JPH08335406A - 導電性金属複合粉及びその製造法 - Google Patents

導電性金属複合粉及びその製造法

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JPH08335406A
JPH08335406A JP8020764A JP2076496A JPH08335406A JP H08335406 A JPH08335406 A JP H08335406A JP 8020764 A JP8020764 A JP 8020764A JP 2076496 A JP2076496 A JP 2076496A JP H08335406 A JPH08335406 A JP H08335406A
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圭三 平井
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和田  弘
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顕浩 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で、かつ導電性及び耐マイグレーション
性に優れる導電性金属複合粉及びその製造法を提供す
る。 【解決手段】 偏平状非貴金属粉の全表面積の50%以
上が、該偏平状非貴金属粉に対して2〜30重量%の貴
金属で被覆され、かつ表面貴金属層と非貴金属層との間
に貴金属と非貴金属とが混在する層を介在してなる導電
性金属複合粉及び非貴金属粉の表面に、該非貴金属粉に
対して2〜30重量%の貴金属を被覆した後、機械的エ
ネルギーを加えることにより、偏平状の変形及び表面貴
金属層と非貴金属層との間に、貴金属と非貴金属とが混
在する層の形成を行う導電性金属複合粉の製造法並びに
非貴金属粉及び貴金属粉の混合粉体に機械的エネルギー
を加えることにより、該混合粉体を偏平状に変形しなが
ら該非貴金属粉の表面に、該非貴金属粉に対して2〜3
0重量%の貴金属を被覆し、かつ表面貴金属層と非貴金
属層との間に、貴金属と非貴金属とが混在する層の形成
を行う導電性金属複合粉の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気回路形成用の
導電性ペーストに適した導電性金属複合粉及びその製造
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、配線板、電子部品を搭載するため
の絶縁基材等に配線導体を形成する方法として、金、
銀、パラジウム、銅、アルミニウム等の導電性金属粉
に、樹脂、ガラスフリット等の結合剤及び溶剤を加えて
ペースト状にした導電性ペーストを塗布又は印刷して形
成する方法が一般的に知られており、スルホール導通
用、電極形成用、ジャンパ線用、EMIシールド用等に
応用されている。各種導電性金属粉のうち、金は極めて
高価であるため、高い導電性が要求される分野では銀
が、それ以外の分野では銅が導電性金属粉として用いら
れることが多い。
【0003】しかしながら、銀は金やパラジウムについ
で高価であり、また水分の存在下で直流電圧が印加され
ると、電極や配線導体にマイグレーションと称する銀の
電析が生じ、電極間又は配線間が短絡するという重大な
問題点が生じる。銀のマイグレーションを防止するた
め、銀とパラジウムとの合金を導電性金属粉とする導電
性材料が市販されているが、やはり極めて高価であると
いう問題点がある。
【0004】一方、銅は安価であり、マイグレーション
が比較的生じにくいが、導電性ペーストを加熱する際、
空気及び結合剤中の酸素により銅粒子表面に酸化膜を形
成して導電性を悪化させるという問題点がある。このた
め、導体の表面に防湿塗料を塗布したり、導電性材料に
腐食、酸化防止剤を添加するなどの方策が検討されてい
るが、十分な効果が得られるものではなかった。
【0005】銅の耐酸化性と銀の耐マイグレーション性
を改善するため、銀めっき銅粉を使用する方法が特開昭
56−8892号公報に示されるが、この方法では銀粉
に比較して導電性が悪く、銀粉の一部を銅粉に置き換え
ただけにすぎない。また特開平3−247702号公
報、特開平4−268381号公報等に提案されている
ように、銅の表面に銀の粒子をアトマイズ法で作製する
方法があるが、この方法では工程が複雑であるためコス
ト高となり、また得られた粉体は略球形粒子であるため
偏平状や樹枝状の粉体に比べて粉体同士の接触面積が小
さく、高抵抗になるという問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、導電性で、耐マイグレーション性に優れる導電性金
属複合粉を提供するものである。請求項2記載の発明
は、請求項1記載の発明に加えて、特に導電性と耐マイ
グレーション性に優れた導電性金属複合粉を提供するも
のである。請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明
に加えて、特に耐マイグレーション性に優れた導電性金
属複合粉を提供するものである。請求項4記載の発明
は、請求項1記載の発明に加えて、特に導電性と耐マイ
グレーション性に優れた導電性金属複合粉を提供するも
のである。請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明
に加えて、特に導電性に優れた導電性金属複合粉を提供
するものである。請求項6及び7記載の発明は、安価
で、かつ高導電性で、耐マイグレーション性に優れる導
