JPH08336848A - 粒状成形物の製法 - Google Patents

粒状成形物の製法

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JPH08336848A
JPH08336848A JP14783795A JP14783795A JPH08336848A JP H08336848 A JPH08336848 A JP H08336848A JP 14783795 A JP14783795 A JP 14783795A JP 14783795 A JP14783795 A JP 14783795A JP H08336848 A JPH08336848 A JP H08336848A
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granular
molding
decorative layer
thickness
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Application number
JP14783795A
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English (en)
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Naoki Hayama
直希 羽山
Masayuki Kawashima
正幸 川嶋
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Yamaha Living Tech Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Living Tech Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材層上に、粒状材料をバインダー樹脂で結
合してなる化粧層を積層し、凹凸を有する成形型を用い
て加熱圧縮成形して前記化粧層の表面に凹凸を有する粒
状成形物を製造する方法において、表面の凹凸の深さを
浅くしても、この凹凸による質感を強調することがで
き、意匠性に優れた粒状成形物が得られるようにする。 【構成】 基材層3と化粧層2との間に、化粧層2と色
が異なる着色層4を介在させ、かつ成形型1の凹凸の深
さを化粧層2の成形後の厚さよりも大きくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粒状の材料をバインダー
樹脂で接着してなる化粧層を有するとともに、化粧層表
面に凹凸を有する粒状成形物であって、表面の凹部内に
凸部と異なる色を表出させて意匠性に優れた粒状成形物
を製造できるようにした方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粒状成形物は、無機質の粒状材料をバイ
ンダー樹脂で接着し、板状など適宜の形状に成形したも
ので、意匠的に石材様の質感が得られるので、壁材をは
じめ各種建材等に好適に用いられる。例えば壁材に好適
な粒状成形物を製造する際には、意匠性に優れた粒状材
料を用いてなる化粧層と、比較的安価でかつ壁材として
好ましい物性の粒状材料を用いてなる基材層とを積層さ
せて比較的大面積の板状に成形し、さらに高級感を出す
ために化粧層の表面に例えば目地状の凹凸を形成してい
た。
【0003】図6は従来の粒状成形物の製法の例を示し
た断面図である。図中符号1は成形型で、粒状成形物の
表面に対応する面に凹凸が形成されている。この図に示
すように、まず成形型1の凹凸を有する面上に、意匠性
に優れた粒状材料に透明バインダー樹脂をコーティング
してなる化粧層2の被成形材料を配し、その上に比較的
安価でかつ壁材として好ましい物性の粒状材料に、壁材
として好ましい物性のバインダー樹脂をコーティングし
てなる基材層3の被成形材料を配する。そして加熱圧縮
成形を行うことにより、粒状材料がバインダー樹脂によ
って互いに接着されるとともに、基材層3と化粧層2と
