JPH0833502B2 - 光ファイバ担持用スペーサ - Google Patents
光ファイバ担持用スペーサInfo
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- JPH0833502B2 JPH0833502B2 JP63198780A JP19878088A JPH0833502B2 JP H0833502 B2 JPH0833502 B2 JP H0833502B2 JP 63198780 A JP63198780 A JP 63198780A JP 19878088 A JP19878088 A JP 19878088A JP H0833502 B2 JPH0833502 B2 JP H0833502B2
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Description
【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は、中央に抗張力線を配し、熱可塑性樹脂によ
って外周に複数の光ファイバ収納用の溝を設け、且つこ
の溝を交互に反転する螺旋状に形成した光ファイバ担持
用スペーサに関する。
って外周に複数の光ファイバ収納用の溝を設け、且つこ
の溝を交互に反転する螺旋状に形成した光ファイバ担持
用スペーサに関する。
《従来技術とその問題点》 光ファイバは圧壊などを防止するため、外周に複数の
溝を有するスペーサに収納して、ケーブル化されてい
る。
溝を有するスペーサに収納して、ケーブル化されてい
る。
従来において、この種のスペーサとしては、外周に一
方向の螺旋状溝を有するものが多用されている。
方向の螺旋状溝を有するものが多用されている。
しかし、一方向螺旋状溝のスペーサを使用して光ファ
イバケーブルを製造する場合、螺旋状溝に光ファイバを
挿入するために、大がかりな回転装置を必要とし、又生
産速度も余り上げることができないなどの問題があっ
た。
イバケーブルを製造する場合、螺旋状溝に光ファイバを
挿入するために、大がかりな回転装置を必要とし、又生
産速度も余り上げることができないなどの問題があっ
た。
これらの問題点が解決できるスペーサとして、螺旋状
溝の方向が一回転以下で交互に反転する交互反転溝を有
するスペーサが提案されている。
溝の方向が一回転以下で交互に反転する交互反転溝を有
するスペーサが提案されている。
このスペーサを使用すれば、前述のように光ファイバ
を挿入するための装置を要せず、かつ挿入速度も向上で
きるので設備費と生産コストの低減を企ることができる
とともに、このスペーサを使用した光ファイバケーブル
は、敷設時あるいは敷設後にケーブルの途中より比較的
簡単に光ファイバを分岐して取出すことができる利点を
有している。
を挿入するための装置を要せず、かつ挿入速度も向上で
きるので設備費と生産コストの低減を企ることができる
とともに、このスペーサを使用した光ファイバケーブル
は、敷設時あるいは敷設後にケーブルの途中より比較的
簡単に光ファイバを分岐して取出すことができる利点を
有している。
第4図はこの種のスペーサの代表的なものの断面を示
しており、スペーサは中央に配置された抗張力線aとそ
の外周に設けられた本体被覆層bとを備え、本体被覆層
bの外周には、略U字形の螺旋状溝cとリブ部dとが交
互に設けられており、螺旋状溝cは長手方向に沿って延
び、且つ、所定の回転角度で交互に反転するように形成
されている。
しており、スペーサは中央に配置された抗張力線aとそ
の外周に設けられた本体被覆層bとを備え、本体被覆層
bの外周には、略U字形の螺旋状溝cとリブ部dとが交
互に設けられており、螺旋状溝cは長手方向に沿って延
び、且つ、所定の回転角度で交互に反転するように形成
