JPH0833475A - 付着性動物細胞の培養基体 - Google Patents

付着性動物細胞の培養基体

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JPH0833475A
JPH0833475A JP19229894A JP19229894A JPH0833475A JP H0833475 A JPH0833475 A JP H0833475A JP 19229894 A JP19229894 A JP 19229894A JP 19229894 A JP19229894 A JP 19229894A JP H0833475 A JPH0833475 A JP H0833475A
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animal cells
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JP19229894A
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Shigeru Matsuo
松尾  繁
Masato Nishimura
正人 西村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 素材として安価であると共に物性的に安定か
つ耐熱性も大きく、しかも実際の動物細胞の培養に際し
ては、動物細胞を極めて高い効率で付着、伸展させ、高
密度に増殖させることができ、所望の代謝生成物を効率
よく生産することができる付着性動物細胞の培養基体を
提供することである。 【構成】 繊維集積体である固体床及び該固定床の繊維
表面に設けられた付着性動物細胞の培養床からなり、該
固定床は耐熱性120℃以上かつ繊維径20〜60μm
の繊維からなり、該繊維が繊維表面積10〜30m2
3 かつ空隙率90%以上で互いに絡み合って形成され
ている繊維集積体である付着性動物細胞の培養基体にお
いて、該培養床は水酸基と低級アルキル基を有し、表面
張力が35〜72dyn/cmである中性の合成高分子
を含む層であることを特徴とする付着性動物細胞の培養
基体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、付着性動物細胞の培養
基体に関するものであり、特に付着性動物細胞の高密度
培養を実施し得る培養基体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種動物細胞を器内で培養し、そ
の増殖過程において動物細胞が産生する生理活性物質を
取得して医薬品として実用することが行われており、こ
のような生体外における動物細胞の培養による生理活性
物質の生産は、最近特に注目を浴びている。かかる生産
においては、生理活性物質を選択的かつ連続的、効率的
に生産することが重要であり、現在までに多くの培養技
術が開発された。
【0003】多くの動物細胞培養技術を大別すると、動
物細胞自体を培地の水溶液中に浮遊させた状態で増殖さ
せる“浮遊増殖法”、動物細胞をアクリル酸エステル類
等の重合体やデキストラン、セルローズ、キチン等から
なる皮膜形成物質による多孔性皮膜で被覆、包埋してマ
イクロカプセルとし、これを培地の水溶液中に浮遊させ
た状態で増殖させる“マイクロカプセル増殖法”、動物
細胞をガラスやセラミック等からなる径200μm程度
のマイクロビーズに吸着固定化し、これを懸濁状態で増
殖させる“マイクロビーズ増殖法”、細胞を固定した多
孔性担体上に付着させ、担持し、この状態で培地の水溶
液を供給して動物細胞を増殖させる“付着担持増殖法”
などがある。
【0004】このうち、“付着担持増殖法”に属する培
養方法として、例えば特開平4−63584号公報には
「バイオリアクター装置」なる発明について開示されて
いるが、このバイオリアクター装置によれば、生理活性
物質を選択的かつ連続的、効率的に生産することが可能
である。この発明においては、その目的を達成するた
め、装置の構成に工夫を凝らすと共に、この装置内に配
