JP2000119022A - 強誘電体薄膜とその成膜用原料溶液および成膜方法 - Google Patents

強誘電体薄膜とその成膜用原料溶液および成膜方法

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JP2000119022A
JP2000119022A JP10292397A JP29239798A JP2000119022A JP 2000119022 A JP2000119022 A JP 2000119022A JP 10292397 A JP10292397 A JP 10292397A JP 29239798 A JP29239798 A JP 29239798A JP 2000119022 A JP2000119022 A JP 2000119022A
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Kazumasa Maki
一誠 牧
Nobuyuki Soyama
信幸 曽山
Akira Mori
暁 森
Kensuke Kageyama
謙介 影山
Masaya Matsuura
正弥 松浦
Katsumi Ogi
勝実 小木
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゾルゲル法等の塗布法により成膜されるPZ
T、PLZT、チタン酸ビスマスなどの強誘電体薄膜に
おける表面形態の均一性を改善し、結晶粒が微細で粒径
のばらつきがなく、余分な相が混在しない膜を得る。 【解決手段】 各成分金属または2以上の成分金属を含
む加水分解性または熱分解の金属化合物、その部分加水
分解物、および/またはその部分重縮合物を有機溶媒中
に含有する溶液からなり、かつTiおよび/またはZrに水
酸化物イオンと他の配位子が配位子したヒドロキシ錯体
(但し、他の配位子の少なくとも一部は加水分解性では
ない) 、その部分加水分解物および/または部分重縮合
物を含んでいる原料溶液を塗布に用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気的および/ま
たは光学的性質により各種の誘電体デバイスへの応用が
期待できる金属酸化物系の強誘電体薄膜を、ゾルゲル法
等により形成するための成膜用原料溶液と、これを用い
た強誘電体薄膜の成膜方法および形成された強誘電体薄
膜に関する。本発明の成膜用原料溶液は、表面形態が均
一で電気的特性に優れた強誘電体薄膜を形成することが
できる。
【0002】
【従来の技術】一般式:Pb1-x Lax (Zry Ti1-y)1-x/4O3
(0≦x<1、0≦y≦1)で示される組成を有する金
属酸化物、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)お
よびランタンドープチタン酸ジルコン酸鉛(PLZT)
は、ペロブスカイト型結晶構造を持つ強誘電体である。
これらの化合物の薄膜は、その高い誘電率と優れた強誘
電特性や光学特性から、既にキャパシタ膜、光センサ、
光回路素子などに使われている他、不揮発性メモリとい
った新たな誘電体デバイスへの応用が期待されている。
また、チタン酸ビスマス(Bi4Ti3O12) も層状ペロブスカ
イト構造 (ペロブスカイト構造とBi2O3 が層状に積層し
た結晶構造) の強誘電体材料であり、これも上と同様の
用途への応用が期待されている。
【0003】書換え可能メモリの主流であるDRAMは
揮発性メモリであって、記憶保持のために周期的に電流
を流す必要があり、消費電力が大きいことが環境面から
問題になっている。そこで、不揮発性で記憶を長期間保
持できるため消費電力が少なく、DRAMと互換性のあ
る強誘電体メモリが注目を集めている。強誘電体メモリ
は、上記の特徴に加えて、書き込み電圧が低く、高速書
き込みが可能で、書換え可能回数が多く、ビット書換え
可能で、ランダムアクセスが可能といった利点もあり、
実用化を目指した研究が現在進められている。
【0004】強誘電体メモリは、DRAMのキャパシタ
部分を強誘電体薄膜で置き換え、強誘電体の自発分極の
ヒステリシス現象を利用して、この薄膜に記憶機能を持
たせたものである。この強誘電体メモリの強誘電体薄膜
材料としては、自発分極が大きいPZT系材料が有利で
ある。
【0005】一般に金属酸化物型の強誘電体薄膜は、各
種の物理的気相成長法、化学的気相成長法、および湿式
成膜法を利用して成膜することができるが、代表的な成
膜法としては、物理的気相成長法であるスパッタリング
法、化学的気相成長法であるMOCVD法、および湿式
成膜法であるゾルゲル法が挙げられる。このうち、通常
最も安価かつ簡便に強誘電体薄膜を成膜できるのはゾル
ゲル法である。
【0006】ゾルゲル法は、原料となる各成分金属の加
水分解性の化合物、その部分加水分解物および/または
その部分重縮合物を含有する原料溶液を基板に塗布し、
塗膜を乾燥させた後、例えば空気中で約400 ℃に加熱し
て金属酸化物の膜を形成し、さらにその金属酸化物の結
晶化温度以上(例、約700 ℃)で焼成して膜を結晶化さ
