JPH08322924A - 絆創膏用フィルム - Google Patents

絆創膏用フィルム

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JPH08322924A
JPH08322924A JP7139409A JP13940995A JPH08322924A JP H08322924 A JPH08322924 A JP H08322924A JP 7139409 A JP7139409 A JP 7139409A JP 13940995 A JP13940995 A JP 13940995A JP H08322924 A JPH08322924 A JP H08322924A
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JP
Japan
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film
resin
weight
layer
ethylene
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JP7139409A
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Hiroshi Tada
博士 多田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 非塩化ビニル系樹脂で、可塑剤を含まず、柔
軟で伸縮性を有し、応力緩和性に優れ、且つ、患部を強
く圧迫しない風合いのよい絆創膏用フィルムを提供す
る。 【構成】 表層及び内層が、エチレン−メタクリル酸メ
チル共重合体系樹脂からなり、中層が、重量平均分子量
が8万〜50万の範囲にあり、クロス分別法による10
℃以下、10℃超70℃以下、70℃超95℃以下及び
95℃超125℃以下における全樹脂量に対する溶出量
百分率が、各々順に45〜80重量%、5〜45重量
%、0〜20重量%及び5〜35重量%の範囲にあるポ
リプロピレン系樹脂からなることを特徴とする絆創膏用
フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絆創膏用フィルムに関
し、更に詳しくは、柔軟で患部を強く圧迫しない風合い
のよい絆創膏用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、絆創膏は、軟質フィルム層の一
面に粘着剤を塗布し、更にその上にガーゼ等を貼着し、
その上から差し替え用の離型紙を積層した上、所定寸法
に打ち抜き、これを個包装して得られる。この絆創膏用
に使用される上記軟質フィルムとしては、カレンダー法
やゾルキャスト法により作製された可塑化ポリ塩化ビニ
ルを主成分とするものが数多く使用されてきた。
【0003】しかし、上記可塑化ポリ塩化ビニル製フィ
ルムは、多量の可塑剤を含むために、該フィルムから粘
着剤層へ可塑剤が移行し、粘着剤層の粘着力が低下した
り、フィルムと粘着剤層の間の接着力が低下し、絆創膏
が剥がれたり、周縁部に粘着剤が移行して汚れる等の欠
点があり、更に又、塩素を含有する高分子物質として環
境汚染の面から使用を制限する方向にある。
【0004】このため、上記可塑化ポリ塩化ビニルに替
わる材料として、柔軟で、且つ、伸縮性を有するポリオ
レフィン系樹脂の開発が積極的に行われているが、未だ
十分なものは得られていない。例えば、特開平6−31
5524号公報には、基材フィルムと粘着材、ガーゼ、
剥離紙からなる救急絆創膏に用いる基材フィルムにおい
て、該基材フィルムの外層及び内層がエチレン−メタク
リル酸メチル共重合体系樹脂層であり、中間層が超低密
度エチレン系コポリマーもしくはエチレン系ターポリマ
ー等のポリエチレン系樹脂層である救急絆創膏用基材フ
ィルムが開示されている。
【0005】しかし、上記の特開平6−315524号
公報に開示されている救急絆創膏用基材フィルムは、柔
軟で肌触りは良いが、中間層のポリエチレン系樹脂層が
超低密度エチレン系コポリマーから構成されるものであ
っても、又、エチレン系ターポリマーから構成されるも
のであっても、いずれも、ゴム弾性が強いため、救急絆
創膏用に必要な貼付時の伸縮性や応力緩和性が得られ
ず、救急絆創膏が患部を強く圧迫したり、指を曲げ伸ば
しした時の救急絆創膏の巻締まり感が強いという問題が
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、上記絆創
膏の患部を含む捲重部の圧迫感と絆創膏用フィルムの応
力緩和性について鋭意検討し、指の関節部に捲重して屈
曲した状態が絆創膏用フィルムを25%伸張した場合に
極めて近い状態を示し、絆創膏用フィルムを25%伸張
後5分間保持させたときの残存応力の値を該25%伸張
応力の値で除した値が上記応力緩和性を良く表している
ことを知見した。
【0007】上記絆創膏用フィルムを25%伸張後5分
間保持させたときの残存応力の値を該25%伸張応力の
値で除した値を応力緩和残存率と定義し、該応力緩和残
存率が50%付近の値であるとき良好な応力緩和性を示
すことを知見した。前記超低密度エチレン系コポリマー
の1種であるエチレンとブテン−1の共重合体、例え
ば、柔軟性に富んだポリエチレン系樹脂として評価の高
い東ソー社製、商品名「ルミタック22−1(密度0.
