JPH0832970B2 - 伸度の大きいポリウレタンウレア弾性繊維 - Google Patents

伸度の大きいポリウレタンウレア弾性繊維

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JPH0832970B2
JPH0832970B2 JP2149648A JP14964890A JPH0832970B2 JP H0832970 B2 JPH0832970 B2 JP H0832970B2 JP 2149648 A JP2149648 A JP 2149648A JP 14964890 A JP14964890 A JP 14964890A JP H0832970 B2 JPH0832970 B2 JP H0832970B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリウレタンウレア弾性繊維に関するもので
ある。
〔従来技術〕
ポリウレタン弾性繊維の製造は一般に湿式紡糸法、乾
式紡糸法あるいは溶融紡糸法が用いられている。
従来から弾性繊維とされるポリウレタンとしてポリエ
ーテルジオールを用いて製造されたものがあるが耐塩素
性に劣る。
また、ポリエステルジオールを用いて製造されたポリ
ウレタンからの弾性繊維は耐水性、耐かび性に劣る。
特開昭62−22817号公報には2−メチル−1,8オクタン
ジオールを用いたポリウレタンが記載され、乾式または
湿式で弾性繊維と出来ることが示唆されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は耐塩素性、耐水性、耐かび性、弾性回
復性パワー感(応力緩和が小)、耐熱性の全ての性能に
優れるとともに伸度の大きいポリウレタン弾性繊維を提
供するにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は高分子ジオール(A)、有機ジイソシアナー
ト(B)およびジアミン(C)を重合して得られるポリ
ウレタンウレアよりなる弾性繊維であつて、該高分子ジ
オールとして、数平均分子量1300〜3000の 一般式 で表される構造単位からなるポリエステルジオールある
いは 一般式 で表される構造単位からなるポリカーボネートジオール
であり、R1に占める下記構造単位(I)、(II)、(II
I)は〔(II)+(III)〕/〔(I)+(II)+(II
I)〕がモル比で0.2以上であり〔(I)+(II)〕/
〔(I)+(II)+(III)〕がモル比で0.5より大きい
高分子ジオールを主体として用い、(B)/(A)のモ
ル比が1.4〜2.8であるポリウレタンウレアであり、かつ
下記条件(IV)、(V)を満足することを特徴とするポ
リウレタンウレア弾性繊維である。
−(CH2− ……(I) 耐熱水性強度保持率(%)≧60 ……(IV) 弾性回復率(%)≧85 ……(V) (300%伸長で24時間放置後、応力を除去し、5分後の
弾性回復率) 本発明において使用される高分子ジオールは、ジオー
ル残基として前記構造単位(I)、(II)および/また
は(III)で示される基を含有するポリエステルジオー
ルまたはポリカーボネートジオールである。該高分子ジ
オールには、前記構造単位(I)、(II)および/また
は(III)で示される基が存在することが必須である。
(I)で示される基を与える化合物としては1,9−ノナ
ンジオールが挙げられ、(II)で示される基を与える化
合物としては2−メチル−1,8−オクタンジオールが挙
げられ、(III)で示される基を与える化合物としては
3−メチル−1,5−ペンタンジオールが挙げられる。本
発明において高分子ジオール中の〔(II)+(III)〕
/〔(I)+(II)+(III)〕のモル比は0.2以上であ
り、〔(I)+(II)〕/〔(I)+(II)+(II
I)〕のモル比は0.5より大きいことが必要である。
〔(II)+(III)〕/〔(I)+(II)+(III)〕の
モル比が0.2未満となると弾性回復性が低下し、伸度が
小さくなる。
〔(I)+(II)〕/〔(I)+(II)+(III)〕
のモル比が0.5以下となると耐水性、耐かび性、耐寒性
が低下する。本発明にはジオール残基が(II)のみから
なる高分子ジオールの使用も含まれる。
本発明で使用される高分子ジオールの数平均分子量は
1300〜3000、より好ましくは1500〜2500である。1300よ
り小さいと耐熱性、弾性回復性が低下し3000より大きい
と、紡糸性溶液安定性が低下する。
高分子ジオール(A)に対する有機ジイソシアナート
(B)の割合(B)/(A)はモル比で1.4〜2.8が弾性
回復性、風合、耐熱性、耐寒性の点より必要となり、好
ましくは1.6〜2.5である。
本発明で用いられるポリエステルジオールはジオール
とジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体より得
ることが出来る。ジカルボン酸としては、炭素数が5〜
12の脂肪族または芳香族ジカルボン酸が好ましい。なか
でも脂肪族ジカルボン酸が好ましい。脂肪族ジカルボン
酸の例としてはグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられ
る。また芳香族ジカルボン酸の例としてはフタル酸、テ
レフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。特にアジピ
ン酸、アゼライン酸、セパシン酸の使用が好ましい。
本発明で使用されるポリエステルジオールはいかなる
製造法によつたものでもよい。例えばポリエチレンテレ