せることにより強誘電体薄膜を成膜する方法である。原
料の加水分解性の金属化合物としては、金属アルコキシ
ド、その部分加水分解物もしくは部分重縮合物といった
有機化合物が一般に使用されている。
【0007】ゾルゲル法に似た方法として、有機金属分
解 (MOD) 法がある。MOD法では、熱分解性の有機
金属化合物、例えば、金属のβ−ジケトン錯体 (例、金
属アセチルアセトネート) やカルボン酸塩 (例、酢酸
塩) を含有する原料溶液を基板に塗布し、例えば空気中
または含酸素雰囲気中等で加熱して、塗膜中の溶媒の蒸
発および金属化合物の熱分解を生じさせて金属酸化物の
膜を形成し、さらに結晶化温度以上で焼成して膜を結晶
化させる。従って、原料化合物の種類が異なるだけで、
成膜操作はゾルゲル法とほぼ同様である。
【0008】このようにゾルゲル法とMOD法は成膜操
作が同じであるので、両者をミックスした方法も可能で
ある。即ち、原料溶液が加水分解性の金属化合物と熱分
解性の金属化合物の両方を含有していてもよく、その場
合には塗膜の加熱中に原料化合物の加水分解と熱分解が
起こり、金属酸化物になる。
【0009】以下では、ゾルゲル法、MOD法、および
これらがミックスされた方法を包含する用語として「ゾ
ルゲル法等」と称する。ゾルゲル法等は、安価かつ簡便
で量産に適しているという利点に加えて、膜の組成制御
が容易で、成膜厚みが比較的均一であるという特徴があ
る。従って、比較的平坦な基板上に強誘電体薄膜を形成
するのには最も有利な成膜法であるといえる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来のゾルゲル法等で
成膜したチタン酸・ジルコン酸系の強誘電体薄膜は、表
面に凹凸があり、その成膜粒子の粒径が不均一である。
例えば、この方法で成膜されたPZTまたはPLZTの
薄膜は一般に、粒径1000 nm 程度またはそれ以上の粗大
なペロブスカイト結晶粒領域と微細なジルコニア結晶粒
領域とに分かれた不均一な表面形態を有している。
【0011】表面形態に不均一な個所があると、電気的
特性も場所により不均一となることが予想される。従っ
て、この膜から微細なキャパシタ膜を切り出した場合
に、切り出した場所により電気的に劣ったものになる可
能性があり、製品の信頼性または歩留りが大きく損なわ
れることから、不均一な表面形態は強誘電体薄膜にとっ
て大きな障害となる。
【0012】本発明は、この問題点の解消を目指したも
のであり、ゾルゲル法等によりTiおよび/またはZrを含
有する強誘電体薄膜を成膜する場合に、表面形態が均質
な強誘電体薄膜を形成することができる成膜用の原料溶
液およびその製造方法と、この原料溶液を用いた強誘電
体薄膜の成膜方法および成膜された強誘電体薄膜を提供
することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために研究を重ねた結果、ゾルゲル法等に用い
る成膜用原料溶液が、原料の金属化合物として、水酸化
物イオンと他の配位子(その少なくとも一部は加水分解
性ではない) がTiおよび/またはZrに配位したヒドロキ
シ錯体を含有していると、成膜された強誘電体薄膜の表
面形態の均一性が飛躍的に向上し、上記問題点を解決で
きることを見出し、本発明に至った。
【0014】本発明は、Tiおよび/またはZrを含有する
複合金属酸化物からなる強誘電体薄膜を成膜するための
原料溶液であって、各成分金属または2以上の成分金属
を含む金属化合物、その部分加水分解物、および/また
はその部分重縮合物を有機溶媒中に含有する溶液からな
り、かつ該溶液が、Tiおよび/またはZrに水酸化物イオ
ンと他の配位子が配位したヒドロキシ錯体 (但し、他の
配位子の少なくとも一部は加水分解性ではない) 、その
部分加水分解物、および/またはその部分重縮合物を含
んでいることを特徴とする強誘電体薄膜の成膜用原料溶
液である。
【0015】このTiおよび/またはZrのヒドロキシ錯体
の量は、このヒドロキシ錯体の金属原子数が、原料溶液
中に存在する金属原子の合計原子数に対して0.001 倍以
上であることが好ましく、より好ましくは 0.005〜0.5
倍である。
【0016】また、強誘電体薄膜は、一般式:Pb1-x
Lax (Zry Ti1-y)1-x/43 (式中、0≦x<1、0≦y
≦1)で表されるものであるか、またはチタン酸ビス
マスであることが好ましい。
【0017】上記の原料溶液は、各成分金属または2以
上の成分金属を含む加水分解性または熱分解性金属化合
物を有機溶媒に溶解させ、得られた溶液を加熱して加水
分解性化合物を部分加水分解または部分重縮合させ、こ
の加熱の前および/または後に、Tiおよび/またはZrに
水酸化物イオンと他の配位子が配位子したヒドロキシ錯
体 (但し、他の配位子の少なくとも一部は加水分解性で
はない) を添加することを特徴とする方法により製造す
ることができる。
【0018】本発明によれば、上記の原料溶液の塗布と
加熱により成膜された強誘電体薄膜も提供される。この
成膜は、常法に従って実施すればよい。即ち、この原料
