JPH08338729A - 自励振回路及びこれを用いた圧電振動角速度計 - Google Patents

自励振回路及びこれを用いた圧電振動角速度計

Info

Publication number
JPH08338729A
JPH08338729A JP7170152A JP17015295A JPH08338729A JP H08338729 A JPH08338729 A JP H08338729A JP 7170152 A JP7170152 A JP 7170152A JP 17015295 A JP17015295 A JP 17015295A JP H08338729 A JPH08338729 A JP H08338729A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibrator
voltage
self
electrode
piezoelectric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7170152A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitaka Sango
貴敬 三五
Toru Fujii
藤井  透
Tetsuo Hattori
徹夫 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP7170152A priority Critical patent/JPH08338729A/ja
Priority to US08/661,788 priority patent/US5794080A/en
Publication of JPH08338729A publication Critical patent/JPH08338729A/ja
Priority to US11/441,460 priority patent/USRE42923E1/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gyroscopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動子の機械的及び電気的な不安定性にもか
かわらず、振動子の自励振動時の振幅を安定させるとと
もに、振動子の共振周波数以外の周波数での異常発振を
防止する。 【構成】 電流電圧変換器40が、振動子20の電極3
3からの信号を電流として受けて電圧に変換する。この
電圧は、振動子20の振動状態を示す正弦波電圧であ
り、ゼロクロスコンパレータ41及びアッテネータ42
により所定レベルの方形波電圧に変換される。バンドパ
スフィルタ43は、前記方形波電圧から前記正弦波電圧
と同一周波数の正弦波電圧を濾波する。移相器44は、
振動子20の振動の振幅が略最大となるように、濾波さ
れた正弦波電圧の位相を調整し、その出力を駆動電圧と
して振動子20の電極35に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電振動角速度計等の
振動子を自励振駆動する自励振回路及びこれを用いた圧
電振動角速度計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15は、本発明の背景になった圧電振
動角速度計に用いられている自励振回路の従来例を示
す。
【0003】この従来の自励振回路は、振動子1の上部
の信号検出用圧電素子2からの信号を反転増幅する反転
増幅器4と、該反転増幅器4の出力信号の位相を調整す
るローパスフィルタ5とから構成されている。ローパス
フィルタ5の出力側が振動子1の駆動用圧電素子3に接
続されている。
【0004】反転増幅器4は、オペアンプ6と、抵抗器
7,8,9とから構成されている。ローパスフィルタ5
は、抵抗器10,11及びコンデンサ12,13で構成
され、2段のRCフィルタから構成されている。
【0005】なお、振動子1は、金属製の三角柱の2つ
の側面にそれぞれ圧電素子が接合された構成となってい
る。これらの圧電素子は、圧電層と、その両面に電極が
形成された構成となっている。一方の圧電素子が前記検
出用圧電素子2となり、他方の圧電素子が前記駆動用圧
電素子3となっている。また、前記三角柱がアース接続
されている。
【0006】この従来の自励振回路によれば、検出用電
極2からの信号出力が反転増幅器4により反転増幅さ
れ、その増幅された電圧がローパスフィルタ5により位
相調整され、ローパスフィルタ5の出力が駆動電圧とし
て振動子1の駆動用電極3に供給される。これにより、
ループゲインが1以上となるように正帰還がかけられ、
振動子1が自励振駆動される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】振動子の機械的及び電
気的な不安定性は免れないものであるが、前述したよう
構成の従来の自励振回路では、振動子の機械的及び電気
的な不安定性により、正帰還される電圧(駆動電圧)に
不安定性が生じる。このため、振動子が自励振動したと
きの振幅が安定しなかったり、振動子の共振周波数以外
の周波数で異常発振するといった問題を避け得なかっ
た。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、振動子の機械的及び電気的な不安定性にもか
かわらず駆動電圧を安定させることができ、振動子の自
励振動時の振幅を安定させることができるとともに、振
動子の共振周波数以外の周波数での異常発振を防止する
ことができる自励振回路及びこれを用いた圧電振動角速
度計を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様による自励振回路は、振動子を
自励振駆動する自励振回路において、前記振動子の振動
状態を示す第1の正弦波電圧を、当該第1の正弦波電圧
が所定の基準レベルより大きいときに第1の所定レベル
となるとともに当該第1の正弦波電圧が前記基準レベル
より小さいときに第2の所定レベルとなる方形波電圧に
変換する変換手段と、前記方形波電圧から前記第1の正
弦波電圧と同一周波数の第2の正弦波電圧を濾波するフ
ィルタと、前記振動子の振動の振幅が略最大となるよう
に、前記フィルタにより濾波された第2の正弦波電圧の
位相を調整する移相器と、を備えたものである。
【0010】本発明の第2の態様による自励振回路は、
前記第1の態様による自励振回路において、前記振動子
からの1つの入力信号を電流信号として受けて該電流信
号を電圧信号に変換する電流電圧変換器を備え、前記変
換手段は、該電流電圧変換器の出力を前記第1の正弦波
電圧として前記方形波電圧に変換するものである。
【0011】本発明の第3の態様による自励振回路は、
前記第1の態様による自励振回路において、前記振動子
からの1つの入力信号を電圧信号として受ける手段を備
え、前記変換手段は、該電圧信号を前記第1の正弦波電
圧として前記方形波電圧に変換するものである。
