JPH1180181A - ビスマス系層状ペロブスカイト化合物強誘電体薄膜用前駆体の製造方法 - Google Patents

ビスマス系層状ペロブスカイト化合物強誘電体薄膜用前駆体の製造方法

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JPH1180181A
JPH1180181A JP9252926A JP25292697A JPH1180181A JP H1180181 A JPH1180181 A JP H1180181A JP 9252926 A JP9252926 A JP 9252926A JP 25292697 A JP25292697 A JP 25292697A JP H1180181 A JPH1180181 A JP H1180181A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビスマス系層状ペロブスカイト化合物強誘電
体薄膜用前駆体の製造方法を提供する。 【解決手段】 Sr金属から調製したSrアルコキシド
(Sr(OR)2 )をアルコール中でBiアルコキシド
(Bi(OR)3 )と反応させて、Si−Biダブルア
ルコキシドSr〔Bi(OR)4 2 を生成させ、次い
で、これをTaアルコキシドTa(OR)5 又はNbア
ルコキシドNb(OR)5 と反応させることを特徴とす
る原子配列の構造制御されたSr:Bi:Ta又はNb
=1:2:2(金属原子比)のSr−Bi−Ta又はN
b系複合アルコキシドの製造方法、その複合アルコキシ
ド、及び当該複合アルコキシドを用いたビスマス系層状
ペロブスカイト強誘電体薄膜の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビスマス系層状ペ
ロブスカイト強誘電体薄膜の前駆体複合アルコキシドの
調製、ビスマス系層状ペロブスカイト強誘電体薄膜の合
成、及びその利用技術に関するものであり、特に、プロ
セスの低温化を図ることを可能とする、低温結晶化に適
した前駆体複合アルコキシドの製造、当該複合アルコキ
シドを用いた薄膜の低温結晶化、及びその強誘電体特性
を応用した利用技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】SrBi2 Ta2 9 (SBT)、Sr
Bi2 Nb2 9 (SBN)及びそれらの固溶体(Sr
Bi2 (Nbx Ta1-x 2 9 ,SBNT)のような
層状ペロブスカイト化合物の薄膜は、これらの強誘電特
性が、特に疲労性能に関して優れているため、安定した
強誘電体メモリ素子への応用が期待されている材料であ
る(文献〔1〕)。固溶体のSrBi2 2 9 (M;
Ta,Nb)は、(Bi2 2 2+の層と酸素八面体の
二つの層状擬ペロブスカイト(SrM2 7 2-(M;
Ta,Nb)の交互のc軸方向の積層からなるAuri
villius化合物として知られている。高い自発分
極は、層の平面に(a軸及びb軸方向において)平行し
ているが、この平面は、ペロブスカイト強誘電体におけ
るように、高い分極率を有することで知られるO−M−
O(M;Ta,Nb)鎖を含んでいる。わずかな疲労は
浅いBi及びM(M;Ta,Nb)センターでトラップ
されたキャリアーによる強誘電性分域の境界の弱さに原
因していることが示唆されている(文献〔2〕)。
【0003】ところで、前記層状ペロブスカイトの系に
とって、ボトム電極−薄膜界面での反応は電気的性質の
低下をもたらすから、処理温度は800℃以下に下げら
れることが必要である(文献1)〜5))。通常、非化
学量論的にBi−過剰の組成物が、加熱処理の間、基板
に対するBiのロスを補うために用いられている。最近
の報告では、疲労現象は、組成物の作用であり、非化学
量論的薄膜は化学量的薄膜に比べて疲労を示す(文献
3))。そこで、もし前駆体の分子構造及び化学量論が
制御できれば、Aurivillius化合物における
(Bi2 2 2+の層と酸素八面体の2つの擬ペロブス
カイト層(SrM2 7 2-の交互の積層が低温で形成
され、それによって、強誘電体特性が改良される。
【0004】従来、広義のゾル−ゲル法について多くの
報告があるが(文献〔3〕〜〔8〕)、溶媒中のビスマ
