JP2555280B2 - 植物遺伝子の発現 - Google Patents

植物遺伝子の発現

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JP2555280B2 JP59077451A JP7745184A JP2555280B2 JP 2555280 B2 JP2555280 B2 JP 2555280B2 JP 59077451 A JP59077451 A JP 59077451A JP 7745184 A JP7745184 A JP 7745184A JP 2555280 B2 JP2555280 B2 JP 2555280B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は植物遺伝子の発現に関する。
(従来技術) シャトルベクター RuvkunとAusubel(1981)Nature 289:85-88,により開
発されたシャトルベクターは外来遺伝物質を大プラスミ
ド,ウイルスまたはゲノムの選ばれた位置に挿入する方
法を可能とする。大プラスミド又はゲノムを扱う場合,2
つの主要問題がある。1つは大プラスミド各制限酵素の
多くの部位を有する。特定の部位特異的切断反応は再現
性がなく,多部位切断反応とそれに続く連結は変化させ
たくない多くのフラグメントの順序,方向を混乱させる
大きな難点を生ずる。第二に大DNAプラスミドを用いた
形質転換効率は非常に低い。シャトルベクターは,しば
しばインビトロで,外来遺伝物質を小プラスミドに容易
に挿入し,次に通常インビボ技術により,大プラスミド
に移すことにより,これらの困難を打開することが可能
である。
シャトルベクターは究極の受容細菌へ導入され得る,
通常プラスミドであるDNA分子より成る。それは又,外
来遺伝物質が挿入され得る受容ゲノムのフラグメントの
コピーと,これもまた受容ゲノムフラグメントに挿入さ
れる選択形質をコードするDNAセグメントを含む。選択
形質(”マーカー”)はトランスポソン突然変異誘発ま
たは制限酵素とリガーゼにより容易に挿入される。
該シャトルベクターは究極受容細胞,典型的にはアグ
ロバクテリウム属の細菌,へ三親交雑(RuvkunとAusube
l,前出),二親交雑での自己可動性ベクターの直接移
送,アグロバクテリウム細胞による外部DNAの直接取込
み(M.Holsters etal.(1978)Molec.Gen.Genet.16
3:181-187の条件を用いる”形質転換”),他の細菌細
胞とアグロバクテリウムのスフェロプラスト融合,リポ
ソーム包括DNAの取込み,またはインビトロでパッケー
ジ可能なウイルス上にあるシャトルベクターの感染,に
より導入される。三親交雑はプラスミド可動と接合移送
に関する遺伝子を有する可動性プラスミドを有する菌株
とシャトルベクターを有する菌株との交雑を含む。もし
シャトルベクターがプラスミド遺伝子により移動可能な
らば,そのシャトルベクターは大ゲノム,例えばアグロ
バクテリウム菌株のTiまたはRiプラスミドを有する受容
細胞へ移される。
シャトルベクターが受容細胞へ導入された後,マーカ
ーのいずれか一方の側での1回の組換えを伴う二乗乗換
えが期待される。この現象はマーカーを含むDNAセグメ
ントを受容ゲノムへ移し,挿入物を欠く相同セグメント
と置換することになるだろう,元のシャトルベクターを
欠失した細胞を選択する為に,そのシャトルベクターは
究極受容細胞中で複製が不可能であるか,受容細胞に既
存の独立に選択可能なプラスミドと不和合性でなければ
ならない。この為の1つの共通的な手段はシャトルベク
ターと不和合性でかつ他の薬剤耐性マーカーを有する他
のプラスミドを第3の親に備えることである。従って両
薬剤耐性で選択すると,生存細胞はその中でシャトルベ
クターのマーカーが受容ゲノムと組換えを起こしたもの
のみである。もしシャトルベクターが余分のマーカーを
持っていれば,シャトルベクターと受容プラスミド間で
の1回の乗換えの結果生じる完全なシャトルベクターが
受容プラスミドに組み込まれたものを有する細胞を選択
し,排除できる。もし外来遺伝物質が選択しようとする
マーカー内か,近接した位置に挿入されていれば,同じ
二重組織の結果,それは受容プラスミドに組み込まれる
であろう。相同フラグメントのマーカー内または近接し
た位置でなく,外来遺伝物質がマーカーから遠く離れて
挿入されている場合,外来遺伝物質とマーカーの間で組
換えが起こり,外来遺伝物質を移せない事も起こるだろ
う。
シャトルベクターはアグロバクテリウムのプラスミド
の操作に有用であることが証明されている。参照 D.J.
Garfinkel et al.(1981)Cell 27:143-153,A.J.M.Ma
tzke and M.D.Chilton(1981)J.Molec.Appl.Genet.1:3
9-49,およびJ.Leemanset al.(1981)J.Malec.Appl.G
enet.1:149-164,ここではシャトルベクターを”中間ベ
クター(intermedeate vectors)”と呼んでいる。
アグロバクテリウム−概説 グラム陰性細菌,リゾビウム科のアグロバクテリウム
属に,アグロバクテリウム・チューメファシエンス(A.
tumefaciens)種とアグロバクテリウム・リゾゲネス
(A.rhizogenes)種がある。これらの種は夫々植物のク
ラウンゴール病,毛状根病(hairly root disease)の
原因となる。クラウンゴールは未分化組織の瘤(gall)
化に特徴づけられる。毛根は感染組織での異常な根(ル
ート)の誘導により特徴づけられる奇形腫である。両病
において,異状な増殖植物組織は植物により正常には生
産されない通常オピンとして知られている1つまたはそ
れ以上のアミノ酸誘導体を生産し,これは感染細菌によ
り異化される。既知のオピンは3族に分類され,その典
型的なメンバーはオクトピン,ノパリン,アグロピであ
る。異常増殖組織の細胞は培養により増殖可能であり,
また適当な条件下で形質転換した表現型を保ちつつ完全
な植物に再生される。
アグロバクテリウムのヴィルレント株はアグロバクテ
リウム・チューメファシエンスではTi(腫瘍誘導;Tumor
-inducing)プラスミド,アグロバクテリウム・リゾゲ
ネスではRi(ルート誘導;root-inducing)プラスミドと
呼ばれる大プラスミドを有する。これらのプラスミドを
菌から消去すると病原性を失う。TiプラスミドはT−DN
A(転移DNA)と呼ばれる,腫瘍では宿主植物のゲノム中
に組み込まれている,領域を含む。T−DNAは数種の転
写物をコードしている。突然変異の研究からこれらのう
ちのいくつかは腫瘍の増殖の誘導に関与している事が示
された。tml, tmrおよびtms遺伝子の変異は夫々巨大腫
瘍(タバコで),ルート出現傾向,シュート誘発傾向を
示す。T−DNAはまた少なくとも1つのオピンシンセタ
ーぜ遺伝子をコードし,Tiプラスミドは,しばしば,そ
れが合成し得るオピンにより分類される。各T−DNA遺
伝子はT−DNAプロモーターの支配下にある。このT−D
NAプロモーターは真核生物のプロモーターに構造が類似
しており,形質転換植物細胞でのみ機能するらしい。Ti
プラスミドはまたT−DNA領域外ににも遺伝子を担って
いる。これらの遺伝子はオピン異化,発癌性,アグロシ
ン感受性,複製,細菌細胞への自己輸送の機能に関与し
ている。RiプラスミドはTiプラスミドと類似の構造をと
っている。植物細胞の形質転換に関与する一連の遺伝子
とDNA配列は以下形質転換誘導因子(TIP)として総合的
に呼ぶ。従ってTIPの名称はTiおよびRiプラスミド両者
を包含する。TIPの取り込まれたセグメントを,ここで
はT−DNAと称し,TiプラスミドあるいはRiプラスミドに
由来している。最近のアグロバクテリウム起因病の一般
的総説はD.J.Marlo(1982),Adv.Plant Pathol.1:139-1
78,L.W.Ream and M.P.Gordon(1982),Sciense 218:854
-859,およびM.W.Bevan and M.D.Chilton(1982),Ann.R
eb.Genet.16:357-384;G,Kahl and J.Schell(1982)Mol
ecular Baiology of Plant Tumorsに述べられている。
アグロバクテリウム−植物組織の感染 植物細胞は既知の多くの方法によりアグロバクテリウ
ムにより形質転換され得る;例えば植物細胞とアグロバ
クテリウムとの共存培養;植物の直接感染;植物プロト
プラストとアグロバクテリウムフェロプラストの融合;
植物細胞プロトプラストによる遊離DNAの取込みによる
直接形質転換;部分的に細胞壁を再生しているプロトプ
ラストの完全な細菌による形質転換;プロトプラストの
T−DNA含有リポソームによる形質転換;T−DNAを保持す
るウイルスの利用;ミクロインジェクション等。どの方
法も遺伝子が確実に発現される限り充分であり,有糸分
裂および減数分裂を通じて安全に伝達される。
植物組織のアグロバクテリウムによる感染は熟練した
技術者には公知の単純な技術である。(例えばD.N.Butc
her et al. (1980) in Tissue Culture Methods for
Plant Pathologists,eds.:D.S.Ingranms and J.P.Helg
eston,pp.203-208参照)。植物は種々のどの方法によっ
ても傷つけられる,例えば刃で切る,針で穴をあける,
あるいは研磨剤で摺るなど。次いで傷口を腫瘍誘導細菌
を含む溶液で感染させる。完全な植物を感染させる他の
方法はジャガイモの塊茎小片(D.K.Anand and G.T.Herb
erlein(1977)Amer.J.Bot.64:153-158)またはタバコ
茎の断片(Binns et al.)などの組織の小片を植えつ
けることである。誘導後,腫瘍は植物ホルモンを含まな
い培地で組織培養され得る。ホルモン非依存性増殖は形
質転換植物組織の典型であり,培養組織の増殖の通常の
条件とは大いに対照的である(A.C.Braun)(1956)Can
cer Res.16:53-56)。
アグロバクテリウムはまた単離細胞および培養細胞
(Marton et al.(1979)Nature 277:129-131)およ
び単離したタバコ葉肉プロトプラストを感染させ得る。
後者の技術では,新しい細胞壁を一部再生させる時間を
おいて,次いでアグロバクテリウム細胞を培養に加え,
後,抗生物質を添加し殺した。アグロバクテリウム・テ
ューメファシエンス細胞に接触し,Tiプラスミドを保持
した細胞のみホルモンを含まない培地にプレートしたと
きカルスを形成した。大部分のカルスはオピン同化に関
する酵素活性を有していた。他の研究者(R.B.Horsch a
nd R.T.Fraley (18 January 1983 15th Miami Winter
Symposium)は共存培養により,形質転換しホルモン非
依存性増殖するカルスを高頻度(10%以上)で得,カル
スの95%がオピンを作った。M.R.Davey et al.(198
0)in Ingram and Helegeson,前出,pp.209-219,はプロ
トプラスから再生した老細胞の感染について述べてい
る。
植物プロトプラストはTIPプラスミドの直接取込みに
より形質転換され得る。M.R.Davey et al.(1980)Pl
ant Sci.Lett.18:307-313,およびM.R.Davey et al
(1980)in Ingram and Helgeson,前出,はペチュニア
のプロトプラストをポリ−L−α−オルニチン存在下で
Tiプラスミドで形質転換により,培養によりオピン合成
とホルモンで非依存性増殖の表現型を示した。その後,
ポリエチレングリコールがTi取込みを促進し,あるT−
DNA配列がゲノムに取り込まれることが示された。(J.D
raper et al.(1982)Plant and Cell Physiol.23:45
1-458,M.R.Davey et al.(1982)in Plant Tissue Cu
lture 1982,ed:A.Fujiwara,pp.515-516)。F.A.Krens e
t al.(1982) Nature 296:72-74は同様の結果をポリ
エチレングリコール次いでカルシウムショックによる方
法で報告したが,彼らの結果では取り込まれたT−DNA
はTiプラスミド配列の近接部分を含んでいた。
DNAを取り込ませる他の方法にリポソームの使用があ
る。DNA含有リポソームの調製はPapahadjopoulosの米国
特許第4,078,052号と第4,235,871号にある。Ti−DNAを
リポソームによる導入する方法が報告されている(T.Na
gata etal.(1982)in Fujiwara,前出,pp.509-510およ
びT.Nagata(1981)Mol.Gen.Genet.184:161-165)。類
似の系に細胞壁を除去した植物と細菌の細胞の融合があ
る。この技術の例はS.Hasegawa et al.(1981)Mol.G
en.Genet.182:206-210により報告されているアグロバク
テリウムのスフェロプラストによるツルニチニチソウ
Vinca)の形質転換である。植物プロトプラストは細
胞壁が不完全なアグロバクテリウム細胞を取り込むこと
ができる。(S.Hasegawa et al.(1982)in Fujiwar
a,前出,pp.517-518。
T−DNAは2つのプロトプラストの融合による再生し
た組織に移り,一方のみが形質転換される(G.J.Wullem
s et al.(1980)Theor.Appl.Genet.56:203-208)。
植物の再生の項で詳しく述べるように,T−DNAは減数分
裂でも伝わり,単純なメンデル法則に従って子孫に伝達
される。
アグロバクテリウム−植物の再生 正常な形態を有する分化植物組織がクラウンゴール腫
瘍から得られた。A.C.Braun and H.N.Wood(1976)Pro
c.Natl.Acad.Sci.USA 73:496-500,はタバコ奇形腫(ter
atomos)を正常な植物につぎ木し,正常に見える開花し
得るシュートを得た。このシュートは培地におくと,オ
ピン生成能と,植物ホルモン非依存性増殖能を保持し
た。選択された植物では,これら腫瘍表現型は子孫に伝
達されないようで,多分減数分裂の間に消失した。(R.
