JPH08332146A

JPH08332146A - 電気炊飯器

Info

Publication number: JPH08332146A
Application number: JP7140455A
Authority: JP
Inventors: Nobue Shimamura; 信枝島村
Original assignee: Sharp Corp
Current assignee: Sharp Corp
Priority date: 1995-06-07
Filing date: 1995-06-07
Publication date: 1996-12-17
Anticipated expiration: 2016-06-25
Also published as: JP3180002B2

Abstract

(57)【要約】【目的】ハロゲンヒータの熱効率を低下させることな
く均一に加熱する。【構成】内釜２３の側方に位置する内枠２２の側壁
に、外方向に向かって突出した装着部２８を設ける。装
着部２８によって形成された空間２９にハロゲンヒータ
２４を配する。内釜２３の下方には、ハロゲンヒータ２
４から放射される電磁波を反射する反射板２５を設け
る。内釜２３の底面から側面下部の肉厚が、側面上部の
肉厚より厚くする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲンランプ等のラ
ンプヒータを熱源とする熱効率のよい電気炊飯器に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来のハロゲンヒータを用いた電気炊飯
器として、特開平６−３２７５５２号公報において、加
熱開始時の温度の立ち上がりが早く、清掃性を向上さ
せ、かつ加熱効率の良好な電気炊飯器が開示されてい
る。この電気炊飯器は、図１０の如く、本体１内に下部
の直径が上部の内径に比べて大となる内枠２を内設し、
該内枠２の底部を塞ぐガラス板３を固着して、アルミ製
の鍋４を収容する鍋収容部５が設けられている。ガラス
板３の下面側にヒータカバー６に覆われたヒータユニッ
ト７が設けられ、該ヒータユニット７は、浅底円形容器
状の断熱材８内に鍋４の外周部に対応した円環状のハロ
ゲンヒータ９を収容して構成されており、断熱材８の中
心部分に円錐状凸部１０が一体に形成されている。

【０００３】そして、炊飯時において、スイッチ操作等
により炊飯動作が起動されると、ハロゲンヒータ９に電
源が通電され、ハロゲンヒータ９から即座に電磁波が放
射される。そして、該電磁波がガラス板３を透過して直
接、あるいは内枠２の内面に反射して鍋４に照射され、
鍋４が加熱されて炊飯が行われる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな電気炊飯器においては、ハロゲンヒータ９と鍋４の
間にガラス板３を介装しているため、ハロゲンヒータ９
より放射された電磁波の一部がガラス板３に吸収され、
熱効率が低下する。そのため、米飯の食味にも悪い影響
を与えている。さらに、ハロゲンヒータ９の周辺の加熱
された空気がガラス板３によりヒータユニット７内に閉
じ込められるため、ハロゲンヒータ９は高温となり、寿
命が短くなるという問題があった。また、内枠２の底部
がガラス板３で遮蔽されているため、水やゴミ等が内部
に入り込まず清掃性はよいが、ガラス板３は物の落下に
よる衝撃で破損する危険性がある。

【０００５】本発明は、上記に鑑み、ランプヒータから
放射される電磁波を効率よく鍋に照射し、炊きむらがな
いおいしい米飯を炊飯する電気炊飯器の提供を目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明による課題解決手
段は、図１の如く、内釜２３の側方に位置する内枠２２
の側壁に、外方向に向かって突出した装着部２８を設
け、該装着部２８によって形成された空間２９にハロゲ
ンヒータ（ランプヒータ）２４を配する。さらに、内釜
２３の下方には、ハロゲンヒータ２４から放射される電
磁波を反射するための反射板２５を設け、また内釜２３
が底面から側面下部の肉厚が側面上部の肉厚より厚くさ
れたものである。

【０００７】さらに、図７の如く、内釜２３を取り出し
たときに空間２９を塞ぐ保護反射板３６を上下動自在に
内枠２２に設けたものである。

【０００８】

【作用】上記課題解決手段において、スイッチ操作等に
より炊飯が起動されると、ハロゲンヒータ２４から電磁
波が放射され、直接、または内枠２２の側面で反射して
内釜２３に向けて照射される。また、内釜２３の下方に
向かう電磁波は反射板２５によって集光され、内釜２３
の底面に照射される。さらに、内釜２３では、ハロゲン
ヒータ２４の電磁波の照射により発生した側面下部の熱
が厚みのある底面および側面上部に伝わり、内釜２３の
下部より上部へと効率よく均一に加熱され、炊飯が行わ
れる。