置して動物細胞を付着させる培養基体(担体)にも工夫
がなされている。即ち、その発明においては、例えば不
織布等の網状をなす繊維にアテロコラーゲン、光架橋反
応基を有するポリビニルアルコール、ポリペプチド等の
ごとき動物細胞に対して高い親和性と接着性を示す培養
床の層を設け、これを動物細胞の培養基体としている。
この外、動物細胞培養基体として不織布を用いた例とし
ては、WO88/02398号公報、特開昭64−34
276号公報及び特開平2−154685号公報等にも
種々開示されたものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記これらの
技術では、不織布は1.0d(約0.6μmに相当)以
下の太さの繊維のものであって極めて細く、不織布を構
成する繊維径や空隙率及び厚さ等が細胞の付着・培養に
不適当であったり、また不織布素材及び繊維表面の極性
や親水性や平滑性が不適切であるために繊維表面へ細胞
を付着・培養するための培養床のコーティングが不均一
になったりして、細胞の高密度培養のための目的を十分
に達成することができなかった。
【0006】さらに、従来動物細胞の培養床としては、
一般にコラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、ラミ
ニン、レクチン、フィブリンあるいはフィブリノーゲン
等の天然のポリペプチド系高分子を固定床に塗布した
後、不溶化処理を施すことによって形成していたが、こ
れらの天然のポリペプチド系高分子による培養床は、物
理化学的に安定性が乏しく変成し易く、耐熱性も悪くて
オートクレーブ滅菌に適していないだけでなく、極めて
高価であった。従って、工業的に安価であり、かつ優れ
た動物細胞培養床を供給することが要求されていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記従来
技術のもつ問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、
下記のごとき動物細胞を高密度に培養することが可能な
基体を作成することに成功し、従来の静置培養や多孔性
担体による培養に比べて数倍乃至数10倍の高効率な生
物化学的反応を行わせることを実現し、本発明をなすに
至ったものである。即ち、本発明は、繊維集積体である
固体床及び該固定床の繊維表面に設けられた付着性動物
細胞の培養床からなり、該固定床は耐熱性120℃以上
かつ繊維径20〜60μmの繊維からなり、該繊維が繊
維表面積10〜30m2 /m3 かつ空隙率90%以上に
互いに絡み合って形成されている繊維集積体である付着
性動物細胞の培養基体において、該培養床は水酸基と低
級アルキル基を有し、表面張力が35〜72dyn/c
mである中性の合成高分子を含む層であることを特徴と
する上記培養基体であり、特に該合成高分子が、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体、水酸基を有するポリア
クリル酸誘導体、水酸基を有するポリメタクリル酸誘導
体、又は後2者の共重合体であることを特徴とする付着
性動物細胞の培養基体である。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の付着性動物細胞の培養基体は、基本的には繊維集
積体からなる固定床及び各繊維の表面に塗設された培養
床からなる。培養の対象である各種動物細胞は、数ミク
ロンの大きさであり、この動物細胞が培養床に付着し、
固定、伸展するに適した繊維径は、約20〜60μmで
あり、かつ表面が平滑な単繊維から構成され、繊維充填
密度が10%以下で厚さ10mm以内、繊維表面積10
〜30m2 /m3 の物性を有する繊維集積体(例えばそ
のような不織布)を付着性動物細胞の固定床とする。こ
の繊維集積体の素材としては、上記物性を有しかつオー
トクレーブ滅菌可能な耐熱性を有し、かつ表面に塗設す
る培養床と親和性を有し、均一に塗布できるのである。
合成高分子としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリ
ウレタン、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリ
ル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、レー
ヨン、メチルメタクリレート、ポリスルホン、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホキシド、ポリ
カーボネート、ポリフォスファゼン、ポリアセタール、
ポリ塩化ビニル及び親水性ポリオレフィン等の素材で、
これらをプラズマ処理するか、陰イオン性の親水性を付
与した合成繊維系不織布などがある。また、天然高分子
としては、不溶化処理して耐熱性をもたせたコラーゲ
ン、キトサン、キチン、セルローズ系繊維からなる不織
布も使用される。しかしながら、その特性と価格の点を
考慮すれば、好ましくはポリエステル系合成高分子ある
いはポリアミド系合成高分子の不織布が挙げられる。
【0009】これらの繊維集積体の繊維の全表面には、
培養床として水酸基と低級アルキル基を有し表面張力が
35〜72dyn/cmである中性の合成高分子の薄層
を塗設し、不溶化するのである。水酸基と低級アルキル
基を有する中性合成高分子において、水酸基としては脂
肪族炭化水素鎖に直接結合し、あるいはその側鎖にエス
テル結合したものである。また低級アルキル基として
は、炭素数2〜6、好ましくは2〜3の低級アルキル基
である。そしてこの中性高分子は、表面張力が35〜7
2dyn/cmを呈する。この表面張力の値は、高分子
のHLB値にも対応し、表面張力が35〜72dyn/
cmを呈する高分子であることは、親油性と親水性のバ
ランスがとれた適正なHLB値を有する物質であること
を示している。
【0010】このような高分子としては、特に好ましく
はエチレン−ビニルアルコール共重合体、水酸基を有す
るポリアクリル酸誘導体、水酸基を有するポリメタクリ
ル酸誘導体、又は後2者である水酸基を有するポリアク
リル酸誘導体と水酸基を有するポリメタクリル酸誘導体
との共重合体である。エチレン−ビニルアルコール共重
合体としては、エチレン/ビニルアルコールのモノマー
組成比では、30/70〜50/50のものが特に好ま
しく、水酸基を有するポリメタクリル酸誘導体の例とし
てのポリ(2−ヒドロキシエチル)メタクリレートの共
重合体としては、特に該モノマー単位を共重合体で30
%以上含む共重合体が好ましい。さらにこの合成高分子
の分子量としては、数万〜百万程度のものであり、特に
10万〜50万程度のものが好ましい。
【0011】この高分子を濃度0.1〜0.5重量%の
アルコール溶液あるいはアルコール水溶液として塗布す
る。通常は、固定床である繊維集積体を上記の溶液中に
浸漬した後、被塗物を真空脱気して繊維集積体の内部に
存在する気泡を完全に除去して塗布溶液が繊維の全表面
に塗布されるようにし、均一な積層を形成するようにす
る。その後、過剰な塗布液を搾りとって除去し、クリー
ンベンチ内で空気乾燥して培養床を形成させる。
【0012】本発明の培養基体を用いて培養される動物
細胞としては、目的とする代謝生成物によって自由に選
択することができ、例えばT細胞、B細胞、キラー細
胞、ヒト腫瘍細胞、繊維芽細胞、リンパ球、リンパ芽細
胞、EBウイルス変異細胞、肝細胞、腎細胞、表皮細
胞、骨髄細胞、マクロファージ、血管内皮細胞、平滑筋
細胞、肝実質細胞、膵β細胞、上皮細胞、小腸細胞、乳
腺細胞、乳腺上皮細胞、唾液腺細胞、甲状腺細胞、生体
由来骨格筋細胞、ヒト皮膚細胞等がある。これらの細胞
は水等の溶媒に対して103 〜105 セル/ml程度の
濃度に混合、分散して前記培養基体の培養床に付着させ
る。
【0013】さらに培養する動物細胞に供給する培養液
の例としては、各種の必須アミノ酸、各種ビタミン類、
グルコース等の糖類、牛胎児血清培地、無血清培地、ヒ
ト血清培地等の血清の成分が挙げられる。これらは1〜
100g/リットル程度の濃度の水溶液の形態で供給す
ることが好ましい。さらに、動物細胞に供給する基質
は、目的とする代謝生成物によって自由に選択すること
ができるが、例えば各種の必須アミノ酸、各種ビタミン