【0012】本発明の第4の態様による自励振回路は、
前記第1の態様による自励振回路において、前記振動子
からの複数の入力信号を受けて該複数の入力信号の和に
相当する電圧信号を得る手段を備え、前記変換手段は、
前記複数の入力信号の和に相当する前記電圧信号を前記
第1の正弦波電圧として前記方形波電圧に変換するこも
のである。
【0013】本発明の第5の態様による自励振回路は、
前記第4の態様による自励振回路において、前記複数の
入力信号の和に相当する電圧信号を得る前記手段は、前
記複数の入力信号をそれぞれ電流信号として受けて該電
流信号をそれぞれ電圧信号に変換する複数の電流電圧変
換器を有するものである。
【0014】本発明の第6の態様による自励振回路は、
前記第4の態様による自励振回路において、前記複数の
入力信号の和に相当する電圧信号を得る前記手段は、前
記複数の入力信号をそれぞれ電圧信号として受ける手段
を有するものである。
【0015】本発明の第7の態様による自励振回路は、
前記第1乃至第6のいずれかの態様による自励振回路に
おいて、前記変換手段が、ゼロクロスコンパレータを含
むものである。
【0016】本発明の第8の態様による自励振回路は、
前記第7の態様による自励振回路において、前記変換手
段が、前記ゼロクロスコンパレータの出力を減衰させる
アッテネータを更に含むものである。
【0017】本発明の第9の態様による自励振回路は、
前記第8の態様による自励振回路において、前記アッテ
ネータが、可変抵抗器を含む分圧回路からなるものであ
る。
【0018】本発明の第10の態様による圧電振動角速
度計は、振動子と、該振動子を自励振駆動する自励振回
路とを備え、前記自励振回路が請求項1乃至9のいずれ
かに記載の自励振回路であるものである。
【0019】本発明の第11の態様による圧電振動角速
度計は、前記第10の態様による圧電振動角速度計にお
いて、前記振動子が、直方体形状の圧電材料からなる第
1及び第2の部材と、前記第1の部材の第1の側面と前
記第2の部材の第1の側面との間に挟んで形成された第
1の電極と、前記第1の部材の前記第1の側面に相対す
る前記第1の部材の第2の側面における両側位置にそれ
ぞれ形成されるか、あるいは、前記第1の部材の前記第
1の側面と隣合う前記第1の部材の第3及び第4の側面
にそれぞれ形成された第2及び第3の電極と、前記第2
の部材の前記第1の側面に相対する前記第2の部材の第
2の側面に形成された第4の電極と、を備えたものであ
る。
【0020】本発明の第12の態様による圧電振動角速
度計は、前記第11の態様による圧電振動角速度計にお
いて、前記振動子が、前記第1の部材の前記第2の側面
の略中央の位置に形成された第5の電極を更に備えたも
のである。
【0021】本発明の第13の態様による圧電振動角速
度計は、前記第10の態様による圧電振動角速度計にお
いて、前記振動子が、直方体形状の圧電材料からなる第
1の部材と、直方体形状の第2の部材と、前記第1の部
材の第1の側面と前記第2の部材の第1の側面との間に
挟んで形成された第1の電極と、前記第1の部材の前記
第1の側面に相対する前記第1の部材の第2の側面にお
ける両側位置にそれぞれ形成されるか、あるいは、前記
第1の部材の前記第1の側面と隣合う前記第1の部材の
第3及び第4の側面にそれぞれ形成された第2及び第3
の電極と、前記第1の部材の前記第2の側面の略中央の
位置に形成された第4の電極と、を備えたものである。
【0022】本発明の第14の態様による圧電振動角速
度計は、前記第10の態様による圧電振動角速度計にお
いて、前記振動子が、円柱形状の圧電材料からなる部材
と、該部材の外周面上に軸方向に形成された複数の帯状
電極と、を備えたものである。
【0023】本発明の第15の態様による圧電振動角速
度計は、前記第10の態様による圧電振動角速度計にお
いて、前記振動子が、多角柱(三角柱以上)形状の金属
からなる部材と、該部材の複数の側面にそれぞれ接合さ
れた複数の圧電素子と、を備えたものである。
【0024】
【作用】本発明によれば、振動子の振動状態を示す第1
の正弦波電圧が変換手段により所定レベルの方形波電圧
に変換される。第1の正弦波電圧は、振動子からの1つ
又は複数の入力信号に基づいて得られ、その振幅は、振
動子の機械的及び電気的な不安定性により変動するが、
方形波電圧のレベルは常に前記所定レベルに保たれる。
フィルタにより該方形波電圧から前記第1の正弦波電圧
と同一周波数の第2の正弦波電圧が濾波される。したが
って、第1の正弦波電圧の振幅の変動にかかわらず、す
なわち、振動子の機械的及び電気的な不安定性にかかわ
らず、第2の正弦波電圧の振幅は所定レベルに保証され
る。そして、第2の正弦波電圧の位相は、移相器によっ
て、振動子の振動の振幅が略最大となるように調整され
る。移相器の出力が駆動電圧として振動子に供給されて
正帰還がかけられる。これにより振動子が自励振駆動さ
れる。
【0025】したがって、本発明によれば、振動子に供
給される駆動電圧の振幅は、振動子の機械的及び電気的
な不安定性にかかわらず、所定レベルに保持されて安定
する。よって、振動子の自励振動時の振幅が安定し、振
動子の共振周波数以外の周波数での異常発振が防止され
る。
【0026】なお、振動子として、前記第11乃至第1
3の態様の構造の振動子を採用すれば、両面に電極パタ
ーンが形成された圧電板2枚を接合して切断するなどす
ることによって、一度に大量の振動子を製造することが
できるとともに、反応性エッチング等による電極パター
ン形成、精密切断機等による接合板の切断を行うことに
よって、小型の振動子を再現性良く製造することができ
る。
【0027】
【実施例】以下、本発明による自励振回路及びこれを用
いた圧電振動角速度計について、図面を参照して説明す
る。
【0028】まず、本発明の第1の実施例による圧電振
動角速度計について、図1乃至図3を参照して説明す
る。
【0029】図1は、本実施例による圧電振動角速度計
を示す回路図である。
【0030】本実施例による圧電振動角速度計は、図1
に示すように、振動子20と、該振動子20を自励振駆
動する自励振回路21と、振動子20からの入力信号に
基づいて振動子20に作用するコリオリ力に相当する検
出信号を得る検出回路22と、を備えている。
【0031】まず、振動子20について、図2を参照し
て説明する。図2は、振動子20を示す図であり、図2
(a)はその斜視図、図2(b)はその正面図である。
【0032】図2に示すように、振動子20は、直方体
形状(厳密に直方体でなくてもよい)の圧電材料からな
る第1及び第2の部材30,31と、第1の部材30の
第1の側面(図2では下面)と第2の部材31の第1の
側面(図2では上面)との間に挟んで形成された電極3
2と、第1の部材30の前記第1の側面に相対する第1
の部材30の第2の側面(図2では上面)における両側
位置にそれぞれ形成された電極33,34と、第2の部
材31の前記第1の側面に相対する第2の部材31の第
2の側面(図2では下面)に形成された電極35と、を
