JP3531295B2 - 振動子及びこれを用いた圧電振動角速度計 - Google Patents

振動子及びこれを用いた圧電振動角速度計

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JP3531295B2 JP17015395A JP17015395A JP3531295B2 JP 3531295 B2 JP3531295 B2 JP 3531295B2 JP 17015395 A JP17015395 A JP 17015395A JP 17015395 A JP17015395 A JP 17015395A JP 3531295 B2 JP3531295 B2 JP 3531295B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は航空機、船舶、自動車等
のナビゲーションシステムやこれらの姿勢制御等、或い
はスチールカメラ、ビデオカメラの手振れや振動感知な
どに使用する圧電振動角速度計及びこれに用いられる振
動子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】振動角速度計は、振動している物体に回
転角速度が与えられると、その振動方向と垂直な方向に
コリオリ力を生ずるという力学現象を利用したジャイロ
スコープの一種である。
【0003】圧電振動角速度計用の振動子として、従来
の音叉型や金属多角柱側面に圧電板を張りつけた振動子
に代わり、本発明者らは、新規で小型化が可能なバイモ
ルフ型の振動子を発明した。
【0004】このバイモルフ型の振動子1の構造を図7
に示す。図7(a)はその斜視図、図7(b)はその正
面図である。
【0005】振動子1は、圧電材料であるチタン酸ジル
コン酸鉛(PZT)からなる直方体形状の第1及び第2
の部材2,3を張り合わせて作製される。第1の部材2
の寸法は、幅1mm、厚み0.5mm、長さ9mmであ
る。第1の部材2の第1の側面(図7では下面)の全面
には、銀ペーストにて電極4を形成する。第1の部材2
の前記第1の側面と相対する第2の側面(図7では上
面)における両側位置に、長さ方向に電極5,6をそれ
ぞれ銀ペーストにて形成する。第2の部材3は、第1の
部材2と同寸法である。第2の部材3の第1の側面(図
7では上面)の全面に銀ペーストにて電極4を形成し、
第2の部材3の前記第1の側面に相対する第2の側面
(図7では下面)の全面に銀ペーストにて電極7を形成
する。この第1の部材2と第2の部材3とを電極4を張
り合わせる形で接着剤にて接着する。こうして振動子1
が完成する。なお、第1の部材2の分極方向は図7中の
上方向、第2の部材3の分極方向は図7中の下方向であ
る。
【0006】この振動子1を用いた圧電振動角速度計を
図8に示す。該圧電振動角速度計は、振動子1の他に、
振動子1を自励振駆動する自励振回路20と、振動子1
からの信号に基づいて振動子1に作用するコリオリ力に
相当する検出信号を得る検出回路10と、を備えてい
る。
【0007】振動子1の電極4が基準電極(アース電
極)として用いられ、自励振回路20の出力端が電極7
に接続され、自励振回路20の入力端が電極5に接続さ
れ、検出回路10の2つの入力端がそれぞれ電極5,6
に接続されている。
【0008】自励振回路20により電極4と電極7との
間に励振用電圧(駆動電圧)が印加されると、振動子1
の第2の部材3が電極4,7の面と垂直な方向(図7中
の上下方向)に屈曲振動し、したがって、振動子1の全
体がこの方向に屈曲振動する。部材2,3の長さ方向に
延びた任意の軸を中心として振動子1が回転し角速度が
与えられると、部材2,3の幅方向にコリオリ力が発生
し、このコリオリ力により振動子1がこの方向に屈折振
動が発生する。この屈折振動により、コリオリ力に対応
する信号(電圧)が逆位相でそれぞれ電極5,6に発生
する。電極5,6に発生する電圧には、この信号のみな
らず、電極4,7の面と垂直な方向の振動子1の屈曲振
動(励振)による電圧も含まれる。
【0009】検出回路10は、電極5の信号と電極6の
信号との差動をとって励振による成分をキャンセルする
ことにより、コリオリ力に対応する信号のみを得、更に
その差動波形の包絡線を復調し、復調された信号をコリ
オリ力の検出信号として出力する。したがって、振動子
1の回転速度(角速度)を測定することができる。
【0010】なお、検出回路10の具体的な回路構成自
体は、周知である。
【0011】自励振回路20は、オペアンプ21及び抵
抗器22〜24からなる反転増幅器30と、抵抗器2
5,26及びコンデンサ27,28からなる2段のRC