が接着一体化されて、図7に示すように、表面に凹凸を
有する粒状成形物10が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにして得られた粒状成形物10にあっては、その表面
の凹部10aおよび凸部10bが単一の材料で形成され
ているので色調に変化がなく、外観的に凹凸が目立ち難
かった。そこで、視覚的に表面の凹凸による質感を強調
するために凹凸の深さを大きくするとともに化粧層2を
厚く形成すると、化粧層2に用いられる意匠性に優れた
粒状材料の使用量が増えて、材料費が増大するといった
不都合が生じる。また用途に応じて好ましい物性の材料
を用いてなる基材層3に対して化粧層2の厚さが増大す
るので、粒状成形物10の物性が悪化するおそれもあっ
た。
【0005】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、表面に凹凸を有する形状の粒状成形物の製造に際し
て、表面の凹凸の深さを浅くしても、この凹凸による質
感を強調することができ、意匠性に優れた粒状成形物が
得られるようにした方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明の粒状成形物の製法は、基材層上に、粒状材料
をバインダー樹脂で結合してなる化粧層を積層し、凹凸
を有する成形型を用いて加熱圧縮成形して前記化粧層の
表面に凹凸を有する粒状成形物を製造する方法におい
て、前記成形型の凹凸の深さを前記化粧層の成形後の厚
さよりも大きくすることを特徴とするものである。また
前記基材層と化粧層との間に、該化粧層と色が異なる着
色層を介在させてもよい。
【0007】
【作用】本発明の製法によれば、成形型の凹凸の深さを
前記化粧層の成形後の厚さよりも大きくすることによっ
て、得られる粒状成形物の表面の凹部内に化粧層の下層
部分を表出させることができる。したがって、化粧層の
下層を化粧層と視覚的に区別できる材料で構成すること
によって、凹凸の深さが比較的浅くても、視覚的に表面
の凹凸による質感を強調することができる。化粧層の下
層が基材層であれば、凹部内に基材層が表出される。ま
た基材層と化粧層との間に着色層を介在させてもよく、
この場合には凹部内に着色層が表出した粒状成形物が得
られる。
【0008】
【実施例】以下、本発明を更に理解しやすくするため、
実施例について説明する。かかる実施例は、本発明の一
態様を示すものであり、この発明を限定するものではな
い。本発明の範囲で任意に変更可能である。図1は本発
明の粒状成形物の製法の第1の実施例を示すもので、
(a)は加熱圧縮成形工程を示す断面図、(b)は得ら
れた粒状成形物を示す断面図である。図中符号1は成形
型、2は化粧層、3は基材層、4は着色層、5は表面フ
ィルム材、6は接着剤、20は粒状成形物をそれぞれ示
す。
【0009】本発明において化粧層2は、粒状材料と粒
状材料を結合するバインダー樹脂とから構成される。化
粧層2の構成に用いられる粒状材料は、粒径が好ましく
は0.3〜5mmの無機質粒状体で、意匠性に優れたも
のが好適に用いられる。例えば、着色ケイ砂、ガラスフ
リット、微細石英、シリカ、天然大理石粉砕粒子、砂、
寒水石、着色寒水石、陶器粉砕粒子、セラミック焼結粒
子、マイカ、着色マイカなどを用いることができる。化
粧層2を形成する粒状材料は、1種類の粒状材料だけを
用いてもよく、あるいは色、素材、粒径が異なる複数種
類の粒状材料を混合して用いてもよい。
【0010】化粧層2の構成に用いられるバインダー樹
脂は、加熱圧縮成形によって粒状材料を接着して成形で
きるもので、硬化後に透明となる透明バインダー樹脂が
好適に用いられる。例えば、ポリエステル系樹脂、アク
リル系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキ
シ系樹脂などを用いることができ、適宜の添加剤を含有
させてもよい。このバインダー樹脂は、粒状材料に加え
て攪拌するなど、適宜の手段で粒状材料表面にコーティ
ング、または混合して用いられる。また本発明において