備えている。
【0033】本実施例では、第1及び第2の部材30,
31は、圧電セラミック(例えば、チタン酸ジルコン酸
鉛(PZT))からなり、それらの厚みは0.5mm、
幅は1.0mm、長さは9.0mmとされている。もっと
も、本発明では、このような寸法に限定されるものでは
ない。第1の部材30の分極方向は図2中の上方向、第
2の部材31の分極方向は図2中の下方向である。電極
33,34は、第1の部材30の上面の両側位置に、第
1の部材30の長さ方向に銀ペーストで形成され、それ
ぞれの幅が0.3mmとされている。電極35は、第2
の部材31の下面の全面に銀ペーストで形成されてい
る。電極32は、第1の部材30の下面の全面に予め形
成された銀ペーストと第2の部材31の上面の全面に予
め形成された銀ペーストとを、エポキシ性接着剤等の接
着剤(図示せず)により接合した構造とされている。前
記接着剤による振動子の振動への影響を極力なくすため
に、前記接着剤として粘度の低いものを用いることが好
ましい。なお、前記接着剤自体が導電性を有していなく
ても、接着の際に適当に圧力を加えることにより、第1
の部材30の下面に形成された銀ペーストと第2の部材
31の上面に形成された銀ペーストとの間には接着剤が
介在せずに直接接触する多くの微小領域が存在し、両者
は電気的に接続されることになる。もっとも、前記接着
剤として導電性接着剤を用いてもよい。
【0034】振動子20は、このような構造を有してい
るので、一度に大量に製造することができる。すなわ
ち、電極33,34の電極パターン及び電極32の一部
を構成する電極パターンを予め多数の振動子20の分形
成した圧電板と、電極35の電極パターン及び電極32
の他の一部を構成する電極パターンを予め多数の振動子
20の分形成した圧電板とを前記接着剤にて接合し、こ
の接合板を個々の振動子20に切断することによって、
一度に大量の振動子20を製造することができる。ま
た、反応性エッチング等による電極パターン形成、精密
切断機等による接合板の切断を行うことによって、小型
の振動子20を再現性良く製造することができる。
【0035】この振動子20では、例えば、電極32が
基準電極(アース電極)、電極33,34がコリオリ力
検出用電極、電極35が振動子励振用電極(駆動電極)
として、用いられる。また、電極33,34のうちの一
方又は両方が、自励振回路の入力信号を取り出すために
用いられる、すなわち、振動子20の振動状態を示す電
圧を得るための信号を自励振用として取り出すために、
用いられる。電極32を基準電極として、電極35に励
振用電圧(駆動電圧)を印加すると、第2の部材31が
電極32,35の面と垂直な方向(図2中の上下方向)
に屈曲振動し、したがって、振動子20の全体がこの方
向に屈曲振動する。部材30,31の長さ方向に延びた
任意の軸を中心として振動子20が回転したとすると、
部材30,31の幅方向にコリオリ力が発生し、このコ
リオリ力により振動子20がこの方向に屈折振動が発生
する。この屈折振動により、コリオリ力に相当する信号
が逆位相でそれぞれ電極33,34に発生する。電極3
3,34に発生する信号には、この信号のみならず、電
極32,35の面と垂直な方向の振動子20の屈曲振動
(励振)による信号も含まれるが、電極33の信号と電
極34の信号との差動をとって励振による成分をキャン
セルすることにより、コリオリ力に相当する信号のみを
得ることができ、したがって、振動子20の回転速度
(角速度)を測定することができる。
【0036】なお、部材30,31の材料としては、駆
動電圧印加により効果的に振動子20が振動するため
と、振動子20の振動による発生電圧が大きく取れるよ
うに、それぞれQの大きい圧電材料が選択される。ま
た、振動子20の厚み方向の共振周波数と幅方向の共振
周波数をほぼ一致させることが好ましい。両者を一致さ
せると、振動子20の断面は、略正方形になる。この周
波数合わせは、例えば、振動子20を振動させながら側
面をレーザー等で削ることにより共振周波数を調整する
ことによって、行われる。
【0037】次に、図1及び図3を参照して、自励振回
路21について説明する。図3は、図1中のa〜e点の
波形を示す波形図である。
【0038】自励振回路21は、図1に示すように、電
流電圧変換器(I−V変換器)40と、ゼロクロスコン
パレータ41と、アッテネータ42と、バンドパスフィ
ルタ43と、移相器44とを備えている。
【0039】電流電圧変換器40の入力側が、自励振回
路21の入力端となっており、振動子20の電極33
(勿論、電極34でもよい。)に接続される。電極35
と電極32との間に振動子20の共振周波数の正弦波の
交流電圧が印加される(後述するように、オペアンプ7
2からなる電圧ホロワにより印加される)と、振動子2
0が電極32,35の面に垂直な方向に振動する。この
振動により、電極33,34からは、圧電効果により振
動子20の共振周波数の正弦波が発生する。
【0040】図1に示すように、電流電圧変換器40
は、オペアンプ51、抵抗器52及びコンデンサ53で
構成されている。電流電圧変換器40は、その入力側が
振動子20の電極33に接続され、振動子20からの1
つの入力信号(本実施例では、電極33からの信号)を
電流信号として受けて該電流信号を電圧信号に変換して
出力する。すなわち、本実施例では、振動子20が振動
すると、その圧電効果により発生した電荷が電極33を
介して電流としてオペアンプ51の仮想接地点に流れ込
み、その電流が電圧に変換される。このように、本実施
例では、振動子20からの圧電信号を電流信号として取
り出しているので、圧電信号をロスすることなく取り出
すことができる。なお、本実施例では、入力電流と出力
電圧の位相は反転する。また、抵抗器52とコンデンサ
53によりローパスフィルタが構成され、これにより高
周波成分がカットされるようになっている。もっとも、
コンデンサ53を削除してもよい。
【0041】電流電圧変換器40から出力される電圧信
号(正弦波電圧)を図3(a)に示す。電流電圧変換器
40の出力の振幅は、図3(a)中に実線と点線に示す
ように、例えば振動子20に角速度が加わってコリオリ
力が発生した場合にこれに応じて必然的に変化する。ま
た、電流電圧変換器40の出力の振幅は、振動子20の
機械的及び電気的な不安定性により変動する。
【0042】ゼロクロスコンパレータ41は、オペアン
プ54を用いて構成されており、電流電圧変換器40の
出力(本実施例では、この出力が振動子20の振動状態
を示す正弦波電圧に相当する)を、電流電圧変換器40
の出力がゼロレベル(電極32の電位)より大きいとき
に正の電源電圧レベル(例えば、+3V)となるととも
に電流電圧変換器40の出力がゼロレベルより小さいと
きに負の電源電圧レベル(例えば、−3V)となる方形
波電圧に変換する。この際、入力波形の振幅に関係な
く、ゼロクロスコンパレータ41によって、電源電圧で
決定される出力振幅に保証され、出力される。図3
(b)にゼロクロスコンパレータ41の出力を示す。な