フィルタにより構成されたローパスフィルタ31と、か
ら構成されている。電極5からの出力電圧が反転増幅器
30により反転増幅され、その増幅された電圧がローパ
スフィルタ31により位相調整され、その位相調整され
た電圧が駆動電圧として電極7に供給される。これによ
り、ループゲインが1以上となるように正帰還がかけら
れ、振動子1が自励振駆動される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記振動子1
を用いた圧電振動角速度計では、次のような問題があっ
た。
【0013】すなわち、振動子1にコリオリ力が働く
と、電極5からの出力電圧の振幅がコリオリ力に応じて
変動し、その変動した振動電圧が自励振回路20に入力
されるため、振動子1の自励振振動が不安定になる。ま
た、電極5が検出回路10の入力端及び自励振回路20
の入力端の両方に接続され、電極5の出力電圧がコリオ
リ力検出のための検出回路10と振動子1の自励振のた
めの自励振駆動回路20の両方に用いられているので、
両回路10,20間に相互作用が存在するのは避けよう
がない。
【0014】ところで、振動子1からの信号を自励振回
路20に入力させる方法として、電極5の出力と電極6
の出力の和をとり、この和を自励振回路20に入力させ
る方法がある。この方法を採用すると、コリオリ力によ
る振幅変化分が電極5と電極6とで互いに逆位相のた
め、互いに打ち消し合うことができるはずである。しか
し、実際には、電極5の面積と電極6の面積の差や、P
ZTの部分的な特性の不均一性のために、電極5,6間
の出力電圧中のコリオリ力による振幅変化分の大きさの
差を完全に零にすることは不可能であり、コリオリ力に
よる振幅変化分を完全にキャンセルすることは不可能で
ある。また、前記方法を採用したとしても、検出回路1
0と自励振回路20との間の相互作用は同様に存在し、
その影響を無視することはできない。
【0015】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、振動子の自励振振動を安定させることができるとと
もに、コリオリ力検出のための検出回路と振動子の自励
振のための自励振駆動回路との間の相互作用を防止する
ことができる、振動子及びこれを用いた圧電振動角速度
計を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様による振動子は、直方体形状の
圧電材料からなる第1及び第2の部材と、前記第1の部
材の第1の側面と前記第2の部材の第1の側面との間に
挟んで形成された第1の電極と、前記第1の部材の前記
第1の側面に相対する前記第1の部材の第2の側面にお
ける両側位置にそれぞれ形成されるか、あるいは、前記
第1の部材の前記第1の側面と隣合う前記第1の部材の
第3及び第4の側面にそれぞれ形成された第2及び第3
の電極と、前記第1の部材の前記第2の側面の略中央の
位置に形成された第4の電極と、前記第2の部材の前記
第1の側面に相対する前記第2の部材の第2の側面に形
成された第5の電極と、を備えたものである。
【0017】本発明の第2の態様による振動子は、直方
体形状の圧電材料からなる第1及び第2の部材と、前記
第1の部材の第1の側面と前記第2の部材の第1の側面
との間に挟んで形成された第1の電極と、前記第1の部
材の前記第1の側面に相対する前記第1の部材の第2の
側面における両側位置のうちの一方の位置に形成される
か、あるいは、前記第1の部材の前記第1の側面と隣合
う前記第1の部材の第3及び第4の側面のうちの一方に
形成された第2の電極と、前記第1の部材の前記第2の
側面の略中央の位置に形成された第3の電極と、前記第
2の部材の前記第1の側面に相対する前記第2の部材の
第2の側面に形成された第4の電極と、を備えたもので
ある。
【0018】本発明の第3の態様による振動子は、前記
第1又は第2の態様による振動子において、前記第1の
電極を挟んだ前記第1及び第2の部材の全体の断面であ
って、前記第1の部材の端面と平行な断面が、略正方形
であるものである。
【0019】本発明の第4の態様による圧電振動角速度
計は、前記第1の態様による振動子と、該振動子を自励
振駆動する自励振回路と、前記振動子からの信号に基づ
いて前記振動子に作用するコリオリ力に相当する検出信
号を得る検出回路と、を備え、前記検出回路は、前記第
2の電極からの信号及び前記第3の電極の信号に基づい
て前記検出信号を得、前記自励振回路は、前記第4及び
第5の電極のうちの一方からの信号に基づいて駆動信号
を得て該駆動信号を前記第4及び第5の電極のうちの他
方へ供給するものである。