溶液を耐熱性基板に塗布し、加熱して金属酸化物膜を成
膜し、必要に応じて膜が所望の厚さになるまで塗布と加
熱を繰り返し、前記加熱中または塗布と加熱の繰り返し
後に膜を結晶化温度以上で焼成することにより、強誘電
体薄膜を成膜することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明で成膜する強誘電体薄膜
は、TiとZrの一方または両方を含有する複合酸化物型の
強誘電体材料の薄膜である。かかる強誘電体材料の例と
しては、一般式:Pb1-x Lax (Zry Ti1-y)1-x/4
3 (式中、xは0または1より小さい小数、yは0、1
または1より小さい小数)で示される組成を持つ、ペロ
ブスカイト型結晶構造の複合酸化物と、層状ペロブス
カイト構造のチタン酸ビスマス(Bi4Ti3O12) とが挙げら
れる。
【0020】の複合酸化物は、PT (チタン酸鉛) 、
PZT (チタンジルコン酸鉛) およびPLZT (ランタ
ン含有チタンジルコン酸鉛) などを包含するが、これに
限られるものではない。また、このまたはの強誘電
体材料は、微量のドープ元素を含有することができる。
ドープ元素の例としては、Ca、Sr、Ba、Hf、Sn、Th、
Y、Sm、Dy、Ce、Bi、Sb、Nb、Ta、W、Mo、Cr、Co、N
i、Fe、Cu、Si、Ge、U、Sc、V、Pr、Nd、Eu、Gd、T
b、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどが挙げられる。その含有量
は、上記一般式における金属原子の原子分率で0.05以下
である。
【0021】このような強誘電体薄膜を、代表的には成
分金属のアルコキシド、有機酸塩、β−ジケトン錯体と
いった加水分解性または熱分解性の有機金属化合物を含
有する原料溶液を用いて、ゾルゲル法等により成膜する
方法は、当業者にはよく知られている (例、特開昭60−
236404号公報参照) 。本発明は、この原料溶液が、金属
化合物としてTiおよび/またはZrのヒドロキシ錯体を含
有する点に特徴があり、この特徴を除けば、溶液組成や
成膜方法は一般に従来のゾルゲル法等と同様でよい。
【0022】原料として好ましい金属化合物は、加水分
解性または熱分解性の有機金属化合物である。例えば、
アルコキシド、有機酸塩、β−ジケトン錯体などが代表
例であるが、金属錯体については、アミン錯体をはじめ
として、各種の他の錯体も利用できる。β−ジケトンと
しては、アセチルアセトン (=2,4-ペンタンジオン)、
ヘプタフルオロブタノイルピバロイルメタン、ジピバロ
イルメタン、トリフルオロアセチルアセトン、ベンゾイ
ルアセトンなどが挙げられる。
【0023】原料として好適な有機金属化合物の具体例
を示すと、鉛化合物およびランタン化合物としては酢酸
塩 (酢酸鉛、酢酸ランタン) などの有機酸塩ならびにジ
イソプロポキシ鉛などのアルコキシドが挙げられる。チ
タン化合物としては、テトラエトキシチタン、テトライ
ソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テト
ラi−ブトキシチタン、テトラt−ブトキシチタン、ジ
メトキシジイソプロポキシチタンなどのアルコキシドが
好ましいが、有機酸塩または有機金属錯体も使用でき
る。ジルコニウム化合物は上記チタン化合物と同様であ
る。
【0024】なお、原料の金属化合物は、上述したよう
な1種類の金属を含有する化合物の他に、2種以上の成
分金属を含有する複合化した金属化合物であってもよ
い。かかる複合化金属化合物の例としては、PbO2[Ti(OC
3H7)3]2 、PbO2[Zr(OC4H9)3]2などが挙げられる。
【0025】各成分金属の原料として使用する金属化合
物を、適当な有機溶媒に一緒に溶解して、強誘電体材料
である複合金属酸化物 (2以上の金属を含有する酸化
物) の前駆体を含有する原料溶液を調製する。
【0026】使用する溶媒は、原料の金属化合物に応じ
て、これを溶解できるものから適宜選択すればよい。一
般的には、アルコール、カルボン酸、エステル、ケト
ン、エーテル、シクロアルカン、芳香族系溶媒などから
選ばれた1種もしくは2種以上の溶媒を使用することが
できる。
【0027】アルコールとしては、エタノール、1−プ
ロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−
ブタノール、イソブチルアルコール、1−ペンタノー
ル、2−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール
などのアルカノール類、シクロヘキサノールといったシ
クロアルカノール類、ならびに2−メトキシエタノール
といったアルコキシアルコール類が使用できる。金属化
合物がアルコキシドを含む場合には、溶媒はアルコール
またはアルコールを含む混合溶媒とすることが好まし
い。
【0028】カルボン酸溶媒の例は、n−酪酸、α−メ
チル酪酸、i−吉草酸、2−エチル酪酸、 2,2−ジメチ
ル酪酸、 3,3−ジメチル酪酸、 2,3−ジメチル酪酸、3
