JP2003002645A - セラミックスの原料液 - Google Patents
セラミックスの原料液Info
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Abstract
することができる、セラミックスの原料液を提供する。 【解決手段】 セラミックスの原料液は、第1の原料液
と、第2の原料液とを混合して使用される。第1の原料
液と第2の原料液とは、種類が異なる関係にある。第1
の原料液は、Bi系層状ペロブスカイト構造を有する強
誘電体を生成するための原料液であり、第2の原料液
は、AサイトがBiであるABO系酸化物を生成するた
めの原料液である。
Description
料液に関する。
リ(FeRAM))に適用される強誘電体膜として、層
状ペロブスカイト構造を有する強誘電体膜(たとえばB
iLaTiO系,BiTiO系,SrBiTaO系)が
提案されている。この層状ペロブスカイト構造を有する
強誘電体膜は、一般に、アモルファス状態から結晶成長
を行うことにより形成される。
スカイト構造を有する強誘電体膜を形成した場合、強誘
電体膜は、結晶構造に起因して、c軸方向の結晶成長速
度がa,b軸方向の結晶成長速度よりも遅くなる。つま
り、a,b軸方向に結晶成長し易い。このため、上記の
形成方法によると、層状ペロブスカイト構造を有する強
誘電体膜は、荒れた表面モフォロジとなる。すなわち、
得られる強誘電体膜の結晶間において、間隙(たとえば
孔や溝)が生じる。
誘電体は、一般に、結晶化温度が高い。このため、層状
ペロブスカイト構造を有する強誘電体を形成する際、焼
成温度を高く設定する必要がある。
で強誘電体のようなセラミックスを形成することができ
る、セラミックスの原料液を提供することにある。
ラミックスの原料液は、第1の原料液と、第2の原料液
とを混合して使用されるセラミックスの原料液であっ
て、前記第1の原料液と前記第2の原料液とは、種類が
異なる関係にあり、前記第1の原料液は、Bi系層状ペ
ロブスカイト構造を有する強誘電体を生成するための原
料液であり、前記第2の原料液は、AサイトがBiであ
るABO系酸化物を生成するための原料液である。
混合状態であってもよく、また、別体であってもよい。
ラミックス膜を形成することにより、たとえば、低温で
所定の特性を有する強誘電体膜を形成することができ
る。また、本発明のセラミックスの原料液によって得ら
れたセラミックス膜は、表面モフォロジに関して、優れ
ている。
は、前記第1の原料液に基づいて生成される強誘電体
と、前記第2の原料液に基づいて生成されるABO系酸
化物とのモル比が、100:20〜100:100とな
るように混合されることが好ましい。これにより、より
確実に低温で所定の特性を有する強誘電体膜を形成する
ことができる。
金属元素の、金属化合物または金属無機化合物を溶媒に
溶解した溶液であり、前記第2の原料液は、前記ABO
系酸化物の構成金属元素の、金属化合物または金属無機
化合物を溶媒に溶解した溶液であることができる。
液は、第3の原料液と、第4の原料液とを混合して使用
されるセラミックスの原料液であって、前記第3の原料
液と前記第4の原料液とは、種類が異なる関係にあり、
前記第3の原料液は、PZT系の強誘電体を生成するた
めの原料液であり、前記第4の原料液は、AサイトがP
bであるABO系酸化物を生成するための原料液であ
る。
混合状態であってもよく、また、別体であってもよい。
ラミックス膜を形成することにより、たとえば、低温で
所定の特性を有する強誘電体膜を形成することができ
る。また、本発明のセラミックスの原料液によって得ら
れたセラミックス膜は、表面モフォロジに関して、優れ
ている。
は、前記第3の原料液に基づいて生成される強誘電体
と、前記第4の原料液に基づいて生成されるABO系酸
化物とのモル比が、100:20〜100:100とな
るように混合されることが好ましい。これにより、より
確実に低温で所定の特性を有する強誘電体膜を形成する
ことができる。
金属元素の、金属化合物または金属無機化合物を溶媒に
溶解した溶液であり、前記第4の原料液は、前記ABO
系酸化物の構成金属元素の、金属化合物または金属無機
化合物を溶媒に溶解した溶液であることができる。
液は、第5の原料液と、第6の原料液とを混合して使用
されるセラミックスの原料液であって、前記第5の原料
液は、Bi系層状ペロブスカイト構造を有する強誘電体
またはPZT系の強誘電体を生成するための原料液であ
り、前記第6の原料液は、BサイトがGeであるABO
系酸化物を生成するための原料液である。
混合状態であってもよく、また、別体であってもよい。
