JPH08337580A - エポキシ基含有ジ(メタ)アクリレート化合物及びその製造方法 - Google Patents
エポキシ基含有ジ(メタ)アクリレート化合物及びその製造方法Info
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
化合物にさらにエポキシ基を導入することにより、反応
性を高めた新規なエポキシ基含有ジ(メタ)アクリレー
ト化合物及びその製造方法を提供する。 【構成】 下記一般式(I)で表されるエポキシ基含有
ジ(メタ)アクリレート化合物。 【化1】 (式中、R1及びR2は単結合又は炭素数1〜10のアル
キレン基であって、お互いに同じであっても異なってい
てもよく、R3及びR4は水素原子又はメチル基であ
る。)下記式(II)で表されるジオールと、 HO−R1−HC=CH−R2−OH (II) (式中、R1及びR2は単結合又は炭素数1〜10のアル
キレン基を表す。) (メタ)アクリル酸を酸触媒の存在下で反応させ、次い
で有機過酸化物を該(メタ)アクリル酸エステルに反応
させて該ジオールに由来する炭素−炭素二重結合を選択
的にエポキシ化する。
Description
として、あるいは合成樹脂・繊維・インキ・塗料の分野
の各種ポリマー、オリゴマー若しくはこれらを含有する
樹脂組成物の製造用原料、原料成分又は添加剤として利
用される新規なエポキシ基含有ジ(メタ)アクリレート
化合物及びその製造方法に関する。
テルが知られており、様々な分野で利用されている。例
えば、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、2−エ
チルヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールトリアクリレート、ブタンジオールジア
クリレート等が単官能、多官能化合物として一般的に知
られている。
キや塗料等に用いた場合には、硬化後の密着性が悪く、
塗膜が剥離する等の問題があった。
二官能の(メタ)アクリレート化合物にさらにエポキシ
基を導入することにより、反応性を高めた新規なエポキ
シ基含有ジ(メタ)アクリレート化合物及びその製造方
法を提供するものである。
一般式(I)で表されるエポキシ基含有ジ(メタ)アク
リレート化合物を提供するものである。
キレン基であって、お互いに同じであっても異なってい
てもよく、R3及びR4は水素原子又はメチル基であ
る。) このような構造を有する本発明のエポキシ基含有ジ(メ
タ)アクリレート化合物は新規な化合物であり、分子内
に重合性が高いアクリロイル基を2個有するため、熱、
紫外線、イオン及びラジカル開始剤の存在下で容易に重
合し、かつ不飽和基含有化合物とも容易に共重合する。
また、反応性の高いエポキシ基が分子内に存在するた
め、それらが更に架橋等の反応ポイントとして働き、硬
度、密着性等の樹脂性能を向上させている。
基含有ジ(メタ)アクリレート化合物を製造する方法と
しては、例えば、本発明の製造方法、すなわち、下記式
(II)で表されるジオールと、 HO−R1−HC=CH−R2−OH (II) (式中、R1及びR2は単結合又は炭素数1〜10のアル
キレン基であって、お互いに同じであっても異なってい
てもよい。) (メタ)アクリル酸を酸触媒の存在下で反応させて記式
(III)で表される(メタ)アクリル酸エステルと
し、
に反応させて上記ジオールに由来する炭素−炭素二重結
合を選択的にエポキシ化する方法が好適に用いられる。
カルボン酸の選択還元、不飽和ラクトンの開裂、不飽和
ラクトンの選択還元等により得ることができる。ジオー
ル(II)の具体例としては、2−ブテン−1,4−ジ
オール、2−ペンテン−1,5−ジオール、3−ヘキセ
ン−1,6−ジオール等が挙げられる。
応させるときに用いる酸触媒としては、例えば、硫酸、
p−トルエンスルホン酸などを例示することができる
が、これらに限定されるものではない。
することが好ましく、例えば、フェノチアジン、p−メ
トキシフェノール、ヒドロキノンなどを添加することが
できるが、これらに限定されるものではない。