【０００９】また、この炊飯器では、内釜２３を取り出
した場合、内枠２２の開口に対してハロゲンヒータ２４
は隠れた位置にあるので、内枠２２を平面視してもハロ
ゲンヒータ２４は目にふれることがなく、そのため内枠
２２の開口からゴミまたは水等の異物が落ちても装着部
２８に入り込みにくい。

【００１０】そして、図７の如く、保護反射板３６を設
けることにより、内釜２３が装着されていない場合、保
護反射板３６は上昇して装着部２８より上方に位置して
空間２９を塞ぐため、ハロゲンヒータ２４が露出しな
い。そのため、確実にゴミまたは水等の異物の装着部２
８への侵入を防げる。また、内釜２３を装着すると、保
護反射板３６は装着部２８よりも下方の所定位置とな
り、ハロゲンヒータ２４が露出し、炊飯が可能となる。

【００１１】

【実施例】

（第一実施例）本発明の第一実施例における電気炊飯器
は、図１の如く、炊飯器本体２０とその上面開口部を覆
う開閉自在な蓋体２１とを備え、前記炊飯器本体２０に
は、内枠２２と、該内枠２２内に収納される内釜２３
と、熱源としてのランプヒータであるハロゲンヒータ２
４と、該ハロゲンヒータ２４から放射される電磁波を反
射する反射板２５とが設けられている。そして、前記ハ
ロゲンヒータ２４は、前記内釜２２の側方に配されてい
る。また、図示しないが、起動，停止のスイッチ等が配
された操作部や制御部等が装備されている。

【００１２】前記ハロゲンヒータ２４は、可視光から遠
赤外線の電磁波を発生する、即熱性、即冷性に優れたも
のであり、図２の如く、一部が切り離された円環状に形
成されている。なお、このハロゲンヒータ２４は、図３
の如く、棒状のハロゲンランプ２６を四つ組み合わせ、
内釜２３を中心に四方に配することも考えられる。

【００１３】前記内枠２２は、アルミニウム等からなる
有底容器であり、内面はハロゲンヒータ２４の電磁波を
反射するために、反射効率のよい鏡面光沢を有してい
る。そして、上縁が炊飯器本体２０から突出した支持片
２７に取り付けられている。また、側壁には、外方向に
向かって円弧状に突出した装着部２８が円周方向に形成
され、該装着部２８によって形成された空間２９に支持
部材を介してハロゲンヒータ２４が配されている。ま
た、ハロゲンヒータ２４は、熱効率を考慮して内釜２３
の底面より上方に５０ｍｍ以下の高さに位置するように
設けられている。

【００１４】すなわち、内径が２３ｃｍの内釜２３に
水、米１８００ｇを入れ、図３の如く、合計の消費電力
が１０００Ｗとなる棒状の４本のハロゲンランプ２６を
内釜２３より１５ｍｍ離した状態で四方に配設して、内
釜２３を加熱する。このとき、内枠２２に収納された内
釜２３の底面の高さを基準（０ｍｍ）として、その基準
位置より上方向にハロゲンヒータ２４を移動させ、その
移動距離と熱効率を調べた。図４の如く、距離が５０ｍ
ｍを越えると熱効率が極端に低下し、ハロゲンヒータ２
４を内釜２３の底面より上方に５０ｍｍ以下とすること
で７５〜８０％の高い熱効率が得られることがわかる。

【００１５】前記内釜２３は、アルミニウムまたはアル
ミニウム合金等の高熱伝導性、耐熱性および耐衝撃性を
有する金属を母材とするもので、その内面にフッ素系の
樹脂コーティングが施されている。そして、有底円筒状
で底面から側面下部の肉厚が側面上部の肉厚より厚く形
成されており、ハロゲンヒータ２４の電磁波の照射によ
り側面に受けた熱が底面にも伝達されやすいようになっ
ている。また、内釜２３には、上部周縁の対向した二か
所に取手３０が設けられ、該取手３０が内枠２２の上縁
に係合することにより、内釜２３は支持されている。

【００１６】前記反射板２５は、耐熱性及び耐変色性の
ステンレス鋼板あるいは光輝アルミニウム等の電磁波に
対して高反射率を有するものからなり、内釜２３の底面
を包み込むような円弧状の皿形に形成されている。そし
て、内釜２３の下方に、内枠の底面に支持部材を介して
固定されている。また、反射板２５の中心部に、上下方
向に貫通した円筒形の突出体３１が嵌合され、該突出体
３１は内枠２２の底面に突設されている。そして、図
中、３２は温度検知センサであり、突出体３１に挿通さ
れ、内釜２３の装着時に内釜２３の底面と接触して炊飯
温度を検知する。なお、図５の如く、反射板の形状を内
釜２３の底面を囲むような放物線状の反射板３３として
もよい。

