JPH08332088A - 植物遺伝子の発現 - Google Patents
植物遺伝子の発現Info
- Publication number
- JPH08332088A JPH08332088A JP8119401A JP11940196A JPH08332088A JP H08332088 A JPH08332088 A JP H08332088A JP 8119401 A JP8119401 A JP 8119401A JP 11940196 A JP11940196 A JP 11940196A JP H08332088 A JPH08332088 A JP H08332088A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dna
- plasmid
- plant
- gene
- cells
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/63—Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
- C12N15/79—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
- C12N15/82—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
- C12N15/8201—Methods for introducing genetic material into plant cells, e.g. DNA, RNA, stable or transient incorporation, tissue culture methods adapted for transformation
- C12N15/8202—Methods for introducing genetic material into plant cells, e.g. DNA, RNA, stable or transient incorporation, tissue culture methods adapted for transformation by biological means, e.g. cell mediated or natural vector
- C12N15/8205—Agrobacterium mediated transformation
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Zoology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Plant Pathology (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Saccharide Compounds (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 植物を遺伝的に改変するための有用遺伝子を
提供する。 【解決手段】 ファセオラス・ ブルガリスL.由来の、
ファセオリンおよびそのプロモーター領域をコードする
遺伝子を含むDNA断片。
提供する。 【解決手段】 ファセオラス・ ブルガリスL.由来の、
ファセオリンおよびそのプロモーター領域をコードする
遺伝子を含むDNA断片。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は植物遺伝子の発現に
関する。
関する。
【0002】
(シャトルベクター)RuvkunとAusubel(1981) Nature 28
9:85-88により開発されたシャトルベクターは、外来遺
伝物質を大プラスミド、ウイルスまたはゲノムの選ばれ
た位置に挿入する方法を可能とする。大プラスミドまた
はゲノムを扱う場合、2つの主要問題がある。第1に
は、大プラスミドが、各制限酵素について多くの部位を
有することである。唯一の部位特異的切断反応には再現
性がなく、多部位切断反応とそれに続く連結が、変化さ
せたくない多くのフラグメントの順序および方向を混乱
させる大きな難点を生ずる。第2には、大DNAプラスミ
ドを用いた形質転換効率は非常に低い。シャトルベクタ
ーは、しばしばインビトロで、外来遺伝物質を小プラス
ミドに容易に挿入し、次に通常インビボ技術により、大
プラスミドに移すことにより、これらの困難を打開する
ことが可能である。
9:85-88により開発されたシャトルベクターは、外来遺
伝物質を大プラスミド、ウイルスまたはゲノムの選ばれ
た位置に挿入する方法を可能とする。大プラスミドまた
はゲノムを扱う場合、2つの主要問題がある。第1に
は、大プラスミドが、各制限酵素について多くの部位を
有することである。唯一の部位特異的切断反応には再現
性がなく、多部位切断反応とそれに続く連結が、変化さ
せたくない多くのフラグメントの順序および方向を混乱
させる大きな難点を生ずる。第2には、大DNAプラスミ
ドを用いた形質転換効率は非常に低い。シャトルベクタ
ーは、しばしばインビトロで、外来遺伝物質を小プラス
ミドに容易に挿入し、次に通常インビボ技術により、大
プラスミドに移すことにより、これらの困難を打開する
ことが可能である。
【0003】シャトルベクターは究極の受容細菌へ導入
され得る、通常プラスミドであるDNA分子より成る。そ
れはまた、外来遺伝物質が挿入され得る受容ゲノムのフ
ラグメントのコピーと、これもまた受容ゲノムフラグメ
ントに挿入される選択形質をコードするDNAセグメント
を含む。選択形質("マーカー")はトランスポソン突然変
異誘発、または制限酵素およびリガーゼにより容易に挿
入される。
され得る、通常プラスミドであるDNA分子より成る。そ
れはまた、外来遺伝物質が挿入され得る受容ゲノムのフ
ラグメントのコピーと、これもまた受容ゲノムフラグメ
ントに挿入される選択形質をコードするDNAセグメント
を含む。選択形質("マーカー")はトランスポソン突然変
異誘発、または制限酵素およびリガーゼにより容易に挿
入される。
【0004】このシャトルベクターは究極受容細胞、代
表的には、アグロバクテリウム属の細菌ヘ三親交雑(Ruv
kunとAusubel、前出)、二親交雑での自己可動性ベクタ
ーの直接移送、アグロバクテリウム細胞による外部DNA
の直接取込み(M. Holsters et. al.(1978) Molec.Gen.G
enet. 163:181-187の条件を用いる"形質転換")、他の
細菌細胞とアグロバクテリウムとのスフェロプラスト融
合、リポソーム包括DNAの取込み、またはインビトロで
パッケージ可能なウイルス上にあるシャトルベクターの
感染により導入される。三親交雑は、プラスミド可動と
接合移送に関する遺伝子とを有する可動性プラスミドを
有する菌株と、シャトルベクターを有する菌株との交雑
を含む。シャトルベクターがプラスミド遺伝子により移
動可能である場合、そのシャトルベクターは大ゲノム、
例えばアグロバクテリウム菌株のTiまたはRiプラスミド
を有する受容細胞へ移入される。
表的には、アグロバクテリウム属の細菌ヘ三親交雑(Ruv
kunとAusubel、前出)、二親交雑での自己可動性ベクタ
ーの直接移送、アグロバクテリウム細胞による外部DNA
の直接取込み(M. Holsters et. al.(1978) Molec.Gen.G
enet. 163:181-187の条件を用いる"形質転換")、他の
細菌細胞とアグロバクテリウムとのスフェロプラスト融
合、リポソーム包括DNAの取込み、またはインビトロで
パッケージ可能なウイルス上にあるシャトルベクターの
感染により導入される。三親交雑は、プラスミド可動と
接合移送に関する遺伝子とを有する可動性プラスミドを
有する菌株と、シャトルベクターを有する菌株との交雑
を含む。シャトルベクターがプラスミド遺伝子により移
動可能である場合、そのシャトルベクターは大ゲノム、
例えばアグロバクテリウム菌株のTiまたはRiプラスミド
を有する受容細胞へ移入される。
【0005】シャトルベクターが受容細胞へ導入された
後、マーカーのいずれか一方の側での1回の組換えを伴
う二重乗換えが期待される。この現象はマーカーを含む
DNAセグメントを受容ゲノムへ移し、挿入物を欠く相同
セグメントと置換する。元のシャトルベクターを欠失し
た細胞を選択する為に、そのシャトルベクターは、究極
受容細胞中で複製が不可能であるか、受容細胞に既存の
独立に選択可能なプラスミドと不和合性でなければなら
ない。この為の1つの共通的な手段はシャトルベクター
と不和合性でかつ他の薬剤耐性マーカーを有する他のプ
ラスミドを第3の親に備えることである。従って両薬剤
耐性で選択すると、生存細胞はその中でシャトルベクタ
ーのマーカーが受容ゲノムと組換えを起こしたもののみ
である。シャトルベクターが余分のマーカーを持ってい
る場合、シャトルベクターと受容プラスミドとの間の1
回の乗換えの結果生じる完全なシャトルベクターが、受
容プラスミドに組み込まれたものを有する細胞を選択し
そして排除できる。外来遺伝物質が選択しようとするマ
ーカー内か、近接した位置に挿入されている場合、同じ
二重組換の結果、それは受容プラスミドに組み込まれ
る。相同フラグメントのマーカー内または近接した位置
でなく、外来遺伝物質がマーカーから遠く離れて挿入さ
れている場合、外来遺伝物質とマーカーの間で組換えが
起こり、外来遺伝物質を移せない事も起こるだろう。
後、マーカーのいずれか一方の側での1回の組換えを伴
う二重乗換えが期待される。この現象はマーカーを含む
DNAセグメントを受容ゲノムへ移し、挿入物を欠く相同
セグメントと置換する。元のシャトルベクターを欠失し
た細胞を選択する為に、そのシャトルベクターは、究極
受容細胞中で複製が不可能であるか、受容細胞に既存の
独立に選択可能なプラスミドと不和合性でなければなら
ない。この為の1つの共通的な手段はシャトルベクター
と不和合性でかつ他の薬剤耐性マーカーを有する他のプ
ラスミドを第3の親に備えることである。従って両薬剤
耐性で選択すると、生存細胞はその中でシャトルベクタ
ーのマーカーが受容ゲノムと組換えを起こしたもののみ
である。シャトルベクターが余分のマーカーを持ってい
る場合、シャトルベクターと受容プラスミドとの間の1
回の乗換えの結果生じる完全なシャトルベクターが、受
容プラスミドに組み込まれたものを有する細胞を選択し
そして排除できる。外来遺伝物質が選択しようとするマ
ーカー内か、近接した位置に挿入されている場合、同じ
二重組換の結果、それは受容プラスミドに組み込まれ
る。相同フラグメントのマーカー内または近接した位置
でなく、外来遺伝物質がマーカーから遠く離れて挿入さ
れている場合、外来遺伝物質とマーカーの間で組換えが
起こり、外来遺伝物質を移せない事も起こるだろう。
【0006】シャトルベクターは、アグロバクテリウム
のプラスミドの操作に有用であることが証明されてい
る: D.J.Garfinkelら(1981) Cell 27:143-153, A.J.
M.MatzkeおよびM.D.Chilton (1981) J.Molec.Appl.Gene
t. 1:39-49,およびJ.Leemansら(1981) J.Malec.Appl.
Genet. 1:149-164 を参照のこと。ここではシャトルベ
クターを"中間ベクター(intermedeate vectors)"と呼
ぶ。
のプラスミドの操作に有用であることが証明されてい
る: D.J.Garfinkelら(1981) Cell 27:143-153, A.J.
M.MatzkeおよびM.D.Chilton (1981) J.Molec.Appl.Gene
t. 1:39-49,およびJ.Leemansら(1981) J.Malec.Appl.
Genet. 1:149-164 を参照のこと。ここではシャトルベ
クターを"中間ベクター(intermedeate vectors)"と呼
ぶ。
【0007】(アグロバクテリウム−概説)グラム陰性細
菌、リゾビウム科のアグロバクテリウム属に、アグロバ
クテリウム・チューメファシエンス(A.tumefaciens)種
とアグロバクテリウム・リゾゲネス(A.rhizogenes)種
がある。これらの種は夫々植物のクラウンゴール病、毛
状根病(hairly root disease)の原因となる。クラウン
ゴールは未分化組織の瘤(gall)化に特徴づけられる。毛
根は感染組織での異常な根(ルート)の誘導により特徴づ
けられる奇形腫である。両病において、異状な増殖植物
組織は、植物により正常には生産されない、通常オピン
として知られている1つまたはそれ以上のアミノ酸誘導
体を生産し、これは感染細菌により異化される。既知の
オピンは3族に分類され、その代表的なメンバーはオク
トピン、ノパリン、およびアグロピンである。異常増殖
組織の細胞は、培養により増殖可能であり、また適当な
条件下で形質転換した表現型を保ちつつ完全な植物に再
生される。
菌、リゾビウム科のアグロバクテリウム属に、アグロバ
クテリウム・チューメファシエンス(A.tumefaciens)種
とアグロバクテリウム・リゾゲネス(A.rhizogenes)種
がある。これらの種は夫々植物のクラウンゴール病、毛
状根病(hairly root disease)の原因となる。クラウン
ゴールは未分化組織の瘤(gall)化に特徴づけられる。毛
根は感染組織での異常な根(ルート)の誘導により特徴づ
けられる奇形腫である。両病において、異状な増殖植物
組織は、植物により正常には生産されない、通常オピン
として知られている1つまたはそれ以上のアミノ酸誘導
体を生産し、これは感染細菌により異化される。既知の
オピンは3族に分類され、その代表的なメンバーはオク
トピン、ノパリン、およびアグロピンである。異常増殖
組織の細胞は、培養により増殖可能であり、また適当な
条件下で形質転換した表現型を保ちつつ完全な植物に再
生される。
【0008】アグロバクテリウムのヴィルレント株はア
グロバクテリウム・チューメファシエンスではTi(腫瘍
誘導;Tumor-inducing)プラスミド、アグロバクテリウ
ム・リゾゲネスではRi(ルート誘導;root-inducing)プ
ラスミドと呼ばれる大プラスミドを有する。これらのプ
ラスミドを菌から消去すると病原性を失う。Tiプラスミ
ドはT-DNA(転移DNA)と呼ばれる、腫瘍では宿主植物のゲ
ノム中に組み込まれている領域を含む。T-DNAは数種の
転写物をコードしている。突然変異の研究からこれらの
うちのいくつかは腫瘍の増殖の誘導に関与していること
が示された。tml,tmrおよびtms遺伝子の変異は夫々巨
大腫瘍(タバコで)、ルート出現傾向、シュート誘発傾向
を示す。T-DNAはまた少なくとも1つのオピンシンセタ
ーゼ遺伝子をコードし、Tiプラスミドは、しばしば、そ
れが合成し得るオピンにより分類される。各T-DNA遺伝
子はT-DNAプロモーターの支配下にある。このT-DNAプロ
モーターは真核生物のプロモーターに構造が類似してお
り、形質転換植物細胞でのみ機能するらしい。Tiプラス
ミドはまたT-DNA領域外にも遺伝子を担っている。これ
らの遺伝子はオピン異化、発癌性、アグロシン感受性、
複製、および細菌細胞への自己輸送の機能に関与してい
る。RiプラスミドはTiプラスミドと類似の構造を有して
いる。植物細胞の形質転換に関与する一連の遺伝子とDN
A配列を、以後、形質転換誘導因子(TIP)として総合的に
呼ぶ。従ってTIPの名称はTiおよびRiプラスミド両者を
包含する。TIPの組み込まれたセグメントを、ここではT
-DNAと称し、TiプラスミドまたはRiプラスミドに由来し
ている。最近のアグロバクテリウム起因病の一般的総説
は、D.J.Marlo(1982), Adv. Plant Pathol. 1:139-17
8,L.W.ReamおよびM.P.Gordon(1982), Science 218:854
-859, ならびにM.W.BevanおよびM.D.Chilton(1982), An
n.Reb.Genet. 16:357-384; G.KahlおよびJ.Schell(198
2) Molecular Baiology of Plant Tumorsに述べられて
いる。
グロバクテリウム・チューメファシエンスではTi(腫瘍
誘導;Tumor-inducing)プラスミド、アグロバクテリウ
ム・リゾゲネスではRi(ルート誘導;root-inducing)プ
ラスミドと呼ばれる大プラスミドを有する。これらのプ
ラスミドを菌から消去すると病原性を失う。Tiプラスミ
ドはT-DNA(転移DNA)と呼ばれる、腫瘍では宿主植物のゲ
ノム中に組み込まれている領域を含む。T-DNAは数種の
転写物をコードしている。突然変異の研究からこれらの
うちのいくつかは腫瘍の増殖の誘導に関与していること
が示された。tml,tmrおよびtms遺伝子の変異は夫々巨
大腫瘍(タバコで)、ルート出現傾向、シュート誘発傾向
を示す。T-DNAはまた少なくとも1つのオピンシンセタ
ーゼ遺伝子をコードし、Tiプラスミドは、しばしば、そ
れが合成し得るオピンにより分類される。各T-DNA遺伝
子はT-DNAプロモーターの支配下にある。このT-DNAプロ
モーターは真核生物のプロモーターに構造が類似してお
り、形質転換植物細胞でのみ機能するらしい。Tiプラス
ミドはまたT-DNA領域外にも遺伝子を担っている。これ
らの遺伝子はオピン異化、発癌性、アグロシン感受性、
複製、および細菌細胞への自己輸送の機能に関与してい
る。RiプラスミドはTiプラスミドと類似の構造を有して
いる。植物細胞の形質転換に関与する一連の遺伝子とDN
A配列を、以後、形質転換誘導因子(TIP)として総合的に
呼ぶ。従ってTIPの名称はTiおよびRiプラスミド両者を
包含する。TIPの組み込まれたセグメントを、ここではT
-DNAと称し、TiプラスミドまたはRiプラスミドに由来し
ている。最近のアグロバクテリウム起因病の一般的総説
は、D.J.Marlo(1982), Adv. Plant Pathol. 1:139-17
8,L.W.ReamおよびM.P.Gordon(1982), Science 218:854
-859, ならびにM.W.BevanおよびM.D.Chilton(1982), An
n.Reb.Genet. 16:357-384; G.KahlおよびJ.Schell(198
2) Molecular Baiology of Plant Tumorsに述べられて
いる。
【0009】(アグロバクテリウム−植物組織の感染)植
物細胞は、既知の多くの方法により、アグロバクテリウ
ムにより形質転換され得る;例えば、植物細胞とアグロ
バクテリウムとの共存培養;植物の直接感染;植物プロ
トプラストとアグロバクテリウムスフェロプラストの融
合;植物細胞プロトプラストによる遊離DNAの取込みに
よる直接形質転換;部分的に細胞壁を再生しているプロ
トプラストの完全な細菌による形質転換;プロトプラス
トのT-DNA含有リポソームによる形質転換;T-DNAを保持
するウイルスの利用;マイクロインジェクション等。い
ずれの方法も、遺伝子が確実に発現される限り充分であ
り、有糸分裂および減数分裂を通じて安定に伝達され
る。
物細胞は、既知の多くの方法により、アグロバクテリウ
ムにより形質転換され得る;例えば、植物細胞とアグロ
バクテリウムとの共存培養;植物の直接感染;植物プロ
トプラストとアグロバクテリウムスフェロプラストの融
合;植物細胞プロトプラストによる遊離DNAの取込みに
よる直接形質転換;部分的に細胞壁を再生しているプロ
トプラストの完全な細菌による形質転換;プロトプラス
トのT-DNA含有リポソームによる形質転換;T-DNAを保持
するウイルスの利用;マイクロインジェクション等。い
ずれの方法も、遺伝子が確実に発現される限り充分であ
り、有糸分裂および減数分裂を通じて安定に伝達され
る。
【0010】植物組織のアグロバクテリウムによる感染
は、当業者には公知の単純な技術である(例えば、D.N.B
utcherら編(1980) Tissue Culture Methods for Plant
Pathologists:D.S.IngranmsおよびJ.P.Helgeson, pp.2
03-208を参照このこと)。植物は種々のどの方法によっ
ても傷つけられる。例えば、刃で切る、針で穴をあけ
る、または研磨剤で摺るなどの方法がある。次いで、傷
口を腫瘍誘導細菌を含む溶液を用いて感染する。完全な
植物を感染する他の方法はジャガイモの塊茎小片(D.K.A
nandおよびG.T.Herberlein(1977) Amer.J.Bot. 64:153
-158)、またはタバコ茎の断片(Binnsら)などの組織の小
片を植えつけることである。誘導後、腫瘍は植物ホルモ
ンを含まない培地で組織培養され得る。ホルモン非依存
性増殖は、形質転換植物組織の典型であり、培養組織増
殖の通常の条件とは大いに対照的である(A.C.Braun(195
6) Cancer Res. 16:53-56)。
は、当業者には公知の単純な技術である(例えば、D.N.B
utcherら編(1980) Tissue Culture Methods for Plant
Pathologists:D.S.IngranmsおよびJ.P.Helgeson, pp.2
03-208を参照このこと)。植物は種々のどの方法によっ
ても傷つけられる。例えば、刃で切る、針で穴をあけ
る、または研磨剤で摺るなどの方法がある。次いで、傷
口を腫瘍誘導細菌を含む溶液を用いて感染する。完全な
植物を感染する他の方法はジャガイモの塊茎小片(D.K.A
nandおよびG.T.Herberlein(1977) Amer.J.Bot. 64:153
-158)、またはタバコ茎の断片(Binnsら)などの組織の小
片を植えつけることである。誘導後、腫瘍は植物ホルモ
ンを含まない培地で組織培養され得る。ホルモン非依存
性増殖は、形質転換植物組織の典型であり、培養組織増
殖の通常の条件とは大いに対照的である(A.C.Braun(195
6) Cancer Res. 16:53-56)。
【0011】アグロバクテリウムはまた、単離細胞およ
び培養細胞(Martonら(1979) Nature 277:129-131)お
よび単離したタバコ葉肉プロトプラストに感染し得る。
後者の技術では、新しい細胞壁を部分的に再生させる時
間をおいた後、アグロバクテリウム細胞を所定の時間の
間培養に加え、次いで抗生物質を添加し殺した。Tiプラ
スミドを保持したアグロバクテリウム・チューメファシ
エンス細胞に曝した細胞のみが、ホルモンを含まない培
地にプレートしたときカルスを形成し得た。大部分のカ
ルスは、オピン同化に関する酵素活性を有していた。他
の研究者(R.B.HorschおよびR.T.Fraley(18 January 198
3 15th Miami Winter Symposium)は、共存培養により、
形質転換しホルモン非依存性増殖するカルスを高頻度(1
0%以上)で得た。カルスの95%がオピンを作った。M.R.
Daveyら(1980) in Ingram and Helgeson,前出,pp.209
−219 は、プロトプラスから再生した老細胞の感染につ
いて述べている。
び培養細胞(Martonら(1979) Nature 277:129-131)お
よび単離したタバコ葉肉プロトプラストに感染し得る。
後者の技術では、新しい細胞壁を部分的に再生させる時
間をおいた後、アグロバクテリウム細胞を所定の時間の
間培養に加え、次いで抗生物質を添加し殺した。Tiプラ
スミドを保持したアグロバクテリウム・チューメファシ
エンス細胞に曝した細胞のみが、ホルモンを含まない培
地にプレートしたときカルスを形成し得た。大部分のカ
ルスは、オピン同化に関する酵素活性を有していた。他
の研究者(R.B.HorschおよびR.T.Fraley(18 January 198
3 15th Miami Winter Symposium)は、共存培養により、
形質転換しホルモン非依存性増殖するカルスを高頻度(1
0%以上)で得た。カルスの95%がオピンを作った。M.R.
Daveyら(1980) in Ingram and Helgeson,前出,pp.209
−219 は、プロトプラスから再生した老細胞の感染につ
いて述べている。
【0012】植物プロトプラストは、TIPプラスミドの
直接取込みにより形質転換され得る。M.R.Daveyら(198
0) Plant Sci.Lett. 18:307-313,およびM.R.Daveyら
(1980)in Ingram and Helgeson, 前出 は、ペチュニア
のプロトプラストをポリ-L-α-オルニチン存在下、Ti
プラスミドで形質転換し、培養によりオピン合成とホル
モン非依存性増殖の表現型を示した。その後、ポリエチ
レングリコールがTi取込みを促進し、特定のT-DNA配列
がゲノムに取り込まれることが示された(J.Draperら(19
82) Plant and Cell Physiol. 23:451-458, M.R.Davey
ら編(1982) in Plant Tissue Culture 1982:A.Fujiwar
a, pp.515-516)。F.A.Krensら(1982) Nature 296:72-7
4は同様の結果をポリエチレングリコール、次いでカル
シウムショックによる方法で報告したが、彼らの結果で
は取り込まれたT-DNAはTiプラスミド配列の近接部分を
含んでいた。
直接取込みにより形質転換され得る。M.R.Daveyら(198
0) Plant Sci.Lett. 18:307-313,およびM.R.Daveyら
(1980)in Ingram and Helgeson, 前出 は、ペチュニア
のプロトプラストをポリ-L-α-オルニチン存在下、Ti
プラスミドで形質転換し、培養によりオピン合成とホル
モン非依存性増殖の表現型を示した。その後、ポリエチ
レングリコールがTi取込みを促進し、特定のT-DNA配列
がゲノムに取り込まれることが示された(J.Draperら(19
82) Plant and Cell Physiol. 23:451-458, M.R.Davey
ら編(1982) in Plant Tissue Culture 1982:A.Fujiwar
a, pp.515-516)。F.A.Krensら(1982) Nature 296:72-7
4は同様の結果をポリエチレングリコール、次いでカル
シウムショックによる方法で報告したが、彼らの結果で
は取り込まれたT-DNAはTiプラスミド配列の近接部分を
含んでいた。
【0013】DNAを取り込ませる他の方法にリポソーム
の使用がある。DNA含有リポソームの調製は、Papahadjo
poulosの米国特許第4,078,052号および第4,235,871号に
記載されている。Ti-DNAをリポソームによる導入する方
法が報告されている(T.Nagataら(1982) in Fujiwara,
前出, pp.509-510およびT.Nagata(1981) Mol.Gen.Gene
t. 184:161-165)。類似の系に、細胞壁を除去した植物
と細菌の細胞との融合がある。この技術の例はS.Haseza
waら(1981)Mol.Gen.Genet. 182:206-210により報告さ
れているアグロバクテリウムのスフェロプラストによる
ツルニチニチソウ(Vinca)の形質転換である。植物プロ
トプラストは、細胞壁が不完全なアグロバクテリウム細
胞を取り込むことができる(S.Hasezawaら(1982) in Fuj
iwara, 前出, pp.517-518)。
の使用がある。DNA含有リポソームの調製は、Papahadjo
poulosの米国特許第4,078,052号および第4,235,871号に
記載されている。Ti-DNAをリポソームによる導入する方
法が報告されている(T.Nagataら(1982) in Fujiwara,
前出, pp.509-510およびT.Nagata(1981) Mol.Gen.Gene
t. 184:161-165)。類似の系に、細胞壁を除去した植物
と細菌の細胞との融合がある。この技術の例はS.Haseza
waら(1981)Mol.Gen.Genet. 182:206-210により報告さ
れているアグロバクテリウムのスフェロプラストによる
ツルニチニチソウ(Vinca)の形質転換である。植物プロ
トプラストは、細胞壁が不完全なアグロバクテリウム細
胞を取り込むことができる(S.Hasezawaら(1982) in Fuj
iwara, 前出, pp.517-518)。
【0014】T-DNAは、2つのプロトプラストの融合に
より再生した組織に移入し得、一方のみが形質転換され
る(G.J.Wullemsら(1980) Theor. Appl. Genet. 56:203
-208)。植物の再生の項で詳しく述べるように、T-DNAは
減数分裂でも伝わり、単純なメンデル法則に従って子孫
に伝達される。
より再生した組織に移入し得、一方のみが形質転換され
る(G.J.Wullemsら(1980) Theor. Appl. Genet. 56:203
-208)。植物の再生の項で詳しく述べるように、T-DNAは
減数分裂でも伝わり、単純なメンデル法則に従って子孫
に伝達される。
【0015】(アグロバクテリウム−植物の再生)正常な
形態を有する分化植物組織がクラウンゴール腫瘍から得
られた。A.C.BraunおよびH.N.Wood (1976) Proc.Natl.A
cad.Sci. USA 73:496-500 はタバコ奇形腫(teratomas)
を正常な植物につぎ木し、正常に見える開花し得るシュ
ートを得た。このシュートは培地におくと、オピン生成
能と、植物ホルモン非依存増殖能を保持した。選択され
た植物では、これら腫瘍表現型は子孫に伝達されないよ
うで、多分減数分裂の間に消失した(R.Turgeonら(1976)
Proc.Natl.Acad.Sci. USA 73:3562-3564)。自然に腫
瘍の性質を失った、あるいは奇形腫の種から生じた植物
は、当初すべてのT-DNAを失ったように思われていた(F.
