JPH034882B2 - - Google Patents
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- JPH034882B2 JPH034882B2 JP59134648A JP13464884A JPH034882B2 JP H034882 B2 JPH034882 B2 JP H034882B2 JP 59134648 A JP59134648 A JP 59134648A JP 13464884 A JP13464884 A JP 13464884A JP H034882 B2 JPH034882 B2 JP H034882B2
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Landscapes
- Surface Treatment Of Glass Fibres Or Filaments (AREA)
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- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は低線膨張率な熱可塑性樹脂で被覆され
た光フアイバ心線に関するものである。 〔従来技術〕 光フアイバはその直径が150μm以下のぜい弱な
材料であるので、その製造中またはケーブル化の
工程において、その表面に傷が発生し易く、これ
が応力集中源となり、外部から応力が加わると容
易に破断する欠点がある。このため、光フアイバ
表面を保護し、その初期強度を維持することを目
的とし、光フアイバの紡糸直後に、フアイバ表面
にプラスチツクを被覆することが行なわれてい
る。 このプラスチツク被覆は一般に1次被覆層と2
次被覆層からなる。1次被覆層は低ヤング率材料
であり、光フアイバの初期強度の維持および2次
被覆の不均一によるフアイバのマイクロベンデイ
ングロス増を防ぐことを目的とする。一方、2次
被覆層はポリアミド、ポリエチレンのような熱可
塑性樹脂から成り、ケーブル化等におけるハンド
リングを容易にすることを目的とする。 従来、次に示す2つのタイプの光フアイバ心線
が提案されている。1つはタイト構造型心線であ
り、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂から成る1
次被覆層とポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂から
成る2次被覆層がタイトに密着している構造であ
る。他の1つはルースチユーブ型心線であり、ア
クリル系樹脂等の熱硬化性樹脂から成る1次被覆
層が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
レン等の熱可塑性樹脂から成る保護プラスチツク
チユーブ(2次被覆層)内でルースに保持する構
造である。 タイト構造型心線は、1次被覆層によつて被覆
の不均一によるフアイバのマイクロベンデイング
ロス増が防止されているので、2次被覆工程にお
ける高い被覆均一性を要しないという利点を有し
ている。しかしながら、従来の2次被覆材料の線
膨張率は10-4℃-1オーダであり、この値はフアイ
バ自体の線膨張率10-7℃-1オーダに比較してはる
かに大きい。このため、温度変化による2次被覆
層の膨張・収縮によりフアイバに曲がりが生じ、
マイクロベンデイングロス増があつた。また、タ
イト構造型心線においては、その2次被覆工程に
おいて比較的長い冷却工程を必要とする。これは
2次被覆材料の押出被覆工程におけるフアイバ長
手方向の配向を徐冷することによつて出来得る限
り取除くために行なわれる。もし徐冷が十分でな
い場合には、配向の緩和あるいは再結晶化のため
に、常温においても2次被覆層の収縮が生じ、フ
アイバに圧縮歪がかかり、マイクロベンデイング
ロスが次第に増加する。2次被覆工程の高速化に
ともない、それに見合う十分な徐冷工程を設置す
ることは現実的に不可能である。そのため、2次
被覆層の配向緩和がネツクとなつて高速化が問題
となつている。 一方、ルースチユーブ型心線は、2次被覆であ
る保護プラスチツクの膨張・収縮によるマイクロ
ベンデイングロス増を、ルースチユーブ内のフア
イバ余長を適当にとることによつて緩和できると
いう利点を有している。しかしながら、2次被覆
層とフアイバ自体の線膨張率の差は大きいので、
2次被覆層の膨張・収縮によるマイクロベンデイ
ングロス増は依然として生ずる。この2次被覆層
とフアイバの線膨張率の違いによるマイクロベン
デイングロス増を防止するため、心線製造工程に