されている。
この種のスペーサの製造方法としては、抗張力線aの
外周に、溶融状の熱可塑性樹脂を得ようとするスペーサ
の断面形状に対応したダイから押出して被覆するに際
し、ダイ自信を回転するか、抗張力線a又は製品を交互
に回転する方法が公知である。
外周に、溶融状の熱可塑性樹脂を得ようとするスペーサ
の断面形状に対応したダイから押出して被覆するに際
し、ダイ自信を回転するか、抗張力線a又は製品を交互
に回転する方法が公知である。
しかし、従来公知のこれらの方法で、スペーサを製造
したのでは、スペーサの螺旋方向が反転する部分におい
て溶融状樹脂の粘弾性や冷却固化時のひずみ等によって
螺旋状溝cを画成するリブ部dが傾斜して、例えば、第
5図に示すような形状となって、溝cに光ファイバ心線
あるいはテープを確実に収容することが困難であった。
したのでは、スペーサの螺旋方向が反転する部分におい
て溶融状樹脂の粘弾性や冷却固化時のひずみ等によって
螺旋状溝cを画成するリブ部dが傾斜して、例えば、第
5図に示すような形状となって、溝cに光ファイバ心線
あるいはテープを確実に収容することが困難であった。
このようなリブ部dの傾斜による形状不良は、特にU
字状溝の場合、あるいは螺旋方向の反転ピッチが300mm
以下の場合に、反転部分で顕著であった。
字状溝の場合、あるいは螺旋方向の反転ピッチが300mm
以下の場合に、反転部分で顕著であった。
そこで、本発明者らは光ファイバ担持用スペーサの構
成を鋭意検討して本発明を完成したものであって、螺旋
状溝のリブ部の傾斜が少ない光ファイバ担持用スペーサ
を提供することを目的とする。
成を鋭意検討して本発明を完成したものであって、螺旋
状溝のリブ部の傾斜が少ない光ファイバ担持用スペーサ
を提供することを目的とする。
《課題を解決するための手段》 上記目的を達成するため、本発明は、抗張力線と、こ
の抗張力線の外周を被覆する熱可塑性樹脂からなる予備
被覆層と、この予備被覆層の外周を被覆する原料のメル
トインデックス値が0.15g/10min以下の高密度ポリエチ
レン樹脂によって所定回転角度毎に交互に反転する螺旋
状溝を形成するように被覆した本体被覆層とを有する光
ファイバ担持用スペーサであって、前記予備被覆層の少
なくとも外周を軟化点が100℃以下のポリオレフィン系
樹脂で形成するとともに、この予備被覆層の外径d1と、
前記螺旋状溝の溝底部の見なし外径d2とが 0.85<d1/d2<1 の関係を満足してなることを特徴とする。
の抗張力線の外周を被覆する熱可塑性樹脂からなる予備
被覆層と、この予備被覆層の外周を被覆する原料のメル
トインデックス値が0.15g/10min以下の高密度ポリエチ
レン樹脂によって所定回転角度毎に交互に反転する螺旋
状溝を形成するように被覆した本体被覆層とを有する光
ファイバ担持用スペーサであって、前記予備被覆層の少
なくとも外周を軟化点が100℃以下のポリオレフィン系
樹脂で形成するとともに、この予備被覆層の外径d1と、
前記螺旋状溝の溝底部の見なし外径d2とが 0.85<d1/d2<1 の関係を満足してなることを特徴とする。
本発明に使用できる抗張力線は、鋼線などの金属線や
繊維強化プラスチック線条物の単線あるいは撚線などの
抗張力を有する線条材であって、スペーサの設計仕様に
よって要求される種々の外径のものが適宜選択される。
繊維強化プラスチック線条物の単線あるいは撚線などの
抗張力を有する線条材であって、スペーサの設計仕様に
よって要求される種々の外径のものが適宜選択される。
予備被覆層に使用する熱可塑性樹脂は、本体被覆層を
押出し被覆する際に、本体被覆層内周との接着が可能な
ものである必要があることから、ポリオレフィン系樹脂
であって、融点が本体被覆用の高密度ポリエチレンより