は、加熱成形時に化粧層2が成形型1の凹凸に沿って流
動することが好ましく、そのためにバインダー樹脂とし
て、常温で固体のものが好ましく選択される。
【0011】本発明において基材層3は粒状材料と、粒
状材料を結合するバインダー樹脂とから構成される。基
材層3の構成に用いられる粒状材料は、比較的安価な無
機質軽量骨材が好ましく用いられ、粒状成形物20の用
途に応じた好ましい物性を有するものが選択される。例
えば、ガラス発泡体、パーライトやシラスバルーン等の
無機質発泡体、発泡スラグ、火山れき等を用いることが
できる。また基材層3の構成に用いられるバインダー樹
脂は、加熱圧縮成形によって粒状材料を接着して成形で
きるもので、粒状成形物20の用途に応じた好ましい物
性を有するものが用いられる。例えば、フェノール系樹
脂、メラミン系樹脂、ユリア系樹脂、エポキシ系樹脂等
を用いることができ、顔料や適宜の添加剤を含有させて
もよい。このバインダー樹脂は、粒状材料に加えて攪拌
するなど、適宜の手段で粒状材料表面にコーティング、
または混合して用いられる。
【0012】またここで、基材層3の材質によっては、
強度を付与するために、各種プリプレグを基材層3の一
面または両面に積層して用いてもよい。このプリプレグ
としては、例えばクラフト紙などの補強材にフェノール
樹脂等を含浸させたもの、あるいはガラス繊維にフェノ
ール樹脂等を含浸させたものを用いることができる。プ
リプレグを用いる場合には、未硬化の状態のものを基材
層3に積層させて成形型1内に配し、粒状成形物20の
加熱圧縮成形と同時に、硬化、一体化すればよい。ある
いは基材層3に強度を付与するために、基材層3内に各
種繊維からなる補強材を添加することもできる。
【0013】本発明において着色層4は、化粧層2およ
び基材層3と接着一体化される材料であって、硬化後に
化粧層2とは異なる色あるいは柄を呈して視覚的に化粧
層2との区別が可能な材料を用いて構成される。本実施
例において、着色層4は粒状材料と透明バインダー樹脂
を用いて形成される。この着色層4を構成する粒状材料
としては、上記化粧層2に用いられる粒状材料を用いる
ことができ、硬化後の色や柄が化粧層2とは異なって見
えるものが選択して用いられる。着色層4を構成する粒
状材料は、1種類の粒状材料だけを用いてもよく、ある
いは色、素材、粒径が異なる複数種類の粒状材料を混合
して用いてもよい。また着色層4を構成する透明バイン
ダー樹脂としては、上記化粧層2に用いられる透明バイ
ンダー樹脂を用いることができ、化粧層2と同様のもの
を選択して用いれば、化粧層2と着色層4との接着性が
良く好ましい。このバインダー樹脂は、粒状材料に加え
て攪拌するなど、適宜の手段で粒状材料表面にコーティ
ング、または混合して用いられる。
【0014】また本発明において、化粧層2上に表面フ
ィルム材5を設けるのが好ましい。表面フィルム材5を
設けた場合には、成形型1に微小な隙間があっても加熱
圧縮成形時に化粧層2の樹脂がそのような隙間に入り込
む恐れがないので、成形型1を簡易な構成とすることが
可能である。すなわち成形型1を作製する際に、図1
(a)に示すように板状部材の上に凸部1aを取り付け
るだけでよく、これらの間に隙間があっても構わないの
で、作製が容易である。これに対して表面フィルム材5
を設けない場合には、加熱圧縮成形時に化粧層2の樹脂
が成形型1の隙間に入り込んでしまって脱型できなくな
る恐れがある。したがって、成形型1の板状部材と凸部
1とを溶接あるいは接着によって隙間なく接合させる
か、あるいは一枚の板状部材を切削加工して凸部1aを
形成する必要があり、成形型1の作製に手間を要するだ
けでなく、コストも高くなる。
【0015】表面フィルム材5としては、例えばポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルム、アクリルフ
ィルム、塩化ビニルフィルム、塩化ビニリデンフィル
ム、フッ素フィルム、ポリカーボネートフィルム等を好
ましく用いることができる。表面フィルム材5の厚さ
は、厚過ぎると加熱圧縮成形時に粒状成形物20の表面