【００１７】前記蓋体２１は、外蓋２１ａと内蓋２１ｂ
とからなり、外蓋２１ａは中空状に形成されており、下
面に内釜２３の上面開口を開閉自在に覆う内蓋２１ｂが
若干動くように取り付けられている。また、内蓋２１ｂ
の内周縁には内釜２３の上部との隙間を密閉するための
パッキンが取り付けられている。

【００１８】なお、内枠２２の形状を、図６の如く、側
壁の上部の内径を下部の内径よりも小さい内枠として空
間３４を形成して、この空間３４にハロゲンヒータ２４
を内装し、ハロゲンヒータ２４と内釜２３の底部を囲む
反射板３５を配することも考えられる。

【００１９】上記構成において、洗米した米と適量の水
が投入された内釜２３を炊飯器本体２０に装着して、炊
飯操作スイッチをＯＮすると炊飯が開始され、ハロゲン
ヒータ２４に電源が通電される。そして、ハロゲンヒー
タ２４は即座に電磁波を放射し、その電磁波が内釜２３
に照射されることによって炊飯加熱される。このとき、
電磁波は、直接、または内枠２２の装着部２８の壁面で
反射して内釜２３の側面に向けて照射されるが、内釜２
３の下方に向かう電磁波は反射板２５によって集光さ
れ、内釜２３の底面に照射される。さらに、内釜２３で
は、厚みのある底面から側面下部の熱容量が増加して、
内釜２３の下部より上部へと効率よく熱が伝わり、均一
にむらなく炊飯される。そして、温度検知センサ３２に
より炊飯温度が検知され、米飯が理想的な炊飯温度で加
熱される。

【００２０】また、蓋体２１を開き内釜２３を取り出し
た場合、内枠２２の開口に対してハロゲンヒータ２４は
隠れた位置にあるので、内枠２２を平面視してもハロゲ
ンヒータ２４は目にふれることがない。そのため、内枠
２２の開口からゴミまたは水等の異物が落ちても装着部
２８に入り込みにくく、殆どが反射板２５の上に落ち
て、直接ハロゲンヒータ２４に付着することを防止でき
る。したがって、ハロゲンヒータ２４の熱効率が低下す
ることがない。また、清掃時は反射板２５の上を清掃す
るだけで済み非常に清掃性がよい。

【００２１】そして、従来の電気炊飯器のようにガラス
板を設けていないので、直接内釜２３を加熱することが
でき、熱効率の向上を図れ、しかもガラス板への物の落
下による破損の恐れもなくなる。さらに、ハロゲンヒー
タ２４は狭い空間に密閉された状態にないので高温とな
らず、寿命が短くならない。また、内釜２３の底面に反
射板２５を配することで、内釜２３の下部に漏れた電磁
波を集光して内釜２３の底面に照射することができ、熱
効率をより一層向上できて省エネルギーとなりおいしく
炊飯できる。

【００２２】しかも、内釜２３の底面から側面下部の肉
厚が側面上部の肉厚より厚くされていることにより、底
面の熱容量が大きくなり、底面から均一な加熱が行え
る。したがって、ハロゲンヒータが側面下部にあって
も、温度むらを生じることがない。

【００２３】（第二実施例）本実施例では、図７の如
く、炊飯器本体２０の内枠２２に収納された内釜２３の
下方に、ハロゲンヒータ２４の装着部２８によって形成
された空間２９を塞ぐ保護板として、保護反射板３６が
設けられている。そして、保護反射板３６は、第一実施
例の反射板２５と同様の材質および形状をしており、反
射板としての機能も有している。さらに、内枠２２の底
面に設けられた圧縮スプリング３７によって保護反射板
３６は支持され、圧縮スプリング３７の弾性により上下
動可能とされている。また、保護反射板３６の中心部に
は上下方向に貫通した円筒形の突出体３８が嵌合され、
突出体３８の上部には、温度検知センサ３２が挿嵌され
ており、保護反射板３６の最下位置において、空間２９
が開口されるように突出体３８の下部の長さが設定され
ている。なお、保護反射板の形状は、図８の如く、内釜
の底部を囲む放物線状とした保護反射板３９としてもよ
い。なお、その他の構成及び動作は第一実施例と同様で
あり、同じ機能を有する部材については同符号を付して
いる。