Turgen et al.(1976)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 73:3
562-3564)。自然に腫瘍の性質を失った,あるいは奇形
腫の種から生じた植物は,当初すべてのTーDNAを失っ
たように思われていた(F.−M.Yang et al.(1980)I
n Vitro 16:87-92,F.Yang et al. (1980)Molec,Gen,
Genet.177:707-714,M.Lemmers et al.(1980)J.Mol.
Biol.144:353-376)。しかしホルモン(1mg/lカイネチ
ン)処理後復帰した植物を用いた後の研究で,減数分裂
を経た植物は形質転換表現型に関するT−DNA遺伝子は
失っているがT−DNAの両端に相同性のある配列を維持
していた。(F.Yang and R.B.Simpson(1981)Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 78:4151-4155)。G.J.Wullems et a
l.(1981)Cell 24:719-724,はさらにオピン同化に関
する遺伝子は,その植物は雄性不稔であるが,減数分裂
を通して伝わること,そしておそらくTーDNAはそのま
まメンデル法則に従って遺伝し得ることを示した。(G.
Wullems et al.(1982)in A.Fujiwara,前出)。L.Ot
ten et al.(1981)Molec.Gen.Genet.183:209-213,は
シュートを生じる腫瘍生成にtms(シュート誘導)遺伝
子壁でのTn7トランスポソン起因Tiプラスミド変異を用
いた。これらのシュートが植物中で再生すると自己稔性
花を生じた。着生した種が発芽した植物はT−DNAを有
しオピンを生成した。tmr(ルート誘導)変異を用いた
同様の実験で全T−DNAが減数分裂を通して子孫に伝わ
り,これら子孫で程度にバラツキがあるが,ノパリン遺
伝子が発現すること,また同時に伝達された酵母のアル
コール脱水素酵素I遺伝子は発現しないことが示され
た。(K.A.Barton et al.(1983)Cell 32:1033-104
3)。T−DNA配列を欠く再生組織はおそらく腫瘍に混在
していた非形質転換細胞の子孫であるらしい。(G.Ooms
et al.(1982)Cell 30:589-597)。アグロバクテリ
ウム・リゾゲネスによる形質転換の結果生じたルートは
比較的容易に苗に再生することが示された。(M.−D.Ch
ilton et al.(1982)Nature 295:432-434)。
アグロバクテリウム−TIPプラスミド上の遺伝子 TIPプラスミドのTーDNA内に多数の遺伝子が同定され
た約半ダースのオクトピンプラスミドTーDNA転写物が
マッピングされ(S.B.Gelvin et al.(1982)Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA 79:76-80,L.Willmitzer et al.(19
82)EMBO J.1:139-146),またいくつかの機能が明確に
された(J.Leemans et al.(1982)EMBO J.1:147-15
2)。オクトピン型プラスミドの4つの遺伝子がtmstm
rおよびtmlを含むトランスポソン変異誘発により充分明
確になった。(D.J.Garfinkel et al.(1981)Cell 2
7:143-153)。これらの遺伝子に変異をもつTiプラスミ
ドはニコチニア・タバカムの腫瘍カルスを刺激し,シュ
ートを生じ,ルートを生じ,そして正常より大きくな
る。他の宿主では,これら遺伝子の変異は異なった表現
型を誘導し得る(Chilton,M.D.Ann.Rev.Genet.(1982)
参照)。tmstmrの表現型は腫瘍に存在する植物ホルモ
ンレベルの差異と相関いている。サイトカイニン:オー
キシン比の相違は培養で非形質転換カルス組織でシュー
トまたはルート形成を誘導した場合と類似している。
(D.E.Akiyoshi et al.(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 80:407-411)。tmsまたはtmrどちらか一方のみの機
能遺伝子を持つT−DNA(機能するtmlのみの場合ではな
いが)は,明白な腫瘍増殖を刺激し得る。シュートとル
ートの刺激は機能tmlにより夫々促進と阻害を受ける。
(L.W.Ream et al.(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.USA
80:1660-1664)。T−DNA遺伝子の変異が植物ゲノムへ
のT−DNAの挿入に影響することはないようである(J.L
eemans et al.(1982)同上;L.W.Ream et al.(198
3)同上)。オクトピンシンセターゼをコードするOCS
伝子はH.De.Greve et al.(1982)J.Mol.Appl.Genet.
1:499-511,により塩基配列が決定された。これはイント
ロン(真核遺伝子に共通して見られる介在配列で転写後
mRNAのプロセッシングの間にメッセンジャー前駆体から
除かれる)を有していない。また真核の転写シグナル
(TATAボックス)とポリアデニル化部位がある。オクト
ピンシンセメーゼを有する植物細胞はホモアルギニンを
無毒化するので,OCS遺伝子は外来DNAによる形質転換さ
れた植物細胞の有効な選択マーカーとなるだろう。(G.
M.S.Van Slogteren et al.(1982)Plant Mol.Biol.
1:133-142)。ノパリンTiプラスミドはノパリンシンセ
ターゼ遺伝子(nos)をコードしており,nosはA.Depick
er et al.(1982)J.Mol.Appl.Genet.1:561-573,によ
り配列が決定された。OCS遺伝子と同様nosもイントロン
がない。2つのポリアデニン化部位の候補とTATAボック
スとなり得る配列がある。OCSと対照的にnosの上流には
CATボックスとして知られる転写シグナルらしい配列が
ある。J.C.McPhersson et al.(1980)Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA 77:2666-2670,はクラウンゴール組織のT−D
NAがコードするmRNAのインビトロ翻訳を報告した。
毛根TーDNAの転写もまた検出された(L.Willmitzer
et al.(1982)Mol.Gen.Genet.186:16-22)。機能的
には毛根症候群はtmrの変異したTiプラスミドによりも
たらされるクラウンゴール腫瘍と同等のようである。
(F.F.White and E.W.Nester(1980)J.Bacteriol.144:
710-720)。
真核生物において,DNAのメチル化(特にシトシン残基
の)は転写不活性化と相関している。比較的メチル化が
少ない遺伝子はmRNAに転写される。Gelvin et al.(1
983)Nucleic Acids Res.1:159-174,はクラウンゴール
腫瘍のT−DNAは常に少なくともメチル化されていない
1コピーが存在する事を見出した。同じゲノムがメチル
化されている多くの他のT−DNAコピーを含むという事
は1つ以上の過剰のT−DNAのコピーは生物学的に不活
性である事を示唆する(G.Ooms et al.(1982)Cell
30:589-597)も参照)。
TiプラスミドはT−DNA領域の外側にあり,感染過程
に必要な他の遺伝子をコードしている。(ノパリンプラ
スミドについてはM.Holsters et al.(1980)プラス
ミド3:212-230,オクトピンプラスミドについてはH.De G
reve et al.(1981)プラスミド6:235-248,D.J.Garfi
nkel and E.W.Nester (1980)J.Bacteriol 144:732-74
3,およびG.Ooms(1980)J.Bacteriol 144:82-91参
照)。最も重要なのはonc遺伝子で,これが変異するとT
iプラスミドの発癌性を失わせる。(これらの遺伝子座
はビルレンスに関する言葉virとして知られている)。o
nc遺伝子はトランスに作用し,異なったプラスミド型で
物理的に他のプラスミドに局在しているT−DNAでの植
物細胞の形質転換を引き起こし得る。(J.Hille et a
l.(1982)プラスミド7:107-118,H.J.Klee et al
(1982)J.Bacteriol 150:327-331,M.−D.Chilton(18
January 1983)15th Miami Winter Symp.)。ノパリンT
iDNAはTiプラスミドからの切り出し,または宿主ゲノム
への取込みに関与するらしく,T−DNAの左または右側の
境界に極めて隣接している約25塩基対の順方向繰り返し
配列(direct repeat)を有する(N.S.Yadav et al
(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:6322-6326),そ
して類似配列がオクトピンT−DNA境界に隣接した場所
に見つかっている(R.B.Simpson et al.(1982)Cell
29:1005-1014)。オピン同化はオクトピンおよびノパ
リン型プラスミドの夫々ocsおよびnos遺伝子により特徴
づけられる。Tiプラスミドはまた複製開始点を含むそれ
自身の増幅に必要な機能をもコードしている。Tiプラス
ミド転写物はS.B.Gelvin et al.(1981)プラスミド
6:17-29,により,アグロバクテリウム・チューメファシ
エンス細胞中に見出されており,彼らはT−DNA領域が
非T−DNA配列に沿って弱く転写されることを見つけ
た。Tiプラスミドにより支配される性質はMerlo,前出
(特に第2表参照)およびReam and Gordon,前出,によ
りまとめられている。
アグロバクテリウム−TIPプラスミドDNA 種々のオクトピン型Tiプラスミドは互いにほぼ100%
相同性があることがDNAハイブリダイゼーション(T.C.C
urrier and E.W.Nester(1976)J.Bacteriol.126:157-1
65)または制限酵素解析(D.Sciaky et al.(1978)
プラスミド1:238-253)により調べられた。ノパリン型T
iプラスミドは互いに少なくとも67%相同性がある(Cur
rier and Nester,前出)。種々のRiプラスミドは互いに
非常に相同性があることが明らかとなった(P.Costanti
no et al.(1981)プラスミド5:170-182)。N.H.Drum
mond and M.−D.Chilton (1978)J.Bacteriol.136:117
8-1183,はオクトピンおよびノパリン型Tiプラスミドは
比較的狭い部分に互いに相同性があることを示した。こ
れらの相同性はG.Engler et al.(1981)J.Mol Biol.
152:183-208により詳しくマップされた。彼らは4つの
類似領域の3つは更に3(T−DNAにまたがる),4(い
くつかのonc遺伝子を含む),および9(onc遺伝子を有
する)の類似領域に細分化されることを見出した。連結
している相同領域は少なくともtra遺伝子(Tiプラスミ
ドの他の細菌細胞への接合伝達に関与する)と,複製お
よび不和合性に関する遺伝子とを含む。この領域はリゾ
ビアッシー科の別の属であるリゾビウムの一種から分離
されたSymプラスミド(共生窒素固定に関与する)と相
同性がある(R.K.Prakash et al.(1982)プラスミド
7:271-280)。4つの領域の順序は保存されていない
が,いずれも同一方向に配置している。T−DNA配列の
一部はノパリンおよびオクトピンプラスミド間で極めて
良く保存されている(M.−D.Chilton et al,(1978)
Nature 275:147-149,A.Depicker et al.(1978)Natu
re 275:150-153)。Riプラスミドはそれらの間,および
オクトピン(F.F.White and E.W.Nester(1980)J.Bact
eriol.144:710-720)とノパリン(G.Risuleo et al
(1982)プラスミド7:45-51)の両Tiプラスミドとにか
なり相同性がある。その領域はおもにonc遺伝子をコー
ドしている領域である。Ri T−DNAはTiプラスミドの両
型のTーDNAに弱いながらも,かなり相同性がある。
(L.Willmitzer et al.(1982)Mol.Gen.Genet.186:3
193-3197)。未感染のニコチニア・グラウカの植物DNA
はcT-DNA(細胞のT−DNA)と呼ばれる配列を含んでお
り,Ri T−DNAの一部と相同性がある。(F.F.White et
al.(1983)Nature 301:348-350)。
Ti(M.−D.Chilton et al,(1977)Cell 11:263-27
1)または(M.−D.Chilton (1982) Nature 295:432-4
34,F.F.White et al.(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 79:3193-3197,L.Willmitzer (1982)Mol.Gen.Genet.
186:16-22)プラスミドの一部分は腫瘍植物細胞のDNAに
見出される。転移したDNAはTーDNAとして知られてい
る。T−DNAは核内(M.P.Nuti et al.(1980)Plant
Sci.Lett.18:1−6,L.Willmitzer et al.(1980)Natu
re 287:359-361,M.−D.Chilton et al.(1980)Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 77:4060-4064)の宿主DNA(M.F.Tho
mashow et al.(1980)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:6
448-6452,N.S.Yadav et al.(1980)Nature 287:458-
461)に取り込まれる。
M.F.Thomashow et al.(1980) Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 77:6448-6452,およびM.F.Thomashow et al.(1
980) Cell 19:729-739,はオクトピン型Tiプラスミドの
T−DNAはTーDNAの左と右の夫々TL-DNAおよびTR-DNAの
2つの別の場所に取り込まれることを見出した。TRおよ
びTLのコピー数は変動し得る(D.J.Merlo et al.(19
80)Molec,Gen.Genet.177:637-643)。TーDNAの中芯
(core)は,ノパリンT−DNAと相同性が高く(Chilton
et al.(1978),前出,およびDepicker et al
(1978)前出),腫瘍維持に必要で,TLに見られ,一般
的に細胞当り1コピー存在し,そしてtmstmrおよびtm
l遺伝子をコードする。他方,TRはコピー数は多い(D.J.
