JPH08332478A - リンス水の浄化方法 - Google Patents

リンス水の浄化方法

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JPH08332478A
JPH08332478A JP16706795A JP16706795A JPH08332478A JP H08332478 A JPH08332478 A JP H08332478A JP 16706795 A JP16706795 A JP 16706795A JP 16706795 A JP16706795 A JP 16706795A JP H08332478 A JPH08332478 A JP H08332478A
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oil
water
rinse water
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Keisen So
慶泉 蘇
Hiroaki Sato
広昭 佐藤
Katsuhiko Tokunaga
雄彦 徳永
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属部品等の工業製品からの汚れを水系洗浄
液で洗浄したものをさらにリンス処理したリンス水の浄
化に用いる安価でしかも効率よい浄化方法及びその装置
を提供すること。 【構成】 曇点温度が20℃〜40℃の範囲にある低曇
点非イオン系界面活性剤の沈降性分子会合体を繊維状充
填物の表面に担持させた繊維状充填物の充填層に、非イ
オン系界面活性剤成分及び油分を含むリンス水を上向流
で通水して、非イオン系界面活性剤成分及び油分粒子を
前記繊維状充填物上に付着、粗大化させ、粗大化した油
分粒子を含むリンス水を油水分離槽に導いて油分を分離
するリンス水の浄化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】金属部品、半導体ウエハー、ガラ
スや液晶等の工業製品の製造過程において、製品または
中間製品を非イオン系界面活性剤を含む水系洗浄液によ
り洗浄した後、さらにリンス水により洗浄する製品また
は中間製品の洗浄技術に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで工業洗浄剤として広く使われて
きた塩素系有機溶剤のフロンやトリクロロエタンはオゾ
ン層破壊物質であることが確認されたために国際的取り
決めで1995年までに製造中止となった。そうした中
で、フロン・トリクロロエタン代替洗浄剤の開発が急務
となっており、界面活性剤やアルカリを主成分とする水
系洗浄剤、アルコールやグリコールエーテルの有機溶媒
に水を配合した準水系洗浄剤、及び炭化水素系溶剤に代
表される非水系洗浄剤等が主流となりつつある。
【0003】しかしながら、非水系洗浄剤の場合は、洗
浄剤そのもので洗浄するためにランニングコストが高
く、又、その多くは可燃性物質なので、洗浄装置には防
爆仕様が必要で高価となったり、あるいは大型化できな
いという難点を抱えている。一方、水系と準水系、とく
に水系の場合は、水あるいは温水を使用するか、または
大量の水で洗浄剤を希釈して使用するために、ランニン
グコストが安く、又、危険性物質でないので洗浄装置は
大型化が容易で比較的安価である。しかし、大量の水を
使用することは同時に、洗浄液の油水分離やリンス水の
排水処理設備が洗浄システムの不可欠な構成要素とな
る。
【0004】水系洗浄液(水系洗浄剤を用水等水で希釈
したもの。)等非イオン系界面活性剤を含む洗浄液を使
用して洗浄するシステムにおいて、洗浄工程の後にリン
ス工程が行われた場合、洗浄液による洗浄においてワー
クに付着していた洗浄液が、リンスを行う際にリンス槽
に持ち込まれるためにリンス水が徐々に汚れ、リンス効
果が低下する。従って、リンス水を長時間繰り返し使用
するためには持ち込まれた洗浄液の中の汚れ成分、すな
わち油分や洗浄剤成分(主として非イオン系界面活性剤
成分)を常時取り除く浄化処理が必要となる。また、水
系洗浄液使用して洗浄した後、さらにリンスを行うシス
テムにおいては、使用したリンス水は繰り返し使用でき