−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2−エチ
ルペンタン酸、3−エチルペンタン酸、 2,2−ジメチル
ペンタン酸、 3,3−ジメチルペンタン酸、 2,3−ジメチ
ルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、3−エチルヘキ
サン酸などが挙げられる。
【0029】エステル系溶媒の例としては、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸sec-ブチル、
酢酸tert−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、
酢酸sec-アミル、酢酸tert−アミル、酢酸イソアミルな
どが挙げられる。
【0030】ケトン系溶媒の例は、アセトン、メチルエ
チルエトン、メチルイソブチルケトンである。エーテル
系溶媒は、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルといっ
た鎖式エーテル、ならびにテトラヒドロフラン、ジオキ
サンといった環式エーテルを包含する。シクロアルカン
系溶媒の例は、シクロヘプタン、シクロヘキサンなどで
ある。芳香族系溶媒としては、トルエン、キシレンなど
が挙げられる。
【0031】溶液中に含有させる各金属化合物 (後述す
るTiおよび/またはZrのヒドロキシ錯体も含めて) の割
合は、成膜しようとする強誘電体薄膜中における組成比
とほぼ同じでよい。但し、一般に鉛化合物は揮発性が高
く、金属酸化物に変化させるための加熱中または結晶化
のための焼成中に蒸発による鉛の欠損が起こることがあ
る。そのため、この欠損を見越して、鉛をやや過剰
(例、2〜20%過剰) に存在させてもよい。鉛の欠損の
程度は、鉛化合物の種類や成膜条件によって異なり、実
験により求めることができる。
【0032】金属化合物を有機溶媒中に溶解させた溶液
は、そのまま原料溶液としてゾルゲル法等による成膜に
使用することができる。或いは、造膜を促進させるた
め、この溶液を加熱して、加水分解性の金属化合物
(例、アルコキシド) を部分加水分解ないし部分重縮合
させて成膜に使用してもよい。即ち、この場合には、原
料溶液は、少なくとも一部の金属化合物については、そ
の部分加水分解物および/または部分重縮合物を含有す
ることになる。
【0033】部分加水分解のための加熱は、温度や時間
を制御して、完全に加水分解が進行しないようにする。
完全に加水分解すると、原料溶液の安定性が著しく低下
し、ゲル化し易くなる上、均一な成膜も困難となる。加
熱条件は、温度が80〜200 ℃、時間は 0.5〜50時間程度
が適当である。加水分解中に、加水分解物が−M−O−
結合(M=金属)により部分的に重縮合することがあ
る。このような重縮合が部分的であれば許容される。
【0034】原料溶液は少量の安定剤を含有していても
よい。安定剤の添加により、原料溶液の加水分解速度、
重縮合速度等が抑えられ、その保存安定性が改善され
る。安定剤として有用な化合物を挙げると、β−ジケト
ン類 (例、アセチルアセトン、ヘプタフルオロブタノイ
ルピバロイルメタン、ジピバロイルメタン、トリフルオ
ロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン等) 、ケトン
酸類 (例、アセト酢酸、プロピオニル酢酸、ベンゾイル
酢酸等) 、これらのケトン酸のメチル、プロピル、ブチ
ル等の低級アルキルエステル類、オキシ酸類 (例、乳
酸、グリコール酸、α−オキシ酪酸、サリチル酸等) 、
これらのオキシ酸の低級アルキルエステル類、オキシケ
トン類 (例、ジアセトンアルコール、アセトイン等) 、
α−アミノ酸類 (例、グリシン、アラニン等) 、アルカ
ノールアミン類 (例、ジエタノールアミン、トリエター
ノルアミン、モノエタノールアミン等) が例示される。
【0035】安定剤の添加量は、原料溶液中に存在する
金属元素の合計原子数に対する安定剤分子数で 0.1〜5
倍の量が好ましく、より好ましくは 0.2〜3倍である。
安定剤は、原料溶液の製造工程のどの段階で添加しても
よいが、後述する共沸蒸留を行う場合には、この蒸留後
に添加することが好ましい。また、前述した金属アルコ
キシドの部分加水分解を行う場合には、その前に安定剤
を添加しておく方が、加水分解速度の制御が容易となる
ことから好ましい。なお、安定剤を添加した場合には、
塗布後の加水分解を促進させるために、原料溶液に少量
の水を添加してもよい。
【0036】原料溶液が、金属アルコキシドと金属カル
ボン酸塩の両者を含有する場合には、金属アルコキシド
と混合する前に、金属カルボン酸塩に付随する結晶水を
除去しておくことが好ましい。この結晶水の除去は、金
属カルボン酸だけをまず溶媒に溶解させ、この溶液を蒸
留して溶媒との共沸蒸留により脱水することにより実施
できる。従って、この場合の溶媒は水と共沸蒸留可能な
ものを使用する。金属カルボン酸塩の結晶水を除去せず
に金属アルコキシドと混合すると、金属アルコキシドの
加水分解が進行しすぎたり、その制御が困難となること
あり、部分加水分解後に沈殿を生ずることがある。
【0037】原料溶液の濃度は特に制限されず、利用す
る塗布法や部分加水分解の有無によっても異なるが、一
般に金属酸化物換算の合計金属含有量(後述するヒドロ
キシ錯体に由来する金属も含む)として 0.1〜20wt%の
範囲が好ましい。
【0038】本発明に係る原料溶液は、Tiおよび/また
はZrに水酸化物イオンと少なくとも一部が加水分解性で
はない他の配位子とが配位したヒドロキシ錯体を含有す
ることを特徴とする。原料溶液中のTi化合物とZr化合物
の全部を、このようなTiおよびZrのヒドロキシ錯体にし
てもよい。しかし、TiやZrのヒドロキシ錯体は、例えば
これらの金属のアルコキシドに比べて高価であるか、市
販品を入手できないため、全部をヒドロキシ錯体にする
と成膜コストが高くなるので、Ti化合物および/または
Zr化合物の一部だけをヒドロキシ錯体にすれば十分であ
る。
【0039】Tiのヒドロキシ錯体は、Tiに少なくとも一
つの水酸化物イオン(OH- )と少なくとも一つの他の
有機および/または配位子が配位した錯体であり、この
他の配位子は少なくとも一部が加水分解性をもたない配
位子である。従って、水酸化物イオンと加水分解性のア
ルコキシレート (アルコキシ基) のみがTiに配位したヒ
ドロキシ錯体は除外される。Zrのヒドロキシ錯体につい
ても同様である。
【0040】有機配位子の例は、アルコール、カルボン
酸、β−ジケトン、β−ケトエステル、β−イミノケト
ン等から誘導されたアニオンである。即ち、有機配位子
は、アルコキシレート、カルボキシレート、β−ジケト
ネート (=β−ケトエノレート) 、β−エノールエステ
ル、β−イミノエノール等でよい。但し、有機配位子の
少なくとも一部はアルコキシレート以外のものである。
好ましい有機配位子の例は、エチレート、イソプロピレ
ート、n−ブチレート、t−ブチレート、メトキシエチ
レート、エトキシエチレート等のアルコキシレート;ア
セチルアセトネート(AcAc)、ジピバロイルメタネート(D
PM) 等のβ−ジケトネートである。
【0041】水酸化物イオン以外の無機配位子の例とし
ては、ハロゲンイオン、硝酸イオン(NO3 - ) などがあ
る。
【0042】本発明で使用可能なヒドロキシ錯体の具体
例を挙げると、Ti(OH)2(AcAc)2、Ti(OH)(AcAc)3 、Ti(O
H)2(DPM)2 、Ti(OH)2-x (O-i-Pr)x (AcAc)2 、Ti(OH)
2-x (O-C2H4-O-CH3)x (AcAc)2 、Ti(OH)2(NO3)2 、なら
びに対応するZr錯体などが挙げられるが、これらは例示
に過ぎず、これらに限定されるものではない。
【0043】Tiのヒドロキシ錯体、例えば、Ti(OH)2(Ac
Ac)2は、チタンテトラアルコキシド(例、チタンテトラ
イソプロポキシド) に有機溶媒中で所定量 (2倍モル)
のアセチルアセトン(AcAc)を作用させて Ti(O-i-Pr)2(A
cAc)2 を合成し、得られた溶液に水および/または触媒
の酸を添加した後、加熱してアルコキシレート基(-O-i-
Pr基) を完全に加水分解させることにより合成できる。
この加水分解を不完全に行うと、部分加水分解物である
Ti(OH)2-x (O-i-Pr)x (AcAc)2 が得られ、これも本発明
におけるヒドロキシ錯体として使用できる。他の化合物
も同様にして対応するアルコキシ錯体の加水分解により
容易に合成することができる。
【0044】Tiおよび/またはZrのヒドロキシ錯体は、
原料溶液にその調製の任意の時点で添加することができ
る。このヒドロキシ錯体が結晶水を持つ化合物である場
合には、前述したように金属有機酸塩に由来する結晶水
を共沸蒸留により除去する前に添加し、共沸蒸留でヒド
ロキシ錯体の結晶水を同時に除去してもよい。
【0045】加水分解性の金属化合物、特に金属アルコ
キシド類を部分加水分解ないし部分重縮合させるために
加熱する場合には、ヒドロキシ錯体はこの加熱の前と後
のいずれに添加してもよい。ヒドロキシ錯体の水酸化物
イオンは縮合性があり、また有機配位子がアルコキシレ
ートを含有する場合には加水分解性もある。従って、こ
のヒドロキシ錯体を加熱前に添加した場合には、加熱中
にヒドロキシ錯体が一緒に部分加水分解または部分重縮
合を受けることがある。従って、この場合には、ヒドロ
キシ錯体の部分加水分解物および/または部分重縮合物
が原料溶液中に含まれることになる。
【0046】なお、原料溶液に添加するTiおよび/また
はZrのヒドロキシ錯体は、添加時点でヒドロキシ錯体の
形態をとる(即ち、水酸化物イオンが配位している)も
のとする。例えば、水酸化物イオンの代わりにアルコキ
シレート基が他の配位子と共に配位した錯体を添加し、
原料溶液の調製中の上記の加熱工程でアルコキシレート
基の加水分解により水酸化物イオンを導入する(即ち、
原料溶液の調製中にその場でヒドロキシ錯体を形成す
る)方法では、次に説明するような表面形態の改善は得
られない。
【0047】Tiおよび/またはZrのヒドロキシ錯体 (ま
たはその部分加水分解物および/または部分重縮合物)
が原料溶液中に存在すると、その原料溶液から成膜され
た強誘電体薄膜の表面形態が著しく向上する。具体的に
は、結晶粒が微細になり、かつ膜全体を通して粒径がほ
ぼ均一となってバラツキがなくなる上、ジルコニア相と
いったペロブスカイトまたは層状ペロブスカイト以外の
相が見られなくなる。これは、TiやZrのヒドロキシ錯体
の結晶化温度が低いため、膜の仮焼時および/または結
晶化アニール (焼成) 時に、まず多数のTiO2またはZrO2
結晶が基板上に均一に生成し、これが初期核となって結
晶成長するため、均一で微細な結晶粒からなる強誘電体
薄膜が形成されるためであると推測される。
【0048】このように結晶粒が微細かつ均一で、ペロ
ブスカイト(または層状ペロブスカイト)以外の相が生
成しなくなるため、電気的特性も膜全体で均一となり、
強誘電体薄膜のどの部分からデバイスを作製してもほぼ
同じ品質の製品が得られ、製品の信頼性が向上する。
【0049】この効果を得るためには、Tiおよび/また
はZrのヒドロキシ錯体の金属原子数が、原料溶液中に存
在する金属元素の合計原子数に対して0.001 倍以上であ
ることが好ましく、より好ましくは0.005 倍〜0.5 倍で
ある。
【0050】上述したように、この原料溶液から従来の
ゾルゲル法等と同様に強誘電体薄膜を成膜することがで
きる。まず、基板上に原料溶液を塗布する。塗布は、ス
ピンコーティングにより行うのが普通であるが、ロール
塗布、噴霧、浸漬、カーテンフローコート、ドクターブ
レードなど他の塗布法も適用可能である。塗布後、塗膜
を乾燥させ、溶媒を除去する。この乾燥温度は溶媒の種
類によっても異なるが、通常は80〜200 ℃程度であり、
例えば 100〜180 ℃の範囲でよい。但し、次の金属酸化
物に転化させるための加熱の際の昇温中に溶媒は除去さ
れるので、塗膜の乾燥工程は必ずしも必要ない。
【0051】その後、仮焼工程として、塗布した基板を
加熱し、有機金属化合物を完全に加水分解または熱分解
させて金属酸化物に転化させ、金属酸化物からなる膜を
形成する。この加熱は、加水分解の必要なゾルゲル法で
は水蒸気を含んでいる雰囲気、例えば、空気または含水
蒸気雰囲気 (例、水蒸気を含有する窒素雰囲気) 中で行
われ、熱分解させるMOD法では含酸素雰囲気中で一般
に行われる。加熱温度は、金属酸化物の種類によっても
異なるが、通常は 150〜550 ℃の範囲であり、例えば 3
00〜450 ℃である。加熱時間は、加水分解および熱分解
が完全に進行するように選択するが、通常は1分ないし
2時間程度である。
【0052】ゾルゲル法等の場合は、1回の塗布で、強
誘電体薄膜に必要な膜厚とすることは難しい場合が多い
ので、必要に応じて、上記の塗布と (乾燥と) 加熱を繰
り返して、所望の膜厚の金属酸化物の膜を得る。こうし
て得られた膜は、非晶質であるか、結晶質であっても結
晶性が不十分であるので、分極性が低く、強誘電体薄膜
として利用できない。
【0053】そのため、最後に結晶化アニール工程とし
て、その金属酸化物の結晶化温度以上の温度で焼成し
て、ペロブスカイト型(層状ペロブスカイト型)の結晶
構造を持つ結晶質の金属酸化物薄膜とする。なお、結晶
化のための焼成は、最後に一度で行うのではなく、各塗
布した塗膜ごとに、上記の仮焼に続けて行ってもよい
が、高温での焼成を何回も繰り返す必要があるので、最
後にまとめて行う方が経済的には有利である。
【0054】この結晶化のための焼成温度は通常は 500
〜800 ℃の範囲であり、例えば 600〜750 ℃である。従
って、基板としては、この焼成温度に耐える程度の耐熱
性を有するものを使用する。結晶化のための焼成 (アニ
ール) 時間は、通常は1分から2時間程度であり、焼成
雰囲気は特に制限されないが、通常は空気または酸素で
ある。
【0055】耐熱性の基板材料としては、シリコン (単
結晶または多結晶) 、白金、ニッケルなどの金属類、酸
化ルテニウム、酸化イリジウム、ルテニウム酸ストロン
チウム(SrRuO3)、石英、窒化アルミニウム、酸化チタン
などの無機化合物が挙げられる。キャパシター膜の場合
には、基板は下部電極である。下部電極は、例えば、P
t、Pt/Ti、Pt/Ta、Ru、RuO2、Ru/RuO2、RuO2/Ru、I
r、IrO2、Ir/IrO2、Pt/Ir、Pt/IrO2などでよい (/
の前が上層) とすることができる。
【0056】このようにして成膜された強誘電体薄膜の
膜厚は、誘電体デバイスの用途によっても異なるが、通
常は 500〜4000Å程度が好ましい。得られた強誘電体薄
膜は、前述したような各種の誘電体デバイスに有用であ
る。
【0057】
【実施例】実施例で用いたヒドロキシ錯体以外の原料金
属化合物は次の通りである。 Pb:酢酸鉛3水和物 La:酢酸ランタン1.5 水和物 Ti:チタンテトライソプロポキシド Zr:ジルコニウムテトラn−ブトキシド (実施例1〜7)適当な反応容器に酢酸鉛3水和物と酢酸
ランタン1.5 水和物と溶媒の2−メトキシエタノールを
装入し、生成した溶液から水を共沸蒸留により除去し