類、グルコース等の糖類、血清の成分が挙げられ、これ
らも、1〜100g/リットル程度の濃度の水溶液の形
態で供給することが好ましい。これら培養成分と基質と
は同一物質を使用することがあるが、培養成分は動物細
胞を増殖させるためのものであり、他方基質は、動物細
胞から目的に応じた代謝生成物を得るものである点が異
なる。
【0014】このようにして培養床から生成することが
できる代謝生成物の例としては、治療用ワクチン、イン
シュリン、レニン、イムノグロブリンM、フィブリノー
ゲン、アルブミン、リンホカイン、インターフェロン、
ウロキナーゼ、成長ホルモン、モノクローナル抗体、癌
抗体、ホルモン、細胞増殖因子、各種の酵素などの生理
活性物質が挙げられ、これらは代謝生成液から抽出され
て精製される。
【0015】繊維径20〜60μmの均一でかつ表面が
平滑な単繊維から構成された繊維集積体を固定床に使用
した場合には、繊維表面の曲率が細胞の付着、増殖、伸
展に適していて、細胞は、まず繊維の左右両端に接着固
定化された後、培養の進行と共に次第に繊維表面に沿っ
て中央部に伸展し、繊維周辺に巻きつくような形にな
り、やがて繊維全面が増殖した細胞で覆われるようにな
る。そしてさらに増殖が進展すると細胞が幾重にも積層
した状態で増殖が認められるようになる。また不織布の
空隙率が90%以上で繊維表面積として10〜30m2
/m3 、厚さ10mm以下の場合には新鮮な培地や酸素
の基体内部までの均一な供給と拡散に適していて、かつ
細胞の高密度培養に丁度適切な多孔性構造を提供する。
【0016】
【作 用】このような多孔性の繊維集積体を用いる固定
床と共に、特に本発明において特徴的な水酸基と低級ア
ルキル基を有し表面張力が35〜72dyn/cmであ
る中性の合成高分子の薄層を培養床とする場合には、動
物細胞は、培養床に強く接着し固定するので、培養時の
培地等の液の流動による細胞への影響や細胞相互の接触
による細胞の失活も少なくかつ還流培養法により絶えず
新鮮な培地や酸素が細胞に供給させると共に生成する細
胞増殖阻害物質を連続的に系外に取り除きつつ目的の最
終生理活性物質を取得できる。本発明の培養基体は、所
望の強度と熱安定性を有し、かつ安価な合成高分子を素
材としながらも、このように付着性動物細胞を高密度に
培養することが可能である。
【0017】
【実施例】次に本発明の方法を実施例に基づき具体的か
つ詳細に説明する。しかし、本発明の内容がこれらに限
定されるものではない。 実施例1 (1)培養基体(試料)の作成 繊維径55μmの高融点ポリエステル繊維(融点220
℃)を90重量%と繊維径39μmの低融点ポリエステ
ル繊維(融点120℃)を10重量%含有する繊維集積
体からなり、空隙率90%以上で繊維表面積30m2
3 、厚さ6mmに形成したポリエステル不織布を蒸留
水(水温60℃)を用いて不織布から溶出物質が認めら
れなくなるまで洗浄し、その後温度80℃の下で6時間
乾燥させた。
【0018】他方、エチレン−ビニルアルコール共重合
体(共重合組成:エチレン/ビニルアルコール=33/
67(モル比)、分子量:約20万)をn−プロピルア
ルコール水溶液(濃度72重量%)に溶融して0.5重
量%溶液を調製し、この溶液中に前述のごとく洗浄、乾
燥した不織布の所定寸法に裁断したものを90分間浸漬
し、繊維の全表面に共重合体溶液を均一に塗布した。し
かる後、塗布した不織布を取り出し、余分な溶液を搾り
取り、その後クリーンベンチ(室温)内で20時間風乾
した。このようにして不織布の繊維の全表面にエチレン
−ビニルアルコール共重合体の薄層を均一に形成させた
培養基体(試料1)を作成した。
【0019】さらに、前述の洗浄、乾燥した不織布の他
の裁断片をポリ(2−ヒドロキシエチル)メタクリレー
トのメタノール溶液中に30分間浸漬して、その後試料
1の場合と同様な操作を行って不織布の繊維の全表面に
ポリ(2−ヒドロキシエチル)メタクリレートの薄層を
均一に形成させた培養基体(試料2)を作成した。
【0020】(2)培養基体の滅菌処理 上記のごとく作成した培養基体のうち試料1について、
蒸留水で3回、燐酸緩衝液及びエタノールで2回ずつ洗