も低く、かつ軟化点も100℃以下であるものが望まし
く、無水マレイン酸等で変性されたエチレン系の接着性
樹脂,エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA),エチレ
ンエチルアクリレート共重合体(EEA)等の単独樹脂あ
るいはこれらとポリエチレン系樹脂を適宜混合して軟化
点を100℃以下としたものなどから、抗張力線あるいは
本体被覆層との接着強度等を勘案して選択される。
押出し被覆する際に、本体被覆層内周との接着が可能な
ものである必要があることから、ポリオレフィン系樹脂
であって、融点が本体被覆用の高密度ポリエチレンより
も低く、かつ軟化点も100℃以下であるものが望まし
く、無水マレイン酸等で変性されたエチレン系の接着性
樹脂,エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA),エチレ
ンエチルアクリレート共重合体(EEA)等の単独樹脂あ
るいはこれらとポリエチレン系樹脂を適宜混合して軟化
点を100℃以下としたものなどから、抗張力線あるいは
本体被覆層との接着強度等を勘案して選択される。
また、予備被覆層は、抗張力線とも接着することが望
ましく、これらの間の接着力を強化したい場合には、例
えば、抗張力線の外周に別の層を介在させて少なくとも
最外周のみを上記の樹脂で形成してもよい。
ましく、これらの間の接着力を強化したい場合には、例
えば、抗張力線の外周に別の層を介在させて少なくとも
最外周のみを上記の樹脂で形成してもよい。
本体被覆層用の高密度ポリエチレン樹脂は、密度が0.
94g/cm3以上であって、JIS K-6760に準拠した測定にお
いて、メルトインデックス(以下MIと略す)値が0.15g/
10分以下にする必要がある。MIが0.15を超えるもので
は、スペーサのリブ部の傾斜角度が増大する。
94g/cm3以上であって、JIS K-6760に準拠した測定にお
いて、メルトインデックス(以下MIと略す)値が0.15g/
10分以下にする必要がある。MIが0.15を超えるもので
は、スペーサのリブ部の傾斜角度が増大する。
また、本発明においては予備被覆層の外径d1と、本体
被覆層に形成された螺旋状溝の溝底部のみなし外径d2と
が0.85<d1/d2<1の関係を満足することを要し、d1/d2
が0.85未満では良形状のものが得られない。
被覆層に形成された螺旋状溝の溝底部のみなし外径d2と
が0.85<d1/d2<1の関係を満足することを要し、d1/d2
が0.85未満では良形状のものが得られない。
なお、本発明において溝底部のみなし外径d2は、複数
の溝部の底部間の内接円であって、深さの異なる複数の
螺旋状溝を有する場合には、第7図に示すように溝深さ
が最大の溝部分の内接円が基準となる。
の溝部の底部間の内接円であって、深さの異なる複数の
螺旋状溝を有する場合には、第7図に示すように溝深さ
が最大の溝部分の内接円が基準となる。
《作用》 上記の如く構成された本発明では、螺旋状溝を形成す
る本体被覆層に原料のMI値が0.15以下のものを使用する
ことによって、溶融押出し過程での樹脂の粘度が高くな
っているので、この樹脂の高粘弾性効果によって、螺旋
状溝を形成する際のダイの交互反転に伴なうリブ部の変
形が少なくなる。
る本体被覆層に原料のMI値が0.15以下のものを使用する
ことによって、溶融押出し過程での樹脂の粘度が高くな
っているので、この樹脂の高粘弾性効果によって、螺旋
状溝を形成する際のダイの交互反転に伴なうリブ部の変
形が少なくなる。
また、予備被覆層の少なくとも外周には、軟化点が10
0℃以下のポリオレフィン系樹脂層を配設しているの
で、この予備被覆層の外周に本体被覆層を設けるに際
