JPH08331875A - モータ - Google Patents

モータ

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JPH08331875A
JPH08331875A JP8176548A JP17654896A JPH08331875A JP H08331875 A JPH08331875 A JP H08331875A JP 8176548 A JP8176548 A JP 8176548A JP 17654896 A JP17654896 A JP 17654896A JP H08331875 A JPH08331875 A JP H08331875A
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vibrator
vibration
rotor
vibrating body
moving member
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JP8176548A
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Atsushi Tamai
淳 玉井
Maki Saito
真樹 斉藤
Shunichi Nakahara
俊一 中原
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Original Assignee
Canon Inc
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動子に充分なトルクを与えて効率よく回転
力を取り出せ、また小型化できるモータを提供する。 【解決手段】 略棒状の振動子1と、該振動子1と同軸
に回転中心を有する移動部材8と、を有し、該振動子1
の摩擦摺動部が軸心と直交する平面において円運動し、
該摩擦摺動部と該移動部材との摩擦接触により該移動部
材を回転させるモータにおいて、前記移動部材8は中空
状に形成され、前記振動子1の摩擦摺動部と前記移動部
材とを圧接させる為のバネ36を、該移動部材の中空内
に位置させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁力によらず機
械的動力を発生するモータに係り、詳しくは振動子に励
起される円運動を利用し、振動子と同軸的に嵌合する被
駆動体を摩擦駆動により回転させるモータに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の振動子としては、例えば
特開昭62-141980 号、特開昭63-214381 号がある。
【0003】このような振動子は、図12に示すよう
に、根本部の外径が先端部に向け漸減するホーン形状を
有した金属丸棒からなる振動体100 と、振動体100 の大
径部と同径の外径を有する円環形状の金属からなる押え
体101 との間に、円環形状に形成した2つの電歪素子板
102,103 を配置して、ボルト104 により押え体101 を振
動体100 に固定し、電歪素子板102,103 を圧接保持した
ものである。電歪素子板102,103 は片面側に互いに分極
方向が異なる2つの電極が対称に分割形成されると共
に、他面側に共通電極が形成され、夫々90°の位置的
位相を有して分割電極側を前側にして配置されている。
また、電歪素子板102,103 の間には、後側の電歪素子板
103 の各分割電極及び前側の電歪素子板102 の共通電極
と接触する電極板106 が配置され、前側の電歪素子板10
2 の分割電極は振動体100 と、後側の電歪素子103 の共
通電極は共通電極板105 と夫々接触している。
【0004】そして、前側の電歪素子板102 と後側の電
歪素子板103 に振幅及び周波数が共に等しい交流電圧を
時間的に位相差を有して印加することにより、振動子に
電歪素子板102 の振動と電歪素子板103 の振動の合成し
た振動を発生させ、振動子の先端を円運動させるように
している。
【0005】図13はこのような振動子を駆動源とした