お、本実施例では、ゼロクロスコンパレータ41が用い
られ、ゼロレベルを基準レベルとし、前記方形波電圧が
直流成分を持たないが、前記方形波電圧が直流成分を持
つようにしてもよい。
【0043】アッテネータ42は、抵抗器55及び可変
抵抗器56からなる分圧回路で構成されており、ゼロク
ロスコンパレータ41の出力(方形波電圧)の振幅をそ
の分圧比に応じて減衰させて出力する。アッテネータ4
2から出力される方形波電圧の振幅は、可変抵抗器56
を調整することにより任意に設定することができる。ア
ッテネータ42の出力を図3(c)に示す。アッテネー
タ42内の可変抵抗器56によりその出力電圧の振幅を
減少調節することにより、以下で述べる、電極35に正
帰還をかける電圧(駆動電圧)が一定となり、振動子2
0を一定の振幅で自励振させることが可能になる。な
お、ゼロクロスコンパレータ41から出力される方形波
電圧の振幅が適当なものであれば、アッテネータ42を
削除してもよい。
【0044】バンドパスフィルタ43は、オペアンプ5
7〜59、抵抗器60〜65及びコンデンサ66により
構成された状態変数型のフィルタであり、振動子20の
共振周波数付近のみを通過させる。すなわち、バンドパ
スフィルタ43は、アッテネータ42の出力の方形波電
圧から、電流電圧変換器40の出力電圧と同一周波数の
正弦波電圧を濾波する。本実施例では、バンドパスフィ
ルタ43は、入力されたアッテネータ42の出力の方形
波電圧に対し、位相反転した(位相反転させるのは、電
流電圧変換器40で入力電流と出力電圧の位相が反転し
ていることによる。)振幅一定の、振動子20の共振周
波数の正弦波電圧を出力する。図3(d)にその出力波
形を示す。バンドパスフィルタ43に代えて、ローパス
フィルタを用いてもよい。なお、バンドパスフィルタ4
3の通過帯域は、抵抗器60〜65の抵抗値により決定
される。
【0045】図3(d)に示すように、バンドパスフィ
ルタ43から出力される正弦波電圧の位相は、振動子2
0の振動の振幅が略最大となるような位相からずれ、少
し遅れるのが一般的である。
【0046】移相器44は、振動子20の振動の振幅が
略最大となるように、バンドパスフィルタ43により濾
波された正弦波電圧の位相を調整する。図3(e)にそ
の出力波形を示す。本実施例では、バンドパスフィルタ
43は、オペアンプ67、抵抗器68,69、可変抵抗
器70及びコンデンサ75で構成され、可変抵抗器70
の抵抗値を調節することにより、出力波形の位相を微調
節できるようになっている。なお、本実施例では、バン
ドパスフィルタ43の出力側と移相器44の入力側との
間には、オペアンプ71からなる電圧ホロワが設けられ
ているが、これは削除することもできる。
【0047】移相器44の出力側には、オペアンプ72
からなる電圧ホロワの入力側が接続され、この電圧ホロ
ワの出力側が自励振回路21の出力端となっており、こ
の出力端は振動子20の電極35に接続される。これに
より、移相器44の出力が電圧ホロワを介して電極35
に供給されて振動子20の共振周波数の正帰還がかか
り、振動子20を共振周波数で効率よく、正確に自励振
駆動させることが可能になる。なお、オペアンプ72か
らなる電圧ホロワも削除して、移相器44の出力側を自
励振回路21の出力端としてもよい。
【0048】なお、電流電圧変換器40、ゼロクロスコ
ンパレータ41、アッテネータ42、フィルタ43及び
移相器44の構成は、前述した構成に限定されるもので
はない。
【0049】以上説明した自励振回路21によれば、電
流電圧変換器40の出力である振動子20の振動状態を
示す正弦波電圧(図3(a))の振幅の変動にかかわら
ず、すなわち、振動子の機械的及び電気的な不安定性や
コリオリ力の影響にかかわらず、駆動電圧とされる移相
器44の出力である正弦波電圧(駆動電圧)の振幅は、
所定レベルに保証されて安定する。よって、振動子20
の自励振動時の振幅が安定し、振動子20の共振周波数
以外の周波数での異常発振が防止される。
【0050】次に、再び図1を参照して、検出回路22
について説明する。本実施例では、検出回路22は、電
流電圧変換器80と、差動回路81とを備えている他、
前記電流電圧変換器40も検出回路22の一部として共
用されている。電流電圧変換器80は、前記電流電圧変
換器40と同様に、オペアンプ82、抵抗器83及びコ
ンデンサ84で構成されている。電流電圧変換器80の
入力側は、振動子20の電極34に接続される。差動回
路81は、電流電圧変換器40,80の出力の差動をと
って出力する。既に振動子20に関して説明した所から
明らかなように、差動回路81の出力が、コリオリ力に
相当する信号、すなわち、検出信号となる。
【0051】次に、本発明の第2の実施例による圧電振
動角速度計について、図4を参照して説明する。図4
は、本実施例による圧電振動角速度計を示す回路図であ
る。図4において、図1に示す構成要素と同一又は対応
する構成要素には同一符号を付し、その説明は省略す
る。
【0052】図4に示す圧電振動角速度計が前述した図
1に示す圧電振動角速度計と異なる所は、次の点のみで
ある。すなわち、図1に示す圧電振動角速度計の自励振
回路21では、振動子20の電極33,34のうち一方
の電極33のみから電流電圧変換器40で電流信号を取
り出し電圧信号に変換してゼロクロスコンパレータ41
に直接入力させていたのに対して、図4に示す圧電振動
角速度計の自励振回路100では、検出回路22の電流
電圧変換器80を共用し、振動子20の電極33,34
の両方から電流電圧変換器40,80でそれぞれ電流信
号を取り出しそれぞれ電圧信号に変換し、加算器90で
それらの電圧信号の和をとり、その和(本実施例では、
この和が振動子20の振動状態を示す正弦波電圧に相当
する)をゼロクロスコンパレータ41に入力させてい
る。本実施例では、加算器90は、抵抗器91,92で
構成されているが、これに限定されるものではない。
【0053】電極33,34から得られるコリオリ力に
係る信号は互いに逆位相で発生するため、個々の電流電
圧変換器40,80から出力される電圧信号はコリオリ
力により逆位相に振幅が変化する正弦波であり、これら
出力の和を加算器90でとることにより、この変化が相
殺されコリオリ力と無関係に一定になるはずである。し
かし、現実には、電極33,34の面積の微妙な違いや
PZTの局所的な、場所的な特性の違いや、振動子20
のその他の機械的及び電気的な不安定性により、加算器
90の出力(和の出力)が一定にならず、加算器90の
出力の振幅が変動してしまう。
【0054】しかし、この振幅変化した正弦波電圧信号
はゼロクロスコンパレータ41に入力され、その出力
は、電源電圧で決定される振幅の矩形電圧に変換され、
その入力の振幅出力には依存しなくなる。その後のアッ
テネータ42、バンドパスフィルタ43、移相器44の
機能は図1に示す自励振回路21の場合と同じである。
【0055】したがって、本実施例によっても、振動子
