JPH08332216A - 救急絆創膏用フィルム - Google Patents

救急絆創膏用フィルム

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JPH08332216A
JPH08332216A JP7140726A JP14072695A JPH08332216A JP H08332216 A JPH08332216 A JP H08332216A JP 7140726 A JP7140726 A JP 7140726A JP 14072695 A JP14072695 A JP 14072695A JP H08332216 A JPH08332216 A JP H08332216A
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Koji Ueda
孝司 植田
Hideshi Matsumoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非塩化ビニル系樹脂で、可塑剤を含まず、柔
軟で伸縮性を有し、応力緩和性に優れ、且つ、患部を強
く圧迫しない風合いのよい救急絆創膏用フィルムを提供
する。 【構成】 重量平均分子量が8万〜50万の範囲にあ
り、クロス分別法による10℃以下、10℃超70℃以
下、70℃超95℃以下及び95℃超125℃以下にお
ける全樹脂量に対する溶出量百分率が、各々順に45〜
80重量%、5〜45重量%、0〜20重量%及び5〜
35重量%の範囲にある組成を有するポリプロピレン系
樹脂を含有する内層と上記ポリプロピレン系樹脂以外の
ポリオレフィン系樹脂表面層とからなる複合フィルムが
ドラフト比5〜50、フロストライン高さが金型径の1
〜7倍の条件でインフレーション法により成形された
後、エンボス温度70〜150℃にてエンボスされてな
る救急絆創膏用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、救急絆創膏用フィルム
に関し、更に詳しくは、柔軟で患部を強く圧迫しない風
合いのよい救急絆創膏用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、救急絆創膏は、軟質フィルム層
の一面に粘着剤を塗布し、更にその上にガーゼ等を貼着
し、その上から差し替え用の離型紙を積層した上、所定
寸法に打ち抜き、これを個包装して得られる。 この救
急絆創膏用に使用される上記軟質フィルムとしては、カ
レンダー法やゾルキャスト法により作製された可塑化ポ
リ塩化ビニルを主成分とするものが数多く使用されてき
た。しかし、上記可塑化ポリ塩化ビニル製フィルムは、
多量の可塑剤を含むために、該フィルムから粘着剤層へ
可塑剤が移行し、粘着剤層の粘着力が低下したり、フィ
ルムと粘着剤層の間の接着力が低下し、救急絆創膏が剥
がれたり、周縁部に粘着剤が移行して汚れる等の欠点が
あり、更に又、塩素を含有する高分子物質として環境汚
染の面から使用が制限される方向にある。
【0003】このため、上記可塑化ポリ塩化ビニルに替
わる材料として、柔軟で、且つ、伸縮性を有するポリオ
レフィン系樹脂の開発が積極的に行われている。例え
ば、特公昭57−11342号公報には、エチレン−α
−オレフィン共重合体、低密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレンもしくはポリプロピレンの少なくとも一種以
上のポリオレフィン系樹脂組成物からなるフィルムを
1.5〜3.5倍延伸したものが開示されている。又、
特開昭62−82967号公報には、エチレン−プロピ
レンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体
等の炭化水素系エラストマーとエチレン−酢酸ビニル共
重合体等のポリオレフィンからなる救急絆創膏用フィル
ムが開示されている。
【0004】しかし、これらを含め従来のポリオレフィ
ン系フィルムでは、救急絆創膏用に必要な貼付時の伸縮
性や応力緩和性が得られず、救急絆創膏が患部を強く圧
迫したり、指を曲げ伸ばしした時の救急絆創膏の追従性
が悪く救急絆創膏が剥がれてしまう等、実際の使用に適
したものは得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事実
に鑑みなされたもので、その目的とするところは、非塩
化ビニル系樹脂で、可塑剤を含まず、柔軟で伸縮性を有
しながらブロッキングしにくく、応力緩和性に優れ、且
つ、患部を強く圧迫しない風合いのよい救急絆創膏用フ
ィルムを提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、重量平均分子量が8万〜50万の範囲にあり、クロ
ス分別法による10℃以下、10℃超70℃以下、70