モータで、振動子の先端を円板108の表面側に圧接し、
振動子の先端の円運動により円板108 を摩擦駆動して、
円板108 の中心に固定した回転軸109 から回転力を出力
する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
振動子を利用したモータは、振動子の先端部の動きを利
用しているが、本発明者の実験では、被駆動体である円
板に充分な駆動トルクを与えることができない難点があ
る。
【0007】その理由としては次の2点が考えられた。
すなわち、第1点は先端の自由端は円運動を生じる縄飛
び振動の腹になっているのと同時に軸方向の振動の腹に
なっているため、前述の特開昭62-141980 号、特開昭63
-214381 号の主張している先端が軸心に対して垂直な面
内での円運動は実際にはしておらず、振動の1周期に1
回だけ移動体に接触する円滑でない摩擦駆動形態を呈し
ている事である。第2点は振動子の先端部と円板との接
触時での圧接力を適正に設定することが難しいことであ
る。
【0008】本出願に係る発明の目的は、効率よく回転
力を取り出せ、また小型化できるモータを提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本出願に係る発明の目的
を実現する構成は、略棒状の振動子と、該振動子と同軸
に回転中心を有する移動部材と、を有し、該振動子の摩
擦摺動部が軸心と直交する平面において円運動し、該摩
擦摺動部と該移動部材との摩擦接触により該移動部材を
回転させるモータにおいて、前記移動部材は中空状に形
成され、前記振動子の摩擦摺動部と前記移動部材とを圧
接させる為のバネを、該移動部材の中空内に位置させた
ことを特徴とするモータにある。
【0010】
【発明の実施の形態】
(前提技術1)図2は本発明によるモータの前提となる
技術1の分解斜視図である。
【0011】1は先端部の小径軸部1aと後端部の大径
軸部1bとの間に径が先端部に向け漸減するホーン形状
のホーン部1cを形成した金属丸棒からなる振動体、2
は振動体1の大径軸部1bと同径の外径に形成された軸
心にボルト通し孔を有する金属丸棒からなる押え体、3
及び4は大径軸部1bと同径の外径に形成された円環形
状の圧電素子板、5は圧電素子板3,4の電極板で、振
動体1と押え体2との間に、電極板5を挟むようにして
圧電素子板3,4を配し、ボルト6により押え体2を振
動体1に固定することにより、圧電素子板3,4を振動
体1と押え体2との間に固定して、振動子Aを構成して
いる。ボルト6はその頭部が円環状の絶縁体7を介して
押え体2に接し、且つ軸部が圧電素子板3,4及び電極
板5と非接触状態に保持されている。
【0012】圧電素子板3,4は、片面側に分極方向が
互いに異なり、且つ厚み方向に分極された2つの電極
(+電極a、−電極b)が中心軸線位置に形成された絶
縁部dの両側に対称に形成されると共に、他面側に+電
極a、−電極bの共通電極cが形成されていて、振動子
Aの軸線に対して互いに位置的位相が90°角度ずれて
配置されている。なお、圧電素子板3の分極電極(+電
極a、−電極b)は導電体である振動体1の後端面に接
し、また圧電素子板4は導電体である押え体2の前端面
に接している。
【0013】そして、電極板5と振動子1との間に交流
電圧V1 を、また電極板5と押え体2との間に交流電圧
2 を印加することにより、圧電素子板3の厚み方向に
おける伸縮変位による振動と、圧電素子板4の厚み方向
における伸縮変位による振動との合成により振動子Aを
振動させる。
【0014】交流電圧V1 と交流電圧V2 とは、図3に
示すように、振幅及び周波数が共に同じで、時間的、空
間的位相が90°のずれを有している。
【0015】したがって、振動子Aは、軸心を中心と
し、縄飛びの縄のような円運動(以下縄飛び振動と称
す)を行なうことになる。なお、この円運動が生じる原
理については、公知であるので説明は省略する。
【0016】ここで、振動子Aの両端を自由端とした場
合、縄飛び振動の腹の位置は振動子Aの両端に形成され
ることになり、振動子Aの形状から振動体1の先端にお
ける円運動の径は押え体2の後端よりも大きいが、前述