20の自励振動時の振幅が安定し、振動子20の共振周
波数以外の周波数での異常発振が防止される。
【0056】次に、本発明の第3の実施例による圧電振
動角速度計について、図5を参照して説明する。図5
は、本実施例による圧電振動角速度計を示す回路図であ
る。図5において、図1に示す構成要素と同一又は対応
する構成要素には同一符号を付し、その説明は省略す
る。
【0057】図5に示す圧電振動角速度計が前述した図
1に示す圧電振動角速度計と異なる所は、次の点のみで
ある。すなわち、図1に示す圧電振動角速度計の自励振
回路21では、電流電圧変換器40を用いて振動子20
の電極33からの入力信号を電流信号として取り出して
電圧信号に変換していたのに対し、図5に示す圧電振動
角速度計の自励振回路110では、振動子20の電極3
3からの入力信号を抵抗器105を経由して電圧信号と
して取り出し、これをゼロクロスコンパレータ41に入
力させている。また、これに合わせて、図5中の検出回
路120では、振動子20の電極34からの入力信号を
抵抗器106を経由して電圧信号として取り出してい
る。差動回路81は、抵抗器105,106からのそれ
ぞれの電圧信号の差動をとる。なお、図1に示す圧電振
動角速度計の自励振回路21では、電流電圧変換器40
の入力電流と出力電圧の位相が反転していたのに対し、
図5に示す圧電振動角速度計の自励振回路110では、
このような位相の反転がないので、図5中の移相器44
の位相の調整量は図1中の移相器44の位相の調整量と
異なる。
【0058】本実施例によっても、図1に示す圧電振動
角速度計と同様に、振動子20の自励振動時の振幅が安
定し、振動子20の共振周波数以外の周波数での異常発
振が防止される。
【0059】次に、本発明の第4の実施例による圧電振
動角速度計について、図6を参照して説明する。図6
は、本実施例による圧電振動角速度計を示す回路図であ
る。図6において、図4に示す構成要素と同一又は対応
する構成要素には同一符号を付し、その説明は省略す
る。
【0060】図6に示す圧電振動角速度計が前述した図
4に示す圧電振動角速度計と異なる所は、次の点のみで
ある。すなわち、図4に示す圧電振動角速度計の自励振
回路100では、電流電圧変換器40,80を用いて振
動子20の電極33,34からの入力信号をそれぞれ電
流信号として取り出してそれぞれ電圧信号に変換し、加
算器90でそれらの電圧信号の和をゼロクロスコンパレ
ータ41に入力させていたのに対し、図6に示す圧電振
動角速度計の自励振回路130では、加算器131を用
いて振動子20の電極33,34からの入力信号を電圧
信号として取り出してそれらの電圧信号の和をゼロクロ
スコンパレータ41に入力させている。また、これに合
わせて、図6中の検出回路140では、振動子20の電
極33,34からの入力信号を抵抗141,142をそ
れぞれ経由して電圧信号として取り出し、差動回路81
は、抵抗器141,142からのそれぞれの電圧信号の
差動をとる。本実施例では、加算器131は、オペアン
プ132及び抵抗器133〜135で構成されている
が、これに限定されるものではない。この加算器131
では、入力電圧と出力電圧の位相は反転する。
【0061】次に、本発明による圧電振動角速度計にお
いて用いられる振動子の他の例について、図7を参照し
て説明する。図7は、この振動子200を示す図であ
り、図7(a)はその斜視図、図7(b)はその正面図
である。図7において、図2中の構成要素と同一構成要
素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0062】この振動子200が図2に示す振動子20
と異なる所は、振動子200では、電極201が追加さ
れている点のみである。すなわち、振動子200では、
第1の部材30の第2の側面(図7では上面)における
略中央の位置に、電極33,34と独立して、電極20
0が形成されている。本例では、電極201は、第1の
部材30の上面の中央に第1の部材30の長さ方向に銀
ペーストで形成され、その幅も0.3mmとされてい
る。電極200は、第1の部材30の上面の中央に形成
されているので、コリオリ力による部材30,31の幅
方向の屈曲振動によっては電圧変動がなく、また、電極
33,34と独立しているので、検出回路と自励振回路
とを電気的に分離でき、両者の相互干渉を防止すること
ができる。
【0063】この振動子200は、例えば、図1や図5
に示す自励振回路21,110と組み合わせることがで
きる。振動子200を図1に示す自励振回路21と組み
合わせる場合、例えば、振動子200の電極201が電
流電圧変換器40の入力側に接続され、振動子200の
電極35が電圧ホロワ72の出力側に接続される。ま
た、振動子200の電極34が検出回路22の電流電圧
変換器80の入力側に接続され、検出回路22に電流電
圧変換器80と同様の電流電圧変換器(図示せず)が追
加され、振動子200の電極33が追加した電流電圧変
換器の入力側に接続され、差動回路81は電流電圧変換
器80の出力と追加した電流電圧変換器の出力との差動
をとる。振動子200を図5に示す自励振回路110と
組み合わせる場合も、同様である。
【0064】また、図1、図4、図5、図6に示す圧電
振動角速度計において、図2に示す振動子20の代わり
に、図8に示す振動子210を用いてもよい。
【0065】図8は振動子210を示し、図8(a)は
その斜視図、図8(b)はその正面図である。図8にお
いて、図2中の構成要素と同一又は対応する構成要素に
は同一符号を付し、その説明は省略する。
【0066】この振動子200が前記振動子20と異な
る所は、電極33,34が、第1の部材30の上面(第
2の側面)にではなく、第1の部材30の第1の側面
(下面)と隣合う第1の部材30の第3及び第4の側面
にそれぞれ形成されている点のみである。しかしなが
ら、振動子200が振動子20と実質的に等価であるこ
とは、明白である。
【0067】また、図7に示す振動子200の場合と同
様にして、図9に示す振動子220を図1や図5に示す
自励振回路21,110と組み合わせてもよい。
【0068】図9は振動子220を示し、図9(a)は
その斜視図、図9(b)はその正面図である。図9にお
いて、図7中の構成要素と同一又は対応する構成要素に
は同一符号を付し、その説明は省略する。
【0069】この振動子220が図7に示す前記振動子
200と異なる所は、電極33,34が、第1の部材3
0の上面(第2の側面)にではなく、第1の部材30の
第1の側面(下面)と隣合う第1の部材30の第3及び
第4の側面にそれぞれ形成されている点のみである。し
かしながら、振動子220が振動子200と実質的に等
価であることは、明白である。
【0070】また、図1、図4、図5、図6に示す圧電
振動角速度計において、図2に示す振動子20の代わり
に、図10に示す振動子230を用いてもよい。
【0071】図10は振動子230を示し、図10
(a)はその斜視図、図10(b)はその正面図であ