の形状に追従できなくて密着せず、欠陥となったり、粒
状成形物20の外観を損うおそれがある。また薄過ぎて
もハンドリングが困難となる。したがって、例えば厚さ
が0.02〜0.25程度がのものが好ましく用いられ
る。表面フィルム材5は、好ましくはその一面上に接着
剤6を塗付して成形型内に配され、接着剤6上に化粧層
2が配される。接着剤6は、粒状成形物20の加熱圧縮
成形と同時に、表面フィルム材5と化粧層2とを接着一
体化し得るものであればよく、例えば、エチレン共重合
系ホットメルト接着剤、ポリエステル系接着剤、ウレタ
ン系接着剤、アクリル系接着剤等を好適に用いることが
できる。
【0016】本発明において用いられる成形型1は、加
熱圧縮成形に使用可能なもので、粒状成形物20の表面
に対応する面に凹凸が形成されている。例えば、システ
ムバスの壁材として用いられる粒状成形物20を成形す
る際には、粒状成形物20の表面に目地状の凹溝が形成
されるように成形型1に凹凸が好ましく設けられる。図
2は成形型1の凹凸の形状の例を示した断面図である。
成形型1の凹凸の形状は特に限定されないが、成形型1
における凸部1a(粒状成形物20の凹部20aに対応
する)の立上がり角度θが90°より小さいと成形後の
脱型が困難であり、またθが大き過ぎても成形後の粒状
成形物20において表面の凹部20a内に化粧層2の下
層部分が表出しなくなる。したがって、θは90°≦θ
≦135°の範囲が好ましく、特に望ましくは90°で
ある。
【0017】また成形型1の凹凸の深さLは、化粧層2
の成形後の厚さよりも大きく形成される必要がある。L
が化粧層2の成形後の厚さよりも小さいと、粒状成形物
20の表面の凹部20a内に化粧層2の下層部分が表出
しなくなる。また表面フィルム剤5を設ける場合には、
Lは成形後の表面フィルム材5、接着剤6および化粧層
2の厚さの合計よりも大きく形成される。一方、成形型
1の凹凸の深さLを増大させると、粒状成形物20の表
面の凹部20a内に化粧層2の下層部分が多く表出する
ようになる。本実施例においては、化粧層2の下層は着
色層4でありその下層が基材層3であるので、表面フィ
ルム剤5の厚さ、化粧層2の厚さ、着色層4の厚さおよ
びLを適宜設定することによって、成形後の凹部20a
内に着色層4を表出させることができる。また着色層4
および基材層3を表出させることも可能である。ただ
し、基材層3が表出し過ぎると粒状成形物20の物性上
好ましくないので、Lの上限は基材層3の表出される部
分が基材層3の厚さの半分程度となるように設定され
る。
【0018】次に、本発明の粒状成形物の製法の第1の
実施例について説明する。まず図1(a)に示すよう
に、成形型1の凹凸が形成された面上に、表面フィルム
材5を配するとともに、その上面に接着剤6を塗付す
る。接着剤6の塗付量は、厚さが10μm〜300μm
程度となるように適宜設定される。接着剤6の塗付量が
多過ぎると、反りの原因となったり、コスト高を招く、
又少な過ぎると密着不良を生じる。
【0019】次いで、その上に化粧層2を構成する粒状
材料に透明バインダー樹脂をコーティングしてなる被成
形材料を積層させる。ここで、透明バインダー樹脂の使
用量は、粒状材料に対して1〜20重量%の範囲で好ま
しく設定される。透明バインダー樹脂の使用量が少な過
ぎると粒状材料を接着一体化することができず、又多過
ぎると反り、コスト高、防火性の悪化等の不都合が生じ
る。また化粧層2を構成する被成形材料は、厚さが0.
1〜2.0mm程度となるように好ましく配される。化
粧層2が薄過ぎると良好な外観が得られず、又厚過ぎる
と粒状成形物20の物性を損うおそれがある。
【0020】続いて、化粧層2を構成する被成形材料の
上に、着色層4を構成する粒状材料に透明バインダー樹
脂をコーティングしてなる被成形材料を積層させる。こ
こで、透明バインダー樹脂の使用量は、粒状材料に対し
て1〜20重量%の範囲で好ましく設定される。透明バ
インダー樹脂の使用量が少な過ぎると粒状材料を接着一
体化することができず、又多過ぎると反り、コスト高、
防火性の悪化等の不都合が生じる。また着色層4を構成