したように、振動体1の先端の円運動におけるトルクは
小さい。
【0017】本前提技術1は、振動子Aにおける振動体
1のホーン部1cの摺動部Bに縄飛び振動の腹の位置が
くるように振動子Aを設計し、その共振周波数で圧電素
子板3,4を駆動している。
【0018】すなわち、振動子Aは、縄飛び振動モード
で3節又はそれ以上のモードで振動し、少なくとも振動
子Aの両端と摺動部Bとを該振動モードの腹として振動
し、振動体1は図4(a)、(b)に示すように、軸1
が軸心Lを中心とし、軸1の縄飛び振動の腹部(H1)
中心点Pが、図4(a)に示すように、真円cの円周上
を移動する縄飛び運動を行なうことになる。そして、摺
動部Bにおける縄飛び運動を利用し、後記するロータ8
を軸心Lを中心として回転させるようにしており、この
摺動部Bで得られるトルクは先端部Dで得られるトルク
よりも大きいものであった。
【0019】図5に示す様にロータ8は、振動子Aの軸
心Lと同軸に嵌合し、ロータ8の内径部の後端部(以下
摩擦接触部と称す)8bを摺動部Bに対応する位置まで
延出し、摩擦接触部8bをホーン部1cの摺動部Bに当
接させている。該ホーン部は軸方向の加圧力を受ける事
で、摺動部Bにおいて適切な摩擦力を得るため設けられ
ている。そして、この摺動部Bは振動体1において、縄
飛び振動の腹になっている。
【0020】ロータ8の内径部8aの内径は、低摩擦係
数の部材8dを介して、振動体1において縄飛び振動の
節の位置に接する構造になっており、摺動部B以外で生
じる振動に対して接触して音を発生するのを防ぐため、
ロータ8には逃げ8cが設けられている。この事につい
ては後述する。
【0021】ロータ8の摩擦接触部8bは、摺動部Bの
外周形状と合致する内径が漸増する形状に拡開し、振動
体1の縄飛び運動時に摺動部Bと面接触する。
【0022】ロータ8は、例えば不図示のスラストベア
リングを介して不図示のバネ等により図5中矢印方向に
押されて、前述の適切な漸増形状を有する摺動部により
摩擦接触部8bと摺動部Bとの接触部に所定の摩擦力を
発生させ、また該スラストベアリングにより軸方向の変
位が許容されている。
【0023】すなわち、振動子Aが摺動部Bを該振動モ
ードの腹の位置とする、例えば3節のモードで振動する
と、前述したように振動体1は図4に示すように、軸心
Lを中心とした縄飛び運動を行ない、図6(a)に示す
ように、摺動部Bがロータ8の摩擦接触部8bと摩擦接
触しながら時計方向又は反時計方向に軸心Lに対し所定
の半径rの軌跡を描きながら円運動し、ロータ8を回転
させることとなる。つまり、公知である遊星ローラと同
じ原理で駆動される。
【0024】なお、図6(a)は摺動部Bがロータ8の
摩擦接触部8bの内周面をこじりながら円運動すること
を説明するために、摺動部Bの外径をロータ8の摩擦接
触部8bの内径よりもかなり小さくしているが、摺動部
Bにおける縄飛び運動の半径は実際は極僅かであるの
で、摺動部Bとロータ8の摩擦接触部8bの内周面とは
微小の間隙となっている。そして、この微小の間隙を決
める要素は、振動体1のホーン形状の鋭角度と摺動部B
における軸方向と直交する方向の振動の振幅量である。
【0025】そして、遊星ローラの駆動伝達原理と同様
に、摺動部Bと摩擦接触部8bとの間にすべりがないと
仮定した場合、振動体1が縄飛び運動で一回転すると、
摺動部Bの外周とロータ8の摩擦接触部8bの周長差分
だけロータ8が回転することになる。その原理により、
振動体1が20kHz もの高周期で縄飛び運動していて
も、ロータ8の回転数はせいぜい毎分数百回転にすぎな
い。
【0026】すなわち、振動体1の摺動部の任意の点1
dに注目すると、1dは前述した微小な間隙によってそ
の半径が決まる円運動を行ない、その過程でロータ8の
内周部に接触し、ロータ8に回転運動を行なわせるため
の摩擦駆動力を与える。
【0027】図6(b)は図6(a)とは逆に、振動体
1は円筒状で、ロータ8が該円筒状振動体の中空内側面
に接触摩擦しながら回転する場合を示している。この場
合は振動体の振動回転方向とロータの回転方向は逆向き
になる。