Merlo et al.(1980)前出)が,まったく不要であ
る。(M.De Beuckeleer et al.(1981)Molec.Gen.Ge
net.183:283-288,G.Ooms et al.(1982)Cell 30:589
-597)。G.Ooms et al.(1982)プラスミド7:15-29に
よれば,TRがTiプラスミドから欠失してもアグロバクテ
リウム・チューメファシエンスはヴィルレンスを保って
いるが,TRがT−DNA取込みに関与すると想定されてい
る。G.Ooms et al.(1982)Cell 30:589-597により,T
−DNAは植物ゲノムに取り込まれた後,特に欠失する
が,一般に安定であること,またT−DNA構成が異なる
混成細胞を含む腫瘍は複数の形質転換現象の結果である
ことが示された。ocsはTLに存在する。しかし,腫瘍増
殖に関連する表現型を失うことなく植物ゲノムから欠失
させ得る。組み込まれたTLの左端は順または逆向きの繰
り返しTーDNA配列から成る。(R.B.Simpson et al
(1982)Cell 29:1005-1014)。
オクトピン型腫瘍の状況とは対照的にノパリンT−DN
Aは一連のフラグメントで宿主ゲノムに組み込まれる。
(M.Lemmers et al.(1980)J.Mol.Biol.144:353-37
6,P.Zambryski et al.(1980)Science 209:1385-139
1)。順方向繰り返し配列が観察された。奇形腫から生
じた植物のT−DNAは挿入DNAの端のフラグメントにわず
かな修飾がある(Lemmers et al.,前出)。右端と左端
の間の結合部の配列の解析から多くの順繰り返し配列と
1つ逆繰り返し配列が明らかになった。後者は結合部に
またがっている(Zambryski et al.(1980)前出)。
左側の結合部は少なくとも70塩基対(bp)が変動するこ
と,一方,右結合部は1bpのみの変動である(P.Zambrys
ki et al.(1982)J.Molec.Appl.Genet.1:361-37
0)。繰り返し配列の結合部の左および右端は130bp以上
のスペーサーにより分断されている。このスペーサーの
由来は不明であり,あるT−DNA配列を含んでいる。T
−DNAは繰り返し配列と低コピー数宿主配列の両者に組
み込まれている。
N.S.Yadav et al.(1982) Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 79:6322-6326はT−DNAの左端のすぐ外側のノパリンT
iプラスミド内にchi部位を見出し,これはバクテリオフ
ァージλで10 Kbp離れているまわりのDNAで一般組み換
えを増大させる。R.B.Simpson et al.(1982)Cell 2
9:1005-1014,はオクトピンTiプラスミド内にchi配列を
見出さなかったが,配列を決定した領域の外側に存在す
る可能性を排除できない。Tiプラスミドでのchiの意義
は不明である。もしchiが機能を有しているとすれば,c
hiがT−DNA内にないので,恐らく植物ではなくアグロ
バクテリウム細胞内で用いられているだろう。
アグロバクテリウム−TIPプラスミドの操作 シャトルベクターの項で詳しく述べるように,変化さ
せたDNA配列をTIPプラスミドの望みの場所に導入する技
術が開発された。トランスポソンはこの技術で容易に挿
入される。(D.J.Garfinkel et al.(1981)Cell 27:
143-153)。J.P.Hernalsteen et al.(1980)Nature
287:654-656,は,TiプラスミドのT−DNAに挿入されたDN
A配列(ここでは細胞のトランスポソン)が受容植物ゲ
ノムへ移され,取り込まれることを示した。種々の起源
の多くの外来DNAが挿入されたが,これまで,その遺伝
子は自身のプロモーターの支配下で発現したかった。こ
れらの遺伝子には酵母のアルコール脱水素酵素(Adh)
(K.A.Barton et al.(1983)),トウモロコシのAdh
I(J.Bennetzen,未発表)とゼイン,哺乳類のインター
フェロンとグロビン,哺乳類のウイルスSV40(J.Schel
l,未発表)などがある。M.Holsters et al.(1982)M
ol.Gen.Genet.185:283-289,によれば,T−DNAに挿入され
た細菌のトランスポソン(Tn7)が植物ゲノムに取り込
まれた後,完全な機能を有し,多分変化していない形で
回収された。
TIPプラスミド内で欠点を種々の方法で起せる。シャ
トルベクターを標準の組み換えDNA技術でつくられた欠
失の導入に用いることができる。(Cohen and Boyer US
Pat.4,237,224)。前もって決められた一方の端の欠失
はトランスポソンの誤った切出しによりつくることがで
きる。(B.P.Koekman et al.(1979)プラスミド2:34
7-357,G.Ooms et al.(1982)プラスミド7:15-29)。
J.Hille and R.Schilperoot(1981)プラスミド6:151-1
54,は前もって決められた位置での両端を有する欠失は
2つのトランスポソンを用いてつくれることを示した。
この技術はまたイソビボ”組み換えDNA分子”の構築に
用いられる。
ノパリンシンセターゼ遺伝子が,形質転換された植物
細胞を選択するのに用いられる薬剤耐性をコードするDN
Aセグメントの挿入に用いられた。M.Bevan(M.D.Chilto
n et al.(18 January 1983)15th Miami Winter Sym
p.,により報告された;およびJ.L.Marx(1983)Science
219:830参照)とR.Horsch et al.(18 January 198
3)15th Miami Winter Symp.,およびMarx,前出,参照)
は,Tn5のカナマイシン耐性遺伝子(ネオマイシンフォス
フォトトランスフェラーゼ)をノパリンプロモーターの
後に(その制御下に)に挿入した。その作成には培養で
カナマイシンおよびG418のようなアナログ耐性になるよ
う植物細胞を形質転換する方法がとられた。J.Schell e
t al.(18 January 1983)15th Miami Winter Symp.
(Marx,前出,も参照),は同様の作成法を報告し,そ
こではTn7のメトトレキセート耐性遺伝子(ジハイドロ
フォレート レダクターゼ)がノパリンシンセターゼプ
ロモーターの後につながれた。形質転換細胞はメトトレ
キセート耐性であった。オクトピンシンセターゼを有す
る植物細胞は毒性化学物質,ホモアルギニンに耐性であ
り,G.M.S.Van Slogteren et al.(1982)Plant Mol.B
iol.1:133-142,はこの酵素を洗濯マーカーに用いること
を提案した。
M.−D.Chilton et al.(1983),前出,はA.Defrem
euが”小Ti(mini-Ti)プラスミド”を作成したと報告
した。ノパリンT−DNAにはまともには1ケ所の制限酵
KpnIの切断部位がある。この部位を欠く変異がつく
られ,完全なノパリンTーDNAを含むKpnIフラグメント
が単離された。このフラグメントはカナマイシン耐性遺
伝子と共にpRK290に挿入され,アグロバクテリウム・チ
ューメファシエンス内で維持され,すべての非T−DNA
配列を欠く,プラスミドが得られた。それ自身では,こ
のプラスミドは植物細胞を形質転換できなかった。しか
し,オクトピンTiプラスミドを持つアグロバクテリウム
・チューメファシエンス株に入れると,オクトピンとノ
パリン両方を合成する腫瘍が誘導された。これはノパリ
ンTiプラスミド機能の消失がオクトピンTiプラスミドに
より相捕されたこと,およびノパリン”小Ti"は植物細
胞を形質転換する機能があったことを示す。Chilton et
al.(1983),前出,はまた小TiをSmaIで切り,ノ
パリンシンセターゼ遺伝子とその左および右端以外はす
べてのT−DNAを欠失した”微Ti"(micro Ti)を作成し
た。この微TiはSmaI部位を欠くpRKプラスミド誘導対に
挿入され,小Tiと同様にして用いられ,匹敵する結果を
得た。
H.Lorz et al.(1982)in Plant Tissue Culture 1
982,ed:A.Fujiwara,pp.511-512,はDNA取込みと維持にTI
P系が見掛け上無関係なプラスミドベクターを作り,マ
ーカーとしてノパリンシンセターゼ遺伝子を用いた。
ファセオリンと遺伝子調節 一般に高等真核生物の遺伝子は高度に調節されてい
る。植物のような多細胞器官は多くの分化した組織を有
し,夫々は特有の遺伝子産物を要求する特有の機能を持
つ。そのような組織の1つに子葉(cotyledon)があ
る。豆果(legumes)では子葉は、発芽の間に必要とな
るまで,脂質,炭水化物,無機物および蛋白質などを保
存する種の貯蔵器官である。フォセオラス・ブルガリス
L.(フレンチビーン,インゲン豆(kindy bean),乾燥
白豆(navy bean),緑豆(grenn bean)などの名でも
知られる)では,主要貯蔵蛋白質はファセオリンであ
る。この蛋白は極めて類似しかつ互いに等量の小数の分
子種から成る。ファセオリンは乾燥豆の主要な栄養価を
担っており,しばしば乾燥重量の10%以上を占める。
ファセオリンはフォセオラス・ブルガリスの生活環の
間で高度に調節されている。この蛋白は種がさやの中で
生ずる間でのみつくられ,そのレベルは遺伝的に決まっ
た合成のスケジュールに従い検出限界の低い値から種の
蛋白の半分を占めるまで,上昇する。そのピークではフ
ァセオリン合成は子葉細胞の蛋白合成の80%以上にも達
する。他の時期には,また他の組織では,ファセオリン
合成は検知できない。世界的な栄養源の重要性に伴いフ
ァセオリンの調節の仕組みは,ファセオリンの研究,そ
の性質およびその調節に大いに興味をそそる。
(発明の目的) ここに開示の発明は,植物遺伝子を導入し,そこで発
現する遺伝的に修飾された植物細胞を有する植物を提供
する。さらに,この発明は,そのゲノムが植物遺伝子を
含むT−DNAを有する植物細胞を備えた植物組織を提供
する。この植物遺伝子は植物細胞内で発現する。またT
−DNA(ここでは植物細胞内で発現可能な挿入植物遺伝
子を含むように修飾されたT−DNAと定義される)を含
み,複製し得るアグロバクテリウム属細菌の新規な細菌
株を提供する。さらに,本発明はエセリシア・コリー
(大腸菌)内で複製能を有し,T−DNAを含み,さらにプ
ラスミド内に含まれるT−DNA内に挿入された植物遺伝
子を含むような新規のプラスミドを提供する。
ここに開示された実験的研究はT−DNAを介して導入
後植物細胞内で植物遺伝子が発現する,即ち既知の方法
によりT−DNAに植物遺伝子を挿入し,その挿入物を含
むT−DNAを植物細胞に導入することにより行ったもの
であるが,最初の例であると信ずる。ここに開示された
実験は,また,イントロンを含む植物遺伝子がT−DNA
を介して導入された植物細胞内で発現した最初の例を提
供するものと信ずる。これらの結果はT−DNA内で発現
する既知のすべての遺伝子(T−DNA内生遺伝子であ
れ,挿入外来遺伝子であれ)は現在知られる限りイント
ロンを含まないという事実から見れば,驚くべき事であ
る。この結果は,また,当業者がこれまで,T−DNA遺伝
子外のプロモーターがT−DNA内へ挿入された場合,植
物内で発現を制御する機能を果たすという,例を示し得
なかったという事実から見ても,容易に想到されない。
本発明は他の植物種または株から有用な植物遺伝子を
導入し,植物組織または全植物体を遺伝的に修飾するの
に有用である。このような有用植物遺伝子は貯蔵蛋白
質,レクチン,病気,昆虫および除草剤に対する耐性因
子,環境ストレスに対し耐性を与える因子などの遺伝
子,さらに特異的芳香剤の遺伝子など,があるが,これ
らに限らない。本発明は豆類の主たる種の貯蔵蛋白質で
あるファセオリン遺伝子をヒマワリやタバコの植物組織
への導入と発現により例示される。T−DNAを介して導
入された植物遺伝子が発現する植物細胞が一度得られれ
ば,植物組織および全植物体を当該分野において既知の
方法で,そこから再生させ得る。再生した植物は次いで
通常の方法で増殖し,導入された遺伝子は通常の植物改
良技術により他の植物へ移される。例えばファセオリン
遺伝子の導入,発現はアルファルファのような馬糧作物
(forage crop)の蛋白含量,栄養価の向上に用いるこ
とができる。本発明の他の用途,即ち,他の植物種へ導
入された他の遺伝子の性質の開拓,などは当業者にとっ
ては容易なことである。本発明は本質的には,いかなる
植物遺伝子をも,T−DNAの導入が可能で安定に複製維持
できるいかなる植物種へ導入する事に応用できる。一般
にこれらの種に以下のものがあるが,それに限定されな
い。即ち,ヒマワリ(コンポシテ compositeae科),タ
バコ(ソラナシ,solanaceae科),アルファルファ,大
豆および他のマメ類(レグミノシleguminoseae科)およ
び大部分の野菜類のような(ディコチレドナウス dicot
ylednous)双子葉植物である。
(発明の構成) 本明細書および特許請求の範囲での使用の意図と権利
範囲に関する不明瞭さを除くために以下の定義を行う。
T−DNA:植物ゲノムに組み込まれる形質転換誘導因子
(TIP)由来のDNAセグメント。ここで用いるこの用語は
アグロバクテリウム・チューメファシエンスおよびアグ
ロバクテリウム・リゾゲネスを含むアグロバクテリウム
のあらゆる腫瘍誘導株に本質的に由来するDNAを含む。
後者の菌株の場合,以前の研究者は時々R−DNAと呼ん
でいた。さらにここで用いるT−DNAという用語は自然
発生または実験室内操作によるいかなる変化,修飾,変
異,挿入および脱落をも含む。唯一の構造上の要件は,
自然に発生するT−DNAの右端および左端がすべてのT
−DNAの特徴である安定な組み込みという期待される機
能を確実にするために充分量存在するということであ
る。
植物遺伝子:ここでの使用は,植物遺伝子の構造および
調節要素,つまりT−DNA自身の遺伝子に対して外来で