ることが望ましく、さらに、前記リンス水を浄化した際
にリンス水から分離された洗浄剤成分は洗浄槽に戻して
再使用することが望まれる。
【0005】リンス水の浄化処理方法には、従来技術と
して活性炭吸着法、限外濾過膜または逆浸透膜を用いる
膜分離法、蒸留減容法や繊維充填層を用いる付着法等が
ある。これら従来技術はそれぞれ課題を抱えている。例
えば、活性炭吸着法ではリンス水の吸着負荷が大きいの
でリンス水を直接に活性炭吸着処理すると活性炭が短時
間に飽和し、その交換費用が嵩む。膜分離法ではよい水
質が得られるが、膜の使用寿命が高い膜コストの割に短
い上に装置が高価である難点を抱える。蒸留減容法では
ランニングコストが高いことと、装置が大がかりで高価
であることが課題である。
【0006】洗浄力を担う界面活性剤としては、非イオ
ン系界面活性剤と陰イオン系界面活性剤とがあるが、洗
浄力の面から曇点温度が30〜60℃の範囲にある非イ
オン系界面活性剤を用いるケースが多い。水系洗浄剤は
使用に当たっては所定の濃度に水で希釈し水系洗浄液と
して使用する。非イオン系界面活性剤はその曇点温度以
下では水に溶解し、界面活性を示すが、曇点温度以上で
は親水性基が脱水和し、分子が会合して界面活性を失
い、液温がさらに高くなるとフロック状または液状の形
で沈殿する。逆に、液温が曇点温度以下に下がると一度
不溶性となった界面活性剤の親水性基が水和し、再び水
に溶解し、界面活性を回復するという性質をもつ。従来
技術の中で、特開平6−315681号公報に開示され
ているように、無機繊維またはその集合体の表面に水酸
化アルミニウムなどの水酸化物微粒子を担持させたもの
を充填してなるカートリッジをリンス水の浄化処理に用
いる公知技術がある。この公知技術は非イオン系界面活
性剤を主体とする水系洗浄液を用いる洗浄システムに対
し、リンス水に持ち込まれた汚染物質の中の非イオン系
界面活性剤の曇点以上にリンス水を加熱して、非イオン
系界面活性剤成分を沈降性分子会合体にした後にリンス
水を前記カートリッジに通水させることにより、非イオ
ン系界面活性剤成分及び油分をカートリッジに付着分離
するもので、さらに、付着飽和したカートリッジに対し
て冷たい(前記曇点温度以下の温度の)水を前記カート
リッジに通水することによりカートリッジを再生し、非
イオン系界面活性剤を高濃度に含んだ再生液を洗浄槽に
戻すことができるのが特徴である。
【0007】しかし、この公知技術において、水酸化物
微粒子を充填しないカートリッジを使用する場合ではリ
ンス水の浄化効果が小さい。一方、水酸化物微粒子を大
量に充填するカートリッジを使用する場合では効果が改
善されるが、カートリッジの圧力損失が大きく、目詰ま
りしやすい問題点がある。又、水酸化アルミニウム等の
水酸化物微粒子を充填したカートリッジを使用する場合
においては、pH9.0以上の油水分離すべき水系洗浄
液では、水酸化アルミニウムが溶解し、カートリッジの
性能が低下する問題点がある。さらには、カートリッジ
を製造する工程が煩雑で、カートリッジの製造工程で発
生する反応生成物の塩分や未反応の微量充填金属イオン
(例えば水酸化アルミニウムを充填する場合ではA
3+)を十分に水洗する必要があるため、製造コストが
嵩むなどの課題をも抱えている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の従来
技術の課題を克服し、安価でしかも高効率のリンス水浄
化方法及びその装置の開発に関するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者らは鋭意に研鑽を
重ねた結果、繊維または繊維の集合体等の繊維状充填物
を充填した充填層に、曇点温度が20〜40℃の範囲に
ある低曇点非イオン系界面活性剤(低曇点ノニオンとも
いう。)の沈降性分子会合体を担持させた繊維状充填物
を有する充填層に、非イオン系界面活性剤及び油分を含
む前記リンス水を50〜80℃の温度に加熱した後に、
上向流で通水することにより、非イオン系界面活性剤成
分及び油分を該充填層に付着させ、油分はさらに繊維状
充填物上で粗大化させて油分粒子としてリンス水に浮遊
させることができることを見出し、さらに、前記繊維状