電性金属複合粉の製造法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、偏平状非貴金
属粉の前表面積の50%以上が、該偏平状非貴金属粉に
対して2〜30重量%の貴金属で被覆され、かつ表面貴
金属層と非貴金属層との間に貴金属と非貴金属とが混在
する層を介在してなる導電性金属複合粉に関する。ま
た、本発明は、この導電性金属複合粉において、貴金属
と非貴金属とが混在する層が、表面貴金属層の厚さの1
/2〜1/50である導電性金属複合粉に関する。ま
た、本発明は、この導電性金属複合粉において、貴金属
と非貴金属とが混在する層が、貴金属が80〜20原子
数%に対し非貴金属が20〜80原子数%である導電性
金属複合粉に関する。また、本発明は、この導電性金属
複合粉において、表面貴金属層の厚さが、0.01〜
0.2μmである導電性金属複合粉に関する。また、本
発明は、この導電性金属複合粉の長径/厚さが、2〜3
0である導電性金属複合粉に関する。また、本発明は、
非貴金属粉の表面に、該非貴金属粉に対して2〜30重
量%の貴金属を被覆した後、機械的エネルギーを加える
ことにより、偏平状への変形及び表面貴金属層と非貴金
属層との間に、貴金属と非貴金属とが混在する層の形成
を行うことを特徴とする導電性金属複合粉の製造法に関
する。さらに、本発明は、非貴金属粉及び貴金属粉の混
合粉体に機械的エネルギーを加えることにより、該混合
粉体を偏平状に変形しながら該非貴金属粉の表面に、該
非貴金属粉に対して2〜30重量%の貴金属を被覆し、
かつ表面貴金属層と非貴金属層との間に、貴金属と非貴
金属とが混在する層の形成を行うことを特徴とする導電
性金属複合粉の製造法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における偏平状とは、球
状、塊状等の立体形状のものを一方向に押し潰した形状
のものであり、例えば一般的にフレーク状と称するもの
もこれに含まれる。
【0009】本発明において用いられる非貴金属粉とし
ては、低価格という観点から、導電性を有する非貴金属
で、例えば銅、銅合金、ニッケル等が用いられる。また
非貴金属粉の表面に被覆される貴金属は、耐酸化性と高
導電性という観点から、金、銀、白金等の貴金属を用い
ることが好ましい。
【0010】非貴金属粉への表面に貴金属を被覆する方
法については特に制限はなく、めっき法、蒸着法、機械
的エネルギーで被覆するメカノフュージョン法等の方法
で行うことが好ましい。また、微細、例えば2μm以下
の貴金属粉と比較的粒径の大きな、例えば5μm以上の
非貴金属粉の混合粉をボールミル、メカニカルアロイン
グ装置等で混合することによっても、非貴金属粉の表面
に貴金属を被覆することができる。偏平状非貴金属粉が
貴金属により被覆される面積(以下、単に被覆面積とい
う)は偏平状非貴金属粉の全表面積に対して50%以上
であり、また、この被覆に使用される貴金属の量(以
下、単に被覆量という)は、偏平状非貴金属粉に対して
2〜30重量%であることが必要がある。被覆面積が5
0%未満又は被覆量が2重量%未満であると、導電性ペ
ーストにして基板などに塗布して加熱処理したとき下地
の偏平状非貴金属粉が酸化して導電性が悪くなる。また
被覆量が30重量%を超えると耐マイグレーション性が
悪くなる。被覆面積は、次のようにして決定される。す
なわち、無作為に導電性金属複合粉の粒子を5個以上取
り出し、オージェ分光分析装置で貴金属及び非貴金属を
定量分析し、貴金属の占める割合を算出し、その平均値
を求め、この平均値を被覆面積とする。また、非貴金属
と貴金属との割合は、例えば導電性金属複合粉を1g取
り出し、これを硝酸で溶解し、この溶解液を化学定量分
析、原子吸光分析装置等を用いて測定する。上記の被覆
面積は50%以上とされるが、非貴金属粉の粒子に局部
電池が形成され貴金属の溶出が抑制できる点で非貴金属
粉の表面の一部が露出することが好ましい。特に貴金属
が銀である場合、銅、ニッケル等の非貴金属粉を組み合
わせて用いることにより、銀のマイグレーション性が改
善され優れた効果を示すので好ましい。また被覆量は7
〜25重量%が好ましく、15〜20重量%であればさ
らに好ましい。
【0011】本発明でいう貴金属と非貴金属とが混在す
る層とは、被覆層を形成するのに使用される貴金属と基
材層の非貴金属成分の両者が混合された状態にあり、本
発明では貴金属と非貴金属が混在する層の厚さが、表面
貴金属層の厚さに対して1/2〜1/50の場合に優れ
た導電性と耐マイグレーション性を示す。貴金属と非貴
金属が混在する層の厚さが表面貴金属層の厚さの1/2
を超えるか又は1/50未満の場合は導電性が著しく悪
化する傾向がある。貴金属と非貴金属が混在する層の厚
さは、表面貴金属層の厚さに対して1/2〜1/40で
あることがより好ましく、1/2〜1/30であること
がさらに好ましい。表面貴金属層の厚さ及び貴金属と非
貴金属とが混在する層の厚さは、それぞれ無作為に導電
性金属複合粉の粒子を5個以上取り出し、イオンスパッ
タリングで表面を削っていくと同時に元素定量分析する
オージェ分光分析装置などを用いて1個の粒子について
3点以上測定し、それぞれの厚さについての平均値を求
め、この平均値をそれぞれの厚さと決定する。
【0012】本発明になる導電性金属複合粉の貴金属と
非貴金属とが混在する層は、貴金属80〜20原子数%
に対し非貴金属20〜80原子数%を含むものであるこ
とが、優れた導電性と耐マイグレーション性を示す点で
好ましい。また、本発明になる導電性金属複合粉は、ペ
ースト化し、さらにスクリーン印刷して使用するような
場合、表面貴金属層の厚さが0.01〜0.2μmであ
ることが、導電性と耐マイグレーション性に優れるので