る。図10において、図2中の構成要素と同一構成要素
には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0072】この振動子230が前記振動子20と異な
る所は、振動子230では、振動子20で第2の部材3
1の第2の側面(図10では下面)に形成されていた電
極35が削除され、代わりに、電極231が追加されて
いる点である。電極231は、第1の部材30の第2の
側面(図10では上面)の略中央の位置に第1の部材3
0の長さ方向に銀ペーストで形成され、その幅は電極3
3,34より広くされている。
【0073】図2に示す振動子20では、第2の部材3
1の圧電現象を利用して振動子20全体を励振させてい
たのに対し、図10に示す振動子230では、第2の部
材31の圧電現象は全く利用せずに、第1の部材30の
圧電現象のみを利用して振動子230の振動の検出のみ
ならず振動子230全体の励振を行う。しかし、振動子
230も振動子20と同様である。
【0074】なお、振動子230では、第2の部材31
の圧電現象を全く利用せず、第2の部材31は圧電的に
不活性であるので、第2の部材31の材料としては、圧
電材料のみならず圧電的に本来不活性な材料、例えば、
アルミナやガラス等を用いてもよい。
【0075】なお、この振動子230を、図1、図4、
図5、図6に示す圧電振動角速度計において図2に示す
振動子20の代わりに用いる場合には、各自励振回路2
1,100,110,130の出力端を振動子230の
電極231に接続する。
【0076】また、図1、図4、図5、図6に示す圧電
振動角速度計において、図2に示す振動子20の代わり
に、図11に示す振動子240を用いてもよい。
【0077】図11は振動子240を示し、図11
(a)はその斜視図、図11(b)はその正面図であ
る。図11において、図10中の構成要素と同一又は対
応する構成要素には同一符号を付し、その説明は省略す
る。
【0078】この振動子240が図10に示す振動子2
30と異なる所は、電極33,34が、第1の部材30
の上面(第2の側面)にではなく、第1の部材30の第
1の側面(下面)と隣合う第1の部材30の第3及び第
4の側面にそれぞれ形成されている点のみである。しか
しながら、振動子240が振動子230と実質的に等価
であることは、明白である。
【0079】次に、本発明による圧電振動角速度計にお
いて用いられる振動子の更に他の例について、図12を
参照して説明する。図12は、この振動子300を示す
図であり、図12(a)はその斜視図、図12(b)は
その正面図である。
【0080】この振動子300は、断面が一辺2mmの
正方形、長さ15mmのエリンバー合金の金属柱(支
柱)310の4側面に、両面に銀ペーストにより電極
(図示せず)を形成した縦1.6mm、横3mm、厚み
0.3mmのPZT板(すなわち、圧電素子)320,
330,340,350を接着させたものである。な
お、各部の寸法は、これらの寸法に限定されるものでは
ない。
【0081】PZT板320は逆圧電効果による振動子
励起用、PZT板330は圧電効果により振動子300
の振動による電圧発生用、PZT板340,350は長
さ方向に平行な軸の周りに回転し角速度を持った場合に
発生するコリオリ力感知用である。金属柱310はアー
ス電位として使用するため、各PZT板320,33
0,340,350の金属柱310に接触している面の
電極はアース電位になる。PZT板320は印加される
正弦波電圧により振動し、その振動により金属柱310
がPZT板320の厚み方向に凹凸になるように振動す
る。PZT板330は金属柱310にならって振動し、
電圧効果により振動と同じ周波数の電圧が発生する。コ
リオリ振動感知用電極340,350は、振動子と同じ
で且つ互いに同じ振動数で、コリオリ力分が逆位相で電
圧を発生する。
【0082】この振動子300の場合も、図1、図4、
図5、図6の自励振動回路を用いることができる。振動
子20の電極32として金属柱310を、電極33,3
4としてPZT板350,340の外側の電極を、電極
35としてPZT板320の外側の電極を使用すればよ
い。また、図1、図6の自励振回路の場合、すなわちP
ZT板340,350の一方をコンパレータ入力に使用
する場合に、このPZT板の代わりにPZT板330の
出力を使用しても、同様の自励振駆動ができる。
【0083】次に、本発明による圧電振動角速度計にお
いて用いられる振動子の更に他の例について、図13を
参照して説明する。図13は、この振動子400を示す
図であり、図13(a)はその斜視図、図13(b)は
その正面図である。
【0084】この振動子400は、断面が一辺2mmの
正三角形、長さ15mmの金属柱410の3側面に、両
面に銀ペーストにより電極(図示せず)を形成した縦
1.4mm、横3mm、厚み0.3mmのPZT板(すな
わち、圧電素子)420,430,440を接着させた
ものである。なお、各部の寸法は、これらの寸法に限定
されるものではない。金属柱410の材質は、図12に
示す振動子300の金属柱310と同様に、弾性係数の
温度変化が少ない金属材料が好ましい。
【0085】この振動子400の場合も、図1、図4、
図5、図6の自励振動回路を用いることができる。振動
子20の電極32として金属柱410を、電極33,3
4としてPZT板420,430の外側の電極を、電極
35としてPZT板440の外側の電極を使用すればよ
い。
【0086】次に、本発明による圧電振動角速度計にお
いて用いられる振動子の更に他の例について、図14を
参照して説明する。図14は、この振動子500を示す
図であり、図14(a)はその斜視図、図14(b)は
その正面図である。
【0087】この振動子500は、直径2mm、長さ1
4mmのPZT円柱510の側面に、長さ方向に個々に
平行に帯状の電極520,530,540,550,5
60を図14(b)に示すように形成したものである。
なお、各部の寸法は、これらの寸法に限定されるもので
はない。
【0088】この振動子500の場合も、図1、図4、
図5、図6の自励振動回路を用いることができる。振動
子20の電極32として2つの電極550,540を、
電極33,34として電極530,560を、電極35
として電極520を使用すればよい。
【0089】以上、本発明の各実施例について説明した
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0090】例えば、本発明による圧電振動角速度計で
用いられる振動子は前述した各振動子に限定されるもの
ではない。また、前記実施例は、本発明による自励振回
路で圧電振動角速度計の振動子を自励振駆動する例であ
ったが、本発明の自励振回路は他の装置等の振動子を自
励振駆動する場合にも用いることができる。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
振動子の機械的及び電気的な不安定性にもかかわらず駆