充填物を充填した充填層に、低曇点ノニオン界面活性剤
の水溶液を曇点温度より高い温度に加熱した後に通液
し、前記非イオン系界面活性剤の沈降性分子会合体を繊
維状充填物の表面に予め担持させておくことができるこ
とを見出し本発明に達した。
【0010】上記課題は本発明の油水分離方法及び油水
分離装置によって解決される。即ち、本発明の非イオン
系界面活性剤成分及び油分を含むリンス水の浄化方法
は、(1)被洗浄物を非イオン系界面活性剤を含む水系
洗浄液により洗浄した後、リンス処理を行う工程におい
てリンス水により洗浄して発生する非イオン系界面活性
剤成分及び油分を含むリンス水を浄化する方法におい
て、繊維または繊維の集合体の充填物に、曇点温度が2
0℃〜40℃の範囲にある低曇点非イオン系界面活性剤
の水溶液を該曇点温度より高い温度に加熱した後に通液
し、前記低曇点非イオン系界面活性剤の沈降性分子会合
体を前記繊維または繊維の集合体の充填物の表面に担持
させた充填層に、非イオン系界面活性剤及び油分を含む
前記リンス水を50〜80℃の温度に加熱した後に、上
向流で通水することにより、非イオン系界面活性剤成分
及び油分を該充填層に付着させ、油分はさらに繊維状充
填物上で粗大化させて油分粒子としてリンス水に浮遊さ
せることを特徴とする非イオン系界面活性剤成分及び油
分を含むリンス水の浄化方法、好ましくは、(2)前記
リンス水に浮遊させた油分粒子をリンス水と共に油浮上
槽に導入し、油分粒子を浮上分離させることを特徴とす
る前記(1)に記載の非イオン系界面活性剤成分及び油
分を含むリンス水の浄化方法。さらに好ましくは、
(3)前記非イオン系界面活性剤及び油分を含むリンス
水から非イオン系界面活性剤成分及び油分をを前記充填
層に付着させ、非イオン系界面活性剤成分の付着飽和に
近づいた前記充填層に、リンス水、工場用水あるいは市
水からなる再生用水を20℃以下の温度で下向流方式で
通水させることにより、前記充填層の非イオン系界面活
性剤成分及び油分の付着能を回復せしめ、前記再生用水
は濃縮して非イオン系界面活性剤液として回収すること
を特徴とする請求項1に記載の非イオン系界面活性剤成
分及び油分を含むリンス水の浄化方法である。また、本
発明の油水分離装置に設置する繊維状充填物を有する充
填層は、(4)曇点温度が20℃〜40℃の範囲にある
低曇点非イオン系界面活性剤を該曇点温度以上に加熱し
て、前記繊維状充填物を有する充填層に通液して、該非
イオン系界面活性剤の沈降性分子会合体を前記繊維状充
填物の表面に担持せしめる方法によって非イオン系滑性
剤成分と油分付着機能を有し、特に油分粒子粗大化機能
を有する充填層とすることが好ましい充填層の調整方法
である。
【0011】前記充填層としてはカートリッジ式容器を
用いることで操作性が良好となるので好ましい。即ち、
先ず繊維または繊維集合体をカートリッジ容器に充填
し、カートリッジを準備する。次に、曇点温度が20〜
40℃の範囲にある低曇点非イオン系界面活性剤を水に
溶解し、溶解液をかかる曇点温度より高い温度に加熱し
て非イオン系界面活性剤成分を水不溶性の沈降性分子会
合体にしておく。この操作で溶解液は透明状態から白濁
状態に変わる。そして、準備したカートリッジに白濁状
態の溶解液を通液して水不溶性の沈降性分子会合体の非
イオン系界面活性剤成分を繊維表面に担持させる。この
ようにして製造したカートリッジに、処理すべきリンス
水を50〜80℃に加熱した後に上向流の方式で通水
し、リンス水中の非イオン系界面活性剤の沈降性分子会
合体および油分を付着分離する。カートリッジを出たリ
ンス水をさらに油浮上槽に導入し、そこでカートリッジ
から流出した粗大の油分粒子を浮上分離する。そして、
非イオン系界面活性剤成分に対するカートリッジの付着
能力が飽和状態に近付いた時に、20℃以下のリンス水
または市水を下向流の方式でカートリッジに通水し、カ
ートリッジに付着した非イオン系界面活性剤を脱着して
カートリッジを再生する。一方、再生操作に伴って発生
した、非イオン系界面活性剤を高濃度に含んだ再生液を
洗浄液の補充液として洗浄槽に送液する。このようにし
て、リンス水を浄化しながら繰り返し使用すると共に持
ち出された洗浄剤を洗浄槽に戻すという、水系洗浄シス
テムにおけるリンス水処理に対する要望が達成されるの