-M.Yangら(1980)In Vitro 16:87-92, F.Yangら(1980)
Molec.Gen.Genet. 177:707-714, M.Lemmersら(1980)
J.Mol.Biol. 144:353-376)。しかしホルモン(1mg/lカ
イネチン)処理後復帰した植物を用いた後の研究で、減
数分裂を経た植物は、形質転換表現型に関するT-DNA遺
伝子は失っているが、T-DNAの両端に相同性のある配列
を維持していた。(F.YangおよびR.B.Simpson(1981) Pro
c.Natl.Acad.Sci. USA 78:4151-4155)。G.J.Wullemsら
(1981) Cell 24:719-724 はさらにオピン同化に関する
遺伝子は、その植物は雄性不稔であるが、減数分裂を通
して伝わること、そしておそらくT-DNAはそのままメン
デル法則に従って遺伝し得ることを示した(G.Wullemsら
(1982) in A.Fujiwara, 前出)。L.Ottenら(1981) Mole
c.Gen.Genet. 183:209-213 はシュートを生じる腫瘍生
成にtms(シュート誘導)遺伝子壁でのTn7トランスポソ
ン起因Tiプラスミド変異を用いた。これらのシュート
は、植物中で再生すると自己稔性花を生じた。着生した
種が発芽した植物は、T-DNAを有しオピンを生成した。t
mr(ルート誘導)変異を用いた同様の実験で全T-DNAが減
数分裂を通して子孫に伝わり、これら子孫で程度にバラ
ツキがあるが、ノパリン遺伝子が発現すること、また同
時に伝達された酵母のアルコール脱水素酵素I遺伝子は
発現しないことが示された(K.A.Bartonら(1983) Cell 3
2:1033-1043)。T-DNA配列を欠く再生組織はおそらく腫
瘍に混在していた非形質転換細胞の子孫であるらしい
(G.Oomsら(1982) Cell 30:589-597)。アグロバクテリ
ウム・リゾゲネスによる形質転換の結果生じたルート
は、比較的容易に苗に再生することが示された(M.-D.Ch
iltonら(1982) Nature 295:432-434)。
形態を有する分化植物組織がクラウンゴール腫瘍から得
られた。A.C.BraunおよびH.N.Wood (1976) Proc.Natl.A
cad.Sci. USA 73:496-500 はタバコ奇形腫(teratomas)
を正常な植物につぎ木し、正常に見える開花し得るシュ
ートを得た。このシュートは培地におくと、オピン生成
能と、植物ホルモン非依存増殖能を保持した。選択され
た植物では、これら腫瘍表現型は子孫に伝達されないよ
うで、多分減数分裂の間に消失した(R.Turgeonら(1976)
Proc.Natl.Acad.Sci. USA 73:3562-3564)。自然に腫
瘍の性質を失った、あるいは奇形腫の種から生じた植物
は、当初すべてのT-DNAを失ったように思われていた(F.
-M.Yangら(1980)In Vitro 16:87-92, F.Yangら(1980)
Molec.Gen.Genet. 177:707-714, M.Lemmersら(1980)
J.Mol.Biol. 144:353-376)。しかしホルモン(1mg/lカ
イネチン)処理後復帰した植物を用いた後の研究で、減
数分裂を経た植物は、形質転換表現型に関するT-DNA遺
伝子は失っているが、T-DNAの両端に相同性のある配列
を維持していた。(F.YangおよびR.B.Simpson(1981) Pro
c.Natl.Acad.Sci. USA 78:4151-4155)。G.J.Wullemsら
(1981) Cell 24:719-724 はさらにオピン同化に関する
遺伝子は、その植物は雄性不稔であるが、減数分裂を通
して伝わること、そしておそらくT-DNAはそのままメン
デル法則に従って遺伝し得ることを示した(G.Wullemsら
(1982) in A.Fujiwara, 前出)。L.Ottenら(1981) Mole
c.Gen.Genet. 183:209-213 はシュートを生じる腫瘍生
成にtms(シュート誘導)遺伝子壁でのTn7トランスポソ
ン起因Tiプラスミド変異を用いた。これらのシュート
は、植物中で再生すると自己稔性花を生じた。着生した
種が発芽した植物は、T-DNAを有しオピンを生成した。t
mr(ルート誘導)変異を用いた同様の実験で全T-DNAが減
数分裂を通して子孫に伝わり、これら子孫で程度にバラ
ツキがあるが、ノパリン遺伝子が発現すること、また同
時に伝達された酵母のアルコール脱水素酵素I遺伝子は
発現しないことが示された(K.A.Bartonら(1983) Cell 3
2:1033-1043)。T-DNA配列を欠く再生組織はおそらく腫
瘍に混在していた非形質転換細胞の子孫であるらしい
(G.Oomsら(1982) Cell 30:589-597)。アグロバクテリ
ウム・リゾゲネスによる形質転換の結果生じたルート
は、比較的容易に苗に再生することが示された(M.-D.Ch
iltonら(1982) Nature 295:432-434)。
【0016】(アグロバクテリウム−TIPプラスミド上の
遺伝子)TIPプラスミドのT-DNA内に多数の遺伝子が同定
された約半ダースのオクトピンプラスミドT-DNA転写物
がマッピングされ(S.B.Gelvinら(1982) Proc.Natl.Aca
d.Sci. USA 79:76-80, L.Willmitzerら(1982) EMBO J.
1:139-146)、またいくつかの機能が明確にされた(J.Le
emansら(1982) EMBO J. 1:147-152)。オクトピン型プ
ラスミドの4つの遺伝子がtms, tmrおよびtmlを含むト
ランスポソン変異誘発により充分明確になった。(D.J.
Garfinkelら(1981) Cell 27:143-153)。これらの遺伝
子に変異をもつTiプラスミドはニコチニア・タバカムの
腫瘍カルスを刺激し、シュートを生じ、ルートを生じ、
そして正常より大きくなる。他の宿主では、これら遺伝
子の変異は異なった表現型を誘導し得る(Chilton, M.D.
Ann.Rev.Genet.(1982)参照)。tmsとtmrの表現型は腫
瘍に存在する植物ホルモンレベルの差異と相関してい
る。サイトカイニン:オーキシン比の相違は、非形質転
換カルス組織においてシュートまたはルート形成を誘導
する培養のそれと類似している(D.E. Akiyoshiら(1983)
Proc.Natl.Acad.Sci. USA 80:407-411)。tmsまたはtm
rどちらか一方のみの機能遺伝子を持つT-DNA(機能するt
mlのみの場合ではないが)は、明白な腫瘍増殖を刺激し
得る。シュートとルートの刺激は機能tmlにより夫々促
進と阻害を受ける(L.W.Ream et al.(1983) Proc.Natl.A
cad.Sci. USA 80:1660-1664)。T-DNA遺伝子の変異は植
物ゲノムへのT-DNAの挿入に影響することはないようで
ある(J.Leemansら(1982)同上;L.W.Reamら(1983) 同
上)。オクトピンシンセターゼをコードするOCS遺伝子は
H.De Greveら(1982) J.Mol.Appl.Genet. 1:499-511 に
より塩基配列が決定された。これはイントロン(真核遺
伝子に共通して見られる介在配列で転写後mRNAのプロ
セッシングの間にメッセンジャー前駆体から除かれる)
を有していない。また真核の転写シグナル(TATAボック
ス)とポリアデニル化部位がある。オクトピンシンセタ
ーゼを有する植物細胞は、ホモアルギニンを無毒化する
ので、OCS遺伝子は外来DNAによる形質転換された植物細
胞の有効な選択マーカーとなる(G.M.S.Van Slogterenら
(1982) Plant Mol.Biol. 1:133-142)。ノパリンTiプラ
スミドはノパリンシンセターゼ遺伝子(nos)をコード
しており、nosはA.Depickerら(1982) J.Mol.Appl.Gene
t. 1:561-573により配列決定された。OCS遺伝子と同様
nosもイントロンがない。2つのポリアデニン化部位の
候補とTATAボックスとなり得る配列がある。OCSと対照
的にnosの上流にはCATボックスとして知られる転写シグ
ナルらしい配列がある。J.C.McPherssonら(1980) Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 77:2666-2670 はクラウンゴール組
織のT-DNAがコードするmRNAのインビトロ翻訳を報告し
た。
遺伝子)TIPプラスミドのT-DNA内に多数の遺伝子が同定
された約半ダースのオクトピンプラスミドT-DNA転写物
がマッピングされ(S.B.Gelvinら(1982) Proc.Natl.Aca
d.Sci. USA 79:76-80, L.Willmitzerら(1982) EMBO J.
1:139-146)、またいくつかの機能が明確にされた(J.Le
emansら(1982) EMBO J. 1:147-152)。オクトピン型プ
ラスミドの4つの遺伝子がtms, tmrおよびtmlを含むト
ランスポソン変異誘発により充分明確になった。(D.J.
Garfinkelら(1981) Cell 27:143-153)。これらの遺伝
子に変異をもつTiプラスミドはニコチニア・タバカムの
腫瘍カルスを刺激し、シュートを生じ、ルートを生じ、
そして正常より大きくなる。他の宿主では、これら遺伝
子の変異は異なった表現型を誘導し得る(Chilton, M.D.
Ann.Rev.Genet.(1982)参照)。tmsとtmrの表現型は腫
瘍に存在する植物ホルモンレベルの差異と相関してい
る。サイトカイニン:オーキシン比の相違は、非形質転
換カルス組織においてシュートまたはルート形成を誘導
する培養のそれと類似している(D.E. Akiyoshiら(1983)
Proc.Natl.Acad.Sci. USA 80:407-411)。tmsまたはtm
rどちらか一方のみの機能遺伝子を持つT-DNA(機能するt
mlのみの場合ではないが)は、明白な腫瘍増殖を刺激し
得る。シュートとルートの刺激は機能tmlにより夫々促
進と阻害を受ける(L.W.Ream et al.(1983) Proc.Natl.A
cad.Sci. USA 80:1660-1664)。T-DNA遺伝子の変異は植
物ゲノムへのT-DNAの挿入に影響することはないようで
ある(J.Leemansら(1982)同上;L.W.Reamら(1983) 同
上)。オクトピンシンセターゼをコードするOCS遺伝子は
H.De Greveら(1982) J.Mol.Appl.Genet. 1:499-511 に
より塩基配列が決定された。これはイントロン(真核遺
伝子に共通して見られる介在配列で転写後mRNAのプロ
セッシングの間にメッセンジャー前駆体から除かれる)
を有していない。また真核の転写シグナル(TATAボック
ス)とポリアデニル化部位がある。オクトピンシンセタ
ーゼを有する植物細胞は、ホモアルギニンを無毒化する
ので、OCS遺伝子は外来DNAによる形質転換された植物細
胞の有効な選択マーカーとなる(G.M.S.Van Slogterenら
(1982) Plant Mol.Biol. 1:133-142)。ノパリンTiプラ
スミドはノパリンシンセターゼ遺伝子(nos)をコード
しており、nosはA.Depickerら(1982) J.Mol.Appl.Gene
t. 1:561-573により配列決定された。OCS遺伝子と同様
nosもイントロンがない。2つのポリアデニン化部位の
候補とTATAボックスとなり得る配列がある。OCSと対照
的にnosの上流にはCATボックスとして知られる転写シグ
ナルらしい配列がある。J.C.McPherssonら(1980) Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 77:2666-2670 はクラウンゴール組
織のT-DNAがコードするmRNAのインビトロ翻訳を報告し
た。
【0017】毛根T-DNAの転写もまた検出された(L.Will
mitzerら(1982) Mol.Gen.Genet. 186:16-22)。機能的
には毛根症候群はtmrの変異したTiプラスミドによりも
たらされるクラウンゴール腫瘍と同等のようである(F.
F.WhiteおよびE.W.Nester (1980) J.Bacteriol. 144:7
10-720)。
mitzerら(1982) Mol.Gen.Genet. 186:16-22)。機能的
には毛根症候群はtmrの変異したTiプラスミドによりも
たらされるクラウンゴール腫瘍と同等のようである(F.
F.WhiteおよびE.W.Nester (1980) J.Bacteriol. 144:7
10-720)。
【0018】真核生物において、DNAのメチル化(特にシ
トシン残基の)は転写不活性化と相関している。比較的
メチル化が少ない遺伝子はmRNAに転写される。Gelvin
ら(1983) Nucleic Acids Res. 1:159-174 は、クラウ
ンゴール腫瘍のT-DNAは常に少なくともメチル化されて
いない1コピーが存在することを見い出した。同じゲノ
ムが、メチル化されている多くの他のT-DNAコピーを含
むということは、1つ以上の過剰のT-DNAのコピーは生
物学的に不活性であることを示唆する(G.Oomsら(1982)
Cell 30:589-597も参照)。
トシン残基の)は転写不活性化と相関している。比較的
メチル化が少ない遺伝子はmRNAに転写される。Gelvin
ら(1983) Nucleic Acids Res. 1:159-174 は、クラウ
ンゴール腫瘍のT-DNAは常に少なくともメチル化されて
いない1コピーが存在することを見い出した。同じゲノ
ムが、メチル化されている多くの他のT-DNAコピーを含
むということは、1つ以上の過剰のT-DNAのコピーは生
物学的に不活性であることを示唆する(G.Oomsら(1982)
Cell 30:589-597も参照)。
【0019】TiプラスミドはT-DNA領域の外側にあり、
感染過程に必要な他の遺伝子をコードしている(ノパリ
ンプラスミドについてはM.Holstersら(1980) プラスミ
ド3:212-230、オクトピンプラスミドについては H.De
Greveら(1981) プラスミド6:235-248, D.J.Garfinke
lおよびE.W.Nester(1980)J.Bacteriol 144:732-743、
およびG.Ooms (1980) J.Bacteriol 144:82-91参照)。
最も重要なのはonc遺伝子で、これが変異するとTiプラ
スミドの発癌性を失わせる(これらの遺伝子座はビルレ
ンスに関する言葉virとして知られている)。onc遺伝子
はトランスに作用し、異なったプラスミド型で物理的に
他のプラスミドに局在しているT-DNAでの植物細胞の形
質転換を引き起こし得る(J.Hilleら(1982) プラスミド
7:107-118, H.J. Kleeら(1982) J.Bacteriol 150:32
7-331, M.-D.Chilton(18 January 1983)15th Miami Win
ter Symp.)。ノパリンTiDNAは、Tiプラスミドからの切
出し、または宿主ゲノムへの取込みに関与するらしく、
T-DNAの左または右側の境界に極めて隣接している約25
塩基対の順方向繰り返し配列(direct repeat)を有する
(N.S.Yadavら(1982) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:6322
-6326)、そして類似配列がオクトピンT-DNA境界に隣接
した場所に見い出されている(R.B.Simpsonら(1982) Cel
l 29:1005-1014)。オピン同化はオクトピンおよびノパ
リン型プラスミドの夫々ocsおよびnos遺伝子により特徴
づけられる。Tiプラスミドはまた、複製開始点を含むそ
れ自身の増殖に必要な機能をもコードしている。Tiプラ
スミド転写物は、S.B.Gelvinら(1981) プラスミド6:1
7-29 により、アグロバクテリウム・チューメファシエ
ンス細胞中に見い出されており、彼らはT-DNA領域が非T
-DNA配列に沿って弱く転写されることを見い出した。Ti
プラスミドにより支配される性質は Merlo、前出(特に
表6参照)およびReamおよびGordon、前出、によりまと
められている。
感染過程に必要な他の遺伝子をコードしている(ノパリ
ンプラスミドについてはM.Holstersら(1980) プラスミ
ド3:212-230、オクトピンプラスミドについては H.De
Greveら(1981) プラスミド6:235-248, D.J.Garfinke
lおよびE.W.Nester(1980)J.Bacteriol 144:732-743、
およびG.Ooms (1980) J.Bacteriol 144:82-91参照)。
最も重要なのはonc遺伝子で、これが変異するとTiプラ
スミドの発癌性を失わせる(これらの遺伝子座はビルレ
ンスに関する言葉virとして知られている)。onc遺伝子
はトランスに作用し、異なったプラスミド型で物理的に
他のプラスミドに局在しているT-DNAでの植物細胞の形
質転換を引き起こし得る(J.Hilleら(1982) プラスミド
7:107-118, H.J. Kleeら(1982) J.Bacteriol 150:32
7-331, M.-D.Chilton(18 January 1983)15th Miami Win
ter Symp.)。ノパリンTiDNAは、Tiプラスミドからの切
出し、または宿主ゲノムへの取込みに関与するらしく、
T-DNAの左または右側の境界に極めて隣接している約25
塩基対の順方向繰り返し配列(direct repeat)を有する
(N.S.Yadavら(1982) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:6322
-6326)、そして類似配列がオクトピンT-DNA境界に隣接
した場所に見い出されている(R.B.Simpsonら(1982) Cel
l 29:1005-1014)。オピン同化はオクトピンおよびノパ
リン型プラスミドの夫々ocsおよびnos遺伝子により特徴
づけられる。Tiプラスミドはまた、複製開始点を含むそ
れ自身の増殖に必要な機能をもコードしている。Tiプラ
スミド転写物は、S.B.Gelvinら(1981) プラスミド6:1
7-29 により、アグロバクテリウム・チューメファシエ
ンス細胞中に見い出されており、彼らはT-DNA領域が非T
-DNA配列に沿って弱く転写されることを見い出した。Ti
プラスミドにより支配される性質は Merlo、前出(特に
表6参照)およびReamおよびGordon、前出、によりまと
められている。
【0020】(アグロバクテリウム−TIPプラスミドDNA)
種々のオクトピン型Tiプラスミドは、互いにほぼ100%
相同性があることがDNAハイブリダイゼーション(T.C.Cu
rrierおよびE.W.Nester(1976) J.Bacteriol.126:157-1
65)または制限酵素解析(D.Sciakyら(1978) プラスミド
1:238-253)により調べられた。ノパリン型Tiプラスミ
ドは、互いに少なくとも67%相同性がある(Currierおよ
びNester, 前出)。種々のRiプラスミドは、互いに非常
に相同性があることが明らかとなった(P.Costantinoら
(1981) プラスミド5:170-182)。N.H.Drummondおよび
M.-D.Chilton(1978) J.Bacteriol. 136:1178-1183,
は、オクトピンおよびノパリン型Tiプラスミドは比較的
狭い部分に互いに相同性があることを示した。これらの
相同性はG.Englerら(1981) J.Mol Biol. 152:183-208
により詳しくマップされた。彼らは4つの類似領域の3
つは更に3(T-DNAにまたがる)、4(いくつかのonc遺伝
子を含む)、および9(onc遺伝子を有する)の類似領域
に細分化されることを見い出した。連結している相同領
域は、少なくともtra遺伝子(Tiプラスミドの他の細菌細
胞への接合伝達に関与する)と、複製および不和合性に
関する遺伝子とを含む。この領域はリゾビアッシー科の
別の属であるリゾビウムの一種から分離されたSymプラ
スミド(共生窒素固定に関与する)と相同性がある(R.K.P
rakashら(1982) プラスミド7:271-280)。4つの領域
の順序は保存されていないが、いずれも同一方向に配置
している。T-DNA配列の一部は、ノパリンおよびオクト
ピンプラスミド間で極めて良く保存されている(M.-D.Ch
iltonら(1978) Nature 275:147-149, A.Depickerら(19
78) Nature 275:150-153)。Riプラスミドは、それらの
間、およびオクトピン(F.F.WhiteおよびE.W.Nester(198
0) J.Bacteriol. 144:710-720)とノパリン(G.Risuleo
ら(1982) プラスミド7:45-51)の両Tiプラスミドとに
かなり相同性がある。その領域はおもにonc遺伝子をコ
ードしている領域である。Ri T-DNAはTiプラスミドの両
型のT-DNAに弱いながらも、かなり相同性がある(L.Will
mitzerら(1982) Mol.Gen.Genet. 186:3193-3197)。未
感染のニコチニア・グラウカの植物DNAは、cT-DNA(細胞
のT-DNA)と呼ばれる配列を含んでおり、Ri T-DNAの一部
と相同性がある(F.F.Whiteら(1983) Nature 301:348-3
50)。
種々のオクトピン型Tiプラスミドは、互いにほぼ100%
相同性があることがDNAハイブリダイゼーション(T.C.Cu
rrierおよびE.W.Nester(1976) J.Bacteriol.126:157-1
65)または制限酵素解析(D.Sciakyら(1978) プラスミド
1:238-253)により調べられた。ノパリン型Tiプラスミ
ドは、互いに少なくとも67%相同性がある(Currierおよ
びNester, 前出)。種々のRiプラスミドは、互いに非常
に相同性があることが明らかとなった(P.Costantinoら
(1981) プラスミド5:170-182)。N.H.Drummondおよび
M.-D.Chilton(1978) J.Bacteriol. 136:1178-1183,
は、オクトピンおよびノパリン型Tiプラスミドは比較的
狭い部分に互いに相同性があることを示した。これらの
相同性はG.Englerら(1981) J.Mol Biol. 152:183-208
により詳しくマップされた。彼らは4つの類似領域の3
つは更に3(T-DNAにまたがる)、4(いくつかのonc遺伝
子を含む)、および9(onc遺伝子を有する)の類似領域
に細分化されることを見い出した。連結している相同領
域は、少なくともtra遺伝子(Tiプラスミドの他の細菌細
胞への接合伝達に関与する)と、複製および不和合性に
関する遺伝子とを含む。この領域はリゾビアッシー科の
別の属であるリゾビウムの一種から分離されたSymプラ
スミド(共生窒素固定に関与する)と相同性がある(R.K.P
rakashら(1982) プラスミド7:271-280)。4つの領域
の順序は保存されていないが、いずれも同一方向に配置
している。T-DNA配列の一部は、ノパリンおよびオクト
ピンプラスミド間で極めて良く保存されている(M.-D.Ch
iltonら(1978) Nature 275:147-149, A.Depickerら(19
78) Nature 275:150-153)。Riプラスミドは、それらの
間、およびオクトピン(F.F.WhiteおよびE.W.Nester(198
0) J.Bacteriol. 144:710-720)とノパリン(G.Risuleo
ら(1982) プラスミド7:45-51)の両Tiプラスミドとに
かなり相同性がある。その領域はおもにonc遺伝子をコ
ードしている領域である。Ri T-DNAはTiプラスミドの両
型のT-DNAに弱いながらも、かなり相同性がある(L.Will
mitzerら(1982) Mol.Gen.Genet. 186:3193-3197)。未
感染のニコチニア・グラウカの植物DNAは、cT-DNA(細胞
のT-DNA)と呼ばれる配列を含んでおり、Ri T-DNAの一部
と相同性がある(F.F.Whiteら(1983) Nature 301:348-3
50)。
【0021】Ti(M.-D. Chiltonら(1977) Cell 11:263-
271)またはRi(M.-D. Chilton (1982) Nature 295:432-
434, F.F.Whiteら(1982) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:
3193-3197, L.Willmitzer (1982) Mol.Gen.Genet. 18
6:16-22)プラスミドの一部分は、腫瘍植物細胞のDNAに
見い出される。転移したDNAはT-DNAとして知られてい
る。T-DNAは核内(M.P.Nutiら(1980) Plant Sci.Lett. 1
8:1−6、L.Willmitzerら(1980) Nature 287:359-36
1, M.-D.Chiltonら(1980) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 7
7:4060-4064)の宿主DNA(M.F.Thomashowら(1980) Pro
c.Natl.Acad.Sci. USA 77:6448-6452, N.S.Yadavら(19
80) Nature 287:458-461)に取り込まれる。
271)またはRi(M.-D. Chilton (1982) Nature 295:432-
434, F.F.Whiteら(1982) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:
3193-3197, L.Willmitzer (1982) Mol.Gen.Genet. 18
6:16-22)プラスミドの一部分は、腫瘍植物細胞のDNAに
見い出される。転移したDNAはT-DNAとして知られてい
る。T-DNAは核内(M.P.Nutiら(1980) Plant Sci.Lett. 1
8:1−6、L.Willmitzerら(1980) Nature 287:359-36
1, M.-D.Chiltonら(1980) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 7
7:4060-4064)の宿主DNA(M.F.Thomashowら(1980) Pro
c.Natl.Acad.Sci. USA 77:6448-6452, N.S.Yadavら(19
80) Nature 287:458-461)に取り込まれる。
【0022】M.F.Thomashowら(1980) Proc.Natl.Acad.S
ci. USA 77:6448-6452, およびM.F.Thomashowら(1980)
Cell 19:729-739, はオクトピン型TiプラスミドのT-D
NAはT-DNAの左と右の夫々TL−DNAおよびTR−DNAの2つ
の別の場所に取り込まれることを見い出した。TRおよび
TLのコピー数は変動し得る(D.J.Merloら(1980) Molec.G
en.Genet. 177:637-643)。T-DNAの中芯(core)は、ノパ
リンT-DNAと相同性が高く(Chiltonら(1978), 前出, お
よびDepickerら(1978) 前出)、腫瘍維持に必要で、TL
に見られ、一般的に細胞当り1コピー存在し、そしてtm
s, tmrおよびtml遺伝子をコードする。他方、TRはコピ
ー数は多い(D.J.Merloら(1980) 前出)が、まったく不
要である(M.De Beuckeleerら(1981) Molec.Gen.Genet.