℃超95℃以下及び95℃超125℃以下における全樹
脂量に対する溶出量百分率が、各々順に45〜80重量
%、5〜45重量%、0〜20重量%及び5〜35重量
%の範囲にある組成を有するポリプロピレン系樹脂を含
有する基材層がドラフト比5〜50、フロストライン高
さが金型径の1〜7倍の条件でインフレーション法によ
り成形された後、エンボス温度70〜150℃にてエン
ボスされてなる救急絆創膏用フィルム、
【0007】請求項2記載の本発明は、重量平均分子量
が8万〜50万の範囲にあり、クロス分別法による10
℃以下、10℃超70℃以下、70℃超95℃以下及び
95℃超125℃以下における全樹脂量に対する溶出量
百分率が、各々順に45〜80重量%、5〜45重量
%、0〜20重量%及び5〜35重量%の範囲にある組
成を有するポリプロピレン系樹脂を含有する基材層と上
記ポリプロピレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂か
らなる表面層とを有する複合フィルムがドラフト比5〜
50、フロストライン高さが金型径の1〜7倍の条件で
インフレーション法により成形された後、エンボス温度
70〜150℃にて上記表面層にエンボスされてなる救
急絆創膏用フィルム、をその要旨とするものである。
【0008】本発明において使用されるポリプロピレン
系樹脂は、重量平均分子量が8万〜50万の範囲にあ
り、クロス分別法による10℃以下、10℃超70℃以
下、70℃超95℃以下及び95℃超125℃以下にお
ける全樹脂量に対する溶出量百分率が、各々順に45〜
80重量%、5〜45重量%、0〜20重量%及び5〜
35重量%の範囲にある組成を有するものであれば如何
なるポリプロピレン系樹脂が使用されてもよいが、例え
ば以下のような多段重合法により製造されるポリプロピ
レン系樹脂は好適に使用される。
【0009】上記多段重合法により製造されるポリプロ
ピレン系樹脂は、先ず、第一段階として、チタン化合物
触媒およびアルミニウム化合物触媒の存在下においてプ
ロピレンモノマーおよび必要に応じてプロピレン以外の
α−オレフィンモノマーを用いて重合を行い、第一のプ
ロピレン系ポリオレフィンを得る。このポリオレフィン
はプロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合
体、プロピレン−α−オレフィン共重合体等であり得
る。第二段階として、前記のチタン化合物触媒及びアル
ミニウム化合物触媒を含有したままで、チタン含有プロ
ピレン系ポリオレフィンと上記化合物存在下で、オレフ
ィンモノマー(例えば、エチレン、プロピレン、または
α−オレフィン)とを共重合させて、第二のポリオレフ
ィンを得る。この2段階反応により得られる第二のポリ
オレフィンは、プロピレン−エチレン共重合体、プロピ
レン−α−オレフィン共重合体、又はエチレン−α−オ
レフィン共重合体であり得る。以下同様に目的に応じて
多段階の共重合反応を行い得る。
【0010】この製造方法の特徴は、重合を一段階で終
了するのではなく、二段階以上の多段重合を行うことに
ある。このことにより、複数の種類のモノマーを続けて
重合することが可能となり、通常のポリマーブレンドと
は全く異なる、分子レベルでのブレンドタイプの共重合
体が生成される。通常、ポリマーブレンドの場合、柔軟
性と伸縮性を向上させるには、ブレンドするゴム成分の
分子量を上げるのが一つの方法である。本発明に於ける
ポリプロピレン系樹脂の場合、このゴム成分にあたるの
は上記の2段階以降の反応で生成する成分(エチレン−
α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合
体)であり、この成分は分子量が高いため、溶融粘度が
高い。このゴム成分は上記の多段重合法を用いることに
より、微分散させることができる。しかし、通常の押出
機等を用いたブレンド法では、このように分子量の高い
ゴム成分を用いると、溶融粘度が高いため、本発明にお
けるポリプロピレン系樹脂のような微分散モルフォロジ
ーを有する樹脂は作成し得ない。更に、従来の反応によ
り得られるポリプロピレン系のブロック共重合体のよう
な樹脂では、共重合されるエチレン、α−オレフィン等
のブロック成分は、ポリプロピレン系樹脂中にその製造
プロセス上、約50重量%程度含有させるのが限界であ
り、通常その含有量は30重量%までである。このため
ポリプロピレン系樹脂において、可塑化PVCのような
柔軟性を実現するのは非常に困難であった。しかし上記
のような方法を用いれば、前記の共重合成分を約80〜
95重量%まで含有させることが可能となり、可塑化P
VCと同様な物性を有するポリプロピレン系樹脂が得ら
れる。
【0011】このような製造方法としては例えば、特開
平4−224809号公報、特開平4−96912号公
報、同4−96907号公報、同3−174410号公
