JPH08337536A - 抗活性酸素作用剤並びにこれを有効成分とする抗活性酸素剤、化粧料、食品及び医薬品 - Google Patents

抗活性酸素作用剤並びにこれを有効成分とする抗活性酸素剤、化粧料、食品及び医薬品

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JPH08337536A
JPH08337536A JP7147003A JP14700395A JPH08337536A JP H08337536 A JPH08337536 A JP H08337536A JP 7147003 A JP7147003 A JP 7147003A JP 14700395 A JP14700395 A JP 14700395A JP H08337536 A JPH08337536 A JP H08337536A
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JP7147003A
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Hajime Watanabe
元 渡辺
Nobuo Uemitsu
信男 上満
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Asahi Breweries Ltd
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Asahi Breweries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高い抗活性酸素作用を有し、か
つ、におい、色を低減した官能的に優れた各種製品を提
供することを目的とする。 【構成】 植物種子及び/又は胚芽類を焙煎した後、発
酵処理し、これに植物油及び/又は植物種子を加えて得
られる物質を極性溶媒で抽出し、この抽出液を非極性溶
媒で洗浄し、次いでこの抽出液を活性炭で処理して得ら
れた抗活性酸素作用剤、並びにこれを有効成分とする抗
活性酸素剤、化粧料、食品、外用抗炎症剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成人病、悪性関節リウ
マチ、ベーチェット病等の健康維持上障害となる諸疾
患、火傷等の外傷、ニキビ、シミ等の美容上の障害の予
防、治療に効果を奏する抗活性酸素作用剤並びにこれを
有効成分とする抗活性酸素剤、化粧料、食品、医薬品に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、動脈硬化症、脳卒中、高血圧、心
筋梗塞、癌、糖尿病等の成人病を始め、悪性関節リウマ
チ、ベーチェット病、クーロン氏病、潰瘍性大腸炎、肝
炎、腎炎等の難病、農薬等の化学物質で惹起される疾患
等が健康維持上障害となっている。これらの障害は、必
ずしも同一の原因により発症するものではないが、人体
に対し直接障害を与えるものとして、外的刺激で人体内
に過剰の活性酸素や過酸化脂質(以下活性酸素等とい
う)が生成し、上記諸疾患の原因となる細胞障害に関与
していることが知られている。
【0003】従来、活性酸素等を除去する抗活性酸素作
用を有する物質として、植物種子、その胚芽を焙煎し、
次いで微生物を加えて発酵し、これに焙煎した植物より
得られた植物油を添加した組成物(特公平5-19531号公
報)。はと麦、大豆、小麦胚芽及び米ぬか及び/又は玄
米胚芽からなる主成分を焙煎した後に蒸し、しかる後に
微生物を加えて発酵させ、発酵終了後ごまの微粉末及び
緑茶沫を加えてなる組成物(特開平2-154662号公報)。
植物種子又は胚芽類を焙煎した後、酵素処理したものに
植物油を加えて得られた物質を非極性溶媒で洗浄し、そ
の後不溶物を極性溶媒で抽出してなる組成物(特開平3-
223217号公報)。更に、植物種子又は胚芽類を焙煎した