好ましい。厚さが0.01μm未満であると導電性が悪
くなる傾向があり、厚さが0.2μmを超えると耐マイ
グレーション性が悪くなる傾向がある。
【0013】本発明になる導電性金属複合粉において、
偏平状非貴金属粉の長径/厚さが、2〜30であること
が、優れた導電性と耐酸化性を示す点で好ましく、5〜
20であることがより好ましく、7〜15であることが
さらに好ましい。偏平状非貴金属粉の長径/厚さが2未
満であると粉同士の接触がほとんど点接触となるため高
抵抗となる傾向があり、30を超えると貴金属を30重
量%被覆しても全表面積の50%以上が被覆されたもの
を作製することが困難となり、導電性ペーストとしたも
のを基板などに塗布して加熱処理したとき、下地の非貴
金属粉が酸化し導電性が悪化する傾向がある。なお、長
径については絶対値で100μm以下が好ましく、50
μm以下であることがより好ましく、30μm以下であ
ることがさらに好ましい。導電性金属複合粉の長径/厚
さは、走査型電子顕微鏡を用いて導電性金属複合粉のS
EM写真をとり、この中から導電性金属複合粉の粒子を
無作為に30個以上選び、それの長径/厚さを測定し、
その平均値を求め、この平均値を導電性金属複合粉の長
径/厚さとする。
【0014】本発明の導電性金属複合粉の製造法につい
て、基材となる非貴金属粉の平均粒径や形状については
特に制限はない。また貴金属の被覆方法についても既述
したように特に制限はないが、コストと特性のバランス
の点から、レーザー法、沈降法等の一般的な粒度分布測
定法で求めた平均粒径が1〜30μm以下の銅粉に銀を
めっき又は蒸着する方法が好ましい。
【0015】本発明における偏平状に変形した導電性金
属複合粉は、非貴金属粉の表面に貴金属を被覆した後、
メカニカルアロイング装置、乾式ボールミリング装置、
ロール等による圧縮装置又は高速で固い物質に粉体を吹
き付ける装置等を用いて機械的エネルギーを加えるか、
非貴金属粉及び貴金属粉の混合粉体に上記に示すような
機械的エネルギーを加えることにより製造することがで
きる。貴金属で表面が被覆された非貴金属粉に機械的エ
ネルギーを加えるか、非貴金属粉及び貴金属粉の混合粉
体に機械的エネルギーを加えることにより、貴金属中又
は表面貴金属層と非貴金属層との間に存在したボイド
(空隙)がなくなり、これによって被覆される貴金属層
が緻密化され、その導電性が高められる。また、このと
き、表面貴金属層と非貴金属層との間に貴金属と非貴金
属とが混在する薄い領域が形成され、これにより表面貴
金属層と非貴金属層間の接触抵抗を小さくすることがで
きる。
【0016】本発明になる導電性金属複合粉を用いて導
電性ペーストを作製するために加える結合剤は、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽
和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリアミドイミド樹脂、アクリル樹脂等の有機結合
剤又はガラスフリットなどの無機結合剤が挙げられ、さ
らに必要に応じて硬化促進剤及び溶剤が添加され、硬化
促進剤としては、イミダゾール、アミン類等が挙げら
れ、また溶剤としては、ブチルセロソルブ、テルピネオ
ール、エチレンカルビトール、カルビトールアセテート
等が挙げられる。導電性ペーストは、導電性金属複合粉
に結合剤及び必要に応じて硬化促進剤及び溶剤を加え
て、らいかい機、ロール、ニーダ等で均一に混合して得
られる。結合剤の含有量は、導電性ペーストに対して5
〜30重量%が好ましく、8〜16重量%であることが
さらに好ましい。硬化促進剤及び溶剤は必要に応じて添
加されるが、もし添加する場合その含有量は、硬化促進
剤は導電性ペーストに対して0.01〜1重量%が好ま
しく、0.02〜0.05重量%であることがさらに好
ましい。また溶剤は導電性ペーストに対して3〜50重
量%が好ましく、10〜30重量%であることがさらに
好ましい。
【0017】本発明になる導電性金属複合粉を用いた導
電性ペーストは、絶縁基材として用いられる各種基板、
各種フィルム等に塗布、印刷、ポッティングして配線導
体を形成する材料として最適であり、その他スルーホー
ル導通用、電極形成用、ジャンパ線用、EMIシールド
用等の形成に用いることができる。また抵抗素子、チッ
プ抵抗、チップコンデンサ等の電子部品と絶縁基材を接
続する導電性接着剤、鉛レスはんだ代替材としても使用
できる。
【0018】上記に示す各種基板としては、紙フェノー
ル基板、ガラスエポキシ基板、ホウロウ基板、セラミッ
ク基板等が挙げられ、また各種フィルムとしては、ポリ
エチレン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ポリスチレ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスル
フィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポ
リイミド等フレキシブルな樹脂製のフィルムが挙げられ
る。なお絶縁基材は、表面やスルホールに、予め、めっ
き、印刷、蒸着、エッチング等の方法で導体や抵抗の一
部を形成したものを用いてもよい。
【0019】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。 実施例1 平均粒径が5μmの球形銅粉(日本アトマイズ加工
(株)製、商品名SF−Cu)を酸性クリーナ(日本マ
クダーミッド(株)製、商品名L−5B)で脱指、水洗
し、水1リットルあたりAgCNを20g及びNaCN
を10g含むめっき浴で球形銅粉に対して銀の量が20
