JPH08337421A - Ba1−xSrxTiO3薄膜形成用組成物 - Google Patents
Ba1−xSrxTiO3薄膜形成用組成物Info
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- JPH08337421A JPH08337421A JP7144537A JP14453795A JPH08337421A JP H08337421 A JPH08337421 A JP H08337421A JP 7144537 A JP7144537 A JP 7144537A JP 14453795 A JP14453795 A JP 14453795A JP H08337421 A JPH08337421 A JP H08337421A
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Abstract
防止し、大きな重量変化を抑えて、クラックフリーのB
a1-x Srx TiO3 誘電体薄膜を形成する。 【構成】 Ba,Sr源として、R1 COOH(ただ
し、R1 は炭素数3〜7の直鎖状又は分岐状アルキル
基)のカルボン酸塩を用いる。Ti源としてTi(OR
2 )4 (ただし、R2 は炭素数1〜7の直鎖状又は分岐
状アルキル基)を用いる。 【効果】 BaCO3 ,SrCO3 を生成しないカルボ
ン酸塩、ないし、重量変化の少ないBa,Srのカルボ
ン酸塩とTiのアルコキシドを用いることにより、塗布
膜中のBa,Srの炭酸塩の生成を抑え、また急激な重
量減少を抑えることができ、これにより膜自体に加わる
応力が低減され、Ba1-x Srx TiO3薄膜形成時の
クラックが防止される。
Description
薄膜形成用組成物に係り、特に、薄膜コンデンサやキャ
パシタの形成などに有効に用いられるBa1-x Srx T
iO3 誘電体薄膜形成用組成物に関する。
い誘電率を有することから、近年、SiO2 ,SiNx
に代わる半導体メモリのキャパシタとして、或いはIC
信号処理用の内蔵コンデンサとして注目されている。
VD法、スパッタリング法等が検討されているが、これ
らの方法はいずれも装置が複雑で、また、膜形成速度が
遅いという欠点を有する上に、膜を形成できる面積が小
さく、大面積の膜を得ることができないという問題点が
ある。
ング法は、比較的単純なプロセスにより大面積の薄膜が
得られるという利点があり、工業的にも有望な方法であ
る。
膜形成用の塗布液についても、その合成法が幅広く検討
されており、次のようなものが提案されている。
シTiを原料とし、150℃で乾燥後、620℃で仮焼
成し、700℃で結晶化させるSrTiO3 膜の形成方
法(日本セラミックス協会1992年会講演予稿集第4頁) (ii) 酢酸BaとノルマルブトキシTiを原料とし、7
00〜900℃で結晶化させるBaTiO3 膜の形成方
法(日本セラミックス協会学術論文誌98[8]743-48(199
0)) (iii) Ba及びTiの金属石鹸を使用し、600〜13
00℃で結晶化させるBaTiO3 膜の形成方法(特開
平1−308801号公報)
Srの原料にアルコキシドを用いた場合には、焼成時に
発生するCO2 が、既に加水分解状態にあるBa,Sr
と反応して、BaCO3,SrCO3 を生成し、その
後、TiO2 と反応してCO2 を放出しながらBaTi
O3 ,SrTiO3 或いはBa1-x Srx TiO3 を形
成するため、このCO2 放出時の重量変化が大きく、結
果的に膜の収縮率が大きくなってクラックが発生し易
い。また、Baの酢酸塩を原料に用いた場合でも、炭酸
塩を形成し易く、上記と同様な理由によりクラックが発
生し易くなる。一方、カルボン酸の炭素数が大きい金属
石鹸を使用した場合は、熱分解時に炭酸塩は形成されな
いものの、有機成分の蒸発による重量変化が大きく、そ
の結果、やはりクラックが発生し易い。
素鎖が長くなると成膜途中における加水分解性が失わ
れ、焼成時に有機成分の蒸発、分解による重量変化が大
きくなり、その結果、クラックが発生することとなる。
解時、結晶化時における炭酸塩の生成を防止し、大きな
重量変化を抑えて、クラックフリーのBa1-x Srx T
iO3 誘電体薄膜を形成することのできるBa1-x Sr
x TiO3 薄膜形成用組成物を提供することを目的とす
る。
TiO3 薄膜形成用組成物は、カルボン酸バリウム、カ
ルボン酸ストロンチウム及びチタンアルコキシドを、モ
ル比でBa:Sr:Ti=(1−x):x:1(ただ
し、0<x<1)となるように有機溶媒中に混合してな
るBa1-x Srx TiO3 薄膜形成用組成物であって、
前記カルボン酸塩を形成するカルボン酸が下記よりな
る群から選ばれる1種又は2種以上であり、かつ、前記
アルコキシドが下記よりなる群から選ばれる1種又は
2種以上であることを特徴とする。
3〜7の直鎖状又は分岐状アルキル基) Ti(OR2 )4 (ただし、R2 は炭素数1〜7の
直鎖状又は分岐状アルキル基) 以下に本発明を詳細に説明する。
て、上記のカルボン酸のバリウム塩,ストロンチウム
塩を用いる。上記のカルボン酸の具体例としては、次