後、酵素処理したものに植物種子を加えて得られた物質
を非極性溶媒で洗浄し、その後不溶物を極性溶媒で抽出
してなる組成物(特開平4-139132号公報)が知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の技術とし
て開示されている抗活性酸素作用組成物は、穀物臭を有
し、かつ茶褐色のあめ状ないしは固形物であり、その溶
液は褐色を呈している。そのため、この組成物を抗活性
酸素剤、食品、化粧料等に使用するには官能的に好まし
くない欠点を有していた。本発明は抗活性酸素作用が高
くかつ、におい、色等を低減した官能的に適した抗活性
酸素作用剤並びに、これを有効成分とする抗活性酸素
剤、化粧料、食品、医薬品を提供することを目的とする
もである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため鋭意研究の結果、植物種子、胚芽類を焙煎
し、発酵処理したものに植物油、植物種子を加えて得ら
れる物質を極性溶媒で抽出し、この抽出液を非極性溶媒
で洗浄し、次いで、この抽出液を活性炭で処理して得ら
れる物質が、抗活性酸素作用の活性を維持し、かつその
におい、色を顕著に低減することを見出し本発明を完成
した。そして、この抗活性酸素作用剤を抗活性酸素剤、
化粧料、食品、医薬品に使用することにより優れた抗活
性酸素作用を有し、かつ官能的に優れた製品を提供する
ことができた。
【0006】本発明は、植物種子及び/又は胚芽類を焙
煎し、発酵処理したものに植物油及び/又は植物種子を
加えて得られる物質を極性溶媒で抽出し、この抽出液を
非極性溶媒で洗浄し、次いでこの抽出液を活性炭で処理
してなることを特徴とする抗活性酸素作用剤、並びにこ
の抗活性酸素作用剤を有効成分とする抗活性酸素剤、化
粧料、食品及び外用抗炎症剤である。
【0007】本発明の原料物質は、植物種子及び/又は
胚芽類を焙煎し、発酵処理したものに植物油及び/又は
植物種子を加えて得られる物質は、米、小麦、大麦、大
豆、とうもろこし、はと麦、小豆、えんどう等の植物種
子及び米ぬか、小麦胚芽等の植物種子の胚芽類の1種又
は2種以上を焙煎し、これを麹かび、イースト等の微生
物により発酵させて低分子の抗活性酸素作用物質を大量
に遊離生成し、この物質に抹茶、ごま、大豆、綿実、と
うもろこし、サフラワー、月見草、菜種、オリーブ等の
種子、これらの種子の植物油を加えたものである。この
物質は、上記従来技術に開示されている処理により得ら
れたものが使用される。例えば、次の方法で得ることが
できる。大麦、大豆、小麦胚芽及び米ぬかを50〜150℃
未満で焙煎、又は遠赤外線で焙煎した後に蒸し、しかる
後に微生物を加えて良くかき混ぜながら発酵し、発酵終
了後混合し、さらにごまの微粉末、ごま油、抹茶及びゆ
ず汁を加えて得られる抗活性酸素作用を有する物質であ
る。
【0008】本発明は、上記原料物質を極性溶媒で抽出
し、この抽出液を非極性溶媒で洗浄し、この抽出液を活
性炭で処理して得られる抗活性酸素作用剤である。この
原料物質を抽出するには、極性溶媒として水、低級アル
コール、アセトン、アルキルケトン等の1種又は2種以
上の混合物であり、低級アルコール、それらの含水溶
媒、特に含水エタノールが好適である。この抽出は上記
極性溶媒により常法によって1回又は複数回繰返し、常
温乃至40〜120℃の加温下で行なう。この抽出液を非極
性溶媒で洗浄するには、非極性溶媒としてn−ヘキサ
ン、エーテル等を用い、常温で1回又は複数回繰返して
洗浄する。
【0009】以上により得られた抽出液を活性炭で処理
するには、この抽出液を常法により濃縮し、極性溶媒で
浸漬した後活性炭で接触処理する。使用する活性炭は、
標準炭、高純度選択吸着炭、高脱色炭等が用いられる、
標準炭が好適である。また、活性炭の使用には特定の量
の限定はないが、使用量を多くすると脱臭、脱色の効果