スアセテートの溶解性及び配位を論じた報告はただ1つ
だけである(文献〔6〕)。しかしながら、層状ペロブ
スカイト薄膜の前駆体の構造、特に、層状ペロブスカイ
ト薄膜の低温結晶化のための構造については報告されて
いない。また、これまでに、レーザーアブレージョン
法、MOCVD法、MOD法、ゾル−ゲル法等により薄
膜化が検討されてきたが、共通してプロセスが高温を必
要とすることが問題であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、層状ペロブスカイト薄膜の前駆体オリゴマーの分子
構造を検討すると共に、前駆体から無機酸化物の構造の
展開、特に、低温結晶化とその原因について検討した。
本発明者らは、好適な前駆体化学及び層状ペロブスカイ
ト薄膜のための前駆体オリゴマーの分子構造を文献に記
載した(文献4)〜10))。本発明では、アルコキシ
由来の前駆体から無機酸化物の構造の展開、特に、前駆
体化学と低温結晶化の間の相互関係を検討し、さらに、
化学量論的薄膜の強誘電体特性を検討した。即ち、本発
明者らは、プロセスの低温化を図るため、低温結晶化に
適した前駆体化学を考察し、金属アルコキシドの複合化
を検討すると共に、さらに、前駆体溶液化学を最適化す
ることにより、合成した複合アルコキシドを用いて薄膜
を形成し、薄膜の結晶化と強誘電体特性を検討した結
果、複合アルコキシドを合成したこと、複合アルコキシ
ドの分子構造を明確化したこと、目的の結晶構造の副格
子と同じ原子配列に構造制御できたこと、低温結晶化を
可能にしたこと、結晶類似の原子配列をしたアルコキシ
ド分子の加水分解重縮合反応により調製した、加熱処理
前の非晶質ゲルの、結晶化に関する活性化エネルギーが
小さいため、結果として結晶化が低温で進行したという
事実を明確化したこと、等により、本発明を完成するに
至った。
【0006】即ち、本発明は、原子配列の構造制御され
たSr−Bi−Ta又はNb系複合アルコキシドを製造
する方法を提供することを目的とする。また、本発明
は、目的の薄膜の結晶構造の副格子と同じ原子配列に構
造制御されたSr−Bi−Ta又はNb系薄膜用前駆体
複合アルコキシド溶液を製造する方法を提供することを
目的とする。また、本発明は、上記複合アルコキシド溶
液を用いて低温度でビスマス系層状ペロブスカイト薄膜
を製造する方法を提供することを目的とする。また、本
発明は、上記方法により製造される、原子配列の構造制
御されたSr−Bi−Ta又はNb系複合アルコキシド
を提供することを目的とする。さらに、本発明は、上記
ビスマス系層状ペロブスカイト薄膜を利用した強誘電体
メモリ素子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、以下の(1)〜(6)に係るものである。 (1)Sr金属から調製したSrアルコキシド(Sr
(OR)2 )をアルコール中でBiアルコキシド(Bi
(OR)3 )と反応させて、Sr−Biダブルアルコキ
シドSr〔Bi(OR)4 2 を生成させ、次いで、こ
れをTaアルコキシドTa(OR)5 又はNbアルコキ
シドNb(OR)5 と反応させることを特徴とする原子
配列の構造制御されたSr:Bi:Ta又はNb=1:
2:2(金属原子比)のSr−Bi−Ta又はNb系複
合アルコキシドの製造方法。 (2)前記の複合アルコキシドをモル比1/18〜1/
6の水を用いて加水分解することを特徴とする目的の薄
膜の結晶構造の副格子と同じ原子配列に構造制御された
Sr−Bi−Ta又はNb系薄膜用前駆体複合アルコキ
シド溶液の製造方法。 (3)前記のSr−Bi−Ta又はNb系複合アルコキ
シドの溶液又は前記の前駆体複合アルコキシド溶液を用
いて、ディップコーティング又はスピンコーティングな
どのコーティング法や印刷法により、金属、酸化物単結
晶、セラミックス、又はガラスなど基板表面に薄膜を形
成した後、乾燥、仮焼、加熱処理することを特徴とする
ビスマス系層状ペロブスカイト薄膜の製造方法。 (4)急速昇温加熱処理により、550℃までの低温度
で加熱処理することにより結晶化する前記のビスマス系
層状ペロブスカイト薄膜の製造方法。 (5)前記の方法で製造される、原子配列の構造制御さ