報、同2−170803号公報、同2−170802号
公報、同3−205439号公報、同4−153203
号公報及び特開昭61−42553号公報に記載の方法
がある。このような製造方法により得られる実際の樹脂
としてはトクヤマ社の「PER」およびハイモント社の
「キャタロイ」等が挙げられる。これらはいずれも本発
明に用いられ得る。
【0012】本発明では、樹脂の重量平均分子量は、例
えば、WATERS社製、高温GPC(150CV)で
測定され得る。上記ポリプロピレン系樹脂の重量平均分
子量は、8万〜50万、好ましくは8万〜45万、更に
好ましくは10万〜40万の範囲である。重量平均分子
量が8万未満の場合、フィルムの伸縮性、応力緩和性及
び機械的強度が不足し、50万を超えると、十分な柔軟
性が得られない。
【0013】上記ポリプロピレン系樹脂は、クロス分別
法による10℃以下、10℃超70℃以下、70℃超9
5℃以下及び95℃超125℃以下における全樹脂量に
対する溶出量百分率が、各々順に45〜80重量%、好
ましくは50〜75重量%、5〜45重量%、好ましく
は5〜30重量%、0〜20重量%好ましくは0〜10
重量%及び5〜35重量%、好ましくは5〜30重量%
の範囲にある。上記10℃以下における溶出量百分率が
45重量%未満である場合、得られるフィルムの柔軟性
がなく、80重量%を超えると、得られるフィルムの十
分な機械的強度が得られない。又、上記10℃超70℃
以下における溶出量百分率が5重量%未満である場合、
得られるフィルムの柔軟性がなく、35重量%を超える
と、得られるフィルムの変形回復性が劣る。又、上記7
0℃超95℃以下における溶出量百分率が20重量%を
超えると、得られるフィルムの強度が大きくなり過ぎ、
救急絆創膏使用時に強い圧迫感を与える。又、上記95
℃超125℃以下における溶出量百分率が5重量%未満
である場合、得られるフィルムの十分な機械的強度が得
られず、35重量%を超えると、得られるフィルムの柔
軟性が失われる。
【0014】更に、上記クロス分別法による10℃以
下、10℃超70℃以下、70℃超95℃以下及び95
℃超125℃以下の各温度範囲における溶出樹脂の重量
平均分子量は、上記温度範囲順に好ましくは、10万〜
30万、7万〜50万、5万〜50万及び5万〜50万
である。
【0015】本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂
において、各温度域での溶出量及び重量平均分子量が上
記範囲内にあることは、フィルムの弾性率、強度、延性
等の物性を制御する上で非常に重要である。
【0016】本発明において、上記クロス分別法による
組成分布及び分子量の測定は、温度上昇溶離分別(Te
mperature Rising Elution
Fractionation)部分と高温GPC(Ge
l PermeationChromatograp
h)部分のシステムを備えたクロス分別クロマトグラフ
装置(三菱化学社製、CFC−T150A型)を使用し
て以下の通り実施した。先ず、上記ポリプロピレン系樹
脂を140℃ないしそれ以上のポリプロピレン系樹脂が
完全に溶解する温度のo−ジクロロベンゼンに溶解し、
一定速度で冷却し、予め準備した不活性担体表面に薄い
ポリマー層を結晶性の高い順に及び分子量の大きい順に
生成させる。次いで、温度を連続的に又は段階的に昇温
し、順次溶出した成分の濃度を検出し、組成分布(結晶
性分布)を温度上昇溶離分別部分で測定すると共に、そ
の成分を高温GPC部分により分子量及び分子量分布を
測定した。
【0017】本発明におけるポリプロピレン系樹脂とし
ては、前記する多段重合法によって得られるポリプロピ
レン系樹脂に、本発明の趣旨を損なわない範囲で、他の
ポリプロピレン系樹脂等をブレンドしてもよい。本発明
で使用される上記ポリプロピレン系樹脂以外のポリオレ
フィン系樹脂としては、上記ポリプロピレン系樹脂以外
から適宜選択使用できるが、就中、エチレンとプロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン、1−オクテン等からなる炭素数3
以上のα−オレフィンとの共重合体が好適に使用され
る。上記エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペン
テン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−
オクテン等からなる炭素数3以上のα−オレフィンとの
共重合体は、その密度が、0.895〜0.925g/
cm3 の範囲にあるものが好ましい。上記密度が0.8
95g/cm3 未満の場合、得られるフィルムがブロッ
キングし易く、上記密度が0.925g/cm3 を超え
ると、得られるフィルムは柔軟性が不充分であり、この
ようなフィルムを使用した絆創膏は、使用時突っ張り感