は向上するが、多過ぎると抗活性酸素作用物質の活性炭
の吸着量が多くなり製品の抗活性酸素作用が弱くなる。
従って、原料物質に対し1〜4重量%、特に2〜3重量
%が好適である。また、接触方法として、静置、撹拌等
の常法により行なうが、特に撹拌による方が短時間で処
理が終るので好ましい。接触後は濾紙、珪藻土を用いた
自然濾過、吸引濾過操作を経て活性炭を分離する。この
ようにして得られた抽出液は減圧又は常圧下で溶媒を留
去することにより濃縮し、本発明の抗活性酸素作用剤を
得る。
【0010】以上のようにして得られた抗活性酸素作用
剤は、黄色ないし茶褐色のあめ状ないし固形物である
が、その溶液は色が顕著に低減され、穀物臭等のにおい
も消失し、官能的に好ましいものであり、その抗活性酸
素作用は特開平3-223217号公報記載の抗活性酸素作用剤
と同等である。
【0011】本発明の抗活性酸素作用剤は、活性酸素
(スーパーオキシド、ハイドロオキシラジカル、過酸化
水素等)抑制作用、DPPH(1,1−ジフェニル−2
−ピクリルヒドラジル)法によるラジカルスカベンジャ
ー作用を有する。そして、におい及び色が顕著に低減さ
れているので、官能的に好ましい製剤として、抗活性酸
素剤、化粧料、食品、外用抗炎症剤として健康上の障
害、美容上の障害の予防、治療に有効に用いることがで
きる。本発明の抗活性酸素作用剤は皮膚刺激性が殆ど見
られず、安全な物質であることが確かめられ抗活性酸素
剤、化粧料、食品、外用抗炎症剤として用いても安全な
物質である。
【0012】本発明の抗活性酸素作用剤を抗活性酸素剤
とする場合は、本抗活性酸素作用剤を錠剤、カプセル
剤、顆粒剤、細粒剤、シラップ剤として経口用の剤型と
する。この製剤に用いる佐薬としては、上記製剤にはト
ラカント、アラビヤゴム、コーンスターチ、ゼラチンの
ような結合剤、微晶性セルロースのような賦型剤、コー
ンスターチ、前ゼラチン化澱粉、アルギン酸のような膨
化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ
糖、乳糖、サッカリンのような甘味剤、ペパーミント、
アカモノ油、チェリーのような香味剤、カプセル剤の場
合は、上記の材料に更に脂油のような液体担体を使用す
ることができる。また、他の材料は被覆剤として又は製
剤の物理的形態を別な方法で変化させるために存在させ
ることができる。例えば、錠剤はシェラック、砂糖で被
覆することができる。シロップ又はエリキシルは本抗活
性酸素作用剤に甘味剤としてショ糖、防腐剤としてメチ
ル又はプロピルパラベン、色素及び香味剤としてチェリ
ー又はオレンジ香味のような香味剤を使用することがで
きる。そして、本抗活性酸素作用剤に上記佐薬を一般の
製造法により製剤する。この抗活性酸素作用剤の使用量
は20mg〜500mgを1日1乃至数回、全日量で20mg〜1000m
gでその効果を達成することができる。
【0013】本発明の抗活性酸素作用剤を食品に使用す
る場合は、本抗活性酸素作用剤を可食の充填剤、賦型
剤、補助剤と混合成型して製造する。また、従来の食品
例えば、飴、煎餅、クッキー等にそれぞれの食品原料に
所定量を加えて、一般の製造法により加工製造する。健
康食品、機能性食品としての摂取量は、病気予防、健康
維持に用いられるので、経口摂取として1日数回に分
け、全日量として50〜500mgを含む加工品として摂取さ
れる。ビタミンC、ビタミンE、補酵素Qn等一部抗酸
化性を有する物質と併用することができる。また、これ
らの抗酸化剤は本発明の抗活性酸素作用剤の安定剤とし
ての作用も有し、併用することが有効である。これらの
抗酸化剤は常用量以下で用いられる。
【0014】本発明の抗活性酸素作用剤を化粧料に使用
する場合は、通常の化粧料であるクリーム、ローション
等に使用される基剤、希釈剤、補助剤を用いて通常の製
法により製造する。そして、本抗活性酸素作用剤の含有
