
成された第1の電極と、前記第1の部材の前記第1の側
面に相対する前記第1の部材の第2の側面における両側
位置にそれぞれ形成されるか、あるいは、前記第1の部
材の前記第1の側面と隣合う前記第1の部材の第3及び
第4の側面にそれぞれ形成された第2及び第3の電極
と、前記第1の部材の前記第2の側面の略中央の位置に
形成された第4の電極と、を備え、前記第2及び第3の
電極から得られる信号をそれぞれ前記2つの入力信号と
するものである。
【0025】
【作用】本発明によれば、振動子からの2つの入力信号
のうちの一方が、第1の半波整流手段により所定の極性
(所定の方向)に半波整流される。前記2つの入力信号
のうちの他方が、第2の半波整流手段により前記所定の
極性と同一の極性に半波整流される。第1及び第2の半
波整流手段の出力が、第1及び第2の平滑回路によりそ
れぞれ平滑される。第1及び第2の平滑回路の出力の差
動が、差動回路によりとられる。差動回路の出力が、前
記振動子に作用するコリオリ力に相当する信号となる。
【0026】このように、振動子からの2つの入力信号
が互いに同一極性(同一方向)に半波整流され平滑され
てから差動がとられるので、前記2つの入力信号の間に
位相差が生じても、それらのレベルの差を正確に検出す
ることができ、したがって、振動子の角速度を精度良く
測定することができる。
【0027】そして、本発明では、振動子からの2つの
入力信号が互いに同一極性(同一方向)に半波整流され
平滑されてから差動がとられるので、差動がとられる直
前まで、2つの入力信号及びその処理過程における2つ
の信号は同相状態を保つことになる。したがって、前記
2つの入力信号自体及びそれらの種々の信号処理過程で
乗った電源ノイズ等の同相ノイズは第1の平滑回路の出
力及び第2の平滑回路の出力に同相状態のまま乗ること
になり、この第1の平滑回路の出力及び第2の平滑回路
の出力に同相状態のまま乗った同相ノイズが、差動回路
で差動をとることによりキャンセルされることになる。
その結果、電源ノイズ等の同相ノイズが乗っても前記2
つの入力信号のレベルの差を正確に測定することがで
き、振動子の角速度を一層精度良く測定することができ
る。
【0028】なお、振動子として、前記第4乃至第6の
態様の構造の振動子を採用すれば、両面に電極パターン
が形成された圧電板2枚を接合して切断するなどするこ
とによって、一度に大量の振動子を製造することができ
るとともに、反応性エッチング等による電極パターン形
成、精密切断機等による接合板の切断を行うことによっ
て、小型の振動子を再現性良く製造することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明による検出回路及びこれを用い
た振動角速度計について、図面を参照して説明する。
【0030】まず、本発明の一実施例による振動角速度
計について、図1乃至図4を参照して説明する。
【0031】図1は、本実施例による振動角速度計を示
す構成図である。
【0032】本実施例による振動角速度計は、図1に示
すように、振動子1と、該振動子1を自励振駆動する自
励振回路2と、振動子1からの入力信号に基づいて振動
子1に作用するコリオリ力に相当する検出信号を得る検
出回路3と、を備えている。
【0033】まず、振動子1について、図2を参照して
説明する。図2は、振動子1を示す図であり、図2
(a)はその斜視図、図2(b)はその正面図である。
【0034】図2に示すように、振動子1は、直方体形
状(厳密に直方体でなくてもよい)の圧電材料からなる
第1及び第2の部材11,12と、第1の部材11の第
1の側面(図1では下面)と第2の部材12の第1の側
面(図1では上面)との間に挟んで形成された電極13
と、第1の部材11の前記第1の側面に相対する第1の
部材11の第2の側面(図1では上面)における両側位
置にそれぞれ形成された電極14,15と、第1の部材
11の前記第2の側面の略中央の位置に形成された電極
16と、第2の部材12の前記第1の側面に相対する第
2の部材12の第2の側面(図1では下面)に形成され
た電極17と、を備えている。
【0035】本実施例では、第1及び第2の部材11,
12は、圧電セラミック(例えば、チタン酸ジルコン酸
鉛(PZT))からなり、それらの厚みは0.5mm、
幅は1.0mm、長さは9.0mmとされている。もっと
も、本発明では、このような寸法に限定されるものでは
ない。第1の部材11の分極方向は図2中の上方向、第
2の部材12の分極方向は図2中の下方向である。電極
14,15は、第1の部材42の上面の両側位置に、第
1の部材11の長さ方向に銀ペーストで形成され、それ
ぞれの幅が0.25mmとされている。電極16は、第