183:283-288, G.Oomsら(1982) Cell 30:589-597)。G.
Oomsら(1982) プラスミド7:15-29によれば、TRがTiプ
ラスミドから欠失してもアグロバクテリウム・チューメ
ファシエンスはヴィルレンスを保っているが、TRがT-DN
A取込みに関与すると想定されている。G.Oomsら(1982)
Cell 30:589-597により、T-DNAは植物ゲノムに取り込
まれた後、特に欠失するが、一般に安定であること、ま
たT-DNA構成が異なる混成細胞を含む腫瘍は複数の形質
転換現象の結果であることが示された。ocsはTLに存在
する。しかし、腫瘍増殖に関連する表現型を失うことな
く植物ゲノムから欠失させ得る。組み込まれたTLの左
端は順または逆向きの繰り返しT-DNA配列から成る(R.B.
Simpsonら(1982) Cell 29:1005-1014)。
ci. USA 77:6448-6452, およびM.F.Thomashowら(1980)
Cell 19:729-739, はオクトピン型TiプラスミドのT-D
NAはT-DNAの左と右の夫々TL−DNAおよびTR−DNAの2つ
の別の場所に取り込まれることを見い出した。TRおよび
TLのコピー数は変動し得る(D.J.Merloら(1980) Molec.G
en.Genet. 177:637-643)。T-DNAの中芯(core)は、ノパ
リンT-DNAと相同性が高く(Chiltonら(1978), 前出, お
よびDepickerら(1978) 前出)、腫瘍維持に必要で、TL
に見られ、一般的に細胞当り1コピー存在し、そしてtm
s, tmrおよびtml遺伝子をコードする。他方、TRはコピ
ー数は多い(D.J.Merloら(1980) 前出)が、まったく不
要である(M.De Beuckeleerら(1981) Molec.Gen.Genet.
183:283-288, G.Oomsら(1982) Cell 30:589-597)。G.
Oomsら(1982) プラスミド7:15-29によれば、TRがTiプ
ラスミドから欠失してもアグロバクテリウム・チューメ
ファシエンスはヴィルレンスを保っているが、TRがT-DN
A取込みに関与すると想定されている。G.Oomsら(1982)
Cell 30:589-597により、T-DNAは植物ゲノムに取り込
まれた後、特に欠失するが、一般に安定であること、ま
たT-DNA構成が異なる混成細胞を含む腫瘍は複数の形質
転換現象の結果であることが示された。ocsはTLに存在
する。しかし、腫瘍増殖に関連する表現型を失うことな
く植物ゲノムから欠失させ得る。組み込まれたTLの左
端は順または逆向きの繰り返しT-DNA配列から成る(R.B.
Simpsonら(1982) Cell 29:1005-1014)。
【0023】オクトピン型腫瘍の状況とは対照的に、ノ
パリンT-DNAは、一連のフラグメントで宿主ゲノムに組
み込まれる(M.Lemmersら(1980) J.Mol.Biol. 144:353-
376,P.Zambryskiら(1980) Science 209:1385-1391)。
順方向の繰り返し配列が観察された。奇形腫から生じた
植物のT-DNAは挿入DNAの端のフラグメントにわずかな修
飾がある(Lemmersら、前出)。右端と左端の間の結合部
の配列の解析から、多くの順繰り返し配列と1つの逆繰
り返し配列が明らかになった。後者は結合部にまたがっ
ている(Zambryskiら(1980) 前出)。左側の結合部は少な
くとも70塩基対(bp)が変動すること、一方、右結合部は
1bpのみの変動である(P.Zambryskiら(1982) J.Molec.A
ppl.Genet. 1:361-370)。繰り返し配列の結合部の左お
よび右端は130bp以上のスペーサーにより分断されてい
る。このスペーサーの由来は不明であり、特定のT-DNA
配列を含んでいる。T-DNAは繰り返し配列と低コピー数
宿主配列の両者に組み込まれている。
パリンT-DNAは、一連のフラグメントで宿主ゲノムに組
み込まれる(M.Lemmersら(1980) J.Mol.Biol. 144:353-
376,P.Zambryskiら(1980) Science 209:1385-1391)。
順方向の繰り返し配列が観察された。奇形腫から生じた
植物のT-DNAは挿入DNAの端のフラグメントにわずかな修
飾がある(Lemmersら、前出)。右端と左端の間の結合部
の配列の解析から、多くの順繰り返し配列と1つの逆繰
り返し配列が明らかになった。後者は結合部にまたがっ
ている(Zambryskiら(1980) 前出)。左側の結合部は少な
くとも70塩基対(bp)が変動すること、一方、右結合部は
1bpのみの変動である(P.Zambryskiら(1982) J.Molec.A
ppl.Genet. 1:361-370)。繰り返し配列の結合部の左お
よび右端は130bp以上のスペーサーにより分断されてい
る。このスペーサーの由来は不明であり、特定のT-DNA
配列を含んでいる。T-DNAは繰り返し配列と低コピー数
宿主配列の両者に組み込まれている。
【0024】N.S.Yadavら(1982) Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 79:6322-6326 はT-DNAの左端のすぐ外側のノパリ
ンTiプラスミド内にchi部位を見出し、これはバクテリ
オファージλで10Kbp離れている周囲DNAで一般の組み換
えを増大させる。R.B.Simpsonら(1982) Cell 29:1005-
1014 はオクトピンTiプラスミド内にchi配列を見い出さ
なかったが、配列を決定した領域の外側に存在する可能
性を排除できない。Tiプラスミドでのchiの意義は不明
である。もしchiが機能を有しているとすれば、chiがT-
DNA内にないことから、恐らく植物ではなくアグロバク
テリウム細胞内で用いられているだろう。
USA 79:6322-6326 はT-DNAの左端のすぐ外側のノパリ
ンTiプラスミド内にchi部位を見出し、これはバクテリ
オファージλで10Kbp離れている周囲DNAで一般の組み換
えを増大させる。R.B.Simpsonら(1982) Cell 29:1005-
1014 はオクトピンTiプラスミド内にchi配列を見い出さ
なかったが、配列を決定した領域の外側に存在する可能
性を排除できない。Tiプラスミドでのchiの意義は不明
である。もしchiが機能を有しているとすれば、chiがT-
DNA内にないことから、恐らく植物ではなくアグロバク
テリウム細胞内で用いられているだろう。
【0025】(アグロバクテリウム−TIPプラスミドの操
作)シャトルベクターの項で詳しく述べるように、変化
させたDNA配列をTIPプラスミドの望みの場所に導入する
技術が開発された。トランスポソンはこの技術で容易に
挿入される(D.J.Garfinkelら(1981) Cell 27:143-15
3)。J.-P.Hernalsteenら(1980) Nature 287:654-656
はTiプラスミドのT-DNAに挿入されたDNA配列(ここでは
細菌のトランスポソン)が受容植物ゲノムへ移され、取
り込まれることを示した。種々の起源の多くの外来DNA
が挿入されたが、これまで、その遺伝子は自身のプロモ
ーターの支配下で発現しなかった。これらの遺伝子には
酵母のアルコール脱水素酵素(Adh)(K.A.Bartonら(198
3))、トウモロコシのAdhI(J.Bennetzen, 未発表)とゼイ
ン、哺乳類のインターフェロンとグロビン、哺乳類のウ
イルスSV40(J.Schell, 未発表)などがある。M.Holsters
ら(1982) Mol.Gen.Genet. 185:283-289 によれば、T-D
NAに挿入された細菌のトランスポソン(Tn7)が植物ゲノ
ムに取り込まれた後、完全な機能を有し、外見上変化し
ていない形で回収された。
作)シャトルベクターの項で詳しく述べるように、変化
させたDNA配列をTIPプラスミドの望みの場所に導入する
技術が開発された。トランスポソンはこの技術で容易に
挿入される(D.J.Garfinkelら(1981) Cell 27:143-15
3)。J.-P.Hernalsteenら(1980) Nature 287:654-656
はTiプラスミドのT-DNAに挿入されたDNA配列(ここでは
細菌のトランスポソン)が受容植物ゲノムへ移され、取
り込まれることを示した。種々の起源の多くの外来DNA
が挿入されたが、これまで、その遺伝子は自身のプロモ
ーターの支配下で発現しなかった。これらの遺伝子には
酵母のアルコール脱水素酵素(Adh)(K.A.Bartonら(198
3))、トウモロコシのAdhI(J.Bennetzen, 未発表)とゼイ
ン、哺乳類のインターフェロンとグロビン、哺乳類のウ
イルスSV40(J.Schell, 未発表)などがある。M.Holsters
ら(1982) Mol.Gen.Genet. 185:283-289 によれば、T-D
NAに挿入された細菌のトランスポソン(Tn7)が植物ゲノ
ムに取り込まれた後、完全な機能を有し、外見上変化し
ていない形で回収された。
【0026】TIPプラスミドにおいて、いくつかの方法
により欠失が生成され得る。シャトルベクターを用い
て、標準の組み換えDNA技術でつくられた欠失を導入し
得る(CohenおよびBoyer 米国特許第4,237,224号)。1つ
の所定の末端を有する欠失を、トランスポソンの誤った
切出しにより生じ得る(B.P.Koekmanら(1979) プラスミ
ド2:347-357, G.Oomsら(1982) プラスミド7:15-2
9)。J.HilleおよびR.Schilperoot (1981) プラスミド
6:151-154 は所定の位置での両末端を有する欠失を、
2つのトランスポソンを用いて生成し得ることを示し
た。この技術はまたイビボで"組み換えDNA分子"の構築
に用いられ得る。
により欠失が生成され得る。シャトルベクターを用い
て、標準の組み換えDNA技術でつくられた欠失を導入し
得る(CohenおよびBoyer 米国特許第4,237,224号)。1つ
の所定の末端を有する欠失を、トランスポソンの誤った
切出しにより生じ得る(B.P.Koekmanら(1979) プラスミ
ド2:347-357, G.Oomsら(1982) プラスミド7:15-2
9)。J.HilleおよびR.Schilperoot (1981) プラスミド
6:151-154 は所定の位置での両末端を有する欠失を、
2つのトランスポソンを用いて生成し得ることを示し
た。この技術はまたイビボで"組み換えDNA分子"の構築
に用いられ得る。
【0027】ノパリンシンセターゼ遺伝子が、形質転換
された植物細胞を選択するために用いられ得る薬剤耐性
をコードするDNAセグメントの挿入に用いられた。M.Bev
an (M.D.Chiltonら(18 January 1983)15th Miami Wint
er Symp. により報告された;およびJ.L.Marx (1983) S
cience 219:830参照)とR.Horschら((18 January 198
3) 15th Miami Winter Symp.,およびMarx, 前出、参照)
は、Tn5のカナマイシン耐性遺伝子(ネオマイシンフォ
スフォトランスフェラーゼ)をノパリンプロモーターの
後に(その制御下に)挿入した。その作成には、培養でカ
ナマイシンおよびG418のようなアナグロ耐性になるよう
植物細胞を形質転換する方法がとられた。J.Schellら(1
8 January 1983) 15th Miami Winter Symp.(Marx,前
出、も参照)、は同様の作成法を報告し、そこではTn7
のメトトレキセート耐性遺伝子(ジハイドロフォレート
レダクターゼ)がノパリンシンセターゼプロモーターの
後につながれた。形質転換細胞はメトトレキセート耐性
であった。オクトピンシンセターゼを有する植物細胞は
毒性化学物質、ホモアルギニンに耐性であり、G.M.S.Va
nSlogterenら(1982) Plant Mol.Biol. 1:133-142, は
この酵素を選択マーカーに用いることを提案した。
された植物細胞を選択するために用いられ得る薬剤耐性
をコードするDNAセグメントの挿入に用いられた。M.Bev
an (M.D.Chiltonら(18 January 1983)15th Miami Wint
er Symp. により報告された;およびJ.L.Marx (1983) S
cience 219:830参照)とR.Horschら((18 January 198
3) 15th Miami Winter Symp.,およびMarx, 前出、参照)
は、Tn5のカナマイシン耐性遺伝子(ネオマイシンフォ
スフォトランスフェラーゼ)をノパリンプロモーターの
後に(その制御下に)挿入した。その作成には、培養でカ
ナマイシンおよびG418のようなアナグロ耐性になるよう
植物細胞を形質転換する方法がとられた。J.Schellら(1
8 January 1983) 15th Miami Winter Symp.(Marx,前
出、も参照)、は同様の作成法を報告し、そこではTn7
のメトトレキセート耐性遺伝子(ジハイドロフォレート
レダクターゼ)がノパリンシンセターゼプロモーターの
後につながれた。形質転換細胞はメトトレキセート耐性
であった。オクトピンシンセターゼを有する植物細胞は
毒性化学物質、ホモアルギニンに耐性であり、G.M.S.Va
nSlogterenら(1982) Plant Mol.Biol. 1:133-142, は
この酵素を選択マーカーに用いることを提案した。
【0028】M.-D.Chiltonら(1983), 前出 は、A.Defre
meuが“小Ti(mini-Ti)プラスミド”を作成したと報告
した。ノパリンT-DNAには普通1ヶ所の制限酵素KpnIの
切断部位がある。この部位を欠く変異がつくられ、完全
なノパリンT-DNAを含むKpnIフラグメントが単離され
た。このフラグメントはカナマイシン耐性遺伝子と共に
pRK290に挿入され、アグロバクテリウム・チューメファ
シエンス内で維持され、すべての非T-DNA配列を欠くプ
ラスミドが得られた。それ自身では、このプラスミドは
植物細胞を形質転換できなかった。しかし、オクトピン
Tiプラスミドを持つアグロバクテリウム・チューメファ
シエンス株に入れると、オクトピンとノパリン両方を合
成する腫瘍が誘導された。これはノパリンTiプラスミド
機能の消失がオクトピンTiプラスミドにより相補された
こと、およびノパリン"小Ti"は植物細胞を形質転換する
能力があったことを示す。Chiltonら(1983)、前出、は
また、小TiをSmaIで切断し、ノパリンシンセターゼ遺
伝子とその左および右端以外はすべてのT-DNAを欠失し
た"微Ti"(micro-Ti)を作成した。この微TiはSmaI部位
を欠くpRK290プラスミド誘導対に挿入され、小Tiと同様
にして用いられ、匹敵する結果を得た。
meuが“小Ti(mini-Ti)プラスミド”を作成したと報告
した。ノパリンT-DNAには普通1ヶ所の制限酵素KpnIの
切断部位がある。この部位を欠く変異がつくられ、完全
なノパリンT-DNAを含むKpnIフラグメントが単離され
た。このフラグメントはカナマイシン耐性遺伝子と共に
pRK290に挿入され、アグロバクテリウム・チューメファ
シエンス内で維持され、すべての非T-DNA配列を欠くプ
ラスミドが得られた。それ自身では、このプラスミドは
植物細胞を形質転換できなかった。しかし、オクトピン
Tiプラスミドを持つアグロバクテリウム・チューメファ
シエンス株に入れると、オクトピンとノパリン両方を合
成する腫瘍が誘導された。これはノパリンTiプラスミド
機能の消失がオクトピンTiプラスミドにより相補された
こと、およびノパリン"小Ti"は植物細胞を形質転換する
能力があったことを示す。Chiltonら(1983)、前出、は
また、小TiをSmaIで切断し、ノパリンシンセターゼ遺
伝子とその左および右端以外はすべてのT-DNAを欠失し
た"微Ti"(micro-Ti)を作成した。この微TiはSmaI部位
を欠くpRK290プラスミド誘導対に挿入され、小Tiと同様
にして用いられ、匹敵する結果を得た。
【0029】H.Lorzら編(1982) in Plant Tissue Cultu
re 1982:A.Fujiwara, pp.511-512は、DNAの取込みと維
持に、TIP系が見掛け上無関係なプラスミドベクターを
作り、マーカーとしてノパリンシンセターゼ遺伝子を用
いた。
re 1982:A.Fujiwara, pp.511-512は、DNAの取込みと維
持に、TIP系が見掛け上無関係なプラスミドベクターを
作り、マーカーとしてノパリンシンセターゼ遺伝子を用
いた。
【0030】(ファセオリンと遺伝子調節)一般に、高等
真核生物の遺伝子は高度に調節されている。植物のよう
な多細胞器官は多くの分化した組織を有し、夫々は特有
の遺伝子産物を要求する特有の機能を持つ。そのような
組織の1つに子葉(cotyledon)がある。豆果(legumes)で
は、子葉は発芽の間に必要となるまで、脂質、炭水化
物、無機物および蛋白質などを保存する種の貯蔵器官で
ある。フォセオラス・ブルガリスL.(フレンチビーン、
インゲン豆(kidny bean)、乾燥白豆(navy bean)、緑豆
(green bean)などの名でも知られる)では、主要貯蔵蛋
白質はファセオリンである。この蛋白は極めて類似し、
かつ互いに等量の小数の分子種から成る。ファセオリン
は乾燥豆の主要な栄養価を担っており、しばしば乾燥重
量の10%以上を占める。
真核生物の遺伝子は高度に調節されている。植物のよう
な多細胞器官は多くの分化した組織を有し、夫々は特有
の遺伝子産物を要求する特有の機能を持つ。そのような
組織の1つに子葉(cotyledon)がある。豆果(legumes)で
は、子葉は発芽の間に必要となるまで、脂質、炭水化
物、無機物および蛋白質などを保存する種の貯蔵器官で
ある。フォセオラス・ブルガリスL.(フレンチビーン、
インゲン豆(kidny bean)、乾燥白豆(navy bean)、緑豆
(green bean)などの名でも知られる)では、主要貯蔵蛋
白質はファセオリンである。この蛋白は極めて類似し、
かつ互いに等量の小数の分子種から成る。ファセオリン
は乾燥豆の主要な栄養価を担っており、しばしば乾燥重
量の10%以上を占める。
【0031】ファセオリンは、ファセオラス・ブルガリ
スの生活環の間で高度に調節されている。この蛋白は種
がさやの中で生ずる間でのみつくられ、そのレベルは遺
伝的に決まった合成のスケジュールに従い、検出限界の
低い値から種の蛋白の半分を占めるまで上昇する。その
ピークではファセオリン合成は子葉細胞の蛋白合成の80
%以上にも達する。他の時期には、また他の組織では、
ファセオリン合成は検知できない。世界的な栄養源の重
要性に伴い、ファセオリンの調節の仕組みは、ファセオ
リンの研究、その性質およびその調節に大いに興味をそ
そる。
スの生活環の間で高度に調節されている。この蛋白は種
がさやの中で生ずる間でのみつくられ、そのレベルは遺
伝的に決まった合成のスケジュールに従い、検出限界の
低い値から種の蛋白の半分を占めるまで上昇する。その
ピークではファセオリン合成は子葉細胞の蛋白合成の80
%以上にも達する。他の時期には、また他の組織では、
ファセオリン合成は検知できない。世界的な栄養源の重
要性に伴い、ファセオリンの調節の仕組みは、ファセオ
リンの研究、その性質およびその調節に大いに興味をそ
そる。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】ここに開示の発明は、
植物遺伝子を導入し、そこで発現する遺伝的に修飾され
た植物細胞を有する植物を提供する。さらに、この発明
は、そのゲノムが植物遺伝子を含むT-DNAを有する植物
細胞を備えた植物組織を提供する。この植物遺伝子は植
物細胞内で発現する。またT-DNA(ここでは植物細胞内で
発現可能な挿入植物遺伝子を含むように修飾されたT-DN
Aと定義される)を含み、複製し得るアグロバクテリウム
属細菌の新規な細菌株を提供する。さらに、本発明はエ
セリシア・コリー(大腸菌)内で複製能を有し、T-DNAを
含み、さらにプラスミド内に含まれるT-DNA内に挿入さ
れた植物遺伝子を含むような新規のプラスミドを提供す
る。
植物遺伝子を導入し、そこで発現する遺伝的に修飾され
た植物細胞を有する植物を提供する。さらに、この発明
は、そのゲノムが植物遺伝子を含むT-DNAを有する植物
細胞を備えた植物組織を提供する。この植物遺伝子は植
物細胞内で発現する。またT-DNA(ここでは植物細胞内で
発現可能な挿入植物遺伝子を含むように修飾されたT-DN
Aと定義される)を含み、複製し得るアグロバクテリウム
属細菌の新規な細菌株を提供する。さらに、本発明はエ
セリシア・コリー(大腸菌)内で複製能を有し、T-DNAを
含み、さらにプラスミド内に含まれるT-DNA内に挿入さ
れた植物遺伝子を含むような新規のプラスミドを提供す
る。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの局面で
は、ファセオラス・ブルガリスL.由来の、ファセオリ
ンおよびそのプロモーター領域をコードする遺伝子を含
む3.8kbpのDNAであって、以下の制限酵素部位を有するD
NAが提供される:
は、ファセオラス・ブルガリスL.由来の、ファセオリ
ンおよびそのプロモーター領域をコードする遺伝子を含
む3.8kbpのDNAであって、以下の制限酵素部位を有するD
NAが提供される:
【0034】
【数2】
【0035】本発明の別の局面では、ファセオラス・ブ
ルガリスL.由来の、ファセオリンをコードする遺伝子
を含む3.0kbpのBamH〜EcoRI断片を提供する。
ルガリスL.由来の、ファセオリンをコードする遺伝子
を含む3.0kbpのBamH〜EcoRI断片を提供する。
【0036】本発明のさらに別の局面では、ファセオラ
ス・ブルガリスL.由来の、ファセオリンのプロモータ
ーをコードする遺伝子を含む0.8kbpのBglII〜EcoRI断片
が提供される。
ス・ブルガリスL.由来の、ファセオリンのプロモータ
ーをコードする遺伝子を含む0.8kbpのBglII〜EcoRI断片
が提供される。
【0037】ここに開示された実験的研究では、T-DNA
を介した導入、即ち既知の方法を用いて植物遺伝子をT-
DNAに挿入し、そして挿入物を含むT-DNAを植物細胞に導
入することにより、植物遺伝子が植物細胞内で発現可能
であるということを示した最初の例であると信ずる。こ
こに開示された実験はまた、イントロンを含む植物遺伝
子が、T-DNAを介して導入された植物細胞内で発現した
最初の例を提供するものと信ずる。これらの結果はT-DN
A内で発現する既知のすべての遺伝子(T-DNA内生遺伝子
であれ、挿入外来遺伝子であれ)が、現在知られる限り
イントロンを含まないという事実から見れば驚くべきこ
とである。この結果はまた、当業者がこれまで、T-DNA
遺伝子外のプロモーターがT-DNA内へ挿入された場合、
植物内で発現を制御する機能を果たすという、例を示し
得なかったという事実から見ても、容易に想到されな
い。
を介した導入、即ち既知の方法を用いて植物遺伝子をT-
DNAに挿入し、そして挿入物を含むT-DNAを植物細胞に導
入することにより、植物遺伝子が植物細胞内で発現可能
であるということを示した最初の例であると信ずる。こ
こに開示された実験はまた、イントロンを含む植物遺伝
子が、T-DNAを介して導入された植物細胞内で発現した
最初の例を提供するものと信ずる。これらの結果はT-DN
A内で発現する既知のすべての遺伝子(T-DNA内生遺伝子
であれ、挿入外来遺伝子であれ)が、現在知られる限り
イントロンを含まないという事実から見れば驚くべきこ
とである。この結果はまた、当業者がこれまで、T-DNA
遺伝子外のプロモーターがT-DNA内へ挿入された場合、
植物内で発現を制御する機能を果たすという、例を示し
得なかったという事実から見ても、容易に想到されな
い。
【0038】本発明は、他の植物種または株から有用な
植物遺伝子を導入し、植物組織または全植物体を遺伝的
に修飾するために有用である。このような有用植物遺伝
子は、貯蔵蛋白質、レクチン、病気、昆虫および除草剤
に対する耐性因子、環境ストレスに対し耐性を与える因
子などの遺伝子、さらに特異的芳香剤の遺伝子などがあ
るが、これらに限らない。本発明は、豆類の主たる種の
貯蔵蛋白質であるファセオリン遺伝子の、ヒマワリやタ
バコの植物組織への導入および発現により例示される。
T-DNAを介して導入された植物遺伝子が発現する植物細
胞が一度得られれば、植物組織および全植物体を当該分
野において既知の方法で、そこから再生させ得る。再生
した植物は次いで通常の方法で増殖し、導入された遺伝
子は通常の植物改良技術により他の植物へ移される。例
えばファセオリン遺伝子の導入、発現はアルファルファ
のような馬糧作物(forage crop)の蛋白含量、栄養価の
向上に用いることができる。本発明の他の用途、即ち、
他の植物種へ導入された他の遺伝子の性質の開拓などは
当業者にとっては容易なことである。本発明は、本質的
には、いかなる植物遺伝子をも、T-DNAの導入が可能で
安定に複製維持できるいかなる植物種へ導入することに
応用できる。一般に、これらの種に以下のものがある
が、それに限定されない。即ち、ヒマワリ(コンポシテ
compositeae科)、タハ゛コ(ソラナシ solanaceae科)、アルフ
ァルファ、大豆および他のマメ類(レグミノシ legumino
seae科)および大部分の野菜類のような(ディコチレドナ
ウスdicotyledonous)双子葉植物である。
植物遺伝子を導入し、植物組織または全植物体を遺伝的
に修飾するために有用である。このような有用植物遺伝
子は、貯蔵蛋白質、レクチン、病気、昆虫および除草剤