動電圧を安定させることができ、振動子の自励振動時の
振幅を安定させることができるとともに、振動子の共振
周波数以外の周波数での異常発振を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による圧電振動角速度計を示
す回路図である。
【図2】振動子の一例を示す図であり、(a)はその斜
視図、(b)はその正面図である。
【図3】図1中の回路各部の波形を示す波形図である。
【図4】本発明の他の実施例による圧電振動角速度計を
示す回路図である。
【図5】本発明の更に他の実施例による圧電振動角速度
計を示す回路図である。
【図6】本発明の更に他の実施例による圧電振動角速度
計を示す回路図である。
【図7】振動子の他の例を示す図であり、(a)はその
斜視図、(b)はその正面図である。
【図8】振動子の更に他の例を示す図であり、(a)は
その斜視図、(b)はその正面図である。
【図9】振動子の更に他の例を示す図であり、(a)は
その斜視図、(b)はその正面図である。
【図10】振動子の更に他の例を示す図であり、(a)
はその斜視図、(b)はその正面図である。
【図11】振動子の更に他の例を示す図であり、(a)
はその斜視図、(b)はその正面図である。
【図12】振動子の更に他の例を示す図であり、(a)
はその斜視図、(b)はその正面図である。
【図13】振動子の更に他の例を示す図であり、(a)
はその斜視図、(b)はその正面図である。
【図14】振動子の更に他の例を示す図であり、(a)
はその斜視図、(b)はその正面図である。
【図15】従来の自励振回路を示す図である。
【符号の説明】
20,200,210,220,230,240 振動
子 300,400,500 振動子 21,100,110,130 自励振回路 22,120,140 検出回路 40 電流電圧変換器 41 ゼロクロスコンパレータ 42 アッテネータ 43 バンドパスフィルタ 44 移相器

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動子を自励振駆動する自励振回路にお
    いて、 前記振動子の振動状態を示す第1の正弦波電圧を、当該
    第1の正弦波電圧が所定の基準レベルより大きいときに
    第1の所定レベルとなるとともに当該第1の正弦波電圧
    が前記基準レベルより小さいときに第2の所定レベルと
    なる方形波電圧に変換する変換手段と、 前記方形波電圧から前記第1の正弦波電圧と同一周波数
    の第2の正弦波電圧を濾波するフィルタと、 前記振動子の振動の振幅が略最大となるように、前記フ
    ィルタにより濾波された第2の正弦波電圧の位相を調整
    する移相器と、 を備えたことを特徴とする自励振回路。
  2. 【請求項2】 前記振動子からの1つの入力信号を電流
    信号として受けて該電流信号を電圧信号に変換する電流
    電圧変換器を備え、前記変換手段は、該電流電圧変換器
    の出力を前記第1の正弦波電圧として前記方形波電圧に
    変換することを特徴とする請求項1記載の自励振回路。
  3. 【請求項3】 前記振動子からの1つの入力信号を電圧
    信号として受ける手段を備え、前記変換手段は、該電圧
    信号を前記第1の正弦波電圧として前記方形波電圧に変
    換することを特徴とする請求項1記載の自励振回路。
  4. 【請求項4】 前記振動子からの複数の入力信号を受け
    て該複数の入力信号の和に相当する電圧信号を得る手段
    を備え、前記変換手段は、前記複数の入力信号の和に相
    当する前記電圧信号を前記第1の正弦波電圧として前記
    方形波電圧に変換することを特徴とする請求項1記載の
    自励振回路。
  5. 【請求項5】 前記複数の入力信号の和に相当する電圧
    信号を得る前記手段は、前記複数の入力信号をそれぞれ
    電流信号として受けて該電流信号をそれぞれ電圧信号に
    変換する複数の電流電圧変換器を有することを特徴とす
    る請求項4記載の自励振回路。
  6. 【請求項6】 前記複数の入力信号の和に相当する電圧
    信号を得る前記手段は、前記複数の入力信号をそれぞれ
    電圧信号として受ける手段を有することを特徴とする請
    求項4記載の自励振回路。
  7. 【請求項7】 前記変換手段が、ゼロクロスコンパレー
    タを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに
    記載の自励振回路。
  8. 【請求項8】 前記変換手段が、前記ゼロクロスコンパ
    レータの出力を減衰させるアッテネータを更に含むこと
    を特徴とする請求項7記載の自励振回路。
  9. 【請求項9】 前記アッテネータが、可変抵抗器を含む
    分圧回路からなることを特徴とする請求項8記載の自励
    振回路。
  10. 【請求項10】 振動子と、該振動子を自励振駆動する
    自励振回路とを備えた圧電振動角速度計において、前記
    自励振回路が請求項1乃至9のいずれかに記載の自励振
    回路であることを特徴とする圧電振動角速度計。
  11. 【請求項11】 前記振動子が、直方体形状の圧電材料
    からなる第1及び第2の部材と、前記第1の部材の第1
    の側面と前記第2の部材の第1の側面との間に挟んで形
    成された第1の電極と、前記第1の部材の前記第1の側
    面に相対する前記第1の部材の第2の側面における両側
    位置にそれぞれ形成されるか、あるいは、前記第1の部
    材の前記第1の側面と隣合う前記第1の部材の第3及び
    第4の側面にそれぞれ形成された第2及び第3の電極
    と、前記第2の部材の前記第1の側面に相対する前記第
    2の部材の第2の側面に形成された第4の電極と、を備
    えたことを特徴とする請求項10記載の圧電振動角速度
    計。
  12. 【請求項12】 前記振動子が、前記第1の部材の前記
    第2の側面の略中央の位置に形成された第5の電極を更
    に備えたことを特徴とする請求項11記載の圧電振動角
    速度計。
  13. 【請求項13】 前記振動子が、直方体形状の圧電材料
    からなる第1の部材と、直方体形状の第2の部材と、前
    記第1の部材の第1の側面と前記第2の部材の第1の側
    面との間に挟んで形成された第1の電極と、前記第1の
    部材の前記第1の側面に相対する前記第1の部材の第2
    の側面における両側位置にそれぞれ形成されるか、ある
    いは、前記第1の部材の前記第1の側面と隣合う前記第
    1の部材の第3及び第4の側面にそれぞれ形成された第
    2及び第3の電極と、前記第1の部材の前記第2の側面
    の略中央の位置に形成された第4の電極と、を備えたこ
    とを特徴とする請求項10記載の圧電振動角速度計。
  14. 【請求項14】 前記振動子が、円柱形状の圧電材料か
    らなる部材と、該部材の外周面上に軸方向に形成された