900gf/cm3 、引張り弾性率500kg/c
3 )の上記応力緩和残存率を測定すると82%と高い
値となり、患部を含む捲重部の圧迫感や指を曲げ伸ばし
した時の絆創膏の巻締まり感が強いという感覚を与える
原因であることも判った。
【0008】本発明は、上記の事実に鑑みなされたもの
で、その目的とするところは、非塩化ビニル系樹脂で、
可塑剤を含まず、柔軟で伸縮性を有し、応力緩和性に優
れ、且つ、患部を強く圧迫しない風合いのよい絆創膏用
フィルムを提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、表層及び内層
が、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体系樹脂から
なり、中層が、重量平均分子量が8万〜50万の範囲に
あり、クロス分別法による10℃以下、10℃超70℃
以下、70℃超95℃以下及び95℃超125℃以下に
おける全樹脂量に対する溶出量百分率が、各々順に45
〜80重量%、5〜45重量%、0〜20重量%及び5
〜35重量%の範囲にあるポリプロピレン系樹脂からな
ることを特徴とする絆創膏用フィルムをその要旨とする
ものである。
【0010】本発明において使用されるポリプロピレン
系樹脂は、重量平均分子量及びクロス分別法による溶出
量百分率が上記範囲にあるものであれば如何なるポリプ
ロピレン系樹脂が使用されてもよいが、例えば以下のよ
うな多段重合法により製造されるポリプロピレン系樹脂
は好適に使用される。
【0011】即ち、先ず、第一段階として、チタン化合
物触媒およびアルミニウム化合物触媒の存在下において
プロピレンモノマーおよび必要に応じてプロピレン以外
のα−オレフィンモノマーを用いて重合を行い、第一の
プロピレン系ポリオレフィンを得る。このポリオレフィ
ンはプロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重
合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体等であり得
る。第二段階として、前記のチタン化合物触媒及びアル
ミニウム化合物触媒を含有したままで、チタン含有プロ
ピレン系ポリオレフィンと上記化合物存在下で、オレフ
ィンモノマー(例えば、エチレン、プロピレン、または
α−オレフィン)とを共重合させて、第二のポリオレフ
ィンを得る。この2段階反応により得られる第二のポリ
オレフィンは、プロピレン−エチレン共重合体、プロピ
レン−α−オレフィン共重合体、又はエチレン−α−オ
レフィン共重合体であり得る。以下同様に目的に応じて
多段階の共重合反応を行い得る。
【0012】この製造方法の特徴は、重合を一段階で終
了するのではなく、二段階以上の多段重合を行うことに
ある。このことにより、複数の種類のモノマーを続けて
重合することが可能となり、通常のポリマーブレンドと
は全く異なる、分子レベルでのブレンドタイプの共重合
体が生成される。通常、ポリマーブレンドの場合、柔軟
性と伸縮性を向上させるには、ブレンドするゴム成分の
分子量を上げるのが一つの方法である。本発明に於ける
ポリオレフィン系樹脂の場合、このゴム成分にあたるの
は上記の2段階以降の反応で生成する成分(エチレン−
α−オレフィン共重合体、エチレン−プロピレン共重合
体)であり、この成分は分子量が高いため、溶融粘度が
高い。このゴム成分は上記の多段重合法を用いることに
より、微分散させることができる。しかし、通常の押出
機等を用いたブレンド法では、このように分子量の高い
ゴム成分を用いると、溶融粘度が高いため、本発明にお
けるポリオレフィン系樹脂のような微分散モルフォロジ
ーを有する樹脂は作成し得ない。更に、従来の反応によ
り得られるポリプロピレン系のブロック共重合体のよう
な樹脂では、共重合されるエチレン、α−オレフィン等
のブロック成分は、主成分であるプロピレン系オレフィ
ンに対してその製造プロセス上、約50重量%程度含有
させるのが限界であり、通常その含有量は30重量%ま
でである。このためポリプロピレン系樹脂において、可
塑化PVCのような柔軟性を実現するのは非常に困難で
あった。しかし上記のような方法を用いれば、前記の共
重合成分を約80〜95重量%まで含有させることが可
能となり、可塑化PVCと同様な物性を有するポリプロ
ピレン系樹脂が得られる。
【0013】このような製造方法としては例えば、特開
平4−224809号公報に記載の方法がある。本発明
のフィルムを形成するポリプロピレン系樹脂を製造する
際には、上記のような、公知の任意の方法が使用し得
る。このような製造方法により得られる実際の樹脂とし
てはトクヤマ社の「PER」およびハイモント社の「キ
ャタロイ」等が挙げられる。これらはいずれも本発明に
用いられ得る。