に対する耐性因子、環境ストレスに対し耐性を与える因
子などの遺伝子、さらに特異的芳香剤の遺伝子などがあ
るが、これらに限らない。本発明は、豆類の主たる種の
貯蔵蛋白質であるファセオリン遺伝子の、ヒマワリやタ
バコの植物組織への導入および発現により例示される。
T-DNAを介して導入された植物遺伝子が発現する植物細
胞が一度得られれば、植物組織および全植物体を当該分
野において既知の方法で、そこから再生させ得る。再生
した植物は次いで通常の方法で増殖し、導入された遺伝
子は通常の植物改良技術により他の植物へ移される。例
えばファセオリン遺伝子の導入、発現はアルファルファ
のような馬糧作物(forage crop)の蛋白含量、栄養価の
向上に用いることができる。本発明の他の用途、即ち、
他の植物種へ導入された他の遺伝子の性質の開拓などは
当業者にとっては容易なことである。本発明は、本質的
には、いかなる植物遺伝子をも、T-DNAの導入が可能で
安定に複製維持できるいかなる植物種へ導入することに
応用できる。一般に、これらの種に以下のものがある
が、それに限定されない。即ち、ヒマワリ(コンポシテ
compositeae科)、タハ゛コ(ソラナシ solanaceae科)、アルフ
ァルファ、大豆および他のマメ類(レグミノシ legumino
seae科)および大部分の野菜類のような(ディコチレドナ
ウスdicotyledonous)双子葉植物である。
【0039】
【発明の実施の形態】本明細書および特許請求の範囲に
おける使用の意図と権利範囲に関する不明瞭さを除くた
めに以下の定義を行う。
おける使用の意図と権利範囲に関する不明瞭さを除くた
めに以下の定義を行う。
【0040】T-DNA:植物ゲノムに組み込まれる形質転
換誘導因子(TIP)由来のDNAセグメント。本明細書で使用
れさるこの用語はアグロバクテリウム・チューメファシ
エンスおよびアグロバクテリウム・リゾゲネスを含むア
グロバクテリウムの任意の腫瘍誘導株に本質的に由来す
るDNAを含む。後者の菌株の場合、以前の研究者は時々R
−DNAと呼んでいた。さらにここで用いるT-DNAという用
語は自然発生または実験室内操作によるいかなる変化、
修飾、変異、挿入および脱落をも含む。唯一の構造上の
要件は、自然に発生するT-DNAの右端および左端がすべ
てのT-DNAの特徴である安定な組み込みという期待され
る機能を確実にするために充分量存在するということで
ある。
換誘導因子(TIP)由来のDNAセグメント。本明細書で使用
れさるこの用語はアグロバクテリウム・チューメファシ
エンスおよびアグロバクテリウム・リゾゲネスを含むア
グロバクテリウムの任意の腫瘍誘導株に本質的に由来す
るDNAを含む。後者の菌株の場合、以前の研究者は時々R
−DNAと呼んでいた。さらにここで用いるT-DNAという用
語は自然発生または実験室内操作によるいかなる変化、
修飾、変異、挿入および脱落をも含む。唯一の構造上の
要件は、自然に発生するT-DNAの右端および左端がすべ
てのT-DNAの特徴である安定な組み込みという期待され
る機能を確実にするために充分量存在するということで
ある。
【0041】植物遺伝子:ここでの使用は、植物遺伝子
の構造および調節要素、つまりT-DNA自身の遺伝子に対
して外来である要素を含む。ここで使用する植物遺伝子
はT-DNAへ組み込まれる植物起源のプロモーター(転写の
開始と翻訳の開始を提供し、調節しうる遺伝子の領域)
と構造遺伝子(蛋白質をコードする、1つまたは複数の
イントロンを含むあるいは含まない領域)との両者であ
る。この植物遺伝子は、転写の終了および転写後のRNA
プロセッシングを制御する機能を有し得る3'-非翻訳領
域をも含み得る。プロモーターと構造遺伝子要素は同一
または異なる既存の遺伝子に由来するであろうし、また
同一または異なる植物源に由来し得る。例えば、植物遺
伝子は、それ自身のプロモーターのある植物遺伝子、あ
るいは1つの遺伝子のコード領域(イントロン存在また
は不在)および同一または他の植物種由来の他のプロモ
ーターから成るインビトロ構成物でも良い。ここで定義
する植物遺伝子のコード領域は、植物遺伝子の構造遺伝
子のcDNAコピーを含む。プロモーターとコード領域は
また自然にあるいは人為的に誘発された修飾をも含むで
あろうし、化学的に合成されたセグメントを含み得る。
コードするセグメントは、それ自身、自然発生または合
成の、混成蛋白質をコードする複数の起源に由来する混
成物であってもよい。
の構造および調節要素、つまりT-DNA自身の遺伝子に対
して外来である要素を含む。ここで使用する植物遺伝子
はT-DNAへ組み込まれる植物起源のプロモーター(転写の
開始と翻訳の開始を提供し、調節しうる遺伝子の領域)
と構造遺伝子(蛋白質をコードする、1つまたは複数の
イントロンを含むあるいは含まない領域)との両者であ
る。この植物遺伝子は、転写の終了および転写後のRNA
プロセッシングを制御する機能を有し得る3'-非翻訳領
域をも含み得る。プロモーターと構造遺伝子要素は同一
または異なる既存の遺伝子に由来するであろうし、また
同一または異なる植物源に由来し得る。例えば、植物遺
伝子は、それ自身のプロモーターのある植物遺伝子、あ
るいは1つの遺伝子のコード領域(イントロン存在また
は不在)および同一または他の植物種由来の他のプロモ
ーターから成るインビトロ構成物でも良い。ここで定義
する植物遺伝子のコード領域は、植物遺伝子の構造遺伝
子のcDNAコピーを含む。プロモーターとコード領域は
また自然にあるいは人為的に誘発された修飾をも含むで
あろうし、化学的に合成されたセグメントを含み得る。
コードするセグメントは、それ自身、自然発生または合
成の、混成蛋白質をコードする複数の起源に由来する混
成物であってもよい。
【0042】植物組織:クラウンゴールのような根、
芽、花粉、種、腫瘍組織、および胚、カルスのような培
養植物細胞の種々の形の集合物を含む高等植物の、ある
いはそれに由来する分化、未分化の組織を含む。
芽、花粉、種、腫瘍組織、および胚、カルスのような培
養植物細胞の種々の形の集合物を含む高等植物の、ある
いはそれに由来する分化、未分化の組織を含む。
【0043】植物細胞:栽培植物細胞、培養植物細胞お
よびプロトプラストを含む。T-DNAを介して導入された
植物遺伝子を発現する遺伝的修飾植物の生産は、種々の
技術を伴う現在知られている特定の知識と技術者に既知
の手段を合併したものである。多くの例において、別の
手段が全過程の各段階に存在する。手段の選択は基本的
TIPの選択、修飾される植物種および所望の再生方法の
ような要素に依存し、それらはいずれも、当業者が望む
結果を達成するために選択し用い得る別のプロセス段階
を提供する。本発明の基本的な特徴は、植物遺伝子の性
質と構造であり、そのT-DNAへの挿入方法である。遺伝
的修飾植物を得るための残りのステップは、植物細胞へ
修飾T-DNAを移送すること(そこでは、植物細胞の中で修
飾T-DNAが植物細胞ゲノムの一部として安定に組み込ま
れる)を含み、それにはインビトロ培養および完全植物
体への実際の再生に関する技術がある。この技術は、形
質転換植物細胞の選択と検出に関するステップおよび最
初の形質転換株から商業的に認められうる培養体へ導入
遺伝子を移すステップを包含し得る。
よびプロトプラストを含む。T-DNAを介して導入された
植物遺伝子を発現する遺伝的修飾植物の生産は、種々の
技術を伴う現在知られている特定の知識と技術者に既知
の手段を合併したものである。多くの例において、別の
手段が全過程の各段階に存在する。手段の選択は基本的
TIPの選択、修飾される植物種および所望の再生方法の
ような要素に依存し、それらはいずれも、当業者が望む
結果を達成するために選択し用い得る別のプロセス段階
を提供する。本発明の基本的な特徴は、植物遺伝子の性
質と構造であり、そのT-DNAへの挿入方法である。遺伝
的修飾植物を得るための残りのステップは、植物細胞へ
修飾T-DNAを移送すること(そこでは、植物細胞の中で修
飾T-DNAが植物細胞ゲノムの一部として安定に組み込ま
れる)を含み、それにはインビトロ培養および完全植物
体への実際の再生に関する技術がある。この技術は、形
質転換植物細胞の選択と検出に関するステップおよび最
初の形質転換株から商業的に認められうる培養体へ導入
遺伝子を移すステップを包含し得る。
【0044】本発明の主要な特色は先に定義した挿入植
物遺伝子を有するT-DNAの構築である。植物遺伝子挿入
部位の場所はT-DNA境界のすぐ近くにある配列の移送機
能が破壊されない限り、これらの領域が従来の研究によ
れば、修飾T-DNAの植物ゲノムへの挿入に必須であるの
で、どこでも良い。好ましい挿入部位を最も活発に転写
されている領域に位置するものであり、特にtml遺伝
子、および、図2に示すように地図区分13にまたがるHi
ndIII-f断片にある"1.6"と呼ばれる領域である。後者
の転写物に相関する表現形はない。"1.6"という用語は
ここではこの活発に転写されるT-DNAの領域を意味す
る。T-DNAはいかなるTIPプラスミドからも得られる。植
物遺伝子は当業者によく知られている標準技術で挿入さ
れる。内生T-DNA遺伝子の転写と翻訳の方向に関して挿
入植物遺伝子の方向はどちらでも良く、2つの可能な方
向はいずれも機能を果たす。ある遺伝子がT-DNAの異な
った位置に挿入されるとクロマチン構造のような因子の
ため、発現度の差が生じ得る。ファセオリン遺伝子は、
アグロバクテリウム・チューメファシエンスのオクトピ
ン型プラスミドであるpTi15955のtml遺伝子内のSmaI部
位に挿入されると、容易に検出可能な発現レベルに達す
る。
物遺伝子を有するT-DNAの構築である。植物遺伝子挿入
部位の場所はT-DNA境界のすぐ近くにある配列の移送機
能が破壊されない限り、これらの領域が従来の研究によ
れば、修飾T-DNAの植物ゲノムへの挿入に必須であるの
で、どこでも良い。好ましい挿入部位を最も活発に転写
されている領域に位置するものであり、特にtml遺伝
子、および、図2に示すように地図区分13にまたがるHi
ndIII-f断片にある"1.6"と呼ばれる領域である。後者
の転写物に相関する表現形はない。"1.6"という用語は
ここではこの活発に転写されるT-DNAの領域を意味す
る。T-DNAはいかなるTIPプラスミドからも得られる。植
物遺伝子は当業者によく知られている標準技術で挿入さ
れる。内生T-DNA遺伝子の転写と翻訳の方向に関して挿
入植物遺伝子の方向はどちらでも良く、2つの可能な方
向はいずれも機能を果たす。ある遺伝子がT-DNAの異な
った位置に挿入されるとクロマチン構造のような因子の
ため、発現度の差が生じ得る。ファセオリン遺伝子は、
アグロバクテリウム・チューメファシエンスのオクトピ
ン型プラスミドであるpTi15955のtml遺伝子内のSmaI部
位に挿入されると、容易に検出可能な発現レベルに達す
る。
【0045】植物遺伝子をT-DNAに挿入する簡便法に、
既述のシャトルベクターがあり、これは、エシェリヒア
・コリー内で複製可能なプラスミドへ取り込まれたT-DN
Aセグメント(ここへ挿入を期待するセグメント)を有す
る。このT-DNAセグメントは好ましくはシャトルベクタ
ーに特異な1つの制限部位を有する。植物遺伝子はT-DN
Aセグメント内の特異的部位に挿入され得る。そしてこ
のシャトルベクターは、適当なアグロバクテリウム株、
好ましくはそれの有するT-DNAがシャトルベクターのT-D
NAセグメントと相同性がある株の細胞へ移される。形質
転換されたアグロバクテリウム株を、Tiプラスミドの既
存のセグメントを、シャトルベクターのT-DNAセグメン
トで置換する2重相同組み換え現象を選択する条件下で
増殖させる。
既述のシャトルベクターがあり、これは、エシェリヒア
・コリー内で複製可能なプラスミドへ取り込まれたT-DN
Aセグメント(ここへ挿入を期待するセグメント)を有す
る。このT-DNAセグメントは好ましくはシャトルベクタ
ーに特異な1つの制限部位を有する。植物遺伝子はT-DN
Aセグメント内の特異的部位に挿入され得る。そしてこ
のシャトルベクターは、適当なアグロバクテリウム株、
好ましくはそれの有するT-DNAがシャトルベクターのT-D
NAセグメントと相同性がある株の細胞へ移される。形質
転換されたアグロバクテリウム株を、Tiプラスミドの既
存のセグメントを、シャトルベクターのT-DNAセグメン
トで置換する2重相同組み換え現象を選択する条件下で
増殖させる。
【0046】ここで述べた方針に従い修飾T-DNAを当該
分野で既知の任意の技術により植物細胞に移入し得る。
例えば、この移入は、T-DNA内に取り込まれた植物遺伝
子を含む新規のアグロバクテリウム株の持つプラスミド
の直接感染、あるいはアグロバクテリウム株と植物細胞
の共存培養により最も容易に達成される。前者の技術で
ある直接感染は、やがて感染部位に腫瘍体またはクラウ
ンゴールの出現をもたらす。クラウンゴール細胞を次い
で培養で増殖させ、そして当業者に既知の適当な環境下
で挿入T-DNAセグメントを有する完全植物体に再生させ
る。共存培養の方法により、植物細胞のある部分が形質
転換される。即ち細胞内にT-DNAが移り、植物細胞ゲノ
ムに挿入される。いずれにしても、形質転換細胞を選択
あるいは検索して未形質転換細胞と区別しなければなら
ない。選択はT-DNAの中に植物遺伝子と共に、取り込ま
れる選択マーカーを用いることにより容易に達成され
る。例として、ノパリンシンセターゼプロモーター支配
下で発現するジヒドロ葉酸レダクターゼあるいはネオマ
イシンファスフォトランスフェラーゼがある。これらの
マーカーは夫々メトトレキセートまたはカナマイシンあ
るいはそれらの類似物を含む培地での増殖により選択さ
れる。さらにT-DNAは、内生マーカー、例えばTi-誘導腫
瘍の培養で、ホルモン非依存増殖を制御する遺伝子また
は遺伝子群、Ri-誘導腫瘍ルートの異常形態を制御する
遺伝子または遺伝子群、およびアミノ酸類似物のような
毒性化合物に対する耐性(その耐性はオピンシンセター
ゼによりもたらされる)を制御する遺伝子群を有する。
当業者によく知られている検索法には、オピン生産の測
定、特徴的RNAまたはT-DNA配列に対する特異的ハイブリ
ダイゼーション、あるいはELISA(酵素連関免疫吸着分析
の略)、ラジオイムノアッセイ、および "ウエスタン"ブ
ロットなどの特異的蛋白質の免疫学的分析がある。
分野で既知の任意の技術により植物細胞に移入し得る。
例えば、この移入は、T-DNA内に取り込まれた植物遺伝
子を含む新規のアグロバクテリウム株の持つプラスミド
の直接感染、あるいはアグロバクテリウム株と植物細胞
の共存培養により最も容易に達成される。前者の技術で
ある直接感染は、やがて感染部位に腫瘍体またはクラウ
ンゴールの出現をもたらす。クラウンゴール細胞を次い
で培養で増殖させ、そして当業者に既知の適当な環境下
で挿入T-DNAセグメントを有する完全植物体に再生させ
る。共存培養の方法により、植物細胞のある部分が形質
転換される。即ち細胞内にT-DNAが移り、植物細胞ゲノ
ムに挿入される。いずれにしても、形質転換細胞を選択
あるいは検索して未形質転換細胞と区別しなければなら
ない。選択はT-DNAの中に植物遺伝子と共に、取り込ま
れる選択マーカーを用いることにより容易に達成され
る。例として、ノパリンシンセターゼプロモーター支配
下で発現するジヒドロ葉酸レダクターゼあるいはネオマ
イシンファスフォトランスフェラーゼがある。これらの
マーカーは夫々メトトレキセートまたはカナマイシンあ
るいはそれらの類似物を含む培地での増殖により選択さ
れる。さらにT-DNAは、内生マーカー、例えばTi-誘導腫
瘍の培養で、ホルモン非依存増殖を制御する遺伝子また
は遺伝子群、Ri-誘導腫瘍ルートの異常形態を制御する
遺伝子または遺伝子群、およびアミノ酸類似物のような
毒性化合物に対する耐性(その耐性はオピンシンセター
ゼによりもたらされる)を制御する遺伝子群を有する。
当業者によく知られている検索法には、オピン生産の測
定、特徴的RNAまたはT-DNA配列に対する特異的ハイブリ
ダイゼーション、あるいはELISA(酵素連関免疫吸着分析
の略)、ラジオイムノアッセイ、および "ウエスタン"ブ
ロットなどの特異的蛋白質の免疫学的分析がある。
【0047】シャトルベクター作戦の別の方法にT-DNA
またはそこに植物遺伝子を挿入した修飾T-DNAを含むプ
ラスミド、即ちアグロバクテリウム株内で独立に複製し
得るプラスミドの使用がある。最近の資料により、アグ
ロバクテリウム株が、T-DNAの植物細胞への移動を促進
する機能をもつあるトランスに作用する遺伝子を有する
ならば、そのようなプラスミドのT-DNAがアグロバクテ
リウム株から植物細胞へ移入され得るということが示さ
れている。T-DNAを含み、アグロバクテリウム株内で独
立に複製できるプラスミドを、ここでは"サブ−TIP"(su
b-TIP)プラスミドと呼ぶ。変動範囲があり、そこで
は、"サブ−TIP"プラスミドはそれらが含有するT-DNAの
量に差がある。その範囲の端は、TIPプラスミドからのT
-DNAがすべて残っているもので、特に"小TIP"(mini-TI
P)プラスミドと呼ばれる。その範囲のもう一端は、T-DN
A境界のまわりのDNAの最小量を残してすべてが欠失して
いる。その残存部分は、宿主細胞内で転移と組み込みが
できる必要最小量である。このようなプラスミドは"微T
IP"(micro-TIP)と呼ばれる。サブ-TIPプラスミドは小さ
く、直接操作するのが比較的容易であるという利点があ
る。希望する遺伝子を挿入した後、T-DNA転移を促進す
るトランスに作用する遺伝子を含む植物細胞へ直接容易
に導入できる。アグロバクテリウム株への導入はアグロ
バクテリウム株の形質転換か、供与細菌細胞から接合伝
達という当業者によく知られている技術により簡便に達
成される。
またはそこに植物遺伝子を挿入した修飾T-DNAを含むプ
ラスミド、即ちアグロバクテリウム株内で独立に複製し
得るプラスミドの使用がある。最近の資料により、アグ
ロバクテリウム株が、T-DNAの植物細胞への移動を促進
する機能をもつあるトランスに作用する遺伝子を有する
ならば、そのようなプラスミドのT-DNAがアグロバクテ
リウム株から植物細胞へ移入され得るということが示さ
れている。T-DNAを含み、アグロバクテリウム株内で独
立に複製できるプラスミドを、ここでは"サブ−TIP"(su
b-TIP)プラスミドと呼ぶ。変動範囲があり、そこで
は、"サブ−TIP"プラスミドはそれらが含有するT-DNAの
量に差がある。その範囲の端は、TIPプラスミドからのT
-DNAがすべて残っているもので、特に"小TIP"(mini-TI
P)プラスミドと呼ばれる。その範囲のもう一端は、T-DN
A境界のまわりのDNAの最小量を残してすべてが欠失して
いる。その残存部分は、宿主細胞内で転移と組み込みが
できる必要最小量である。このようなプラスミドは"微T
IP"(micro-TIP)と呼ばれる。サブ-TIPプラスミドは小さ
く、直接操作するのが比較的容易であるという利点があ
る。希望する遺伝子を挿入した後、T-DNA転移を促進す
るトランスに作用する遺伝子を含む植物細胞へ直接容易
に導入できる。アグロバクテリウム株への導入はアグロ
バクテリウム株の形質転換か、供与細菌細胞から接合伝
達という当業者によく知られている技術により簡便に達
成される。
【0048】再生は既知の技術で達成される。再生ステ
ップの目的は正常に、しかし組み込まれたT-DNAを保持
して、増殖および再生産する全植物体を得ることであ
る。再生の技術は、当該分野で既知の原理によれば、T-
DNAの起源、そこでの修飾の性質、および形質転換され
た植物の種によりいくらか変動する。Ri−型T-DNAで形
質転換された植物細胞は、公知の技術により何ら過度の
実験なしに、容易に再生される。Ti−型T-DNAで形質転
換された植物細胞は、ある例では培養のホルモンレベル
を適当に操作することにより再生され得る。しかし、好
ましくは、Ti−形質転換組織は、もしT-DNAがTmrとTms
遺伝子の一方または双方に変異を受けておれば、最も簡
単に再生される。これらの遺伝子の不活性化は形質転換
組織のホルモンバランスを正常に戻し、培養での組織の
ホルモンレベルを極めて容易に操作できるようになる結
果、簡単に再生するような、より正常なホルモン生理を
有する植物をもたらす。数例においては、腫瘍細胞は、
ノパリンシンセターゼのような組み込まれたT-DNAを持
ち、かつT-DNA遺伝子を発現するシュート、そしてまた
挿入植物遺伝子を発現するシュートを再生させることが
できる。このシュートは根を有する植物につぎ木する事
により栄養細胞で維持でき、稔性花を着生できる。シュ
ートはこのようにして、T-DNAを有し、そこへ挿入され
た植物遺伝子を発現する正常な子孫植物の親植物体とな
る。
ップの目的は正常に、しかし組み込まれたT-DNAを保持
して、増殖および再生産する全植物体を得ることであ
る。再生の技術は、当該分野で既知の原理によれば、T-
DNAの起源、そこでの修飾の性質、および形質転換され
た植物の種によりいくらか変動する。Ri−型T-DNAで形
質転換された植物細胞は、公知の技術により何ら過度の
実験なしに、容易に再生される。Ti−型T-DNAで形質転
換された植物細胞は、ある例では培養のホルモンレベル
を適当に操作することにより再生され得る。しかし、好
ましくは、Ti−形質転換組織は、もしT-DNAがTmrとTms
遺伝子の一方または双方に変異を受けておれば、最も簡
単に再生される。これらの遺伝子の不活性化は形質転換
組織のホルモンバランスを正常に戻し、培養での組織の
ホルモンレベルを極めて容易に操作できるようになる結
果、簡単に再生するような、より正常なホルモン生理を
有する植物をもたらす。数例においては、腫瘍細胞は、
ノパリンシンセターゼのような組み込まれたT-DNAを持
ち、かつT-DNA遺伝子を発現するシュート、そしてまた
挿入植物遺伝子を発現するシュートを再生させることが
できる。このシュートは根を有する植物につぎ木する事
により栄養細胞で維持でき、稔性花を着生できる。シュ
ートはこのようにして、T-DNAを有し、そこへ挿入され
た植物遺伝子を発現する正常な子孫植物の親植物体とな
る。
【0049】形質転換した植物組織の遺伝型は、しばし
ばその細胞がインビトロの培地で生育可能および再生可
能であることによって簡単に選択される。農学上関心の
ある栽培変種植物(cultivar)がこれらの操作に不適応で
あるならば、もっと余地のある変化が最初になされる。
再生後、新しく導入された外来植物遺伝子は、植物の育
て方や植物遺伝学の当業者に既知の技術により所望の農
学上の栽培変種植物に容易に移入される。形質転換され
た植物のこれら農学上の栽培変種植物との交配により最
初の雑種が得られる。これらの雑種は、次いで、所望の
遺伝学的背景の植物と戻り交雑され得る。子孫は、そし
て組み込まれたT-DNAの連結した存在が、挿入された植
物遺伝子の発現の結果としての新しい表現型に対して、
継続的に検索されそして選択される。この方法では、何
回もの戻し交雑と選択の後、挿入された植物遺伝子と共
に、農学上望ましい親株に本質的に同一な遺伝型をもっ
て植物が生産されうる。
ばその細胞がインビトロの培地で生育可能および再生可
能であることによって簡単に選択される。農学上関心の
ある栽培変種植物(cultivar)がこれらの操作に不適応で
あるならば、もっと余地のある変化が最初になされる。
再生後、新しく導入された外来植物遺伝子は、植物の育
て方や植物遺伝学の当業者に既知の技術により所望の農
学上の栽培変種植物に容易に移入される。形質転換され
た植物のこれら農学上の栽培変種植物との交配により最
初の雑種が得られる。これらの雑種は、次いで、所望の
遺伝学的背景の植物と戻り交雑され得る。子孫は、そし
て組み込まれたT-DNAの連結した存在が、挿入された植
物遺伝子の発現の結果としての新しい表現型に対して、
継続的に検索されそして選択される。この方法では、何
回もの戻し交雑と選択の後、挿入された植物遺伝子と共
に、農学上望ましい親株に本質的に同一な遺伝型をもっ
て植物が生産されうる。
【0050】
【実施例】次の例はTIPおよびアグロバクテリウムの分
子生物学や操作の当業者によく知られかつ受け入れられ
うる多くの技術を利用している;そのような方法は、い
つも詳しく述べられているわけではない。酵素は市販の
ものから得られ、ベンダーの助言もしくは当該分野で既
知の他の変法に従って使われる。試薬、緩衝液や培地の
条件はまた当該分野で知られている。そのような標準的
技術についての参考研究には次のものがある:R.Wu編(1
979) Meth.Enzymol.68;J.H.Miller (1972)Experiments
in Molecular Genetics;R.Davisら(1980) Advanced B
acterial Genetics;およびR.F.Schleif and P.C.Wnesi
nk (1982) Practical Methods in Molecular Biology.
プラスミドIIcを除いて、プラスミドは、プラスミドの
みであるが、例えばp3.8かpKS4のように表示には"p"を
前に置く。
子生物学や操作の当業者によく知られかつ受け入れられ
うる多くの技術を利用している;そのような方法は、い
つも詳しく述べられているわけではない。酵素は市販の
ものから得られ、ベンダーの助言もしくは当該分野で既
知の他の変法に従って使われる。試薬、緩衝液や培地の
条件はまた当該分野で知られている。そのような標準的
技術についての参考研究には次のものがある:R.Wu編(1
979) Meth.Enzymol.68;J.H.Miller (1972)Experiments
in Molecular Genetics;R.Davisら(1980) Advanced B
acterial Genetics;およびR.F.Schleif and P.C.Wnesi
nk (1982) Practical Methods in Molecular Biology.