【0020】本発明の第5の態様による圧電振動角速度
計は、前記第2の態様による振動子と、該振動子を自励
振駆動する自励振回路と、前記振動子からの信号に基づ
いて前記振動子に作用するコリオリ力に相当する検出信
号を得る検出回路と、を備え、前記検出回路は、前記第
2の電極からの信号に基づいて前記検出信号を得、前記
自励振回路は、前記第3及び第4の電極のうちの一方か
らの信号に基づいて駆動信号を得て該駆動信号を前記第
3及び第4の電極のうちの他方へ供給するものである。
【0021】
【作用】本発明によれば、第1の部材の第2の側面の略
中央の位置に電極を備えている。この電極は略中央の位
置に形成されているので、コリオリ力が振動子に作用し
ても、この電極からの信号の振幅は、コリオリ力により
振幅変調されず、常に一定である。したがって、この電
極を自励振回路用とするとともに、他の所定の電極を検
出回路用とすることによって、振動子の自励振振動を安
定させることができるとともに、コリオリ力検出のため
の検出回路と振動子の自励振のための自励振駆動回路と
の間の相互作用を防止することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明による振動子及びこれを用いた
圧電振動角速度計について、図面を参照して説明する。
【0023】まず、本発明の一実施例による振動子41
について、図1を参照して説明する。図1は本実施例に
よる振動子41を示す図であり、図1(a)はその斜視
図、図1(b)はその正面図である。
【0024】図1に示すように、振動子41は、直方体
形状(厳密に直方体でなくてもよい)の圧電材料からな
る第1及び第2の部材42,43と、第1の部材42の
第1の側面(図1では下面)と第2の部材43の第1の
側面(図1では上面)との間に挟んで形成された電極4
4と、第1の部材42の前記第1の側面に相対する第1
の部材42の第2の側面(図1では上面)における両側
位置にそれぞれ形成された電極45,46と、第1の部
材42の前記第2の側面の略中央の位置に形成された電
極47と、第2の部材43の前記第1の側面に相対する
第2の部材43の第2の側面(図1では下面)に形成さ
れた電極48と、を備えている。
【0025】本実施例では、第1及び第2の部材42,
43は、圧電セラミック(例えば、チタン酸ジルコン酸
鉛(PZT))からなり、それらの厚みは0.5mm、
幅は1.0mm、長さは9.0mmとされている。もっと
も、本発明では、このような寸法に限定されるものでは
ない。電極45,46は、第1の部材42の上面の両側
位置に、第1の部材42の長さ方向に銀ペーストで形成
され、それぞれの幅が0.2mmとされている。電極4
7は、第1の部材42の上面の幅方向の中央に、第1の
部材42の長さ方向に銀ペーストで形成され、その幅が
0.2mmとされている。電極48は、第2の部材43
の下面の全面に銀ペーストで形成されている。電極44
は、第1の部材42の下面の全面に予め形成された銀ペ
ーストと第2の部材43の上面の全面に予め形成された
銀ペーストとを、エポキシ性接着剤等の接着剤(図示せ
ず)により接合した構造とされている。前記接着剤によ
る振動子の振動への影響を極力なくすために、前記接着
剤として粘度の低いものを用いることが好ましい。な
お、前記接着剤自体が導電性を有していなくても、接着
の際に適当に圧力を加えることにより、第1の部材42
の下面に形成された銀ペーストと第2の部材43の上面
に形成された銀ペーストとの間には接着剤が介在せずに
直接接触する多くの微小領域が存在し、両者は電気的に
接続されることになる。もっとも、前記接着剤として導
電性接着剤を用いてもよい。
【0026】また、第1及び第2の部材42,43の分
極方向は、略厚み方向(図1中の上下方向)とされてい
る。第1及び第2の部材42,43の分極処理は、例え
ば、前もって部材42,43にそれぞれ厚み方向に施し
ておいてもよいし、部材42,43の接着後に電極44
を基準にし、この電極44と電極45,46,47,4
8との間に電圧を印加して施してもよい。前者の方法に
より分極処理された場合の部材42,43の分極の様子
の一例を図2(a)に示し、後者の方法により分極処理
された場合の部材42,43の分極の様子の一例を図2
(b)に示す。
【0027】なお、本実施例では、電極45,46,4
7の幅は0.2mmと同じであるが、この必要はない。
電極45,46の幅は互いに同じであることが好ましい
が、電極47の幅はこれらの幅より広くても狭くてもか
まわない。
【0028】また、部材42,43の材料としては、駆
動電圧印加により効果的に振動子41が振動するため