ある要素を含む。ここで使用する植物遺伝子はT−DNA
へ植物起源のプロモーター(転写の開始と翻訳の開始を
提供し,調節しうる遺伝子の領域)と構造遺伝子(蛋白
質をコードする,1つまたは複数のイントロンを含むある
いは含まない,領域)との両者である。この植物遺伝子
は転写の終了および転写後のRNAプロセッシングを制御
する機能を有しうる3′ー非翻訳領域をも含みうる。プ
ロモーターと構造遺伝子要素は同一または異なる既存の
遺伝子に由来するであろうし,また同一または異なる植
物源に由来しうる。例えば,植物遺伝子はそれ自身のプ
ロモーターをある植物遺伝子,あるいは1つの遺伝子の
コード領域(イントロン存在または不在)と同一または
他の植物種由来の他のプロモーターから成るインビトロ
構成物でも良い。ここで定義する植物遺伝子のコード領
域は植物遺伝子の構造遺伝子のcDNAコピーを含む。プロ
モーターとコード領域はまた自然にあるいは人為的に誘
発された修飾をも含むであろうし,化学的に合成された
セグメントを含みうる。コードするセグメントはそれ自
身,自然発生または合成の,混成蛋白質をコードする複
数の起源に由来する混成物であってもよい。
植物組織:クラウンゴールのような根,芽,花粉,種,
腫瘍組織,および胚,カルスのような培養植物細胞の種
々の形の集合物を含む高等植物の,あるいはそれに由来
する分化,未分化の組織を含む。
植物細胞:栽培植物細胞,培養植物細胞およびプロトプ
ラストを含む。
T−DNAを介して導入された植物遺伝子を発現する遺
伝的修飾植物の生産は種々の技術を伴う現在知られてい
る特定の知識と技術者に既知の手段を合併したものであ
る。多くの例において,別の手段が全過程の各段階に存
在する。手段の選択は基本的TIPの選択,修飾される植
物種および所望の再生方法のような要素に依存し,それ
らはいずれも当業者が望む結果を達成するために選択し
用い得る別のプロセス段階を提供する。本発明の基本的
な特徴は植物遺伝子の性質と構造であり,そのT−DNA
への挿入方法である。遺伝的修飾植物を得るために残っ
ているステップは,植物細胞へ修飾T−DNAを移送する
こと(そこでは,植物細胞の中で修飾T−DNAが植物細
胞ゲノムの一部として安定に組み込まれる)を含み,そ
れにはインビトロ培養および完全植物体への実際の再生
に関する技術がある。この技術は形質転換植物細胞の選
択と検出に関するステップおよび最初の形質転換株から
商業的に認められうる培養体へ導入遺伝子を移すステッ
プを包含しうる。
本発明の主要な特色は先に定義した挿入植物遺伝子を
有するT−DNAの構築である。植物遺伝子挿入部位の場
所はT−DNA境界のすぐ近くにある配列の移送機能が破
壊されない限り,これらの領域が従来の研究によれば,
修飾T−DNAの植物ゲノムへの挿入に必須であるので,
どこでも良い。好ましい挿入部位を最も活発に転写され
ている領域に位置するものであり,特にtml遺伝子,お
よび,第2図に示すように地図区分13にまたがるHind I
II−f断片にある"1.6"と呼ばれる領域である。後者の
転写物に相関する表現形はない。"1.6"という用語はこ
こではこの活発に転写されるT−DNAの領域を意味す
る。T−DNAはいかなるTIPプラスミドからも得られる。
植物遺伝子は当業者に良く知られている標準技術で挿入
される。内生T−DNA遺伝子の転写と翻訳の方向に関し
て挿入植物遺伝子の方向はどちらでも良く2つの可能な
方向の一方は機能を果たす。ある遺伝子がTーDNAの異
なった位置に挿入されるとクロマチン構造のような因子
のため,発現度の差が生じるであろう。ファセオリン遺
伝子はアグロバクテリウム・チューメファシエンスのオ
クトピン型プラスミドであるpTil5955のtml遺伝子内のS
maI部位に挿入されると,容易に検出可能な発現レベル
に達する。
植物遺伝子をT−DNAに挿入する簡便法に,既述のシ
ャトルベクターがあり,これはエシェリヒア・コリー内
で複製可能なプラスミドへ取り込まれたT−DNAセグメ
ント(ここへ挿入を期待するセグメント)を有する。こ
のT−DNAセグメントは好ましくはシャトルベクターに
特異な1つの制限部位を有する。植物遺伝子はT−DNA
セグメント内の特異的部位に挿入され得る。そしてこの
シャトルベクターは適当なアグロバクテリウム株,好ま
しくはそれの有するT−DNAがシャトルベクターのT−D
NAセグメントと相同性がある株の細胞へ移される。形質
転換されたアグロバクテリウム株を,Tiプラスミドの既
存のセグメントをシャトルベクターのT−DNAセグメン
トで置換する2重相同組み換え現象を選択する条件下で
増殖させる。
ここで述べた方針に従い修飾T−DNAを当該分野で既
知のどれかの技術により植物細胞に移すことができる。
例えば,この移送はT−DNA内に取り込まれた植物遺伝
子を含む新規のアグロバクテリウム株の持つプラスミド
の直接感染,あるいはアグロバクテリウム株と植物細胞
の共存培養により最も容易に達成される。前者の技術で
ある直接感染はやがて感染部位に腫瘍体またはクラウン
ゴールの出現をもたらす。クラウンゴール細胞を次いで
培養で増殖させ,そして当業者に既知の適当な環境下で
挿入T−DNAセグメントを有する完全植物体に再生させ
る。共存培養の方法により,植物細胞のある部分が形質
転換される。即ち細胞内にT−DNAが移り,植物細胞ゲ
ノムに挿入される。いずれにしても,形質転換細胞を選
択あるいは検索して未形質転換細胞と区別しなければな
らない。選択はT−DNAの中に植物遺伝子と共に,取り
込まれる選択マーカーを用いる事により容易に達成され
る。例として,ノパリンシンセターゼ プロモーター支
配下で発現するジハイドロフォレート レダクターゼあ
るいはネオマイシン ファスフォトランスフェラーゼが
ある。これらのマーカーは夫々メトトレキセートまたは
カナマイシンあるいはそれらの類似物を含む培地での増
殖により選択される。さらにT−DNAは内生マーカー,
例えばTi−誘導腫瘍の培養でホルモン非依存増殖を制御
する遺伝子または遺伝子群,Ri−誘導腫瘍ルートの異常
形態を制御する遺伝子または遺伝子群,およびアミノ酸
類似物のような毒性化合物に対する耐性(その耐性はオ
ピンシンセターゼによりもたらされる)を制御する遺伝
子群を有する。当業者によく知られている検索法には,
オピン生産の測定,特徴的RNAまたはT−DNA配列に対す
る特異的ハイブリダイゼーション,あるいはELISA(酵
素連関免疫吸着分析の略),ラジオイムノアッセイ,お
よび”ウエスタン”ブロットなどの特異的蛋白質の免疫
学的分析がある。
シャトルベクター作戦の別の方法にT−DNAまたはそ
こに植物遺伝子を挿入した修飾T−DNAを含むプラスミ
ド,即ちアグロバクテリウム株内で独立に複製し得るプ
ラスミドの使用がある。最近の資料により,アグロバク
テリウム株がT−DNAの植物細胞への移動を促進する機
能をもつあるトランスに作用する遺伝子を有するなら
ば,そのようなプラスミドのT−DNAがアグロバクテリ
ウム株から植物細胞へ移され得るということが示されて
いる。T−DNAを含み,アグロバクテリウム株内で独立
に複製できるプラスミドをここでは”サブ−TIP"(sub-
TIP)プラスミドと呼ぶ。変動範囲があり,そこでは,"
サブ−TIP"プラスミドはそれらが含有するT−DNAの量
に差がある。その範囲の端はTIPプラスミドからのT−D
NAがすべて残っているもので,特に”小TIP"(mini-TI
P)プラスミドと呼ばれる。その範囲のもう一端はT−D
NA境界のまわりのDNAの最小量を残してすべてが欠失し
ている。その残存部分は宿主細胞内で転移と組み込みが
できる必要最小量である。このようなプラスミドは”微
−TIP"(micro-TIP)と呼ばれる。サブ−TIPプラスミド
は小さく,直接操作するのが比較的容易であるという利
点がある。希望する遺伝子を挿入した後,T−DNA転移を
促進するトランスに作用する遺伝子を含む植物細胞へ直
接容易に導入できる。アグロバクテリウム株への導入は
アグロバクテリウム株の形質転換か,供与細菌細胞から
接合伝達という当業者によく知られている技術により簡
便に達成される。
再生は既知の技術で達成される。再生ステップの目的
は正常に,しかし組み込まれたT−DNAを保持して,増
殖および再生産する全植物体を得ることである。再生の
技術は,当該分野で既知の原理によれば,T−DNAの起
源,そこでの修飾の性質,および形質転換された植物の
種によりいくらか変動する。Ri−型T−DNAで形質転換
された植物細胞は,公知の技術により何ら余分な実験な
しに,容易に再生される。Ti−型T−DNAで形質転換さ
れた植物細胞は,ある例では培養のホルモンレベルを適
当に操作することにより再生され得る。しかし,好まし
くは,Ti−形質転換組織は,もしT−DNAがTmrとTms遺伝
子の一方または双方に変異を受けておれば,最も簡単に
再生される。これらの遺伝子の不活性化は形質転換組織
のホルモンバランスを正常に戻し,培養での組織のホル
モンレベルを極めて容易に操作できるようになる結果,
簡単に再生するようなより正常なホルモン生理を有する
植物をもたらす。数例においては,腫瘍細胞は,ノパリ
ンシンセターゼのような組み込まれたTーDNAを持ちか
つT−DNA遺伝子を発現するシート,そしてまた挿入植
物遺伝子を発現するシュートを再生させることができ
る。このシュートは根を有する植物につぎ木する事によ
り栄養細胞で維持でき,稔性花を着生できる。シュート
はこのようにしてT−DNAを有し,そこへ挿入された植
物遺伝子を発現する正常な子孫植物の親植物体となる。
形質転換した植物組織の遺伝型は,しばしばその細胞
がインビトロの培地で生育可で,再生可であることによ
って簡単に選択される。農学上関心のある栽培変種植物
(cultivar)がこれらの操作に不適応であるならば,も
っと余地のある変化が最初になされる。再生後,新しく
導入された外来植物遺伝子は,植物の育て方や植物遺伝
学の当業者に既知の技術により所望の農学上の栽培変種
植物にたやすく移入される。形質転換された植物のこれ
た農学上の栽培変種植物との交配により最初の雑種が得
られる。これらの雑種は,次いで,所望の遺伝学的背景
の植物と戻り交雑されうる。子孫は,そして組み込まれ
たT−DNAの連結した存在か,挿入された植物遺伝子の
発現の結果としての新しい表現型に対して,継続的に検
索されそして選択される。この方法では,何回もの戻し
交雑と選択の後,挿入された植物遺伝子と共に,農学上
好ましい親株に本質的に同一な遺伝型をもって植物が生
産されうる。
(実施例) 次の例はTIPおよびアグロバクテリウムの分子生物学
や操作の当業者によく知られかつ受け入れられうる多く
の技術を利用している;そのような方法は,いつも詳し
く述べられているわけではない。酵素は市販のものから
得られ,ベンダーの助言もしくは当該分野で既知の他の
変法に従って使われる。試薬,緩衝液や培地の条件はま
た当該分野で知られている。そのような標準的技術につ
いての参照研究には次のものがある:R.Wu,ed(1979)Me
th.Enzymol.68;J.H.Miller(1972)Experiments in M
olecular Genetics;R.Davis et al.(1980)Advance
d Bacterial Genetics;とR.F.Schleif and P.C.Wens
ink (1982) Practical Methods in Molecular B
iology. プラスミドIIcを除いて,プラスミドは,プラスミド
のみであるが,例えばp3.8かpKS4のように表示には"p"
を前に置く。
プラスミドを含んだ細胞は同定された細胞とカッコ内
に示したプラスミドによって示されている,例えば,ア
グロバクテリウム・チューメファシエンス(pTil5955)
とかK802(pKS4-KB)。表1は同定したプラスミドのそ
れらの関係することに対して有益な指標(index)を供
給する。表2は,寄託菌の指標を供給する。第1図は実
施例5,6と8中に述べられている構築の有益な比較を供
給する。
実施例1 この例の目的はそれ自身の調節下で非T−DNAの真核
遺伝子の発現を教示することである。
1.1 特殊なプラスミド誘導体の調製 制限部位は,DNAポリメラーゼIでその粘着末端の一本
鎖部分を充填するHind IIIで消化,その平滑末端を連
結,K 802を形質転換,テトラサイクリン耐性で選択,そ
の薬剤耐性クローンからプラスミド単離,そしてその特
有の制限部位の除去を確認するため制限酵素での特性表
示によって,プラスミドpBR322から除かれる。このプラ
スミドをp350(pBR322-Hind III)と呼ぶ。
1.2 シャトルベクターの調製 p203はBam HIで消化され,そのT−DNA Bam 17断片
(第2図参照)はアガロースゲル電気泳動後ゲルから溶
出させることによって単離された。この断片はBam HIで
線状化されたp350と混合され,そして連結され,そして
反応物はK802に形質転換された。アンピシリン耐性形質
転換株から単離されたプラスミドは制限地図によって特
徴づけ,Sma Iで消化し,そして平滑末端はHind IIIリ
ンカーに連結した。Hind III粘着末端はHind IIIによる
切断によって露出させ,その線状プラスミドは連結によ
ってそれ自身を円形にしてのち,そのプラスミドはK802
に形質転換された。アンピンリン耐性形質転換株から分
離されたプラスミドは制限地域によって特徴づけられ,
プラスミドのもっている第3図に示されているような構
造はp395と名付けられた。p376は,下で論議されている
が,またこの地点で単離された。(第3図) p395はBam HIで消化され,そしてそのBam17T−DNA断
片はそのSam I部位は,Hind IIIに変換されたが,アガ
ロースゲル電気泳動に続き,溶出された。このBam17断
片はBgI IIで線状化されたpRK290と混合され連結され
た。その反応液はK802に形質転換し,選択後,形質転換
株は,制限地図によって特徴づけられたプラスミドを調
製するために使われた。この特定のプラスミドは,p490-
8/14と名付けられた。
p376は,その由来はこの例の中で上述されたがSma I,
今,Hind IIIの特性に変換されたが,そこから右に約0.