プラスミドIIcを除いて、プラスミドは、プラスミドの
みであるが、例えばp3.8かpKS4のように表示には"p"を
前に置く。
【0051】プラスミドを含んだ細胞は同定された細胞
とカッコ内に示したプラスミドによって示されている。
例えば、アグロバクテリウム・チューメファシエンス(p
Ti15955)とかK802(pKS4-KB)。表1〜表5は同定したプ
ラスミドやそれらの関係することに対して有益な指標(i
ndex)を提供する。表6は、寄託菌の指標を提供する。
図1は、実施例5、6と8中に述べられている構築の有
益な比較を提供する。
とカッコ内に示したプラスミドによって示されている。
例えば、アグロバクテリウム・チューメファシエンス(p
Ti15955)とかK802(pKS4-KB)。表1〜表5は同定したプ
ラスミドやそれらの関係することに対して有益な指標(i
ndex)を提供する。表6は、寄託菌の指標を提供する。
図1は、実施例5、6と8中に述べられている構築の有
益な比較を提供する。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】(実施例1)この例の目的はそれ自身の調節
下で非T-DNAの真核遺伝子の発現を教示することであ
る。
下で非T-DNAの真核遺伝子の発現を教示することであ
る。
【0059】1.1 特殊なプラスミド誘導体の調製 制限部位は、DNAポリメラーゼIでその粘着末端の一本
鎖部分を充填するHindIIIで消化、その平滑末端を連
結、K802を形質転換、テトラサイクリン耐性で選択、そ
の薬剤耐性クローンからプラスミド単離、そしてその特
有の制限部位の除去を確認するため制限酵素での特性表
示によって、プラスミドpBR322から除かれる。このプラ
スミドをp350(pBR322-HindIII)と呼ぶ。
鎖部分を充填するHindIIIで消化、その平滑末端を連
結、K802を形質転換、テトラサイクリン耐性で選択、そ
の薬剤耐性クローンからプラスミド単離、そしてその特
有の制限部位の除去を確認するため制限酵素での特性表
示によって、プラスミドpBR322から除かれる。このプラ
スミドをp350(pBR322-HindIII)と呼ぶ。
【0060】1.2 シャトルベクターの調製 p203をBamHIで消化し、T-DNA Bam17断片(図2参照)
を、アガロースゲル電気泳動後ゲルから溶出させること
によって単離した。この断片を、BamHIで線状化したp3
50と混合し連結した。次いで反応物を用いてK802を形質
転換した。アンピシリン耐性形質転換株から単離された
プラスミドを制限地図によって特徴付け、SmaIで消化
し、そして平滑末端をHindIIIリンカーに連結した。Hin
dIII粘着末端をHindIIIによる切断によって露出させ、
その線状プラスミドを連結によってそれ自身を環状した
後、そのプラスミドを用いてK802を形質転換した。アン
ピンリン耐性形質転換株から分離されたプラスミドを、
制限地域によって特徴付け、プラスミドが有する図3に
示されているような構造はp395と名付けた。以下に論議
されるp376がまた、この時点で単離された(図3)。
を、アガロースゲル電気泳動後ゲルから溶出させること
によって単離した。この断片を、BamHIで線状化したp3
50と混合し連結した。次いで反応物を用いてK802を形質
転換した。アンピシリン耐性形質転換株から単離された
プラスミドを制限地図によって特徴付け、SmaIで消化
し、そして平滑末端をHindIIIリンカーに連結した。Hin
dIII粘着末端をHindIIIによる切断によって露出させ、
その線状プラスミドを連結によってそれ自身を環状した
後、そのプラスミドを用いてK802を形質転換した。アン
ピンリン耐性形質転換株から分離されたプラスミドを、
制限地域によって特徴付け、プラスミドが有する図3に
示されているような構造はp395と名付けた。以下に論議
されるp376がまた、この時点で単離された(図3)。
【0061】p395はBamHIで消化され、そしてHindIII
部位に変換されるSmaI部位を有するBam17 T-DNA断片
を、アガロースゲル電気泳動およびそれに続く溶出によ
り単離した。このBam17断片は、BglIIで線状化されたpR
K290と混合され連結された。その反応液を用いてK802を
形質転換し、選択後、形質転換株は、制限地図によって
特徴づけられたプラスミドを調製するために使われた。
この特定のプラスミドは、p490-8/14と名付けられた。
部位に変換されるSmaI部位を有するBam17 T-DNA断片
を、アガロースゲル電気泳動およびそれに続く溶出によ
り単離した。このBam17断片は、BglIIで線状化されたpR
K290と混合され連結された。その反応液を用いてK802を
形質転換し、選択後、形質転換株は、制限地図によって
特徴づけられたプラスミドを調製するために使われた。
この特定のプラスミドは、p490-8/14と名付けられた。
【0062】p376(その由来はこの例の中で上述される)
は、SmaI、今、HindIIIの特性に変換されたが、そこか
ら右に約0.8Kbpの欠失のあることが見い出された。上の
p395に対してなされたように、そのBam17に相当するBam
HI T-DNA断片が分離され、BglIIで線状化されたpRK290
に連結された。形質転換選択、そしてプラスミド単離お
よび特徴付け後、その特定のプラスミドはp458-1と名付
けた。
は、SmaI、今、HindIIIの特性に変換されたが、そこか
ら右に約0.8Kbpの欠失のあることが見い出された。上の
p395に対してなされたように、そのBam17に相当するBam
HI T-DNA断片が分離され、BglIIで線状化されたpRK290
に連結された。形質転換選択、そしてプラスミド単離お
よび特徴付け後、その特定のプラスミドはp458-1と名付
けた。
【0063】1.3 カナマイシン耐性とファセオリンの
遺伝子の挿入 ファセオリン遺伝子を載せた断片を、HindIII消化され
たpKS-KB3.8からアガロースゲル電気泳動によって調製
した。この断片は、HindIIIで線状化されたp490-8/14と
混合され、連結された。K802のカナマイシン耐性形質転
換株は、それから制限地図をつくられたプラスミドを調
製するのに使われた。2つの構築物が単離された:p499
/6/7はカナマイシン耐性の右に豆の(塩基)配列を有して
いた(図4)そしてp499/6/8は反対方向であった(図5)。
遺伝子の挿入 ファセオリン遺伝子を載せた断片を、HindIII消化され
たpKS-KB3.8からアガロースゲル電気泳動によって調製
した。この断片は、HindIIIで線状化されたp490-8/14と
混合され、連結された。K802のカナマイシン耐性形質転
換株は、それから制限地図をつくられたプラスミドを調
製するのに使われた。2つの構築物が単離された:p499
/6/7はカナマイシン耐性の右に豆の(塩基)配列を有して
いた(図4)そしてp499/6/8は反対方向であった(図5)。
【0064】精製されたファセオリン遺伝子を載せたpK
S-KB3.8のHindIII断片はまた、HindIIIで線状化されたp
458-1と混合され、連結された。プラスミドは、再び、K
802のカナマイシン耐性形質転換株から調製され、制限
地図がつくられた。再び両方向が単離された:p496-2
(図6)とp496-1(図7)は各々、カナマイシン耐性遺伝子
の右と左にファセオリンを持っていた。
S-KB3.8のHindIII断片はまた、HindIIIで線状化されたp
458-1と混合され、連結された。プラスミドは、再び、K
802のカナマイシン耐性形質転換株から調製され、制限
地図がつくられた。再び両方向が単離された:p496-2
(図6)とp496-1(図7)は各々、カナマイシン耐性遺伝子
の右と左にファセオリンを持っていた。
【0065】1.4 Tiプラスミドの2重相同組み換え ファセオリンとカナマイシン遺伝子は実施例14に述べら
れているようにアグロバクテリウム・チューメファシエ
ンス細胞内に保持されているTiプラスミド内に組み込ま
れた。2つのTiプラスミドが受容体(recipients)として
使われた:pTi15955はオクトピン型プラスミドである;
そしてpTiA66はアグロバクテリウムIS(挿入)配列の自然
の挿入による機能しないtms遺伝子をもつA6オクトピ
ン型プラスミドから由来する系統である。p499/6/7, p4
99/6/8, p496-2とp496-1で定義された構造を含むpTi159
55プラスミドは各々、p529-8, p529-7, p529-11とp529-
2と名付けられた。pTiA66内の同じ構造は各々、p539-6,
p539-5, p539-2とp539-1と名付けられた。
れているようにアグロバクテリウム・チューメファシエ
ンス細胞内に保持されているTiプラスミド内に組み込ま
れた。2つのTiプラスミドが受容体(recipients)として
使われた:pTi15955はオクトピン型プラスミドである;
そしてpTiA66はアグロバクテリウムIS(挿入)配列の自然
の挿入による機能しないtms遺伝子をもつA6オクトピ
ン型プラスミドから由来する系統である。p499/6/7, p4
99/6/8, p496-2とp496-1で定義された構造を含むpTi159
55プラスミドは各々、p529-8, p529-7, p529-11とp529-
2と名付けられた。pTiA66内の同じ構造は各々、p539-6,
p539-5, p539-2とp539-1と名付けられた。
【0066】1.5 植物の感染 p529とp539系列のTiプラスミドを含むアグロバクテリウ
ム・チューメファシエンス細胞を針で刺し、特定の細菌
細胞の注入によってヒマワリ植物の幹に感染させるのに
使われた。
ム・チューメファシエンス細胞を針で刺し、特定の細菌
細胞の注入によってヒマワリ植物の幹に感染させるのに
使われた。
【0067】1.6 ファセオリンの検出 ファセオリンの蛋白鎖が、実施例14中に記載されるよう
にELISAsによって、こぶ(gall)に探知された。検査され
たすべてのこぶはファセオリンを含んでいることが見い
出された;その量は、組織の新鮮な(fresh)重量グラ
ム当り20ngと0ngの間で多様であり、平均は約10n/gで
あった。蛋白変性ゲル(SDS-ポリアクリルアミド)のウェ
スタン・ブロットによる解析は、天然のファセオリンよ
り有意に小さいが、見かけの分子量が大きい明瞭なバン
ドを示した。正確なバンドの数や大きさは宿主間で多様
であり、それは宿主の特異な翻訳後のプロセッシングの
結果である。
にELISAsによって、こぶ(gall)に探知された。検査され
たすべてのこぶはファセオリンを含んでいることが見い
出された;その量は、組織の新鮮な(fresh)重量グラ
ム当り20ngと0ngの間で多様であり、平均は約10n/gで
あった。蛋白変性ゲル(SDS-ポリアクリルアミド)のウェ
スタン・ブロットによる解析は、天然のファセオリンよ
り有意に小さいが、見かけの分子量が大きい明瞭なバン
ドを示した。正確なバンドの数や大きさは宿主間で多様
であり、それは宿主の特異な翻訳後のプロセッシングの
結果である。
【0068】ファセオリンのメッセンジャーRNA鎖が、
実施例12中で述べられているように、こぶの中で探知さ
れた。検査されたすべてのこぶは、ファセオリン(のRN
A)鎖をポリ(A)5+4RNA画分に含まれていることが見い出
された;その量は、平均全ポリ(A)RNAの約0.005%であ
る。変性したDNAゲル(メチルマーキョリーアガロース)
のノーザン・ブロットによる解析は、天然のファセオリ
ンのメッセンジャーRNA(1.6Kbp)と同じ大きさの高分子
量の明瞭なバンドを示した。
実施例12中で述べられているように、こぶの中で探知さ
れた。検査されたすべてのこぶは、ファセオリン(のRN
A)鎖をポリ(A)5+4RNA画分に含まれていることが見い出
された;その量は、平均全ポリ(A)RNAの約0.005%であ
る。変性したDNAゲル(メチルマーキョリーアガロース)
のノーザン・ブロットによる解析は、天然のファセオリ
ンのメッセンジャーRNA(1.6Kbp)と同じ大きさの高分子
量の明瞭なバンドを示した。
【0069】ファセオリンはまた、ELISAにより、pTiA6
6ベクターによって感染された細胞に由来するshoot-tis
sue中で検出された。
6ベクターによって感染された細胞に由来するshoot-tis
sue中で検出された。
【0070】ファセオリン蛋白およびメッセンジャーRN
Aの信号の検出レベルは、修飾されていないpTi15955を
修飾されていないpTiA66をもつアグロバクテリウム・チ
ューメファシエンスにより形質転換されたクラウンゴー
ルを分析するときに見い出されたノイズレベル以上に有
意で実質的であった。
Aの信号の検出レベルは、修飾されていないpTi15955を
修飾されていないpTiA66をもつアグロバクテリウム・チ
ューメファシエンスにより形質転換されたクラウンゴー
ルを分析するときに見い出されたノイズレベル以上に有
意で実質的であった。
【0071】(実施例2)この実施例は、実施例1で教示
したものと類似の、完全ファセオリン遺伝子のT-DNAへ
の挿入を教示する。この構築は、ノパリンTiプラスミド
であるpTiC58中に、ノパリン合成遺伝子の領域内に挿入
された配列を有するように設計されたシャトルベクター
を利用する。
したものと類似の、完全ファセオリン遺伝子のT-DNAへ
の挿入を教示する。この構築は、ノパリンTiプラスミド
であるpTiC58中に、ノパリン合成遺伝子の領域内に挿入
された配列を有するように設計されたシャトルベクター
を利用する。
【0072】2.1 シャトルベクターの構成 ノパリン型プラスミドpTiC58(図8のa)をSmaIで消化
し、ノパリン合成遺伝子をコードした断片を、アガロー
スゲル電気泳動により単離した。この断片を、BglIIリ
ンカーに平滑末端連結し、次いでそれを、BglIIによる
消化により露出させた。得られたDNA断片を、BglIIで線
状化したpRK290(図10)と混合し連結した。K802を形質転
換した後、テトラサイクリンにより選択してプラスミド
を単離し、そして制限地図を作成した。その特定のプラ
スミドはpCF44A(図8のb)と名付けた。
し、ノパリン合成遺伝子をコードした断片を、アガロー
スゲル電気泳動により単離した。この断片を、BglIIリ
ンカーに平滑末端連結し、次いでそれを、BglIIによる
消化により露出させた。得られたDNA断片を、BglIIで線
状化したpRK290(図10)と混合し連結した。K802を形質転
換した後、テトラサイクリンにより選択してプラスミド
を単離し、そして制限地図を作成した。その特定のプラ
スミドはpCF44A(図8のb)と名付けた。
【0073】4つのClaI部位を、連続的にpCF44Aを、
2度再セクション化することによって単一のClaI感受
性部位に減少させた。このプラスミドをXhoIで消化
し、それ自身で再連結させ、そしてK802を形質転換し
た。選択後、プラスミドの単離、そして制限地図を作成
した後、XhoI断片(2つのClaI部位を有する)の欠失し
た適切なプラスミドをClaIで消化し、それ自身で再連
結し、そしてK802を形質転換した。選択、プラスミド単
離、そして制限地図作成の後、2度目の欠失したプラス
ミド(このたびのClaI断片はnos遺伝子の5'末端の他は
すべてをもつ)を、pKS−nopIV(図9、図8、図8のc)
と名付けた。
2度再セクション化することによって単一のClaI感受
性部位に減少させた。このプラスミドをXhoIで消化
し、それ自身で再連結させ、そしてK802を形質転換し
た。選択後、プラスミドの単離、そして制限地図を作成
した後、XhoI断片(2つのClaI部位を有する)の欠失し
た適切なプラスミドをClaIで消化し、それ自身で再連
結し、そしてK802を形質転換した。選択、プラスミド単
離、そして制限地図作成の後、2度目の欠失したプラス
ミド(このたびのClaI断片はnos遺伝子の5'末端の他は
すべてをもつ)を、pKS−nopIV(図9、図8、図8のc)
と名付けた。
【0074】2.2 Kan/bean遺伝子の挿入 pKS-KB3.8(図11)を、ClaIを用いて消化し、カナマイシ
ン耐性とファセオリン遺伝子をもつ6.0Kbpの断片をアガ
ロースゲル電気泳動で単離した。この断片は、ClaIで
線状化されたpKS-nopIVと混合し、連結し、そしてK802
を形質転換した。カナマイシンとテトラサイクリンに対
して耐性でアンピシリン感受性の形質転換株から単離さ
れたプラスミドについて制限地図を作成し、図8のdに
示された構造を持つプラスミドをpKS-nopIV-KB3.8#5と
名付けた。ファセオリン遺伝子をカナマイシン耐性の左
に位置した類似クローンが見つけられ、pKS-nopKB3.8#3
と名付けた。
ン耐性とファセオリン遺伝子をもつ6.0Kbpの断片をアガ
ロースゲル電気泳動で単離した。この断片は、ClaIで
線状化されたpKS-nopIVと混合し、連結し、そしてK802
を形質転換した。カナマイシンとテトラサイクリンに対
して耐性でアンピシリン感受性の形質転換株から単離さ
れたプラスミドについて制限地図を作成し、図8のdに
示された構造を持つプラスミドをpKS-nopIV-KB3.8#5と
名付けた。ファセオリン遺伝子をカナマイシン耐性の左
に位置した類似クローンが見つけられ、pKS-nopKB3.8#3
と名付けた。
【0075】2.3 Tiプラスミドへの転移と植物の感染 三親交雑技術(従来技術と実施例14参照)を、pTiC58であ
るノパリン型Tiプラスミドへその構造を移入するために
使用した。pKS-nopIV-KB3.8#3と#5のpTiC58との交雑の
結果できた、TiプラスミドC58-nop KB#3とpC58-nop-KB#
5を、制限地図作成とサザンブロット解析によって各々
特徴付けた。その2つのプラスミドのいずれかを含む細
菌(これらプラスミドは、nos遺伝子の5'末端由来の配列
とnos遺伝子の3'側面の配列内に存在するカナマイシン/
ファセオリンの遺伝子の断片のいづれかの方向をもって
いる)は、その細菌を注入することによって、ヒマワリ
植物の幹に感染するのに別々に使われた。
るノパリン型Tiプラスミドへその構造を移入するために
使用した。pKS-nopIV-KB3.8#3と#5のpTiC58との交雑の
結果できた、TiプラスミドC58-nop KB#3とpC58-nop-KB#
5を、制限地図作成とサザンブロット解析によって各々
特徴付けた。その2つのプラスミドのいずれかを含む細
菌(これらプラスミドは、nos遺伝子の5'末端由来の配列
とnos遺伝子の3'側面の配列内に存在するカナマイシン/
ファセオリンの遺伝子の断片のいづれかの方向をもって
いる)は、その細菌を注入することによって、ヒマワリ
植物の幹に感染するのに別々に使われた。
【0076】2.4 発現の検出 ファセオリン遺伝子の発現が、実施例13.5中のように、
ELISAsによりヒマワリのこぶの組織中で探知された。
ELISAsによりヒマワリのこぶの組織中で探知された。
【0077】(実施例3)この実施例は、ファセオリン、
これは豆のPhaseolus vulgaris L.の多くの種子貯蔵蛋
白であるが、その遺伝子の操作、種々の別の実施例に述
べられたベクターへファセオリン遺伝子を挿入するため
の操作を教示する。
これは豆のPhaseolus vulgaris L.の多くの種子貯蔵蛋
白であるが、その遺伝子の操作、種々の別の実施例に述
べられたベクターへファセオリン遺伝子を挿入するため
の操作を教示する。
【0078】3.1 ファセオリン遺伝子のサブクローニ
ング Charon 24A AG-PVPh177.4(または177.4;S.M.Sunら(198
1) Nature 289:37-41,J.L.Slightomら(1983) Proc.Nat
l.Acad.Sci. USA 80; 図14)中のファセオリンの遺伝的
クローンはBglIIとBamHIにより消化された。ファセオ
リン遺伝子をもつ3.8kbpの断片とそれに側面する配列
を、アガロースゲル電気泳動により単離し、それらをBa
mHIで線状化されたpBR322(図12)と混合し連結した。そ
の混合物を用いてHB101を形質転換し、そしてアンピシ
リン耐性でテトラサイクリン感受性のコロニーを選択し
た。これらのコロニーから単離されたプラスミドの制限
地図を作成した。図13に示された構造をもつプラスミド
は選択されAG-pPVPh3.8(またはp3.8)と名付けた。BglII
とBamHI部位の相互の連結は両部位を不活化する。
ング Charon 24A AG-PVPh177.4(または177.4;S.M.Sunら(198
1) Nature 289:37-41,J.L.Slightomら(1983) Proc.Nat
l.Acad.Sci. USA 80; 図14)中のファセオリンの遺伝的
クローンはBglIIとBamHIにより消化された。ファセオ
リン遺伝子をもつ3.8kbpの断片とそれに側面する配列
を、アガロースゲル電気泳動により単離し、それらをBa
mHIで線状化されたpBR322(図12)と混合し連結した。そ
の混合物を用いてHB101を形質転換し、そしてアンピシ
リン耐性でテトラサイクリン感受性のコロニーを選択し
た。これらのコロニーから単離されたプラスミドの制限
地図を作成した。図13に示された構造をもつプラスミド
は選択されAG-pPVPh3.8(またはp3.8)と名付けた。BglII
とBamHI部位の相互の連結は両部位を不活化する。
【0079】177.4の別のサブクローンを、EcoRIによ
る消化、広範囲にわたる3'側面配列と最5'末端を除くフ
ァセオリン遺伝子のすべてとを含む7.2kbpの断片の単
離、およびHB101の形質転換株のアンピシリン選択後の
単離により構築し、制限地図を作成した。pBR322のHind
III部位がファセオリン遺伝子の5'末端に隣接し、そし
て3'非翻訳領域内の遠位となるような方向に挿入された
プラスミドをAG-pPVPh7.2と名付けた(またはp7.2;図1
5;SunらおよびSlightomら、上述)。
る消化、広範囲にわたる3'側面配列と最5'末端を除くフ
ァセオリン遺伝子のすべてとを含む7.2kbpの断片の単
離、およびHB101の形質転換株のアンピシリン選択後の
単離により構築し、制限地図を作成した。pBR322のHind
III部位がファセオリン遺伝子の5'末端に隣接し、そし
て3'非翻訳領域内の遠位となるような方向に挿入された
プラスミドをAG-pPVPh7.2と名付けた(またはp7.2;図1
5;SunらおよびSlightomら、上述)。
【0080】3.2 カナマイシン耐性遺伝子のクローニ
ングと単離 pRZ102(R.A.Jorgensonら(1979) Mol.gen.Genet. 177;6
5-72)は、1コピーのトランスポゾンTn5を有するコリ
シンE1プラスミドであるが、それはBamHIとHindIII
により消化され、先に同じ2つの酵素により線状化され
たpBR322と混合され、連結され、K802に形質転換され
た。アンピシリンとカナマイシンの両方の耐性で選択さ
れた形質転換株から単離されたプラスミドの制限地図を
作成し、図16に示される構造を持つプラスミドをpKS-4
と名付けた。
ングと単離 pRZ102(R.A.Jorgensonら(1979) Mol.gen.Genet. 177;6
5-72)は、1コピーのトランスポゾンTn5を有するコリ
シンE1プラスミドであるが、それはBamHIとHindIII
により消化され、先に同じ2つの酵素により線状化され
たpBR322と混合され、連結され、K802に形質転換され
た。アンピシリンとカナマイシンの両方の耐性で選択さ
れた形質転換株から単離されたプラスミドの制限地図を
作成し、図16に示される構造を持つプラスミドをpKS-4
と名付けた。
【0081】3.3 カナマイシン耐性とファセオリン遺
伝子との連結 p3.8をClaIおよびBamHIを用いて消化し、そしてファ
セオリン遺伝子と所定のpBR322の配列を含む4.2kbpの断
片をアガロースゲル電気泳動により単離した。これを、
pKS4(図16)由来のカナマイシン耐性(ネオマイシンホス
ホトランスフェラーゼII、NPT II)遺伝子をもつTn5のCl
aI/BamHI断片、およびClaIで線状化されたpBR322
(図12)と混合した。この混合物を連結し、そしてK802を
形質転換した。アンピシリンとカナマイシンとに耐性の
コロニーを選択した後、プラスミドを単離し、そして制
限地図を作成した。図11に示される構造をもつコロニー
をpKS-KB3.8と名付けた。
伝子との連結 p3.8をClaIおよびBamHIを用いて消化し、そしてファ
セオリン遺伝子と所定のpBR322の配列を含む4.2kbpの断
片をアガロースゲル電気泳動により単離した。これを、
pKS4(図16)由来のカナマイシン耐性(ネオマイシンホス
ホトランスフェラーゼII、NPT II)遺伝子をもつTn5のCl
aI/BamHI断片、およびClaIで線状化されたpBR322
(図12)と混合した。この混合物を連結し、そしてK802を
形質転換した。アンピシリンとカナマイシンとに耐性の
コロニーを選択した後、プラスミドを単離し、そして制
限地図を作成した。図11に示される構造をもつコロニー
をpKS-KB3.8と名付けた。
【0082】p7.2をEcoRIとBamHIにより消化し、そし
て5'末端を除くファセオリン遺伝子のすべてをもつ3.0k
bpの断片をアガロースゲル電気泳動により単離した。こ
れを、pKS4(図16)由来のカナマイシン耐性遺伝子をもつ
Tn5のHindIII/BamHI断片およびHindIIIにより線状化
されたpBR322(図12)と混合した。この混合物を連結し、
K802を形質転換した。アンピシリンおよびカナマイシン
に耐性のコロニーを選択した後、プラスミドを単離しそ
して制限地図を作成した。図17に示される構造をもつコ
ロニーをpKS4-KB3と名付けた。pKS4-KB内では、ファセ
オリンは遺伝子の最5'末端をコードしている配列とすべ
ての5'側面の領域を失っている(図14を参照)。
て5'末端を除くファセオリン遺伝子のすべてをもつ3.0k
bpの断片をアガロースゲル電気泳動により単離した。こ
れを、pKS4(図16)由来のカナマイシン耐性遺伝子をもつ
Tn5のHindIII/BamHI断片およびHindIIIにより線状化
されたpBR322(図12)と混合した。この混合物を連結し、
K802を形質転換した。アンピシリンおよびカナマイシン
に耐性のコロニーを選択した後、プラスミドを単離しそ
して制限地図を作成した。図17に示される構造をもつコ
ロニーをpKS4-KB3と名付けた。pKS4-KB内では、ファセ
オリンは遺伝子の最5'末端をコードしている配列とすべ
ての5'側面の領域を失っている(図14を参照)。
【0083】(実施例4)この実施例は、遺伝子からイン
トロンを除去する方法を教示する。これは、cDNAを遺伝
子環境に置くのと同じである。プロセッシングされてい
ない転写物の5'と3'最端の両方の上にあるエクソン内
に、制限酵素部位が見い出されたか、または部位特異的
変異によって作成された。これらの部位は遺伝子クロー
ンとcDNAの両方に存在する。介在するイントロンを含
むDNAは遺伝子クローンから除去され得、そして2つの
部位にまたがる対応するイントロンのないcDNAクロー
ン断片で置換される。その逆の操作もまた可能である:
イントロンを含む遺伝子配列はcDNA環境中に置かれ得
る。遺伝的クローンの内部断片を、cDNAクローンの切
断した相当する隙間に挿入する。この後者の方法は類似
しているが、イントロンがその変換される断片を作るた
めに選ばれる酵素に感受性な部位を含む得るので、しば
しば技術的により困難である。この困難性は、部分分解
の条件の注意深い選択とアガロースゲル電気泳動による
所望断片の精製により克服され得る。この方法をさらに
練ったものは、遺伝子内の個々のイントロンを他のイン
トロンとエクソンとに影響を及ぼさないで操作するこ
と、および、不都合な介在する制限部位が上述するよう
にイントロン内に存在するとき、配列を段階的に交換す
ることを含む。
トロンを除去する方法を教示する。これは、cDNAを遺伝
子環境に置くのと同じである。プロセッシングされてい
ない転写物の5'と3'最端の両方の上にあるエクソン内
に、制限酵素部位が見い出されたか、または部位特異的
変異によって作成された。これらの部位は遺伝子クロー
ンとcDNAの両方に存在する。介在するイントロンを含
むDNAは遺伝子クローンから除去され得、そして2つの
部位にまたがる対応するイントロンのないcDNAクロー
ン断片で置換される。その逆の操作もまた可能である:
イントロンを含む遺伝子配列はcDNA環境中に置かれ得
る。遺伝的クローンの内部断片を、cDNAクローンの切
断した相当する隙間に挿入する。この後者の方法は類似
しているが、イントロンがその変換される断片を作るた
めに選ばれる酵素に感受性な部位を含む得るので、しば
しば技術的により困難である。この困難性は、部分分解
の条件の注意深い選択とアガロースゲル電気泳動による
所望断片の精製により克服され得る。この方法をさらに
練ったものは、遺伝子内の個々のイントロンを他のイン
トロンとエクソンとに影響を及ぼさないで操作するこ
と、および、不都合な介在する制限部位が上述するよう
にイントロン内に存在するとき、配列を段階的に交換す
ることを含む。
【0084】4.1 ファセオリンのイントロンを含む断片
のcDNAとの交換 ファセオリンとその側面の配列のプラスミドクローンで
あるp3.8を、EcoRIとSacIで各々部分的にかつ完全に
分解した。そして、pBR322ベクターおよびそのイントロ
ンの5'と3'末端の両方を含む6.4kbpの断片をアガロース
ゲル電気泳動により単離した。pcDNA31(ファセオリンの