と、振動子41の振動による発生電圧が大きく取れるよ
うに、それぞれQの大きい圧電材料が選択される。ま
た、振動子41の厚み方向の共振周波数と幅方向の共振
周波数をほぼ一致させることが好ましい。両者を一致さ
せると、振動子41の断面(すなわち、電極44を挟ん
だ部材42,43の全体の断面であって、部材42の端
面と平行な断面)は、略正方形になる。この周波数合わ
せは、例えば、振動子41を振動させながら側面をレー
ザー等で削ることにより共振周波数を調整することによ
って、行われる。
【0029】振動子41は、前述したような構造を有し
ているので、一度に大量に製造することができる。すな
わち、電極45,46,47の電極パターン及び電極4
4の一部を構成する電極パターンを予め多数の振動子4
1の分形成した圧電板と、電極48の電極パターン及び
電極44の他の一部を構成する電極パターンを予め多数
の振動子41の分形成した圧電板とを前記接着剤にて接
合し、この接合板を個々の振動子41に切断することに
よって、一度に大量の振動子41を製造することができ
る。また、反応性エッチング等による電極パターン形
成、精密切断機等による接合板の切断を行うことによっ
て、小型の振動子41を再現性良く製造することができ
る。
【0030】次に、前記振動子41を用いた圧電振動角
速度計の一例を、図3に示す。該圧電振動角速度計は、
振動子41の他に、振動子41を自励振駆動する自励振
回路60と、振動子1からの信号に基づいて振動子1に
作用するコリオリ力に相当する検出信号を得る検出回路
50と、を備えている。
【0031】振動子41の電極44が基準電極(アース
電極)として用いられ、自励振回路60の出力端が電極
48に接続され、自励振回路60の入力端が電極47に
接続され、検出回路50の2つの入力端がそれぞれ電極
45,46に接続されている。
【0032】自励振回路60により電極44と電極48
との間に励振用電圧(駆動電圧)が印加されると、振動
子41の第2の部材43が電極44,48の面と垂直な
方向(図1中の上下方向)に屈曲振動し、したがって、
振動子41の全体がこの方向に屈曲振動する。すなわ
ち、振動子41が自励振を起こす。この状態において、
部材42,43の長さ方向に延びた任意の軸を中心とし
て振動子41が回転し角速度が与えられると、部材4
2,43の幅方向(図1(b)中の左右方向)にコリオ
リ力が発生し、このコリオリ力により振動子41がこの
方向に屈折振動が発生する。
【0033】図4には、振動子41が電極44,48の
面と垂直な方向(図1中の上下方向)に自励振を起こし
ているときに、振動子41がその長さ方向に平行な軸の
回りに角速度をもって回転し、振動子41の幅方向(図
1(b)中の左右方向)にコリオリ力による屈曲振動が
発生したときの、電極45,46,47からの出力の波
形を示す。図4(a)は電極47の出力を示し、図4
(b)は電極45の出力を示し、図4(c)は電極46
の出力を示す。電極47の出力は、図4(a)に示すよ
うに、自励振の周波数を持つ振幅が一定の正弦波とな
る。電極47は第1の部材42の上面における幅方向の
略中央に配置されているため、電極47の出力は振動子
41の自励振による電極44,48の面と垂直な方向
(図1中の上下方向)の屈曲振動にのみ対応したものと
なり、電極47の出力の振幅はコリオリ力によって変化
しない。一方、電極45,46の出力は、振動子41の
自励振による電極44,48の面と垂直な方向(図1中
の上下方向)の屈曲振動(励振)のみならずコリオリ力
による振動子41の幅方向(図1(b)中の左右方向)
の屈曲振動にも対応したものとなり、発生するコリオリ
力により互いに逆位相の振幅変調を受け、振幅が変化す
る。
【0034】コリオリ力により電極45の出力と電極4
6の出力が互いに逆位相の振幅変調を受けるのは、次の
理由による。すなわち、コリオリ力により振動子41が
図1(b)中の左右方向に凹凸するように振動子が振動
すると、電極44と電極45との間に圧縮応力(又は引
っ張り応力)が働くときに、電極44と電極46との間
には逆に引っ張り応力(又は圧縮応力)が働くことにな
り、コリオリ力による発生する電極45の電荷の符号と
電極46の電荷の符号とが逆になるためである。このこ
とは、図2に関連して既に説明したように、部材1,2
の分極方向が厚み方向となっていることにより保証され
る。
【0035】検出回路50は、電極45の信号と電極4
6の信号との差動をとって励振による成分をキャンセル
することにより、コリオリ力に対応する信号のみを得、
更にその差動波形の包絡線を復調し、復調された信号を
コリオリ力の検出信号として出力する。したがって、振