1の部材11の上面の幅方向の中央に、第1の部材11
の長さ方向に銀ペーストで形成され、その幅が0.25
mmとされている。電極17は、第2の部材12の下面
の全面に銀ペーストで形成されている。電極13は、第
1の部材11の下面の全面に予め形成された銀ペースト
と第2の部材12の上面の全面に予め形成された銀ペー
ストとを、エポキシ性接着剤等の接着剤(図示せず)に
より接合した構造とされている。前記接着剤による振動
子の振動への影響を極力なくすために、前記接着剤とし
て粘度の低いものを用いることが好ましい。なお、前記
接着剤自体が導電性を有していなくても、接着の際に適
当に圧力を加えることにより、第1の部材11の下面に
形成された銀ペーストと第2の部材12の上面に形成さ
れた銀ペーストとの間には接着剤が介在せずに直接接触
する多くの微小領域が存在し、両者は電気的に接続され
ることになる。もっとも、前記接着剤として導電性接着
剤を用いてもよい。
【0036】振動子1は、このような構造を有している
ので、一度に大量に製造することができる。すなわち、
電極14,15,16の電極パターン及び電極13の一
部を構成する電極パターンを予め多数の振動子1の分形
成した圧電板と、電極17の電極パターン及び電極13
の他の一部を構成する電極パターンを予め多数の振動子
1の分形成した圧電板とを前記接着剤にて接合し、この
接合板を個々の振動子1に切断することによって、一度
に大量の振動子1を製造することができる。また、反応
性エッチング等による電極パターン形成、精密切断機等
による接合板の切断を行うことによって、小型の振動子
1を再現性良く製造することができる。
【0037】なお、振動子1の製造に際しては、例え
ば、第1及び第2の部材11,12(具体的には、これ
らに相当する前記圧電板)は、前もって厚み方向に分極
処理が施される。そのため、第1部材11に相当する前
記圧電板には電極14,15,16を形成する面にも予
め銀ペーストにより全面に電極(全面電極)を形成して
おく。そして、当該圧電板の分極処理後、前記全面電極
部分を、ダイシングソーで削り取るか、あるいは、マス
キングを施しジェットアブレーダーで除去し、残った電
極部分を互いに平行な幅0.25mmの帯状の電極1
4,15,16とする。
【0038】この振動子1では、例えば、電極13が基
準電極(アース電極)、電極14,15がコリオリ力検
出用電極、電極17が振動子励振用電極(駆動電極)と
して、用いられる。また、電極16が、自励振回路の入
力信号を取り出すために用いられる。そして、電極17
を基準電極として、自励振回路により電極17に正弦波
の励振用電圧(駆動電圧)を印加すると、第2の部材1
2が電極13,17の面と垂直な方向(図2中の上下方
向)に屈曲振動し、したがって、振動子1の全体がこの
方向に屈曲振動する。振動子1がその長さ方向に平行な
任意の軸の周りに回転したとすると、部材11,12の
幅方向にコリオリ力が発生し、このコリオリ力により振
動子1がこの方向に屈折振動が発生する。この屈折振動
により、コリオリ力に相当する信号が逆位相でそれぞれ
電極14,15に発生する。電極14,15に発生する
信号には、この信号のみならず、電極13,17の面と
垂直な方向の振動子1の屈曲振動(励振)による信号も
含まれるが、電極14の信号と電極15の信号との差動
をとって励振による成分をキャンセルすることにより、
コリオリ力に相当する信号のみを得ることができ、した
がって、振動子1の回転速度(角速度)を測定すること
ができる。また、電極16は、第1の部材11の上面の
中央に形成されているので、コリオリ力による部材1
1,12の幅方向の屈曲振動によっては電圧変動がな
い。すなわち、電極16は振動子1の幅方向の略中央部
に、長さ方向に検出電極15、16と平行に配置されて
いるため、コリオリ力が発生し幅方向に凹凸が発生する
ように振動子1が振動しても、電極16からの出力波形
は、振幅が変化しない安定な振動波形であり、電極1
3,17に垂直な方向への振動子1の屈曲振動による正
圧電効果による信号である。また、電極16は電極1
4,15と独立しているので、検出回路と自励振回路と
を電気的に分離でき、両者の相互干渉を防止することが
できる。
【0039】なお、部材11,12の材料としては、駆
動電圧印加により効果的に振動子1が振動するためと、
振動子1の振動による発生電圧が大きく取れるように、
それぞれQの大きい圧電材料が選択される。また、振動
子1の厚み方向の共振周波数と幅方向の共振周波数をほ
ぼ一致させることが好ましい。両者を一致させると、振
動子1の断面は、略正方形になる。この周波数合わせ
は、例えば、振動子11を振動させながら側面をレーザ