8Kbpの欠失のあることが見つけられた。上のp395に対し
てなされたようにそのBam17に相当するBam HIT-DNA断片
は分離され,Bgl IIで線状化されたpRK290に連結され
た。形質転換選択,そしてプラスミド単離と特徴づけの
後その特定のプラスミドはp458−1と名付けられた。
1.3 カナマイシン耐性とファセオリンの遺伝子の挿入 ファセオリン遺伝子を載せた断片はHind III消化され
たpKS-KB3.8からアガロースゲル電気泳動によって調製
された。この断片はHind IIIで線状化されたp490-8/14
と混合され,連結された。K802のカナマイシン耐性形質
転換株は,それから制限地図をつくられたプラスミドを
調製するのに使われた。2つの構成体は単離された:p49
9/6/7はカナマイシン耐性の右に豆の(塩基)配列を持
っていた(第4図)そしてp499/6/8は,反対方向であっ
た(第5図)。
精製されたファセオリン遺伝子を載せたpKS-KB3.8のH
ind III断片はまた,Hind IIIで線状化されたp458−1
と混合され,連結された。プラスミドは,再び,K802の
カナマイシン耐性形質転換株から調製され,制限地図が
つくられた。再び両方向が単離された:p496−2(第6
図)とp496−1(第7図)は各々,カナマイシン耐性遺
伝子の右と左にファセオリンを持っていた。
1.4 Tiプラスミドの2重相同組み換え ファセオリンとカナマイシン遺伝子は実施例14に述べ
られているようにアグロバクテリウム・チューメファシ
エンス細胞内に保持されているTiプラスミド内に組み込
まれた。2つのTiプラスミドは受容体(recipients)と
して使われた:pTil5955はオクトピン型プラスミドであ
る;そしてpTiA66はアグロバクテリウムIS(挿入)配列
の自然の挿入による機能しないtms遺伝子をもつA6オク
トピン型プラスミドから由来する系統である。p499/6/
7,p499/6/8,p496−2とp496−1で定義された構造を含
むpTil5955プラスミドは各々,p529−8,p529−7,p529-11
とp529−2と名付けられた。pTiA66内の同じ構造は各
々,p539−6,p539−5,p539−2とp539−1と名付けられ
た。
1.5 植物の感染 p529とp539系列のTiプラスミドを含むアグロバクテリ
ウム・チューメファシエンス細胞は針で刺し,特定の細
菌細胞の注入によってヒマワリ植物の幹に感染させるの
に使われた。
1.6 ファセオリンの検知(detection) ファセオリンの蛋白鎖は実施例14中に述べてあるよう
にELISAsによって,こぶ(gall)に探知された。検査さ
れたすべてのこぶはファセオリンを含んでいることが見
つけられた;その量は,組織の新鮮な(fresh)重量グ
ラム当り20ngと0ngの間で多様であり,平均は約10mg/g
である。蛋白変性ゲル(SDS−ポリアクリルアミド)の
ウェスタン・ブロットによる解析は本来のファセオリン
より意味深長にも小さいにもかかわらず外見の分子量は
大きい分離したバンドを示した。正確なバンドの数や大
きさは宿主間で多様であり,それは宿主の特異な翻訳後
の加工(processing)の結果である。
ファセオリンのメッセンジャーRNA鎖は実施例12中で
述べられているように,こぶの中で探知された。検査さ
れたすべてのこぶは,ファセオリン(のRNA)鎖をポリ
(A)5+4RNA画分に含まれていることがわかった;そ
の量は平均全ポリ(A)RNAの約0.005%である。変性し
たDNAゲル(メチル マーキョリーアガロース)のノー
ザン・ブロットによる解析は,本来のファセオリンのメ
ッセンジャーRNA(1.6Kbp)と同じ大きさの大きい分子
量の分離したバンドを示した。
ファセオリンはまた,ELISAsによってpTiA66ベクター
によって感染される細胞に由来するshoot tissue中に探
知された。
ファセオリン蛋白とファセオリンのメッセンジャーRN
Aの信号の両方の探知される量は修飾されていないpTil5
955を修飾されていないpTiA66をもつアグロバクテリウ
ム・チューメファシエンスにより形質転換されたクラウ
ンゴールを分析する時にみられる誤差範囲以上に重要で
実質的なものである。
実施例2 この例は,完全なファセオリン遺伝子を実施例1中で
教えたものに類似したT−DNAに挿入することを教示す
る。この構成は1パリンのTiプラスミドであるpTiC58中
に,ノパリン合成遺伝子の領域内に挿入された配列を運
ぶように設計されたシャトルベクターを利用する。
2.1 シャトルベクターの構成 ノパリン型プラスミドpTiC58(第8図a)はSma Iで
消化され,ノパリン合成遺伝子をコードした断片はアガ
ロースゲル電気泳動によって単離された。この断片はBg
l IIリンカーに平滑末端連結され,それはそれからBgl
IIによる消化によって露出させられた。その結果生じた
DNA断片はBgl IIで線状化されたpRK290(第10図)と混
合され連結された。K802への形質転換後テトラサイクリ
ンによって選択され,プラスミドの単離され,そして制
限地図が作成された。その特定のプラスミドはpCF44A
(第8図b)と名付けられた。
4つのCla I部位は連続にpCF44Aを2度再切断するこ
とによって1つのCla I感受性の部位に変えられた。そ
のプラスミドはXho Iで消化され,それ自身で再連結さ
れ,そしてK802に形質転換された。選択後,プラスミド
の単離,そして制限地図の作成後,Xho I断片(2つのC
la I部位を有する)の欠失した適当なプラスミドはCla
Iで消化され,それ自身で再連結され,そしてK802に形
質転換された。選択,プラスミド単離,そして制限地図
作成の後,2度目の欠失したプラスミド(このたびのCla
I断片はnos遺伝子の5′末端の他はすべてをもつ)をpK
S-nopIV(第9図,第8図,第8図c)と名付けた。
2.2 Kan/bean遺伝子の挿入 pKS-KB3.8(第11図)はCla Iにより消化されカナマイ
シン耐性とファセオリンの遺伝子をもつ6.0Kbpの断片が
アガロースゲル電気泳動で単離された。この断片はCla
Iで線状化されたpKS-nopIVを混合され,連結され,そし
てK802に形質転換された。カナマイシンとテトラサイク
リンに対して耐性でアンピシリン感受性の形質転換株か
ら単離されたプラスミドは制限地図を作成され,第8図
bに示された構造をもつものはpKS-nopIV-KB3.8#5と
名付けられた。ファセオリン遺伝子をカナマイシン耐性
の左に位置した類似クローンは見つけられ,pKS-nopKB3.
8#5と名付けられた。
2.3 Tiプラスミドへの転移と植物の感染 三親交雑技術(従来技術と実施例14参照)はpTiC58で
あるノパリン型Tiプラスミドへその構造を転移するのに
使われた。pKS-nopIV-KB3.8#3と#5のpTiC58との交
雑の結果できた各々,TiプラスミドC58-nop KB#3とpC5
8-nop KB#5は制限地図作成とサザンブロット解析によ
って特徴づけられた。その2つのプラスミドのいずれか
を含む細菌(これらプラスミドはnos遺伝子の5′末端
由来の配列とnos遺伝子の3′側面の配列内に存在する
カナマイシン/ファセオリンの遺伝子の断片のいづれか
の方向をもっている)は,その細菌を注入することによ
って,ヒマワリ植物の幹に感染するのに別々に使われ
た。
2.4 発現していることの探知 ファセオリン遺伝子の発現は実施例13.5中のようにEL
ISAsによりヒマワリのこぶの組織中に探知された。
実施例3 この例はファセオリン,これは豆のPhaseolus vulga
ris L.の多くの種子貯蔵蛋白であるが,その遺伝子の操
作,いろいろな別の実施例に述べられたベクターへファ
セオリン遺伝子を挿入するための操作を教授する。
3.1 ファセオリン遺伝子のサブクローニング Charon 24A AG-PVPh177.4 (or 177.4;S.M.Sun et a
l.(1981)Nature 289:37-41,J.L.Slightom et al
(1983)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80;第14図)中のフ
ァセオリンの遺伝的クローンはBgl IIとBam H Iにより
消化された。ファセオリン遺伝子をもつ3.8kbpの断片と
それに側面する配列は,アガロースゲル電気泳動により
単離され,それらはBam H Iで線状化されたpBR322(第1
2図)と混合され,連結された。その混合物は,HB101に
形質転換され,そして,アンピシリンに耐性でテトラサ
イクリンに感受性のコロニー(colonies)は選択され
た。これらのコロニーから単離されたプラスミドは制限
地図を作成された。第13図に示された構造をもつプラス
ミドは選択されAG-pPVPh3.8(もしくは,p3.8)と名付け
られた。Bgl IIとBam H I部位の相互の連結は両部位を
不活性化する。
177.4の別のサブクローンはEco R Iによる消化によっ
て構成され,広範囲にわたる3′側面の配列とファセオ
リン遺伝子の最5′末端を除くすべてを含む7.2kbpの断
片の単離とHB101の形質転換株のアンピシリン選択後,
分離されたものは制限地図を作成された。pBR322のHind
III部位がファセオリン遺伝子5′末端に隣接し,3′の
翻訳されない領域内末端になった方向に挿入されたプラ
スミドはAG-pPVPh7.2と名付けられた。(or p7.2;第15
図;Sun et al.とSlightom et al.,同上)。
3.2 カナマイシン耐性遺伝子のクローニングと単離 pRZ102(R.A.Jorgenson et al.(1979)Mol.gen.Ge
net.177;65-72)は,トランスポゾンTn5の写し(copy)
をもっているコリシンE1プラスミドであるが,それはBa
m H IとHind IIIにより消化され,以前に同じ2つの酵
素により線状化されたpBR322と混合され,連結され,K80
2に形質転換された。アンピリシンとカナマイシンの両
方の耐性で選択された形質転換株から単離されたプラス
ミドは制限地図を作成され,第16図に示される構造をも
つものはpKS−4と名付けられた。
3.3 カナマイシン耐性とファセオリン遺伝子との連結 p3.8はCla IとBam H Iにより消化され,そしてファセ
オリン遺伝子とあるpBR322の配列を含む4.2kbpの断片
は,アガロースゲル電気泳動により単離された。これは
pKS4(第16図)をCla Iで線状化されたpBR322(第12
図)由来のカナマイシン耐性(ネオマイシンホスホトラ
ンスフェラーゼII,NPTII)遺伝子をもつTn5のCla I/Bam
H I断片と混合された。その混合物は連結され,そして
K802に形質転換された。アンピシリンとカナマイシンに
耐性のコロニーの選択後,プラスミドは単離され,制限
地図を作成した。第11図に見られる構造をもつコロニー
はpKS-KB3.8と名付けられた。
p7.2はEco R IとBam H Iにより消化され,そして,フ
ァセオリン遺伝子の5′末端を除くすべてをもつ3.0kbp
の断片はアガロースゲル電気泳動により単離された。こ
れはpKS4(第16図)由来のカナマイシン遺伝子とHind I
IIに線状化されたpBR322(第12図)をもつTn5のHind II
I/Bam H I断片と混合された。その混合物は連結され,K8
02に形質転換された。アンピシリンとカナマイシンに耐
性のコロニーの選択後,プラスミドは単離され,制限地
図を作成された。第17図に示される構造をもつコロニー
はpKS4-KB3と名付けられた。pKS4-KB内では,ファセオ
リンは遺伝子の最5′末端をコードしている配列とすべ
ての5′側面の領域を失っている(第14図を参照)。
実施例4 この実施例は遺伝子からイントロンを除去する方法を
教授する。これは遺伝子的環境(genomic environmen
t)にcDNAを置くのと同じである。非加工(unprocesse
d)の転写の5′と3′末端の両方のエクソン内に制限
酵素部位が見つけられるか,部位上に特異的変異によっ
てつくられる。これらの部位は遺伝子クローンとcDNAの
両方に存在する。分在するイントロンを含むDNAは遺伝