のものが挙げられる。
酪酸 R1 の炭素数が4のもの:n−吉草酸、i−吉草酸 R1 の炭素数が5のもの:2−エチル酪酸、n−ヘキサ
ン酸、2,2−ジメチル酪酸、3,3−ジメチル酪酸、
4−メチルペンタン酸 R1 の炭素数が6のもの:n−ヘプタン酸、2−メチル
ヘキサン酸 R1 の炭素数が7のもの:オクチル酸 本発明において、これらのカルボン酸のアルキル基R1
の炭素数が2以下であると、熱分解時に炭酸塩を形成し
易く、逆にR1 の炭素数が8以上であると、有機成分の
蒸発による重量変化が大きく、いずれの場合もクラック
フリーの薄膜を形成し得ない。R1 の炭素数は、特に、
5〜7であることが好ましい。
塩のカルボン酸は、一般には同一のものを用いるのが好
ましいが、異なるものであっても良い。
ては、上記のものを用いるが、具体的には次のものが
挙げられる。
ロポキシチタン、ノルマルブトキシチタン、アミロキシ
チタン、ヘキサノキシチタン、ヘプタノキシチタンこれ
らのうち、特に、アルコキシドのアルキル基R2 の炭素
数が2〜5のもの、例えば、エトキシチタン、イソプロ
ポキシチタン、ブトキシチタン、アミロキシチタン等が
好適に使用される。
原料及びTi原料を混合する有機溶媒としては、酢酸エ
チル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等の
酢酸エステル類やエタノール、プロパノール、ブタノー
ル、2−メトキシエタノール等のアルコール類を用いる
ことができる。
らの有機溶媒中に所望のBa1-x Srx TiO3 組成と
なるように、また、Ba1-x Srx TiO3 濃度が5〜
15重量%程度となるように混合される。
Srx TiO3 薄膜形成用組成物によりBa1-x Srx
TiO3 薄膜を形成するには、スピンコート、ディップ
コート等の塗布法により、Si,Pt/Ti/SiO2
/Si,Pt/Ta/SiO2 /Si,Pt/SiO2
/Si,Ru/RuO2 /SiO2 /Si,RuO2/
Si,RuO2 /Ru/SiO2 /Si,Ir/IrO
2 /Si,Pt/Ir/IrO2 /Si,Pt/IrO
2 /Si等の基板上に本発明の組成物を塗布し、乾燥、
仮焼成及び本焼成を行う。なお、1回の塗布では、所望
の膜厚が得られない場合には、塗布、乾燥、仮焼成の工
程を複数回繰り返し行った後、本焼成を行う。ここで、
仮焼成は、300〜500℃で行われ、本焼成は500
〜800℃で30分〜2時間程度行われる。
CO3 を生成することがなく、重量変化も少ない。ま
た、本発明で用いるアルコキシドも重量変化が少ない。
このように、BaCO3 ,SrCO3 を生成しないカル
ボン酸塩、ないし、重量変化の少ないBa,Srのカル
ボン酸塩とTiのアルコキシドを用いることにより、塗
布膜中のBa,Srの炭酸塩の生成を抑え、また急激な
重量減少を抑えることができ、これにより膜自体に加わ
る応力が低減され、Ba1-x Srx TiO3薄膜形成時
のクラックが防止される。
り具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。
トロンチウム4.57gを酢酸イソアミル溶媒50gに
溶解させ、その後、イソプロポキシチタン8.18gを
加えた後、全体で100gとなるように更に酢酸イソア
ミルを添加して、6重量%のBa0.5 Sr0.5 TiO3
薄膜形成用組成物を調製した。
pmで5秒、その後、2000rpmで20秒の条件で
Si基板上に塗布した。その後、150℃で10分間乾
燥し、次いで400℃で仮焼成を行った。この工程を3
回繰り返した後、650℃で1時間焼成して結晶化を行
った。
0倍)で調べたところ、クラックフリーの膜が得られた
ことが確認された。また、X線回折パターンからは、ペ
ロブスカイト単一相が得られた。
和物3.09gを酢酸溶媒80gに溶解し、150℃で
脱水を行った後、アセチルアセトン5.77gを添加
し、その後イソプロポキシチタン8.18gを加えた。
その後、全体で100gとなるように酢酸溶媒を加え
て、6重量%のBa0.5 Sr0.5 TiO3 薄膜形成用組
成物を調製した。
により成膜を行い、最終熱処理を750℃として結晶化
を行った。
0倍)で調べたところ、得られた薄膜には、複数の微細
なクラックが観察された。
ムの酢酸イソアミル溶液26.42gと、Srを金属換
算で5重量%含有するオクチル酸ストロンチウムの酢酸
イソアミル溶液14.45gを混合し、イソプロポキシ
チタン7.89gを加えた。更に全体で100gの溶液
となるように酢酸イソアミルを添加して、6重量%のB
a0.7 Sr0.3 TiO3 薄膜形成用組成物を調製した。
により成膜を行い、最終熱処理を750℃として結晶化
を行った。その表面を光学顕微鏡で観察した結果、クラ
ックフリーの薄膜が得られたことが確認された。
ム((C10H21COO)2 Ba)の酢酸イソアミル溶液
39.55gと、Srを金属換算で3重量%含有するウ
ンデカン酸ストロンチウム((C10H21COO)2 S
r)の酢酸イソアミル溶液42.05gを混合し、イソ
プロポキシチタン8.27gを加えた。更に全体で10