である。
【0012】ここで、使用する非イオン系界面活性剤と
してはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
型、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型、ポリエチ
レングリコール型、ソルビタン脂肪酸エステル型、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型やプルロニ
ック型のいずれでも良い。また、かかる非イオン系界面
活性剤の曇点温度が20〜40℃の範囲にあればよい
が、25〜30℃の範囲がより好ましい。又、使用する
非イオン系界面活性剤の量は、繊維または繊維集合体の
充填層10リットルに対して非イオン系界面活性剤0.
5〜1.0リットルの比率でよい。本発明において繊維
または繊維集合体はその材質と種類が限定されるもので
はないが、例えばロックウール、スラグウールやセラミ
ックファイバーのような微細な無機質繊維の集合体が好
適である。また、油浮上槽の容積は通水するリンス水の
流量に対して5分間以下の滞留時間を有する大きさで充
分である。
【0013】
【作用】曇点温度が20〜40℃、好ましくは25〜3
0℃の範囲にある低曇点非イオン系界面活性剤、好まし
くはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型非
イオン系界面活性剤を用いて、カートリッジ容積10リ
ットルに対して0.5〜1.0リットルの比率に相当す
る量の上記非イオン系界面活性剤を濃度2%程度となる
ように水に溶解する。かかる溶解液を約50℃に加熱し
た後にカートリッジに通水し、カートリッジに充填した
繊維の表面に非イオン系界面活性剤の沈降性分子会合体
を予め担持させる。こうして製造したカートリッジに、
50〜80℃に加熱したリンス水を通水することによ
り、リンス水中の非イオン系界面活性剤の沈降性分子会
合体及び油分を付着分離することができる。油分に対す
るカートリッジの付着能力が飽和してから油分が粗大化
した粒子の形でカートリッジを流出するようになるが、
この場合に備えてリンス水を油浮上槽に導入することで
カートリッジを流出した粗い粒子状の油分を浮上分離す
る。さらに、非イオン系界面活性剤の沈降性分子会合体
に対するカートリッジの付着能力が飽和状態に近付いた
時に、20℃以下のリンス水または市水を下向流の方式
でカートリッジに通水し、カートリッジに付着した非イ
オン系界面活性剤を脱着してカートリッジを再生する。
【0014】前述のように非イオン系界面活性剤は曇点
温度以下では水に溶解するが、曇点温度以上では不溶性
の分子会合体となる性質をもつ。本発明はこの性質を利
用したものである。即ち、本発明による所定量の非イオ
ン系界面活性剤を溶解した水を曇点温度以上に加熱して
非イオン系界面活性剤を沈降性分子会合体にした後に、
繊維または繊維集合体を充填したカートリッジに通水
し、非イオン系界面活性剤の沈降性分子会合体を繊維の
表面に付着させることで、カートリッジの付着能力が顕
著に向上する。そのメカニズムは確かではないが、カー
トリッジの壁流の防止、界面活性剤の沈降性分子会合体
同士及び油と界面活性剤の沈降性分子会合体との接触表
面積の増大、及び活性剤の沈降性分子会合体上での活性
剤の覆われた油分粒子から油分粒子が相互に凝集する作
用が向上することが考えられる。
【0015】
【実施例】本発明を実施例にてさらに詳細に説明する
が、本発明はこの実施例により限定されるものではな
い。
【0016】実施例1 リンス槽への洗浄液の持ち込み量を尺度として、一般洗
浄システムの場合に対しおよそ6倍の加速試験として、
1時間当たり2.5リットルの水系洗浄剤を65℃、2
00リットルの市水に連続注入して試験リンス水を連続
的に調合した。この試験リンス水を浄化試験に供した。
ただし、ここで前記水系洗浄剤は、非イオン系界面活性
剤を主体とした洗浄剤5%と代表的な不水溶性切削油1
%を含む溶液であり、洗浄剤中の油分を安定な乳化状態
にするために、毎分3600回転の渦流型ポンプを用い
て洗浄液を流量15リットル/min,30分間攪拌したも
のである。その結果、洗浄剤中油分粒子の平均径が2.