た。こうして脱水した溶液に、チタンテトライソプロポ
キシドおよびジルコニウムテトラn−ブトキシドと、表
1に記載したTiまたはZrのヒドロキシ錯体を添加して溶
解させた。なお、ヒドロキシ錯体の金属分を含めて、原
料金属化合物は、Pb:La:Zr:Tiの原子比が110:1:52:4
8 となる割合で使用した。
【0058】この溶液に安定剤としてアセチルアセトン
(=2,4-ペンタンジオン) を、原料溶液中に存在する金
属元素の合計原子数に対して1倍の分子数となる量で添
加して溶解させた。その後、水を、原料溶液中に存在す
る金属元素の合計原子数に対して1.5 倍の分子数となる
量で添加し、さらに溶媒の2−メトキシエタノールを添
加して、酸化物換算の原料化合物の合計含有量が10wt%
となるように濃度を調整した。この溶液を窒素雰囲気下
で3時間還流加熱し、原料化合物のアルコキシド類を部
分加水分解 (ないしはさらに部分重縮合) させ、原料溶
液を得た。
【0059】(実施例8〜12)適当な反応容器に酢酸鉛3
水和物と酢酸ランタン1.5 水和物と溶媒の2−メトキシ
エタノールを装入し、生成した溶液から水を共沸蒸留に
より除去した。こうして脱水した溶液に、チタンテトラ
イソプロポキシドおよびジルコニウムテトラn−ブトキ
シドを添加して溶解させた。次いで、この溶液に安定剤
としてアセチルアセトンを、原料溶液中に存在する金属
元素の合計原子数 (後で加えるヒドロキシ錯体の分も含
む) に対して1倍の分子数となる量で添加して溶解させ
た。
【0060】その後、水を、原料溶液中に存在する金属
元素の合計原子数 (同上) に対して1.5 倍の分子数とな
る量で添加し、さらに溶媒の2−メトキシエタノールを
添加して、酸化物換算の原料化合物の合計含有量 (後か
ら加えるヒドロキシ錯体の分を含む) が10wt%となるよ
うに濃度を調整した。この溶液を窒素雰囲気下で3時間
還流加熱し、原料化合物のアルコキシド類を部分加水分
解 (ないしはさらに部分重縮合) させた。最後に、表1
に記載した、TiまたはZrのヒドロキシ錯体を添加し、原
料溶液を得た。この例でも、ヒドロキシ錯体の金属分を
含めて、原料金属化合物は、Pb:La:Zr:Tiの原子比が
110:1:52:48 となる割合で使用し、最終的に酸化物換算
の原料化合物の合計含有量が10wt%となるように少量の
2−メトキシエタノールで濃度調整した。
【0061】(比較例1)最後にTiまたはZrのヒドロキシ
錯体を添加しなかった以外は、実施例8〜12と同様にし
て、原料溶液を調製した。
【0062】これらの実施例および比較例の原料溶液を
用いて基板上にPLZT系強誘電体薄膜を成膜した。基
板は Si(100)ウェーハ/SiO2 (5000Å)/Pt (2000Å) で
あった。原料溶液は、スピンコート (3000 rpm×15秒)
により基板に塗布し、空気中350〜400 ℃で10分間加熱
して金属酸化物の膜を得た。この塗布と加熱を計5回繰
り返し、最後に結晶化のために酸素中700 ℃で5分間焼
成して、膜厚が約200nmで、ペロブスカイト型結晶構造
を持つPLZTの強誘電体薄膜を得た。
【0063】こうして成膜されたPLZT薄膜の表面を
SEMで観察し、結晶粒の平均粒径を測定すると共に、
結晶粒径のばらつきおよびペロブスカイト相以外の相
(例、ジルコニア相) の有無を判定した。平均粒径は、
薄膜表面のSEM写真から計算により求めた粒子の平均
切片長である。これらの結果を次の表1に、ヒドロキシ
錯体の種類および量と一緒にまとめて示す。
【0064】
【表1】
【0065】表1からわかるように、本発明に従って、
原料溶液がTiまたはZrのヒドロキシ錯体を含有している
と、この錯体の添加時期がアルコキシド原料の加水分解
用の還流加熱の前と後のいずれであっても、結晶粒が微
細 (500 nm以下、ヒドロキシ錯体の添加分子数が0.1 倍
以上になると170 nm以下) で、粒径にばらつきがなく、
またペロブスカイト相以外の相(例、ジルコニア相)が
存在しない、表面形態が均一な強誘電体薄膜が成膜され
た。一方、TiまたはZrのヒドロキシ錯体を含有しない比
較例の原料溶液から成膜した強誘電体薄膜は、結晶粒14
00 nm と粗大であり、粒径のばらつきが観られ、さらに
ジルコニア相などのペロブスカイト以外の相が観察さ
れ、表面形態が不均一であった。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、ゾルゲル法等により成
膜された強誘電体薄膜の表面形態の不均一性を著しく軽
減することができ、結晶粒が微細で、結晶粒径にばらつ
きがなく、ペロブスカイトまたは層状ペロブスカイト相
以外の相が存在しない強誘電体薄膜を成膜することがで
きる。従って、電気的特性が場所によりばらつかずに膜
全体で均質になるため、この強誘電体薄膜から誘電体デ
バイスを作製すると、信頼性の高い製品を歩留りよく製