重量%になるように置換めっきを行い、水洗、乾燥して
銀めっき銅粉を得た。
【0020】次に、この銀めっき銅粉をMA(メカニカ
ルアロイング)装置に投入して以下の条件で変形処理し
た。本装置はスクリューの回転でボールを運動させる方
式であり、ボール及び被処理粉体を投入する容器の有効
容積は1.1リットルである。本装置に4kgのジルコ
ニアボール(直径10mm)と200gの銀めっき銅粉
を投入し、スクリューの回転数90rpm及び容器内圧力
2×10-5torrの条件で2時間回転して導電性金属複合
粉(偏平状銀めっき銅粉)を得た。
【0021】次いで走査型電子顕微鏡を用いて上記で得
た導電性金属複合粉のSEM写真をとり、該導電性金属
複合粉の粒子を30個選び、長径/厚さを測定したとこ
ろ2〜15の範囲で平均が6であった。なお長径は、2
〜30μmの範囲で平均が15μmであった。また無作
為に導電性金属複合粉の粒子を5個取り出し、走査型オ
ージェ電子分光分析装置で貴金属及び非貴金属を定量分
析して銀被覆面積について調べたところ、全表面積に対
して45〜85%の範囲で平均が70%であった。さら
に無作為に導電性金属複合粉の粒子を5個取り出し、イ
オンスパッタリングで表面を削っていくと同時に元素定
量分析する走査型オージェ電子分光分析装置で1個の粒
子につき3点測定したところ、銀層の厚さは0.02〜
0.15μmの範囲で平均が0.045μm及び貴金属
(銀)の割合が80〜20原子数%である貴金属と非貴
金属(銅)とが混在する層の厚さは0.001〜0.0
5μmの範囲で平均が0.01μmであり、表面貴金属
層の厚さの1/20〜1/2の範囲で平均が1/4.5
であった。以下の実施例及び比較例においても上記と同
様の方法で測定した。
【0022】上記の導電性金属複合粉100重量部に対
し、ノボラツク型フェノール樹脂(群栄化学工業(株)
製、商品名PS−2607)15重量部及び溶剤として
ブチルセロソルブ15重量部を加えて均一に混合して導
電性ペーストを得た。
【0023】次いで導電性ペーストを厚さが1.6mmの
紙フェノール銅張積層板(日立化成工業(株)製、商品
名MCL−437F)の銅箔を除去した積層板の上面に
200メッシュのスクリーンを通して幅0.4mm及び長
さ100mmのテストパターンを印刷し、大気中で150
℃で30分の条件で加熱処理して配線導体を得た。得ら
れた配線導体における導電性ペースト硬化物の比抵抗は
平均75μΩCmであり、後述する銀ペーストと比べて遜
色のない導電性を示した。
【0024】一方上記とは別に導電性ペーストをガラス
板上に幅2mmの電極を互いに2mm間隔となるように上記
と同様の方法で印刷し、大気中で150℃で30分の条
件で加熱処理して硬化させて電極を得た。次いで電極間
に幅2mmに切断したろ紙を配置し、イオン交換水0.5
ccをろ紙上に滴下して電極間に20Vの直流電圧を印加
し、経過時間と電極間漏洩電流を測定することによって
耐マイグレーション性を評価した。その結果、200μ
Aの漏洩電流が流れるまでに要した時間は平均80分で
あり、耐マイグレーション性に優れていた。上記におけ
る比抵抗の測定及び耐マイグレーション性の評価につい
ては5個の試料の平均値を求めた。以下の実施例及び比
較例についても同じである。
【0025】比較例1 実施例1で得た球形銀めっき銅粉を用い、偏平状への変
形を省略した以外は実施例1と同様の工程を経て導電性
ペーストを得た。球形銀めっき銅粉の長径/厚さは1、
銀被覆面積は全表面積に対して全て95%以上、銀層の
厚さは0.1〜0.15μmの範囲で平均が0.12μ
m及び貴金属(銀)の割合が80〜20原子数%である
貴金属と非貴金属(銅)とが混在する層は明確に検知出
来なかった。以下実施例1と同様の方法で特性を評価し
た。その結果、導電性ペースト硬化物の比抵抗は平均1
200μΩCmと極めて高く、200μAの漏洩電流が流
れるまでに要した時間は平均10分と短く、耐マイグレ
ーション性に劣っていた。
【0026】比較例2 平均粒径が5μmの球形銅粉(日本アトマイズ加工
(株)製、商品名SF−Cu)をあらかじめ長径/厚み
が平均6になるように実施例1と同様の方法で変形し、
しかる後実施例1と同様のめっき法で20重量%の銀を
被覆した。この銀めっき銅粉の銀被覆面積は全表面積に
対して全て85%以上、銀層の厚さは0.03〜0.2
μmの範囲で平均が0.08μm、貴金属(銀)の割合
が80〜20原子数%である貴金属と非貴金属(銅)と
が混在する層は明確に検知出来なかった。以下実施例1
と同様の工程を経て導電性ペーストを作製して特性を評
価した。その結果、導電性ペースト硬化物の比抵抗は平
均800μΩCmと高く、200μAの漏洩電流が流れる
までに要した時間は平均10分と短く、耐マイグレーシ
ョン性に劣っていた。
【0027】比較例3 実施例1で用いた導電性金属複合粉に代えて長径/厚さ
が平均30の銀粉(徳力化学研究所製、商品名TCG−
1)を用いた以外は実施例1と同様の工程を経て導電性
ペーストを作製して特性を評価した。その結果、導電性
ペースト硬化物の比抵抗は平均80μΩCmであったが、
200μAの漏洩電流が流れるまでに要した時間は平均
30秒と極めて短く、耐マイグレーションに劣ってい
た。
【0028】比較例4 市販のEMIシールド用銅ペーストを用いて実施例1と
同様の特性を評価した。その結果、導電性ペースト硬化
物の比抵抗は平均500μΩCmと高く、200μAの漏
洩電流が流れるまでに要した時間は平均45分であっ
た。
【0029】実施例2 平均粒径が6μmの球形銅粉(日本アトマイズ加工
(株)製、商品名SF−Cu)に実施例1と同様のめっ
き法で30重量%の銀を被覆して銀めっき銅粉を得、そ