【0028】一方、ロータ8には逃げ8cが設けられて
いるが、この役割は摩擦接触部8bが摺動部1cに対し
て均一に接触する様にするためである。つまり、ロータ
8の内周部8aが余りにも長くなり、その結果振動体1
の小径軸部1aとのガイド部分が長くなると、小径軸部
1aと内周部8aのクリアランスが小さいため、ロータ
8の軸心の振動体1の軸心Lに対する許容傾斜角の範囲
内で、摩擦接触部8bと摺動部Bが均一に接触すること
が困難になり、音を発生する様になる。
【0029】そこで、クリアランスを大きくしてこの問
題を解決しようとしても、今度はロータ8の軸心は傾き
ながら回転してしまう。つまり、以上の問題点を解決す
るためには、小径軸部1aと突部状のロータ内周部8a
の適切な位置関係が求められる。実験の結果、ロータ内
周部8aは、低摩擦部材8dを小径軸部1aとの間に介
して、振動体1の縄飛び振動の節の位置に設定するのが
良いとわかった。該節の位置ではロータに駆動力を与え
ず、該節部にロータ内周部8aを設けるのは単に支持と
いう役割をしているため音を発生しない。
【0030】一方、内周部8aを振動体1において、縄
飛び振動の腹の位置に設定すると、本来必要な摺動部B
における駆動力とミスマッチな駆動力をロータ8に与え
てしまい、音を発生する場合がある。
【0031】ところで、振動子Aは振動体1のみが振動
するのではなく、全体が振動することから、このモータ
Mを機器等に取り付けする際、振動子Aの機器等に対す
る支持方法が問題となる。
【0032】この場合、該振動モードの節の位置で振動
子Aを支持することが振幅が少ないことから一見最適に
思えるが、振動子Aは該振動モードの節位置を起点とす
る縄飛び運動を行なっているので、この振動モードの節
位置における軸心Lに対する垂直平面は、軸心L方向に
沿って揺動することになる。
【0033】このため、振動子Aにおいて、該振動モー
ドの節位置となる個所、例えば振動体1又は押え体2の
外周面にモータ取り付け用のフランジを延出したとする
と、固定方法が強固な場合は全く振動しない様になって
しまう。一方、このバネの様なものを間に介して振動減
衰をおさえた支持方法にするとこのフランジは軸方向に
揺動し、機器等との取付部が最悪の場合には振動により
破壊したりする虞れがあり、該振動モードの節位置では
振動子Aの支持を行なうのに不適である。
【0034】そこで、振動子Aの振動状態につき種々検
討したところ、振動子Aの支持位置として一見不適と思
われる該振動モードの腹の位置が適していることを見出
した。
【0035】すなわち、該振動モードの腹の位置は振幅
が大きいが、径方向のみしか変位しないので、上述のよ
うな揺動運動による弊害が生じない。また、支持位置と
なる該振動モードの腹位置は、モータMの構造から当然
摺動部Bよりも軸方向後方側に設けられることになり、
3節モードにより振動子Aを振動させる場合には、支持
位置として最適な所は1箇所しか存在しない。
【0036】なぜなら、該振動モードにおける腹の位置
は振動体の両端と、その間の2箇所の合計4箇所ある
が、両端は軸方向の振動も最大となっており、固定支持
には最悪であり、両端間にある2箇所の縄飛び振動の腹
のうち1箇所は摺動部として使用されているからであ
る。
【0037】また、図7(a)、(b)に示す様に振動
子Aにフランジを設けず、先端が球状を呈した3本のボ
ルト60等で支持筒61により支持固定する構造におい
ても、縄飛び振動において腹となる位置が、支持位置と
して振動を阻害しない良好な位置である事がわかった。
【0038】つまり、振動子Aにおける振動の振幅は非
常に小さく、これらの支持位置となる該振動モードの腹
位置の振幅はロータ8の駆動を行なう摺動部Bにおける
振幅よりもさらに小さいので、径方向変位は殆ど無視す
ることができ、該振動方向の腹位置を振動子Aの支持位
置とすることで、振動子Aを安定に機器等に支持させる
ことが可能となる。
【0039】図8(a)〜図8(d)、図9(a),
(b)は前述した回転の原理が正しい事を確認した実験
結果である。
【0040】図8(a)は振動体1の先端を中空にし
て、その上に金属球30をのせた時の回転方向を調べた
ものであり、下のロータ8とは逆回転している。これ
は、金属球30は振動体1の先端の中空部内周面に接触
しているからで、図6(b)の説明の原理と同じであ
る。
【0041】図8(b)は振動体1の先端に円板状の金
属プレート31をのせた時の回転方向が下のロータ8と
逆回転している事を示した実験結果である。この原理は
図9(a)に示してある。図9(a)において、振動体
1の摺動部Bが紙面に対して向こう側に動く時、振動体
1の先端で金属プレート31と接触している点1eは、
摺動部Bと同じく振動の腹であるから、紙面を振動の中
立面と考えれば逆に紙面に対して手前側に動くことがわ
かる。図8(c)は凸型円錐形状部を有するロータ32
を図8(a)と同じ振動体1の先端部にのせた時の回転
方向を示している。これも、下のロータ8とは逆の方向
に回転するが、原理は図6(b)と同じである。
【0042】図8(d)は凹型円錐部を有するロータ3
3を振動体1の先端部にのせた時の回転方向を示してい
る。これは、下のロータ8と同じ方向に回転する。この
原理は図9(b)に示してある。つまり、振動体1の摺
動部Bが紙面に対して向こう側に動く時、先端部のロー
タ33との接触部1eは紙面に対して手前側に動くこと
がわかる。
【0043】図10(a)、(b)、(c)において、
(a)−1及び(b)−1及び(c)−1はそれぞれホ
ーン形状部が30°,45°,60°の振動子の側面図
で、(a)−2と(b)−2と(c)−2は縄飛びの振
動の変位量と振動子の軸方向の位置との関係を示してい
る。又、(a)−3と(b)−3と(c)−3は軸方向
の振動の変位量と振動子の軸方向の位置との関係を示し
ている。振動条件は振動子(a)−1、(b)−1、
(c)−1でそれぞれ35.0kHZ,35.5kHZ,35.8kHZで印加
電圧はすべて100VP-P であった。変位量の測定はホトニ
ックセンサーを用いた。測定の結果、縄飛び振動は3節
振動モードになっており、軸方向の振動は2節の振動モ
ードになっている。縄飛び振動の腹の位置はほぼ軸方向
の振動の節の位置と一致した。変位量は振動子の細い所
程大きくなり、先端部の小径部の変位量はどの振動子の
場合も、縄飛び振動も軸方向の振動も変位量が最大値を
示した。
【0044】軸方向の位置の違いにより、振動の形態の
違いは大きく分けて、3種類存在することがわかった。
つまり、第1には開口端の位置で、これは縄飛び振動に
おいても、軸方向の振動においても腹になる位置であ
る。第2には、縄飛び振動の節の位置で、この位置は軸
方向の振動においてはほぼ腹の位置に一致する。第3に
は、縄飛び振動の腹の位置で、この位置は軸方向の振動
においてはほぼ節の位置に一致する。
【0045】ここで、モータとして必要となる機能、す
なわち移動体から駆動力を有効に伝達する事と固定支持
位置を設けられる事について、前述の3種類の振動形態
の位置に対して最適な位置を調べた結果、移動体との摺
動部は、縄飛び振動の腹の位置が最適であり、一方振動
子を振動の外系に対して固定支持する位置は、縄飛び振
動の腹の位置、すなわち軸方向の振動の節となる位置が
最適である事がわかった。
【0046】振動子の開口端は縄飛び振動においても、
軸方向の振動においてもほぼ腹の位置となり、固定支持
位置としては最悪である事がわかった。又、前述した通
り、該開口端は振動子の軸心に対して垂直な平面とある
傾きをもって円運動しているため、移動体と振動体の摺
動部は接触したり、離れたりをくり返しており、円滑な
摩擦駆動をしていない。さらに、該開口端を移動体の摺
動部に適用しようとすると、設計上移動体のガイド部は
振動体の一部には設けられず、必然的に該振動子の振動
に対して外系となる部材に頼らざるを得なくなる。
【0047】なぜなら、該振動子の一部に例えばボルト
等を取り付け移動体をガイドしようとすると、振動子の
振動モードが変化してしまうからである。ここで、ガイ
ド部について補足説明をしておくと、本発明のモータに
おいては振動体の摺動部と、それに最も近い位置にある
振動体の開口端部との間がそのまま移動体のガイド部に
利用できる。つまり、振動体の軸心と同軸の軸心を移動
体に付与し続ける機能を有する事がガイド部としての条
件である。
【0048】(前提技術2)図11(a)、(b)は前
提技術2の断面図で、(a)、(b)に夫々示すモータ
は移動体の振動体への圧接方式を変えたものである。図
11(a)と(b)は基本的には同じ構造で、図中18
はスラストベアリング、34はバネガイド部材でバネが
軸心に対して偏心しない様にしている。35はバネで、
圧縮されたバネが伸びようとする力でスラストベアリン
グを介してロータ8を振動体に圧接させている。37は
ワッシャである。(a)の方式は振動体1の開口端にボ
ルト36が取りつけられているため、振動でボルト36
がゆるみやすい。(b)はボルト36の取り付け部を振
動体の節の位置にもってきているため、振動でボルト3
6がゆるむことがない。
【0049】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態を示す。
【0050】本第1の実施の形態は、上記した図11に
示す前提技術2を改良したもので、バネ40を移動部材
としての中空状のロータ8の内部に設けて、省スペース
化を計ったもので、バネ40をフックを有するボルト3
8,39間に緊張し、伸ばされたバネ40の縮む力を利
用して、ロータ8を振動体1に圧接する構造になってい
る。なお、ボルト39はスラストベアリング18に、ボ
ルト38は振動体1に取り付けられている。
【0051】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、振動子の
摩擦接触部と移動部材とを圧接させるためのバネを設け
て、適度な圧接力で振動子の摩擦接触部と移動部材とを
摩擦摺動させて高トルク化を達成することができ、さら
にバネを移動部材の中空内に位置させたので、省スペー
ス化が達成でき、小型化されたモータを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるモータの第1の実施の形態を示す
断面図。
【図2】本発明の前提技術1を示すモータの分解斜視
図。
【図3】図2圧電素子板に印加する交流電源の波形図。
【図4】図2のモータの3節の縄跳び運動を示し、
(a)は正面図、(b)は側面図。
【図5】図2のモータの組み付け状態を示す図。
【図6】図2のモータの駆動原理を示し、(a)は軸が
縄跳び運動をして中空部材を回転させる原理図、(b)
は中空振動体が縄跳び運動をして軸を回転させる原理
図。
【図7】図2の振動子を先端が球状のボルト3本で支持
する状態を示し、(a)は正面図、(b)は側面断面
図。
【図8】図2のモータの回転原理を確認するするための
図。
【図9】図2のモータの回転原理を確認するするための
図。
【図10】図2のモータの縄飛び振動の変位と軸方向の
振動の変位について振動子の位置との関係を示す図。
【図11】本発明の前提技術2の断面図。
【図12】従来の振動子を利用したモータの斜視図。
【図13】従来の振動子を利用したモータの斜視図。
【符号の説明】
M…モータ A…振動子 B…摺動部 1…振動体 2…押え体 3,4 …圧電素子板 5…電極板 6…ボルト 7…絶縁体 8…ロータ 10…ローラ 11…取付部材 12…低摩擦シート 20…ロータ 24…バネ 30…金属球 31…円板状金属プレート 32…凸型円錐部を有するロータ 33…凹型円錐部を有するロータ 40…バネ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略棒状の振動子と、該振動子と同軸に回
    転中心を有する移動部材と、を有し、該振動子の摩擦摺
    動部が軸心と直交する平面において円運動し、該摩擦摺
    動部と該移動部材との摩擦接触により該移動部材を回転
    させるモータにおいて、 前記移動部材は中空状に形成され、前記振動子の摩擦摺
    動部と前記移動部材とを圧接させる為のバネを、該移動
    部材の中空内に位置させたことを特徴とするモータ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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