造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 暁 兵庫県三田市テクノパーク12−6 三菱マ テリアル株式会社三田工場内 (72)発明者 影山 謙介 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 (72)発明者 松浦 正弥 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 (72)発明者 小木 勝実 埼玉県大宮市北袋町1丁目297番地 三菱 マテリアル株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4G047 CA02 CB05 CC02 CD02 CD08 4G048 AA03 AB02 AB05 AD02 AD08 AD10 AE05 AE08 5G303 AA10 AB20 BA03 BA07 CA01 CA09 CA11 CB05 CB15 CB25 CB35 CB39 CD04 DA02 DA06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Tiおよび/またはZrを含有する複合金属
    酸化物からなる強誘電体薄膜を成膜するための原料溶液
    であって、各成分金属または2以上の成分金属を含む金
    属化合物、その部分加水分解物、および/またはその部
    分重縮合物を有機溶媒中に含有する溶液からなり、かつ
    該溶液が、Tiおよび/またはZrに水酸化物イオンと他の
    配位子が配位したヒドロキシ錯体 (但し、他の配位子の
    少なくとも一部は加水分解性ではない) 、その部分加水
    分解物、および/またはその部分重縮合物を含んでいる
    ことを特徴とする強誘電体薄膜の成膜用原料溶液。
  2. 【請求項2】 該Tiおよび/またはZrのヒドロキシ錯体
    の金属原子数が、原料溶液中に存在する金属原子の合計
    原子数に対して0.001 倍以上である、請求項1記載の強
    誘電体薄膜の成膜用原料溶液。
  3. 【請求項3】 強誘電体薄膜が一般式:Pb1-x Lax (Zr
    y Ti1-y)1-x/43 (式中、0≦x<1、0≦y≦1)で表されるものであ
    る、請求項1または2記載の強誘電体薄膜の成膜用原料
    溶液。
  4. 【請求項4】 強誘電体薄膜がチタン酸ビスマスであ
    る、請求項1または2記載の強誘電体薄膜の成膜用原料
    溶液。
  5. 【請求項5】 Tiおよび/またはZrを含有する複合金属
    酸化物からなる強誘電体薄膜を成膜するための原料溶液
    の製造方法であって、各成分金属または2以上の成分金
    属を含む加水分解性または熱分解性金属化合物を有機溶
    媒に溶解させ、得られた溶液を加熱して加水分解性化合
    物を部分加水分解または部分重縮合させ、この加熱の前
    および/または後に、Tiおよび/またはZrに水酸化物イ
    オンと他の配位子が配位子したヒドロキシ錯体 (但し、
    他の配位子の少なくとも一部は加水分解性ではない) を
    添加することを特徴とする、強誘電体薄膜の成膜用原料
    溶液の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    の原料溶液を耐熱性基板に塗布し、加熱して金属酸化物
    膜を成膜し、必要に応じて膜が所望の厚さになるまで塗
    布と加熱を繰り返し、前記加熱中または塗布と加熱の繰
    り返し後に膜を結晶化温度以上で焼成することからな
    る、強誘電体薄膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の方法により形成された強
    誘電体薄膜。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003002645A (ja) * 2001-06-13 2003-01-08 Seiko Epson Corp セラミックスの原料液
JP2006076842A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 Nissan Chem Ind Ltd チタン酸ジルコン酸鉛系強誘電体前駆物質及びその製造法
JP2007161502A (ja) * 2005-12-09 2007-06-28 Gifu Univ チタン含有複合酸化物形成用溶液及びその製造方法、チタン含有複合酸化物の製造方法、チタン含有複合酸化物の前駆体、誘電体材料、並びに誘電体材料の製造方法
US7544240B2 (en) 2004-09-17 2009-06-09 Seiko Epson Corporation Composition for ferroelectric thin film formation, ferroelectric thin film and liquid-jet head
JP2014157822A (ja) * 2010-05-24 2014-08-28 Mitsubishi Materials Corp 強誘電体薄膜の製造方法

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