5μmという非常に安定な乳化状態が得られた。なお、
かかる洗浄剤の全有機性炭素(以下TOCと称する)は
13220ppmであった。そして前記したように、非イ
オン系界面活性剤と乳化された油分粒子を含んだ水系洗
浄剤を市水に注入して試験リンス水とし、この試験リン
ス水を連続的に後記カートリッジに通液してリンス水浄
化試験を行った。
【0017】一方、カートリッジに担持させる非イオン
系界面活性剤としては曇点温度29℃のポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル型非イオン系界面活性剤
を用いた。前記非イオン系界面活性剤1リットルを14
℃の市水50リットルに溶解した。溶解時の水温が曇点
温度以下なので溶解液は透明であった。次いで、カート
リッジに送液する前に電熱ヒータで前記溶解液を50℃
までに加熱した。この際、溶解液は液温が29℃を超え
るところから白濁するようになった。カートリッジとし
ては、内径200mm、高さ300mmのステンレス製円筒
に平均繊維径4.8μmのスラグ繊維の集合体2.8k
gを充填したものを使用した。送液ポンプを用いて3リ
ットル/minの流量で前記溶解液を前記カートリッジに送
液した。カートリッジを通過した水が透明になっていた
ことから、溶解液中の白濁成分、即ち非イオン系界面活
性剤の沈降性分子会合体はカートリッジ内の繊維表面に
付着していることが明らかであった。
【0018】上述のように準備したカートリッジに、送
液ポンプを用いて3リットル/minの流量で前記試験リン
ス水を上向流の方式で送液し、カートリッジから出たリ
ンス水を油浮上槽に導入し、油浮上槽を出たリンス水を
リンス水タンクに戻した。ここで用いた油浮上槽の容積
は12リットルで、油浮上槽におけるリンス水の滞留時
間は4分間であった。
【0019】かくして試験リンス水を循環しながらリン
ス水の浄化処理を行った。浄化処理の後でリンス水タン
クに返送する前のリンス水のTOCを3時間ごとに測定
し、測定値を第1表に記した。なお、本発明による浄化
処理をしない場合におけるリンス水のTOCを計算し、
比較のために第1表に併記した。第1表より明らかな通
り、処理した後のリンス水のTOCを24時間処理後に
おいても300ppm以下の低い値に抑えることができ
た。上記24時間浄化処理に続いて冷水によるカートリ
ッジの再生を行った。14℃の市水を3リットル/minの
流量で10分間、下向流の方式でカートリッジに通水し
た。得られた30リットルの再生液のTOCは1252
0ppmであったことから、カートリッジの再生効果を十
分に得ることができた。また、かかる再生液はリンス水
から分離した非イオン系界面活性剤を高濃度に含んでい
るので、洗浄液の補給に用いることで再利用することが
可能である。さらに、再生したカートリッジを用いて同
様のリンス水浄化処理試験を5回まで繰り返し行い、上
記の初回試験結果と近い試験結果を得たことから、本発
明によるリンス水の浄化方法およびその装置は極めて有
効であることが実証された。
【0020】
【表1】
【0021】比較例1 本発明の効果をより明確にするために、比較例1として
実施例記載のポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル型非イオン系界面活性剤をカートリッジに担持させ
ない場合について同様のリンス水浄化試験を行った。比
較例1の試験結果を第1表に併記した。比較例2 本発明の効果を、繊維の表面に水酸化物微粒子を担持し
たカートリッジを用いる従来技術の効果と比較するため
に、比較例2として、カートリッジに非イオン系界面活
性剤のかわりに、アルミニウムとして130gの水酸化
アルミニウム微粒子をカートリッジに担持させた場合に