動子41の回転速度(角速度)を測定することができ
る。なお、検出回路50の具体的な回路構成自体は、周
知である。
【0036】自励振回路60は、オペアンプ51及び抵
抗器52〜54からなる反転増幅器70と、抵抗器5
5,56及びコンデンサ57,58からなる2段のRC
フィルタにより構成されたローパスフィルタ71と、か
ら構成されている。もっとも、自励振回路60の構成
は、このような構成に限定されるものではない。電極4
7からの出力電圧が反転増幅器70により反転増幅さ
れ、その増幅された電圧がローパスフィルタ71により
位相調整され、その位相調整された電圧が駆動電圧とし
て電極48に供給される。これにより、これにより、ル
ープゲインが1以上となるように正帰還がかけられ、振
動子41が自励振駆動される。
【0037】図3に示す圧電振動角速度計によれば、振
動子41が電極47を備え、自励振回路60の入力とし
て、コリオリ力により振幅が変化することがない振動子
41の電極47の出力を用いているので、振動子41の
自励振振動を安定させることができる。また、自励振回
路60の入力用として用いられている電極47は、コリ
オリ力検出用として用いられている電極45,46と独
立しているので、検出回路50と自励振回路60との間
の相互作用を防止することができる。
【0038】次に、図1に示す振動子41を用いた圧電
振動角速度計の他の例について、図5を参照して説明す
る。
【0039】図5において、図3中の構成要素と同一構
成要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0040】図5に示す圧電振動角速度計が前述した図
3に示す圧電振動角速度計と異なる所は、図3に示す圧
電振動角速度計では、自励振回路60の出力端が振動子
41の電極48に接続されるとともに自励振回路60の
入力端が電極47に接続されていたのに対し、図5に示
す圧電振動角速度計では、逆に、自励振回路60の入力
端が振動子41の電極48に接続されるとともに自励振
回路60の出力端が電極47に接続されている点のみで
ある。
【0041】図5に示す圧電振動角速度計では、図3に
示す圧電振動角速度計の場合と振動子41の電極48の
機能と電極47の機能が逆になるが、両者は実質的に等
価である。
【0042】なお、図5に示す圧電振動角速度計と図3
に示す圧電振動角速度計とでは、電極48の面積と電極
47の面積とが異なることから、振動子41が自励振し
た際に自励振回路60の反転増幅器70への入力電圧の
大きさが異なるが、自励振の周波数は同じであるので、
自励振回路60の回路構成は同じでよい。
【0043】次に、本発明の他の実施例による振動子1
00について、図6を参照して説明する。図6は振動子
100を示し、図6(a)はその斜視図、図6(b)は
その正面図である。図6において、図1中の構成要素と
同一又は対応する構成要素には同一符号を付し、その説
明は省略する。
【0044】この振動子100が図1に示す前記振動子
41と異なる所は、電極45,46が、第1の部材42
の上面(第2の側面)にではなく、第1の部材42の第
1の側面(下面)と隣合う第1の部材42の第3及び第
4の側面にそれぞれ形成されている点のみである。しか
しながら、振動子100が振動子41と実質的に等価で
あることは明白であり、図3や図5に示す圧電振動角速
度計において、振動子41の代わりに振動子100を用
いることができる。
【0045】また、以上説明した実施例では、振動子4
1,100は電極45及び電極46の両方を有していた
が、本発明では、そのうちの一方を取り除いてもよい。
このような振動子を用いて圧電振動角速度計を構成する
場合には、例えば、残りの電極45(又は電極46)を
検出回路の入力側に接続し、該検出回路において、電極
45の出力を半波整流回路及び平滑回路等により直流電
圧に変換し、該直流電圧と所定レベルの定電圧(コリオ
リ力が発生していない場合に相当するレベルの定電圧)
との差動をとり、その差動出力をコリオリ力の検出信号
とすることができる。その他の点については、図3や図
5の場合と同様である。
【0046】以上、本発明の各実施例について説明した
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
振動子の自励振振動を安定させることができるととも
に、コリオリ力検出のための検出回路と振動子の自励振
のための自励振駆動回路との間の相互作用を防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による振動子を示す図であ
り、(a)はその斜視図、(b)はその正面図である。
【図2】振動子の分極の様子を説明する説明図である。
【図3】本発明の一実施例による圧電振動角速度計を示
す図である。
【図4】振動子の各電極の出力波形を示す波形図であ
る。
【図5】本発明の他の実施例による圧電振動角速度計を
示す図である。
【図6】本発明の他の実施例による振動子を示す図であ
り、(a)はその斜視図、(b)はその正面図である。
【図7】本発明の基礎となった振動子を示す図であり、
(a)はその斜視図、(b)はその正面図である。
【図8】本発明の基礎となった圧電振動角速度計を示す
図である。
【符号の説明】
41,100 振動子 42 第1の部材 43 第2の部材 44,45,46,47,48 電極 50 検出回路 60 自励振回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−332988(JP,A) 特開 平8−338731(JP,A) 特開 平5−296770(JP,A) 特開 平8−122082(JP,A) 実開 平4−38513(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 19/56 G01P 9/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直方体形状の圧電材料からなる第1及び
    第2の部材と、 前記第1の部材の第1の側面と前記第2の部材の第1の
    側面との間に挟んで形成された第1の電極と、 前記第1の部材の前記第1の側面に相対する前記第1の
    部材の第2の側面における両側位置にそれぞれ形成され
    るか、あるいは、前記第1の部材の前記第1の側面と隣
    合う前記第1の部材の第3及び第4の側面にそれぞれ形
    成された第2及び第3の電極と、 前記第1の部材の前記第2の側面の略中央の位置に形成
    された第4の電極と、 前記第2の部材の前記第1の側面に相対する前記第2の
    部材の第2の側面に形成された第5の電極と、 を備えたことを特徴とする振動子。
  2. 【請求項2】 直方体形状の圧電材料からなる第1及び
    第2の部材と、 前記第1の部材の第1の側面と前記第2の部材の第1の
    側面との間に挟んで形成された第1の電極と、 前記第1の部材の前記第1の側面に相対する前記第1の
    部材の第2の側面における両側位置のうちの一方の位置
    に形成されるか、あるいは、前記第1の部材の前記第1
    の側面と隣合う前記第1の部材の第3及び第4の側面の
    うちの一方に形成された第2の電極と、 前記第1の部材の前記第2の側面の略中央の位置に形成
    された第3の電極と、 前記第2の部材の前記第1の側面に相対する前記第2の
    部材の第2の側面に形成された第4の電極と、 を備えたことを特徴とする振動子。
  3. 【請求項3】 前記第1の電極を挟んだ前記第1及び第
    2の部材の全体の断面であって、前記第1の部材の端面
    と平行な断面が、略正方形であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の振動子。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の振動子と、該振動子を自
    励振駆動する自励振回路と、前記振動子からの信号に基
    づいて前記振動子に作用するコリオリ力に相当する検出
    信号を得る検出回路と、を備え、 前記検出回路は、前記第2の電極からの信号及び前記第
    3の電極の信号に基づいて前記検出信号を得、 前記自励振回路は、前記第4及び第5の電極のうちの一
    方からの信号に基づいて駆動信号を得て該駆動信号を前
    記第4及び第5の電極のうちの他方へ供給する、 ことを特徴とする圧電振動角速度計。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の振動子と、該振動子を自
    励振駆動する自励振回路と、前記振動子からの信号に基
    づいて前記振動子に作用するコリオリ力に相当する検出
    信号を得る検出回路と、を備え、 前記検出回路は、前記第2の電極からの信号に基づいて
    前記検出信号を得、 前記自励振回路は、前記第3及び第4の電極のうちの一
    方からの信号に基づいて駆動信号を得て該駆動信号を前
    記第3及び第4の電極のうちの他方へ供給する、 ことを特徴とする圧電振動角速度計。
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