する被成形材料は、厚さが0.1〜20.0mm程度と
なるように好ましく配される。着色層2が薄過ぎるとこ
の下層の基材層が成形後に表出するおそれがあり、又厚
過ぎると粒状成形物20の物性を損うおそれがある。
【0021】この後、着色層4を構成する被成形材料の
上に、基材層3を構成する粒状材料にバインダー樹脂を
コーティングしてなる被成形材料を積層させる。ここ
で、バインダー樹脂の使用量は、粒状材料に対して1〜
20重量%の範囲で好ましく設定される。バインダー樹
脂の使用量が少な過ぎると粒状材料を接着一体化するこ
とができず、また多過ぎるとコスト高、防火性の悪化、
高密度化等の不都合が生じる。またここで形成される基
材層3の厚さは、粒状成形物の用途等に応じて適宜設定
さるれが、例えばシステムバスの壁材を製造する場合に
は5mm〜20mm程度の厚さに好適に形成される。
【0022】このようにして成形型1内に、フィルム材
5、接着剤6、化粧層2の被成形材料、着色層4の被成
形材料、および基材層3の被成形材料を順次積層させた
状態で加熱圧縮成形を行う。このとき、各被成形材料は
成形型1の凹凸に沿って流動するため、化粧層2および
着色層4は断層状態となる。したがって、化粧層2の厚
さと成形型1の凹凸の深さLを適宜設定しておくことに
よって、成形後の粒状成形物20の凹部20a内に着色
層4を表出させることができる。例えば、図1(a)に
示すように、成形型1の凸部1aの立上がり角度θが9
0°の場合には、図1(b)に示すように、凹部20a
と凸部20bとの境目20cに着色層4が表出した粒状
成形物20を得ることができる。
【0023】このようにして得られる粒状成形物20は
表面に凹凸が形成されており、凹凸がなく平坦なものよ
りも高級感を有する。しかも凹部20a内に化粧層2と
は色または柄が異なる着色層4が表出されるので、視覚
的に凹凸の質感が強調され、またデザインの幅も広が
る。また図2(c)に示すように、成形型1として凸部
1aの断面形状がくさび型に形成されたものを用いた場
合には、図3に示すようにV字状の凹部20aが形成さ
れ、その底部に着色層4が表出した粒状成形物20が得
られる。
【0024】図4は本発明の粒状成形物の製法の第2の
実施例を示すもので、(a)は加熱圧縮成形工程を示す
断面図、(b)は得られた粒状成形物を示す断面図であ
る。本実施例が上記第1の実施例と異なる点は、着色層
14が着色シートから構成されている点である。この着
色シートは、加熱圧縮成形によって化粧層2および基材
層3と接着一体化されるものであって、かつ加熱圧縮成
形時に成形型1の凹凸によって不連続な断層状態となら
ず、加熱圧縮成形後に連続した着色層14を形成するも
のが用いられる。このような着色シートとしては、例え
ば、化粧層2と異なる色に着色された塩化ビニルシー
ト、PETシート、アクリルシート、ABSシート、お
よびポリカーボネートシートなどの熱可塑性樹脂シート
を用いることができる。あるいは、化粧層2と異なる色
に着色された樹脂をガラスクロス等に含浸させたプリプ
レグの未硬化のものも用いることができる。プリプレグ
としては、例えばポリエステルプリプレグ、フェノール
プリプレグ、およびエポキシプリプレグ等が用いられ
る。また着色シートの厚さは、厚過ぎると反りの原因と
なったり、コスト高を招く。又薄過ぎると隠蔽力が不足
し、下層の基材層が透けるので、好ましくは0.01〜
2mm程度とされる。
【0025】次に、図4を用いて本発明の粒状成形物の
製法の第2の実施例について説明する。まず図4(a)
に示すように、上記第1の実施例と同様にして成形型1
内に表面フィルム材5、接着剤6、および化粧層2を構
成する被成形材料を順次積層させる。続いて、化粧層2
の上に、着色層14を構成する着色シートを積層させ
る。さらに、着色層4を構成する着色シート上に、上記
第1の実施例と同様にして基材層3を構成する被成形材
料を積層させた後、加熱圧縮成形を行う。加熱圧縮成形
により、各被成形材料は成形型1の凹凸に沿って流動す
るため、化粧層2は断層状態となる。また着色層14を