浄し、また試料2については蒸留水で3回、燐酸緩衝液
で2回洗浄し、乾燥器(温度60℃)中にて乾燥させ
た。それぞれ試料を平板型バイオリアクターに充填セッ
トし、燐酸緩衝液を満たしてそのままオートクレーブ
(温度121℃ 圧力2kg/cm2 )により15分間滅
菌処理を施した。
【0021】(3)培養基体への動物細胞の付着と培養 次いでバイオリアクターから燐酸緩衝液を出来るだけ除
去した後、子牛血清10重量%を含むDMEM培地で1
日予備処理を行い、その後この培地を除去したのち、ヒ
トレニン産出γ−CHO−Ar2細胞を3×105 セル
/ml含む細胞接種溶液をバイオリアクターの下部より
セル内に導入して培養基体を細胞接種溶液に完全に浸漬
し、12時間静置して細胞を培養床に付着させた。
【0022】細胞を付着させた後、予め用意した培地タ
ンクから1g/リットルのグルコースを含む子牛血清の
5重量%水溶液(培地)を11cm/時間の流速で循環
させた。循環中、細胞培養と増殖によるグルコース濃度
の低下に伴って20〜30時間毎に新鮮な培地40ml
を添加して培地の交換を行いながら細胞培養を188時
間行った。
【0023】(4)細胞培養後の測定 細胞培養後、各試料について糖消費速度と培養床におけ
る細胞濃度を測定したところ、次のごとき結果が得られ
た。試料1(培養床:エチレン−ビニルアルコール共重
合体の薄層)の培養基体では、細胞濃度は7.64×1
5 セル/ml担体、最終糖消費速度は2.68×10
-4M/時間であった。また、試料2(培養床:ポリ(2
−ヒドロキシエチル)メタクリレートの薄層)では、細
胞濃度は、6.46×105 セル/ml担体、最終糖消
費速度は2.74×10-4M/時間であった。
【0024】これらの培養基体の培養床は、いずれも従
来から使用されてきたアテロコラーゲン系培養担体膜
(その最終糖消費速度は2.64×10-4M/時間)と
比較すると、これに匹敵するか又は上回る効果を示し
た。以上の結果から、本発明に基づく合成高分子からな
る培養床は、細胞の付着、伸展、培養に適していて、細
胞の高密度の培養ができることが確認された。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、培養基体の固定床とし
ての繊維集積体の繊維表面に親水性の水酸基と疎水性の
アルキル基を含み、かつ適度の表面張力(HLBに対
応)を示す中性の高分子物質を塗布し、不溶化すること
により得られる培養基体は、素材として安価であると共
に物性的に安定かつ耐熱性も大きく、しかも実際の動物
細胞の培養に際しては、動物細胞を極めて高い効率で付
着、伸展させ、高密度に増殖させることができるので、
所望の代謝生成物を効率よく生産することができるとい
う有用な効果が奏せられる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維集積体である固体床及び該固定床の
    繊維表面に設けられた付着性動物細胞の培養床からな
    り、該固定床は耐熱性120℃以上かつ繊維径20〜6
    0μmの繊維からなり、該繊維が繊維表面積10〜30
    2 /m3 かつ空隙率90%以上で互いに絡み合って形
    成されている繊維集積体である付着性動物細胞の培養基
    体において、該培養床は水酸基と低級アルキル基を有
    し、表面張力が35〜72dyn/cmである中性の合
    成高分子を含む層であることを特徴とする付着性動物細
    胞の培養基体。
  2. 【請求項2】 該合成高分子は、エチレン−ビニルアル
    コール共重合体、水酸基を有するポリアクリル酸誘導
    体、水酸基を有するポリメタクリル酸誘導体、又は後2
    者の共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の
    付着性動物細胞の培養基体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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