し、予備被覆層を50℃程度に予熱すれば、本体被覆層形
成樹脂の溶融粘度を高めるために、例えば190℃程度の
温度でこれを押出成形しても、充分な接着力が得られ
る。
0℃以下のポリオレフィン系樹脂層を配設しているの
で、この予備被覆層の外周に本体被覆層を設けるに際
し、予備被覆層を50℃程度に予熱すれば、本体被覆層形
成樹脂の溶融粘度を高めるために、例えば190℃程度の
温度でこれを押出成形しても、充分な接着力が得られ
る。
このように予備加熱温度が50℃程度でよいということ
は、従来において少なくとも80℃以上に予熱し、かつ本
体被覆層の押出し温度も200℃以上することによって、
予備被覆層外周と本体被覆層とを融着接合していた場合
と比較して、高い溶融粘度での被覆成形が可能であると
ともに、予熱温度が低い分だけ本体被覆層の冷却固化が
速くなって、リブ部の傾斜を抑止できる。
は、従来において少なくとも80℃以上に予熱し、かつ本
体被覆層の押出し温度も200℃以上することによって、
予備被覆層外周と本体被覆層とを融着接合していた場合
と比較して、高い溶融粘度での被覆成形が可能であると
ともに、予熱温度が低い分だけ本体被覆層の冷却固化が
速くなって、リブ部の傾斜を抑止できる。
さらに本発明では、予備被覆層の外径d1と本体被覆層
の溝底部のみなし外径d2との径比を上記した範囲とする
ことによって、螺旋状溝の溝底部内周を可及的に薄い層
にして、この部分の冷却固化を早期に進行させ、リブ部
の直立を支持することになる基部の固化をリブ部分より
先行させているのでリブの変形,傾斜が抑止できる。
の溝底部のみなし外径d2との径比を上記した範囲とする
ことによって、螺旋状溝の溝底部内周を可及的に薄い層
にして、この部分の冷却固化を早期に進行させ、リブ部
の直立を支持することになる基部の固化をリブ部分より
先行させているのでリブの変形,傾斜が抑止できる。
《実施例》 以下本発明について実施例により説明する。
*実施例1 単線径1.0mmの鋼線を7本撚合せたものを抗張力線1
として使用し、その外周にエチレンエチルアクリレート
を主体とし無水マレイン酸および無水フタル酸で変性し
たポリオレフィン系接着性樹脂(日本ユニカー社製:商
品名 NVCGA-004)であって、示差走査熱量計(DSC)で
の測定による融点が120℃、JIS K-7206法によるビカッ
ト軟化点が78℃の接着性樹脂を押出し被覆し、引続いて
所定の内径の整形ノズルを取着した整形装置に導いて加
熱下に外径を整形して、外径d1が5.3±5/100mmの予備被
覆層2を有する線条体を得た。
として使用し、その外周にエチレンエチルアクリレート
を主体とし無水マレイン酸および無水フタル酸で変性し
たポリオレフィン系接着性樹脂(日本ユニカー社製:商
品名 NVCGA-004)であって、示差走査熱量計(DSC)で
の測定による融点が120℃、JIS K-7206法によるビカッ
ト軟化点が78℃の接着性樹脂を押出し被覆し、引続いて
所定の内径の整形ノズルを取着した整形装置に導いて加
熱下に外径を整形して、外径d1が5.3±5/100mmの予備被
覆層2を有する線条体を得た。
次いで、この線条体をその予備被覆層2の表面温度を
50℃に予熱して、螺旋状溝3およびリブ部4のスペーサ
形状に対応した寸法形状のダイを備えたスペーサ本体被
覆用のクロスヘッドダイに挿通し、その外周にJIS K-67
60法での測定によるMIが0.11の高密度ポリエチレン樹脂
(H.D.P.E)を190℃の溶融状態で、螺旋状溝3及びダイ
を交互に反転させながら回転させつつ押出し被覆し、直
ちにこれを冷却固化し、本体被覆層5に交互に反転する
螺旋状溝3を形成したスペーサを得た。
50℃に予熱して、螺旋状溝3およびリブ部4のスペーサ
形状に対応した寸法形状のダイを備えたスペーサ本体被