がある。
【0018】本発明の救急絆創膏用フィルムは、上記ポ
リプロピレン系樹脂を含有する基材層のポリプロピレン
系樹脂フィルムもしくはこれと上記ポリプロピレン系樹
脂以外のポリオレフィン系樹脂からなる表面層の複合フ
ィルムから構成されるが、上記基材層及び表面層は、そ
れぞれ1層であってもよいが、いずれか一方もしくは両
層共に2層以上の救急絆創膏用フィルムとして3層構成
以上であってもよい。上記基材層と表面層を有する救急
絆創膏用フィルムの場合、両層の厚さ比は、1:1〜1
5:1の範囲にあるものが好ましい。上記層厚さ比が
1:1未満ではフィルムの柔軟性が不充分であり、上記
層厚さ比が15:1を超えると表面層が薄くなり過ぎ製
膜が困難となる。
【0019】本発明において、上記各樹脂層には、酸化
防止剤、紫外線防止剤等の安定剤、シラン系のスリップ
剤、沈降性硫酸バリウム、タルク、炭酸カルシウム、マ
イカ、酸化チタン等の充填剤、着色剤等を添加できる。
【0020】本発明において上記ポリプロピレン系樹脂
を含有する基材層のポリプロピレン系樹脂フィルムもし
くはこれと上記ポリプロピレン系樹脂以外のポリオレフ
ィン系樹脂からなる表面層との複合フィルムは、上記の
各樹脂を、インフレーション法によってフィルムに成形
されることにより、救急絆創膏の使用時に凹凸のある如
何なる皮膚面にも密着して貼着できる柔軟性、筋肉の緊
張、弛緩、関節の屈伸等に追従する伸縮性、上記皮膚面
の伸張、収縮等に追従して直ちに旧に復する応力緩和性
を維持しつつ、救急絆創膏の貼着時や貼直し時に強く引
張っても伸びきってしまわない充分な抗張力を有するフ
ィルムが得られる。
【0021】一般に、ポリプロピレン系樹脂では、その
ストレス−ストレイン(S−S)カーブは、初期の立ち
上がりが急であり、20〜30%伸長すると降伏し、そ
の後100%伸長程度までは応力が殆ど増加しない、所
謂S−Sカーブがねるという現象が起こる。樹脂の種類
によっては、初期の伸張時の抗張力が大き過ぎ、柔軟性
のないフィルムになる場合がある。又、初期の伸張時の
抗張力が小さいフィルムは、救急絆創膏用に使用した場
合、救急絆創膏の貼着時や貼直し時に強く引張ると伸び
きってしまったり、貼直しが困難になる。
【0022】本発明の救急絆創膏用フィルムは、前記す
るポリプロピレン系樹脂を含有する基材層のポリプロピ
レン系樹脂フィルムもしくはこれと上記ポリプロピレン
系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂からなる表面層との
複合フィルムをドラフト比5〜50、フロストライン高
さが金型径の1〜7倍の条件でインフレーション法によ
り成形されることにより、初期の伸張時抗張力が小さく
なり、且つ、S−Sカーブがねてしまわない、即ち、柔
軟性に富み、且つ、十分な抗張力を有するフィルムが得
られるのである。
【0023】上記ドラフト比λLは、次式で与えられる
長さ(MD)方向の拡大率を表す値である。 λTλL=tD/tF 上式において、λTはブローアップ比であり、得られる
フィルムの折径と金型径の比で与えられる幅(TD)方
向の拡大率を表す値である。又、tDは金型の吐出口間
隙幅、tFは得られるフィルムの厚さである。本発明に
おいて、インフレーション法により成形されるポリプロ
ピレン系樹脂を含有する基材層もしくはこれと上記ポリ
プロピレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂表面層と
からなる複合フィルムのドラフト比は、5〜50であ
る。上記ドラフト比が、5未満の場合、得られるフィル
ムは充分な抗張力を有するものとならず、50を超える
と、得られるフィルムは過度の熱収縮性を有し、いずれ
も救急絆創膏用フィルムとして好ましいものではない。
【0024】本発明における上記フロストラインとは、
金型より押出された筒状の溶融フィルムが略同じ高さで
固体となるリング状の凝固ラインであり、本発明におい
て、インフレーション法により成形されるポリプロピレ
ン系樹脂を含有する基材層のポリプロピレン系樹脂フィ
ルムもしくはこれと上記ポリプロピレン系樹脂以外のポ
リオレフィン系樹脂からなる表面層との複合フィルムの
上記金型面からリング状の凝固ラインまでの所謂フロス
トライン高さが、金型径の1〜7倍の条件で成形され
る。上記フロストライン高さが、金型径の1倍未満で
は、安定したインフレーション法による成形が難しく、
金型径の7倍を超えると、得られるフィルムは充分な抗
張力を有すものとならず、且つ、成形も安定性を欠く。
本発明における上記インフレーション成形は、空冷法、
水冷法のいずれでもよい。
【0025】本発明における上記エンボスとは、インフ
レーション成形後のフィルムが冷却され固化する前かも
しくは一旦冷却されているフィルムを加圧変形し得る状