量は全日量として10mg〜100mgでその効果を達成するこ
とができる。
【0015】本発明の抗活性酸素作用剤を外用抗炎症剤
に使用する場合は、基剤として、ワセリン、パラフィ
ン、油脂類、ラノリン、マクロゴール等を用い、常法に
よって軟膏剤、クリーム剤等とする。本抗活性酸素作用
剤の含有量は通常50mg〜500mgでその効果を達成するこ
とができる。
【0016】次に本発明の実施例を示す。本発明はこの
実施例に限定されるものではない。 実施例1 大豆、はと麦、小麦、小麦胚芽、米ぬかをそれぞれ70〜
90℃で陶器中で約60分焙煎し、上記で柔らかくなるまで
蒸す、これに市販の麹を適量加え、時々よく撹拌して2
日発酵させる。これを常温で約1時間乾燥した後、それ
ぞれ1重量部を混合して細粉化する。次いで、黒ごまを
60℃で焙煎した後、すり潰したものを0.5重量部、焙煎
した黒ごまから絞り取ったごま油を1重量部、抹茶1.2
重量部、ゆず汁0.8重量部をよく混合して原料粉末を得
る。この原料粉末1kgに95%エタノール2.51lを加え、
30分撹拌しながら加熱還流し、放冷後濾過して抽出液を
得る。この操作を2回繰返し、得られた抽出液を合して
減圧濃縮し約2.5lとし、これに水を加え80%エタノー
ル液とする。この液にn−ヘキサンを1.5l加えよく震
盪後、分液洗浄してヘキサン層を除去する。この分液洗
浄操作を3回行ない、エタノール層を減圧濃縮してカラ
メル状のあめ状物を得る。このあめ状物に95%エタノー
ル1.5lを加え、4℃で1晩放置して後濾過する。濾液
に活性炭〔標準炭、大閤S(二村化学製)〕を8gを加
え、1時間撹拌し、濾過した後減圧濃縮して茶褐色半固
形状の抗活性酸素作用剤57gを得る。
【0017】実施例2 実施例1と同様の操作で得られた濾液に活性炭(標準
炭、大閤S)を24g加え、1時間撹拌し、濾過した後減
圧濃縮して茶褐色半固形状の抗活性酸素作用剤54gを得
る。
【0018】実施例3 実施例1と同様の操作で得られた原料粉末1kgに95%エ
タノール2.5lを加え40℃で30分撹拌後濾過し抽出液を
得る。この抽出操作を2回行なう。この操作で得られた
抽出液を合っし、減圧濃縮し約2.5lとし、これに水を
加え80%エタノール液とする。n−ヘキサン1.5lを加
えよく震盪後、分液洗浄してヘキサン層を除去する。こ
の分液洗浄操作を3回繰返しエタノール層を減圧濃縮し
カラメル状のあめ状物を得る。このあめ状物に95%エタ
ノールを1.5l加え、40℃で1晩放置し、後濾過する。
濾液に活性炭(標準炭、大閤S)を24g加え、1時間撹
拌し、濾過し減圧濃縮して茶褐色半固形状の抗活性酸素
作用剤56gを得る。
【0019】実施例4 実施例1の95%エタノールの代わりに95%香料変性エタ
ノールを用い、活性炭(標準炭、大閤S)を24g用いて
実施例1と同様に操作して茶褐色半固形状の抗活性酸素
作用剤70gを得る。
【0020】実施例5 実施例1の抗活性酸素作用剤15重量部、乳糖70重量部、
ステアリン酸マグネシウム15重量部を均一に混合し、カ
プセル剤又は錠剤とする。
【0021】実施例6 実施例1の抗活性酸素作用剤30重量部、澱粉30重量部、
乳糖40重量部を均一に混合し、散剤、顆粒剤とする。
【0022】実施例7 実施例1の抗活性酸素作用剤2重量%を含む小麦粉に、
食塩、ショ糖、バターで味付けしたものを定量の水で良
く撹拌し190〜200℃で30分焼き上げてクッキーとする。
【0023】実施例8 寒天13gを水1lに加熱溶解し、更にショ糖500g、水
あめ150g及び塩少々を加え、撹拌しながら加熱溶解さ
せた後、2重量%の実施例1の抗活性酸素作用剤を加
え、更に果汁、着色料、香料を加えて冷却しゼリーとす
る。
【0024】実施例9 ショ糖20重量部、水あめ(17%固形分)10重量部に水10
重量部を加え混合し150℃に加熱撹拌し、2重量%の実
施例1の抗活性酸素作用剤を加え、更に着色料、香料を