覆用のクロスヘッドダイに挿通し、その外周にJIS K-67
60法での測定によるMIが0.11の高密度ポリエチレン樹脂
(H.D.P.E)を190℃の溶融状態で、螺旋状溝3及びダイ
を交互に反転させながら回転させつつ押出し被覆し、直
ちにこれを冷却固化し、本体被覆層5に交互に反転する
螺旋状溝3を形成したスペーサを得た。
目標とするスペーサの寸法形状は、リブ部4の外径を
11mm、溝幅2.5mm,溝深さ2.5mmの6ヶのU字状形断面の
螺旋状溝3を有し、スペーサの長手軸周りに360°回転
するごとに螺旋向きが交互に反転し、この反転ピッチを
250mm、繰返しピッチを500mm、溝底部の見なし外径d2を
5.6mmとした。
11mm、溝幅2.5mm,溝深さ2.5mmの6ヶのU字状形断面の
螺旋状溝3を有し、スペーサの長手軸周りに360°回転
するごとに螺旋向きが交互に反転し、この反転ピッチを
250mm、繰返しピッチを500mm、溝底部の見なし外径d2を
5.6mmとした。
この目標値から計算して、d1/d2が0.95となるように
前述の予備被覆層2の外径を5.3mmに調整した。
前述の予備被覆層2の外径を5.3mmに調整した。
得られたスペーサは第2図に示す外観を有し、螺旋溝
3の主体部分11での断面形状は第1図に示すようになっ
ており、また、反転部10の断面形状は第2図に示すよう
になっていた。
3の主体部分11での断面形状は第1図に示すようになっ
ており、また、反転部10の断面形状は第2図に示すよう
になっていた。
同図に示す螺旋状溝3では、特に、傾斜が生じやすい
反転部10での傾斜角度θが14°、この部分での最小溝深
さが2.4mmとなっていて実用上の仕様を満足するもので
あった。
反転部10での傾斜角度θが14°、この部分での最小溝深
さが2.4mmとなっていて実用上の仕様を満足するもので
あった。
なお、螺旋状溝3の傾斜角度は、得られたスペーサの
拡大断面写真から次のようにして測定した。
拡大断面写真から次のようにして測定した。
第6図に示す如く溝底部の最下点Aとスペーサの中心
Oを結ぶ線を基準線lとし、溝を画成するリブ4の端部
B及びCの中央点Dを求め、直線ADが基準線lとなす角
度θを測定した。
Oを結ぶ線を基準線lとし、溝を画成するリブ4の端部
B及びCの中央点Dを求め、直線ADが基準線lとなす角
度θを測定した。
また、予備被覆層2と本体被覆層5との接着度合は、
測定用サンプルとして長さ100mmのものを準備し、その
中央部に20mm間隔で予備被覆層2に達する刻線を全周に
入れ、さらにこの刻線間に長手方向に沿って刻線を入れ
た後、この刻線部分から半周部分について本体被覆層5
を剥離し、しかる後この測定サンプルを引張試験機の所
定間隔に対設された透孔を有する治具に通して水平に支
持し、上記剥離部分を把持具により把持して引張速度5m
m/minにて引張り剥離力を測定した。
測定用サンプルとして長さ100mmのものを準備し、その
中央部に20mm間隔で予備被覆層2に達する刻線を全周に
入れ、さらにこの刻線間に長手方向に沿って刻線を入れ
た後、この刻線部分から半周部分について本体被覆層5
を剥離し、しかる後この測定サンプルを引張試験機の所
定間隔に対設された透孔を有する治具に通して水平に支
持し、上記剥離部分を把持具により把持して引張速度5m
m/minにて引張り剥離力を測定した。
*比較例1,2 実施例1と比較して、スペーサ本体被覆層5の形成用
樹脂に、高密度ポリエチレンでMI値が0.20のもの(比較
例1)、同0.30のもの(比較例2)を使用した他は実施
例1と同一条件で、同一の目標形状のスペーサを製造し
た。
樹脂に、高密度ポリエチレンでMI値が0.20のもの(比較
例1)、同0.30のもの(比較例2)を使用した他は実施