【0014】本発明では、樹脂の重量平均分子量は、例
えば、WATERS社製、高温GPC(150CV)で
測定され得る。上記ポリプロピレン系樹脂の重量平均分
子量は、8万〜50万、好ましくは8万〜45万、更に
好ましくは10万〜40万の範囲である。重量平均分子
量が8万未満の場合、フィルムの伸縮性、応力緩和性及
び機械的強度が不足し、50万を超えると、十分な柔軟
性が得られない。
【0015】上記ポリプロピレン系樹脂は、クロス分別
法による0℃以上10℃以下、10℃超70℃以下、7
0℃超95℃以下及び95℃超125℃以下における全
樹脂量に対する溶出量百分率が、各々順に45〜80重
量%、好ましくは50〜75重量%、5〜45重量%、
好ましくは5〜30重量%、0〜20重量%好ましくは
0〜15重量%及び5〜35重量%、好ましくは5〜3
0重量%の範囲にある。
【0016】上記0℃以上10℃以下における溶出量百
分率が45重量%未満である場合、得られるフィルムの
柔軟性がなく、80重量%を超えると、得られるフィル
ムの十分な機械的強度が得られない。又、上記10℃超
70℃以下における溶出量百分率が5重量%未満である
場合、得られるフィルムの柔軟性がなく、45重量%を
超えると、得られるフィルムの変形回復性が劣る。
【0017】又、上記70℃超95℃以下における溶出
量百分率が1重量%未満である場合、得られるフィルム
の変形回復性が劣り、20重量%を超えると、得られる
フィルムの強度が大きくなり過ぎ、絆創膏使用時に強い
圧迫感を与える。又、上記95℃超125℃以下におけ
る溶出量百分率が5重量%未満である場合、得られるフ
ィルムの十分な機械的強度が得られず、35重量%を超
えると、得られるフィルムの柔軟性が失われる。
【0018】更に、上記クロス分別法による0℃以上1
0℃以下、10℃超70℃以下、70℃超95℃以下及
び95℃超125℃以下の各温度範囲における溶出樹脂
の重量平均分子量は、上記温度範囲順に好ましくは、1
0万〜30万、7万〜50万、5万〜50万及び5万〜
50万である。
【0019】本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂
において、各温度域での溶出量及び重量平均分子量が上
記範囲内にあることは、フィルムの弾性率、強度、延性
等の物性を制御する上で非常に重要である。
【0020】本発明において、上記クロス分別法による
組成分布及び分子量の測定は、温度上昇溶離分別(Te
mperature Rising Elution
Fractionation)部分と高温GPC(Ge
l PermeationChromatograp
h)部分のシステムを備えたクロス分別クロマトグラフ
装置(三菱油化社製、CFC−T150A型)を使用し
て以下の通り実施した。
【0021】先ず、上記ポリプロピレン系樹脂を140
℃ないしそれ以上のポリプロピレン系樹脂が完全に溶解
する温度のo−ジクロロベンゼンに溶解し、一定速度で
冷却し、予め準備した不活性担体表面に薄いポリマー層
を結晶性の高い順に及び分子量の大きい順に生成させ
る。次いで、温度を連続的に又は段階的に昇温し、順次
溶出した成分の濃度を検出し、組成分布(結晶性分布)
を温度上昇溶離分別部分で測定すると共に、その成分を
高温GPC部分により分子量及び分子量分布を測定し
た。
【0022】本発明におけるポリプロピレン系樹脂とし
ては、前記する多段重合法によって得られるポリプロピ
レン系樹脂に、本発明の趣旨を損なわない範囲で、他の
ポリプロピレン系樹脂等をブレンドしてもよい。
【0023】本発明において、上記樹脂層には、酸化防
止剤、紫外線防止剤等の安定剤、沈降性硫酸バリウム、
タルク、炭酸カルシウム、マイカ、酸化チタン等の充填
剤、着色剤等を添加できる。
【0024】上記ポリプロピレン系樹脂は、上記する柔
軟性及び応力緩和性等の優れた性能を示すが、ブロッキ
ング性が強いことから、表層に使用するためには、相当
量のアンチブロッキング剤の添加が必要である。従っ
て、本発明においては、表層及び内層の直接その表面が
露出する層の構成をこれとは別の肌触りがよく、アンチ
ブロッキング性に優れたエチレン−メタクリル酸メチル
共重合体系樹脂からなるものとした。
【0025】本発明において上記ポリプロピレン系樹脂
からなるフィルムは、上記の樹脂を、Tダイ法、インフ
レーション法、カレンダー法等によってフィルムに成形
され、更に、必要に応じ、少なくとも一方向以上に延伸
されてもよい。
【0026】以上により得られる本発明の絆創膏用フィ
ルムの厚さは、特に限定されるものではないが、15〜
300μmが好ましく、特に実用的には50〜130μ
mである。い。15μm未満では使用に際しての強度が
不足し、300μmを超えると絆創膏としては硬過ぎ、
風合いを損ねる。又、上記フィルムは、無色・着色、透