加え冷却してあめとする。
【0025】実施例10 パラオキシ安息香酸エチル 0.1重量部、パラオキシ安
息香酸ブチル 0.1重量部、ラウロマクロゴール 0.5重
量部、セタノール 18重量部、白色ワセリン 40重量
部、水 36.3重量部及び実施例1の抗活性酸素作用剤80
重量%の水溶液6重量部を使用して、常法により軟膏と
する。
【0026】実施例11 ポリエチレングリコール−40−ステアレート 3.1重量
部、グリセリールステアレート 7.7重量部、ベヘェニ
ールアルコール 8.5重量部、スクワレン 12.3重量
部、グリセリントリオクタノエート 12.3重量部、プロ
ピルパラベン 0.1重量部、メチルパラベン 0.1重量
部、ジソジュウムEDTA 0.3重量部、プロピレング
リコール 7.7重量部、クエン酸 0.2重量部、クエン酸
ナトリウム 1.4重量部、水 40.3重量部及び実施例1
の抗活性酸素作用剤80重量%水溶液 6重量部を使用し
て、常法により軟膏とする。
【0027】実施例12 セタノール 5.0重量部、ステアリン酸 3.0重量部、サ
ラシミツロウ 2.5重量部、スクワラン 6.0重量部、パ
ルミチン酸イソプロピル 2.0重量部、モノステアリン
酸グリセリン 1.0重量部、ツイーン60 1.5重量部、パ
ラベン 0.2重量部、グリセリン 10.0重量部、トリエ
タノールアミン 0.1重量部、水 65.6重量部、ビタミ
ンEミックス80 0.3重量部、YP粉末 0.8重量部及び
実施例1の抗活性酸素作用剤 1.0重量部を使用し、常
法によりフェイスクリームとする。
【0028】実施例13 ステアリン酸 9.0重量部、セタノール 3.0重量部、サ
ラシミツロウ 2.0重量部、流動パラフィン 5.0重量
部、ワセリン 3.0重量部、シリコンオイル 1.0重量
部、モノステアリン酸グリセリン 1.0重量部、ツイー
ン60 2.0重量部、ツイーン80 1.0重量部、パラベン
0.2重量部、プロピレングリコール 10.0重量部、トリ
エタノールアミン 0.3重量部、水 60.4重量部、ビタ
ミンEミックス80 0.3重量部、YP粉末 0.8重量部及
び実施例1の抗活性酸素作用剤 1.0重量部を使用し、
常法によりハンドクリームとする。
【0029】実施例14 カーボワックス1500 15重量部、アルコール 8重量部
及びプロピレングリコール 90重量部をよく混合溶解
し、水 52.5重量部、実施例1の抗活性酸素作用剤 2
重量部及び香料、防腐剤の適量を加え、ハンドローショ
ン剤とする。
【0030】次に本発明の抗活性酸素作用剤のにおい、
色の低減、抗活性酸素作用並びに安全性についての試験
結果を示す。
【0031】比較試料 大豆、はと麦、小麦、小麦胚芽、米ぬかをそれぞれ70〜
90℃で陶器中で約60分焙煎し、上記で柔らかくなるまで
蒸す、これに市販の麹を適量加え、時々よく撹拌して2
日発酵させる。これを常温で約1時間乾燥した後、それ
ぞれ1重量部を混合して細粉化する。次いで、黒ごまを
60℃で焙煎した後、すり潰したものを0.5重量部、焙煎
した黒ごまから絞り取ったごま油を1重量部、抹茶1.2
重量部、ゆず汁0.8重量部をよく混合して原料粉末を得
る。この原料粉末1kgにn−ヘキサンを5l加え懸濁液
とし、室温で1時間撹拌した後静置して後、上澄みを濾
去する操作を3回繰返し、得られた固形物を濾取し、70
〜80℃で送風乾燥する。乾燥後95%エタノール2.5lを
加え、30分撹拌しながら加熱還流する。放冷後濾過して
抽出液を得る。この操作を2回繰返し得られた抽出液を
合わせて減圧濃縮して、カラメル状のあめ状物を得る。
このあめ状物に95%エタノール1.5lを加え、4℃で1
晩放置後濾過する。濾液に活性炭(標準炭、大閤S)8
g(原料粉末に対して0.8重量%)を加え、1時間撹拌
し濾過後、減圧濃縮し、茶褐色半固形状の抗活性酸素作
用剤57gを得る。