例1と同一条件で、同一の目標形状のスペーサを製造し
た。
得られたスペーサの反転部10における螺旋状溝3の傾
斜角度は、それぞれ23°及び28°であり実用に供し得な
いものであった。
斜角度は、それぞれ23°及び28°であり実用に供し得な
いものであった。
*実施例2 実施例1と比較して、スペーサ本体被覆層5の形成用
樹脂にMI値が0.03の高密度ポリエチレンを使用したとこ
ろ、反転部10における螺旋状溝3の傾斜角度は、10°と
実施例1よりも傾斜の少ない良形状のものが得られた。
樹脂にMI値が0.03の高密度ポリエチレンを使用したとこ
ろ、反転部10における螺旋状溝3の傾斜角度は、10°と
実施例1よりも傾斜の少ない良形状のものが得られた。
*実施例3 予備被覆層2の樹脂とし、前述の測定方法による融点
が124℃、軟化点が97℃のポリオレフィン系接着性樹脂
(日本ユニカー社製 商品名 GA-003)を使用し、実施
例1と同様にスペーサを製造した。
が124℃、軟化点が97℃のポリオレフィン系接着性樹脂
(日本ユニカー社製 商品名 GA-003)を使用し、実施
例1と同様にスペーサを製造した。
得られたスペーサの反転部10における前記の傾斜角度
は17°であった。
は17°であった。
なお、本体被覆層5に使用したMI0.11の高密度ポリエ
チレン樹脂は、押出機中での滞留によってスペーサ成形
後においては、MIが0.145の値となっていた。
チレン樹脂は、押出機中での滞留によってスペーサ成形
後においては、MIが0.145の値となっていた。
*比較例3 予備被覆層2の接着性樹脂として融点が124℃、軟化
点が113℃の接着性ポリエチレン樹脂(日本ユニカー社
製 商品名 GA-002)を使用し、実施例1と同様に50℃
に予熱し、実施例1および3と同一の高密度ポリエチレ
ンによってその外周に本体被覆層5を形成した。
点が113℃の接着性ポリエチレン樹脂(日本ユニカー社
製 商品名 GA-002)を使用し、実施例1と同様に50℃
に予熱し、実施例1および3と同一の高密度ポリエチレ
ンによってその外周に本体被覆層5を形成した。
この場合の反転部10の螺旋状溝3の傾斜角度は、13°
と形状は良好であったが予備被覆層2と本体被覆層5と
の接着が不良で実用に供し得ないものであった。
と形状は良好であったが予備被覆層2と本体被覆層5と
の接着が不良で実用に供し得ないものであった。
*比較例4,5 予備被覆層2に本体被覆層5と同一のMIが0.11の高密
度ポリエチレンを使用し、本体被覆前の予熱温度を50
℃、本体被覆の温度を190℃と前記実施例と同一条件で
スペーサを成形した(比較例4)。
度ポリエチレンを使用し、本体被覆前の予熱温度を50
℃、本体被覆の温度を190℃と前記実施例と同一条件で
スペーサを成形した(比較例4)。
得られたスペーサは、螺旋状溝3の傾斜角度は14°と
良好であったが、比較例3と同様に予備被覆層2と本体
被覆層5との接着強度が低く、実用上の問題があった。
良好であったが、比較例3と同様に予備被覆層2と本体
被覆層5との接着強度が低く、実用上の問題があった。
上記接着強度の向上を目的に、予備被覆層2の予熱温
度を90℃とし、本体被覆層5の押出温度を200℃として
成形した(比較例5)。
度を90℃とし、本体被覆層5の押出温度を200℃として
成形した(比較例5)。
この結果、得られたスペーサは、螺旋状溝3の傾斜角
度が20°と形状不良となったが、接着強度は実用できる
程度に向上した。
度が20°と形状不良となったが、接着強度は実用できる
程度に向上した。
*実施例4 ガラス繊維ロービングに不飽和ポリエステル樹脂を含
浸して外径3,5φに絞り成形し、これをクロスヘッドダ
イに導いて、MI0.11の高密度ポリエチレンおよびMIが1.
0の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を1:1に混合し
た樹脂で外径4.5mmに被覆し、この被覆層を冷却固化し
た後、蒸気圧4.0kg/cm2の加熱硬化槽に導いて不飽和ポ
リエステル樹脂を硬化させるとともに外周の熱可塑性樹
脂内周と繊維強化樹脂層外周とがアンカー効果で接着し
ている被覆FRP線を得た。
浸して外径3,5φに絞り成形し、これをクロスヘッドダ
イに導いて、MI0.11の高密度ポリエチレンおよびMIが1.
0の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を1:1に混合し
た樹脂で外径4.5mmに被覆し、この被覆層を冷却固化し
た後、蒸気圧4.0kg/cm2の加熱硬化槽に導いて不飽和ポ
リエステル樹脂を硬化させるとともに外周の熱可塑性樹
脂内周と繊維強化樹脂層外周とがアンカー効果で接着し
ている被覆FRP線を得た。
この被覆FRP線をクロスヘッドダイに通し、その外周
に実施例1と同一の接着性樹脂を被覆して前記実施例な
いし比較例と同一寸法の外径5.6mmの予備被覆層2を形
成した線条体を得、これに前述同様のスペーサ本体被覆
層5を形成したスペーサを得た。
に実施例1と同一の接着性樹脂を被覆して前記実施例な
いし比較例と同一寸法の外径5.6mmの予備被覆層2を形
成した線条体を得、これに前述同様のスペーサ本体被覆
層5を形成したスペーサを得た。
得られたスペーサの螺旋状溝3の傾斜角度は10°であ
り、予備被覆層2と本体被覆層5の接着も強固なもので
あった。
り、予備被覆層2と本体被覆層5の接着も強固なもので
あった。
実施例5,6 抗張力線1として実施例1と同一の鋼撚線を使用し、
その外周を酢酸ビニル含有量が6%で軟化点が78℃のエ
チレン酢酸ビニル共重合体(EVA)で被覆後外径を整形
したもの(実施例5)及びエチルアクリレートの含有量
が8%で軟化点が74℃のエチレン−エチルアクリレート
共重合体(EEA)で被覆整形した(実施例6)予備被覆
抗張力線を使用して、これらを50℃に予熱してクロスヘ
ッドダイに挿通し、実施例2と同一のMIが0.03の高密度
ポリエチレンによって本体被覆して実施例1と同一の目
標形状とするスペーサを得た。
その外周を酢酸ビニル含有量が6%で軟化点が78℃のエ
チレン酢酸ビニル共重合体(EVA)で被覆後外径を整形
したもの(実施例5)及びエチルアクリレートの含有量
が8%で軟化点が74℃のエチレン−エチルアクリレート
共重合体(EEA)で被覆整形した(実施例6)予備被覆
抗張力線を使用して、これらを50℃に予熱してクロスヘ
ッドダイに挿通し、実施例2と同一のMIが0.03の高密度
ポリエチレンによって本体被覆して実施例1と同一の目
標形状とするスペーサを得た。
得られたスペーサの螺旋状溝3の傾斜角度は実施例5
及び6共に10°であり、予備被覆層2と本体被覆層5と
の接着も強固であった。
及び6共に10°であり、予備被覆層2と本体被覆層5と
の接着も強固であった。
上記実施例および比較例についてまとめて第1表に示
す。
す。
《効果》 本発明の光ファイバ担持用スペーサは、螺旋状溝およ
びリブ部の傾斜を少なくするため、予備被覆層に軟化点
が100℃以下のポリオレフィン系樹脂、本体被覆層にメ
ルトインデックス値が0.15以下の高密度ポリエチレンに
より構成し、かつ予備被覆層の外径d1と本体被覆層にお
ける溝部の見なし外径d2との関係を所定の範囲としてい
るので、断面形状、とりわけ螺旋方向が反転する部分で
のリブ部及び螺旋状溝の傾斜の少ない実用的な交互反転
螺旋溝を有する光ファイバ担持用スペーサであり、極め
て有用である。
びリブ部の傾斜を少なくするため、予備被覆層に軟化点
が100℃以下のポリオレフィン系樹脂、本体被覆層にメ
ルトインデックス値が0.15以下の高密度ポリエチレンに
より構成し、かつ予備被覆層の外径d1と本体被覆層にお
ける溝部の見なし外径d2との関係を所定の範囲としてい
るので、断面形状、とりわけ螺旋方向が反転する部分で
のリブ部及び螺旋状溝の傾斜の少ない実用的な交互反転
螺旋溝を有する光ファイバ担持用スペーサであり、極め
て有用である。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明のスペーサの螺旋状溝の主体部分の断面
図、第2図は同反転部分の断面図、第3図は本発明のス
ペーサの斜視図、第4図、第5図は従来のスペーサの断
面図、第6図は溝傾斜角度の測定方法の説明図、第7図
は溝部の見なし外径の説明図である。 1……抗張力線、2……予備被覆層 3……螺旋状溝、4……リブ部 5……本体被覆層
図、第2図は同反転部分の断面図、第3図は本発明のス
ペーサの斜視図、第4図、第5図は従来のスペーサの断
面図、第6図は溝傾斜角度の測定方法の説明図、第7図
は溝部の見なし外径の説明図である。 1……抗張力線、2……予備被覆層 3……螺旋状溝、4……リブ部 5……本体被覆層
Claims (1)
- 【請求項1】抗張力線と、この抗張力線の外周を被覆す
る熱可塑性樹脂からなる予備被覆層と、この予備被覆層
の外周を被覆する原料のメルトインデックス値が0.15g/
10min以下の高密度ポリエチレン樹脂によって所定回転
角度毎に交互に反転する螺旋状溝を形成するように被覆
した本体被覆層とを有する光ファイバ担持用スペーサで
あって、前記予備被覆層の少なくとも外周を軟化点が10
0℃以下のポリオレフィン系樹脂で形成するとともに、
この予備被覆層の外径d1と、前記螺旋状溝の溝底部の見
なし外径d2とが 0.85<d1/d2<1 の関係を満足してなることを特徴とする光ファイバ担持
用スペーサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63198780A JPH0833502B2 (ja) | 1988-08-11 | 1988-08-11 | 光ファイバ担持用スペーサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63198780A JPH0833502B2 (ja) | 1988-08-11 | 1988-08-11 | 光ファイバ担持用スペーサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0248608A JPH0248608A (ja) | 1990-02-19 |
JPH0833502B2 true JPH0833502B2 (ja) | 1996-03-29 |
Family
ID=16396796
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63198780A Expired - Fee Related JPH0833502B2 (ja) | 1988-08-11 | 1988-08-11 | 光ファイバ担持用スペーサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0833502B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH083127B2 (ja) * | 1990-12-28 | 1996-01-17 | 株式会社神戸製鋼所 | 加工性の優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
JP4503192B2 (ja) * | 2001-02-07 | 2010-07-14 | 株式会社フジクラ | 光ファイバケーブル用スロット |
JP4514972B2 (ja) * | 2001-02-21 | 2010-07-28 | 株式会社フジクラ | 光ケーブル用スロットおよびその製造方法 |
JP2007179983A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Sumitomo Denko Steel Wire Kk | 被覆鋼線の製造方法 |
EP3923053A1 (en) * | 2020-06-13 | 2021-12-15 | Sterlite Technologies Limited | Ribbed and grooved cable having embedded strength member with water blocking coating |
-
1988
- 1988-08-11 JP JP63198780A patent/JPH0833502B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0248608A (ja) | 1990-02-19 |
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