の後のMA装置での処理時間を1時間とした以外は実施
例1と同様の工程を経て導電性金属複合粉を得た。得ら
れた導電性金属複合粉の粒子の長径は3〜15μmの範
囲で平均が7μmであり、また長径/厚さは2〜9の範
囲で平均が2.5、銀被覆面積は全表面積に対して75
〜100%の範囲で平均が95%、銀層の厚さは0.0
5〜0.2μmの範囲で平均が0.1μm及び貴金属
(銀)の割合が80〜20原子数%である貴金属と非貴
金属(銅)とが混在する層の厚さは0.001〜0.0
1μmの範囲で平均が0.006μmであり、表面貴金
属層の厚さの1/50〜1/8の範囲で平均が1/1
6.7であった。以下実施例1と同様の工程を経て導電
性ペーストを作製して特性を評価した。その結果、導電
性ペースト硬化物の比抵抗は平均80μΩCm及び200
μAの漏洩電流が流れるまでに要した時間は平均40分
であった。
【0030】実施例3 平均粒径が6μmの球形銅粉(日本アトマイズ加工
(株)製、商品名SF−Cu)に実施例1と同様のめっ
き法で10重量%の銀を被覆した以外は実施例1と同様
の工程を経て導電性金属複合粉を得た。得られた導電性
金属複合粉の粒子の長径は2〜30μmの範囲で平均が
15μmであり、また長径/厚さは2〜15の範囲で平
均が6、銀被覆面積は全表面積に対して30〜70%の
範囲で平均が51%、銀層の厚さは0.01〜0.03
μmの範囲で平均が0.02μm及び貴金属(銀)の割
合が80〜20原子数%である貴金属と非貴金属(銅)
とが混在する層の厚さは0.001〜0.02μmの範
囲で平均が0.01μmであり、表面貴金属層の厚さの
1/10〜2/3の範囲で平均が1/2であった。以下
実施例1と同様の工程を経て導電性ペーストを作製して
特性を評価した。その結果、導電性ペースト硬化物の比
抵抗は平均135μΩCm及び200μAの漏洩電流が流
れるまでに要した時間は平均60分であった。
【0031】実施例4 平均粒径が6μmの球形銅粉(日本アトマイズ加工
(株)製、商品名SF−Cu)に実施例1と同様のめっ
き法で2重量%の銀を被覆して銀めっき銅粉を得、その
後のMA装置での処理時間を1時間とした以外は実施例
1と同様の工程を経て導電性金属複合粉を得た。得られ
た導電性金属複合粉の粒子の長径は2〜20μmの範囲
で平均が9μmであり、また長径/厚さは2〜13の範
囲で平均が4、銀被覆面積は全表面積に対して17〜7
0%の範囲で平均が55%、銀層の厚さは0.0001
〜0.02μmの範囲で平均が0.01μm及び貴金属
(銀)の割合が80〜20原子数%である貴金属と非貴
金属(銅)とが混在する層の厚さは0.0001〜0.
003μmの範囲で平均が0.002μmであり、表面
貴金属層の厚さの1/15〜1の範囲で平均が1/5で
あった。以下実施例1と同様の工程を経て導電性ペース
トを作製して特性を評価した。その結果、導電性ペース
ト硬化物の比抵抗は平均110μΩcm及び200μAの
漏洩電流が流れるまでに要した時間は平均100分であ
った。
【0032】比較例5 平均粒径が6μmの球形銅粉(日本アトマイズ加工
(株)製、商品名SF−Cu)に実施例1と同様のめっ
き法で1.5重量%の銀を被覆した以外は実施例1と同
様の工程を経て導電性金属複合粉を得た。得られた導電
性金属複合粉の粒子の長径は2〜30μmの範囲で平均
が15μmであり、また長径/厚さは4〜18の範囲で
平均が6、銀被覆面積は全表面積に対して5〜35%の
範囲で平均が20%、銀層の厚さは0.00005〜
0.005μmの範囲で平均が0.003μm及び貴金
属(銀)の割合が80〜20原子数%である貴金属と非
貴金属(銅)とが混在する層の厚さは0.00005〜
0.005μmの範囲で平均が0.003μmであり、
表面貴金属層の厚さの1/2〜1の範囲で平均が4/5
であった。以下実施例1と同様の工程を経て導電性ペー
ストを作製して特性を評価した。その結果、導電性ペー
スト硬化物の比抵抗は平均450μΩcmと高く、200
μAの漏洩電流が流れるまでに要した時間は平均90分
であった。
【0033】比較例6 平均粒径が6μmの球形銅粉(日本アトマイズ加工
(株)製、商品名SF−Cu)に実施例1と同様のめっ
き法で35重量%の銀を被覆した以外は実施例1と同様
の工程を経て導電性金属複合粉を得た。得られた導電性
金属複合粉の粒子の長径は2〜25μmの範囲で平均が
10μmであり、また長径/厚さは3〜20の範囲で平
均が5、銀被覆面積は全表面積に対して65〜95%の
範囲で平均が80%、銀層の厚さは0.03〜0.2μ
mの範囲で平均が0.06μm及び貴金属(銀)の割合
が80〜20原子数%である貴金属と非貴金属(銅)と
が混在する層の厚さは0.0001〜0.003μmの
範囲で平均が0.001μmであり、表面貴金属層の厚
さの1/500〜1/50の範囲で平均が1/60であ
った。以下実施例1と同様の工程を経て導電性ペースト
を作製して特性を評価した。その結果、導電性ペースト
硬化物の比抵抗は平均130μΩcm及び200μAの漏
洩電流が流れるまでに要した時間は平均10分と短く耐
マイグレーション性に劣っていた。
【0034】実施例5 実施例2で得た銀めっき銅粉(銀被覆量30重量%)を
2本のロール間で圧縮して粒子の長径が5〜55μmの
範囲で平均が30μmであり、また長径/厚さが15〜
50の範囲で平均が27の導電性金属複合粉を得た。得
られた導電性金属複合粉の銀被覆面積は全表面積に対し
て35〜80%の範囲で平均が50%、銀層の厚さは
0.002〜0.02μmの範囲で平均が0.0125
μm及び貴金属(銀)の割合が80〜20原子数%であ
る貴金属と非貴金属(銅)とが混在する層の厚さは0.
0001〜0.0005μmの範囲で平均が0.000
25μmであり、表面貴金属層の厚さの1/20〜1/
100の範囲で平均が1/50であった。以下実施例1
と同様の工程を経て導電性ペーストを作製して特性を評
価した。その結果、導電性ペースト硬化物の比抵抗は平
均115μΩcm及び200μAの漏洩電流が流れるまで
に要した時間は平均50分であった。
【0035】実施例6 平均粒径が5μmの球形銅粉(日本アトマイズ加工
(株)製、商品名SF−Cu)を蒸着装置内の皿状容器
に保持し、皿状容器を回転させながら銀の量が20重量
%になるように銀の蒸着を行い銀蒸着銅粉を得た。次に
この銀蒸着銅粉を実施例1と同様の工程を経て導電性金
属複合粉を得た。得られた導電性金属複合粉の粒子の長
径は3〜15μmの範囲で平均が7μmであり、また長
径/厚さは2〜15の範囲で平均が6、銀被覆面積は全
表面積に対して75〜100%の範囲で平均が90%、
銀層の厚さは0.02〜0.18μmの範囲で平均が
0.04μm及び貴金属(銀)の割合が80〜20原子
数%である貴金属と非貴金属(銅)とが混在する層の厚
さは0.001〜0.05μmの範囲で平均が0.01
5μmであり、表面貴金属層の厚さの1/20〜4/5
の範囲で平均が1/2.7であった。以下実施例1と同
様の工程を経て導電性ペーストを作製して特性を評価し
た。その結果、導電性ペースト硬化物の比抵抗は平均5
5μΩcm及び200μAの漏洩電流が流れるまでに要し
た時間は平均90分であった。
【0036】実施例7 ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(油化シェル
(株)製、商品名エピコート828)100重量部及び
ノボラック型フェノールホルムアルデヒド樹脂(日立化
成工業(株)製、商品名HP−607N)55.8重量
部を110℃で加熱混合して無溶剤の混合樹脂を得た。
次に実施例1で得た導電性金属複合粉100重量部に対
し、上記で得た無溶剤の混合樹脂8重量部及び硬化促進
剤としてベンジルジメチルアミン0.04重量部を加え
て均一に混合して導電性ペーストを得た。以下実施例1
と同様の方法で特性を評価した。その結果、導電性ペー
スト硬化物の比抵抗は平均85μΩcm及び200μAの
漏洩電流が流れるまでに要した時間は平均80分であっ
た。
【0037】実施例8 平均粒径が6μmの球形銅粉(日本アトマイズ加工
(株)製、商品名SF−Cu)80重量部(160g)
及び平均粒径が1μmの微細球形銀粉(日本アトマイズ
加工(株)製、微粉)20重量部(40g)をMA装置
に投入し、以下実施例1と同様の工程を経て銀被覆量が
20重量%の導電性金属複合粉を得た。得られた導電性
金属複合粉の粒子の長径は2〜30μmの範囲で平均が
15μmであり、また長径/厚さは2〜15の範囲で平
均が6、銀被覆面積は全表面積に対して40〜65%の
範囲で平均が55%、銀層の厚さは0.005〜0.1
μmの範囲で平均が0.03μm及び貴金属(銀)の割
合が80〜20原子数%である貴金属と非貴金属(銅)
とが混在する層の厚さは0.003〜0.05μmの範
囲で平均が0.01μmであり、表面貴金属層の厚さの
1/10〜1/2の範囲で平均が1/5であった。以下
実施例1と同様の工程を経て導電性ペーストを作製して
特性を評価した。その結果、導電性ペースト硬化物の比
抵抗は平均140μΩcm及び200μAの漏洩電流が流
れるまでに要した時間は平均40分であった。
【0038】実施例9 平均粒径が2.0μmの微細球形銅粉(日本アトマイズ
加工(株)製、試作品)80重量部(160g)及び実
施例8で用いた微細球形銀粉20重量部(40g)を配
合し、以下直径が5mmのジルコニアボールを用いた以外
は実施例1と同様の工程を経て銀被覆量が20重量%の
導電性金属複合粉を得た。得られた導電性金属複合粉の
粒子の長径は5〜20μmの範囲で平均が10μmであ
り、また長径/厚さは2〜20の範囲で平均が5、銀被
覆面積は全表面積に対して40〜60%の範囲で平均が
52%、銀層の厚さは0.005〜0.07μmの範囲
で平均が0.03μm及び貴金属(銀)の割合が80〜
20原子数%である貴金属と非貴金属(銅)とが混在す
る層の厚さは0.01〜0.05μmの範囲で平均が
0.015μmであり、表面貴金属層の厚さの1/7〜
2/3の範囲で平均が1/2であった。以下実施例1と
同様の工程を経て導電性ペーストを作製して特性を評価
した。その結果、導電性ペースト硬化物の比抵抗は平均
130μΩcm及び200μAの漏洩電流が流れるまでに
要した時間は平均30分であった。
【0039】実施例10 実施例8で得た導電性金属複合粉50重量%及び比較例
3で用いた銀粉50重量%をV型混合機で均一に混合し
た混合粉体100重量部に対し、ノボラック型フェノー
ル樹脂(群栄化学工業(株)製、商品名PS−260
7)12重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油
化シェルエポキシ(株)製、商品名エピコート828)
2重量部及び溶剤としてブチルセロソルブ15重量部を
加えて均一に混合して導電性ペーストを作製して特性を
評価した。その結果、導電性ペースト硬化物の比抵抗は
平均70μΩcm及び200μAの漏洩電流が流れるまで
に要した時間は平均15分であった。
【0040】実施例11 平均粒径が6μmの球形銅粉(日本アトマイズ加工
(株)製、商品名SF−Cu)50重量部(100g)
及び実施例8で用いた微細球形銀粉50重量部(100
g)を配合した以外は、実施例1と同様の工程を経て銀
被覆量が30重量%の導電性金属複合粉を得た。得られ
た導電性金属複合粉の粒子の長径は2〜30μmの範囲
で平均が15μmであり、また長径/厚さは2〜15の
範囲で平均が6、銀被覆面積は全表面積に対して45〜
75%の範囲で平均が65%、銀層の厚さは0.01〜
0.2μmの範囲で平均が0.05μm及び貴金属
(銀)の割合が80〜20原子数%である貴金属と非貴
金属(銅)とが混在する層の厚さは0.01〜0.06
μmの範囲で平均が0.02μmであり、表面貴金属層
の厚さの1/5〜1/2の範囲で平均が1/3であっ
た。以下実施例1と同様の工程を経て導電性ペーストを
作製して特性を評価した。その結果、導電性ペースト硬
化物の比抵抗は平均60μΩcm及び200μAの漏洩電
流が流れるまでに要した時間は平均10分であった。
【0041】実施例12 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ
(株)製、商品名エピコート834)60重量部及びビ
スフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ
(株)製、商品名エピコート828)40重量部を予め
加温溶解させ、次いで室温(20℃)に冷却した後、2
エチル4メチルイミダゾール5重量部、エチルカルビト
ール20重量部及びブチルセロソルブ20重量部を加え
て均一に混合して樹脂組成物とした。
【0042】平均粒径が7.2μmの球形銅粉(日本ア
トマイズ加工(株)製、商品名SF−Cu)を希塩酸中
に浸漬し、純水で洗浄した後、AgCN80g/水1kg
の混合液中で25±5℃で20分間撹拌しながら銀を置
換めっきし、水洗、乾燥して銀めっき銅粉を得た。
【0043】次いで2リットルボールミル容器内に上記
で得た銀めっき銅粉400gと直径が5mmのジルコニア
ボール3kgを投入し、毎分60回転の条件で30分間回
転させて該銀めっき銅粉を変形処理して導電性金属複合
粉を得た。得られた導電性金属複合粉の粒子の長径は2
〜24μmの範囲で平均が11.5μmであり、また長
径/厚さは3〜14の範囲で平均が9、銀被覆面積は全
表面積に対して60〜85%の範囲で平均が75%であ
った。この後上記で得た樹脂組成物145gに上記で得
た導電性金属複合粉215gを加えてらいかい機及び三
本ロールで均一に混合分散して導電性ペーストを得た。
なお導電性金属複合粉の含有量は、導電性ペーストの固
形分に対して60重量%であった。
【0044】次に上記で得た導電性ペーストで、厚さが
1.6mmで直径が0.8mmのスルーホールを形成した紙
フェノール銅張積層板(日立化成工業(株)製、商品名
MCL−437F)に図1に示すテストパターンを印刷
すると共に、これをスルーホール1に充填したものを大
気中で60℃、30分間さらに160℃、30分間の条
件で加熱処理して配線導体3を得た。なお図1において
2は紙フェノール銅張積層板である。
【0045】得られた配線導体の抵抗を測定した結果、
銅箔の抵抗を除いたスルーホール1の抵抗は54穴の平
均で22mΩ/穴であり、平面に印刷して測定した比抵
抗は95μΩcmであった。また、隣り合うスルーホール
1間の絶縁抵抗は108Ω以上であった。該配線導体の
冷熱衝撃試験を実施した結果、スルーホール1の抵抗は
平均で26.2mΩ/穴であった。また該配線導体の湿
中負荷試験を実施した結果、スルーホール1間の絶縁抵
抗は108Ω以上であった。なお、冷熱衝撃試験は12
5℃、30分〜−65℃、30分を100サイクル行
い、湿中負荷試験は40℃、90%RH中、隣り合うラ
イン間に50Vの電圧を印加して2000時間保持し
た。さらに耐はんだ試験(260℃、10秒、5回)を
行ったが、抵抗変化率は30%以内であった。
【0046】実施例13 実施例12で得た銀めっき銅粉250gと直径が5mmの
ジルコニアボール5kgを円筒状の2リットル容器内に投
入し、振動ミルで10分間振動させ、該銀めっき銅粉を
変形処理して導電性金属複合粉を得た。得られた導電性
金属複合粉の粒子の長径は3〜25μmの範囲で平均が
11.5μmであり、また長径/厚さは2〜12の範囲
で平均が7、銀被覆面積は全表面積に対して60〜85
%の範囲で平均が70%であった。この後実施例12で
得た樹脂組成物145gに上記で得た導電性金属複合粉
240gを加え、以下実施例12と同様の工程を経て導
電性ペーストを得た。なお導電性金属複合粉の含有量
は、導電性ペーストの固形分に対して63重量%であっ
た。
【0047】以下実施例12と同様の工程を経て配線導
体を作製して特性を評価した。その結果、スルーホール
の抵抗は54穴の平均で21.5mΩ/穴であり、平面
に印刷して測定した比抵抗は102μΩcmであった。ま
た、隣り合うスルーホール間の絶縁抵抗は108Ω以上
であった。該配線導体の冷熱衝撃試験を実施した結果、
スルーホールの抵抗は平均で24.5mΩ/穴であり、
湿中負荷試験の結果では、スルーホール間の絶縁抵抗は
108Ω以上であった。さらに実施例12と同様の耐は
んだ試験を行ったが、抵抗変化率は30%以内であっ
た。
【0048】比較例7 実施例12で得た樹脂組成物145gに実施例12で得
た銀めっき銅粉195gを加え、以下実施例12と同様
の工程を経て導電性ペーストを得た。なお銀被覆面積は
全表面積に対して93〜99%の範囲で平均が97%で
あった。また導電性金属複合粉の含有量は、導電性ペー
ストの固形分に対して57重量%であった。以下実施例
12と同様の工程を経て配線導体を作製して特性を評価
した。その結果、スルーホールの抵抗は54穴の平均で
228mΩ/穴であり、平面に印刷して測定した比抵抗
は350μΩcmであり、隣り合うスルーホール間の絶縁
抵抗は108Ω以上であった。また該配線導体の冷熱衝
撃試験を実施した結果、スルーホールの抵抗は平均で2
51mΩ/穴であり、湿中負荷試験の結果では、スルー
ホール間の絶縁抵抗は108Ω以上であった。さらに実
施例12と同様の耐はんだ試験を行ったところ、抵抗変
化率は200%であった。
【0049】実施例14 実施例12で得た樹脂組成物145gに実施例12で得
た導電性金属複合粉195gを加えてらいかい機及び三
本ロールで均一に混合分散して導電性ペーストを得た。
なお導電性金属複合粉の含有量は、導電性ペーストの固
形分に対して66.1重量%であった。次に上記で得た
導電性ペーストで、厚さが1.6mmの紙フェノール銅張
積層板(日立化成工業(株)製、商品名MCL−437
F)に図2に示すテストパターンを印刷し、これを大気
中で60℃、30分間さらに160℃、30分間の条件
で加熱処理して配線導体3を形成した電磁波シールド材
を得た。得られた電磁波シールド材の抵抗を測定した。
その結果、比抵抗は35μΩcmであり、シート抵抗は1
3mΩ/□であった。また、冷熱試験を125℃、30
分〜−65℃、30分を100サイクルの条件で行うと
共に耐はんだ試験(260℃、10秒、5回)を行った
が、ともに抵抗変化率は10%以内であった。また、6
0℃、95%相対湿度で1000時間保持した場合の抵
抗変化率も10%以内であった。
【0050】
【発明の効果】請求項1記載の導電性金属複合粉は、高
導電性で、耐マイグレーション性に優れる。請求項2記
載の導電性金属複合粉は、請求項1記載の導電性金属複
合粉の効果を奏し、特に導電性に優れる。請求項3記載
の導電性金属複合粉は、請求項1記載の導電性金属複合
粉の効果を奏し、特に耐マイグレーション性に優れる。
請求項4記載の導電性金属複合粉は、請求項1記載の導
電性金属複合粉の効果を奏し、特に導電性と耐マイグレ
ーション性に優れる。請求項5記載の導電性金属複合粉
は、請求項1記載の導電性金属複合粉の効果を奏し、特
に導電性に優れる。請求項6記載の方法により得られる
導電性金属複合粉は、安価で、かつ高導電性で、耐マイ
グレーション性に優れる。請求項7記載の方法により得
られる導電性金属複合粉は、安価で、かつ高導電性で、
耐マイグレーション性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】紙フェノール銅張積層板に導電性ペーストを印
刷すると共にスルーホールに充填した状態を示す平面図
である。
【図2】紙フェノール銅張積層板に導電性ペーストを印
刷した電磁波シールド材の平面図である。
【符号の説明】
1 スルーホール 2 紙フェノール銅張積層板 3 配線導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 顕浩 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 加賀 壽 北海道函館市亀田中野町20番地−26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏平状非貴金属粉の全表面積の50%以
    上が、該偏平状非貴金属粉に対して2〜30重量%の貴
    金属で被覆され、かつ表面貴金属層と非貴金属層との間
    に貴金属と非貴金属とが混在する層を介在してなる導電
    性金属複合粉。
  2. 【請求項2】 貴金属と非貴金属とが混在する層が、表
    面貴金属層の厚さの1/2〜1/50である請求項1記
    載の導電性金属複合粉。
  3. 【請求項3】 貴金属と非貴金属とが混在する層が、貴
    金属が80〜20原子数%に対し非貴金属が20〜80
    原子数%である請求項1又は2記載の導電性金属複合
    粉。
  4. 【請求項4】 表面貴金属層の厚さが、0.01〜0.
    2μmである請求項1、2又は3記載の導電性金属複合
    粉。
  5. 【請求項5】 導電性金属複合粉の長径/厚さが、2〜
    30である請求項1、2、3又は4記載の導電性金属複
    合粉。
  6. 【請求項6】 非貴金属粉の表面に、該非貴金属粉に対
    して2〜30重量%の貴金属を被覆した後、機械的エネ
    ルギーを加えることにより、偏平状の変形及び表面貴金
    属層と非貴金属層との間に、貴金属と非貴金属とが混在
    する層の形成を行うことを特徴とする導電性金属複合粉
    の製造法。
  7. 【請求項7】 非貴金属粉及び貴金属粉の混合粉体に機
    械的エネルギーを加えることにより、該混合粉体を偏平
    状に変形しながら該非貴金属粉の表面に、該非貴金属粉
    に対して2〜30重量%の貴金属を被覆し、かつ表面貴
    金属層と非貴金属層との間に、貴金属と非貴金属とが混
    在する層の形成を行うことを特徴とする導電性金属複合
    粉の製造法。
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