れたSr:Bi:Ta又はNb=1:2:2(金属原子
比)のSr−Bi−Ta又はNb系複合アルコキシド。 (6)前記のビスマス系層状ペロブスカイト薄膜を利用
することを特徴とする強誘電体メモリ素子。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、Srアルコキシ
ド(Sr(OR)2 )としては、例えば、Sr(OC2
4 OCH3 2 が、Biアルコキシド(Bi(OR)
3 )としては、例えば、Bi(OC2 5 3 が、Sr
−BiダブルアルコキシドSr〔Bi(OR)4 2
しては、例えば、Sr〔Bi(OC2 4 OC
3 4 2 が、Taアルコキシド(Ta(OR)5
としては、例えば、Ta(OC2 5 5 が、Nbアル
コキシド(Nb(OR)5 )としては、例えば、Nb
(OC2 5 5 が、それぞれ、好適なものとして例示
されるが、これらに限らず、一般式(OR)n (R:炭
化水素基)で示される適宜のアルコキシドを使用するこ
とができる。また、溶媒のアルコールとしては、例え
ば、メトキシエタノールが好適なものとして例示される
が、これに限らず、適宜のアルコールを使用することが
できる。
【0009】本発明の方法は、後記する実施例に記載し
た反応プロセスが例示されるが、それに限らず原子配列
の構造制御を可能とする、同様の反応プロセス、条件の
ものであれば同様に使用することができる。本発明で
は、調製された複合アルコキシドを水を用いて加水分解
重縮合反応することにより、前駆体複合アルコキシド溶
液を調製するが、この場合、モル比1/18〜1/6の
水を用いることが好ましい。次に、前記Sr−Bi−T
a又はNb系複合アルコキシドの溶液(前駆体複合アル
コキシド溶液)を用いて、当該複合アルコキシドの薄膜
を基板表面に形成するが、この場合、コーティング方法
としては、例えば、ディップコーティング、スピンコー
ティング、印刷法などが好適なものとして例示される
が、これらに限らず、同効の方法であれば、適宜の方法
を利用することができる。また、基板としては、例え
ば、金属、酸化物単結晶、セラミックス、ガラスなどが
例示されるが、材質、形状を問わず、適宜の基板を使用
することができる。
【0010】本発明で合成した複合アルコキシドは、原
子配列の構造制御がなされた、新規な材料であり、とく
にその分子構造については、これまで報告されていな
い。上記複合アルコキシドは、特に、その分子構造にお
いて、目的の薄膜の結晶構造の副格子と同じ原子配列に
構造制御されていることから、当該分子の加水分解重縮
合反応により調製した、加熱処理前の非晶質ゲルの、結
晶化に関する活性エネルギーが小さいため、結果とし
て、結晶化を低温で進行させることが可能となった。こ
れにより、結晶化開始温度は550℃以下で、しかも、
700℃までの温度で結晶性が著しく向上することが分
かった。
【0011】このように、本発明は、原子配列の構造制
御された前駆体複合アルコキシドを合成し、そのアルコ
キシド溶液を、その目的の薄膜の結晶構造に対して、そ
の分子構造において、最適化したこと、合成した複合ア
ルコキシドを用いることにより薄膜の結晶化開始温度5
50℃以下という低温での結晶化を可能としたこと、さ
らに、形成した薄膜は優れた強誘電体特性を有するこ
と、等の格別の効果を奏する新規発明を提供するもので
ある。
【0012】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明は当該実施例によって何ら限定される
ものではない。 実施例1前駆体溶液の調製 図1に前駆体溶液の調製のフローを示す。以下に示す各
方法は、乾燥した不活性ガス(N2 又はHe)雰囲気中
で実施した。Sr(Strontium)金属をメトキ
シメタノール(CH3 OCH2 CH2 OH,試薬等級)
に溶解し、124℃で反応させた。Bi(Bismut
h)トリエトキシド(Bi(OEt)3 ,High P
urity Chemicals Co.)をSrアル
コキシド溶液にモル比2:1で加え、次いで、124℃
で2時間加熱した。
【0013】Ta(Tantalum)ペンタエトキシ
ド(Ta(OEt)5 ,HighPurity Che
micals Co.)、又はNb(Niobium)
ペンタエトキシド(Nb(OEt)5 ,High Pu
rity Chemicals Co.)をSrアルコ
キシドに関してモル比2:1で、Sr−Biアルコキシ
ド溶液に加えた。次いで、溶液を78℃で1時間複合化
した。次に、メトキシエタノールに容積比1:9で希釈
した脱イオン水をSr−Bi−M(M=Ta,Nb)複
合アルコキシドにモル比1:18で加えた。ここで、
1:9、1:6及び1:3のR値はNMR調査でも使用
した。複合溶液は加水分解後、室温で1時間攪拌した。
加水分解した、Sr、Bi及びMをモル比1:2:2の
割合で含む複合アルコキシドの濃度は0.05Mであっ
た。前駆体溶液は、密閉容器に保存した。
【0014】前駆体の解析 1 H−,13C−(Varian Gemini 30
0)及び93Nb−NMR分光法(NMR,97.88M
z ,Varian Unity Plus 40
0)、及びフーリエー変換赤外分光法(FT−IR,N
icolet Impact 400)による測定を実
施し、前駆体の分子構造の決定、それらの構造の加水分
解の効果の分析を行った。測定前に、前駆体溶液の、加
水分解前及び加水分解後の両者をロータリー真空ポンプ
を用いて50−60℃で乾燥した。次いで、それらをF
T−IR測定用に流動パラフィンで希釈し、また、NM
R測定用にテトラメチルシラン(Si(CH3 4 )と
トルエン(C7 8 )に希釈した。93Nb−NMR測定
のために、化学シフトは重水素化したアセトニトリル
(CD3 CN)とテトラメチルアンモニウム ヘキサク
ロロニオベイト((CH3 4N(NbCl6 ))を用
いて参照した。
【0015】結果 Sr(OCH2 CH2 OCH3 2 1H−NMRにお
いて、3.92、3.50及び3.34ppmでのシグ
ナルは、水酸基に結合しているメチレン基の水素(CH
3 OCH2 2 O−Sr)、メチレン基(CH3 OC
2 CH2 O−Sr)の水素、及び末端メチル基の水素
(C 3 OCH2 CH2 O−Sr)にそれぞれ依るもの
である。Sr(OCH2 CH2 OCH3 2 13C−N
MRにおいて、77.1、61.8及び58.8ppm
の三つのシグナルは、メチレン基(CH3 2 CH
2 O−Sr)の炭素、隣りの酸素を介してSrに結合し
ているメチレン基の炭素(CH3 OCH 2 2 O−S
r)、及び末端のメチル基の炭素(3 OCH2 CH
2 O−Sr)に依るものである。
【0016】Sr〔Bi(OCH2 CH2 OC
3 4 2 1H−NMRにおいては、4.37、
3.53及び3.33ppmにシグナルが出現する。S
r〔Bi(OCH2 CH2 OCH3 4 2 13C−N
MRでは、三つのシグナルが77.6、62.4及び5
8.5に出現する。Sr(OCH2 CH2 OCH3 2
に比べて化学シフトの多少の違いは、Sr−Bi二重ア
ルコキシドの形成を示すものであり、水素と炭素は化学
的に同等の環境にある。Sr〔Bi(OEt)4 2
重アルコキシドの形成及び構造についての従前の報告は
この説明と一致する(文献11))。Nb(OCH2
2 OCH3 5 1H−NMRは、4.57、3.5
3及び3.29ppmにシグナルが現れる。13C−NM
Rは、74.5、72.7及び58.7ppmに三つの
シグナルが現れる。さらに、Sr〔Nb(OCH2 CH
2 OCH3 6 2 1H−NMRは、4.48、3.
48及び3.37ppmのシグナルからなり、13C−N
MRは、75.8、69.9及び59.0ppmの三つ
のシグナルからなる。これらの結果は、Sr−Nb二重
アルコキシドの形成を示すものである。従来、Sr〔N
b(OPr)6 2 二重アルコキシドがSr原子に結合
したふたつのNbO6 八面体からなる構造を有すること
が報告されている(文献〔12〕)。
【0017】加水分解前のSBN前駆体の 1H−NMR
は、4.52、3.48及び3.37ppmにシグナル
が出現する。13C−NMRでは、75.8、70.0及
び59.0ppmに強いシグナルが現れ、77.6、6
2.4及び58.4ppmにサテライトシグナルが現れ
る。興味深いことに、主要な 1H及び13Cシグナルは、
Sr〔Nb(OCH2 CH2 OCH3 6 2 のシグナ
ルにほぼ相当し、サテライトシグナルはSr〔Bi(O
CH2 CH2 OCH3 4 2 のシグナルにほぼ相当す
る。SBN前駆体の化学シフトがオリジナルの二重アル
コキシドのものと多少違うことは、SBN前駆体がSr
−O−Nb結合(即ち、SrがふたつのNbO6 八面体
に結合)及びSr−O−Bi結合からなる複合分子であ
ることを示す。このSBN前駆体分子における金属と酸
素の配列は、SBN結晶の副格子のものと構造的に類似
しているといえる。
【0018】加水分解したSBN前駆体の化学シフト
は、アルコキシ基に対する水のモル比が1:18で変化
しなかった。これは、加水分解−重縮合反応は長期安定
の低分子溶液を均質に形成することを示す。沈澱がない
のは、この現象を証明する。本質的に、加水分解前の分
子の副格子ユニットは縮合化で交差結合した低分子種に
保持される。これは低温度結晶化の原因である。SBT
系におけるメトキシエトキシ基の水素及び炭素の化学環
境に関する同様の結果が観察された。SBN前駆体分子
と同様に、SBT前駆体における金属及び酸素の配列は
SBT結晶の副格子のそれと構造的に類似であるといえ
る。93Nbは、NMRに好適な核であるので、加水分解
前又は加水分解したSBN前駆体のための化学シフト
を、八面体ユニットにおけるNbの化学環境をさらに調
べるために測定した。Nb(OEt)5 93Nb−NM
Rにおいて−1240ppm及び−1160ppmにふ
たつのシグナルが現れた。これは、市販の試薬がモノマ
ーとダイマーの混合物であることを意味する。後者は、
ふたつの酸素−八面体が末端を占める構造を有すること
が報告されている(文献〔13〕)。
【0019】Nb(OCH2 CH2 OCH3 5 93
b−NMRにおいて、モノマーのユニットにおけるNb
原子の低い対称性を示す広いシグナルが、−1170p
pmに現れた。Nbアルコキシドについて93Nbシグナ
ルが、リガンド置換により、広がる挙動は、従前、報告
されているものと(文献〔14〕)一致する。対象的
に、加水分解前のSBN前駆体の93Nb−NMRは、半
値幅が14,000Hzで−1140ppmにシャープ
なシグナルを現す。これは、分子中の化学的に均等な環
境であるが、対称的な、八面体部位におけるNb原子に
より説明できる。部分加水分解後のSBN前駆体の93
b−NMRシグナルは、加水分解前の前駆体に一致する
ことがいえる。さらに、参考に調製した、Sr〔Nb
(OCH2 CH2 OCH3 6 2 93Nb−NMRに
おいて、半値幅が11,400Hzで−1150ppm
にシグナルが観察される。化学シフトとSBN前駆体及
びSr〔Nb(OCH2 CH2 OCH3 6 2 の半値
幅との違いは、前者におけるBi−O結合の存在に依
る。特に、SBN前駆体の広いシグナルは、Bi−O結
合に依る八面体Nb部位の対称性の低下から生じる。こ
の結果は、Sr原子で結合された二つのNbO6 八面体
からなるユニットにBi−O結合が挿入されたことのさ
らなる証拠を提供する。
【0020】さらに、層状ペロブスカイトの副格子に関
する構造の類似が確認された。St〔Bi(OCH2
2 OCH3 4 2 のFT−IRスペクトルにおい
て、C−O振動によるピークは982、962、895
及び837cm-1に現れ、そして、Bi−O振動及びS
r−O振動によるピークは、591、555、525及
び461cm-1に現れた。個々のSrアルコキシド及び
Biアルコキシドに関する、後者のピークシフト(M−
O振動)は、Sr〔Bi(OCH2 CH2 OC
3 4 2 二重アルコキシドの形成によるものであ
る。同様のシフトが、Sr〔Bi(OEt)4 2 二重
アルコキシドの形成で報告されている(文献11))。
Nb(OCH2 CH2OCH3 5 のFT−IRスペク
トルにおいて、C−O振動によるピークは、981、9
63、922、894、827、及び790に現れ、そ
してM−O振動によるピークは592及び496cm-1
に現れた。
【0021】SBN前駆体のスペクトルにおいて、ピー
クは981、965、915、895、837、58
3、及び486cm-1に現れた。SBN前駆体のスペク
トルとSr〔Bi(OCH2 CH2 OCH3 2 及びN
b(OCH2 CH2 OCH3 5 のスペクトルを比べる
と、583及び486cm-1周辺のピークは複合分子に
おけるM−O結合から生じる振動モードによることが示
される。三つのピークを同定するために、Nb−O振動
による、590及び483cm-1での吸収ピークを示
す、Sr〔Nb(OCH2 CH2 OCH3 6 2 、を
参考に比較した。NMR分析の結論として、SBN前駆
体分子は、Sr〔Nb(OCH2 CH2 OCH3 6
2 のようにNbO6 八面体を含むものであった。同様の
結果はSBT系における化学結合に関して得られた。そ
れ故に、SBT前駆体分子はSr〔Ta(OCH2 CH
2 OCH3 6 2 のように二つのTaO6 八面体を含
んでいた。
【0022】1H−、13C−NMR及びFT−IRの結
果は、SBT及びSBN前駆体はSr原子、及びSr−
O−Bi結合により結合された二つのMO6 八面体から
なるSr−O−M(M;Ta又はNb)結合を含むこと
を示す。これらの前駆体は、構造的に同じである。さら
に、93Nb−NMRは、Sr原子に結合し、そして、二
つのBi原子に結合しているNbO6 八面体内の対称的
なNb部位を確認した。図2は、層状ペロブスカイト化
合物の本発明に係る前駆体化学を示す。これらのSBT
及びSBN前駆体の図は、SBT及びSBN結晶の副格
子に一致する。さらに、サブラティス ユニットは、縮
合化により交差結合した低分子種に保持される。他に論
じたように(文献〔15〕−〔16〕)、これは、低温
度結晶化の原因である。
【0023】結論 SBT及びSBN系層状ペロブスカイトの前駆体分子
が、Sr〔Bi(OCH2 CH2 OCH4 2 及びM
(OCH2 CH2 OCH3 5 (M;Ta又はNb)の
反応により調製された。これらの分子は、Sr−O−M
結合(即ち、Sr原子がふたつのMO6 八面体に結合)
及びBi原子がMO6 八面体に結合しているSr−O−
Bi結合からなる。これらの分子の金属−酸素の配列
は、層状ペロブスカイト結晶の副格子に一致していた。
これらの分子にモル比1:18で少量の水を添加して、
均質に液化されたスピンコーティング溶液を調製した。
副格子ユニットは交差結合した低分子種中に保持されて
いる。これらの前駆体溶液から形成したゲル膜は550
℃以下の温度で結晶化できた。
【0024】実施例2薄膜の調製及び結晶化 熟成し、加水分解した前駆体溶液をスピンコーティング
によって、薄膜をSi(100)又はPt−処理Si
(Pt3000Å/Ti50Å/SiO2 /Si(10
0))基板上に調製した。前駆体溶液は、Sr−Bi二
重メトキシエトキシドとTa/Nbエトキシドをメトキ
シエタノール中で反応させた後、部分加水分解して調製
した。前駆体溶液の調製の詳細は、文献にも記載した
(文献9)−10))。各膜は2000rpm、80s
で積層し、150℃で乾燥し、空気中で350℃で仮焼
した。膜は、酸素中で各種の温度で加熱処理した。急速
昇温加熱ユニットを用いて、薄膜ゲルを昇温速度200
℃/sで所望の結晶化温度に昇温し、10分間加熱保持
した。さらに、一部の薄膜を従来の加熱炉を用いて昇温
速度2℃/minで加熱した。膜厚は上記処理を繰り返
して増加した。
【0025】薄膜の結晶化 CuKα放射線により、X−線回折測定(XRD,Ri
gaku D/Max−IIB Diffractom
eter)を行い、結晶相及び薄膜の結晶学的配向を決
定した。加速電圧及び電流はそれぞれ50kV及び30
mAとした。膜の組成は、ラザフォード後方散乱分光法
(RBS,Tandetron,General le
nex)及びシュミレーションで決定した。膜厚は、偏
光メータ(VASE,M−44,J.A.Woolla
m Co.)を用いて決定した。電気的な測定の前に、
トップPt電極を電子線蒸発により形成した後、結晶化
温度で加熱した。強誘電体の履歴曲線はSawyer−
Towerサーキット及びデジタル シグナル アナラ
イザー(DSA602,AFG2020,Tektro
nix Inc)を用いて測定した。
【0026】結果 SBT及びSBN薄膜の低温結晶化 RBS分析により、加熱処理後のSBT及びSBN薄膜
中の金属の原子比を測定したところ前駆体のものと一致
した。図3は、各種温度における、急速昇温加熱処理後
のPt−処理Si上のSBT薄膜のXRDプロフィール
を示す。ペロブスカイト薄膜は単相であることがわかっ
た。薄膜は550℃以下で結晶化し、700℃までの加
熱処理で結晶サイズは増加した。低温結晶化は次のよう
に説明される。文献(文献9)、10))にも記載した
ように、SBT及びSBNの分子構造は加水分解でも保
持されるので、スピン コーティングの後に形成される
均質のゲルはアモルファス構造を持つ。前駆体の構造が
結晶の副格子のものと類似しているので、アモルファス
ゲルの結晶相への転移の活性化エネルギーは低いと期待
される。これは、界面を制御した、昇温による結合再配
置プロセスの直接的な結果であろう。低い活性化エネル
ギーによる、同様のプロセスは、アルコキシド ルート
由来による均質なPbTiO3 の結晶化について報告さ
れている(文献11))。また、アルコキシ由来の前駆
体コントロールによる、Ba(Mg1/3 Ta 2/3)O3
セラミックスにおける低結晶温度が報告されている(文
献2))。SBT薄膜は(115)配向を示したが、こ
れは強誘電体特性に関しては、c軸配向膜に対して好都
合である。本方法により、フルオライト又はパイロクロ
ア相は観察されなかった。これらの低温結晶化及び好適
な配向は、溶液成膜(文献2)−8))についての従来
の報告に対して顕著な進展であるとみられる。
【0027】図4は、二つの異なる昇温速度で、700
℃で加熱処理した後の、Pt−処理したSi基板上のS
BN薄膜のXRDパターンを示す。薄膜が単相のペロブ
スカイトへ変換されても、違った度合の配向を示す。昇
温速度200℃/s(急速昇温加熱による)で加熱し、
そして、10分加熱保持した薄膜はc軸配向を示した。
対称的に、昇温速度2℃/minで加熱し、そして10
分間保持した薄膜は、(115)配向を示した。この配
向の昇温速度依存性はこれまで報告されていない。明ら
かに、低い昇温速度は、核生成及び細密充填(115)
面の成長を促進する。SBN及びSBTの結晶構造が同
じでも、そして、ラティス パラメーターが、SBTに
ついてa=b=5.512Å、及びc=25.00Å、
SBNについてa=b=5.506Å、及びc=25.