構成する着色シートは成形型1の凹凸に沿って変形す
る。したがって、化粧層2の厚さと成形型1の凹凸の深
さLを適宜設定しておくことによって、上記第1の実施
例と同様に成形後の粒状成形物30の凹部30a内に着
色層14を表出させることができる。例えば、図4
(a)に示すように、成形型1の凸部1aの立上がり角
度θが90°の場合には、図4(b)に示すように、凹
部30aと凸部30bとの境目30cに着色層14が表
出した粒状成形物30を得ることができる。
【0026】図5は本発明の粒状成形物の製法の第3の
実施例を示すもので、得られた粒状成形物40を示す断
面図である。本実施例が上記第1の実施例と異なる点
は、着色層2および表面フィルム材5を設けない構成と
した点である。本実施例においては、基材層3の材料と
して、硬化後に化粧層2とは異なる色あるいは柄を呈し
て視覚的に化粧層2との区別できるものが用いられる。
例えば、基材層3を構成する粒状材料に適宜の着色処理
を施したり、バインダー樹脂に適宜の顔料を添加したり
することができる。あるいはまた本実施例においても、
成形型1の凹凸の深さLは、化粧層2の成形後の厚さよ
りも大きく、かつ成形後に基材層3の厚さの半分を表出
させる深さ以下に形成される。
【0027】本実施例においては、まず、上記第1の実
施例と同様にして成形型1内に化粧層2を構成する被成
形材料を配し、その上に基材層3を構成する被成形材料
を積層させた後、加熱圧縮成形を行う。加熱圧縮成形に
より、各被成形材料は成形型1の凹凸に沿って流動する
ため、化粧層2は断層状態となる。したがって、化粧層
2の厚さと成形型1の凹凸の深さLを適宜設定しておく
ことによって、成形後の粒状成形物40の凹部40a内
に基材層3を表出させることができる。例えば、成形型
の凸部の立上がり角度θが90°の場合には、凹部40
aと凸部40bとの境目40cに基材層3が表出した粒
状成形物40を得ることができる。尚、本実施例におい
て上記実施例1と同様に表面フィルム材5を用いた構成
としてもよいことは勿論である。
【0028】(実施例1)コール板に厚さ2mmのアル
ミ板をくり貫き加工したものをビス止めして成形型を作
製した。この成形型のアルミ板を配した面上に、厚さ1
00μmのPETフィルムを配するとともに、その上面
にエチレン共重合系ホットメルト接着剤を厚さが50μ
mとなるように塗付した。この接着剤層上に、粒径0.
3〜2.0mmのカラーサンドにポリエステル系透明バ
インダー樹脂を10重量%の割合でコーティングしたも
のを厚さ1.0mmとなるように配して、化粧層を形成
した。この化粧層上に、粒径0.25mm以下の天然ケ
イ砂にポリエステル系透明バインダー樹脂を10重量%
の割合でコーティングしたものを厚さ1.0mmとなる
ように配して、着色層を形成した。この着色層上に、ガ
ラス発泡体にフェノール系バインダー樹脂を5重量%の
割合でコーティングしたものを厚さ20mmとなるよう
に配して、基材層を形成した。この後、100℃、面圧
20kg/cm2で30分間加熱圧縮成形して、厚さ2
0mmの板状の粒状成形物を得た。得られた粒状成形物
は、表面に深さ2mmの凹凸を有するとともに、その凹
部内に着色層が表出しており、表面の凹凸による質感が
強調された意匠性に優れたものであった。
【0029】(実施例2)上記実施例1において、化粧
層上に、天然ケイ砂およびポリエステル系透明バインダ
ー樹脂からなる被成形材料に代えて、厚さ0.05mm
の着色されたPETシートを配して着色層を形成したほ
かは同様にして粒状成形物の成形を行った。得られた粒
状成形物は、表面に深さ2mmの凹凸を有するととも
に、その凹部内に着色層が表出しており、表面の凹凸に
よる質感が強調された意匠性に優れたものであった。
【0030】(実施例3)コール板に厚さ2mmのアル
ミ板をくり貫き加工したものをビス止めして成形型を作
製した。この成形型のアルミ板を配した面上に、厚さ1
00μmのPETフィルムを配するとともに、その上面
にエチレン共重合系ホットメルト接着剤を厚さが50μ
mとなるように塗付した。この接着剤層上に、粒径0.