態に加熱軟化させ、微細な凹凸模様が設けられた面に押
圧して該微細な凹凸模様を転写し、上記フィルム表面に
艶消しを施し、ソフト感を与え、又、フィルム表面に滑
り性を付与して、肌とのなじみを良くし、ブロッキング
性を抑えるための手段である。
【0026】本発明における上記エンボス温度は70〜
150℃である。上記エンボス温度が70℃未満では、
上記微細な凹凸模様面がフィルムに転写されないためフ
ィルムの艶消し効果やブロッキング性を抑える効果がな
いばかりか、加熱によってアニールされることもないの
でフィルムの残留応力が緩和されることがなく、従って
熱収縮の問題も発生する。又、上記エンボス温度が15
0℃を超す場合、フィルムが著しく軟化し、腰の弱い取
扱いにくいフィルムとなる。
【0027】上記エンボスの方法としては、特に限定さ
れるものではなく、例えば、表面に微細な凹凸模様が設
けられた金属ロールと弾力性があり、離型性の良好なシ
リコーンゴムロールとの間で上記温度に加熱された状態
でニップされ上記金属ロール表面に設けられた微細な凹
凸模様をフィルム表面に転写する方法等が挙げられる。
上記金属ロール表面に設けられた微細な凹凸模様として
は、又、特に限定されるものではないが、例えば、梨地
状、絹目状、マット形状等が用いられる。
【0028】以上により得られる本発明の救急絆創膏用
フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、1
5〜300μmが好ましい。15μm未満では使用に際
しての強度が不足し、300μmを超えると救急絆創膏
としては硬過ぎ、風合いを損ねる。又、上記フィルム
は、無色・着色、透明・不透明を問わない。
【0029】本発明により得られるフィルムを基材とし
て用いる救急絆創膏は、該フィルムの基材層面に必要に
応じてコロナ放電処理やアンカーコートを施した後、粘
着剤層を設け、その上にガーゼ等を積層し、その上から
差し替え用の離型紙を積層した上、これを所定の寸法に
打ち抜き、表裏両面に個別包装紙を重ねると共に、更に
所定の寸法に切断して得られる。猶、コロナ放電処理を
行う場合、フィルムの表面張力を38dyn/cm以上
とすることが好ましい。上記粘着剤層は、上記フィルム
の全表面に設けてもよく、或いは、細い線状、格子状、
散点状、粘着剤が塗布されていない小円部が多数形成さ
れた面状等用途によって自由に選択してもよい。上記粘
着剤の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、
天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル系、ウレタン系、ビ
ニルエーテル系、シリコーン系等の各種粘着剤が好適に
用いられ、又、その形態は、溶液型、エマルジョン型、
ホットメルト型等いずれであってもよい。上記粘着剤の
塗工方法は、特に限定されるものではなく、本発明フィ
ルム表面に粘着剤を直接塗工してもよいし、或いは、離
型紙や離型フィルム等のセパレーターの離型処理面に粘
着剤を塗工して、本発明フィルムと重ね合わせることに
よって、粘着剤層を本発明フィルムに転写する方法を採
ってもよい。又、上記フィルム層のいずれか一方の表面
に、目的に応じて、各種の印刷を任意の形状及び寸法で
行い得る。
【0030】
【作用】本発明の救急絆創膏用フィルムは、可塑剤を実
質的に含有せず、柔軟で伸縮性を有しながらブロッキン
グしにくく、しかも伸張時の応力緩和が速いため、患部
を圧迫せず、風合いがよい救急絆創膏を提供することが
できる。
【0031】本発明の救急絆創膏用フィルムが上記のよ
うな優れた特徴を有する理由は、以下のように推定され
る。本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂は、ポリ
プロピレン樹脂にエチレン−プロピレン共重合体等に代
表される非晶性ポリマーが重合中に大量に導入されてア
ロイされたようになっていると考えられる。非常に活性
が高く、寿命が長いチタン系触媒の使用により、この種
の樹脂の製造が一部のメーカーで可能になっているよう
である。このような重合によるポリマー中には、分子構
造の異なる共重合体が数個存在し、そのためポリプロピ
レン等の通常樹脂部とこれら共重合体のアロイにおいて
特徴あるモルフォロジーが発現していると考えられる。
この結果、本発明における救急絆創膏用フィルムは、可
塑化PVCに非常に近い性能を発揮すると考えられる。
【0032】本発明における救急絆創膏用フィルムは、
上記ポリプロピレン系樹脂を含有する基材層のポリプロ
ピレン系樹脂フィルムもしくはこれと上記ポリプロピレ
ン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂からなる表面層と
の多層複合フィルムは、ドラフト比5〜50、フロスト
ライン高さが金型径の1〜7倍の条件でインフレーショ