ラミックス膜を形成することにより、たとえば、低温で
所定の特性を有する強誘電体膜を形成することができ
る。また、本発明のセラミックスの原料液によって得ら
れたセラミックス膜は、表面モフォロジに関して、優れ
ている。
は、前記第5の原料液に基づいて生成される強誘電体
と、前記第6の原料液に基づいて生成されるABO系酸
化物とのモル比が、100:20〜100:100とな
るように混合されることが好ましい。これにより、より
確実に低温で所定の特性を有する強誘電体膜を形成する
ことができる。
金属元素の、金属化合物または金属無機化合物を溶媒に
溶解した溶液であり、前記第6の原料液は、前記ABO
系酸化物の構成金属元素の、金属化合物または金属無機
化合物を溶媒に溶解した溶液であることができる。
液は、熱分解用の原料液であることができる。
について、図面を参照しながら説明する。
原料液は、第1の原料液と第2の原料液とを混合して使
用される原料液である。第1のセラミックスの原料液
は、熱分解することによりセラミックス膜が得られるよ
うな原料液であることができる。第1の原料液と、第2
の原料液とは、生成する材質の種類が異なる関係にあ
る。第1および第2の原料液は、たとえば、1)金属有
機化合物(たとえば金属アルコキシド、金属カルボン
酸)や金属無機化合物(たとえば金属硝酸塩、金属塩化
物)を溶媒(たとえば水、アルコール、エステル、脂肪
族炭化水素、芳香族炭化水素、ケトン、エーテル、また
は、これらの混合物)に溶解させた液、2)溶媒中で金
属化合物を加水分解反応、縮合反応などをさせた液、
3)金属アルコキシドの加水分解により得られるゾル・
ゲル液であることができる。
体的に説明する。
ト構造を有する強誘電体を生成するための原料液であ
る。Bi系層状ペロブスカイト構造を有する強誘電体と
しては、SrBiTaO系の強誘電体(たとえばSrB
i2Ta2O9)、BiLaTiO系の強誘電体(たとえ
ばBi3.25La0.75Ti3O12)、BiTiO系の強誘
電体(たとえばBi4Ti3O12)を挙げることができ
る。第1の原料液には、強誘電体を構成する金属元素が
含まれている。この第1の原料液に含まれる強誘電体の
構成金属元素の量は、所望とする強誘電体の量、およ
び、所望とする強誘電体中の構成金属元素の原子数の比
を考慮して決定される。
TaO系の強誘電体の場合、2−メトキシエタノール中
に、ストロンチウムのアルコキシド、ビスマスのアルコ
キシド、タンタルのアルコキシドのそれぞれの溶液を混
合した液を挙げることができる。なお、第1の原料液中
において、ストロンチウムのアルコキシド、ビスマスの
アルコキシド、タンタルのアルコキシドの濃度は、それ
ぞれ、たとえば、0.05mol/l、0.1mol/l、1.0
mol/lであることができる。すなわち、第1の原料液1
リットル当たり、0.05molのSrBi2Ta2O9の強
誘電体が生成されるように各濃度を設定することができ
る。
BO系酸化物を生成するための原料液である。Aサイト
がBiでないと、Bi系層状ペロブスカイト構造のBi
が収まるべきサイトに、Bi以外の元素が収まる場合が
生じ、強誘電体膜の特性に悪影響を及ぼすことがある。
AサイトがBiであるABO系酸化物としては、BiG
eO系の酸化物(たとえばBi4Ge3O12)、BiMo
O系の酸化物(Bi2MoO6)、BiVO系の酸化物
(Bi2VO6)、BiCrO系の酸化物(Bi2Cr
O6)、BiSiO系の酸化物(Bi4Si3O12)、B
iWO系の酸化物(Bi4W3O12)を挙げることができ
る。なお、ABO系酸化物のBサイトの元素を変えるこ
とにより、第2の原料液に基づく結晶の結晶化温度を変
えることができる。また、ABO系酸化物は、強誘電体
であっても、常誘電体であってもよい。
する金属元素が含まれている。この第2の原料液に含ま
れるABO系酸化物の構成金属元素の量は、所望とする
ABO系の酸化物の量、および、所望とするABO系酸
化物中の構成金属元素の原子数の比を考慮して決定され
る。
O系の酸化物の場合、2−メトキシエタノール中に、ビ
スマスのアルコキシド、ゲルマニウムのアルコキシドの
それぞれの溶液を混合した液を挙げることができる。な
お、第2の原料液中において、ビスマスのアルコキシ
ド、ゲルマニウムのアルコキシドの濃度は、それぞれ、
たとえば、0.20mol/l、0.15mol/lであることが
できる。すなわち、第2の原料液1リットル当たり、
0.05molのBi4Ge3O12の酸化物が生成されるよ
うに、ビスマスのアルコキシド、ゲルマニウムのアルコ
キシドの各濃度を設定することができる。