ー等で削ることにより共振周波数を調整することによっ
て、行われる。
【0040】次に、再び図1を参照して、自励振回路2
について説明する。
【0041】自励振回路2の入力端は振動子1の電極1
6に接続され、自励振回路2の出力端は振動子1の電極
17に接続されている。自励振回路2は、オペアンプ2
1及び抵抗器22,23からなる反転増幅器24と、抵
抗器25,26及びコンデンサ27,28からなる2段
のRCフィルタにより構成されたローパスフィルタ29
と、から構成されている。もっとも、自励振回路2の構
成は、このような構成に限定されるものではない。電極
16からの出力電圧が反転増幅器24により反転増幅さ
れ、その増幅された電圧がローパスフィルタ29により
位相調整され、その位相調整された電圧が駆動電圧とし
て電極17に供給される。これにより、ループゲインが
1以上となるように正帰還がかけられ、振動子1が自励
振駆動される。この自励振回路2により振動子1の電極
13,17の面に対して垂直な方向の凹凸の屈曲を持つ
振動子1の単振動が達成できる。
【0042】検出回路3は、図1に示すように、振動子
1の電極14の出力(電極14からの入力信号)を正の
極性に半波整流する半波整流手段としての理想ダイオー
ド回路30と、振動子1の電極15の出力(電極15か
らの入力信号)を理想ダイオード回路30の場合と同じ
極性である正の極性に半波整流する半波整流手段として
の理想ダイオード回路40と、理想ダイオード回路3
0,40の出力をそれぞれ平滑する平滑回路50,60
と、平滑回路50,60の差動をとる差動回路70と、
を備えている。
【0043】理想ダイオード回路30,40の入力端が
検出回路3の2つの入力端となっており、これらの入力
端がそれぞれ振動子1の電極14,15に接続されてい
る。また、差動回路70の出力端が検出回路3の出力端
となっている。
【0044】理想ダイオード回路30は、オペアンプ3
1、順方向に接続されたダイオード32,33及び抵抗
器34で構成されている。同様に、理想ダイオード回路
40は、オペアンプ41、順方向に接続されたダイオー
ド42,43及び抵抗器44で構成されている。なお、
本実施例では、理想ダイオード回路30,40は半波整
流機能のみならず増幅機能も有している。平滑回路50
は抵抗器51及びコンデンサ52からなるRCフィルタ
で構成され、同様に、平滑回路60は抵抗器61及びコ
ンデンサ62からなるRCフィルタで構成されている。
差動回路70は、オペアンプ71及び抵抗器72〜75
で構成されている。
【0045】なお、理想ダイオード回路30,40、平
滑回路50,60及び差動回路の構成は、前述した構成
に限定されるものではない。また、本実施例では、前記
半波整流手段として理想ダイオード回路30,40が採
用されているが、代わりに通常の半波整流器を採用して
もよい。また、理想ダイオード回路30,40の回路構
成自体も前述した構成に限定されるものではない。例え
ば、理想ダイオード回路30,40として、抵抗とオペ
アンプの増幅回路の後段にダイオードを配置するダイオ
ード回路を採用することもできる。
【0046】この検出回路3の動作について、自励振回
路2により自励振駆動され単振動している振動子1にコ
リオリ力が働いていない場合と働いている場合とに分け
て、図3及び図4を参照して説明する。図3はコリオリ
力が働いていない場合の図1中のa〜g点の波形を示す
波形図であり、図4はコリオリ力が働いている場合の図
1中のa〜g点の波形を示す波形図である。なお、これ
らの波形図の横軸は時間軸を示す。
【0047】振動子1にコリオリ力が働いていない場合
(図3)には、振動子1の電極14の出力波形(図3
(a))及び電極15の出力波形(図3(b))は、理
想的には互いに同位相で同振幅の単振動正弦波波形とな
り、これらが理想ダイオード回路30,40の入力端に
それぞれ入力される。前記同振幅は、電極14,15の
面積を同じにすることにより担保される。電極14,1
5からの正弦波出力は、理想ダイオード回路30,40
によりそれぞれ同じ正の極性に半波整流される。理想ダ
イオード回路30,40の出力波形を、図3(c)及び
図3(d)にそれぞれ示す。振動子1は、自励振回路2
による単振動の振動数により振動しており、コリオリ力
を受けていないため、理想ダイオード回路30の出力波
形(図3(c))及び理想ダイオード回路40の出力波
形(図3(d))は、同振幅の半波整流波形となる。両
者の位相は理想的には同一であるが、同一になるとは限
らない。理想ダイオード回路30,40の出力は、それ
ぞれ平滑回路50,60により平滑される。平滑回路5
0,60の出力波形を、図3(e)及び図3(f)に示
す。これらの波形は、同じ振幅をもつ直流電圧である。