子クローンから除去でき,2つの部位にわたるそれに相当
するイントロンのないcDNAクローンの断片に置きかえら
れる。その逆の操作もまた可能である:イントロンを含
む遺伝子配列をcDNA環境中に置かれうる。あるものは遺
伝的クローンの内部断片をcDNAクローンの切断した相当
する隙間に挿入する。この後者の方法は類似している
が,イントロンがその変換される断片を作るために選ば
れる酵素の感受性な部位を含むよりもしばしば,技術的
にはより困難である。この困難は部分分解の条件の注意
深い選択とアガロースゲル電気泳動による所望断片の精
製により克服された。この戦略をさらにねったものは,
遺伝子内の個々のイントロンを他のイントロンとエクソ
ンとに影響を及ぼさないで操作すること,および不都合
な介在する制限部位が上述するようにイントロン内に存
在するときの配列を段階的に交換することを含む。
4.1 ファセオリンのイントロンを含む断片のcDNAとの
交換 ファセオリンとその側面の配列のプラスミドクローン
であるp3.8をEco R IとSac Iで各々部分的にかつ完全に
分解した。そして,pBR322ベクターおよびそのイントロ
ンの5′と3′末端の両方を含む6.4kbpの断片をアガロ
ースゲル電気泳動により単離した。pcDNA31(ファセオ
リンのmRNAから作成されたcDNAのpBR322プラスミドクロ
ーン)はSac IとEco R Iにより各々部分的にかつ完全に
分解され,そして最5′と3′末端の配列を除く全ファ
セオリンcDNAを含む1.33kbpの断片はアガロースゲル電
気泳動により単離された。これらの2つの断片はいっし
ょに連結され,HB101に形質転換された。コロニーの選択
後,菌の増殖,プラスミドの単離をし,制限地図作成の
結果,欲しい構造をもつプラスミドであることを確認し
た。
このプラスミドはp3.8-cDNA(第22図)と名付けられ
た。その全構造は第18図に示してある。
4.2 p3.8-cDNAの使用 p3.8-cDNAは遺伝子DNA源たとえばすべての他の例で使
われるp3.8に代用できることに注目する。そして,その
ようにして使った時のp3.8-cDNAはイントロンを欠失し
ているものであるような違った類似構造を生じるだろ
う。もしくは,この戦略はすでに作られた構造からイン
トロンを除去するために使うことができる。
実施例5 この例の目的はpTil5955と他のオクトピンTiプラスミ
ドのtms(芽"shooting"位置)からtmr(根"rooting"位
置)を通って欠失したTiプラスミドを生ずることであ
る。この誘導体はこれによって形質転換された細胞が完
全な植物に再生するのに完全なtmstmr遺伝子をもつpT
il5955によって形質転換された細胞よりも簡単であるの
で有用である。
tmstmrを欠失したpTi15955は2つの方法で最後に換
えられる:tmstmr不活化と外来遺伝子の挿入。これら
の2つの変換はT−DNAの違った位置で設定されると,
各々の変換は違ったシャトルベクターにより独立に挿入
される。変換によりできた各シャトルベクターは別個に
選択され,それはアグロバクテリウム中で選択できる少
なくとも2つのマーカーの使用を必要とする。いつもの
カナマイシン耐性の他にこの実施例はpBR325由来のクロ
ラムフェニコール耐性を利用した。
5.1 クロラムフェニコール耐性遺伝子クローンの構成 pBR325はHinc IIにより消化され,平滑末端はHind II
Iリンカーと連結された。その結果として生じたものはH
ind IIIにより消化され再連結され,クロラムフェニコ
ール耐性(cam)で選択されpKS−5と名付けられた(第
19図)。これは,cam遺伝子を含むHind III/Bcl I断片
の起源として機能する。
5.2 欠失とcam遺伝子をもつT−DNAのpBR322クローン
の構成 9.2kbpの線状化DNA断片はp203のHind III完全分解とB
am H I部分分解から単離される(第31図)。cam遺伝子
をもつ断片はpKS−5から単離され,9.2kbpの線状化断片
と混合され,連結され,E.coilに形質転換され,クロラ
ムフェニコール耐性で選択され,pKS-oct.Cam203と名付
けられた(第20図)。
pKS-oct.Cam203はpTi15955の多くのTL欠失変異体を構
成するのに使われうるプラスミドクローンである。TLの
右腕と,その右腕の左に耐性遺伝子を含む。TLの多種の
左腕はcam遺伝子の左(Hind III部位)に付着された。
例えば,もし,p102が付着されたら,欠失は5.2kbpの長
さになり,そしてtmstmrの全部を含む。もし,p103が
付着されたら,欠失は3.2kbpの長さになり,tmsの一部
tmrの全部を含む。第2図を参照。
pKS-oct.Cam203はHind IIIにより消化された。p102か
p103はHind IIIにより消化され,そして2.2kbpか2.0kbp
のT−DNAの断片は単離され,線状化されたpKS-oct.Cam
203と連結され,形質転換され,それぞれ生じたpKS-oc
t.del. II(第21図)またはpKS-oct.del. I(第22図)
を単離した。これらの構造は,交雑によりアグロバクテ
リウム・チューメファシエンスに移行し相同的組み換え
(homologous recombinations)そして,クロラムフェ
ニコール耐性で選択した。あるいは一つは確立した方法
を用いて,プラスミドのもつ構造をBam H Iで線状化
し,そしてpRK290のBgl II部位に連結することによって
pRK290にその構造を挿入した。
実施例6 Tiプラスミドはこの例ではtmr中のHpa I部位からtml
中のSma I部位の間のT−DNAを欠失することによって変
異される。改変することのできるTiプラスミドはpTi159
55,pTiB6,pTiA66および他のものを含む。この構成は第2
3図に示される。
6.1 Cam遺伝子の単離 pKS−5(第19図)はHind IIIとBcl Iにより消化され
た。最も小さい断片が実施例5で教授したように,アガ
ロースゲルで分離後,単離される。
6.2 欠失をもつT−DNAのpBR322クローンの構成 TーDNAの欠失の右手腕はp203のSma I部位にBgl II部
位を挿入することによって構成される(第23図参照)。
p203はSma Iによって消化され,Bgl IIで消化され,再
連結され,K802に形質転換された。別の構成ではBam H I
リンカーはBgl IIリンカーの代わりをしそして適当なBa
m H I部分分離物が単離される。その結果として生じる
プラスミドはp203-Bgl IIと名付けられ,そしてBgl II
Hind IIIにより消化される。断片を含むその大きなBg
l II/Hind IIIベクターは実施例6.1に述べられているよ
うに単離されたクロラムフェニコール耐性断片と連結さ
れた。クロラムフェニコール耐性はK802への形質転換後
に選択される。その結果生じたプラスミドはp2f(第23
図)と名付けられる。
6.3 T−DNA欠失クローンの左手腕の構成 Hind III部位はp202のHpa I部位に,Hpa Iで消化しそ
してHind IIIリンカーと連結することにより挿入され
る。Hind IIIによる消化による粘着末端の露出後Hind I
II末端をもつ2kbp Hpa I断片が単離される。Hind III末
端のHpa I断片をHind III分解し,K802に形質転換する。
欲しい断片を含むコロニーが分離された後,特徴づけ,
そのプラスミドはp3e(第24図)と名付けられる。
6.4 T−DNA欠失クローンの構成 クローンの左手腕は,電気泳動後,アガロースゲルか
ら溶出させることにより,p3eのHind III分解の2kbp断片
を精製することにより得られた。p2fはHind IIIにより
切断され,アルカリホスファターゼにより処理され,2kb
p断片と混合され,連結され,K802に形質転換され,そし
てクロラムフェニコール耐性で選択される。プラスミド
は個々のコロニーから単離され,制限地図作成によって
特徴づけられる。所望の縦並びの配置方向に2つの腕を
もつプラスミドが選ばれ,pKS-oct.del IIIと名付けられ
る。(第25図) pKS-oct.del IIIは,交雑によりアグロバクテリウム
・チューメファシエンスに移入され,相同的組み換え体
(homologous recombinants)は,クロラムフェニコー
ルによる選択によって選択される。ヒマワリとタバコの
根や若枝(shoots)は,他の例に述べられてあるように
植えられ,生じた腫瘍はオーピンに対して試験される。
実施例7 この例はtmrtmlを欠失する構成を教授するものであ
り,実施例6の別法である。
7.1 Bgl II部位をもつクロラムフェニコール耐性の構
成 pBR325はHinc IIにより消化され,平滑末端はBgl II
リンカーと連結され,Bgl IIにより消化され,再連結さ
れる(第26図)。クロラムフェニコール耐性は,K802かG
M33の形質転換後,選択される。その結果,生じたプラ
スミド,pKS−6はcam遺伝子をもつBgl II/Bcl I断片の
源として機能する。
7.2 tmr.tml欠失クローンの構成 p203はHpaSma Iにより消化される。平滑末端をBgl
IIリンカーと連結後,Bgl IIにより消化され,Bgl II粘
着末端を露出し再連結し,K802に形質転換した。所望の
構造が確認され,p2と名付けられる。(第27図) 7.3 T−DNA欠失クローン(pKS-oct.del IIIa)の構成 cam遺伝子をもつBgl II断片はpKS−6から単離され,
Bgl IIで切断されたp2に連結される。クロラムフェニコ
ール耐性はK802の形質転換後,選択される。その結果生
じたプラスミドはpKS-oct.del IIIa(第28図)と名付け
られ,実施例6.4に述べられているように試験される。
実施例8 この構成の目的は,tmrに位置するHpa部位にだけ,ク
ロラムフェニコール遺伝子の挿入によるtmrの変異の例
を供給することである。この遺伝子はpKS−6からBgl I
I/Bcl I断片として単離され,p203のBgl II部位に変換さ
れるHpa I部位に連結される。
8.1 Hpa部位のBgl II部位への変換 p203はHpaにより消化され,Bgl IIリンカーに連結さ
れ,Bgl IIにより削られ,再連結される。K802の形質転
換後コロニーは選択され,Bgl II部位の挿入に対する制
限地図作成によって検索される(第29図)。
8.2 cam遺伝子の単離 pKS−6は,Bgl IIとBcl Iにより消化される。もっと
も小さい断片は,アガロースゲル電気泳動により単離さ
れる。
8.3 変異したT−DNAのクローンの構成 実施例8.1からの修飾したp203はBgl IIにより消化さ
れ,実施例8.2からの調製したcam遺伝子と連結され,そ
してK802に形質転換される。クロラムフェニコール耐性
で選択され,耐性形質転換株から単離し,そして制限酵
素地図作成による特徴づけの後,そのプラスミドはpKS-
oct.tmr(第30図)と名付けられる。
実施例9 この例での再生はRi-based TIPプラスミドによって刺
激されたニンジンの腫瘍を包含しM.−D.Chilton et a
l.(1982)Nature 295:432〜434によって述べられてい
るように本質的に遂げられる。
9.1 毛状の根を感染すること ニンジンの円板状組織は水0.1ml当り約109の細胞を植
菌される。得られた末端の1.5cmの部分に対して1つが
切りとられ,ホルモンを欠いた固体(1〜1.5%寒天)M
onier培地(D.A.Tepfer and J.C.Tempe (1981)C.R.He
bd.Seanc.Acad.Sci.Paris 295:153-156)に置かれ,暗
所で25℃〜27℃で生育される。細胞による汚染のない培
地は,2〜3週間ごとに移され,ホルモンと寒天を欠いた
Monier培地にさらに植えて培養される。
9.2 根の植物への再生 実施例9.1に述べられているように培養された根組織
は0.36μM2,4−Dと0.72μM Kinetinで補われた固体
(0.8%寒天)Monier培地に置かれる。4週間後,その
結果,生じたカルス組織はホルモンを欠いている液体Mo