原料液に基づいて得られる強誘電体と、第2の原料液に
基づいて得られるABO系酸化物とのモル比が、10
0:20〜100:100となるように混合されること
が好ましい。この理由は、実施例の項で説明する。
に係るセラミックスの原料液を利用して、たとえば、次
のようにしてセラミックス膜を製造することができる。
図1は、セラミックス膜の製造工程を模式的に示す断面
模式図の一例である。
の熱処理は、基体10の表面の水分を除去するために行
われる。熱処理の温度は、たとえば180℃である。
10の上に塗布し、セラミックス原料体層20を形成す
る。この形成方法としては、スピンコート法、ディッピ
ング法、LSMCD法を挙げることができる。
ス原料体層20における溶媒を蒸発させる。この溶媒の
蒸発は、窒素雰囲気下で行うことができる。乾燥熱処理
の温度は、たとえば160℃である。
を、脱脂熱処理する。この熱処理によって、セラミック
ス原料体層20における有機物を分解させることができ
る。この有機物の分解は、窒素雰囲気下で行うことがで
きる。この熱処理の温度は、たとえば260℃である。
仮焼結させる。この仮焼結において、結晶核が形成され
る。仮焼結は、たとえば酸素雰囲気下で、RTAにより
行われることができる。
焼結させる。この焼結は、たとえば、酸素雰囲気下で、
FA(ファーネス)により行うことができる。
ルとして、このサイクルを複数回行ってもよい。
るセラミックスの原料液を用いて、セラミックス膜を成
膜した場合の作用効果について、説明する。
クスの原料液を焼成して、強誘電体(SBT)膜を形成
する場合には、一般に、700℃程度の焼成温度でなけ
れば、強誘電体膜に必要な所望の特性(たとえば残留分
極)が得られない。
混合させた状態で、第1のセラミックスの原料液を焼成
し、セラミックス膜を形成する場合には、後述するよう
に、500℃程度の焼成温度でも強誘電体膜に必要な所
望の特性を得ることができる。つまり、本実施の形態に
よれば、より低温度で、所望の特性を有する強誘電体膜
を形成することができる。
材質と、第2の原料液に基づいて生成される材質とは、
異なる。このため、たとえば、第1の原料液が結晶化す
る結晶化温度と、第2の原料液が結晶化する結晶化温度
とが異なることとなる。その結果、一方の原料液の結晶
化を、他方の原料液の結晶化に対して先行させることが
できる。したがって、図1(B)に示すように、一方の
原料液に基づく結晶42間に、他方の原料液に基づく結
晶52を成長させることができる。つまり、一方の原料
液に基づく結晶42と、他方の原料に基づく結晶52が
独立して成長していき、一方の原料液に基づく結晶42
間を埋めるように、他方の原料に基づく結晶52が成長
していくこととなる。その結果、表面モフォロジが向上
したセラミックス膜を形成することができる。
配向し易い方向を、第1の原料液に基づく結晶の配向し
易い方向と異ならせることにより、一方の原料液に基づ
く結晶の結晶成長が、他方の結晶の結晶成長に遮られる
こととなる。このため、この場合には、得られるセラミ
ックス膜の結晶を微結晶化させることができる。その結
果、より表面モフォロジが改善したセラミックス膜を形
成することができる。
原料液は、第3の原料液と第4の原料液とを混合して使
用される溶液である。第2のセラミックスの原料液は、
熱分解することによりセラミックス膜が得られるような
原料液であることができる。第3の原料液と、第4の原
料液とは、生成する材質の種類が異なる関係にある。第
3および第4の原料液は、たとえば、1)金属有機化合
物(たとえば金属アルコキシド、金属カルボン酸)や金
属無機化合物(たとえば金属硝酸塩、金属塩化物)を溶
媒(たとえば水、アルコール、エステル、脂肪族炭化水
素、芳香族炭化水素、ケトン、エーテル、または、これ
らの混合物)に溶解させた液、2)溶媒中で金属化合物
を加水分解反応、縮合反応などをさせた液、3)金属ア
ルコキシドの加水分解により得られるゾル・ゲル液であ
ることができる。
体的に説明する。
成するための原料液である。PZT系の強誘電体として
は、PbZrTiO系の強誘電体(たとえばPbZry
Ti1 -yO3)、PbLaZrTiO系の強誘電体(たと
えばPb1-xLaxZryTi1- yO3)を挙げることがで
きる。第3の原料液には、強誘電体を構成する金属元素
が含まれている。この第3の原料液に含まれる強誘電体
の構成金属元素の量は、所望とする強誘電体の量、およ
び、所望とする強誘電体中の構成金属元素の原子数の比
を考慮して決定される。
TiO系の強誘電体を例にとると、酢酸鉛三水和物、ジ
ルコニウムブトキシド、チタンイソプロポキシドが1−