【0032】本発明の抗活性酸素剤のにおい、色の低減
が比較試料に比し優れた効果を有し、その抗活性酸素作
用は何ら減少していないことを示す試験例並びにその結
果を下記に示す。
【0033】試験例1 においに関する試験 イ.本発明の実施例1の試料と比較試料との比較試験 a)試験方法 本発明の実施例1の試料と比較試料をそれぞれ口の大き
な40mlのガラスビンに4gを入れ、外側をアルミ箔で覆
い盲検を行なった。パネリスト15名を対象にして、ビン
の蓋を開けて10分以上放置し、その状態でにおい試験を
行なった。においの嗅ぎ方は、各試料の入ったビンの口
に直接鼻を持っていって嗅ぐ方法を採用した。においの
強さ、においの好みについてパネリストが順位をつけ、
その平均値を求めた。 b)試験結果 試験結果は表1の通りであった。
【0034】
【表1】 以上の通り、比較試料に比し実施例1の試料は優れてい
る評価が得られた。
【0035】ロ.本発明の実施例2,3,4の試料と比
較試料との比較試験 a)試験方法 上記イのa)と同様の試験方法によりパネリスト16名を
対象として、実施例2,3,4の本発明の試料について
においの試験を行なった。 b)試験結果 試験結果は表2の通りであった。
【0036】
【表2】 以上の通り、比較試料に比し実施例2,3,4の試料は
優れている評価が得られた。
【0037】試験例2 色に関する試験 a)試験方法 本発明の実施例1,2,3,4の試料と比較試料のそれ
ぞれ1%メタノール溶液とし、この450nmにおける吸光
度を分光光度計(島津紫外可視光光度UV−160)で測
定した。 b)試験結果 試験結果は表3の通りであった。
【0038】
【表3】 以上の通り、比較試料に比し実施例1,2,3,4の試
料のメタノール溶液の色が薄いことが明らかであった。
【0039】試験例3 抗活性酸素作用に関する試験 a)試験方法 M. S. Bloisの方法〔Blois, M. S.:Nature, 181, 1199
(1958)〕に準じて行なった。即ち、供試試料の1,1
−Diphenyl−2−picrylhydrazyl(DPPH,安定ラジ
カル)に対するラジカル消去力を測定し、これを抗酸化
活性とした。その方法は次の通りである。100μMのDP
PHエタノール溶液を調製し、別に比較試料、実施例1
〜4の本発明の試料をそれぞれ10mgを精密に秤量し、こ
れにメタノールを加えて完全に溶かし、正確に10mlとす
る。この溶液を0.1,0.2,0.4,0.6,0.8及び1.0mlずつ
取り、それぞれにメタノールを加えて1.0mlとし、これ
を供試試料とする。各供試試料溶液200μlに上記DPP
H溶液4mlをそれぞれ混合、撹拌し後10分間放置する。
そして、この調製した試料の517nmの吸光度を試験例2
で使用した光度計で測定する。なお、ブランクとしてエ
タノールを用いた。そして、吸光度の減少%を縦軸、供
試試料の添加量を横軸としたグラフにより、供試試料の
単位重量当たりのDPPH還元モル数(μmol)を求
め、供試試料の抗酸化活性とする。 b)試験結果 試験結果は表4の通りであった。
【0040】
【表4】 以上の通り、比較試料に比し本発明の実施例1〜4の試
料の抗酸化活性は同等であった。
【0041】なお、本発明の抗活性酸素作用剤と比較試
料との成分について分析した結果を表5に示す。
【0042】
【表5】 以上の通り、本発明の抗活性酸素作用剤は従来の抗活性
酸素作用剤とその組成は同じであり抗活性酸素作用も同
等であり、色、においの低減が顕著であった。
【0043】試験例4 皮膚刺激性に関する試験 a)試験方法 健常成人男子のうち、予め本試験の目的、試験内容、供
試試料の性質、注意事項等について充分な説明を受け、
文書により同意し、かつ、問診、試験前皮膚所見により
「適当」と判断された44名を被験者とした。被験者の年
齢は24才から65才で平均年齢は46才であった。この被験