おいて、ルースチユーブをその融点以下、固体状
態で長手方向に延伸・配向させたフアイバ心線が
提案されている。このフアイバ心線の2次被覆層
の線膨張率は10-5℃-1以下であり、マイクロベン
デイングロス増は著しく抑制されている。しかし
ながら、この延伸・配向させたルースチユーブ心
線を作製するためには、ルースチユーブの延伸・
配向のため比較的長い加熱炉を必要とすること、
延伸したルースチユーブの高温での熱収縮を防止
するため、熱処理炉を延伸・加熱炉の後に配置す
る必要があるなど、製造ラインが長くなる、フア
イバ余長コントロールのための正確な製造工程が
必要である、高速被覆が困難であるなどの欠点が
あつた。 以上述べたように、現用2次被覆材料ではタイ
ト型およびルースチユーブ型いずれの被覆構造に
おいても被覆材料とフアイバとの線膨張率の差に
基づくマイクロベンデイングロス増を生ずるこ
と、更には高速被覆性に劣ることなどの欠点があ
つた。 本発明者等は、既に10-5℃-1以下の低線膨張率
を有し、現用押出被覆方法で高速被覆が可能な2
次被覆材料として溶融液晶性を示す芳香族ポリエ
ステルを提案したが、この材料は低線膨張率でか
つ高弾性率である反面、極限伸びが著しく低く、
したがつてこの材料を被覆した心線は曲げにより
容易に折れるという欠点を有していた。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、使用温度の変化による伝送損
失の増加がなく、屈曲性に優れ、かつ高速被覆が
可能である光フアイバ心線を提供することにあ
る。 〔発明の構成〕 ある種の結晶性ポリマは、加熱されるとき、融
解して液体となる前に、結晶の異方性と液体の流
動性を有する状態を経由することがある。この状
態を液晶という。 本発明者らは、既に溶融液晶性の芳香族ポリエ
ステル樹脂を用い、押出法による光フアイバ素線
への被覆を検討した。その結果、特願昭58−
80797号明細書に記載されているように102sec-1
以上の高せん断速度下で押出された樹脂が10-6℃
-1オーダの低線膨張率を示すことを見出した。特
に、溶融液晶性芳香族ポリエステルが、フエノー
ルとテトラクロロエタンの1:1(重量比)の混
合液中0.5g/dの濃度で30℃で測定した対数
粘度η inhが0.3d/g以上であり、次の2価
の基からなり、基(A)及び基(B)を37.5〜16.7モル%
ずつ等量含み、基(C)を25.0〜66.6モル%含むよう
な、ポリエチレンテレフタレート−P−ヒドロキ
シ安息香酸共重合体(PET/POB共重合体)で
ある場合には102sec-1以上のせん断配向により1
×105℃-1以下の低線膨張率と4GPa以上の高弾性
率を示す。 (B) −O−CH2CH2−O− しかしながら、せん断配向により低線膨張率
化、高弾性率化した上記芳香族ポリエステル樹脂
は極限伸びが1%程度しかなく、この材料を被覆
した光フアイバ心線は曲げにより容易に2次被覆
層が割れるという欠点を有していた。 本発明者らは上記芳香族ポリエステル樹脂の極
限伸びを向上するため、ポリアルキレンテレフタ
レートを用いたブレンド化について鋭意検討を行
なつた結果、重合過程の中途で生成するオリゴマ
にポリアルキレンテレフタレートをブレンドした
後、重合を行なうことによつて最終生成物の極限
伸びが向上することを見出し、本発明に至つた。
本発明に用いられる溶融液晶性を示す熱可塑性樹
脂は 式()の反復単位からなる原料オリゴエステ
ルまたはポリエステル5〜55モル%と式()ま
たは()で表わされるヒドロキシまたはアシル
オキシ安息香酸 〔式中Rはアルキル基を示す〕95〜45モル%を
反応させて得られた共重合オリゴマにポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポ
リイソブチレンテレフタレート、ポリペンチルテ
レフタレート、ポリイソペンチルテレフタレー
ト、ポリネオペンチルテレフタレート等のポリア
ルキレンテレフタレートを最終生成物中の式
()もしくは()に由来するヒドロキシ安息
香酸残基が40〜80モル%になるようにブレンド
し、引き続いて上記共重合オリゴマを重合して得
られる。ブレンドに用いるポリアルキレンテレフ
タレートは特に限定するものではないが、共重合
オリゴマとの相溶性の点からポリエチレンテレフ
タレートが好適である。 そこで、以下ではポリアルキレンテレフタレー
トしてポリエチレンテレフタレートを用いて得ら
れるポリエチレンテレフタレート−P−ヒドロキ
シ安息香酸共重合体(PET/POB共重合体)を
2次被覆材料として本発明を説明する。 本発明によるPET/POB共重合体の線膨張率
は樹脂中のヒドロキシ安息香酸残基(POB)含
有量に大きく依存する。 図面に、せん断速度が1×103sec-1、引落比が
1でせん断配向させたPET/POB共重合体の20
℃における線膨張率(α)のPOBモル%依存性
を示す。光フアイバ心線2次被覆層のαとして1
×10-5℃-1以下を要求条件とすると、POB含有量
としておよそ40モル%以上必要であることがわか
る。他方、POB含有量の増加と共に極限伸びが
低下するが、光フアイバ心線2次被覆層の極限伸
びとして3%以上を要求条件とすると、POB含
有量の上限はおおむね80モル%であることがわか
つた。なお、40〜80モル%のPOB含有量範囲で
はPET/POB共重合体は3〜33GPaのヤング率
を示し、0.3d/g以上の対数粘度η inhを示
すことがわかつた。 なお、本発明においては、冷却過程において配
向によるもどりがみられないため、徐冷処理が不
要であり、したがつて高速被覆が可能である。 〔実施例〕 以下、表1を用いて光フアイバ心線の被覆の実
施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定され
ない。実施例1では、本発明によるPOB含有量
が50モル%のPET/POB共重合体を、ダイス径
1.3mm、ニツプル径0.9mm、ダイス出口の直線部長
さ10mmの押出部を有する押出機を用い、押出温度
(ダイス出口温度)240℃で、1×103sec-1のせん
断速度下で、外径400μm(フアイバ外径125μm)
の光フアイバ素線上に押し出して外径1.0mm(引
落比1.0)の心線を作製した。表1にはこうして
作製した心線の2次被覆層(PET/POB共重合
体層)のヤング率、線膨張率、極限伸びの値を示
す。実施例2では、本発明によるPOB含有量が
40モル%のPET/POB共重合体を実施例1と同
一押出条件で押し出して心線を作製した。また、
比較例1および2では従来の、POB含有量が50
モル%および40モル%のPET/POB共重合体を、
実施例1と同一押出条件で押し出して心線を作製
した。 実施例1と比較例1ならびに実施例2と比較例
2を比較すれば明らかなように、本発明による
PET/POB共重合体は従来のものよりも2〜6
倍極限伸びが向上していることがわかる。 この結果、心線の許容曲げ半径も実施例1では
1.5mm、実施例2では2.0mmとなり、比較例1(許
容曲げ半径3mm)および比較例2(4mm)に比べ
て半分にまで減少した。 また、実施例1および2において素線段階の20
℃における伝送損失は波長0.85μmで2.40dB/Km
および2.42dB/Kmであり、本発明による心線の
波長0.85μmでは伝送損失は20℃において実施例
1では2.41dB/Km、実施例2では2.43dB/Kmで
あつた。更に心線の伝送損失の温度依存性を検討
した結果、実施例1および2の心線について−60
℃から+60℃まで損失増加は認められなかつた。
た光フアイバ心線に関するものである。 〔従来技術〕 光フアイバはその直径が150μm以下のぜい弱な
材料であるので、その製造中またはケーブル化の
工程において、その表面に傷が発生し易く、これ
が応力集中源となり、外部から応力が加わると容
易に破断する欠点がある。このため、光フアイバ
表面を保護し、その初期強度を維持することを目
的とし、光フアイバの紡糸直後に、フアイバ表面
にプラスチツクを被覆することが行なわれてい
る。 このプラスチツク被覆は一般に1次被覆層と2
次被覆層からなる。1次被覆層は低ヤング率材料
であり、光フアイバの初期強度の維持および2次
被覆の不均一によるフアイバのマイクロベンデイ
ングロス増を防ぐことを目的とする。一方、2次
被覆層はポリアミド、ポリエチレンのような熱可
塑性樹脂から成り、ケーブル化等におけるハンド
リングを容易にすることを目的とする。 従来、次に示す2つのタイプの光フアイバ心線
が提案されている。1つはタイト構造型心線であ
り、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂から成る1
次被覆層とポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂から
成る2次被覆層がタイトに密着している構造であ
る。他の1つはルースチユーブ型心線であり、ア
クリル系樹脂等の熱硬化性樹脂から成る1次被覆
層が、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
レン等の熱可塑性樹脂から成る保護プラスチツク
チユーブ(2次被覆層)内でルースに保持する構
造である。 タイト構造型心線は、1次被覆層によつて被覆