mRNAから作成されたcDNAのpBR322プラスミドクロー
ン)を、SacIとEcoRIにより各々部分的にかつ完全に分
解され、そして最5'と3'末端の配列を除く完全ファセオ
リンcDNAを含む1.33kbpの断片を、アガロースゲル電気
泳動により単離した。これらの2つの断片は一緒に連結
され、そしてHB101を形質転換した。コロニーの選択
後、細胞の増殖、そしてプラスミドを単離し、制限地図
作成の結果、所望の構造をもつプラスミドであることを
確認した。このプラスミドを、p3.8-cDNA(図22)と名付
けた。その全構造は図18に示される。
のcDNAとの交換 ファセオリンとその側面の配列のプラスミドクローンで
あるp3.8を、EcoRIとSacIで各々部分的にかつ完全に
分解した。そして、pBR322ベクターおよびそのイントロ
ンの5'と3'末端の両方を含む6.4kbpの断片をアガロース
ゲル電気泳動により単離した。pcDNA31(ファセオリンの
mRNAから作成されたcDNAのpBR322プラスミドクロー
ン)を、SacIとEcoRIにより各々部分的にかつ完全に分
解され、そして最5'と3'末端の配列を除く完全ファセオ
リンcDNAを含む1.33kbpの断片を、アガロースゲル電気
泳動により単離した。これらの2つの断片は一緒に連結
され、そしてHB101を形質転換した。コロニーの選択
後、細胞の増殖、そしてプラスミドを単離し、制限地図
作成の結果、所望の構造をもつプラスミドであることを
確認した。このプラスミドを、p3.8-cDNA(図22)と名付
けた。その全構造は図18に示される。
【0085】4.2 p3.8-cDNAの使用 p3.8-cDNAは、遺伝子DNA供給源、例えば、すべての他の
実施例で使われるp3.8に代用できることに注目する。そ
して、そのようにして使った時のp3.8-cDNAはイントロ
ンを欠失しているという点で異なる類似構造である。あ
るいは、この方法はすでに作られた構造からイントロン
を除去するために使用され得る。
実施例で使われるp3.8に代用できることに注目する。そ
して、そのようにして使った時のp3.8-cDNAはイントロ
ンを欠失しているという点で異なる類似構造である。あ
るいは、この方法はすでに作られた構造からイントロン
を除去するために使用され得る。
【0086】(実施例5)この実施例の目的は、pTi15955
および他のオクトピンTiプラスミドのtms(芽 "shootin
g" 遺伝子座)からtmr(根 "rooting"遺伝子座)に至る欠
失を有するTiプラスミドを生成することである。この誘
導体は、これによって形質転換された細胞が、完全なtm
sとtmr遺伝子をもつpTi15955によって形質転換された細
胞よりも簡単に完全な植物に再生することから有用であ
る。
および他のオクトピンTiプラスミドのtms(芽 "shootin
g" 遺伝子座)からtmr(根 "rooting"遺伝子座)に至る欠
失を有するTiプラスミドを生成することである。この誘
導体は、これによって形質転換された細胞が、完全なtm
sとtmr遺伝子をもつpTi15955によって形質転換された細
胞よりも簡単に完全な植物に再生することから有用であ
る。
【0087】tms-tmrを欠失したpTi15955は、究極的
に、2つの方法で変換される:tms-tmr不活化と外来遺
伝子の挿入である。これらの2つの変換はT-DNAの違っ
た位置に位置されるべき場合、各々の変換は異なるシャ
トルベクターにより独立に挿入される。変換によりでき
た各シャトルベクターは別個に選択され、それはアグロ
バクテリウム中で選択可能な少なくとも2つのマーカー
の使用を必要とする。通常のカナマイシン耐性の他に、
この実施例では、pBR325由来のクロラムフェニコール耐
性を利用した。
に、2つの方法で変換される:tms-tmr不活化と外来遺
伝子の挿入である。これらの2つの変換はT-DNAの違っ
た位置に位置されるべき場合、各々の変換は異なるシャ
トルベクターにより独立に挿入される。変換によりでき
た各シャトルベクターは別個に選択され、それはアグロ
バクテリウム中で選択可能な少なくとも2つのマーカー
の使用を必要とする。通常のカナマイシン耐性の他に、
この実施例では、pBR325由来のクロラムフェニコール耐
性を利用した。
【0088】5.1 クロラムフェニコール耐性遺伝子ク
ローンの構築 pBR325を、HincIIにより消化し、HindIIIリンカーと平
滑末端連結した。得られた調製物をHindIIIにより消化
し、再連結し、クロラムフェニコール耐性(cam)で選択
し、そしてpKS-5と名付けた(図19)。これは、cam遺伝子
を含むHindIII/BclI断片の供給源として供される。
ローンの構築 pBR325を、HincIIにより消化し、HindIIIリンカーと平
滑末端連結した。得られた調製物をHindIIIにより消化
し、再連結し、クロラムフェニコール耐性(cam)で選択
し、そしてpKS-5と名付けた(図19)。これは、cam遺伝子
を含むHindIII/BclI断片の供給源として供される。
【0089】5.2 欠失およびcam遺伝子を有するT-DNA
のpBR322クローンの構成 9.2kbpの線状化DNA断片を、p203(図31)のHindIII完全分
解とBamHI部分分解から単離する。cam遺伝子をもつ断
片をpKS-5から単離し、9.2kbpの線状化断片と混合し、
連結し、E.coliに形質転換され、クロラムフェニコール
耐性で選択し、pKS-oct.Cam203と名付けた(図20)。
のpBR322クローンの構成 9.2kbpの線状化DNA断片を、p203(図31)のHindIII完全分
解とBamHI部分分解から単離する。cam遺伝子をもつ断
片をpKS-5から単離し、9.2kbpの線状化断片と混合し、
連結し、E.coliに形質転換され、クロラムフェニコール
耐性で選択し、pKS-oct.Cam203と名付けた(図20)。
【0090】pKS-oct.Cam203は、今やpTi15955の多くの
TL欠失変異体を構成するために使用され得るプラスミド
クローンである。それは、TLの右腕およびそのその右腕
の左に耐性遺伝子を含む。種々のTL左腕がcam遺伝子の
左(HindIII部位)に付着され得る。例えば、p102が付着
される場合、欠失は5.2kbpの長さであり、そしてtmsとt
mrの全部を含む。p103が付着される場合、欠失は3.2kbp
の長さであり、そしてtmsの一部とtmrの全部を含む。図
2を参照。
TL欠失変異体を構成するために使用され得るプラスミド
クローンである。それは、TLの右腕およびそのその右腕
の左に耐性遺伝子を含む。種々のTL左腕がcam遺伝子の
左(HindIII部位)に付着され得る。例えば、p102が付着
される場合、欠失は5.2kbpの長さであり、そしてtmsとt
mrの全部を含む。p103が付着される場合、欠失は3.2kbp
の長さであり、そしてtmsの一部とtmrの全部を含む。図
2を参照。
【0091】pKS-oct.Cam203はHindIIIにより消化され
る。p102またはp103はHindIIIにより消化され、そして
2.2kbpまたは2.0kbpのT-DNAの断片が単離され、そして
線状化されたpKS-oct.Cam203と連結し、形質転換し、そ
れぞれpKS-oct.delII(図21)またはpKS-oct.delI(図22)
を単離した。これらの構築物は、交雑、相同的組み換
え、およびクロラムフェニコール耐性に対する選択によ
りアグロバクテリウム・チューメファシエンスに移行さ
れる。あるいは、BamHIを有するプラスミドを保持する
構築物を線状化し、そしてpRK290のBglII部位に連結す
ることによる、確立された方法の使用によりpRK290にそ
の構築物を挿入した。
る。p102またはp103はHindIIIにより消化され、そして
2.2kbpまたは2.0kbpのT-DNAの断片が単離され、そして
線状化されたpKS-oct.Cam203と連結し、形質転換し、そ
れぞれpKS-oct.delII(図21)またはpKS-oct.delI(図22)
を単離した。これらの構築物は、交雑、相同的組み換
え、およびクロラムフェニコール耐性に対する選択によ
りアグロバクテリウム・チューメファシエンスに移行さ
れる。あるいは、BamHIを有するプラスミドを保持する
構築物を線状化し、そしてpRK290のBglII部位に連結す
ることによる、確立された方法の使用によりpRK290にそ
の構築物を挿入した。
【0092】(実施例6)Tiプラスミドは、この実施例で
は、tmr中のHpaI部位からtml中のSmaI部位の間のT-DN
Aを欠失することによって変異させる。改変され得るTi
プラスミドは、pTi15955, pTiB6, pTiA66およびその他
を含む。この構築は図23に示される。
は、tmr中のHpaI部位からtml中のSmaI部位の間のT-DN
Aを欠失することによって変異させる。改変され得るTi
プラスミドは、pTi15955, pTiB6, pTiA66およびその他
を含む。この構築は図23に示される。
【0093】6.1 Cam遺伝子の単離 pKS-5(図19)は、HindIIIとBclIとにより消化された。
最も小さい断片が、実施例5で教示されたように、アガ
ロースゲルで分離後単離される。
最も小さい断片が、実施例5で教示されたように、アガ
ロースゲルで分離後単離される。
【0094】6.2 欠失をもつT-DNAのpBR322クローンの
構成 T-DNAの欠失の右手腕は、p203のSmaI部位にBglII部位
を挿入することによって構築される(図23参照)。p203は
SmaIによって消化され、BglIIリンカーを用いて連結
し、BglIIで消化され、再連結され、そしてK802中に形
質転換した。別の構築では、BamHIリンカーをBglIIリ
ンカーに置き換え、そして適切なBamHI部分分離産物が
単離される。得られたプラスミドを、p203−BglIIと名
付け、そしてBglIIとHindIIIにより消化される。断片を
含むその大きなBglII/HindIIIベクターを、実施例6.1
に述べられているように単離されたクロラムフェニコー
ル耐性断片と連結された。クロラムフェニコール耐性
は、K802への形質転換後に選択される。得られたプラス
ミドはp2f(図23)と名付けられる。
構成 T-DNAの欠失の右手腕は、p203のSmaI部位にBglII部位
を挿入することによって構築される(図23参照)。p203は
SmaIによって消化され、BglIIリンカーを用いて連結
し、BglIIで消化され、再連結され、そしてK802中に形
質転換した。別の構築では、BamHIリンカーをBglIIリ
ンカーに置き換え、そして適切なBamHI部分分離産物が
単離される。得られたプラスミドを、p203−BglIIと名
付け、そしてBglIIとHindIIIにより消化される。断片を
含むその大きなBglII/HindIIIベクターを、実施例6.1
に述べられているように単離されたクロラムフェニコー
ル耐性断片と連結された。クロラムフェニコール耐性
は、K802への形質転換後に選択される。得られたプラス
ミドはp2f(図23)と名付けられる。
【0095】6.3 T-DNA欠失クローンの左手腕の構成Hind III部位を、p202のHpaI部位に、HpaIで消化しそ
してHindIIIリンカーと連結することにより挿入され
る。HindIIIによる消化による粘着末端の露出後、HindI
II末端をもつ2kbp HpaI断片が単離される。HindIII末
端のHpaI断片をHindIII分解し、K802に形質転換する。
所望の断片を含むコロニーが分離され特徴づけられた
後、そのプラスミドはp3e(図24)と名付けられる。
してHindIIIリンカーと連結することにより挿入され
る。HindIIIによる消化による粘着末端の露出後、HindI
II末端をもつ2kbp HpaI断片が単離される。HindIII末
端のHpaI断片をHindIII分解し、K802に形質転換する。
所望の断片を含むコロニーが分離され特徴づけられた
後、そのプラスミドはp3e(図24)と名付けられる。
【0096】6.4 T-DNA欠失クローンの構成 クローンの左手腕は、電気泳動後、アガロースゲルから
溶出させることにより、p3eのHindIII分解の2kbp断片
を精製することにより得られた。p2fは、HindIIIによ
り切断され、アルカリホスファターゼにより処理され、
2kbp断片と混合され、連結され、K802に形質転換され、
そしてクロラムフェニコール耐性で選択される。プラス
ミドを個々のコロニーから単離し、制限地図作成によっ
て特徴付けられる。所望のタンデム配向にある2つの腕
をもつプラスミドが選ばれ、pKS-oct.delIIIと名付けら
れる(図25)。
溶出させることにより、p3eのHindIII分解の2kbp断片
を精製することにより得られた。p2fは、HindIIIによ
り切断され、アルカリホスファターゼにより処理され、
2kbp断片と混合され、連結され、K802に形質転換され、
そしてクロラムフェニコール耐性で選択される。プラス
ミドを個々のコロニーから単離し、制限地図作成によっ
て特徴付けられる。所望のタンデム配向にある2つの腕
をもつプラスミドが選ばれ、pKS-oct.delIIIと名付けら
れる(図25)。
【0097】pKS-oct.delIIIは、交雑によりアグロバク
テリウム・チューメファシエンスに移入され、相同的組
み換え体が、クロラムフェニコールによる選択によって
選択される。ヒマワリとタバコの根や若枝(shoots)に、
他の実施例に述べられてあるように接種され、そして生
じた腫瘍はオピンに対して試験される。
テリウム・チューメファシエンスに移入され、相同的組
み換え体が、クロラムフェニコールによる選択によって
選択される。ヒマワリとタバコの根や若枝(shoots)に、
他の実施例に述べられてあるように接種され、そして生
じた腫瘍はオピンに対して試験される。
【0098】(実施例7)この実施例は、tmrとtmlを欠失
する構築を教示するものであり、実施例6で教示される
構築の別法である。
する構築を教示するものであり、実施例6で教示される
構築の別法である。
【0099】7.1 BglII部位をもつクロラムフェニコー
ル耐性断片の構築 pBR325を、HincIIにより消化し、BglIIリンカーと平滑
末端連結し、BglIIにより消化し、再連結する(図26)。
クロラムフェニコール耐性が、K802またはGM33いずれか
の形質転換後選択される。得られたプラスミドpKS-6
を、cam遺伝子を有するBglII/BclI断片の供給源とし
て供する。
ル耐性断片の構築 pBR325を、HincIIにより消化し、BglIIリンカーと平滑
末端連結し、BglIIにより消化し、再連結する(図26)。
クロラムフェニコール耐性が、K802またはGM33いずれか
の形質転換後選択される。得られたプラスミドpKS-6
を、cam遺伝子を有するBglII/BclI断片の供給源とし
て供する。
【0100】7.2 tmr、tml欠失クローンの構築 p203を、HpaIとSmaIとにより消化する。BglIIリンカ
ーを平滑末端連結した後、BglIIで消化し、BglII粘着末
端を露出し、再連結し、そしてK802を形質転換した。所
望の構造が同定され、p2と名付けられる(図27)。
ーを平滑末端連結した後、BglIIで消化し、BglII粘着末
端を露出し、再連結し、そしてK802を形質転換した。所
望の構造が同定され、p2と名付けられる(図27)。
【0101】7.3 T-DNA欠失クローン(pKS-oct.delIII
a)の構築cam 遺伝子をもつBglII断片をpKS-6から単離し、そしてB
glIIで切断されたp2に連結する。クロラムフェニコール
耐性をK802の形質転換後選択する。得られたプラスミド
をpKS-oct.delIIIa(図28)と名付け、実施例6.4に述べら
れているように試験する。
a)の構築cam 遺伝子をもつBglII断片をpKS-6から単離し、そしてB
glIIで切断されたp2に連結する。クロラムフェニコール
耐性をK802の形質転換後選択する。得られたプラスミド
をpKS-oct.delIIIa(図28)と名付け、実施例6.4に述べら
れているように試験する。
【0102】(実施例8)この構築の目的は、クロラムフ
ェニコール耐性遺伝子の挿入により、Hpa部位におけるt
mr遺伝子座のみの変異の例を提供することである。この
遺伝子は、pKS-6からBglII/BclI断片として単離さ
れ、そしてp203のBglII部位に変換されるHpaI部位に連
結される。
ェニコール耐性遺伝子の挿入により、Hpa部位におけるt
mr遺伝子座のみの変異の例を提供することである。この
遺伝子は、pKS-6からBglII/BclI断片として単離さ
れ、そしてp203のBglII部位に変換されるHpaI部位に連
結される。
【0103】8.1 Hpa部位のBglII部位への変換 p203をHpaにより消化し、BglIIリンカーに連結し、BglI
Iにより削られ、そして再連結する。K802の形質転換
後、BglII部位の挿入について制限地図作成によってコ
ロニーが選択およびスクリーニングされる(図29)。
Iにより削られ、そして再連結する。K802の形質転換
後、BglII部位の挿入について制限地図作成によってコ
ロニーが選択およびスクリーニングされる(図29)。
【0104】8.2 cam遺伝子の単離 pKS-6をBglIIおよびBclIで消化する。最も小さい断片
をアガロースゲル電気泳動により単離する。
をアガロースゲル電気泳動により単離する。
【0105】8.3 変異したT-DNAのクローンの構成 実施例8.1からの修飾したp203をBglIIにより消化し、実
施例8.2からの精製cam遺伝子と連結し、そしてK802を形
質転換する。クロラムフェニコール耐性で選択し、耐性
形質転換株から単離し、そして制限酵素地図作成による
特徴付けの後、そのプラスミドはpKS-oct.tmr(図30)と
名付けられる。
施例8.2からの精製cam遺伝子と連結し、そしてK802を形
質転換する。クロラムフェニコール耐性で選択し、耐性
形質転換株から単離し、そして制限酵素地図作成による
特徴付けの後、そのプラスミドはpKS-oct.tmr(図30)と
名付けられる。
【0106】(実施例9)この実施例における再生はRiを
基礎にしたTIPプラスミドによって刺激されたニンジン
の腫瘍を包含し、本質的に、M.-D.Chiltonら(1982) Nat
ure 295: 432〜434により記載されるように行われる。
基礎にしたTIPプラスミドによって刺激されたニンジン
の腫瘍を包含し、本質的に、M.-D.Chiltonら(1982) Nat
ure 295: 432〜434により記載されるように行われる。
【0107】9.1 毛状根の感染 ニンジンの円板状組織に、水0.1ml中の約109の細菌を植
菌する。得られた根の末端の1〜1.5cmの部分が切りと
られ、ホルモンを欠く固体(1〜1.5%寒天)Monier培地
(D.A.TepferおよびJ.C.Tempe(1981) C.R.Hebd.Seanc.Ac
ad.Sci.,Paris 295:153-156)に置かれ、暗所で25℃〜
27℃で生長させる。細菌汚染のない培地を、2〜3週間
ごとに移され、ホルモンと寒天を欠いたMonier培地中で
継代培養される。
菌する。得られた根の末端の1〜1.5cmの部分が切りと
られ、ホルモンを欠く固体(1〜1.5%寒天)Monier培地
(D.A.TepferおよびJ.C.Tempe(1981) C.R.Hebd.Seanc.Ac
ad.Sci.,Paris 295:153-156)に置かれ、暗所で25℃〜
27℃で生長させる。細菌汚染のない培地を、2〜3週間
ごとに移され、ホルモンと寒天を欠いたMonier培地中で
継代培養される。
【0108】9.2 根の植物への再生 実施例9.1に記載のように培養された根組織は、0.36μM
2,4-Dと0.72μM Kinetinを補填した固体(0.8%寒天)Mo
nier培地に置かれる。4週間後、得られたカルス組織
を、ホルモンを欠いている液体Monier培地中に置かれ
る。1ケ月間、22℃〜25℃でシェーカー(150rpm)でイン
キュベーションの間、カルスは懸濁培養に分離し幼胚は
分化し、それは、ホルモンを欠いたMonier培地を含むペ
トリ皿に置いたとき、苗木に育つ。これらの苗木は、培
地中で育ち、そして段階的に減少した湿度の空気にさら
すことにより "強くした(hardening)"後、温室あるいは
庭園(フィールドプロット)中の土壌に移される。
2,4-Dと0.72μM Kinetinを補填した固体(0.8%寒天)Mo
nier培地に置かれる。4週間後、得られたカルス組織
を、ホルモンを欠いている液体Monier培地中に置かれ
る。1ケ月間、22℃〜25℃でシェーカー(150rpm)でイン
キュベーションの間、カルスは懸濁培養に分離し幼胚は
分化し、それは、ホルモンを欠いたMonier培地を含むペ
トリ皿に置いたとき、苗木に育つ。これらの苗木は、培
地中で育ち、そして段階的に減少した湿度の空気にさら
すことにより "強くした(hardening)"後、温室あるいは
庭園(フィールドプロット)中の土壌に移される。
【0109】9.3 非毛状の根のベクターの使用 機能するtmr遺伝子をもたないTiを基礎にしたベクター
は、実施例9.1と9.2に記載されるようなRiを基礎にした
ベクターの代わりに使われる。適切な欠失の構築は実施
例6、7および8に記載されている。
は、実施例9.1と9.2に記載されるようなRiを基礎にした
ベクターの代わりに使われる。適切な欠失の構築は実施
例6、7および8に記載されている。
【0110】(実施例10)この実施例での再生は、Tiに
基づくTIPプラスミドによって刺激されたタバコの腫瘍
を含み、そして本質的にK.A.Bartonら(1983) Cell 32:
1033〜1043によって述べられているように実施される。
基づくTIPプラスミドによって刺激されたタバコの腫瘍
を含み、そして本質的にK.A.Bartonら(1983) Cell 32:
1033〜1043によって述べられているように実施される。
【0111】10.1 クラウンゴールの感染 タバコ組織は、最初、A.C.Braun(1956) Canc.Res. 16:
53-56に述べられているように、転化した茎断片を利用
する方法を使って形質転換される。茎は7%の市販のCh
loroxと80%エタノールで表面を殺菌され、殺菌した蒸
留水ですすぎ、1cm切片に切り、ホルモンを欠いた寒天
固体MS培地(T.MurashigeおよびF.skoog(1962) Physio
l.Plant. 15:473-497)を含むペトリ皿の基底部にお
く。植菌は、注射針を茎の切られた基底表面にさし、細
菌を注入することにより遂げられる。茎は25℃で1日当
り16時間明所で培養される。育ったカルスは茎切片の上
部表面から除かれ、0.2mg/mlのカルベニシリンを含みホ
ルモンを欠いた固体MS培地に置かれ、1ヶ月のうち、
3回、時々、新しいMS−カルベニシリン培地に移さ
れ、培地に細胞が浮遊しているかどうかを確かめるた
め、試験される。無菌組織は上述されているような培地
条件(25℃, 16時間:8時間、明所:暗所)の下で補足の
ない固体MS培地で維持される。
53-56に述べられているように、転化した茎断片を利用
する方法を使って形質転換される。茎は7%の市販のCh
loroxと80%エタノールで表面を殺菌され、殺菌した蒸
留水ですすぎ、1cm切片に切り、ホルモンを欠いた寒天
固体MS培地(T.MurashigeおよびF.skoog(1962) Physio
l.Plant. 15:473-497)を含むペトリ皿の基底部にお
く。植菌は、注射針を茎の切られた基底表面にさし、細
菌を注入することにより遂げられる。茎は25℃で1日当
り16時間明所で培養される。育ったカルスは茎切片の上
部表面から除かれ、0.2mg/mlのカルベニシリンを含みホ
ルモンを欠いた固体MS培地に置かれ、1ヶ月のうち、
3回、時々、新しいMS−カルベニシリン培地に移さ
れ、培地に細胞が浮遊しているかどうかを確かめるた
め、試験される。無菌組織は上述されているような培地
条件(25℃, 16時間:8時間、明所:暗所)の下で補足の
ない固体MS培地で維持される。
【0112】10.2 形質転換組織の培養 クローンは、A.BinnsおよびF.Meins (1979) Planta 14
5:365-369により述べられているように形質転換された
無菌組織から得られる。カルスは、2、3日間、25℃で
0.02mg/lナフタレン酢酸(NAA)を有する液体MS中で135rp
mで振とうして培養し、そして次いで543と213μmのステ
ンレス鋼メッシュを通じて濾過することにより細胞懸濁
液に転換される。通過した濾過液は濃縮され、0.5%の
溶解された寒天、2.0mg/l NAA、0.3mg/l キネチンと0.4
g/l Difcoイーストエキスを含むMS培地の5mlに約8
×103細胞/mlの濃度でプレーティングされる。約1mmの
直径に達したコロニーはメス先端で採集され、2.0mg/l
NAAと0.3mg/lキネチンを含む固体MS培地に置き、そして
生育される。その結果として生じたカルスは個々に分裂
し、そして形質転換された表現型を検査される。
5:365-369により述べられているように形質転換された
無菌組織から得られる。カルスは、2、3日間、25℃で
0.02mg/lナフタレン酢酸(NAA)を有する液体MS中で135rp
mで振とうして培養し、そして次いで543と213μmのステ
ンレス鋼メッシュを通じて濾過することにより細胞懸濁
液に転換される。通過した濾過液は濃縮され、0.5%の
溶解された寒天、2.0mg/l NAA、0.3mg/l キネチンと0.4
g/l Difcoイーストエキスを含むMS培地の5mlに約8
×103細胞/mlの濃度でプレーティングされる。約1mmの
直径に達したコロニーはメス先端で採集され、2.0mg/l
NAAと0.3mg/lキネチンを含む固体MS培地に置き、そして
生育される。その結果として生じたカルスは個々に分裂
し、そして形質転換された表現型を検査される。
【0113】10.3 植物の再生 形質転換されたクローンは、0.3mg/l キネチンを含む固
体MS培地に置かれ、実施例10.1に述べられたように培養
される。形成される芽は1/10強度のMS培地塩、0.4mg/l
のサイアミンを含み、シュークロースとホルモンを欠い
ており、7.0のpHである固体(1.0%寒天)培地にそれらを
置くことにより、根づかせられる。根づかされた苗木(p
lantlet)は、培地中で生長させ、実施例9.2に述べられ
ているように強く(harder)され、温室または庭園(field
plot)いずれか中の土壌に移される。
体MS培地に置かれ、実施例10.1に述べられたように培養
される。形成される芽は1/10強度のMS培地塩、0.4mg/l
のサイアミンを含み、シュークロースとホルモンを欠い
ており、7.0のpHである固体(1.0%寒天)培地にそれらを
置くことにより、根づかせられる。根づかされた苗木(p
lantlet)は、培地中で生長させ、実施例9.2に述べられ
ているように強く(harder)され、温室または庭園(field
plot)いずれか中の土壌に移される。
【0114】10.4 使用されるベクター 実施例10.1, 10.2および10.3に記載される方法は、機能
するtmr遺伝子を欠いたTiに基づく適切なベクターであ
る。適当な欠失の構築が、実施例6、7および8中に記
載されている。これらの方法はまた、Riに基づくベクタ
ーとともに使われたとき有効である。実施例10.1の中で
記載される転化した茎断片の感染に対する方法は、しば
しばTIP形質転換植物細胞株の確立に有用である。
するtmr遺伝子を欠いたTiに基づく適切なベクターであ
る。適当な欠失の構築が、実施例6、7および8中に記
載されている。これらの方法はまた、Riに基づくベクタ
ーとともに使われたとき有効である。実施例10.1の中で
記載される転化した茎断片の感染に対する方法は、しば
しばTIP形質転換植物細胞株の確立に有用である。
【0115】(実施例11)フォセオリンは、Phaseolis
vulgarisの豊富な貯蔵蛋白(全種子蛋白の約50%)であ
る。機能するフォセオリン遺伝子のアルファルファ植物
への移入とフォセオリンメッセンジャーRNAの貯蔵され
るフォセオリンへの翻訳は、それが貯蔵蛋白合成を葉材
に、家畜飼料として使われるべく導入するので重要な経
済的価値をもつ。アルファルファは、フォセオリン遺伝
子の移入と発現に対し、価値ある植物である、というの
も、それが家畜飼料としての受容体(acceptance)であ
り、それが速く育ち、リゾビウムとの共生により窒素固
定が可能であり、クラウンゴール感染に感受性であり、
そして単細胞あるいはプロトプラストからアルファルフ
ァ植物への再生が可能であるからである。この実施例は
発現しうるフォセオリン遺伝子の完全なアルファルファ
植物への導入を教示する。
vulgarisの豊富な貯蔵蛋白(全種子蛋白の約50%)であ
る。機能するフォセオリン遺伝子のアルファルファ植物
への移入とフォセオリンメッセンジャーRNAの貯蔵され
るフォセオリンへの翻訳は、それが貯蔵蛋白合成を葉材
に、家畜飼料として使われるべく導入するので重要な経
済的価値をもつ。アルファルファは、フォセオリン遺伝
子の移入と発現に対し、価値ある植物である、というの
も、それが家畜飼料としての受容体(acceptance)であ
り、それが速く育ち、リゾビウムとの共生により窒素固
定が可能であり、クラウンゴール感染に感受性であり、
そして単細胞あるいはプロトプラストからアルファルフ
ァ植物への再生が可能であるからである。この実施例は
発現しうるフォセオリン遺伝子の完全なアルファルファ
植物への導入を教示する。