3〜2.0mmのカラーサンドにポリエステル系透明バ
インダー樹脂を10重量%の割合でコーティングしたも
のを厚さ1.0mmとなるように配して、化粧層を形成
した。この化粧層上に、化粧層のカラーサンドと異なる
色に着色された粒径0.3〜2.0mmのカラーサンド
にポリエステル系透明バインダー樹脂を10重量%の割
合でコーティングしたものを厚さ1.0mmとなるよう
に配して、着色層を形成した。この着色層上に、フェノ
ールプリプレグを配し、その上にガラス発泡体にフェノ
ール系バインダー樹脂を5重量%の割合でコーティング
したものを積層し、さらにその上にフェノールプリプレ
グを再度積層させて、厚さ13mmの基材層を形成し
た。この後、100℃、面圧20kg/cm2で30分
間加熱圧縮成形して、厚さ13mmの板状の粒状成形物
を得た。得られた粒状成形物は、表面に深さ2mmの凹
凸を有するとともに、その凹部内に着色層が表出してお
り、表面の凹凸による質感が強調された意匠性に優れた
ものであった。
【0031】(実施例4)コール板に厚さ2mmのアル
ミ板をくり貫き加工したものをビス止めして成形型を作
製した。この成形型のアルミ板を配した面上に、厚さ1
00μmのPETフィルムを配するとともに、その上面
にエチレン共重合系ホットメルト接着剤を厚さが50μ
mとなるように塗付した。この接着剤層上に、粒径0.
3〜2.0mmのカラーサンドにポリエステル系透明バ
インダー樹脂を10重量%の割合でコーティングしたも
のを厚さ1.0mmとなるように配して、化粧層を形成
した。この化粧層上に、厚さ0.05mmの着色された
PETシートを配して着色層を形成した。この着色層上
に、火山れきおよびチョップドストランドガラスを混合
するとともにフェノール系バインダー樹脂を10重量%
の割合でコーティングしたものを厚さ10mmとなるよ
うに配して、基材層を形成した。この後、100℃、面
圧20kg/cm2で30分間加熱圧縮成形して、厚さ
9mmの板状の粒状成形物を得た。得られた粒状成形物
は、表面に深さ2mmの凹凸を有するとともに、その凹
部内に着色層が表出しており、表面の凹凸による質感が
強調された意匠性に優れたものであった。
【0032】(実施例5)コール板に厚さ2mmのアル
ミ板をくり貫き加工したものをビス止めして成形型を作
製した。この成形型のアルミ板を配した面上に、粒径
0.05〜0.2mmの着色セラミック焼結粒子にアク
リル系透明バインダー樹脂を10重量%の割合でコーテ
ィングしたものを厚さ1.0mmとなるように配して、
化粧層を形成した。この化粧層上に、厚さ1.0mmの
着色されたポリエステルプリプレグを配して着色層を形
成した。この着色層上に、パーライトにフェノール系バ
インダー樹脂を10重量%の割合でコーティングしたも
のを配し、その上にフェノールプリプレグを積層して、
厚さ6mmの基材層を形成した。この後、100℃、面
圧20kg/cm2で30分間加熱圧縮成形して、厚さ
6mmの板状の粒状成形物を得た。得られた粒状成形物
は、表面に深さ2mmの凹凸を有するとともに、その凹
部内に着色層が表出しており、表面の凹凸による質感が
強調された意匠性に優れたものであった。
【0033】(実施例6)コール板に厚さ2mmのアル
ミ板をくり貫き加工したものをビス止めして成形型を作
製した。この成形型のアルミ板を配した面上に、粒径
0.3〜1.0mmの天然ケイ砂と粒径0.3〜1.0
mmの寒水石を混合するとともにメラミン系透明バイン
ダー樹脂を10重量%の割合でコーティングしたものを
厚さ1.0mmとなるように配して、化粧層を形成し
た。この化粧層上に、粒径0.05〜0.2mmのカラ
ーサンドにメラミン系透明バインダー樹脂を10重量%
の割合でコーティングしたものを厚さ1.0mmとなる
ように配して、着色層を形成した。この着色層上に、ス
ラグ発泡体にフェノール系バインダー樹脂を10重量%
の割合でコーティングしたものを厚さ13mmとなるよ
うに配して、基材層を形成した。この後、100℃、面
圧20kg/cm2で30分間加熱圧縮成形して、厚さ
13mmの板状の粒状成形物を得た。得られた粒状成形
物は、表面に深さ2mmの凹凸を有するとともに、その
凹部内に着色層が表出しており、表面の凹凸による質感
が強調された意匠性に優れたものであった。
【0034】(実施例7)コール板に厚さ2mmのアル
ミ板をくり貫き加工したものをビス止めして成形型を作
製した。この成形型のアルミ板を配した面上に、厚さ1
00μmのPETフィルムを配するとともに、その上面
にエチレン共重合系ホットメルト接着剤を厚さが50μ
mとなるように塗付した。この接着剤層上に、粒径0.