の不均一によるフアイバのマイクロベンデイング
ロス増が防止されているので、2次被覆工程にお
ける高い被覆均一性を要しないという利点を有し
ている。しかしながら、従来の2次被覆材料の線
膨張率は10-4℃-1オーダであり、この値はフアイ
バ自体の線膨張率10-7℃-1オーダに比較してはる
かに大きい。このため、温度変化による2次被覆
層の膨張・収縮によりフアイバに曲がりが生じ、
マイクロベンデイングロス増があつた。また、タ
イト構造型心線においては、その2次被覆工程に
おいて比較的長い冷却工程を必要とする。これは
2次被覆材料の押出被覆工程におけるフアイバ長
手方向の配向を徐冷することによつて出来得る限
り取除くために行なわれる。もし徐冷が十分でな
い場合には、配向の緩和あるいは再結晶化のため
に、常温においても2次被覆層の収縮が生じ、フ
アイバに圧縮歪がかかり、マイクロベンデイング
ロスが次第に増加する。2次被覆工程の高速化に
ともない、それに見合う十分な徐冷工程を設置す
ることは現実的に不可能である。そのため、2次
被覆層の配向緩和がネツクとなつて高速化が問題
となつている。 一方、ルースチユーブ型心線は、2次被覆であ
る保護プラスチツクの膨張・収縮によるマイクロ
ベンデイングロス増を、ルースチユーブ内のフア
イバ余長を適当にとることによつて緩和できると
いう利点を有している。しかしながら、2次被覆
層とフアイバ自体の線膨張率の差は大きいので、
2次被覆層の膨張・収縮によるマイクロベンデイ
ングロス増は依然として生ずる。この2次被覆層
とフアイバの線膨張率の違いによるマイクロベン
デイングロス増を防止するため、心線製造工程に
おいて、ルースチユーブをその融点以下、固体状
態で長手方向に延伸・配向させたフアイバ心線が
提案されている。このフアイバ心線の2次被覆層
の線膨張率は10-5℃-1以下であり、マイクロベン
デイングロス増は著しく抑制されている。しかし
ながら、この延伸・配向させたルースチユーブ心
線を作製するためには、ルースチユーブの延伸・
配向のため比較的長い加熱炉を必要とすること、
延伸したルースチユーブの高温での熱収縮を防止
するため、熱処理炉を延伸・加熱炉の後に配置す
る必要があるなど、製造ラインが長くなる、フア
イバ余長コントロールのための正確な製造工程が
必要である、高速被覆が困難であるなどの欠点が
あつた。 以上述べたように、現用2次被覆材料ではタイ
ト型およびルースチユーブ型いずれの被覆構造に
おいても被覆材料とフアイバとの線膨張率の差に
基づくマイクロベンデイングロス増を生ずるこ
と、更には高速被覆性に劣ることなどの欠点があ
つた。 本発明者等は、既に10-5℃-1以下の低線膨張率
を有し、現用押出被覆方法で高速被覆が可能な2
次被覆材料として溶融液晶性を示す芳香族ポリエ
ステルを提案したが、この材料は低線膨張率でか
つ高弾性率である反面、極限伸びが著しく低く、
したがつてこの材料を被覆した心線は曲げにより
容易に折れるという欠点を有していた。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、使用温度の変化による伝送損
失の増加がなく、屈曲性に優れ、かつ高速被覆が
可能である光フアイバ心線を提供することにあ
る。 〔発明の構成〕 ある種の結晶性ポリマは、加熱されるとき、融
解して液体となる前に、結晶の異方性と液体の流
動性を有する状態を経由することがある。この状
態を液晶という。 本発明者らは、既に溶融液晶性の芳香族ポリエ
ステル樹脂を用い、押出法による光フアイバ素線
への被覆を検討した。その結果、特願昭58−
80797号明細書に記載されているように102sec-1
以上の高せん断速度下で押出された樹脂が10-6℃
-1オーダの低線膨張率を示すことを見出した。特
に、溶融液晶性芳香族ポリエステルが、フエノー
ルとテトラクロロエタンの1:1(重量比)の混
合液中0.5g/dの濃度で30℃で測定した対数
粘度η inhが0.3d/g以上であり、次の2価
の基からなり、基(A)及び基(B)を37.5〜16.7モル%
ずつ等量含み、基(C)を25.0〜66.6モル%含むよう
な、ポリエチレンテレフタレート−P−ヒドロキ
シ安息香酸共重合体(PET/POB共重合体)で
ある場合には102sec-1以上のせん断配向により1
×105℃-1以下の低線膨張率と4GPa以上の高弾性
率を示す。 (B) −O−CH2CH2−O− しかしながら、せん断配向により低線膨張率
化、高弾性率化した上記芳香族ポリエステル樹脂
は極限伸びが1%程度しかなく、この材料を被覆
した光フアイバ心線は曲げにより容易に2次被覆