ン成形され、次いでエンボス温度70〜150℃の条件
でエンボスされているので、各表面は上記基材層の優れ
た性能を損なうことなく、上記基材層のブロッキングを
防止することが可能となっている。又、上記ポリプロピ
レン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂からなる表面層
は上記ブロッキング防止効果を更に高める作用を有す
る。
【0033】又、上記ポリプロピレン系樹脂を含有する
基材層のポリプロピレン系樹脂フィルムもしくはこれと
上記ポリプロピレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂
からなる表面層との多層複合フィルムを、ドラフト比5
〜50、フロストライン高さが金型径の1〜7倍の条件
でインフレーション成形することによって、フィルムの
MD方向に分子を配向させることにより、伸縮性、応力
緩和性を維持し、且つ、貼付時や貼直し時に絆創膏を強
く引っ張っても延びきってしまわない充分な抗張力を有
するフィルムが得られる。更に、上記フィルムを70〜
150℃でエンボスする際に加熱されることによって、
熱収縮が防止される。
【0034】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明を実施例に
ついて説明する。以下の実施例及び比較例において得ら
れた救急絆創膏用フィルムについて、抗張力、応力緩和
及び熱収縮性の測定、評価はそれぞれ以下に示す方法で
実施した。
【0035】1.抗張力:引張試験機により、試料幅1
9mm、初期試料長さ(つかみ間隔)100mmのフィ
ルム試料を、引張速度200mm/minで延伸方向に
引張り、所定の伸度における抗張力を測定した。
【0036】2.応力緩和:引張試験機により、試料幅
19mm、初期試料長さ100mmのフィルム試料を、
引張速度200mm/minで、伸度10%まで延伸方
向に引張った後、そのまま保持した状態で所定時間経過
後の抗張力を測定し、次式により、応力残存の割合を算
出した。
【0037】
【数1】
【0038】3.グロス:光沢度計により、試料フィル
ム(MD方向に300mm、TD方向に150mm)に
入射角60度で照射し、TD方向に測定点3×繰り返し
2の6点の平均値によってフィルムのグロスを測定し
た。
【0039】4.熱収縮性:枚葉のフィルム試料に10
0mm×100mmの正方形状の標線を入れ、ギヤーオ
ーブンで70℃で5時間加熱し、次式により、熱収縮率
を測定した。
【0040】
【数2】
【0041】5.絆創膏の肌のなじみ:救急絆創膏とし
たものを人指し指の第二関節の周囲に巻き付け、救急絆
創膏の肌のなじみを官能検査により、○:ぴったり巻き
付き屈折が自由にできる、×:ぴったり巻き付くが滑り
がなく屈折が窮屈である、の2段階で評価した。
【0042】(実施例1)分子量25万、クロス分別法
による10℃以下、10℃超70℃以下、70℃超95
℃以下及び95℃超125℃以下における全樹脂量に対
する溶出量百分率が、各々順に56.4重量%、18.
4重量%、16.8重量%及び8.4重量%である組成
を有するポリプロピレン系樹脂(ハイモント社製、商品
名:キャタロイ)を図1に示すインフレーションダイ1
1により押出温度200℃、ドラフト比31.2、フロ
ストライン高さが金型径の3.6倍となるように押出し
た後、フィルム温度が120℃となるよう遠赤外線加熱
装置13で加熱し、エンボス装置14によりフィルム表
面にエンボスを施し、該エンボス面の反対の面にコロナ
放電処理装置15によってコロナ放電処理を施し、厚さ
70μmの救急絆創膏用フィルムを作製した。
【0043】次に、クラフト紙の片面にポリエチレン層
をラミネートし、更にそのポリエチレン層の表面にシリ
コーン離型剤を塗工して得られる工程紙3の離型処理面
31に、ゴム系粘着剤溶液(天然ゴム、ポリテルペン樹
脂、ポリブテン及び老化防止剤の35%トルエン溶液)
を、塗布乾燥巻取機を用いて、乾燥後の厚さが40μm
になるように塗工、乾燥し、粘着剤層2を形成した。次
いで、図2に示すように、前記救急絆創膏用フィルム1
のコロナ放電処理面22と、上記粘着剤層2と工程紙3
との積層体の粘着剤層2面とを合わせて積層し、巻取機
(図示せず)でロール状に巻取った。
【0044】このロール状物をスリッターを用いて、1
9mm幅に切断し、長尺(200m)に巻取り、救急絆
創膏用原反Aを得た。得られた救急絆創膏用原反Aを、
図3に示す加工プロセスによって、救急絆創膏に加工し
た。上記加工プロセスでは、所定幅の救急絆創膏用副資
材(ガーゼ、差替え用離型紙、個包装等)の供給手段
(図示せず)が設けられており、救急絆創膏用原反Aが
繰り出されると、孔明け加工機(図示せず)によって、
微小な孔明け加工41が施される。次いで粘着剤層2上