者に本発明の実施例2の抗活性酸素作用剤を用いて製剤
した下記供試試料の軟膏をフィンチャンバー(Epitest
社、輸入販売元、大正製薬(株))を用い、各供試試料を
それぞれをフィンチャンバーに約15mg塗布し、これを被
験者の前腕屈側部に48時間貼付した。
【0044】 供試試料 試料記号 供試試料の有効成分含量 P−0 ワセリン(サンホワイトP、日光ケミカル(株)) P−1 1%抗活性酸素作用剤含有ワセリン軟膏 P−5 5%抗活性酸素作用剤含有ワセリン軟膏 P−25 25%抗活性酸素作用剤含有ワセリン軟膏 P−50 50%抗活性酸素作用剤含有ワセリン軟膏 P−K 5%コウジ酸(Kojisaure, 5-Hydroxymethyl-4-pyron)ワセリン軟膏 S−0 ソルベース(日局マクロゴール軟膏、大日本製薬(株)) S−1 1%抗活性酸素作用剤含有ソルベース軟膏 S−5 5%抗活性酸素作用剤含有ソルベース軟膏 S−25 25%抗活性酸素作用剤含有ソルベース軟膏 S−50 50%抗活性酸素作用剤含有ソルベース軟膏 S−K 5%コウジ酸ワセリン軟膏 N 供試試料なし なお、P−0,P−K,S−0は対比供試試料、Nは対
照である。
【0045】その後フィンチャンバーを除去し、被験部
を清拭し1時間後に第1回目の判定を、24時間後に第2
回目の判定を下記の判定基準に従って行い、この判定に
対し貼付部位の薬剤名は盲検とし、判定試験終了後初め
て割付表を開封し、結果の集計解析を行なった。
【0046】判定基準 −:全く無反応(陰性) ±:軽微な紅斑又は2〜3個の小丘疹(疑陽性) +:明らかな紅斑(弱陽性) ++:紅斑と腫脹又は紅斑と丘疹(中等度陽性) +++:紅斑、丘疹、小水泡(強陽性) ++++:水泡、糜爛、壊死(最強度陽性)
【0047】b)試験結果 抗活性酸素作用剤のヒト皮膚に対する刺激性を48時間パ
ッチテストにて検討した。試験結果は表6の通りであっ
た。
【0048】
【表6】
【0049】以上の通り、48時間の閉塞パッチテストを
実施した結果、抗活性酸素作用剤は比較供試試料に用い
たコウジ酸と比較して、ヒト皮膚に対する刺激性は殆ど
みられず、安全な物質であることが確認された。
【0050】
【発明の効果】本発明は、優れた抗活性酸素作用を有
し、におい、色を顕著に低減した抗活性酸素作用剤であ
り、このものを有効成分とする、抗活性酸素剤、化粧
料、食品、外用抗炎症剤は、官能的に改善された製品と
して安全に使用できる。そして、これらの製品の使用に
より、各種成人病、各種炎症等の治療、予防に有効であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物種子及び/又は胚芽類を焙煎し、発
    酵処理したものに植物油及び/又は植物種子を加えて得
    られる物質を極性溶媒で抽出し、この抽出液を非極性溶
    媒で洗浄し、次いで、活性炭で処理してなることを特徴
    とする抗活性酸素作用剤。
  2. 【請求項2】 活性炭を処理物の1〜4重量%使用して
    処理してなることを特徴とする請求項1記載の抗活性酸
    素作用剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の抗活性酸素
    作用剤を有効成分とすることを特徴とする抗活性酸素
    剤。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2記載の抗活性酸素
    作用剤を有効成分とすることを特徴とする化粧料。
  5. 【請求項5】 請求項1又は請求項2記載の抗活性酸素
    作用剤を有効成分とすることを特徴とする食品。
  6. 【請求項6】 請求項1又は請求項2記載の抗活性酸素
    作用剤を有効成分とすることを特徴とする外用抗炎症
    剤。
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