【００２４】そして、炊飯器本体２０に内釜２３が装着
されていない場合、図９の如く、保護反射板３６は、圧
縮スプリング３７の上向きの付勢力で上昇して、装着部
２８より上方に位置しており、ハロゲンヒータ２４が露
出しない構造となっている。また、内釜２３を炊飯器本
体２０に装着すると、内釜２３の底面が突出体３８に挿
嵌された温度検知センサ３２と接触して保護反射板３６
が押し下げられ、突出体３８が内枠２２の底面に当接す
ると、保護反射板３６は停止して装着部２８よりも下方
の所定位置となり、ハロゲンヒータ２４が露出する。な
お、炊飯動作については、第一実施例と同様である。

【００２５】このように、本実施例においては、電気炊
飯器に内釜２３が挿着されていないときは、保護反射板
３６がハロゲンヒータ２４の装着部２８の空間２９を覆
うので、ゴミや水等の侵入を確実に防ぐことができ、ハ
ロゲンヒータ２４の性能が低下せず、また清掃性やデザ
イン性もさらに向上する。

【００２６】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修
正および変更を加え得ることは勿論である。例えば、第
二実施例においては、保護反射板の上下動作にともなっ
て温度検知センサも上下するので、温度検知センサのリ
ード線の配線が難しい。これを解消するために温度検知
センサを内枠に直接取り付け部材等を用いて固定し、温
度検知センサに保護反射板を貫通した突出体を外嵌する
ことによって、温度検知センサ外面を突出体の内面が上
下方向に摺動する構造としてもよい。また、このとき、
保護反射板が上方に移動し過ぎて突出体が温度検知セン
サから抜けてしまうのを防止するため、保護反射板の上
下方向の動作にともなう水平方向のずれを規制する案内
部材を付設してもよい。

【００２７】

【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、ハロゲンヒータが内枠の側壁から外側に突出し
た空間に配されているので、簡単な構造でハロゲンヒー
タへのゴミや水等の異物の侵入を防ぐことができる。ま
た、物が落下することによるハロゲンヒータの破損も防
ぐことができる。さらには、内釜を直接加熱しているた
め、ハロゲンヒータの熱を有効に利用できて熱効率が向
上し、炊きむらのない炊飯が可能となる。しかも、ハロ
ゲンヒータは狭い空間に密閉されていないので、熱がこ
もって高温になることはなく寿命を延ばすことができ
る。

【００２８】また、内釜の下方に反射板を配すことで、
内釜の下方に漏れた電磁波を集光して内釜の底面に照射
することができ、より熱効率を向上させることができ
る。さらに、内釜の底面から側面下部の肉厚が側面上部
の肉厚より厚くされているので、内釜側面に照射された
熱が内釜の底面に伝わりやすく、底面の熱容量が大きく
なり、内釜全体の均一な加熱が行える。

【００２９】そして、内釜を取り出したときにハロゲン
ヒータを内装するための空間を塞ぐ保護板を設けると、
異物の侵入をさらに確実に防ぐことができ、清掃性もさ
らに向上する。また、ハロゲンヒータに異物が付着せ
ず、ハロゲンヒータの性能が低下しない。

【図面の簡単な説明】

【図１】第一実施例の電気炊飯器を示す図

【図２】ハロゲンヒータの配置を示す図

【図３】他のハロゲンヒータの配置を示す図

【図４】内釜底面からのハロゲンヒータの距離に対する
熱効率の変化を示す図

【図５】他の形状の反射板を設けた電気炊飯器を示す図

【図６】他の形状の内枠を設けた電気炊飯器を示す図

【図７】第二実施例の電気炊飯器を示す図

【図８】他の形状の保護反射板を設けた電気炊飯器を示
す図

【図９】内釜を取り除いたときの電気炊飯器を示す図

【図１０】従来の電気炊飯器を示す図

【符号の説明】

２２内枠２３内釜２４ハロゲンヒータ２５反射板２８装着部２９空間３６保護反射板３７圧縮スプリング

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】内枠に内装された内釜と、該内釜を加熱
するランプヒータとを備えた電気炊飯器において、前記
ランプヒータが内釜の側方に配され、前記内枠にランプ
ヒータを内装するための空間が形成されたことを特徴と
する電気炊飯器。
【請求項２】内枠の側壁に外方向に向かって突出した
装着部が設けられ、該装着部によって形成された空間に
ランプヒータが配置されたことを特徴とする請求項１記
載の電気炊飯器。
【請求項３】内釜の下方にランプヒータの電磁波を反
射する反射板が設けられたことを特徴とする請求項１ま
たは２記載の電気炊飯器。
【請求項４】内釜を取り出したときにランプヒータを
内装するための空間を塞ぐ保護板が設けられたことを特
徴とする請求項１記載の電気炊飯器。
【請求項５】内釜の底面から側面下部までの肉厚が側
面上部の肉厚より厚くされたことを特徴とする請求項１
記載の電気炊飯器。