に厚さ1mm、幅17mm×長さ25mmのガーゼ42
を装着した後、差替え用離型紙43をガーゼ42の上か
ら積層し、続いて得られた積層体を、打抜き機44によ
り所定の寸法(幅19mm×長さ75mm、両端は半径
12mmの円弧状)に打ち抜き、個包装材45で包装し
た後切断加工46を行って、図4に示すような救急絆創
膏47を得た。
【0045】(実施例2)実施例1のポリプロピレン系
樹脂を用い、ドラフト比を41.3に変更したこと以
外、実施例1と同様にして全厚さ70μmの救急絆創膏
用フィルム及び救急絆創膏を作製した。
【0046】(実施例3)実施例1のポリプロピレン系
樹脂を用い、ドラフト比を41.3に、エンボス温度を
100℃に、変更したこと以外、実施例1と同様にして
全厚さ70μmの救急絆創膏用フィルム及び救急絆創膏
を作製した。
【0047】(比較例1)実施例1のポリプロピレン系
樹脂を用い、ドラフト比を4.6に変更したこと以外、
実施例1と同様にして全厚さ70μmの救急絆創膏用フ
ィルム及び救急絆創膏を作製した。
【0048】(比較例2)実施例1のポリプロピレン系
樹脂を用い、ドラフト比を59.5に変更したこと以
外、実施例1と同様にしてインフレーション成形を行お
うとしたが、安定した成形ができなかった。
【0049】(比較例3)実施例1のポリプロピレン系
樹脂を用い、フロストライン高さを金型径の0.8倍に
変更したこと以外、実施例1と同様にしてインフレーシ
ョン成形を行おうとしたが、安定した成形ができなかっ
た。
【0050】(比較例4)実施例1のポリプロピレン系
樹脂を用い、フロストライン高さを金型径の7.5倍に
変更したこと以外、実施例1と同様の方法で救急絆創膏
用フィルム及び救急絆創膏を作製した。
【0051】(比較例5)実施例1のポリプロピレン系
樹脂を用い、エンボス温度を60℃に変更したこと以
外、実施例1と同様の方法で救急絆創膏用フィルム及び
救急絆創膏を作製した。
【0052】(比較例6)実施例1のポリプロピレン系
樹脂を用い、エンボス温度を155℃に変更したこと以
外、実施例1と同様にしてインフレーション成形を行っ
たが、エンボス工程でフィルムが著しく軟化し、使用に
耐える救急絆創膏用フィルムは得られなかった。
【0053】(比較例7)分子量20万、クロス分別法
による10℃以下、10℃超70℃以下、70℃超95
℃以下及び95℃超125℃以下における全樹脂量に対
する溶出量百分率が、各々順に2.5重量%、16.2
重量%、80.5重量%及び0.8重量%である組成を
有するポリプロピレン系樹脂(ハイモント社製、商品
名:キャタロイ)を用いたこと以外は、実施例1と同様
の方法で救急絆創膏用フィルム及び救急絆創膏を作製し
た。
【0054】本実施例1〜3及び比較例1〜7で得られ
た救急絆創膏用フィルム及び救急絆創膏の評価結果を、
以下の表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】(実施例4)分子量25万、クロス分別法
による0℃以上10℃以下、10℃超70℃以下、70
℃超95℃以下及び95℃超125℃以下における全樹
脂量に対する溶出量百分率が、各々順に55.4重量
%、31.0重量%、0.7重量%及び12.9重量%
である組成を有するポリプロピレン系樹脂(ハイモント
社製、キャタロイ)を基材層に用い、エチレンと4−メ
チル−1−ペンテンとの共重合体(三井石油化学社製、
商品名:ウルトゼックス1020L、密度0.910g
/cm 3 )を上記基材層の両面に積層される表面層とし
て用い、インフレーションダイにより金型温度200
℃、ドラフト比31.2、フロストライン高さが金型径
の3.6倍となるように共押出(表面層:基材層:表面
層=1:12:1)した後、上記複合フィルムを遠赤外
線加熱装置12によってエンボス温度110℃に加熱
し、エンボス装置13によって上記複合フィルムの表面
層にエンボスを施し、厚さ70μmの救急絆創膏用フィ
ルムを作製した。上記救急絆創膏用フィルムを用いて実
施例1と同様にして救急絆創膏を作製した。
【0057】(実施例5)実施例4の表面層に用いたエ
チレンと4−メチル−1−ペンテンとの共重合体に替え
て、エチレンと1−オクテンとの共重合体(出光石油化
学社製、商品名:モアテックVO398CN、密度0.
907g/cm3 )を用いたこと以外、実施例4と同様
にして、厚さ70μmの救急絆創膏用フィルム及び救急
絆創膏を作製した。
【0058】(実施例6)実施例5のポリプロピレン系
樹脂及びエチレンと1−オクテンとの共重合体を実施例
5と同一の構成で、ドラフト比を41.3に変更したこ
と以外、実施例4と同様にして救急絆創膏用フィルム及
び救急絆創膏を作製した。
【0059】(実施例7)実施例5のポリプロピレン系
樹脂及びエチレンと1−オクテンとの共重合体を実施例
5と同一の構成で、フロストライン高さを金型径の1.