0gの溶液となるように酢酸イソアミルを添加して、6
重量%のBa0.5 Sr0.3 TiO3 薄膜形成用組成物を
調製した。
により成膜を行い、最終熱処理を750℃として結晶化
を行った。その結果、形成された薄膜の表面にはクラッ
クが観察された。
の2−メトキシエタノール溶液39.55gと、Srを
金属換算で3重量%含有するマレイン酸ストロンチウム
の2−メトキシエタノール溶液42.05gを混合し、
イソプロポキシチタン8.27gを加えた。更に全体で
100gの溶液となるように2−メトキシエタノールを
添加して、6重量%のBa0.5 Sr0.5 TiO3 薄膜形
成用組成物を調製した。
により成膜を行い、最終熱処理を750℃として結晶化
を行った。その結果、形成された薄膜の表面にはクラッ
クが観察された。
の2−メトキシエタノール溶液43.94gと、Srを
金属換算で2重量%含有するアジピン酸ストロンチウム
の2−メトキシエタノール溶液42.05gを混合し、
イソプロポキシチタン8.27gを加えた。更に全体で
100gの溶液となるように2−メトキシエタノールを
添加して、4重量%のBa0.5 Sr0.5 TiO3 薄膜形
成用組成物を調製した。
により成膜を行ったが、スピンコート後の膜は粘性が高
いため、厚く形成され、光の干渉も見られなかった。こ
の膜を750℃で熱処理したが、収縮率が高いため表面
にはクラックが観察された。
ウム及びチタンアルコキシドを用い、これらを表1に示
す有機溶媒に添加して表1に示す組成及び濃度のBa
1-x Srx TiO3 薄膜形成用組成物を調製した。
により成膜を行い、最終熱処理を表1に示す温度として
結晶化を行った。その結果、いずれの場合も、クラック
フリーの薄膜が得られた。
rx TiO3 薄膜形成用組成物によれば、膜形成効率に
優れたコーティング法により、クラックのない高品質の
Ba1-x Srx TiO3 薄膜を容易かつ確実に形成する
ことができる。
x TiO3 薄膜形成用組成物は、ICのコンデンサ、或
いはキャパシタ等を形成する塗布液として工業的に極め
て有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 カルボン酸バリウム、カルボン酸ストロ
ンチウム及びチタンアルコキシドを、モル比でBa:S
r:Ti=(1−x):x:1(ただし、0<x<1)
となるように有機溶媒中に混合してなるBa1-x Srx
TiO3 薄膜形成用組成物であって、 前記カルボン酸塩を形成するカルボン酸が下記よりな
る群から選ばれる1種又は2種以上であり、かつ、前記
アルコキシドが下記よりなる群から選ばれる1種又は
2種以上であることを特徴とするBa1-x Srx TiO
3 薄膜形成用組成物。 R1 COOH(ただし、R1 は炭素数3〜7の直鎖
状又は分岐状アルキル基) Ti(OR2 )4 (ただし、R2 は炭素数1〜7の
直鎖状又は分岐状アルキル基)
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
JP14453795A JP3456305B2 (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | Ba1−xSrxTiO3薄膜形成用組成物 |
KR1019960020472A KR100406665B1 (ko) | 1995-06-09 | 1996-06-08 | Ba1-xSrxTiyO3 박막 형성용 조성물 및 Ba1-xSrxTiyO3 박막의 형성방법 |
US08/661,115 US5645634A (en) | 1995-06-09 | 1996-06-10 | Composition and method for forming Ba1-X Srx Tiy O3 thin films |
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Cited By (5)
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JP2008260791A (ja) * | 2007-04-10 | 2008-10-30 | Adeka Corp | 塗布液組成物および該塗布液組成物を用いる複合金属酸化物膜の製造方法 |
JP2009295530A (ja) * | 2008-06-09 | 2009-12-17 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 誘電体膜形成用塗布液の製造方法 |
JP2019127424A (ja) * | 2018-01-26 | 2019-08-01 | 三菱マテリアル株式会社 | 誘電体薄膜形成用液状組成物及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-06-12 JP JP14453795A patent/JP3456305B2/ja not_active Expired - Lifetime
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