ついても同様のリンス水浄化試験を行った。 結果 比較例1及び比較例2の試験結果を第1表に併記した。
第1表表に見られるように、実施例に比べて比較例1及
び比較例2のいずれの場合においても処理した後のリン
ス水のTOCがはやい試験経過時間から急上昇してい
た。このように、本発明の効果は顕著であった。
【0022】
【発明の効果】水系洗浄システムにおいて、排水を出さ
ないためのリンス水の長期繰り返し使用と共に洗浄槽か
ら持ち出された洗浄剤の回収とその再利用が重要な課題
となっている。本発明によるリンス水の浄化方法を用い
ることによって、充分によい水質を維持しながらリンス
水を長期繰り返し使用すると共に、持ち出された洗浄剤
を洗浄槽に戻して再利用することができる。本発明は簡
単でしかもコスト的にきわめて安い水系洗浄システムに
おけるリンス水浄化方法及びその装置を提供するもので
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被洗浄物を非イオン系界面活性剤を含む
    水系洗浄液により洗浄した後、リンス処理を行う工程に
    おいてリンス水により洗浄して発生する非イオン系界面
    活性剤成分及び油分を含むリンス水を浄化する方法にお
    いて、繊維または繊維の集合体の充填物に、曇点温度が
    20℃〜40℃の範囲にある低曇点非イオン系界面活性
    剤の水溶液を該曇点温度より高い温度に加熱した後に通
    液し、前記低曇点非イオン系界面活性剤の沈降性分子会
    合体を前記繊維または繊維の集合体の充填物の表面に担
    持させた充填層に、非イオン系界面活性剤及び油分を含
    む前記リンス水を50〜80℃の温度に加熱した後に、
    上向流で通水することにより、非イオン系界面活性剤成
    分及び油分は該充填層に付着させ、前記油分はさらに繊
    維状充填物上で粗大化させて油分粒子としてリンス水に
    浮遊させることを特徴とする非イオン系界面活性剤成分
    及び油分を含むリンス水の浄化方法。
  2. 【請求項2】 前記リンス水に浮遊させた油分粒子をリ
    ンス水と共に油浮上槽に導入し、油分粒子を浮上分離さ
    せることを特徴とする請求項1に記載の非イオン系界面
    活性剤成分及び油分を含むリンス水の浄化方法。
  3. 【請求項3】 前記非イオン系界面活性剤及び油分を含
    むリンス水から非イオン系界面活性剤成分を前記充填層
    に付着させ、非イオン系界面活性剤成分の付着飽和に近
    づいた前記充填層に、リンス水、工場用水あるいは市水
    からなる洗浄水を20℃以下の温度で下向流方式で通水
    させることにより、前記充填層の非イオン系界面活性剤
    成分付着能を回復せしめ、前記洗浄水は濃縮して非イオ
    ン系界面活性剤液として回収することを特徴とする請求
    項1に記載の非イオン系界面活性剤成分及び油分を含む
    リンス水の浄化方法。
  4. 【請求項4】 曇点温度が20℃〜40℃の範囲にある
    低曇点非イオン系界面活性剤を該曇点温度以上に加熱し
    て、前記繊維状充填物を有する充填層に通液して、該低
    曇点非イオン系界面活性剤の沈降性分子会合体を前記繊
    維状充填物の表面に担持せしめることを特徴とする油分
    粒子粗大化機能を有する充填層の調整方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006212472A (ja) * 2005-02-01 2006-08-17 Jfe Engineering Kk 排水の処理方法および処理装置

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