明・不透明を問わない。
【0027】本発明により得られるフィルムを用いて絆
創膏を作製する場合、該フィルムにコロナ放電処理やア
ンカーコートを施した後、粘着剤層を設け、その上にガ
ーゼ等を積層し、その上から差し替え用の離型紙を積層
した上、これを所定の寸法に打ち抜き、表裏両面に個別
包装紙を重ねると共に、更に所定の寸法に切断して得ら
れる。猶、コロナ放電処理を行う場合、フィルムの表面
張力を38dyn/cm以上とすることが好ましい。上
記粘着剤層は、上記フィルムの全表面に設けてもよく、
或いは、細い線状、格子状、散点状、粘着剤が塗布され
ていない小円部が多数形成された面状等用途によって自
由に選択してもよい。上記粘着剤の種類は、特に限定さ
れるものではなく、例えば、天然ゴム系、合成ゴム系、
アクリル系、ウレタン系、ビニルエーテル系、シリコー
ン系、SIS等のブロック共重合体系等の各種粘着剤が
好適に用いられ、又、その形態は、溶液型、エマルジョ
ン型、ホットメルト型等いずれであってもよい。上記粘
着剤の塗工方法は、特に限定されるものではなく、本発
明フィルム表面に粘着剤を直接塗工してもよいし、或い
は、離型紙や離型フィルム等のセパレーターの離型処理
面に粘着剤を塗工して、本発明フィルムと重ね合わせる
ことによって、粘着剤層を本発明フィルムに転写する方
法を採ってもよい。又、上記フィルム層のいずれか一方
の表面に、目的に応じて、各種の印刷を任意の形状及び
寸法で行い得る。
【0028】
【作用】本発明の絆創膏用フィルムは、表層及び内層
が、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体系樹脂から
なり、中層が、重量平均分子量が8万〜50万の範囲に
あり、クロス分別法による10℃以下、10℃超70℃
以下、70℃超95℃以下、95℃超125℃以下にお
ける全樹脂量に対する溶出量百分率が、各々順に45〜
80重量%、5〜45重量%、0〜20重量%及び5〜
35重量%の範囲にあるポリプロピレン系樹脂からなる
ものであるので、可塑剤を実質的に含有せず、使用時、
可塑剤のマイグレーション等他材料への影響がなく、柔
軟で伸縮性を有しながらブロッキングしにくく、実用温
度域での力学物性の変化が小さく、就中、伸張時の応力
緩和が速いため、患部を圧迫せず、風合いがよい絆創膏
を提供することができる。
【0029】本発明の絆創膏用フィルムが上記のような
優れた特徴を有する理由は、以下のように推定される。
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂は、ポリプロ
ピレン樹脂にエチレン−プロピレン共重合体等に代表さ
れる非晶性ポリマーが重合中に大量に導入されてアロイ
されたようになっていると考えられる。非常に活性が高
く、寿命が長いチタン系触媒の使用により、この種の樹
脂の製造が一部のメーカーで可能になっているようであ
る。このような重合によるポリマー中には、分子構造の
異なる共重合体が数個存在し、そのためポリプロピレン
等の通常樹脂部とこれら共重合体のアロイにおいて特徴
あるモルフォロジーが発現していると考えられる。この
結果、本発明における絆創膏用フィルムは、可塑化PV
Cに非常に近い性能を発揮すると考えられる。
【0030】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明を実施例に
ついて説明する。
【0031】以下の実施例及び比較例において得られた
絆創膏用フィルムについて、応力緩和残存率及び抗張力
の測定並びにブロッキング性の評価はそれぞれ以下に示
す方法で実施した。
【0032】1.応力緩和残存率:引張試験機により、
試料幅19mm、初期試料長(つかみ間隔)100mm
のフィルム試料を、引張速度200mm/minで、2
5%(25mm)引張った状態で保持し、0秒後と5分
後の抗張力を測定し、次式により、応力緩和残存率を算
出した。
【0033】応力緩和残存率(%)=(5分間経過後の
抗張力/初期抗張力)×100
【0034】2.抗張力:引張試験機により、試料幅1
9mm、初期試料長さ(つかみ間隔)100mmのフィ
ルム試料を、引張速度200mm/minで引張ったと
きの伸度10%における抗張力を測定した。
【0035】3.ブロッキング性評価:得られた絆創膏
用フィルム表面と背面を重ね合わせて、40℃×10k
g/cm2 で1カ月加圧保管後、50mm幅にスリット
し、300mm/minの引張りスピードで引き剥が
し、該剥離力からブロッキング性を評価した。
【0036】(実施例1)分子量25万、クロス分別法
による10℃以下、10℃超70℃以下、70℃超95
℃以下及び95℃超125℃以下における全樹脂量に対
する溶出量百分率が、各々順に55.4重量%、31.
0重量%、0.7重量%及び12.9重量%である組成
を有するポリプロピレン系樹脂(ハイモント社製、商品
名:キャタロイ)を中層に用い、エチレン−メタクリル
酸メチル共重合体系樹脂(住友化学社製、商品名:アク
リフトCM8013、メタクリル酸メチル含有量:1
2.5重量%)を上記中層の両面に積層される表層及び
内層として用い、インフレーションダイにより共押出
(表面層:基材層:表面層=1:12:1)して厚さ7
0μmの絆創膏用フィルムを作製した。
【0037】(実施例2)実施例1の中層に用いたポリ
プロピレン系樹脂に替えて、分子量24万、クロス分別
法による10℃以下、10℃超70℃以下、70℃超9
5℃以下及び95℃超125℃以下における全樹脂量に
対する溶出量百分率が、各々順に56.4重量%、1
8.4重量%、15.5重量%及び9.7重量%である
組成を有するポリプロピレン系樹脂(ハイモント社製、
商品名:キャタロイKS)を用いたこと以外、実施例1
と同様にして、厚さ70μmの絆創膏用フィルムを作製
した。
【0038】(実施例3)実施例1の表層及び内層に用
いたエチレン−メタクリル酸メチル共重合体系樹脂を、
住友化学社製、商品名:アクリフトCM8014(メタ
クリル酸メチル含有量:17.5重量%)に替えたこと
以外、実施例1と同様にして絆創膏用フィルムを作製し
た。
【0039】(比較例1)実施例1の中層に用いたポリ
プロピレン系樹脂をエチレンと1−ブテンの共重合体
(東ソー社製、商品名:ルミタック22−1、密度0.
900g/cm3 、曲げ弾性率550kg/cm3 )に
替えたこと以外、実施例1と同様にして絆創膏用フィル
ムを作製した。
【0040】(比較例2)比較例1の中層に用いたエチ
レンと1−ブテンの共重合体のみを用い、Tダイ法によ
って、厚さ70μmの絆創膏用フィルムを作製した。
【0041】本実施例1〜3及び比較例1〜2で得られ
た絆創膏用フィルムの評価結果を、以下の表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明の絆創膏用フィルムは、叙上の如
く構成されているので、可塑剤を含まず、柔軟で伸縮性
を有し、就中、伸長時の応力緩和が速く、充分な抗張力
を有する、患部を圧迫しない、風合いのよい、従来の可
塑化PVCの代替となる絆創膏用フィルムが得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表層及び内層が、エチレン−メタクリル
    酸メチル共重合体系樹脂からなり、中層が、重量平均分
    子量が8万〜50万の範囲にあり、クロス分別法による
    10℃以下、10℃超70℃以下、70℃超95℃以下
    及び95℃超125℃以下における全樹脂量に対する溶
    出量百分率が、各々順に45〜80重量%、5〜45重
    量%、0〜20重量%及び5〜35重量%の範囲にある
    ポリプロピレン系樹脂からなることを特徴とする絆創膏
    用フィルム。
JP7139409A 1995-06-06 1995-06-06 絆創膏用フィルム Pending JPH08322924A (ja)

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