3〜2.0mmのカラーサンドにポリエステル系透明バ
インダー樹脂を10重量%の割合でコーティングしたも
のを厚さ1mmとなるように配して、化粧層を形成し
た。この化粧層上に、スラグ発泡体に、2重量%の黒色
顔料を含むフェノール樹脂を、10重量%の割合でコー
ティングしたものを厚さ13mmとなるように配して、
基材層を形成した。この後、100℃、面圧20kg/
cm2で30分間加熱圧縮成形して、厚さ12mmの板
状の粒状成形物を得た。得られた粒状成形物は、表面に
深さ2mmの凹凸を有するとともに、その凹部内に基材
層が表出しており、表面の凹凸による質感が強調された
意匠性に優れたものであった。
【0035】(比較例1)上記実施例1において、化粧
層の厚さが2mmとなるように、カラーサンドおよびポ
リエステル系透明バインダー樹脂からなる被成形材料を
配し、かつ化粧層上に着色層を設けずに基材層を形成し
たほかは同様にして加熱圧縮成形を行った。得られた粒
状成形物は、表面に凹凸を有しているが、表面が単一の
色柄からなっており、凹凸の深さも2mmと浅いため
に、表面の凹凸が目立たないものであった。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明の粒状成形物
の製法は、基材層上に、粒状材料をバインダー樹脂で結
合してなる化粧層を積層し、凹凸を有する成形型を用い
て加熱圧縮成形して前記化粧層の表面に凹凸を有する粒
状成形物を製造する方法において、前記成形型の凹凸の
深さを前記化粧層の成形後の厚さよりも大きくすること
を特徴とするものである。
【0037】本発明の製法によれば、表面に凹凸を有
し、かつ凹部内に化粧層の下層部分が表出した粒状成形
物が得られる。すなわち、化粧層の下層である基材層
を、化粧層と視覚的に区別できる材料で構成することに
よって、凹凸の深さが比較的浅くても、視覚的に表面の
凹凸による質感を強調することができ、意匠性に優れた
ものとなる。また、化粧層の厚さを薄くして、材料費の
低減、粒状成形物の物性の向上を図ることができる。ま
た前記基材層と化粧層との間に、該化粧層と色が異なる
着色層を介在させてもよく、この場合には、凹部内に着
色層が表出した粒状成形物が得られる。したがって、着
色層を意匠性に優れた材料で構成することによって、よ
り一層の意匠上の効果が得られ、デザインの幅も広が
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製法の実施例を示すもので、(a)
は加熱圧縮成形工程を示す断面図、(b)は得られた粒
状成形物を示す断面図である。
【図2】 本発明に係る成形型の形状の例を示す断面図
である。
【図3】 本発明の製法により得られた粒状成形物の例
を示す断面図である。
【図4】 本発明の製法の実施例を示すもので、(a)
は加熱圧縮成形工程を示す断面図、(b)は得られた粒
状成形物を示す断面図である。
【図5】 本発明の製法により得られた粒状成形物の例
を示す断面図である。
【図6】 従来の粒状成形物の製法の例を示した断面図
である。
【図7】 従来の製法により得られた粒状成形物の例を
示す断面図である。
【符号の説明】
1…成形型、2…化粧層、3…基材層、4…着色層、1
0,20,30,40…粒状成形物。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材層上に、粒状材料をバインダー樹脂
    で結合してなる化粧層を積層し、凹凸を有する成形型を
    用いて加熱圧縮成形して前記化粧層の表面に凹凸を有す
    る粒状成形物を製造する方法において、 前記成形型の凹凸の深さを前記化粧層の成形後の厚さよ
    りも大きくすることを特徴とする粒状成形物の製法。
  2. 【請求項2】 前記基材層と化粧層との間に、該化粧層
    と色が異なる着色層を介在させることを特徴とする請求
    項1記載の粒状成形物の製法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020147422A1 (zh) * 2019-01-15 2020-07-23 苏州科逸住宅设备股份有限公司 仿大理石花纹的石英石板材及其制备方法

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