この両直流電圧出力は差動回路80に入力される。平滑
回路50,60の出力が同じ振幅の直流電圧のため、差
動回路80の出力はゼロとなる(図3(g))。電極1
4,15の出力波形(図3(a),図3(b))の位相
がずれている場合であっても、すなわち、理想ダイオー
ド回路30,40の出力波形(図3(c),図3
(d))の位相がずれている場合であっても、一度平滑
回路50,60にて直流成分に変換されるため、前記位
相のずれが差動回路70の出力波形(差動波形)(図3
(g))に反映されることはない。
【0048】次に、振動子1が自励振回路2により自励
振駆動されて単振動しているときに、振動子1にコリオ
リ力が働いている場合について説明する。既に説明した
ように、コリオリ力は振動子1の幅方向に働くため、振
動子1は該コリオリ力によって幅方向に凹凸が発生する
ように屈曲運動をする。その結果、振動子1の電極14
の出力波形(図4(a))及び電極15の出力波形(図
4(b))は、コリオリ力により互いに逆位相の振幅変
調を受けた波形になる。両波形で振幅が同じ箇所ではコ
リオリ力が一時的に働いていないことを示しており、そ
の前と後ではコリオリ力の方向が逆方向になっているこ
とを示す。電極14,15からの互いに逆位相の振幅変
調を受けた出力は、理想ダイオード回路30,40によ
りそれぞれ同じ正の極性に半波整流される。理想ダイオ
ード回路30,40の出力波形を、図4(c)及び図4
(d)にそれぞれ示す。理想ダイオード回路30,40
の出力は、平滑されて、それぞれ平滑回路50,60に
より理想ダイオード回路30,40の出力波形(図4
(c),図4(d))の包絡線に比例した形状の正の電
圧波形(図4(e),図4(f))に変換される。平滑
回路50,60の波形出力(図4(e),図4(f))
は差動回路70により差動増幅され、その差動増幅され
た信号(図4(g))が、振動子1に作用しているコリ
オリ力に比例した検出信号として差動回路70から出力
される。なお、差動回路70で反転増幅させた場合に
は、差動回路70の出力は、図4(g)に示す波形と正
負が逆転した波形になる。差動回路70の出力信号のプ
ラスとマイナスとでは、振動子1に作用するコリオリ力
の方向が逆になっていることを示し、すなわち各速度の
方向が逆になっていることを示す。また、差動回路70
の出力の振幅は、振動子1に作用するコリオリ力の大き
さに比例した値となる。電極14,15の出力波形(図
4(a),図4(b))の位相がずれている場合であっ
ても、すなわち、理想ダイオード回路30,40の出力
波形(図4(c),図4(d))の位相がずれている場
合であっても、一度平滑回路50,60にて平滑される
ため、前記位相のずれが差動回路70の出力波形(差動
波形)(図4(g))に影響を与えることはない。
【0049】以上説明したように、前記検出回路3によ
れば、振動子1の電極14,15からの2つの入力信号
が互いに同じ正の極性に半波整流され平滑されてから差
動がとられるので、前記2つの入力信号の間に位相差が
生じても、それらのレベルの差を正確に検出することが
でき、したがって、振動子1の角速度を精度良く測定す
ることができる。
【0050】そして、前記検出回路3によれば、振動子
1の電極14,15からの2つの入力信号が互いに同じ
正の極性に半波整流され平滑されてから差動がとられる
ので、差動がとられる直前まで、各点a〜fの信号は同
相状態を保つことになる。したがって、各点a〜fの信
号に乗った電源ノイズ等の同相ノイズは平滑回路50,
60の出力に同相状態のまま乗ることになり、平滑回路
50,60の出力に同相状態のまま乗った同相ノイズ
が、差動回路70で差動をとることによりキャンセルさ
れることになる。その結果、電源ノイズ等の同相ノイズ
が乗っても前記2つの入力信号のレベルの差を正確に測
定することができ、振動子1の角速度を一層精度良く測
定することができる。
【0051】図1に示す振動角速度計では、自励振回路
2の出力端が振動子1の電極17に接続されるとともに
自励振回路2の入力端が電極16に接続されているが、
逆に、自励振回路2の入力端を振動子1の電極17に接
続するとともに自励振回路2の出力端を電極16に接続
してもよい。
【0052】また、図1に示す振動角速度計において、
図2に示す振動子1の代わりに、図5に示す振動子10
0を用いてもよい。
【0053】図5は振動子100を示し、図5(a)は
その斜視図、図5(b)はその正面図である。図5にお
いて、図2中の構成要素と同一又は対応する構成要素に
は同一符号を付し、その説明は省略する。
【0054】この振動子100が図2に示す前記振動子
1と異なる所は、電極14,15が、第1の部材11の