メトキシ−2−プロパノール中に含まれる液を挙げるこ
とができる。酢酸鉛三水和物、ジルコニウムブトキシ
ド、チタンイソプロポキシドの使用量は、所望とする強
誘電体中の構成金属元素の原子数の比や、所望とする強
誘電体の量を考慮して、決定される。
BO系酸化物を生成するための原料液である。Aサイト
がPbでないと、PZT系酸化物のPbが収まるべきサ
イトに、Pb以外の元素が収まる場合が生じ、強誘電体
膜の特性に悪影響を及ぼすことがある。AサイトがPb
であるABO系酸化物としては、PbGeO系の酸化物
(Pb5Ge3O11)、PbMoO系の酸化物(Pb2M
oO5)、PbVO系の酸化物(Pb2VO5)、PbC
rO系の酸化物(Pb2CrO5)、PbSiO系の酸化
物(Pb5Si3O11)、PbWO系の酸化物(Pb2W
O5)、PbSnO系の酸化物(PbSnO3)、PbG
eSiO系の酸化物(Pb5Ge2SiO11)を挙げるこ
とができる。なお、ABO系酸化物のBサイトの元素を
変えることにより、第2の原料液に基づく結晶の結晶化
温度を変えることができる。また、ABO系酸化物は、
強誘電体であっても、常誘電体であってもよい。
O系の酸化物を例にとると、1−メトキシ−2−プロパ
ノール中に、ゲルマニウムエトキシドおよび鉛ブトキシ
ドを溶解した液を挙げることができる。ゲルマニウムエ
トキシドおよび鉛ブトキシドの使用量は、所望とする酸
化物の構成金属元素の原子数の比や、所望とする酸化物
の量を考慮して、決定される。
原料液に基づいて得られる強誘電体と、第4の原料液に
基づいて得られるABO系酸化物とのモル比が、10
0:20〜100:100となるように混合されること
が好ましい。
セラミックスの原料液の成膜方法は、第1の実施の形態
で示した方法であることができる。
るセラミックスの原料液を用いて、セラミックス膜を成
膜した場合の作用効果について説明する。
原料液によれば、第3の原料液のみを焼成して強誘電体
膜を形成する場合において、所定の特性をだすために必
要な焼成温度よりも低い焼成温度で、所定の特性を有す
る強誘電体膜を形成することができる。つまり、本実施
の形態によれば、より低温度で、所望の特性を有する強
誘電体膜を形成することができる。
材質と、第4の原料液に基づいて生成される材質とは、
異なる。このため、たとえば、第3の原料液が結晶化す
る結晶化温度と、第4の原料液が結晶化する結晶化温度
とが異なることとなる。その結果、第1の実施の形態と
同様に、表面モフォロジが向上したセラミックス膜を形
成することができる。
原料液は、第5の原料液と第6の原料液とを混合して使
用される原料液である。第3のセラミックスの原料液
は、熱分解することによりセラミックス膜が得られるよ
うな原料液であることができる。第5の原料液と、第6
の原料液とは、生成する材質の種類が異なる関係にあ
る。第5および第6の原料液は、たとえば、1)金属有
機化合物(たとえば金属アルコキシド、金属カルボン
酸)や金属無機化合物(たとえば金属硝酸塩、金属塩化
物)を溶媒(たとえば水、アルコール、エステル、脂肪
族炭化水素、芳香族炭化水素、ケトン、エーテル、また
は、これらの混合物)に溶解させた液、2)溶媒中で金
属化合物を加水分解反応、縮合反応などをさせた液、
3)金属アルコキシドの加水分解により得られるゾル・
ゲル液であることができる。
体的に説明する。
ト構造を有する強誘電体またはPZT系の強誘電体を生
成するための原料液である。Bi系層状ペロブスカイト
構造を有する強誘電体としては、第1のセラミックスの
原料液で示したものを適用できる。PZT系の強誘電体
としては、第1のセラミックスの原料液で示したものを
適用できる。第5の原料液の具体例としては、Bi系層
状ペロブスカイト構造を有する強誘電体の場合には第1
の原料液(第1の実施の形態)の具体例を適用でき、P
ZT系の強誘電体の場合には第3の原料液(第2の実施
の形態)の具体例を適用できる。
成するための原料液である。BサイトがGeである酸化
物は、融点が700℃近傍と低いため、プロセスの低温
化を図ることができる。AGeO系の酸化物におけるA
サイトとしては、たとえば、アルカリ土類金属、希土類
元素(特にCe)、Zr、Sr、Biを挙げることがで
きる。ZrGeO系の酸化物としてはたとえばZrGe
O4を挙げることができ、SrGeO系の酸化物として
はたとえばSr5Ge3O11を挙げることができる。第6
の原料液の具体例としては、BiGeO系の酸化物の場
合には、第2の原料液(第1の実施の形態)の具体例を
適用できる。AGeO系の酸化物は、常誘電体であって
もよいし、強誘電体であってもよい。
原料液に基づいて得られる強誘電体と、第6の原料液に
基づいて得られるABO系酸化物とのモル比が、10
0:20〜100:100となるように混合されること
が好ましい。
セラミックスの原料液の成膜方法は、第1のセラミック
スの原料液の成膜方法で示した方法であることができ
る。
るセラミックスの原料液を用いて、セラミックス膜を成
膜した場合の作用効果について説明する。
原料液によれば、第5の原料液のみを焼成して強誘電体
膜を形成する場合において、所定の特性をだすために必
要な焼成温度よりも低い焼成温度で、所定の特性を有す
る強誘電体膜を形成することができる。つまり、本実施
の形態によれば、より低温度で、所望の特性を有する強
誘電体膜を形成することができる。
材質と、第6の原料液に基づいて生成される材質とは、
異なる。このため、たとえば、第5の原料液が結晶化す
る結晶化温度と、第6の原料液が結晶化する結晶化温度
とが異なることとなる。その結果、第1の実施の形態と
同様に、表面モフォロジが向上したセラミックス膜を形
成することができる。
配向し易い方向を、第5の原料液に基づく結晶の配向し
易い方向と異ならせることにより、一方の原料液に基づ
く結晶の結晶成長が、他方の結晶の結晶成長に遮られる
こととなる。このため、この場合には、得られるセラミ
ックス膜の結晶を微結晶化させることができる。その結
果、より表面モフォロジが改善したセラミックス膜を形
成することができる。
は、次の変形が可能である。
複数回実施して、セラミックス膜を形成することができ
る。また、上記のセラミックス膜の製造工程と、公知の
セラミックスの原料によりセラミックス膜を製造する工
程とを組み合わせてセラミックス膜を形成することがで
きる。
材料体を形成する方法は、たとえば次の方法を挙げるこ
とができる。図3は、LSMCD法により原材料体を基
体の上に形成するための装置200を模式的に示す断面
図である。
ュ240に送られる。メッシュ240を通過した主液2
10は、ミスト250となり、基体10の上に供給され
る。また、副液220も噴霧器232によりメッシュ2
40に送られ、メッシュ240を通過した副液220
は、ミスト250となり、基体10の上に供給される。
こうして、ミスト250が基体10の上に積み重なって
いくことにより、原材料体が形成される。ミスト250
の粒径は、たとえば10〜200nmである。
第1の原料液、第3の原料液または第5の原料液に相当
する。副液とは、上記実施の形態における、第2の原料
液、第4の原料液または第6の原料液に相当する。
体10の上に供給されることができる。または、主液2
10および副液220は、交互に供給されることもでき
る。
10の上に供給した場合には、原材料体は、たとえば、
図4(A)に示すように、主液210に起因する第1の
ミスト210aと、副液220に起因する第2のミスト
220aとが入りまじった態様をとる。
する場合には、原材料体は、たとえば、図4(B)に示
すように、主液210に起因する第1のミスト210a
と、副液220に起因する第2のミスト220aとが、
それぞれ一つの層を構成している。すなわち、同一の層
は、同一の原料に起因するミストから構成されている。
に係るセラミックスの原料液により得られたセラミック
ス膜は、たとえば、強誘電体メモリ装置に適用すること
ができる。図2は、強誘電体メモリ装置を模式的に示す
断面図である。
領域R1と、このCMOS領域R1上に形成されたキャ
パシタ領域R2と、を有する。すなわち、CMOS領域
R1は、半導体基板1と、この半導体基板1上に形成さ
れた素子分離領域2およびMOSトランジスタ3と、層
間絶縁層4とを有する。キャパシタ領域R2は、下部電
極5、強誘電体膜6および上部電極7から構成されるキ
ャパシタC100と、下部電極5と接続された配線層8
aと、上部電極7と接続された配線層8bと、絶縁層9
とを有する。キャパシタC100における強誘電体膜6
は、本発明のセラミックス膜の製造方法により形成され
ている。MOSトランジスタ3の不純物拡散層3aと、
キャパシタ5を構成する下部電極5とは、ポリシリコン
またはタングステンからなるコンタクト層11によって
接続されている。
る。
や孔が生じることを考慮して、上部電極と下部電極との
短絡を防ぐ必要から、強誘電体膜の厚さを厚くする必要
がある。この上部電極と下部電極との短絡は、上部電極
がイリジウム系の材質(Ir,IrO2)からなるとき
に著しく生じる。しかし、この適用例では、強誘電体装
置5000の強誘電体膜6は、本発明のセラミックスの
原料液により形成されている。このため、強誘電体膜6
において表面モフォロジが改善されている。その結果、
強誘電体膜6において表面モフォロジが改善された分だ
け、強誘電体膜6の厚さを薄くすることができる。した
がって、この強誘電体装置5000によれば、高集積化
を図ることができる。
材質としてイリジウム系の材質を適用できる、強誘電体
膜6の膜厚の範囲を広げることができる。つまり、上部
電極7の材質としてイリジウム系の材質を適用できる、
強誘電体膜6の最も薄い厚さの限界を下げることができ
る。
t)に比べて、水素バリア性およびファティーグ特性に
優れ、ているという利点がある。
じた状態で強誘電体膜をエッチングすると、強誘電体膜
の下地である下部電極の表面に、強誘電体膜の表面の凹
凸形状が転写されて、下部電極の表面モフォロジは劣化
する。下部電極の表面モフォロジが劣化すると、下部電
極に接続したい配線層と、下部電極との間において、コ
ンタクト不良が発生する場合がある。
膜6の表面モフォロジが改善されている。このため、強
誘電体膜6をエッチングした後に、下部電極5の表面モ
フォロジの劣化を抑えることができる。その結果、確実
に、配線層8aを下部電極9に電気的に接続することが
できる。
により得られたセラミックス膜は、強誘電体メモリ層の
適用に限定されず、各種半導体装置、たとえばDRAM
に適用することができる。具体的には、そのセラミック
ス膜は、DRAMのキャパシタにおける誘電体膜に適用
することができる。この場合、誘電体膜は、キャパシタ
の大容量化を図る観点から、BSTのような高誘電率の
常誘電体からなることができる。
ラミックス膜は、この他に用いることができ、たとえ
ば、アクチュエータに用いる圧電素子の圧電体に適用す
ることができる。
説明する。なお、本発明は、その要旨を超えない限り、
以下の実施例に制約されるものではない。
た。2−エチルヘキサン酸ビスマスの濃度が0.1mol/
lのトルエン溶液1100ml、2−エチルヘキサン酸
ストロンチウムの濃度が0.1mol/lのトルエン溶液4
00ml、タンタルエトキシドの濃度が0.1mol/lの
トルエン溶液1000ml、2−エチルヘキサン酸10
0gを混合し、混合液を調製した。この混合液を、窒素
雰囲気下、120℃で1時間加熱還流し、溶媒を常圧留
去した。これに、Sr0.8Bi2.2Ta2OX(SBT)と
しての酸化物濃度が0.1mol/lになるようにトルエン
を加え、主液を得た。
エチルヘキサン酸ビスマスの濃度が0.1mol/lのトル
エン溶液2000mlに、ゲルマニウムエトキシドの濃
度が0.1mol/lのトルエン溶液1500ml、およ
び、2−エチルヘキサン酸100gを混合した。この溶
液を、窒素雰囲気下、120℃で1時間加熱還流した
後、溶媒を常圧留去した。これに、Bi4Ge3O12とし
ての酸化物濃度が0.1mol/lになるようにトルエンを
加え、副液を得た。
積比が異なる7種類の混合液を得た。混合液の主液と副
液との混合体積比は、100:1、100:10、10
0:20、100:50、100:100、100:1
50、100:200とした。
液のそれぞれから、強誘電体膜を形成した。
行った。前処理加熱工程、溶液塗布工程、乾燥熱処理工
程、脱脂熱処理工程および仮焼結工程の一連の工程を2
回行った。そして、最後に焼結させて、成膜した。な
お、具体的な条件を下記する。前処理加熱工程は、18
0℃で30秒間行った。混合液の塗布は、スピンコータ
ー(2100rpm)で、30秒間行った。乾燥熱処理
は、窒素雰囲気下、160℃で1分間行われた。脱脂熱
処理工程は、窒素雰囲気下、260℃で4分間行った。
仮焼結は、酸素雰囲気下、30秒間行った。なお、仮焼
結の温度は、表1に示す焼成温度で行った。焼結は、酸
素雰囲気下、60分間行った。なお、焼結の温度は、表
1に示す焼成温度で行った。また、成膜された膜の厚さ
は、50nmであった。
値)を測定した。Prの測定結果を表1に示す。なお、
Prの単位は、μC/cm2である。
置を製造する場合、焼成温度が600℃以下でないと、
ある程度の集積度を有する強誘電体メモリ装置を製造す
ることが難しい。また、強誘電体メモリ装置において、
強誘電体キャパシタのPrは、7以上有することが好ま
しい。表1において、焼成温度が600℃以下におい
て、Prが7以上のデータを有する混合体積比(主液:
副液)は、100:20〜100:100である。この
ため、主液と副液との混合体積比は、100:20〜1
00:100の範囲内にあることが好ましい。
主液1リットル当たり0.1mol生成するように調製さ
れている。また、副液も、Bi4Ge3O12が副液1リッ
トル当たり0.1mol生成するように調製されている。
このため、主液と副液との混合体積比は、同時に、主液
に基づいて生成されるSr0.8Bi2.2Ta2OXと、副液
に基づいて生成されるBi4Ge3O12とのモル比を示す
こととなる。したがって、主液と副液とは、主液に基づ
いて生成されるSr0.8Bi2.2Ta2OXと、副液に基づ
いて生成されるBi4Ge3O12とのモル比が、100:
20〜100:100となるように混合されることが好
ましい。
度が700℃以上でないと、Prに関して所定の特性が
でていない。一方、主液に副液を混合することにより、
焼成温度が500℃程度でも、Prに関して所定の特性
がでている。これにより、主液に副液を混合して成膜す
ると、低温化を図ることができることがわかる。
た。2−メトキシエタノール1000ml中に、チタン
イソプロポキシド85.3gおよびビスマスブトキシド
139.2gを添加した。この2−メトキシエタノール
を、窒素雰囲気下、125℃で1時間加熱還流した後、
室温に戻した。これに、ランタンイソプロポキシド2
3.7gを加えて室温で2時間攪拌した。さらに、水
1.3gを加えて室温で1時間攪拌した後、2−メトキ
シエタノールを加えてBi3.25La0.75Ti3O12とし
ての酸化物濃度が0.07mol/lになるように調製し、
主液を得た。
メトキシエタノール1000ml中に、ゲルマニウムエ
トキシド75.9gとビスマスブトキシド171.3g
を添加した。この2−メトキシエタノールを、窒素雰囲
気下、125度で1時間加熱還流した後、室温に戻し
た。これに水1.3gを加えて室温で1時間攪拌した
後、2−メトキシエタノールを加えてBi4Ge3O12と
しての酸化物濃度が0.07mol/lになるように調製
し、副液を得た。
が異なる7種類の混合液を得た。混合液の主液と副液と
の混合比は、100:1、100:10、100:2
0、100:50、100:100、100:150、
100:200とした。
液のそれぞれから、強誘電体膜を形成した。なお、成膜
方法は、実施例1と同様である。
例1と同様の傾向があった。
た。キシレン100ml中に、タンタルエトキシド8
1.2gおよび2−エチルヘキサン酸170gを加え、
これにストロンチウムイソプロポキシド20.6gを加
えて120℃で2時間攪拌し、キシレン、生成したアル
コール、余剰な2−エチルヘキサン酸を180℃で常圧
留去した。これに2−エチルヘキサン酸ビスマスの濃度
が1.0mol/lのキシレン溶液200mlを加えた。そ
の後、SrBi2Ta2OXとしての酸化物濃度が0.2m
ol/lになるように、キシレンを加えて調製した。さら
に、酢酸ブチルを加えてSrBi2Ta2OXとしての酸
化物濃度が0.1mol/lになるように調製し、主液を得
た。
ヘキサン酸ビスマスの濃度が0.1mol/lのキシレン溶
液1000mlに、タングステンエトキシドの濃度が
0.1mol/lのキシレン溶液500ml、2−エチルヘ
キサン酸100gを混合した。その混合液を、窒素雰囲
気下、120℃で1時間加熱還流した後、溶媒を常圧蒸
留した。これにキシレンを加えて、Bi2WO6としての
酸化物濃度が0.1mol/lになるように調製し、副液を
得た。
積比が異なる7種類の混合液を得た。混合液の主液と副
液との混合体積比は、100:1、100:10、10
0:20、100:50、100:100、100:1
50、100:200とした。
液のそれぞれから、強誘電体膜を形成した。なお、成膜
方法は、実施例1と同様である。
例1と同様の傾向があった。
た。1−メトキシ−2−プロパノール100ml中に、
酢酸鉛三水和物37.93g、ジルコニウムブトキシド
19.95g、チタンイソプロポキシド13.64gを
添加し、窒素雰囲気下、120℃で1時間加熱還流し
た。その後、アセチルアセトン4.5gおよび水1.1
gを加えて、溶媒を常圧留去した。これに1−メトキシ
−2−プロパノールを加えて、Pb(Zr0.52T
i0.48)O3としての酸化物濃度が0.3mol/lとなるよ
うに調製し、主液を得た。
マニウムエトキシドの濃度が0.5mol/lの1−メトキ
シ−2−プロパノール溶液200mlと、鉛ブトキシド
の濃度が0.5mol/lの1−メトキシ−2−プロパノー
ル溶液250mlを混合した。この混合液を、窒素雰囲
気下、120℃で1時間加熱還流した後、室温に戻し
た。その後、アセチルアセトン4.1gと水1.0gと
を加えて溶媒を常圧留去した。これに、1−メトキシ−
2−プロパノールを加えて、Pb5Ge3O11としての酸
化物濃度が0.15mol/lになるように調製し、副液を
得た。
積比が異なる7種類の混合液を得た。混合液の主液と副
液との混合体積比は、100:1、100:10、10