8倍に変更したこと以外、実施例4と同様にして救急絆
創膏用フィルム及び救急絆創膏を作製した。
【0060】(比較例8)実施例5の基材層及び表面層
と同じ構成で、ドラフト比を4.6に変更したこと以
外、実施例5と同様にして救急絆創膏用フィルム及び救
急絆創膏を作製した。
【0061】(比較例9)実施例5の基材層及び表面層
と同じ構成で、ドラフト比65.0、フロストライン高
さが金型径の3.6倍となるように共押出しようとした
が、安定して成形できなかった。
【0062】(比較例10)実施例5の基材層及び表面
層と同じ構成で、ドラフト比31.2、フロストライン
高さが金型径の0.8倍となるように共押出しようとし
たが、安定して成形できなかった。
【0063】(比較例11)実施例5の基材層及び表面
層と同じ構成で、ドラフト比31.2、フロストライン
高さが金型径の7.5倍となるように共押出した後、エ
ンボス温度110℃でエンボスしたこと以外、実施例5
と同様にして救急絆創膏用フィルム及び救急絆創膏を作
製した。
【0064】(比較例12)実施例5の基材層及び表面
層と同じ構成で、ドラフト比31.2、フロストライン
高さが金型径の3.6倍となるように共押出した後、エ
ンボス温度60℃に加熱したこと以外、実施例5と同様
にして救急絆創膏用フィルム及び救急絆創膏を作製し
た。
【0065】(比較例13)実施例5の基材層及び表面
層と同じ構成で、ドラフト比31.2、フロストライン
高さが金型径の3.6倍となるように共押出した後、エ
ンボス温度155℃に加熱したところ、フィルムが著し
く軟化し、使用に耐える救急絆創膏用フィルムは得られ
なかった。
【0066】(比較例14)分子量20万、クロス分別
法による10℃以下、10℃超70℃以下、70℃超9
5℃以下及び95℃超125℃以下における全樹脂量に
対する溶出量百分率が、各々順に2.5重量%、16.
2重量%、80.5重量%及び0.8重量%である組成
を有するポリプロピレン系樹脂(ハイモント社製、商品
名:キャタロイ)を基材層に用い、実施例4で表面層に
用いたエチレンと4−メチル−1−ペンテンとの共重合
体を用い、実施例4と同一の構成で、ドラフト比31.
2、フロストライン高さが金型径の1.8倍となるよう
に共押出したこと以外、実施例4と同様にして救急絆創
膏用フィルム及び救急絆創膏を作製した。
【0067】本実施例4〜7及び比較例8〜14で得ら
れた救急絆創膏用フィルム及び救急絆創膏の評価結果
を、以下の表2に示す。
【0068】
【表2】
【0069】
【発明の効果】本発明は、叙上の如く構成されているの
で、可塑剤を含まず、柔軟で伸縮性を有し、しかも伸長
時の応力緩和が速く、充分な抗張力を有する、患部を圧
迫しない、風合いのよい、従来の可塑化PVCの代替と
なる救急絆創膏用フィルムが得られる。
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の救急絆創膏用フィルムの押出工程及び
エンボス工程を示す概略図である。
【図2】本発明の救急絆創膏用フィルムのコロナ放電処
理面に粘着剤層を積層した状態を示す断面図である。
【図3】本発明の救急絆創膏用フィルムを使用して救急
絆創膏を製造する工程を示す概略図である。
【図4】図3に示す救急絆創膏の製造工程で得られた救
急絆創膏の平面図である。
【符号の説明】
1 インフレーションフィルム 11 インフレーションダイ 12 ピンチロール 13 遠赤外線加熱装置 14 エンボス装置 141 エンボスロール(金属製) 142 シリコーンゴムロール 143 エンボス面 15 コロナ放電処理装置 2 粘着剤層 22 コロナ放電処理面 3 工程紙 31 離型処理面 41 孔明け加工 42 ガーゼ 43 差替え用離型紙 44 打ち抜き加工 45 個包装材 46 切断加工 47 救急絆創膏 A 救急絆創膏原反

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量が8万〜50万の範囲に
    あり、クロス分別法による10℃以下、10℃超70℃
    以下、70℃超95℃以下及び95℃超125℃以下に
    おける全樹脂量に対する溶出量百分率が、各々順に45
    〜80重量%、5〜45重量%、0〜20重量%及び5
    〜35重量%の範囲にある組成を有するポリプロピレン
    系樹脂を含有する基材層がドラフト比5〜50、フロス
    トライン高さが金型径の1〜7倍の条件でインフレーシ
    ョン法により成形された後、エンボス温度70〜150
    ℃にてエンボスされてなる救急絆創膏用フィルム。
  2. 【請求項2】 重量平均分子量が8万〜50万の範囲に
    あり、クロス分別法による10℃以下、10℃超70℃
    以下、70℃超95℃以下及び95℃超125℃以下に
    おける全樹脂量に対する溶出量百分率が、各々順に45
    〜80重量%、5〜45重量%、0〜20重量%及び5
    〜35重量%の範囲にある組成を有するポリプロピレン
    系樹脂を含有する基材層と上記ポリプロピレン系樹脂以
    外のポリオレフィン系樹脂からなる表面層とを有する複
    合フィルムがドラフト比5〜50、フロストライン高さ
    が金型径の1〜7倍の条件でインフレーション法により
    成形された後、エンボス温度70〜150℃にて上記表
    面層にエンボスされてなる救急絆創膏用フィルム。
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