    複数の帯状電極と、を備えたことを特徴とすることを特
    徴とする請求項10記載の圧電振動角速度計。
  15. 【請求項15】 前記振動子が、多角柱形状の金属から
    なる部材と、該部材の複数の側面にそれぞれ接合された
    複数の圧電素子と、を備えたことを特徴とする請求項1
    0記載の圧電振動角速度計。
JP7170152A 1994-08-31 1995-06-13 自励振回路及びこれを用いた圧電振動角速度計 Pending JPH08338729A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7170152A JPH08338729A (ja) 1995-06-13 1995-06-13 自励振回路及びこれを用いた圧電振動角速度計
US08/661,788 US5794080A (en) 1994-08-31 1996-06-13 Piezoelectric vibration angular velocity meter and camera using the same
US11/441,460 USRE42923E1 (en) 1994-08-31 2006-05-26 Piezoelectric vibration angular velocity meter and camera using the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7170152A JPH08338729A (ja) 1995-06-13 1995-06-13 自励振回路及びこれを用いた圧電振動角速度計

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08338729A true JPH08338729A (ja) 1996-12-24

Family

ID=15899652

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7170152A Pending JPH08338729A (ja) 1994-08-31 1995-06-13 自励振回路及びこれを用いた圧電振動角速度計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08338729A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0860685A2 (en) * 1997-02-20 1998-08-26 Murata Manufacturing Co., Ltd. Vibrating gyroscope
US6564638B1 (en) 1999-01-13 2003-05-20 Murata Manufacturing Co., Ltd. Vibrating gyroscope having an enhanced sensitivity
JP2008539435A (ja) * 2005-04-26 2008-11-13 ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド 機械振動子制御エレクトロニクス
KR100879156B1 (ko) * 2004-01-20 2009-01-19 세이코 엡슨 가부시키가이샤 물리량 측정 장치

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0860685A2 (en) * 1997-02-20 1998-08-26 Murata Manufacturing Co., Ltd. Vibrating gyroscope
EP0860685A3 (en) * 1997-02-20 2000-05-24 Murata Manufacturing Co., Ltd. Vibrating gyroscope
US6564638B1 (en) 1999-01-13 2003-05-20 Murata Manufacturing Co., Ltd. Vibrating gyroscope having an enhanced sensitivity
KR100879156B1 (ko) * 2004-01-20 2009-01-19 세이코 엡슨 가부시키가이샤 물리량 측정 장치
JP2008539435A (ja) * 2005-04-26 2008-11-13 ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド 機械振動子制御エレクトロニクス

Similar Documents

Publication Publication Date Title
USRE42923E1 (en) Piezoelectric vibration angular velocity meter and camera using the same
JPH0933262A (ja) 励振駆動回路及び方法並びにこれを用いた圧電振動角速度計
US6018997A (en) Tuning fork type oscillator and vibration gyroscope using same
EP0744593B1 (en) Vibrating gyroscope
JPH08338729A (ja) 自励振回路及びこれを用いた圧電振動角速度計
JP2531021B2 (ja) 振動子
JPH09105638A (ja) 振動ジャイロ
EP0777105B1 (en) Vibration gyroscope and method for adjusting vibration-gyroscope characteristics
JP4044519B2 (ja) 音叉形圧電振動ジャイロ
JP3531295B2 (ja) 振動子及びこれを用いた圧電振動角速度計
JPH09113279A (ja) 振動ジャイロ
JP2590553Y2 (ja) 圧電振動ジャイロ
JP4044547B2 (ja) 圧電振動ジャイロ
JP2000283764A (ja) 角速度検出装置
JP3122925B2 (ja) 圧電振動ジャイロ用の圧電振動子
JPH09304081A (ja) 圧電振動角速度計用振動子
JPH11201758A (ja) 圧電振動子及びこれを用いた圧電振動角速度計
JPH1183495A (ja) 圧電振動子およびこの圧電振動子を用いた圧電振動角速度計
JP3690448B2 (ja) 圧電振動ジャイロ用圧電振動子
JP2006284437A (ja) 音叉形圧電振動ジャイロ
JPS6358111A (ja) 音叉形圧電体角速度センサ−
JPH08338731A (ja) 検出回路及びこれを用いた振動角速度計
JPH1183496A (ja) 圧電振動子およびこの圧電振動子を用いた圧電振動角速度計
JPH0843107A (ja) 圧電振動ジャイロ
JP3640003B2 (ja) エネルギー閉じ込め振動モードを利用した圧電振動ジャイロ