上面(第2の側面)にではなく、第1の部材11の第1
の側面(下面)と隣合う第1の部材11の第3及び第4
の側面にそれぞれ形成されている点のみである。しかし
ながら、振動子100が振動子1と実質的に等価である
ことは、明白である。
【0055】次に、本発明の他の実施例による振動角速
度計について、図6乃至8を参照して説明する。
【0056】図6は、本実施例による振動角速度計を示
す構成図である。
【0057】本実施例による振動角速度計は、図6に示
すように、振動子101と、該振動子101を自励振駆
動する自励振回路102と、振動子1からの入力信号に
基づいて振動子1に作用するコリオリ力に相当する検出
信号を得る検出回路103と、を備えている。
【0058】まず、振動子101について、図7を参照
して説明する。図7は、振動子101を示す図であり、
図7(a)はその斜視図、図7(b)はその正面図であ
る。図7において、図2に示す構成要素と同一又は対応
する構成要素には同一符号を付し、その説明は省略す
る。
【0059】この振動子101が、前記図2に示す振動
子1と異なる所は、振動子1において第1の部材11の
上面の略中央の位置に形成されていた電極16が削除さ
れている点と、電極14,15の幅が0.25mmでは
なく0.35mmに変更されている点のみである。しか
しながら、振動子101が振動子1と実質的に等価であ
ることは、明白である。
【0060】この振動子101では、振動子1の場合と
同様に、電極13が基準電極(アース電極)、電極1
4,15がコリオリ力検出用電極、電極17が振動子励
振用電極(駆動電極)として、用いられるが、電極16
が削除されていることに伴い、振動子1の場合と異な
り、電極14,15が自励振回路の入力信号を取り出す
ためにも用いられる。
【0061】再び図6を参照して、自励振回路102に
ついて説明する。自励振回路102の構成要素のうち、
図1中の自励振回路2と同一構成要素には、同一符号を
付し、その説明は省略する。
【0062】自励振回路102が自励振回路2と異なる
所は、振動子101の電極14からの信号と電極15か
らの信号の和信号を得るための抵抗器151,152か
らなる加算器が追加され、この加算器の出力(和信号)
が反転増幅器24へ入力されている点のみである。
【0063】振動子101が電極13、17の面と垂直
な方向に単振動しているときにコリオリ力が働いていな
い場合と働いている場合とにおける、自励振回路102
の前記加算器の出力信号(反転増幅器24への入力信
号)について説明する。コリオリ力が振動子101に働
いていない場合には、電極14,15からの出力波形は
図3(a)及び図3(b)と同じである。つまり、電極
14,15からの出力波形は同位相、同振幅の正弦波の
振動波形であり、前記加算器により両波形の和を取るこ
とより、一定振幅の正弦波波形が自励振回路102の反
転増幅器24に入力する。コリオリ力が振動子101に
働いた場合には、電極14,15からの信号波形は、そ
れぞれ後述する図8(a)及び図8(b)に示すよう
に、コリオリ力により互いに逆位相の振幅変調を受けた
波形になる。したがって、電極14,15からの信号の
和をとると振幅の増加分と減少分が相殺され、その和信
号は一定振幅の正弦波となり、その振幅はコリオリ力が
働いていない場合と同じとなる。結局、前記加算器から
コリオリ力の存在の有無に関係なく一定振幅の正弦波信
号出力され、これが自励振回路102の反転増幅器24
に入力されることになる。なお、以上のことは、電極1
4,15の面積が同じで部材11の上面の両側位置に形
成されることにより担保される。
【0064】したがって、自励振回路102は、図1中
の自励振回路2と同様にして振動子101を自励振駆動
する。この自励振回路102により振動子101の電極
13,17の面に対して垂直な方向の凹凸の屈曲を持つ
振動子101の単振動が達成できる。
【0065】なお、図6に示す振動角速度計では、ロー
パスフィルタ29の出力端が振動子101の電極17に
接続されるとともに反転増幅器24の入力端が電極16
に接続されているが、逆に、反転増幅器24の入力端を
振動子101の電極17に接続するとともに反転増幅器
24の入力端を電極16に接続してもよい。
【0066】次に、図6中の検出回路103について説
明する。
【0067】この検出回路103は、振動子101の電
極14の出力(電極14からの入力信号)を負の極性に
半波整流する半波整流手段としての理想ダイオード回路
130と、振動子101の電極15の出力(電極15か
らの入力信号)を理想ダイオード回路130の場合と同
じ極性である負の極性に半波整流する半波整流手段とし
ての理想ダイオード回路140と、理想ダイオード回路