0:20、100:50、100:100、100:1
50、100:200とした。
液のそれぞれから、強誘電体膜を形成した。なお、成膜
方法は、実施例1と同様である。
例1と同様の傾向があった。
表面モフォロジに関する実験結果を説明する。
合液から得た強誘電体膜の顕微鏡写真図である。図7
は、比較例に係る強誘電体膜の顕微鏡写真図である。
体膜は、主液と副液との混合体積比が、100:100
の強誘電体膜である。比較例に係る強誘電体膜は、実施
例1の成膜方法により、実施例1で示した主液のみの溶
液を成膜することにより得た。なお、実施例および比較
例ともに、強誘電体膜の厚さは50nmとした。
る強誘電体膜は、比較例に係る強誘電体膜より、表面モ
フォロジが格段に向上していることがわかる。
囲で、種々の変更が可能である。
たセラミックス膜の製造工程を模式的に示す断面図であ
る。
る。
するための装置を模式的に示す断面図である。
成を模式的に示す概念図である。
強誘電体膜の顕微鏡写真図である。
る。
Claims (10)
- 【請求項1】 第1の原料液と、第2の原料液とを混合
して使用されるセラミックスの原料液であって、 前記第1の原料液と前記第2の原料液とは、種類が異な
る関係にあり、 前記第1の原料液は、Bi系層状ペロブスカイト構造を
有する強誘電体を生成するための原料液であり、 前記第2の原料液は、AサイトがBiであるABO系酸
化物を生成するための原料液である、セラミックスの原
料液。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記第1の原料液と、前記第2の原料液とは、前記第1
の原料液に基づいて生成される強誘電体と、前記第2の
原料液に基づいて生成されるABO系酸化物とのモル比
が、100:20〜100:100となるように混合さ
れる、セラミックスの原料液。 - 【請求項3】 請求項1または2において、 前記第1の原料液は、前記強誘電体の構成金属元素の、
金属化合物または金属無機化合物を溶媒に溶解した溶液
であり、 前記第2の原料液は、前記ABO系酸化物の構成金属元
素の、金属化合物または金属無機化合物を溶媒に溶解し
た溶液である、セラミックスの原料液。 - 【請求項4】 第3の原料液と、第4の原料液とを混合
して使用されるセラミックスの原料液であって、 前記第3の原料液と前記第4の原料液とは、種類が異な
る関係にあり、 前記第3の原料液は、PZT系の強誘電体を生成するた
めの原料液であり、 前記第4の原料液は、AサイトがPbであるABO系酸
化物を生成するための原料液である、セラミックスの原
料液。 - 【請求項5】 請求項4において、 前記第3の原料液と、前記第4の原料液とは、前記第3
の原料液に基づいて生成される強誘電体と、前記第4の
原料液に基づいて生成されるABO系酸化物とのモル比
が、100:20〜100:100となるように混合さ
れる、セラミックスの原料液。 - 【請求項6】 請求項4または5において、 前記第3の原料液は、前記強誘電体の構成金属元素の、
金属化合物または金属無機化合物を溶媒に溶解した溶液
であり、 前記第4の原料液は、前記ABO系酸化物の構成金属元
素の、金属化合物または金属無機化合物を溶媒に溶解し
た溶液である、セラミックスの原料液。 - 【請求項7】 第5の原料液と、第6の原料液とを混合
して使用されるセラミックスの原料液であって、 前記第5の原料液は、Bi系層状ペロブスカイト構造を
有する強誘電体またはPZT系の強誘電体を生成するた
めの原料液であり、 前記第6の原料液は、BサイトがGeであるABO系酸
化物を生成するための原料液である、セラミックスの原
料液。 - 【請求項8】 請求項7において、 前記第5の原料液と、前記第6の原料液とは、前記第5
の原料液に基づいて生成される強誘電体と、前記第6の
原料液に基づいて生成されるABO系酸化物とのモル比
が、100:20〜100:100となるように混合さ
れる、セラミックスの原料液。 - 【請求項9】 請求項7または8において、 前記第5の原料液は、前記強誘電体の構成金属元素の、
金属化合物または金属無機化合物を溶媒に溶解した溶液
であり、 前記第6の原料液は、前記ABO系酸化物の構成金属元
素の、金属化合物または金属無機化合物を溶媒に溶解し
た溶液である、セラミックスの原料液。 - 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載のセラ
ミックスの原料液は、熱分解用の原料液である、セラミ
ックスの原料液。
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