05Å(文献13)、14))であるとしても、SBT
薄膜の配向は、昇温速度に依存しない。SBT及びSB
N薄膜の間の結晶学的配向の昇温速度依存性は、SBT
に比べてSBNの高い耐熱性からくるものとみられる。
【0028】SBT及びSBN薄膜の強誘電体特性 図5は、昇温速度200℃/sで650℃及び700℃
で加熱処理したSBT薄膜のヒステリシス曲線を示す。
650℃及び700℃で加熱処理した薄膜について印加
電圧5Vにおける残留分極(2Pr)及び抗電界(E
c)はそれぞれ、4.3μC/cm2 及び56KV/c
m、84μC/cm2 及び43KV/cmであった。7
00℃で加熱処理した薄膜について、さらに2Prが高
く、そして、Ecが低い。薄膜は約3.0Vで飽和し
た。この動向は、高い結晶性と、比較的大きい結晶サイ
ズ、及び700℃で加熱した薄膜の高密度性によるとみ
られる。さらに、700℃で加熱処理したSBT膜の疲
労動向を図6に示す。印加電圧3Vで1010回のスイッ
チ操作で、薄膜は分極に何らの変化がみられなかった。
【0029】結論 ゲル薄膜を、アルコキシ由来前駆体溶液をスピンコーテ
ィング法により、Pt−処理Si基質上に形成した。薄
膜は、550℃以下の温度で酸素雰囲気中で急速昇温加
熱した後、結晶化して単相のSBTペロブスカイトが得
られた。
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【0031】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、Sr金
属から調製したSrアルコキシド(Sr(OR)2 )を
アルコール中でBiアルコキシド(Bi(OR)3 )と
反応させて、Si−BiダブルアルコキシドSr〔Bi
(OR)4 2 を生成させ、次いで、これをTaアルコ
キシドTa(OR)5 又はNbアルコキシドNb(O
R)5 と反応させることを特徴とする原子配列の構造制
御されたSr:Bi:Ta又はNb=1:2:2(金属
原子比)のSr−Bi−Ta又はNb系複合アルコキシ
ドの製造方法、等に係るものであり、本発明によれば、
原子配列の構造制御された新規Sr−Bi−Ta又はN
b系複合アルコキシドが合成できること、目的の薄膜の
結晶構造の副格子と同じ原子配列に構造制御された非晶
質ゲルの前駆体複合アルコキシド溶液が得られること、
当該前駆体複合アルコキシド溶液を用いることにより、
結晶化開始温度550℃以下で基板表面に薄膜を形成で
きること、それにより、優れた強誘電体特性のビスマス
系層状ペロブスカイト薄膜の合成プロセスの低温化が図
れること、等の格別の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】SBT及びSBN前駆体溶液の調製のフローを
示す。
【図2】層状ペロブスカイト薄膜の前駆体化学を示す。
【図3】SBT薄膜のXRDパターンを示す。
【図4】SBN薄膜のXRDパターンを示す。
【図5】昇温速度200℃/sで650℃及び700℃
で加熱処理したSBT薄膜のヒステリシス曲線を示す。
【図6】印加電圧3V及び周波数1MHzにおけるPt
/SBT/Ptコンデンサーの疲労特性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01B 3/12 318 H01B 3/12 318

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Sr金属から調製したSrアルコキシド
    (Sr(OR)2 )をアルコール中でBiアルコキシド
    (Bi(OR)3 )と反応させて、Sr−Biダブルア
    ルコキシドSr〔Bi(OR)4 2 を生成させ、次い
    で、これをTaアルコキシドTa(OR)5 又はNbア
    ルコキシドNb(OR)5 と反応させることを特徴とす
    る原子配列の構造制御されたSr:Bi:Ta又はNb
    =1:2:2(金属原子比)のSr−Bi−Ta又はN
    b系複合アルコキシドの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の複合アルコキシドをモル
    比1/18〜1/6の水を用いて加水分解することを特
    徴とする目的の薄膜の結晶構造の副格子と同じ原子配列
    に構造制御されたSr−Bi−Ta又はNb系薄膜用前
    駆体複合アルコキシド溶液の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のSr−Bi−Ta又はN
    b系複合アルコキシドの溶液又は請求項2記載の前駆体
    複合アルコキシド溶液を用いて、ディップコーティング
    又はスピンコーティングなどのコーティング法や印刷法
    により、金属、酸化物単結晶、セラミックス、又はガラ
    スなど基板表面に薄膜を形成した後、乾燥、仮焼、加熱
    処理することを特徴とするビスマス系層状ペロブスカイ
    ト薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 急速昇温加熱処理により、550℃まで
    の低温度で加熱処理することにより結晶化する請求項3
    記載のビスマス系層状ペロブスカイト薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の方法で製造される、原子
    配列の構造制御されたSr:Bi:Ta又はNb=1:
    2:2(金属原子比)のSr−Bi−Ta又はNb系複
    合アルコキシド。
  6. 【請求項6】 請求項3又は4記載のビスマス系層状ペ
    ロブスカイト薄膜を利用することを特徴とする強誘電体
    メモリ素子。
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