nier培地中に置かれる。1ケ月間,22℃〜25℃でシェイ
カー(150rpm)で保温の間,カルスは懸濁培地に分離し
幼胚は分化し,ホルモンを欠いたMonier培地を含むペト
リ皿に置いた時,苗木に育つ。これらの苗木は,培地中
で育ち,段階的に減少した湿度の空気にさらすことによ
り”強くした(hardening)”後,温室か庭園(フィー
ルドプロット)中の土壌に移される。
9.3 非毛状の根のベクターの使用 機能するtmr遺伝子をもたないTiを基礎にしたベクタ
ーは,実施例9.1と9.2に述べられているようにRiを基礎
にしたベクターの代わりに使われる。適当な欠失の構成
は実施例6,7と8に述べられている。
実施例10 この実施例での再生は,Tiに基づくTIPプラスミドによ
って刺激されたタバコの腫瘍を含む,本質的にK.A.Bart
on et al.(1983)Cell 32:1033〜1043によって述べ
られているように遂げられる。
10.1 クラウンゴールの感染 タバコ組織は,初めA.C.Braun (1956)Canc.Res.16:
53-56に述べられているように,転化した茎断片を利用
する方法を使って形質転換される。茎は7%の商品化さ
れているクロロックスと80%エタノールで表面を殺菌さ
れ,殺菌した蒸留水ですすぎ,1cm切片に切り,ホルモン
を欠いた寒天固体MS培地(T.Murashige and F.skoog
(1962)Physiol.Plant.15:473-497)を含むペトリ皿中
に基底部におく。植菌は,注射針で茎の切られた基底表
面にさし,細菌を注入することにより遂げられる。茎は
25℃で1日当り16時間明所で培養される。育ったカルス
(calli)は茎切片の上部表面から除かれ0.2mg/mlのカ
ルベニシリンを含みホルモンを欠いた固体MS培地に置か
れ,1ケ月のうち,3回,時々,新しいMSーカルベニシリン
培地に移され,培地に細胞が浮遊しているかどうかを確
かめるため,試験される。無菌組織は上述されているよ
うな培地条件(25℃,16hr.:8hr.明所:暗所)の下で補
足のない固体MS培地で維持される。
10.2 形質転換された組織の培地 クローンは,A.Binns and F.Meins (1979) Planta 1
45:365-369により述べられているように形質転換された
無菌組織から得られる。カルス(calli)は,2,3日間,25
℃で0.02mg/lナフタレン酢酸(NAA)のある液体MS中で
の培養によって細胞懸濁液に変えられるが,その間135r
pmで振とうされ,543と213μmのステンレス製の網を通
って濾過される。通過した濾過液は濃縮され,0.5%の溶
解された寒天,2.0mg/l NAA,0.3mg/lキネチンと0.4g/lDi
fcoイーストエキスを含むMS培地の5mlに約8×103細胞/
mlの濃度でプレーティングされる。約1mmの直径に達し
たコロニーはメス先端で採集され,2.0mg/l NAAと0.3mg/
lキネチンを含む固体MS培地に置き,そして生育され
る。その結果として生じたカルス(calli)は個々に分
裂し,そして形質転換された表現型を検査される。
10.3 植物の再生 形質転換されたクローンは,0.3mg/lキネチンを含む固
体MS培地に置かれ,実施例10.1に述べられたように培養
される。形成している芽は1/10強度のMS培地塩,0.4mg/l
のサイアミンを含み,シュークロースとホルモンを欠い
ており,7.0のpHである固体(1.0%寒天)培地にそれら
を置くことにより,根づかせられる。根づかされた苗木
(plantlet)は,培地中で生育され,実施例9.2に述べ
られているように強く(harder)され,温室か庭園(fi
eld plot)のどちらかの中で土壌に移される。
10.4 使用されるベクター 実施例10.1,10.2と10.3に述べられている方法は機能
するtmr遺伝子を欠いたTiに基づいたベクターに適当で
ある。適当な欠失の構成は実施例6,7と8の中で述べら
れている。これらの方法も,Riに基づいたベクターとと
もに使われた時,有効である。実施例10.1の中で転化し
た茎断片の感染に対して述べられている方法は,しばし
ばTIP形質転換植物細胞系列の確立に役立つ。
実施例11 ファセオリンは,Phaseolis vulgarisの豊富な貯蔵
蛋白(全種子蛋白の約50%)である。機能するファセオ
リン遺伝子のアルファルファ植物への移入とファセオリ
ンメッセンジャーRNAの貯蔵されるファセオリンの翻訳
は,それが貯蔵蛋白合成を葉材に,家畜飼料として使わ
れるべく導入するので重要な経済的価値をもつ。アルフ
ァルファは,ファセオリン遺伝子の移入と発現に対し,
価値ある植物である,というのも,それが家畜飼料とし
ての受容体(acceptance)であり,それが速く育ち,リ
ゾビウムとの共生をとおして窒素固定が可能であり,ク
ラウンゴール感染に感受性であり,そして一つの細胞か
プロトプラストからアルファルファ植物への再生が可能
であるからである。この例は発現しうるファセオリン遺
伝子の完全なアルファルファ植物への導入を教授する。
11.1 シャトルベクターの構成 アルファルファ植物は以後述べられるように,遺伝学
的に巧みに処理したアグロバクテリウムのプラスミドを
含むクラウンゴール組織から再生される。初段階で我々
は,機能するファセオリン遺伝子を組み換えたtmr -tm
s -のTーDNA変異体を含む”シャトルベクター”を構成
する。この構成は順番に下流に機能するネオマイシンホ
スホトランスフェラーゼ(NPT II)の構造遺伝子(カナ
マイシン耐性)をもつノパリン合成酵素のプロモーター
と組み換えられる(reported by M.−D.Chilton,et a
l.(18 January 1983)15th Miami Winter Symposium;
J.L.Marx(1983)Science 219:830 and R.Horsch et a
l.(18 January 1983)15th Miami Winter Symposium.
参照)。このタイプ構成は,実施例1に説明されてい
る。
11.2 アグロバクテリウムと植物細胞への移入 ”シャトルベクター”はそれから決まりの技術で(実
施例14)pTi15955のようなTiプラスミドを含むアグロバ
クテリウムのある株に形質転換される。組み換えプラス
ミドを含むバクテリアは選択され,そして細胞壁を再生
されているアルファルファとともに一緒に培養される
(Marton et al.(1979) Nature 277:129-131;G.J.W
ullems et al.(1981) Proc.Nat.Acad.Sci.USA 78:4
344-4348;and R.B.Horsch and R.T.Fraley (18 Januar
y 1983)15th Miami Winter Symposium)。
細胞は,培地で生育され,その結果として生じたカル
ス組織はノーザンブロッティング(実施例12)による特
定のm−RNAの存在やELISA試験による特定の蛋白の存在
を検査される(J.L.Marx (1983) Science 219:830;R.
B.Horsch and R.T.Fraley(18 January 1983)15th Mia
mi Winter Symposium参照)。
11.3 植物の再生 アルファルファ植物は,それからA.V.P.Dos Santos e
t al.(1980) Z.Pflanzenphysiol.99:261-270;T.J.M
cCoy and E.T.Bingham (1977)Plant Sci.Letters 10:
59-66;and K.A.Walker et al. (1979) Plant Sci.Le
tters 16:23-30により以前より使用されている方法に似
た方法でカルス組織から再生される。これらの再生され
た植物はそれから新しい商業的多様性に対して基礎を形
成している慣習的な植物を生育する技術によって繁殖さ
せられる。
実施例12 すべての実施例において,RNAが抽出され,分画され,
次の処理によって探知される。
12.1 RNA抽出 この処理はSilflow et al. (1981) Biochemistry
13:2725-2731の修正したものであった。CsCl遠心分離に
対するLiCL沈澱の代用はMurray et al. (1981) J.Mo
l.Evol.17:31-42により述べられていた。沈澱するため
の2M尿素を加えた2M塩化リチウムの使用はRhodes (197
5)J.Biol.chem.25:8088-8097から引用された。
組織はポリトロンかグラウンドガラスホモゲナイザー
を使って4%のパラ−アミノサリシル酸,1%トリーイソ
プロピルナフタレンスルホン酸,10mMジチオスレイトー
ル(新鮮に作られたもの)と10mM Na−メタビサルファ
イト(新鮮に作られたもの)を含む冷却した50mMトリス
−塩酸(pH8.0)の4ー5倍量中で均質化された。オク
タノールは泡立ちを抑制するのに必要とされるものとし
て使われる。1%の8−ヒドロキシキノリンを含むトリ
ス飽和されたフェノールの等量が均一化物に加えられ,
それから振とうされ,乳状にし,そして20000-30000gで
4℃,15分間,遠心分離された。水の上層はクロロホル
ム/オクタノール(24:1)で1度,抽出され,上のよう
に遠心分離される。濃縮された塩化リチウム−尿素溶液
はそれから各々,2Mの最終濃度になるように加えられ,
その混合液は数時間,20℃で放置された。そのRNA沈澱物
は,それから遠心分離で落とされ,2M塩化リチウムによ
り,ペレットを分散するため,洗われた。その沈澱物は
それから70%エタノールー0.3M酢酸ナトリウムにより洗
われ,透明な溶液になるように充分な殺菌水に溶かされ
た。エタノールを1/2倍量加えられ,そしてその混合液
は1/2時間水上に置かれ,その後,雑多な多糖をとり除
くため遠心分離された。RNA沈澱物はそれから再生さ
れ,そして水か殺菌した塩を含まないポリ(U)緩衝液
に再溶解された。
12.2 ポリ(U)/セファデックス クロマトグラフィ
ー 2つのポリ(U)/セファデックス(商標:Pharmaci
a,Inc.Uppsala,Sweden)緩衝液を用いた。一つは無塩で
20mM Tris,1mM EDTAおよび0.1%SDSを含んでいる。もう
一つは一つ目の緩衝液に0.1Mの塩化ナトリウムを加えた
ものである。A426において,良好な会合を起こすため
に,2x貯蔵緩衝液を作る必要がある。そして一部分に塩
を加えることが必要である。最終濃度に合わせてから,
緩衝液をオートクレーブにかける。
ポリ(U)/セファデックスは,Bethesda Reseach La
boratoriesより得た。100μgの期待されるポリ(A)R
NAについて1gのポリ(U)/セファデックスを用いた。
ポリ(U)/セファデックスを,無塩のポリー(U)緩
衝液に水和し,ジャケットをつけたカラムに流し込む。
温度を60℃に上げ,カラムを無塩緩衝液で260mmにおけ
るベースラインが平滑になるまで洗った。最終的には,
カラムを塩を含むポリ(U)緩衝液で40℃で平衡化す
る。
濃度が500μg/ml以下のRNAを無塩緩衝液中で65℃,5分
間加熱した。その後,冷却し,塩化ナトリウムを0.1Mの
濃度になるように加えた。それから光学濃度が安定なベ
ースラインまで落ちるまで,流速1ml/min.以下で流した
カラムにRNAを移す。それから,カラム温度を60℃まで
上げ,RNAを無塩ポリ(U)緩衝液で溶出させた。RNAは
普通3倍のカラム容量で洗い出される。溶出したRNAを
用いやすい容量まで2級ブタノールで濃縮し,10mMにな
るように塩化ナトリウムを加えた後,2倍容量のエタノー
ルを加え沈澱させる。エタノール沈澱物を水に溶かし,
NH4−酢酸塩を0.1Mになるよう加える。そしてエタノー
ルで再び沈澱させる。最終的にRNAを殺菌水に再溶解
し,−70℃において保存する。
12.3 ホルムアルデヒドRNAゲルと”ノーザン”ブロッ
ト 用いる方法はThomas(1980)Proc.Nat.Acad.Sci.USA
77:5201およびHoffman,et al.(1981)J.Biol.Chem.2
56:2597によるものである。
20mMリン酸ナトリウム(pH6.8〜7.0)を含む0.75〜1.
5%のアガロースゲルを固めた。もし高分子の集合した
バンドが現れたら,6%あるいは2.2Mのホルトアルデヒド
(36%の貯蔵溶液を用いる)を加えて,実験をやり直し
た。ホルムアルデヒドをアガロースに65℃まで冷やして
から加えた。ホルムアルデヒドを加えると臭化エチヂウ
ムにより発見が困難になる。泳動緩衝液は10mMリン酸ナ
トリウム(pH6.8〜7.0)である。
電気泳動に先だち,RNAを最終濃度6%ホルムアルデヒ
ド,50%ホルムアルデヒド,20mMリン酸ナトリウム緩衝液
および5mM EDTAの変性緩衝液で処理した。RNAを緩衝液
中60℃で10〜20分間保温した。保温は,停止緩衝液の添
加に停止した。20μlのサンプルについて,4μl 50%グ
リセロール,10mM EDTA,5mMリン酸ナトリウムそしてブロ
ムフェノールブルーを加えた。
浸水した電気泳動を用いる。ゲルを浸す前に,RNAをロ
ードした。そして125mAで5分間ゲルの中に入れた。
それからゲルを水に浸し,電流を30mA(夜通し)ある
いは50mA(6〜8時間)に下げる。緩衝液を循環させ,
低温室で電気泳動を行った。
12.4 ”ノーザン”ブロット もし,特異的なRNAを発見するためにブロットするゲ
ルならば,染色しなかった。しかし分離したマーカーの
レーンは染色に用いた。染色は0.1M酢酸ナトリウム中,5
μg/ml臭化ブロマイドで行い,脱染は0.1M酢酸ナトリウ
ム中,数時間行った。染色の前に,5〜10分間,60〜70℃
の水で処理すると視認が容易になった。
ブロットするゲルを15分間,10x標準サリンクエン酸
(SSC)ー3%ホルムアルデヒドに浸した。もし,大き
なRNA分子がゲルから溶出しなければ,そのときは処理
の前にRNAに切れ目をいれるために50mM水酸化ナトリウ
ム中,10〜30分間処理した。もし,基礎処理を用いたの
なら,ブロットする前にゲルを中和し,SSC−ホルムアル
デヒドに浸すべきである。RNAのニトロセルロースへの
転移は標準方向により行った。
プレハイブリダイゼーションを42℃で最低4時間,50
%ホルムアルデヒド,10%デキストラン,5x SSC,5xデン
ハート,100μg/ml変性キャリヤーDNA,20μg/mlポリ
(A),40mMリン酸ナトリウム(pH6.8〜7.0),0.2%SDS
中で行った。ハイブリダイゼーションをプローブを同じ
緩衝液に加え,一晩保温して行った。プローブはだいた
い,5×105cpm/ml以上の濃度で用いた。
ハイブリダイゼーション後,ニトロセルロースを、42
℃で2x SSC,25mMリン酸ナトリウム,5mM EDTA,2mMピロリ
ン酸ナトリウム溶液を用いて何度も洗った。最後に,64
℃で20分間,1x SSCで洗った。
もし,オートラジオグラフィーに際して,フィルター
が乾燥していなくてまた,ブローブが1mMEDTAにより64
℃で広範囲に洗ったことで除かれているのなら,最上の
結果が得られた。
実施例13 ”ウェスタン”ブロット(SDS ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動後,抗原を発見するために行う)は,本質的
にはR.P.Legocki and D.P.S.Verma (1981) Analyt.Bi
ochem.111:385-392に示されているのと同様に行った。
マイクロ−ELISA(enzyme-linked immunosorbant ass
ay)を96個のウェル(well)をもつImmulon−2型プレ
ートを用いて次ぎに示すステップにより行った。
13.1 プレートへの抗体の結合 一日目,ウェルをコーティング緩衝液で1:1000に希釈
した抗体(ウサギ抗ファセオリンIgG)でコート(coa
t)した。200μl/wellで37℃で2〜4時間,保温した。
プレートをサランラップでおおった。それから,プレー
トをリン酸緩衝液サリンーツイーン(PBS-Tween)で3
回洗った。各々の洗いのステップは5分間あけた。それ
から,1%のボバインセーラムアルブミン(BSA)を洗い
のために加え,20分間放置してから,捨てた。洗いはPBS
-Tweenを用いて5回以上,行った。
13.2 組織の均質化 組織を小片に切ってからポリトロンにより,1gmの組織
/mlリン酸緩衝液サリンーツイーンー2%ポリビニル,
ピロリドンー40(PBS-Tween-2% PVP-40)の条件でホモ
ジェナイズした。すべてのサンプルは破砕の前後および
ファセオリン標準曲線の作成の前後は氷中で保存した。
組織のホモジェネートで標準曲線を作成した。そして,
組織に依存するファセオリンの回収をチェックするため
に緩衝液で標準曲線を作った。ホモジェナイズしたサン
プルを遠心分離した後,各々のサンプルのうち100μl
をウェルに入れ,4℃で一晩,放置した。失敗を避けるた
めに各々のサンプルについて2個,同じことをした。保
温中,プレートはシールした。
13.3 酵素の結合 一晩,保温後,抗原を捨てウェルをPBS-Tweenで5回
洗う,各々の洗いの間に5分間の間隔を置いた。
結合物(ウサギ抗ファセオリンIgG アルカリフォス
ファターゼ結合)をPBS-Tween−2%PVP(0.2%BSAを含
む)で1:3000に希釈し,150μlを各ウェルに加えた。そ
して37℃で3〜6時間,保温した。保温後,結合物を捨
て,ウェルをPBS-Tweenで5回洗う,各々の洗いの間に
5分間の間隔を置く。
13.4 分析 分析を始める直前に,p−ニトロフェニルフォスフェイ
トの5mgの錠剤(Sigmaより得た。そして暗所で凍結保
存)を,10mlの基質に加え,錠剤が溶解するまで攪拌す
る。200μlの室温溶液をすばやく各ウェルに加える。
反応を種々の時間(たとえばt=0,10,20,40,60,90,120
分)において,Dynatech Micro-ELISA readerを用いて測
定した。
p−ニトロフェニルフォスフェイト(無色)がアルカ
リフォスファターゼにより無機リン酸とpーニトロフェ
ノールに加水分解されるとpーニトロフェノールが溶液
に黄色を与えた。それは410nmにおけるスペクトロメト
リカリーに読むことができた。検出できる最小量は0.1n
gより小であった。
実施例14 三親交雑は,一般的に次に示すように行われた。専門
家に知られた他の変法も用いることができる。
E.coil K802(pRK290に基礎をおくシャトルベクタ
ー)をEcoil(pRK2013)およびストレプトマイシンに
耐性なアグロバクテリウム・チューメファシエンス株と
交雑した。pRK2013は,シャトルベクターをもつ株に移
り,アグロバクテリウムへ移入するためのシャトルベク
ターを作った。ストレプトマイシンおよびシャトルベク
ターが耐性である薬剤(だいたい,カナマイシンか,ク
ロラムフェニコール)の両方を含む培地で成育するもの
の中からシャトルベクター配列を有するアグロバクテリ
ウムの細胞を選択した。これらの細胞とEcoil(pPH 1
J1)との交雑によりアグロバクテリウム細胞にpPH 1J1
が移った。pPH 1J1とpRK290に基礎を置くシャトルベク
ターは同一細胞内に長時間,共在することができない。
ゲンタマイシン(pPH 1J1が耐性遺伝子をもつ)を含む
培地で成育させれば,pRK290配列の欠落した細胞を選択
することができた。ストレプトマイシンおよびゲンタマ
イシンおよびカナマイシンあるいはクロラムフェニコー
ルに耐性な細胞のみがシャトルベクターと二重相同部位
組み換えをおこしたTiプラスミドを持ち,望みの構成を
もっている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例11,12および14のプラスミドを
比較した説明図,第2図はpTi15955のT−DNA領域を示
す説明図,第3図はp395とp376の作成を示す説明図,第
4図はp499/6/7の構造を示す説明図,第5図はp499/6/8
の構造を示す説明図,第6図はp496-2の構造を示す説明
図,第7図はp496−1の構造を示す説明図,第8図は各
プラスミドの構造を示す説明図,第9図はpKS-nop IVの
構造を示す説明図,第10図はpRK290の構造を示す説明
図,第11図はpKS-KB3.8の構造を示す説明図,第12図はp
BR322の構造を示す説明図,第13図はp3.8の構造を示す
説明図,第14図はファセオリン遺伝子の構造を示す説明
図,第15図はAG-pPV ph7.2(p7.2)の構造を示す説明
図,第16図はpKS−4の構造を示す説明図,第17図はpKS
4-KBの構造を示す説明図,第18図はp3.8-cDNAの作成と
構造を示す説明図,第19図はpKS−5の作成を示す説明
図,第20図はpKS-oct.Cam 203の作成を示す説明図,第2
1図はpKS-oct.del IIの構造を示す説明図,第22図はpKS
-oct.del Iの構造を示す説明図,第23図p2fの作成方法
を示す説明図,第24図はp3eの作成方法を示す説明図,
第25図はpKS-oct.del IIIの作成方法を示す説明図,第2
6図はpKS−6の作成方法を示す説明図,第27図はp2の作
成方法を示す説明図,第28図はpKS-oct.del IIIaの作成
方法を示す説明図,第29図はp203のHpa I部位のBgl II
部位への変換方法を示す説明図,第30図はpKS-oct.tmr
の構造を示す説明図,第31図はp203の構造を示す説明図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:01) (C12N 5/10 C12R 1:91) (72)発明者 ジェリー エル.スライトム アメリカ合衆国 ウィスコンシン 53714 マジソン,レタナ ドライブ 5010 (72)発明者 デニス ダブリュ.サットン アメリカ合衆国 ウィスコンシン 53558 マックファーランド,アルベン アベニュー 5611 (72)発明者 ノリモト ムライ アメリカ合衆国 ウィスコンシン 53703 マジソン,ウェスト ゴーラム ストリート 138

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロモーターと植物の構造遺伝子とを含む
    植物遺伝子の挿入されたT−DNAを有し、該プロモータ
    ーが植物の構造遺伝子の5′末端に隣接し、そして、該
    植物の構造遺伝子が該プロモーターから転写方向に下流
    に存在するDNAシャトルベクター、ここで該プロモータ
    ーは、tmlプロモーターおよびファセオリンプロモータ
    ーからなる群から選択される。
  2. 【請求項2】前記植物の構造遺伝子がイントロンを含
    む、特許請求の範囲第1項に記載のベクター。
  3. 【請求項3】前記植物遺伝子がT−DNAのtml遺伝子内の
    ある部位において挿入されている、特許請求の範囲第1
    項に記載のベクター。
  4. 【請求項4】前記プロモーターと前記植物の構造遺伝子
    が異なる遺伝子に由来し、そして機能する混成植物遺伝
    子を形成するために結合された、特許請求の範囲第1項
    に記載のベクター。
  5. 【請求項5】前記植物の構造遺伝子がcDNAを含む、特許
    請求の範囲第1項に記載のベクター。
  6. 【請求項6】前記T−DNAが修正されており、その修正
    がtmsまたはtmr中の変異を含む、特許請求の範囲第1項
    に記載のベクター。
  7. 【請求項7】前記植物の構造遺伝子がファセオリンの構
    造遺伝子である、特許請求の範囲第1項に記載のベクタ
    ー。
  8. 【請求項8】プロモーターと植物の構造遺伝子とを含む
    植物遺伝子の挿入されたT−DNAを有し、該プロモータ
    ーが植物の構造遺伝子の5′末端に隣接し、そして、該
    植物の構造遺伝子が該プロモーターから転写方向に下流
    に存在するDNAシャトルベクターを含みかつ複製させる
    細菌株、ここで該プロモーターは、tmlプロモーターお
    よびファセオリンプロモーターからなる群から選択され
    る。
  9. 【請求項9】前記植物の構造遺伝子がイントロンを含
    む、特許請求の範囲第8項に記載の細菌株。
  10. 【請求項10】前記植物遺伝子がT−DNAのtml遺伝子内
    のある部位において挿入されている、特許請求の範囲第
    8項に記載の細菌株。
  11. 【請求項11】前記プロモーターと前記植物の構造遺伝
    子が異なる遺伝子に由来し、そして機能する混成植物遺
    伝子を形成するために結合された、特許請求の範囲第8
    項に記載の細菌株。
  12. 【請求項12】前記植物の構造遺伝子がcDNAを含む、特
    許請求の範囲第8項に記載の細菌株。
  13. 【請求項13】前記T−DNAが修正されており、その修
    正がtmsまたはtmr中の変異を含む、特許請求の範囲第8
    項に記載の細菌株。
  14. 【請求項14】アグロバクテリウム・チューメファシエ
    ンスもしくはアグロバクテリウム・リゾゲネスを含む、
    特許請求の範囲第8項に記載の細菌株。
  15. 【請求項15】前記DNAベクターが、p529−2、p529−
    8、p539−5、p539−9、pC58-nop-KB#3もしくはpC5
    8-nop-KB#5からなる群から選択される、特許請求の範
    囲第8項に記載の細菌株。
  16. 【請求項16】前記植物の構造遺伝子がファセオリンの
    構造遺伝子である、特許請求の範囲第8項に記載の細菌
    株。
  17. 【請求項17】DNAシャトルベクターが移入された植物
    組織または植物細胞であって、該DNAシャトルベクター
    が、プロモーターと植物の構造遺伝子とを含む植物遺伝
    子の挿入されたT−DNAを有し、ここで、該プロモータ
    ーが植物の構造遺伝子の5′末端に隣接し、そして該植
    物の構造遺伝子が該プロモーターから転写方向に下流に
    存在し、該プロモーターは、tmlプロモーターおよびフ
    ァセオリンプロモーターからなる群から選択される。
  18. 【請求項18】前記プロモーターと前記植物の構造遺伝
    子が異なる遺伝子に由来し、そして機能する混成植物遺
    伝子を形成するために結合された、特許請求の範囲第17
    項に記載の植物組織または植物細胞。
  19. 【請求項19】前記植物の構造遺伝子がcDNAを含む、特
    許請求の範囲第17項に記載の植物組織または植物細胞。
  20. 【請求項20】前記植物の構造遺伝子が1つまたはそれ
    以上のイントロンを有する、特許請求の範囲第17項に記
    載の植物組織または植物細胞。
  21. 【請求項21】前記植物の構造遺伝子が種子貯蔵蛋白を
    コードする、特許請求の範囲第17項に記載の植物組織ま
    たは植物細胞。
  22. 【請求項22】前記植物の構造遺伝子がファセオリンを
    コードする、特許請求の範囲第17項に記載の植物組織ま
    たは植物細胞。
  23. 【請求項23】前記植物遺伝子が、tmlまたは“1.6"領
    域中のオクトピン型T−DNA中に挿入される、特許請求
    の範囲第17項に記載の植物組織または植物細胞。
  24. 【請求項24】前記植物の構造遺伝子がディコチレドナ
    ウス植物由来である、特許請求の範囲第17項に記載の植
    物組織または植物細胞。
  25. 【請求項25】前記ディコチレドナウス植物がコンポジ
    テまたはレグミノセの一員である、特許請求の範囲第24
    項に記載の植物組織または植物細胞。
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