中で実施するのがよく、特に好適に使用される溶媒とし
て、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン等のエステル化反応の進行に支障がない溶
媒であって、かつ、生成する水を共沸によって除去しう
るような溶媒を挙げることができる。
クリル酸とジオールのモル比((メタ)アクリル酸/ジ
オール)は通常1.0〜8.0、好ましくは2.0〜
3.0の範囲である。
ジオールの合計量に対して、通常0.1〜10.0重量
%、好ましくは1.5〜3.0重量%である。
酸及びジオールの合計量に対して、通常30〜200重
量%、好ましくは50〜100重量%である。
リル酸、ジオール、酸触媒及び溶媒の合計量に対して、
通常0.01〜0.5重量%、好ましくは0.05〜
0.3重量%である。
程度の温度で好適に行うことができるが、適時、用いる
溶媒の沸点付近、あるいはそれ以上の温度に設定した
り、反応の進行と共に昇温するなどして、生成する水を
共沸除去しつつ行う温度が、好適に採用される。
定すればよく、生成する水の共沸除去を減圧によって促
進する方法もしばしば好適に採用される。
れらを組み合わせた方式で行うこともできる。
液による触媒の中和、水洗した後に低沸分を留去する。
また、減圧蒸留を行うことで、更に高純度の(メタ)ア
クリル酸エステル(III)が得られる。
れる(メタ)アクリル酸エステル中のジオールに由来す
る炭素−炭素二重結合を有機過酸化物を用いて選択的に
エポキシ化し、エポキシ基含有ジ(メタ)アクリレート
化合物を製造する。
例えば、過安息香酸、メタクロロ過安息香酸、過酢酸、
過ギ酸などが例示できるが、これらに限定されるもので
はない。
えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、ヘキ
サンなどを例示することができるが、これに限定される
ものではない。
することが好ましく、例えば、フェノチアジン、p−メ
トキシフェノール、ヒドロキノンなどを使用することが
できるが、これらに限定されるものではない。
タ)アクリル酸エステル量のモル比は通常0.5〜5.
0、好ましくは1.5〜3.0である。
タ)アクリル酸エステルの合計量に対して、5.0〜3
00重量%の範囲内で、有機過酸化物及び(メタ)アク
リル酸エステルが均一に溶媒中にあればよい。
リル酸エステル、有機過酸化物及び溶媒の合計量に対し
て、通常0.01〜0.5重量%、好ましくは0.05
〜0.3重量%である。
度であり、室温以下の温度が好適に採用される。
を、硫酸鉄(II)、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸
ナトリウムなどの水溶液で還元し、次に弱アルカリで中
和し、飽和食塩水で洗浄し、低沸分を留去する。
ジ(メタ)アクリレート化合物を容易に合成することが
できる。
て本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
けた反応器に、2−ブテン−1,4−ジオール141重
量部、アクリル酸252重量部、フェノチアジン0.7
重量部、シクロヘキサン310重量部、及び触媒として
硫酸7.8重量部を仕込み、80℃に加熱し3時間反応
させた。生成する水は溶媒と共に蒸留して分離器で除去
し、溶媒は連続して反応器に返した。反応終了後室温ま
で冷却し、10重量%の水酸化ナトリウム水溶液で中和
し、更に油層を水洗・乾燥後、ロータリーエバポレータ
ーでシクロヘキサンを留去し、反応生成物を得た。更に
これを減圧蒸留し、93〜95℃/2.0mmHgの留
分を170重量部得た。
成 撹拌機、温度計、冷却管を備えつけた反応器に、実施例
1で得られた反応生成物6重量部、ジクロロメタン30
0重量部、メタクロロ過安息香酸18重量部を仕込み、
室温で3日間撹拌した。その後反応液に飽和チオ硫酸ナ
トリウム水溶液60重量部、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液120重量部加え、その水層をジクロロメタン20
部で3回抽出し、次に反応有機層と共に飽和食塩水で洗
浄し、乾燥した。更にロータリーエバポレーターでジク
ロロメタンを留去し、n−ヘキサンで再結晶して反応生
成物3重量部を得た。
3.1℃の白色針状結晶で、質量分析をした結果、分子
量は212であった。
トル(IRスペクトル)の結果を次に示す。
スペクトルの結果からそれぞれのスペクトルの帰属は下
式(IV)の構造式に従い、以下の通りになった。
アセトン−d6);δ(ppm) 3.27ppm 2H(H5f,H6f) 4.20 2H(H4d,H7d) 4.47 2H(H4e,H7e) 5.91 2H(H1b,H10b) 6.15 2H(H2c,H9c) 6.38 2H(H1a,H10a)13 C−NMRスペクトル(270MHz:アセトン−d
6);δ(ppm) 54.5ppm 2C(CH:C5,C6) 63.7 2C(CH2:C4,C7) 129.5 2C(CH:C2,C9) 132.2 2C(CH2:C1,C10) 166.6 2C(C−O:C3,C8) これらの分析結果から、得られた反応生成物は下式(I
V)で表される本発明の目的とする化合物の1成分であ
ることがわかった。
ジアクリレート(IV)20重量部を、スチレン20重
量部に溶解し、これを市販されているエポキシ系オリゴ
マー(昭和高分子(株)製SP−1509)60重量
部、光重合開始剤(チバガイギ製イルガキュア184)
5重量部に混合して配合物とした。
塗膜機を用いて塗膜の厚さが100μmとなるように塗
布し、次にこれを高圧水銀燈(1000mJ/cm2)
で紫外線硬化させて、試験片を作製した。
った。
素地に達する1mmの碁盤目100個(10×10)を
作り、更にセロハン粘着テープを完全に密着させ、直ち
にテープの一端を塗面に直角に保ち、瞬間的に引き離
し、完全に剥がれないで残った碁盤目の数を調べ、密着
性について調査する。
い密着性を示すことがわかった。
ニルアクリレートについて、前例同様に密着性試験を行
った。
か4個であり、ほとんど密着性が無い。
509 ・密着性:碁盤目試験(JIS K−5400)によ
る。表中の数値は100個の桁目のうち残存した桁目の
個数を表す。
タ)アクリレート化合物にさらにエポキシ基が導入され
てが反応性を高めた新規な化合物であるエポキシ基含有
ジ(メタ)アクリレート化合物が得られた。
として、あるいは合成樹脂・繊維・インキ・塗料の分野
の各種ポリマー、オリゴマー若しくはこれらを含有する
樹脂組成物の製造用原料、原料成分又は添加剤として広
範囲に利用することができる。特に、共重合体原料、重
合促進剤として好適に利用され、硬度、密着性の向上に
寄与する。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるエポキシ基
含有ジ(メタ)アクリレート化合物。 【化1】 (式中、R1及びR2は単結合又は炭素数1〜10のアル
キレン基であって、お互いに同じであっても異なってい
てもよく、R3及びR4は水素原子又はメチル基であ
る。) - 【請求項2】 下記式(II)で表されるジオールと、 HO−R1−HC=CH−R2−OH (II) (式中、R1及びR2は単結合又は炭素数1〜10のアル
キレン基であって、お互いに同じであっても異なってい
てもよい。) (メタ)アクリル酸を酸触媒の存在下で反応させて下記
式(III)で表される(メタ)アクリル酸エステルと
し、 【化2】 (式中、R3及びR4は水素原子又はメチル基である。) 次いで有機過酸化物を該(メタ)アクリル酸エステルに
反応させて該ジオールに由来する炭素−炭素二重結合を
選択的にエポキシ化することを特徴とする請求項1記載
のエポキシ基含有ジ(メタ)アクリレート化合物の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14591895A JP3730285B2 (ja) | 1995-06-13 | 1995-06-13 | エポキシ基含有ジ(メタ)アクリレート化合物及びその製造方法 |
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