【0116】11.1 シャトルベクターの構築 アルファルファ植物は、以後述べられるように、遺伝学
子光学的に加工されたアグロバクテリウムのプラスミド
を含むクラウンゴール組織から再生される。第1の工程
で、我々は、機能するフォセオリン遺伝子に連結された
tmr- およびtms- のT-DNA変異体を含む "シャトルベクタ
ー" を構築する。この構築物を、次いで、機能するネオ
マイシンホスホトランスフェラーゼ(NPTII)の構造遺伝
子(カナマイシン耐性)を下流にもつノパリンシンセター
ゼのプロモーターに連結される(M.-D.Chiltonら(1983年
1月18日) 15th Miami Winter Symposium;J.L.Marx (1
983) Science 219:830 およびR.Horschら(1983年1月1
8日) 15th Miami Winter Symposiumに報告されてい
る)。このタイプの構築は、実施例1に例示されてい
る。
子光学的に加工されたアグロバクテリウムのプラスミド
を含むクラウンゴール組織から再生される。第1の工程
で、我々は、機能するフォセオリン遺伝子に連結された
tmr- およびtms- のT-DNA変異体を含む "シャトルベクタ
ー" を構築する。この構築物を、次いで、機能するネオ
マイシンホスホトランスフェラーゼ(NPTII)の構造遺伝
子(カナマイシン耐性)を下流にもつノパリンシンセター
ゼのプロモーターに連結される(M.-D.Chiltonら(1983年
1月18日) 15th Miami Winter Symposium;J.L.Marx (1
983) Science 219:830 およびR.Horschら(1983年1月1
8日) 15th Miami Winter Symposiumに報告されてい
る)。このタイプの構築は、実施例1に例示されてい
る。
【0117】11.2 アグロバクテリウムと植物細胞への
移入 "シャトルベクター" は、次いで、 それから従来の技法
(実施例14)により、pTi15955のようなTiプラスミドを含
むアグロバクテリウム株に形質転換される。組み換えプ
ラスミドを含むバクテリアが選択され、そして細胞壁が
再生されるアルファルファと同時培養される(Martonら
(1979) Nature 277:129-131;G.J.Wullemsら(1981) Pr
oc.Nat.Acad.Sci. USA 78:4344-4348; およびR.B.Hors
chおよびR.T.Fraley (1983年1月18日) 15th Miami Win
ter Symposium)。
移入 "シャトルベクター" は、次いで、 それから従来の技法
(実施例14)により、pTi15955のようなTiプラスミドを含
むアグロバクテリウム株に形質転換される。組み換えプ
ラスミドを含むバクテリアが選択され、そして細胞壁が
再生されるアルファルファと同時培養される(Martonら
(1979) Nature 277:129-131;G.J.Wullemsら(1981) Pr
oc.Nat.Acad.Sci. USA 78:4344-4348; およびR.B.Hors
chおよびR.T.Fraley (1983年1月18日) 15th Miami Win
ter Symposium)。
【0118】細胞は培地で生育し、そして得られたカル
ス組織を、ノーザンブロッティング(実施例12)により適
切なm-RNAの存在について、およびELISA試験による適切
な蛋白の存在について試験される(J.L. Marx(1983) Sci
ence 219:830:R.B.Horschおよび R.T. Fraley(1983年
1月18日) 15th Miami Winter Symposium参照)。
ス組織を、ノーザンブロッティング(実施例12)により適
切なm-RNAの存在について、およびELISA試験による適切
な蛋白の存在について試験される(J.L. Marx(1983) Sci
ence 219:830:R.B.Horschおよび R.T. Fraley(1983年
1月18日) 15th Miami Winter Symposium参照)。
【0119】11.3 植物の再生 アルファルファ植物は、次いでA.V.P. Dos Santosら(19
80) Z. Pflanzenphysiol. 99:261-270;T.J.McCoyおよ
びE.T.Bingham(1977) Plant Sci.Letters 10:59-66;
およびK.A.Walkerら(1979) Plant Sci.Letters 16:23-
30により先に使用されている方法に似た方法でカルス組
織から再生される。これらの再生された植物は、次いで
新しい商業的変種に対して基礎を形成する従来の植物育
種技術により繁殖させられる。
80) Z. Pflanzenphysiol. 99:261-270;T.J.McCoyおよ
びE.T.Bingham(1977) Plant Sci.Letters 10:59-66;
およびK.A.Walkerら(1979) Plant Sci.Letters 16:23-
30により先に使用されている方法に似た方法でカルス組
織から再生される。これらの再生された植物は、次いで
新しい商業的変種に対して基礎を形成する従来の植物育
種技術により繁殖させられる。
【0120】(実施例12)すべての実施例において、RN
Aは以下の手順により抽出され、分画され、および検出
される。
Aは以下の手順により抽出され、分画され、および検出
される。
【0121】12.1 RNA抽出 この手順は、Silflowら(1981) Biochemistry 13:2725-
2731の改変法を用いた。CsCl遠心分離に対するLiCL沈澱
の代用はMurrayら(1981) J.Mol.Evol. 17:31-42により
述べられていた。沈澱するため、2M尿素に対する2M
塩化リチウムの使用は、Rhodes(1975) J.Biol.chem. 2
5:8088-8097から引用された。
2731の改変法を用いた。CsCl遠心分離に対するLiCL沈澱
の代用はMurrayら(1981) J.Mol.Evol. 17:31-42により
述べられていた。沈澱するため、2M尿素に対する2M
塩化リチウムの使用は、Rhodes(1975) J.Biol.chem. 2
5:8088-8097から引用された。
【0122】組織を、ポリトロンまたはグラウンドガラ
スホモゲナイザーを使用して、4%のパラ−アミノサリ
シル酸、1%トリ−イソプロピルナフタレンスルホン
酸、10mMジチオスレイトール(用時調製)と10mM Na-メタ
ビサルファイト(用時調製)を含む、組織の4-5倍量の冷
却した50mMトリス−塩酸(pH8.0)中でホモゲナイズし
た。発泡を抑制するためにオクタノールを必要に応じて
使用した。等量の1%の8-ヒドロキシキノリンを含むト
リス-飽和フェノールをホモジネートに添加し、それは
次いで振とうし、乳化し、そして20,000-30,000gで4
℃、15分間、遠心分離した。水性上層をクロロホルム/
オクタノール(24:1)で1回抽出し、そして上記のよう
に遠心分離した。濃縮された塩化リチウム−尿素溶液
を、次いで、各々、2Mの最終濃度になるように添加
し、その混合液は数時間、20℃で放置された。次いで、
RNA沈澱物を遠心分離で落とされ、2M塩化リチウムで
洗浄し、ペレットを分散した。その沈澱物を、次いで、
70%エタノール−0.3M酢酸ナトリウムを用いて洗浄
し、そして透明な溶液を与えるに十分な殺菌水に溶解し
た。1/2用量のエタノールが添加され、そしてその混合
液を1/2時間水上に置き、その後、雑多な多糖をとり除
くため遠心分離された。次いでRNA沈澱物を回収し、そ
して水または殺菌した塩を含まないポリ(U)緩衝液に再
溶解した。
スホモゲナイザーを使用して、4%のパラ−アミノサリ
シル酸、1%トリ−イソプロピルナフタレンスルホン
酸、10mMジチオスレイトール(用時調製)と10mM Na-メタ
ビサルファイト(用時調製)を含む、組織の4-5倍量の冷
却した50mMトリス−塩酸(pH8.0)中でホモゲナイズし
た。発泡を抑制するためにオクタノールを必要に応じて
使用した。等量の1%の8-ヒドロキシキノリンを含むト
リス-飽和フェノールをホモジネートに添加し、それは
次いで振とうし、乳化し、そして20,000-30,000gで4
℃、15分間、遠心分離した。水性上層をクロロホルム/
オクタノール(24:1)で1回抽出し、そして上記のよう
に遠心分離した。濃縮された塩化リチウム−尿素溶液
を、次いで、各々、2Mの最終濃度になるように添加
し、その混合液は数時間、20℃で放置された。次いで、
RNA沈澱物を遠心分離で落とされ、2M塩化リチウムで
洗浄し、ペレットを分散した。その沈澱物を、次いで、
70%エタノール−0.3M酢酸ナトリウムを用いて洗浄
し、そして透明な溶液を与えるに十分な殺菌水に溶解し
た。1/2用量のエタノールが添加され、そしてその混合
液を1/2時間水上に置き、その後、雑多な多糖をとり除
くため遠心分離された。次いでRNA沈澱物を回収し、そ
して水または殺菌した塩を含まないポリ(U)緩衝液に再
溶解した。
【0123】12.2 ポリ(U)/セファデックスクロマトグ
ラフィー 2つのポリ(U)セファデックス(商標:Pharmacia, Inc.,
Uppsala, Sweden)緩衝液を用いた;最初は無塩で20mM T
ris, 1mM EDTAおよび0.1%SDSを含み、そして第2番目
は、最初の緩衝液に0.1Mの塩化ナトリウムを加えたも
のである。A260で、良好な一致を得るために、2x貯
蔵緩衝液を作成し、そして一部分に塩を加えるべきであ
る。最終濃度に調製した後、緩衝液をオートクレーブに
かける。
ラフィー 2つのポリ(U)セファデックス(商標:Pharmacia, Inc.,
Uppsala, Sweden)緩衝液を用いた;最初は無塩で20mM T
ris, 1mM EDTAおよび0.1%SDSを含み、そして第2番目
は、最初の緩衝液に0.1Mの塩化ナトリウムを加えたも
のである。A260で、良好な一致を得るために、2x貯
蔵緩衝液を作成し、そして一部分に塩を加えるべきであ
る。最終濃度に調製した後、緩衝液をオートクレーブに
かける。
【0124】ポリ(U)セファデックスは、Bethesda Rese
arch Laboratoriesより得た。100μgの期待されるポリ
(A) RNAに対して1gのポリ(U)セファデックスを用い
た。ポリ(U)セファデックスを、無塩のポリ-(U)緩衝液
に水和し、ジャケットをつけたカラムに流し込む。温度
を60℃に上げ、カラムを無塩緩衝液で260mmにおけるベ
ースラインが平滑になるまで洗った。最終的には、カラ
ムを塩を含むポリ(U)緩衝液で40℃で平衡化する。次い
で、濃度が500μg/ml以下のRNAを無塩緩衝液中で65℃、
5分間加熱した。その後それを冷却し、塩化ナトリウム
を0.1Mの濃度になるように加えた。次いで光学濃度が
安定なベースラインまで落ちるまで、1ml/分以下の流
速で流したカラムにRNAを移す。次いでカラム温度を60
℃まで上げ、そしてRNAを無塩ポリ(U)緩衝液で溶出させ
た。RNAは通常カラム容量の3倍で洗い出される。溶出
したRNAを用いやすい容量まで2級ブタノールで濃縮
し、10mMになるように塩化ナトリウムを加えた後、2倍
容量のエタノールを加え沈澱させる。エタノール沈澱物
を水に溶かし、NH4−酢酸塩を0.1Mになるよう加える。
そしてエタノールで再び沈澱させる。最終的にRNAを殺
菌水に再溶解し、-70℃において保存する。
arch Laboratoriesより得た。100μgの期待されるポリ
(A) RNAに対して1gのポリ(U)セファデックスを用い
た。ポリ(U)セファデックスを、無塩のポリ-(U)緩衝液
に水和し、ジャケットをつけたカラムに流し込む。温度
を60℃に上げ、カラムを無塩緩衝液で260mmにおけるベ
ースラインが平滑になるまで洗った。最終的には、カラ
ムを塩を含むポリ(U)緩衝液で40℃で平衡化する。次い
で、濃度が500μg/ml以下のRNAを無塩緩衝液中で65℃、
5分間加熱した。その後それを冷却し、塩化ナトリウム
を0.1Mの濃度になるように加えた。次いで光学濃度が
安定なベースラインまで落ちるまで、1ml/分以下の流
速で流したカラムにRNAを移す。次いでカラム温度を60
℃まで上げ、そしてRNAを無塩ポリ(U)緩衝液で溶出させ
た。RNAは通常カラム容量の3倍で洗い出される。溶出
したRNAを用いやすい容量まで2級ブタノールで濃縮
し、10mMになるように塩化ナトリウムを加えた後、2倍
容量のエタノールを加え沈澱させる。エタノール沈澱物
を水に溶かし、NH4−酢酸塩を0.1Mになるよう加える。
そしてエタノールで再び沈澱させる。最終的にRNAを殺
菌水に再溶解し、-70℃において保存する。
【0125】12.3 ホルムアルデヒドRNAゲルおよび "
ノーザン"ブロット 用いる方法はThomas(1980) Proc.Nat.Acad.Sci. USA 7
7:5201およびHoffmanら(1981) J.Biol.Chem. 256:259
7によるものである。
ノーザン"ブロット 用いる方法はThomas(1980) Proc.Nat.Acad.Sci. USA 7
7:5201およびHoffmanら(1981) J.Biol.Chem. 256:259
7によるものである。
【0126】20mMリン酸ナトリウム(pH6.8〜7.0)を含む
0.75〜1.5%のアガロースゲルを固めた。高分子の集合
したバンドが現れた場合、6%あるいは2.2Mのホルト
アルデヒド(36%の貯蔵溶液を用いる)を加えて、実験を
やり直した。ホルムアルデヒドをアガロースに65℃まで
冷やしてから加えた。ホルムアルデヒドを加えると臭化
エチジウムによる可視化が困難となった。泳動緩衝液は
10mM リン酸ナトリウム(pH6.8〜7.0)であった。
0.75〜1.5%のアガロースゲルを固めた。高分子の集合
したバンドが現れた場合、6%あるいは2.2Mのホルト
アルデヒド(36%の貯蔵溶液を用いる)を加えて、実験を
やり直した。ホルムアルデヒドをアガロースに65℃まで
冷やしてから加えた。ホルムアルデヒドを加えると臭化
エチジウムによる可視化が困難となった。泳動緩衝液は
10mM リン酸ナトリウム(pH6.8〜7.0)であった。
【0127】電気泳動に先立ち、RNAを、最終濃度6%
ホルムアルデヒド、50%ホルムアルデヒド、20mMリン酸
ナトリウム緩衝液および5mM EDTAの変性緩衝液で処理
した。このRNAを緩衝液中60℃で10〜20分間インキュベ
ートした。インキュベーションは、停止緩衝液の添加に
より停止した。20μlのサンプルについて、4μl 50%
グリセロール、10mM EDTA、5mMリン酸ナトリウムそし
てブロムフェノールブルーを加えた。
ホルムアルデヒド、50%ホルムアルデヒド、20mMリン酸
ナトリウム緩衝液および5mM EDTAの変性緩衝液で処理
した。このRNAを緩衝液中60℃で10〜20分間インキュベ
ートした。インキュベーションは、停止緩衝液の添加に
より停止した。20μlのサンプルについて、4μl 50%
グリセロール、10mM EDTA、5mMリン酸ナトリウムそし
てブロムフェノールブルーを加えた。
【0128】浸漬電気泳動を用いた。ゲルを浸漬する前
にRNAをロードし、そして5分間125mAでゲルの中に入れ
た。次いでゲルを浸漬し、電流を30mA(一晩)または50mA
(6〜8時間)に下げる。緩衝液を再循環させ、そして低
温室で電気泳動を行った。
にRNAをロードし、そして5分間125mAでゲルの中に入れ
た。次いでゲルを浸漬し、電流を30mA(一晩)または50mA
(6〜8時間)に下げる。緩衝液を再循環させ、そして低
温室で電気泳動を行った。
【0129】12.4 "ノーザン"ブロット 特異的RNAを検出するためにゲルがブロットされる場合
染色しなかった;別のマーカーのレーンを染色に用い
た。染色は、0.1M酢酸ナトリウム中、5μg/mlエチジウ
ムブロマイドで行い、そして脱色は0.1M酢酸ナトリウム
中で数時間行った。染色の前に、5〜10分間、60〜70℃
の水中で処理すると可視化が促進された。
染色しなかった;別のマーカーのレーンを染色に用い
た。染色は、0.1M酢酸ナトリウム中、5μg/mlエチジウ
ムブロマイドで行い、そして脱色は0.1M酢酸ナトリウム
中で数時間行った。染色の前に、5〜10分間、60〜70℃
の水中で処理すると可視化が促進された。
【0130】ブロットされるべきゲルを15分間、10x標
準生理食塩水クエン酸(SSC)-3%ホルムアルデヒドに浸
した。大きなRNA分子がゲルから溶出しない場合、次い
で処理の前にRNAに切れ目をいれるために50mM水酸化ナ
トリウム中で10〜30分間処理した。基礎の処理が用いら
れる場合、ブロットする前にゲルを中和しそしてSSC-ホ
ルムアルデヒドに浸した。RNAのニトロセルロースへの
転移は標準方法により行った。
準生理食塩水クエン酸(SSC)-3%ホルムアルデヒドに浸
した。大きなRNA分子がゲルから溶出しない場合、次い
で処理の前にRNAに切れ目をいれるために50mM水酸化ナ
トリウム中で10〜30分間処理した。基礎の処理が用いら
れる場合、ブロットする前にゲルを中和しそしてSSC-ホ
ルムアルデヒドに浸した。RNAのニトロセルロースへの
転移は標準方法により行った。
【0131】プレハイブリダイゼーションは、42℃で最
低4時間、50%ホルムアルデヒド、10%硫酸デキストラ
ン、5xSSC、5xデンハート、100μg/ml変性キャリヤ
ーDNA、20μg/mlポリ(A)、40mMリン酸ナトリウム(pH6.8
〜7.0)、0.2% SDS中で行った。ハイブリダイゼーショ
ンは、プローブを同じ緩衝液に加え、一晩インキュベー
ションして行った。プローブは約5×105cpm/ml以上の
濃度で用いた。
低4時間、50%ホルムアルデヒド、10%硫酸デキストラ
ン、5xSSC、5xデンハート、100μg/ml変性キャリヤ
ーDNA、20μg/mlポリ(A)、40mMリン酸ナトリウム(pH6.8
〜7.0)、0.2% SDS中で行った。ハイブリダイゼーショ
ンは、プローブを同じ緩衝液に加え、一晩インキュベー
ションして行った。プローブは約5×105cpm/ml以上の
濃度で用いた。
【0132】ハイブリダイゼーション後、ニトロセルロ
ースを、42℃で2xSSC、25mMリン酸ナトリウム、5mM
EDTA、2mMピロリン酸ナトリウム溶液を用いて何度も洗
った。最後に、64℃で20分間、1xSSCで洗った。最良
の結果は、オートラジオグラフィーに先立ってフィルタ
ーを乾燥せずそしてプローブを64℃で1mM EDTA中で十
分に洗浄することで除去され得る場合に得られた。
ースを、42℃で2xSSC、25mMリン酸ナトリウム、5mM
EDTA、2mMピロリン酸ナトリウム溶液を用いて何度も洗
った。最後に、64℃で20分間、1xSSCで洗った。最良
の結果は、オートラジオグラフィーに先立ってフィルタ
ーを乾燥せずそしてプローブを64℃で1mM EDTA中で十
分に洗浄することで除去され得る場合に得られた。
【0133】(実施例13)SDSポリアクリルアミドゲル
電気泳動後、抗原を検出するために行う"ウェスタン"ブ
ロットは、本質的に、R.P.LegockiおよびD.P.S.Verma(1
981) Analyt.Biochem. 111:385-392に示されているよう
に行った。
電気泳動後、抗原を検出するために行う"ウェスタン"ブ
ロットは、本質的に、R.P.LegockiおよびD.P.S.Verma(1
981) Analyt.Biochem. 111:385-392に示されているよう
に行った。
【0134】マイクロ-ELISA(enzyme-linked immuno-so
rbant assay)を、96ウェルのImmulon-2型プレートを用
いて次に示す工程により行った。
rbant assay)を、96ウェルのImmulon-2型プレートを用
いて次に示す工程により行った。
【0135】13.1 プレートへの抗体の結合 一日目、ウェルをコーティング緩衝液で1:1000に希釈
した抗体(ウサギ抗ファセオリンIgG)でコートした。200
μl/wellで37℃で2〜4時間インキュベートした。プレ
ートをサランラップで覆った。次いでプレートをリン酸
緩衝化生理食塩水-ツイーン(PBS-Tween)で3回洗った。
各洗浄工程は5分間間隔を置いた。次いで1%のウシ血
清アルブミン(BSA)をすすぎのために加え、そしてウェ
ルに添加した後、廃棄する前に20分間放置した。すすぎ
をPBS-Tweenを用いて5回以上繰り返した。
した抗体(ウサギ抗ファセオリンIgG)でコートした。200
μl/wellで37℃で2〜4時間インキュベートした。プレ
ートをサランラップで覆った。次いでプレートをリン酸
緩衝化生理食塩水-ツイーン(PBS-Tween)で3回洗った。
各洗浄工程は5分間間隔を置いた。次いで1%のウシ血
清アルブミン(BSA)をすすぎのために加え、そしてウェ
ルに添加した後、廃棄する前に20分間放置した。すすぎ
をPBS-Tweenを用いて5回以上繰り返した。
【0136】13.2 組織のホモジナイゼーション 組織を小片にスライスし、そしてポリトロンを用いて、
1gm組織/mlリン酸緩衝化生理食塩水-ツイーン-2%ポ
リビニルピロリドン-40(PBS-Tween-2%PVP-40)の条件
でホモジナイズした。すべてのサンプルは、破砕の前後
氷中で保存し、そしてファセオリン標準曲線を得た。組
織ホモジネート中で1つの標準曲線を作成し、そして組
織で粉砕されるときファセオリンの回収率をチェックす
るために緩衝液中で1つの標準曲線を作成した。ホモジ
ナイズしたサンプルを遠心分離した後、各々のサンプル
の100μlをウェルに入れ、そして4℃で一晩放置した。
誤りを避けるために、各々のサンプルについて2回測定
した。プレートはシンキュベーションの間シールした。
1gm組織/mlリン酸緩衝化生理食塩水-ツイーン-2%ポ
リビニルピロリドン-40(PBS-Tween-2%PVP-40)の条件
でホモジナイズした。すべてのサンプルは、破砕の前後
氷中で保存し、そしてファセオリン標準曲線を得た。組
織ホモジネート中で1つの標準曲線を作成し、そして組
織で粉砕されるときファセオリンの回収率をチェックす
るために緩衝液中で1つの標準曲線を作成した。ホモジ
ナイズしたサンプルを遠心分離した後、各々のサンプル
の100μlをウェルに入れ、そして4℃で一晩放置した。
誤りを避けるために、各々のサンプルについて2回測定
した。プレートはシンキュベーションの間シールした。
【0137】13.3 結合酵素 一晩のインキュベーションの後、抗原を捨てそしてウェ
ルをPBS-Tweenで5回洗した。各洗浄の間に5分間の間
隔を置いた。
ルをPBS-Tweenで5回洗した。各洗浄の間に5分間の間
隔を置いた。
【0138】結合物(ウサギ抗ファセオリンIgGアルカリ
フォスファターゼ結合)を、PBS-Tween−2%PVP(0.2%B
SAを含む)で1:3000に希釈し、そして150μlを各ウェ
ルに加え;次いで37℃で3〜6時間インキュベートし
た。インキュベーション後、結合物を捨て、そしてウェ
ルをPBS-Tweenで5回すすいだ。各すすぎの間に5分間
の間隔を置いた。
フォスファターゼ結合)を、PBS-Tween−2%PVP(0.2%B
SAを含む)で1:3000に希釈し、そして150μlを各ウェ
ルに加え;次いで37℃で3〜6時間インキュベートし
た。インキュベーション後、結合物を捨て、そしてウェ
ルをPBS-Tweenで5回すすいだ。各すすぎの間に5分間
の間隔を置いた。
【0139】13.4 アッセイ 分析を行う直前に、p-ニトロフェニルホスフェートの5
mg錠剤(Sigmaより得、そして暗所で凍結保存)を、10ml
の基質に加え、そして錠剤が溶解するまで撹拌した。20
0μlの室温の溶液をすばやく各ウェルに加えた。反応を
種々の時間(例えば、t=0,10,20,40,60,90および
120分)で、Dynatech Micro-ELISA readerを用いて測定
した。
mg錠剤(Sigmaより得、そして暗所で凍結保存)を、10ml
の基質に加え、そして錠剤が溶解するまで撹拌した。20
0μlの室温の溶液をすばやく各ウェルに加えた。反応を
種々の時間(例えば、t=0,10,20,40,60,90および
120分)で、Dynatech Micro-ELISA readerを用いて測定
した。
【0140】p-ニトロフェニルホスフート(無色)がアル
カリフォスファターゼにより無機リン酸とp-ニトロフェ
ノールに加水分解されるとp-ニトロフェノールにより溶
液が黄色になり、これを分光学的に410nmで測定し得
た。検出できる最小量は0.1ngより小さかった。
カリフォスファターゼにより無機リン酸とp-ニトロフェ
ノールに加水分解されるとp-ニトロフェノールにより溶
液が黄色になり、これを分光学的に410nmで測定し得
た。検出できる最小量は0.1ngより小さかった。
【0141】(実施例14)三親交雑は、一般に、以下に
示すように実施した当業者に公知の他の変法も用いるこ
とができる。
示すように実施した当業者に公知の他の変法も用いるこ
とができる。
【0142】E.coli K802(pRK290に基礎にしたシャトル
ベクターを有する)を、E.coli(pRK2013)およびストレプ
トマイシン耐性のアグロバクテリウム・チューメファシ
エンス株と交雑した。pRK2013は、シャトルベクターを
もつ株に移り、そしてアグロバクテリウムへの移入のた
めシャトルベクターを移動させた。ストレプトマイシン
およびシャトルベクターが耐性である薬剤(しばしば、
カナマイシンまたはクロラムフェニコールのいずれかで
ある)の両方を含む培地で成育するものの中からシャト
ルベクター配列を有するアグロバクテリウム細胞を選択
した。これらの細胞とE.coli(pPH 1J1)との交雑によ
り、アグロバクテリウム細胞にpPH 1J1が移った。pPH1J
1とpRK290に基礎とするシャトルベクターは、同一細胞
内に長時間共在することができない。ゲンタマイシン(p
PH 1J1は耐性遺伝子をもつ)を含む培地で生育させれ
ば、pRK290配列の欠落した細胞を選択することができ
た。ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、およびカナ
マイシンまたはクロラムフェニコールのいずれかに耐性
な細胞のみが、シャトルベクターと二重相同的組換えを
おこしたTiプラスミドを有する細胞であり、そして今や
所望の構成を保持している。
ベクターを有する)を、E.coli(pRK2013)およびストレプ
トマイシン耐性のアグロバクテリウム・チューメファシ
エンス株と交雑した。pRK2013は、シャトルベクターを
もつ株に移り、そしてアグロバクテリウムへの移入のた
めシャトルベクターを移動させた。ストレプトマイシン
およびシャトルベクターが耐性である薬剤(しばしば、
カナマイシンまたはクロラムフェニコールのいずれかで
ある)の両方を含む培地で成育するものの中からシャト
ルベクター配列を有するアグロバクテリウム細胞を選択
した。これらの細胞とE.coli(pPH 1J1)との交雑によ
り、アグロバクテリウム細胞にpPH 1J1が移った。pPH1J
1とpRK290に基礎とするシャトルベクターは、同一細胞
内に長時間共在することができない。ゲンタマイシン(p
PH 1J1は耐性遺伝子をもつ)を含む培地で生育させれ
ば、pRK290配列の欠落した細胞を選択することができ
た。ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、およびカナ
マイシンまたはクロラムフェニコールのいずれかに耐性
な細胞のみが、シャトルベクターと二重相同的組換えを
おこしたTiプラスミドを有する細胞であり、そして今や
所望の構成を保持している。
【0143】
【発明の効果】ファセオラス・ブルガリスL.由来の、
ファセオリンおよびそのプロモーター領域をコードする
遺伝子を含むDNA断片が提供される。このDNA断片を、ア
ルファルファなどの植物に移入することにより、蛋白含
量および栄養価が向上した植物が得られる。
ファセオリンおよびそのプロモーター領域をコードする
遺伝子を含むDNA断片が提供される。このDNA断片を、ア
ルファルファなどの植物に移入することにより、蛋白含
量および栄養価が向上した植物が得られる。
【図1】本発明の実施例11、12および14のプラスミドを
比較した図である。
比較した図である。
【図2】pTi15955のT-DNA領域を示す図である。
【図3】p395およびp376の作成を示す図である。
【図4】p499/6/7の構造を示す図である。
【図5】p499/6/8の構造を示す図である。
【図6】p496-2の構造を示す図である。
【図7】p496-1の構造を示す図である。
【図8】各プラスミドの構造を示す図である。
【図9】pKS-nopIVの構造を示す図である。
【図10】pRK290の構造を示す図である。
【図11】pKS-KB3.8の構造を示す図である。
【図12】pBR322の構造を示す図である。
【図13】p3.8の構造を示す図である。
【図14】ファセオリン遺伝子の構造を示す図である。
【図15】AG-pPVph7.2(p7.2)の構造を示す図である。
【図16】pKS-4の構造を示す図である。
【図17】pKS4−KBの構造を示す図である。
【図18】p3.8-cDNAの作成と構造を示す図である。
【図19】pKS-5の作成を示す図である。
【図20】pKS-oct.Cam203の作成を示す図である。
【図21】pKS-oct.delIIの構造を示す図である。
【図22】pKS-oct.delIの構造を示す図である。
【図23】p2fの作成方法を示す図である。
【図24】p3eの作成方法を示す図である。
【図25】pKS-oct.delIIIの作成方法を示す図である。