層が割れるという欠点を有していた。 本発明者らは上記芳香族ポリエステル樹脂の極
限伸びを向上するため、ポリアルキレンテレフタ
レートを用いたブレンド化について鋭意検討を行
なつた結果、重合過程の中途で生成するオリゴマ
にポリアルキレンテレフタレートをブレンドした
後、重合を行なうことによつて最終生成物の極限
伸びが向上することを見出し、本発明に至つた。
本発明に用いられる溶融液晶性を示す熱可塑性樹
脂は 式()の反復単位からなる原料オリゴエステ
ルまたはポリエステル5〜55モル%と式()ま
たは()で表わされるヒドロキシまたはアシル
オキシ安息香酸 〔式中Rはアルキル基を示す〕95〜45モル%を
反応させて得られた共重合オリゴマにポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポ
リイソブチレンテレフタレート、ポリペンチルテ
レフタレート、ポリイソペンチルテレフタレー
ト、ポリネオペンチルテレフタレート等のポリア
ルキレンテレフタレートを最終生成物中の式
()もしくは()に由来するヒドロキシ安息
香酸残基が40〜80モル%になるようにブレンド
し、引き続いて上記共重合オリゴマを重合して得
られる。ブレンドに用いるポリアルキレンテレフ
タレートは特に限定するものではないが、共重合
オリゴマとの相溶性の点からポリエチレンテレフ
タレートが好適である。 そこで、以下ではポリアルキレンテレフタレー
トしてポリエチレンテレフタレートを用いて得ら
れるポリエチレンテレフタレート−P−ヒドロキ
シ安息香酸共重合体(PET/POB共重合体)を
2次被覆材料として本発明を説明する。 本発明によるPET/POB共重合体の線膨張率
は樹脂中のヒドロキシ安息香酸残基(POB)含
有量に大きく依存する。 図面に、せん断速度が1×103sec-1、引落比が
1でせん断配向させたPET/POB共重合体の20
℃における線膨張率(α)のPOBモル%依存性
を示す。光フアイバ心線2次被覆層のαとして1
×10-5℃-1以下を要求条件とすると、POB含有量
としておよそ40モル%以上必要であることがわか
る。他方、POB含有量の増加と共に極限伸びが
低下するが、光フアイバ心線2次被覆層の極限伸
びとして3%以上を要求条件とすると、POB含
有量の上限はおおむね80モル%であることがわか
つた。なお、40〜80モル%のPOB含有量範囲で
はPET/POB共重合体は3〜33GPaのヤング率
を示し、0.3d/g以上の対数粘度η inhを示
すことがわかつた。 なお、本発明においては、冷却過程において配
向によるもどりがみられないため、徐冷処理が不
要であり、したがつて高速被覆が可能である。 〔実施例〕 以下、表1を用いて光フアイバ心線の被覆の実
施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定され
ない。実施例1では、本発明によるPOB含有量
が50モル%のPET/POB共重合体を、ダイス径
1.3mm、ニツプル径0.9mm、ダイス出口の直線部長
さ10mmの押出部を有する押出機を用い、押出温度
(ダイス出口温度)240℃で、1×103sec-1のせん
断速度下で、外径400μm(フアイバ外径125μm)
の光フアイバ素線上に押し出して外径1.0mm(引
落比1.0)の心線を作製した。表1にはこうして
作製した心線の2次被覆層(PET/POB共重合
体層)のヤング率、線膨張率、極限伸びの値を示
す。実施例2では、本発明によるPOB含有量が
40モル%のPET/POB共重合体を実施例1と同
一押出条件で押し出して心線を作製した。また、
比較例1および2では従来の、POB含有量が50
モル%および40モル%のPET/POB共重合体を、
実施例1と同一押出条件で押し出して心線を作製
した。 実施例1と比較例1ならびに実施例2と比較例
2を比較すれば明らかなように、本発明による
PET/POB共重合体は従来のものよりも2〜6
倍極限伸びが向上していることがわかる。 この結果、心線の許容曲げ半径も実施例1では
1.5mm、実施例2では2.0mmとなり、比較例1(許
容曲げ半径3mm)および比較例2(4mm)に比べ
て半分にまで減少した。 また、実施例1および2において素線段階の20
℃における伝送損失は波長0.85μmで2.40dB/Km
および2.42dB/Kmであり、本発明による心線の
波長0.85μmでは伝送損失は20℃において実施例
1では2.41dB/Km、実施例2では2.43dB/Kmで
あつた。更に心線の伝送損失の温度依存性を検討
した結果、実施例1および2の心線について−60
℃から+60℃まで損失増加は認められなかつた。
以上説明したように、本発明の光フアイバ心線
は、大きな極限伸びと低線膨張率を示す蓉融液晶
性熱可塑性樹脂を光フアイバ被覆材料として用い
るので、使用温度の変化による伝送損失の増加が
なく、屈曲性にすぐれた光フアイバ心線を得るこ
とができる。また、徐冷処理が不要であるため高
速被覆が可能である。
は、大きな極限伸びと低線膨張率を示す蓉融液晶
性熱可塑性樹脂を光フアイバ被覆材料として用い
るので、使用温度の変化による伝送損失の増加が
なく、屈曲性にすぐれた光フアイバ心線を得るこ
とができる。また、徐冷処理が不要であるため高
速被覆が可能である。
図面はPET/POB共重合体において、線膨張
率とPOB含有量の関係を示す図である。
率とPOB含有量の関係を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 光フアイバ素線の外周に熱可塑性樹脂層が形
成されている光フアイバ心線において、該熱可塑
性樹脂が、式() の反復単位からなるジカルボン酸とジオールとの
原料オリゴエステルまたはポリエステル5〜55モ
ル%と、式()または()で表わされるヒド
ロキシまたはアシルオキシ安息香酸 〔式中Rはアルキル基を示す〕95〜45モル%を
反応させて共重合オリゴマを形成させた後に最終
生成物中の式()もしくは()に由来するヒ
ドロキシ安息香酸残基が40〜80モル%になる様に
ポリアルキレンテレフタレートをブレンドし、さ
らに上記共重合オリゴマを重合させて得られた対
数粘度η inhが0.3d/g以上の共重合ポリエ
ステルである光フアイバ心線。 2 被覆層が溶融押出時に1×102sec-1以上のせ
ん断速度で押出被覆されたものである特許請求の
範囲第1項記載の光フアイバ心線。 3 ブレンドに用いるポリアルキレンテレフタレ
ートがポリエチレンテレフタレートである特許請
求の範囲第1項記載の光フアイバ心線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59134648A JPS6114616A (ja) | 1984-06-29 | 1984-06-29 | 光フアイバ心線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59134648A JPS6114616A (ja) | 1984-06-29 | 1984-06-29 | 光フアイバ心線 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6114616A JPS6114616A (ja) | 1986-01-22 |
JPH034882B2 true JPH034882B2 (ja) | 1991-01-24 |
Family
ID=15133281
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59134648A Granted JPS6114616A (ja) | 1984-06-29 | 1984-06-29 | 光フアイバ心線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6114616A (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH062862B2 (ja) * | 1985-09-10 | 1994-01-12 | 出光石油化学株式会社 | 芳香族ポリエステル樹脂組成物 |
JPS636046A (ja) * | 1986-06-26 | 1988-01-12 | Idemitsu Petrochem Co Ltd | 芳香族ポリエステル樹脂組成物 |
JP2537534B2 (ja) * | 1987-03-31 | 1996-09-25 | ユニチカ株式会社 | サ―モトロピック液晶性ポリエステルの製造方法 |
KR930000777B1 (ko) * | 1987-11-20 | 1993-02-04 | 주식회사 삼양사 | 폴리에스테르 수지조성물 |
JP5931921B2 (ja) | 2011-01-12 | 2016-06-08 | ケンブリッジ エンタープライズ リミテッド | 複合光学材料の製造 |
-
1984
- 1984-06-29 JP JP59134648A patent/JPS6114616A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6114616A (ja) | 1986-01-22 |
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