130,140の出力をそれぞれ平滑する平滑回路15
0,160と、平滑回路150,160の差動をとる差
動回路170と、を備えている。
【0068】理想ダイオード回路130,140、平滑
回路150,160及び差動回路170の各構成要素の
うち、図1と同一構成要素には、同一符号を付し、その
説明は省略する。
【0069】理想ダイオード回路130は、図1中の理
想ダイオード回路30と異なり、振動子101からの電
極14の信号を負極性に半波整流するように、ダイオー
ド32,33が逆方向に接続されている。また、理想ダ
イオード回路140は、図1中の理想ダイオード回路4
0と異なり、振動子101からの電極15の信号を負極
性に半波整流するように、ダイオード42,43が逆方
向に接続されている。なお、理想ダイオード回路13
0,140の入力端は、それぞれ抵抗181,182を
介して振動子101の電極14,15に接続されてい
る。また、本実施例における検出回路103では、図1
中の検出回路3とは逆に、平滑回路150の出力側が差
動回路170の抵抗73に接続され、平滑回路160の
出力側が差動回路170の抵抗72に接続されている。
【0070】この検出回路103の動作について、自励
振回路102により自励振駆動され単振動している振動
子101にコリオリ力が働いている場合についてのみ、
図8を参照して説明する。図8は、コリオリ力が働いて
いる場合の図6中のa〜g点の波形を示す波形図であ
る。
【0071】コリオリ力は振動子101の幅方向に働く
ため、振動子101は該コリオリ力によって幅方向に凹
凸が発生するように屈曲運動をする。その結果、振動子
101の電極14の出力波形(図8(a))及び電極1
5の出力波形(図8(b))は、図3(a)及び図3
(b)と同じように、コリオリ力により互いに逆位相の
振幅変調を受けた波形になる。両波形で振幅が同じ箇所
ではコリオリ力が一時的に働いていないことを示してお
り、その前と後ではコリオリ力の方向が逆方向になって
いることを示す。電極14,15からの互いに逆位相の
振幅変調を受けた出力は、理想ダイオード回路130,
140によりそれぞれ同じ負の極性に半波整流される。
理想ダイオード回路130,140の出力波形を、図8
(c)及び図8(d)にそれぞれ示す。理想ダイオード
回路130,140の出力は、平滑されて、それぞれ平
滑回路150,160により理想ダイオード回路13
0,140の出力波形(図8(c),図8(d))の包
絡線に比例した形状の負の電圧波形(図8(e),図8
(f))に変換される。平滑回路150,160の波形
出力(図8(e),図84(f))は差動回路170に
より差動増幅され、その差動増幅された信号(図8
(g))が、振動子101に作用しているコリオリ力に
比例した検出信号として差動回路170から出力され
る。差動回路170の出力信号のプラスとマイナスとで
は、振動子101に作用するコリオリ力の方向が逆にな
っていることを示し、すなわち各速度の方向が逆になっ
ていることを示す。また、差動回路170の出力の振幅
は、振動子101に作用するコリオリ力の大きさに比例
した値となる。電極14,15の出力波形(図8
(a),図8(b))の位相がずれている場合であって
も、すなわち、理想ダイオード回路130,140の出
力波形(図8(c),図8(d))の位相がずれている
場合であっても、一度平滑回路150,160にて平滑
されるため、前記位相のずれが差動回路170の出力波
形(差動波形)(図8(g))に影響を与えることはな
い。
【0072】以上説明したように、前記検出回路103
によれば、図1中の検出回路3と同様に、振動子101
の電極14,15からの2つの入力信号が互いに同じ負
の極性に半波整流され平滑されてから差動がとられるの
で、前記2つの入力信号の間に位相差が生じても、それ
らのレベルの差を正確に検出することができ、したがっ
て、振動子101の角速度を精度良く測定することがで
きる。
【0073】そして、前記検出回路103によれば、図
1中の検出回路3と同様に、振動子101の電極14,
15からの2つの入力信号が互いに同じ負の極性に半波
整流され平滑されてから差動がとられるので、差動がと
られる直前まで、各点a〜fの信号は同相状態を保つこ
とになる。したがって、各点a〜fの信号に乗った電源
ノイズ等の同相ノイズは平滑回路150,160の出力
に同相状態のまま乗ることになり、平滑回路150,1
60の出力に同相状態のまま乗った同相ノイズが、差動
回路170で差動をとることによりキャンセルされるこ
とになる。その結果、電源ノイズ等の同相ノイズが乗っ
ても前記2つの入力信号のレベルの差を正確に測定する
ことができ、振動子101の角速度を一層精度良く測定
することができる。
【0074】図6に示す振動角速度計において、図7に
示す振動子101の代わりに、図9に示す振動子400
を用いてもよい。
【0075】図9は振動子400を示し、図9(a)は
その斜視図、図9(b)はその正面図である。図9にお
いて、図7中の構成要素と同一又は対応する構成要素に
は同一符号を付し、その説明は省略する。
【0076】この振動子400が図7に示す前記振動子
101と異なる所は、電極14,15が、第1の部材1
1の上面(第2の側面)にではなく、第1の部材11の
第1の側面(下面)と隣合う第1の部材11の第3及び
第4の側面にそれぞれ形成されている点のみである。し
かしながら、振動子400が振動子101と実質的に等
価であることは、明白である。
【0077】また、図6に示す圧電振動角速度計におい
て、図7に示す振動子101の代わりに、図10に示す
振動子500を用いてもよい。
【0078】図10は振動子500を示し、図10
(a)はその斜視図、図10(b)はその正面図であ
る。図10において、図7中の構成要素と同一構成要素
には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0079】この振動子500が前記振動子101と異
なる所は、振動子500では、振動子101で第2の部
材12の第2の側面(図10では下面)に形成されてい
た電極17が削除され、代わりに、電極501が追加さ
れている点である。電極501は、第1の部材11の第
2の側面(図10では上面)の略中央の位置に第1の部
材11の長さ方向に銀ペーストで形成され、その幅は電
極14,15より広くされている。
【0080】図7に示す振動子101では、第2の部材
12の圧電現象を利用して振動子101全体を励振させ
ていたのに対し、図10に示す振動子500では、第2
の部材12の圧電現象は全く利用せずに、第1の部材1
1の圧電現象のみを利用して振動子500の振動の検出
のみならず振動子500全体の励振を行う。しかし、振
動子500も振動子101と同様である。
【0081】なお、振動子500では、第2の部材12
の圧電現象を全く利用せず、第2の部材12は圧電的に
不活性であるので、第2の部材12の材料としては、圧
電材料のみならず圧電的に本来不活性な材料、例えば、
アルミナやガラス等を用いてもよい。
【0082】なお、この振動子500を、図6に示す振
動角速度計において図7に示す振動子101の代わりに
用いる場合には、自励振回路102の出力端を振動子5
00の電極501に接続する。
【0083】また、図6に示す振動角速度計において、
図7に示す振動子101の代わりに、図11に示す振動
子600を用いてもよい。
【0084】図11は振動子600を示し、図11
(a)はその斜視図、図11(b)はその正面図であ
る。図11において、図10中の構成要素と同一又は対
応する構成要素には同一符号を付し、その説明は省略す
る。
【0085】この振動子600が図10に示す振動子5
00と異なる所は、電極14,15が、第1の部材11
の上面(第2の側面)にではなく、第1の部材11の第
1の側面(下面)と隣合う第1の部材11の第3及び第
4の側面にそれぞれ形成されている点のみである。しか
しながら、振動子600が振動子500と実質的に等価
であることは、明白である。
【0086】以上、本発明の各実施例について説明した
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0087】例えば、本発明による振動角速度計におい
て採用する振動子は、前述した振動子に限定されるもの
ではなく、図12に示す従来の振動子200や図13に
示す従来の振動子300を用いることもできる。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
振動子からの2つの入力信号に位相差が発生しても前記
2つの入力信号のレベルの差を正確に測定することがで
き、しかも、電源ノイズ等の同相ノイズが乗っても前記
2つの入力信号のレベルの差を正確に測定することがで
き、測定精度を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による振動角速度計を示す構
成図である。
【図2】振動子の一例を示す図であり、(a)はその斜
視図、図(b)はその正面図である。
【図3】振動子にコリオリ力が働いていない場合の図1
中の各部の波形を示す波形図である。
【図4】振動子にコリオリ力が働いている場合の図1中
の各部の波形を示す波形図である。
【図5】振動子の他の一例を示す図であり、(a)はそ
の斜視図、(b)はその正面図である。
【図6】本発明の他の実施例による振動角速度計を示す
構成図である。
【図7】振動子の更に他の例を示す図であり、(a)は
その斜視図、(b)はその正面図である。
【図8】振動子にコリオリ力が働いている場合の図6中
の各部の波形を示す波形図である。
【図9】振動子の更に他の例を示す図であり、(a)は
その斜視図、(b)はその正面図である。
【図10】振動子の更に他の例を示す図であり、(a)
はその斜視図、(b)はその正面図である。
【図11】振動子の更に他の例を示す図であり、(a)
はその斜視図、(b)はその正面図である。
【図12】従来の振動子の一例を示す図であり、(a)
はその斜視図、(b)はその正面図である。
【図13】従来の振動子の他の例を示す図であり、
(a)はその斜視図、(b)はその正面図である。
【図14】図12に示す振動子を用いた従来の振動角速
度計の概略構成を示す図である。
【図15】図13に示す振動子を用いた従来の振動角速
度計の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1,100,101,400,500,600 振動子 2 自励振回路 3 検出回路 30,40,130,140 理想ダイオード回路 50,60,150,160 平滑回路 70,170 差動回路 11 第1の部材 12 第2の部材 13,14,15,16,17,501 電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動子からの2つの入力信号に基づいて
    前記振動子に作用するコリオリ力に相当する検出信号を
    得る検出回路において、 前記2つの入力信号のうちの一方を所定の極性に半波整
    流する第1の半波整流手段と、 前記2つの入力信号のうちの他方を前記所定の極性と同
    一の極性に半波整流する第2の半波整流手段と、 前記第1及び第2の半波整流手段の出力をそれぞれ平滑
    する第1及び第2の平滑回路と、 前記第1の及び第2の平滑回路の出力の差動をとる差動
    回路と、 を備えたことを特徴とする検出回路。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2の半波整流手段がそれ
    ぞれ理想ダイオード回路であることを特徴とする請求項
    1記載の検出回路。
  3. 【請求項3】 振動子と、該振動子を自励振駆動する自
    励振回路と、前記振動子からの2つの入力信号に基づい
    て前記振動子に作用するコリオリ力に相当する検出信号
    を得る検出回路と、を備えた振動角速度計において、前
    記検出回路が請求項1又は2記載の検出回路であること
    を特徴とする振動角速度計。
  4. 【請求項4】 前記振動子が、直方体形状の圧電材料か
    らなる第1及び第2の部材と、前記第1の部材の第1の
    側面と前記第2の部材の第1の側面との間に挟んで形成
    された第1の電極と、前記第1の部材の前記第1の側面
    に相対する前記第1の部材の第2の側面における両側位
    置にそれぞれ形成されるか、あるいは、前記第1の部材
    の前記第1の側面と隣合う前記第1の部材の第3及び第
    4の側面にそれぞれ形成された第2及び第3の電極と、
    前記第2の部材の前記第1の側面に相対する前記第2の
    部材の第2の側面に形成された第4の電極と、を備え、 前記第2及び第3の電極から得られる信号をそれぞれ前
    記2つの入力信号とすることを特徴とする請求項3記載
    の振動角速度計。
  5. 【請求項5】 前記振動子が、前記第1の部材の前記第
    2の側面の略中央の位置に形成された第5の電極を更に
    備えたことを特徴とする請求項4記載の振動角速度計。
  6. 【請求項6】 前記振動子が、直方体形状の圧電材料か
    らなる第1の部材と、直方体形状の第2の部材と、前記
    第1の部材の第1の側面と前記第2の部材の第1の側面
    との間に挟んで形成された第1の電極と、前記第1の部
    材の前記第1の側面に相対する前記第1の部材の第2の
    側面における両側位置にそれぞれ形成されるか、あるい
    は、前記第1の部材の前記第1の側面と隣合う前記第1
    の部材の第3及び第4の側面にそれぞれ形成された第2
    及び第3の電極と、前記第1の部材の前記第2の側面の
    略中央の位置に形成された第4の電極と、を備え、 前記第2及び第3の電極から得られる信号をそれぞれ前
    記2つの入力信号とすることを特徴とする請求項3記載
    の振動角速度計。
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