【図26】pKS-6の作成方法を示す図である。
【図27】p2の作成方法を示す図である。
【図28】pKS-oct.delIIIaの作成方法を示す図であ
る。
る。
【図29】p203のHpaI部位をBglII部位へ変換する方法
を示す図である。
を示す図である。
【図30】pKS-oct.tmrの構造を示す図である。
【図31】p203の構造を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 5/10 9281−4B C12N 5/00 C (C12N 1/21 C12R 1:01) (C12N 5/10 C12R 1:91) (71)出願人 594063131 1209 ORANGE STREET,WI LMINGTON,DELAWARE 19801 U.S.A. (72)発明者 ジョン ディー.ケンプ アメリカ合衆国 ウィスコンシン 53711 マジソン,マッケンナ ブールバード 2514 (72)発明者 ジェリー エル.スライトム アメリカ合衆国 ウィスコンシン 53714 マジソン,レタナ ドライブ 5010 (72)発明者 デニス ダブリュ.サットン アメリカ合衆国 ウィスコンシン 53558 マックファーランド,アルベン アベニ ュー 5611 (72)発明者 ノリモト ムライ アメリカ合衆国 ウィスコンシン 53703 マジソン,ウェスト ゴーラム ストリ ート 138
Claims (3)
- 【請求項1】 ファセオラス・ブルガリスL.由来の、
ファセオリンおよびそのプロモーター領域をコードする
遺伝子を含む3.8kbpのDNAであって、以下の制限酵素部
位を有するDNA: 【数1】 - 【請求項2】 ファセオラス・ブルガリスL.由来の、
ファセオリンをコードする遺伝子を含む3.0kbpのBamH〜
EcoRI断片。 - 【請求項3】 ファセオラス・ブルガリスL.由来の、
ファセオリンのプロモーターをコードする遺伝子を含む
0.8kbpのBglII〜EcoRI断片。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US48561383A | 1983-04-15 | 1983-04-15 | |
US485,613 | 1983-04-15 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59077451A Division JP2555280B2 (ja) | 1983-04-15 | 1984-04-16 | 植物遺伝子の発現 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08332088A true JPH08332088A (ja) | 1996-12-17 |
JP2690295B2 JP2690295B2 (ja) | 1997-12-10 |
Family
ID=23928817
Family Applications (3)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59077451A Expired - Lifetime JP2555280B2 (ja) | 1983-04-15 | 1984-04-16 | 植物遺伝子の発現 |
JP6073622A Expired - Fee Related JP2573797B2 (ja) | 1983-04-15 | 1994-04-12 | 植物細胞の遺伝学的修飾方法 |
JP8119401A Expired - Lifetime JP2690295B2 (ja) | 1983-04-15 | 1996-05-14 | 植物遺伝子の発現 |
Family Applications Before (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59077451A Expired - Lifetime JP2555280B2 (ja) | 1983-04-15 | 1984-04-16 | 植物遺伝子の発現 |
JP6073622A Expired - Fee Related JP2573797B2 (ja) | 1983-04-15 | 1994-04-12 | 植物細胞の遺伝学的修飾方法 |
Country Status (10)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0122791B2 (ja) |
JP (3) | JP2555280B2 (ja) |
AT (1) | ATE41784T1 (ja) |
AU (1) | AU572501B2 (ja) |
BR (1) | BR8401781A (ja) |
CA (1) | CA1340736C (ja) |
DE (1) | DE3477493D1 (ja) |
ES (1) | ES8505227A1 (ja) |
NZ (1) | NZ207765A (ja) |
PT (1) | PT78414B (ja) |
Families Citing this family (49)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8334139B1 (en) | 1983-01-17 | 2012-12-18 | Monsanto Technology Llc | Plasmids for transforming plant cells |
AU559562B2 (en) | 1983-01-17 | 1987-03-12 | Monsanto Company | Genetically transformed plants |
WO1984002919A1 (en) * | 1983-01-17 | 1984-08-02 | Monsanto Co | Plasmids for transforming plant cells |
EP0126546B2 (en) * | 1983-04-15 | 1994-03-30 | Lubrizol Genetics Inc. | Plant structural gene expression |
NZ207766A (en) * | 1983-04-15 | 1987-03-06 | Lubrizol Genetics Inc | Plant structural gene expression |
NZ210093A (en) * | 1983-11-18 | 1988-11-29 | Lubrizol Genetics Inc | Genetic modification of plant cells by octopine t-dna promoters and/or polyadenylation sites; dna vectors, bacterial strains and plant tissue |
US4771002A (en) * | 1984-02-24 | 1988-09-13 | Lubrizol Genetics, Inc. | Transcription in plants and bacteria |
US5447858A (en) * | 1984-04-13 | 1995-09-05 | Mycogen Plant Sciences, Inc. | Heat shock promoter and gene |
US5231019A (en) * | 1984-05-11 | 1993-07-27 | Ciba-Geigy Corporation | Transformation of hereditary material of plants |
FR2575759B1 (fr) * | 1985-01-10 | 1987-03-20 | Agronomique Inst Nat Rech | Modele de rhizosphere utile notamment pour l'etude des parasites des plantes |
US5254799A (en) * | 1985-01-18 | 1993-10-19 | Plant Genetic Systems N.V. | Transformation vectors allowing expression of Bacillus thuringiensis endotoxins in plants |
US5180873A (en) * | 1985-04-16 | 1993-01-19 | Dna Plant Technology Corporation | Transformation of plants to introduce closely linked markers |
EP0222493A1 (en) * | 1985-10-04 | 1987-05-20 | Lubrizol Genetics Inc. | TR-based sub-TI plasmids |
EP0223417A1 (en) * | 1985-10-21 | 1987-05-27 | Lubrizol Genetics Inc. | TL-based sub-T-DNA plasmids |
DE122007000007I2 (de) | 1986-04-09 | 2010-12-30 | Genzyme Corp | Genetisch transformierte Tiere, die ein gewünschtes Protein in Milch absondern |
JPH02138966A (ja) * | 1987-10-20 | 1990-05-28 | Oji Paper Co Ltd | 植物の形質転換体を作出する方法 |
US5270200A (en) * | 1988-04-12 | 1993-12-14 | The Plant Cell Research Institute | Arcelin seed storage proteins from phaseolus vulgaris |
DE3837752A1 (de) * | 1988-11-07 | 1990-05-10 | Max Planck Gesellschaft | Verwundungsstimulierte dna-sequenz aus solanum tuberosum und ihre verwendung |
US5086169A (en) * | 1989-04-20 | 1992-02-04 | The Research Foundation Of State University Of New York | Isolated pollen-specific promoter of corn |
CN102524294B (zh) | 2004-04-09 | 2018-04-06 | 孟山都技术有限公司 | 用于在植物中控制昆虫侵袭的组合物和方法 |
PT2275562E (pt) | 2005-09-16 | 2016-01-26 | Devgen Nv | Métodos com base em plantas transgénicas para infestações em plantas utilizando arn de interferência¿ |
EP3508582B1 (en) | 2005-09-16 | 2021-01-13 | Monsanto Technology LLC | Methods for genetic control of insect infestations in plants and compositions thereof |
CA2637665A1 (en) | 2006-02-10 | 2007-08-23 | Monsanto Technology Llc | Identification and use of target genes for control of the plant parasitic nematodes heterodera glycines |
CN101384721A (zh) | 2006-02-13 | 2009-03-11 | 孟山都技术有限公司 | 选择和稳定dsRNA构建体 |
CA2684370C (en) | 2007-04-17 | 2017-10-17 | Plant Research International B.V. | Mammalian-type glycosylation in plants by expression of non-mammalian glycosyltransferases |
EP2421977B1 (en) | 2009-04-20 | 2017-09-13 | Monsanto Technology LLC | Multiple virus resistance in plants |
AP2013007016A0 (en) | 2010-12-30 | 2013-07-31 | Dow Agrosciences Llc | Nucleic acid molecules that confer resistance to colepteran pests |
MX344968B (es) | 2012-02-01 | 2017-01-12 | Dow Agrosciences Llc | Peptido de transito al cloroplasto. |
CN107556389B (zh) | 2012-02-02 | 2021-10-26 | 陶氏益农公司 | 植物反式激活互作基序及其用途 |
AU2013205557B2 (en) | 2012-04-17 | 2016-04-21 | Corteva Agriscience Llc | Synthetic brassica-derived chloroplast transit peptides |
CN104471067B (zh) | 2012-05-07 | 2020-08-14 | 桑格摩生物治疗股份有限公司 | 用于核酸酶介导的转基因靶向整合的方法和组合物 |
UA118090C2 (uk) | 2012-09-07 | 2018-11-26 | ДАУ АГРОСАЙЄНСІЗ ЕлЕлСі | Спосіб інтегрування послідовності нуклеїнової кислоти, що представляє інтерес, у ген fad2 у клітині сої та специфічний для локусу fad2 білок, що зв'язується, здатний індукувати спрямований розрив |
JP6775953B2 (ja) | 2012-09-07 | 2020-10-28 | ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー | Fad3性能座および標的化切断を誘導可能である対応する標的部位特異的結合タンパク質 |
CA2898184A1 (en) | 2013-01-16 | 2014-07-24 | Emory University | Cas9-nucleic acid complexes and uses related thereto |
EP2810952A1 (en) | 2013-06-03 | 2014-12-10 | Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. | Novel pest control methods |
NZ746567A (en) | 2013-11-04 | 2019-09-27 | Dow Agrosciences Llc | Optimal soybean loci |
CA2928855A1 (en) | 2013-11-04 | 2015-05-07 | Dow Agrosciences Llc | Optimal maize loci |
KR102269769B1 (ko) | 2013-11-04 | 2021-06-28 | 코르테바 애그리사이언스 엘엘씨 | 최적 메이즈 유전자좌 |
TW201525136A (zh) | 2013-11-26 | 2015-07-01 | Dow Agrosciences Llc | 利用破囊壺菌PUFA合成酶於油籽作物中生成ω-3長鏈多不飽和脂肪酸 |
BR102014031844A2 (pt) | 2013-12-20 | 2015-10-06 | Dow Agrosciences Llc | ras oposto (rop) e moléculas de ácido nucleico relacionadas que conferem resistência a pragas de coleópteros e hemípteros |
WO2015095750A1 (en) | 2013-12-20 | 2015-06-25 | Dow Agrosciences Llc | Rnapii-140 nucleic acid molecules that confer resistance to coleopteran pests |
BR102015000943A2 (pt) | 2014-01-17 | 2016-06-07 | Dow Agrosciences Llc | expressão aumentada de proteína em planta |
JP2017514492A (ja) | 2014-05-07 | 2017-06-08 | ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー | 鞘翅目害虫に対する抵抗性を付与するdre4核酸分子 |
EP3037432B1 (en) | 2014-12-22 | 2020-06-17 | Dow AgroSciences LLC | Nucampholin nucleic acid molecules to control coleopteran insect pests |
US20160264991A1 (en) | 2015-03-13 | 2016-09-15 | Dow Agrosciences Llc | Rna polymerase i1 nucleic acid molecules to control insect pests |
CN107529762A (zh) | 2015-04-13 | 2018-01-02 | 弗劳恩霍夫应用研究促进协会 | 新型黄曲霉毒素和真菌感染控制方法 |
BR102016012010A2 (pt) | 2015-05-29 | 2020-03-24 | Dow Agrosciences Llc | Molécula de ácido nucleico, de ácido ribonucleico (rna) e de ácido ribonucleico de filamento duplo (dsrna), usos de célula, planta e semente, produto primário, bem como métodos para controlar uma população de pragas coleópteras e/ou hemípteras, para melhorar o rendimento de uma cultura, e para produzir uma célula vegetal transgênica e uma planta transgênica |
EP3342780A1 (en) | 2016-12-30 | 2018-07-04 | Dow AgroSciences LLC | Pre-mrna processing factor 8 (prp8) nucleic acid molecules to control insect pests |
EP3825408A1 (en) | 2019-11-19 | 2021-05-26 | FRAUNHOFER-GESELLSCHAFT zur Förderung der angewandten Forschung e.V. | Methods of multi-species insect pest control |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IL63270A0 (en) * | 1980-08-05 | 1981-10-30 | Univ Leland Stanford Junior | Eukaryotic autonomously replicating segment |
AU9054882A (en) * | 1981-10-01 | 1983-04-27 | International Plant Research Institute | Process for the genetic modification of cerials with transformation vectors |
US4459355A (en) * | 1982-07-12 | 1984-07-10 | International Paper Company | Method for transforming plant cells |
AU559562B2 (en) * | 1983-01-17 | 1987-03-12 | Monsanto Company | Genetically transformed plants |
NZ207766A (en) * | 1983-04-15 | 1987-03-06 | Lubrizol Genetics Inc | Plant structural gene expression |
-
1984
- 1984-04-06 NZ NZ207765A patent/NZ207765A/en unknown
- 1984-04-12 PT PT78414A patent/PT78414B/pt unknown
- 1984-04-13 AT AT84302533T patent/ATE41784T1/de not_active IP Right Cessation
- 1984-04-13 EP EP84302533A patent/EP0122791B2/en not_active Expired - Lifetime
- 1984-04-13 DE DE8484302533T patent/DE3477493D1/de not_active Expired
- 1984-04-13 AU AU26839/84A patent/AU572501B2/en not_active Ceased
- 1984-04-13 ES ES531625A patent/ES8505227A1/es not_active Expired
- 1984-04-16 BR BR8401781A patent/BR8401781A/pt active IP Right Grant
- 1984-04-16 JP JP59077451A patent/JP2555280B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1987
- 1987-04-16 CA CA000535058A patent/CA1340736C/en not_active Expired - Lifetime
-
1994
- 1994-04-12 JP JP6073622A patent/JP2573797B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1996
- 1996-05-14 JP JP8119401A patent/JP2690295B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CA1340736C (en) | 1999-09-14 |
JPS60203195A (ja) | 1985-10-14 |
ES531625A0 (es) | 1985-05-16 |
PT78414A (en) | 1984-05-01 |
PT78414B (en) | 1986-05-30 |
AU572501B2 (en) | 1988-05-12 |
ATE41784T1 (de) | 1989-04-15 |
EP0122791A1 (en) | 1984-10-24 |
BR8401781A (pt) | 1984-11-20 |
EP0122791B1 (en) | 1989-03-29 |
JP2573797B2 (ja) | 1997-01-22 |
AU2683984A (en) | 1984-10-18 |
JPH07170980A (ja) | 1995-07-11 |
DE3477493D1 (en) | 1989-05-03 |
ES8505227A1 (es) | 1985-05-16 |
NZ207765A (en) | 1987-03-06 |
JP2555280B2 (ja) | 1996-11-20 |
JP2690295B2 (ja) | 1997-12-10 |
EP0122791B2 (en) | 1997-04-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2690295B2 (ja) | 植物遺伝子の発現 | |
US5504200A (en) | Plant gene expression | |
US5102796A (en) | Plant structural gene expression | |
Cheng et al. | Efficient transformation of papaya by coat protein gene of papaya ringspot virus mediated by Agrobacterium following liquid-phase wounding of embryogenic tissues with caborundum | |
US5463174A (en) | Transformation and foreign gene expression in Brassica species | |
KR0154872B1 (ko) | 발아하는 식물종자의 아크로박테리움 매개된 형질전환 | |
ES2256856T3 (es) | Proceso de seccion de celulas transgenicas. | |
Xiang et al. | Agrobacterium-mediated transformation of Brassica campestris ssp. parachinensis with synthetic Bacillus thuringiensis cry1Ab and cry1Ac genes | |
US20030024014A1 (en) | Methods for the production of stably-transformed, fertile wheat employing agrobacterium-mediated transformation and compositions derived therefrom | |
KR20150085846A (ko) | Tal-매개 전이 DNA 삽입방법 | |
Kiyokawa et al. | Genetic transformation of Begonia tuberhybrida by Ri rol genes | |
Yang et al. | Transgenic papaya plants from Agrobacterium-mediated transformation of petioles of in vitro propagated multishoots | |
EP0126546B2 (en) | Plant structural gene expression | |
JP3164731B2 (ja) | オクトピンt−dnaのプロモーターを用いて植物の転写を促進する方法 | |
CN107058317B (zh) | 一种花粉特异性启动子及其应用 | |
JP5186076B2 (ja) | myb遺伝子プロモーターおよびサイトカイニン生合成遺伝子を使用する植物の老化の操作 | |
EP0174166A1 (en) | Disarmed T-DNA | |
Hensgens et al. | Translation controls the expression level of a chimaeric reporter gene | |
JP2559355B2 (ja) | 植物構造遺伝子の発現 | |
US20110055977A1 (en) | Enhancement of Reproductive Heat Tolerance in Plants | |
Frulleux et al. | Agrobacterium tumefaciens–mediatated transformation of shoot-buds of chicory | |
JP4331335B2 (ja) | ワタ繊維特性が改良されたワタ植物、その作出方法および該ワタ植物体からのワタ繊維の製造方法 | |
CA1340713C (en) | Plant gene expression | |
CA1341254C (en) | Method for genetically modifying a plant cell for plant structural gene expression | |
Delbreil et al. | Genetic Transformation in Asparagus officinalis L. |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19970724 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |