JPH0627888B2 - 低線膨張率被覆光フアイバ心線 - Google Patents

低線膨張率被覆光フアイバ心線

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JPH0627888B2
JPH0627888B2 JP59104673A JP10467384A JPH0627888B2 JP H0627888 B2 JPH0627888 B2 JP H0627888B2 JP 59104673 A JP59104673 A JP 59104673A JP 10467384 A JP10467384 A JP 10467384A JP H0627888 B2 JPH0627888 B2 JP H0627888B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光通信ケーブルに用いられる柔軟性に富み、低
線膨張率にして高弾性率な光フアイバ心線に関する。特
に本発明はタイト構造型光フアイバ心線における二次被
覆層についての改良に関する。
〔従来技術〕
光通信用ガラスフアイバ(以下、フアイバと略記する)
は通常100μmオーダーの小さな外径を有する、極め
てぜい弱な材料である。
したがつて、そのままの形で使用すると、製造工程又は
ケーブル化工程でフアイバ表面に傷が発生し、これが応
力集中源となり、フアイバ本来の強度(約7kg)に比較
して極めて低い強度で破断する。このため、高信頼性の
伝送線路を形成することができない。
フアイバの破断強度の低下防止、更には伝送損失の増加
抑制、又はハンドリング等の容易さの点から、従来、次
に示す2つのタイプのフアイバ心線が提案されている。
1つはタイト構造型フアイバ心線であつて、フアイバの
紡糸直後にその表面を変性シリコーン樹脂等の材料で被
覆した後、その上にシリコーン樹脂等でバツフア層を形
成し、更にその上にポリアミド樹脂等の材料で二次被覆
層を施すことによつて作製される。他の1つはルースチ
ユーブ型フアイバ心線であつて、アクリル系樹脂等で被
覆したフアイバを、ポリエステル樹脂又はポリプロピレ
ン樹脂等の材料からなる保護プラスチックチユーブ内で
ルースに保持することによつて作製される。
〔発明が解決しようとする問題点〕
タイト構造型フアイバ心線は、バツフア層によつて被覆
の不均一によるフアイバのマイクロベンデイングロス増
が防止されているので、二次被覆工程における高い被覆
均一性を要しないという利点を有している。しかしなが
ら、従来の二次被覆材料の線膨張率は10-4-1オーダ
ーであり、この値はフアイバ自体の線膨張率10-7-1
オーダーに比較してはるかに大きい。このため、温度変
化による二次被覆層の膨張・収縮によりフアイバに曲が
りが生じ、マイクロベンデイングロス増があつた。ま
た、タイト構造型フアイバ心線においては、その二次被
覆工程において比較的長い冷却工程を必要とする。これ
は二次被覆材料の押出被覆工程におけるフアイバ長手方
向の配向を徐冷することによつて出来得る限り取除くた
めに行われる。もしく徐冷が十分でない場合には、配向
の緩和あるいは再結晶化のために常温においても二次被
覆層の収縮が生じ、フアイバ圧縮歪がかかり、マイクロ
ベンデイングロスが次第に増加する。二次被覆工程の高
速化に伴い、それに見合う十分な徐冷工程を設置するこ
とは現実的に不可能である。そのため、二次被覆層の配
向緩和がネツクとなつて高速化が問題となつている。
ルースチユーブ型フアイバ心線は、二次被覆である保護
プラスチックの膨張・収縮によるマイクロベンデイング
ロス増を、ルースチユーブ内のフアイバ余長を適当にと
ることによつて緩和できるという利点を有している。し
かしながら、二次被覆層とフアイバ自体の線膨張率の差
は大きいので、二次被覆層の膨張・収縮によるマイクロ
ベンデイングロス増は依然として生じる。この二次被覆
層とフアイバの線膨張率の違いによるマイクロベンデイ
ングロス増を防止するため、心線製造工程において、ル
ースチユープをその融点以下、固体状態で長手方向に延
伸・配向させたフアイバ心線が提案されている。このフ
アイバ心線の二次被覆層の線膨張率は10-5-1以下で
あり、マイクロペンデイング増は著しく抑制されてい
る。しかしながら、この延伸・配向されたルースチユー
ブ心線を作製するためには、ルースチユーブの延伸・配
向のため比較的長い加熱炉を必要とすること、延伸した
ルースチユーブの高温での熱収縮を防止するため、熱処
理炉を延伸・加熱炉の後に配置する必要があるなどによ
り、製造ラインが長くなる、フアイバ余長コントロール
のための正確な製造工程がが必要である、高速被覆が困
難であるなどの欠点があつた。
以上述べたように、現用二次被覆材料ではタイト型及び
ルースチユーブ型いずれの被覆構造においても被覆材料
とフアイバとの線膨張率の差に基づくマイクロベデイン
グロス増を生じこと、更には高速被覆性に劣ること、な
どの欠点があつた。
本発明者らは、既に10-5-1以下の低線膨張率を有
し、現用押出被覆方法で高速被覆が可能な二次被覆材料
として溶融液晶性を示す芳香族ポリエステルを提案した
が、この材料単体では低線膨張率で高弾性率である反
面、極限伸びが著しく低く、したがつてこの材料を被覆
した心線は曲げにより容易に折れるという欠点を有して
いた。
〔発明の目的〕
本発明は、従来の二次被覆層にみられる高線膨張率及び
高速被覆の困難性の問題を解決するためになされたもの
であり、本発明の目的は、使用温度の変化による伝送損
失の増加がなく、屈曲性に優れ、かつ高速被覆が可能で
あるタイト構造型光フアイバ心線を提供することにあ
る。
〔発明の構成〕
本発明を概説すれば、本発明は柔軟性に富み、低線膨張
率・高弾性率な光フアイバ心線に関する発明であって、
光フアイバと一時被覆層からなる光フアイバ素線の外周
に、溶融液晶性を示す熱可塑性樹脂を二次被覆してタイ
ト構造型とした光フアイバ心線において、該二次被覆用
の熱可塑性樹脂が、少なくとも0.3の固有粘度をも
ち、下記の(A)、(B)及び(C) 式で表される各基: (A) (B)−O-CH2-CH2-O− (C) を包含し、かつ基(A)及び基(B)を37.5〜16.7モ
ル%ずつ等量含み、基(C) を25.0〜66.6モル%
含むポリマーの40〜95重量%と、他の熱可塑性樹脂
のの60〜5重量%とからなるものであることを特徴と
する。
ある種の結晶性ポリマーは、加熱されるとき、融解して
光学的に等方性な液体となる前に、結晶の異方性と液体
の流動性を合せもつ状態を経由することがある。この状
態を液晶といい、加熱によつて生じる液晶をサーモトロ
ピツク液晶という。
外力が加えられていない結晶状態にあるポリマーは、一
般に一定の配列秩序にあるドメインの集合体である。こ
の計に機械的な外力が加わると、ドメインは変形・流動
を起こし、更に崩壊し、高分子鎖が流動方向に配向する
ことが知られている。このように、液晶は流動方向に配
向するので、サーモトロピツク液晶の溶融粘度は著しく
低く、またせん断流動下ではせん断速度が大きいほど溶
融粘度が低いことが知られている。
サーモトロピツク液晶を流動・配向させる方法として、
小さなノズルから液晶を吐出させる方法がある。すなわ
ち、押出成形では小さなダイスからサーモトロピツク液
晶を吐出させる時のせん断応力により、押出方向に高分
子鎖を配向させることができる。このように配向した液
晶は、降温後もその配向状態を維持し、配向方向の線膨
張率は低く、かつ高い弾性率を有する。
サーモトロピツク液晶を流動・配向させる別の方法とし
て、押出成形時、流動延伸することにより、押出方向に
おける最終的な樹脂成形品の断面積をダイ出口での断面
積より小さくする方法がある。すなわち、樹脂を引落す
ことにより、押出方向に分子鎖を配向させる方法であ
る。このようにして成形された配向液晶も低い線膨張率
と高い弾性率を有する。
サーモトロピツク液晶は既述のように、せん断応力ある
いは流動延伸により高度に分子配向する。しかし、分子
配向の程度は配向時の樹脂温度に著しく依存する。一般
に、樹脂温度が高い場合、分子配向は起り難く、配向度
は低くなる。他方、樹脂温度が低い場合、分子配向は起
りやすく配向度は高くなる。配向度の増加と共に配向方
向の線膨張率は低下し、ヤング率は増加する。したがつ
て、特性の安定した成形品を得るためには、配向時の樹
脂温度を正確に制御する必要がある。
サーモトロピツク液晶は配向と共に線膨張率は低下し、
ヤング率は増加する。同時に配無の増加と共に破断伸び
が減少する。破断伸びの減少は成形品がロッドあるいは
チユーブの場合、曲げ耐性の低下をもたらす。すなわ
ち、容易に折れ、破断する現象をもたらす。曲げに対し
て折れ難くするためには、サーモトロピツク液晶の配向
度の制御と共に、液晶自体の材料物性の制御が必要であ
る。このためには、サーモトロピツク液晶を柔軟性のあ
る他のポリマーとブレンドして曲げ特性を改善すること
が有効である。
本発明においては、サーモトロピツク液晶性を示す熱可
塑性樹脂と他のポリマーとをブレンドしたものを二次被
覆材料として用いる。上述したようにサーモトロピツク
液晶は液晶自体の特性と同時に、加工条件すなわち配向
条件によつてその物性が著しく変わる。したがつて、柔
軟性に富み、低線膨張率・高弾性率な光フアイバ心線を
得るためには二次被覆材料並びにその加工条件の適切な
範囲を明確にする必要がある。以下、本発明に用いられ
る熱可塑性樹脂及びその押出被覆条件について詳述す
る。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリエチレ
ンテレフタレート(以下、PETと略記する)とp−オ
キシ安息香酸(以下、POBと略記する)からなるサー
モトロピツク液晶性を示す熱可塑性樹脂と他のポリマー
とをブレンドしたものを用いる。
PET及びPOBからなるサーモトロピツク液晶は、主
に下記の(A)、(B)及び(C)で表される各基: (A) (B)−O−CH2−CH2−O− (C) を包含し、かつ基(A)及び(B)を等量含むところの液晶ポ
リマーである。基(C)の組成によつて、上記共重合体の
液晶性が変化する。
第1図にせん断速度 が1×103sec-1、引落比(λ)が1でせん断配向させた
PET/POB共重合体の20℃における線膨張率(α)
のPOBモル%依存性を示す。すなわち、第1図はPET
/POB共重合体における線膨張率(10-5-1)(縦
軸)とPOB含有量(モル%)(横軸)との関係を示し
たグラフである。第1図から光フアイバ心線二次被覆層
のαとして1×10-5-1を要求条件とすると、POB
組成比としておよそ40モル%以上必要であることがわ
かる。
第2図に λ=1でせん断配向させた上記共重合体の高温における
熱収縮率のPOBモル%依存性を示す。すなわち第2図
は、熱収縮率(%)(縦軸)と収縮温度T(℃)又は1/k×1
-3(k-1)(横軸)との関係を示すグラフである。第
2図から明らかなようにPOB含量の増加と共に熱収縮
開始温度は高くなり、熱収縮率も低下する。また、光フ
アイバ心線の最高使用温度を80℃と考えると、80℃
で熱収縮がないためにはPOB含量として40モル%以
上必要であることがわかる。線膨張率及び高温収縮率に
関する第1図及び第2図の結果より、POB含量として
おおむね40モル%以上必要であることがわかる。
第3図にヤング率(E)とPOBモル%の関係を示す。す
なわち第3図はヤング率(GPa)(縦軸)とPOB含有
量(モル%)(横軸)との関係を示すグラフである。第
3図から明らかなように、POB含量が40モル%でE
4GPa となる。第4図にαとEの関係を示す。すなわ
ち第4図は線膨張率(10-5-1)(縦軸)とヤング率
(GPa)(横軸)との関係を示すグラフである。第4図
から、Eが4GPa以上になると、どのような加工条件で
作製してもαが1×10-5-1以下になることがわか
る。この結果は、二次被覆層のEの下限が4GPaである
ことを示している。
PET/POB共重合体のPOBモル%の増加と共に、
配向方向に低α、高E変が進む反面、配向方向の破断伸
びが著しく低下する。すなわち、曲げにより容易に破断
するという欠点が現れる。光フアイバ素線(被覆外径
0.4mm)にPET/POB(=30/70)を二次被
覆したフアイバ(外径1mm)では曲げ半径4mmで二次被
覆層が破断した。この許容曲げ半径は配向条件により変
化するが、通常の押出条件の範囲内である限り、POB
含量依存性が最も大きい。
このPOB含量と許容曲げ半径の関係について検討した
結果、POB含量の増加と共に、許容曲げ半径が増加す
ることがわかつた。光フアイバ心線のハンドリングの容
易さ等を考慮すると、許容曲げ半径としておよそ4mm程
度必要である。したがって、本発明におけるPET/P
OB共重合体のPOB含量の上限は80モル%である。
また、α及び高温収縮に関する結果からみても、POB
含量は大い必要はない。以上の点より、POB含量の範
囲として40〜80モル%とするのが妥当である。
このPET/POB共重合体の破断伸びを向上し、光フ
アイバ心線の柔軟性及び許容曲げ半径を更に改善するに
は、PET/POB共重合体と他のポリマーとのブレン
ド物を二次被覆材料として使用することが必要である。
本発明者等はPET/POB共重合体と種々のポリマー
とのブレンド化を試み、その結果ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、熱可塑性ポリエ
ーテルエステル(商品名:Hytrel等)、ポリカーボネー
ト、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合
体)、ポリアリレート(商品名:Uポリマー)、ポリエ
ーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフエニレンスルフ
イド、ポリエーテル、熱可塑性ポリオレフインエラスト
マー(住友TPE等)をブレンド用ポリマーとして用い
れば、破断伸びが増加することがわかつた。ブレンド物
の破断点伸びはブレンド用ポリマーの含有率が5重量%
以上の領域で含有率の増加と共にゆるやかに増加する。
一方、上記ブレンド用ポリマーをブレンドした場合には
ブレンド物の線膨張率、ヤング率はブレンド用ポリマー
の含有率が60重量%以上で急激に変化し、線膨張率は
増加し、ヤング率は低下する。特に線膨張率は60重量
%以上、ブレンド用ポリマーを加える場合には1×10
-5-1の上限を越える。したがつてPET/POB共重合
体と上記ポリマーをブレンドする場合には、ブレンド用
ポリマーを5〜60重量%の範囲内で含むことが必要で
ある。
本発明においては、二次被覆材料は220℃〜320℃
の押出温度内で溶融押出被覆されねばならない。サーモ
トロピツク液晶において、固体状態から流動性を有する
液晶状態への転移点を液晶転移温度と呼び、直交ニコル
下でホツトステージマイクロスコープで上記転移温度を
観察すると、PET/POB共重合体の場合、および2
20℃であることがわかつた。したがつて、押出温度の
下限は220℃である。更に押出温度を上げると、液晶
性を示す光学的異方性層の中に液晶性を示さない光学的
等方性層が現れてくる。PET/POB共重合体の場
合、約320℃において光学的等方性層が現われる。本
発明においては押出方向に分子配向した二次被覆層を形
成すること目的とするため、押出温度の上限を320℃
とする。第5図にヤング率(E)(GPa)(縦軸)と押出温
度(ダイ温度)(℃)(横軸)との関係をグラフで示す。
押出温度の増加と共に、Eは低下する。第5図からダイ
温度220〜320℃の範囲で、Eは10〜30GPa の
範囲にあり、第4図よりαは1×10-5-1以下である
ことがわかる。また、PET/POB共重合体は高温にお
いて熱劣化が生じ、重量減少がある。第6図に熱劣化特
性を示す。すなわち第6図は重量減少率(%)(横軸)と
温度(℃)(横軸)との関係を示すグラフである。第6図
から明らかなように300℃付近から徐々に重量減少が
始まり、350℃付近から急激に減少する。したがつ
て、熱劣化の点からみても、押出温度の上限を約320
℃と限定することは妥当である。
本発明においては、該二次被覆材料をダイ内壁あるいは
ダイ内壁とニツプル外壁間でせん断応力によつて押出方
向に分子配向させるが、この時のせん断速度 は1×102sec-1以上でなければならない。第7図にP
ET/POB共重合体をλ=1で押出成形した時のαと の関係をグラフで示す。すなわち第7図は線膨張率(1
-6-1)(縦軸)とせん断速度(sec-1)との関係を
示すグラフである。第7図から明らかなように、 の増加と共にαは低下するが、 で、α1×10-5-1となる。したがつて、 の下限は1×102sec-1である。被覆速度の増加と共に は増加する。
の上限は特に限定するものではないが、 の増加と共に配向が進みEは高く、破断伸びは減少す
る。その結果、心線許容曲げ径は大きくなる。したがつ
て、 はできうる限り1×102sec-1に近い値になるように押
出条件を設定することが望ましい。
本発明においては、二次被覆材料である熱可塑性樹脂を
ダイを出た後に溶融状態において延伸することもありう
る。この場合においても、引落比(λ)は1〜10の範囲
でなければならない。ここでλは λ=S0/S で定義され、S0はダイリツプにおける樹脂断面積、Sは
二次被覆後の被覆層の断面積である。したがつて、λ=
1は引落しがない場合に相当する。連続的に安定した押
出を行うためには、少なくともλが1以上でなければな
らない。第8図にPET/POB共重合体を用い、押出
温度240℃、 で分子配向させた時のEの変化をE(縦軸)と引落比
(横軸)との関係のグラフで示す。第8図から明らかな
ようにλの増加と共にEは増加する、樹脂1の場合、λ
=10でEが約30GPaになる。Eの増加と共に心線の
許容曲げ半径が大きくなる。したがつて、Eは4GPa以
上の範囲内において、できる限り小さい方が良く、λの
上限は大きくとも10以下に限定することが望ましい。
本発明による低線膨張率被覆光フアイバ心線は従来の心
線に比較し、原理的に高速被覆が可能である点で大きく
異なる。すなわち、従来のタイト構造型フアイバ心線の
場合、押出過程における配向をできうる限り緩和させる
ため、十分に長い徐冷工程を必要とした。もし、この冷
却工程が十分でない場合、ポリアミド樹脂等の配向緩和
が通常の使用温度で生じるため、被覆層の収縮があり、
フアイバマイクロベンデイングロスが増加する。既に述
べたように、二次被覆工程の高速化に伴い、それに見合
う十分な徐冷工程を設置することは現実的に不可能であ
る。そのため、二次被覆層の配向緩和がネツクとなり高
速化ができない。他方、本発明による液晶性熱可塑性樹
脂を二次被覆として用いる場合、被覆工程において分子
鎖を積極的に配向させ、低線膨張率化している。これは
第2図において示したように、液晶性熱可塑性樹脂の配
向の緩和が通常の使用温度で生じないことを利用してい
る。したがつて本発明の光フアイバ心線を製造する場
合、徐冷工程を必要とせず、短い冷却工程によつて急冷
を行えば良い。これは高速被覆性において極めて大きな
利点となる。本発明者等は比較的短い二次被覆ラインに
おいて、被覆速度300m/分が達成できることを確認
した。
以上、低線膨張率光フアイバ心線に関する材料及び押出
条件について述べた。
〔実施例〕
以下本発明を実施例により更に具体的に説明するが本発
明はこれに限定されない。なお、実施例1〜9は参考例
である。
実施例1及び比較例1 POB含量の下限に関して表1に示す条件で実験を行つ
た。得られた二次被覆層の特性を下記表1に示した。
実施例2及び比較例2 POB含量の上限に関して表2に示す条件で実験を行つ
た。得られた二次被覆層の特性を下記表2に示した。
実施例3〜5及び比較例3 せん断速度 の下限に関して表3に示す条件で実験を行つた。得られ
た二次被覆層の特性を下記表3に示した。
実施例6、7及び比較例4、5 引落被(λ)の上限に関して表4に示す条件で実験を行つ
た。得られた二次被覆層の特性を下記表4に示した。
実施例8及び9 押出温度の上限に関して表5に示す条件で実験を行つ
た。得られた二次被覆層の特性を下記表5に示した。
実施例10及び11 ブレンド効果に関して表6に示す条件で実験を行つた。
得られた二次被覆層の特性を下記表6に示した。なお表
6においてHyは熱可塑性ポリエーテルエステル、商品名
Hytrelの略称である。
〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明の光フアイバ心線は、フア
イバ長さ方向に高度に分子配向させて低線膨張率かつ高
弾性率を示す液晶性熱可塑性樹脂と他の柔軟性に富んだ
ポリマートとをブレンドして二次被覆層としているの
で、使用温度の変化による伝送損失の増加がく、屈曲性
に優れた光フアイバ心線を得ることできる。また、徐冷
処理が不要であるため高速被覆が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図はPET/POB共重合体における、線膨張率と
POB含有量との関係を示すグラフ、第2図は熱収縮率
と収縮温度との関係を示すグラフ、第3図はヤング率と
POB含有量との関係を示すグラフ、第4図は線膨張率
とヤング率との関係を示すグラフ、第5図はヤング率と
押出温度との関係を示すグラフ、第6図は重量減少率と
温度との関係を示すグラフ、第7図は線膨張率とせん断
速度との関係を示すグラフ、第8図はヤング率と引落比
との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 進三 茨城県那珂郡東海村大字白方字白根162番 地 日本電信電話公社茨城電気通信研究所 内 (56)参考文献 特開 昭58−202405(JP,A) 特公 平1−40962(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光フアイバと一次被覆層からなる光フアイ
    バ素線の外周に、溶融液晶性を示す熱可塑性樹脂を二次
    被覆してタイト構造型とした光フアイバ心線において、
    該二次被覆用熱可塑性樹脂が、少なくとも0.3の固有
    粘度をもち、下記の(A)、(B)及び(C) 式で表される各
    基: (A) (B) −O-CH2-CH2-O− (C) を包含し、かつ基(A)及び基(B)を37.5〜16.7モ
    ル%ずつ等量含み、基(C) を25.0〜66.6モル%
    含むポリマーの40〜95重量%と、他の熱可塑性樹脂
    の60〜5重量%とからなるものであることを特徴とす
    る低線膨張率被覆光フアイバ心線。
JP59104673A 1984-05-25 1984-05-25 低線膨張率被覆光フアイバ心線 Expired - Lifetime JPH0627888B2 (ja)

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