フタレートまたはポリブチレンテレフタレートの製造に
おいて用いられる公知の方法と同様の方法、すなわちジ
オールとジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体
を用いてエステル交換または直接エステル化とそれに続
く溶融重縮合反応にて製造可能である。
本発明で使用されるポリカーボネートジオールを製造
する際に使用されるカーボネート化合物としてはジアル
キルカーボネート、ジアリールカーボネートまたは、ア
ルキレンカーボネートが好ましい。
本発明で使用されるポリカーボネートジオールもその
製造法は特に限定されない。例えばジフエニルカーボネ
ートとビスフエノールAからのポリカーボネートの製造
において用いられている公知の方法と同様の方法、すな
わちエステル交換反応にて製造可能である。
本発明において使用される適当な有機ジイソシアネー
トとしては、当業界で公知の脂肪族、脂環族もしくは芳
香族の有機ジイソシアナートが挙げられ、具体的には4,
4′−ジフエニルメタンジイソシアナート、p−フエニ
レンジイソシアナート、トルイレンジイソシアナート、
1,5−ナフチレンジイソシアナート、キシリレンジイソ
シアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホ
ロンジイソシアナート、4,4′−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアナート等の分子量500以下ジイソシアナー
トの1種又は2種以上の混合物が例示される。好ましく
は4,4′−ジフエニルメタンジイソシアナートである。
また本発明において使用されるジアミン(鎖伸長剤)
としてはポリウレタン業界における常用の連鎖成長剤、
すなわちイソシアナートと反応し得る水素原子を少なく
とも2個含有する分子量400以下の低分子ジアミン例え
ばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、イソホロン
ジアミン、ヒドラジン、4,4′−ジアミノジフエニルメ
タン、ジヒドラジド、ピペラジン、キシリレンジアミ
ン、4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン等が挙げ
られる。これらの化合物は単独でまたは、2種以上を混
合して使用してもよい。最も好ましい鎖伸長剤は4,4′
−ジアミノジフエニルメタンである。
本発明の弾性繊維を構成するポリウレタンウレアはこ
れら高分子ジオール(A)、有機ジイソシアナート
(B)およびジアミン(C)を重合して得られる。高分
子ジオール(A)に対する有機ジイソシアナート(B)
の割合(B)/(A)はモル比で1.4〜2.8が弾性回復
性、伸度、耐熱性、耐寒性の点より必要となり、好まし
くは1.5〜2.3である。本発明のポリウレタンウレア弾性
繊維を構成するポリウレタンウレアは実質的に 高分子ジオール分子の両末端の水酸基から2個の水
素原子が除かれた形の2価の基; 有機ジイソシアナートに由来する一般式 (式中、R2は2価の有機基を表す) ジアミンに由来する −NH−R3−NH− ; (式中、R3は2価の有機基を表す) で示される構造単位よりなると考えられる。そして、こ
れら残基の組成比/〔+〕がモル比で0.9〜1.1の
範囲が好ましい。この範囲とすると耐熱性、弾性回復
性、伸度に優れたポリウレタンウレア弾性繊維が得られ
る。より好ましくは/〔+〕が0.95〜1.05であ
る。
本発明に用いるポリウレタンウレアはηinhが0.5以
上、より好ましくは0.7以上1.5以下あることが好まし
く、この範囲とすることにより弾性回復性が優れ、応力
緩和の小さい優れた弾性繊維が得られる。
対数粘度(ηinh)は、試料をジメチルアセトアミド
に溶解し、0.5g/dlとして、30℃の恒温槽中でウツペロ
ーデ型粘度計で測定し、次式より求める。
ηrel=t/to t:溶液の流下時間(秒) to:溶媒の流下時間(秒) C:重合体の濃度(g/dl) 高分子ジオール、有機ジイソシアナートおよびジアミ
ンを重合してポリウレタンウレアを製造する方法に関し
ては、公知のウレタン化反応の技術を採用することがで
きる。
ポリウレタンの溶媒としては、たとえばN,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メ
チルピロリドン、ジメチルスルホキシド、等が例示され
る。
本発明においてポリウレタンウレアには有機ポリシロ
キサン、ヒンダードフエノール類、ヒンダードアミン
類、紫外線吸収剤、第3級アミン化合物、ガス変色防止
剤、酸化チタンのような顔料等を添加することができ
る。
この様にして得られるポリウレタンウレアは従来公知
の乾式紡糸法、湿式紡糸法、によつて繊維としうる。
本発明のポリウレタンウレア弾性繊維は耐熱水性が良
好であり、耐熱水性強度保持率は60%以上より好ましく
は70%以上である。本発明の弾性繊維には120℃では耐
熱水性強度保持率が60%以上であるが135℃では60%未
満となるような繊維も含まれる。弾性回復率は85%以上
より好ましくは90%以上である。本発明のポリウレタン
弾性繊維は伸度500%以上好ましくは550%以上が実際的
である。
さらに、本発明にいう弾性繊維とは、実質的に連続し
た繊維又は繊維束であり、長さ100mをとつた時の繊度の
斑が±15%以内、より好ましくは±10%以内のものが好
ましい。
この様にして得られたポリウレタンウレア弾性繊維は
実際の使用に際してはそのまま裸糸として使用されたり
他繊維で被覆して被覆糸として使用される。他繊維とし
てはポリアミド繊維、ウール、綿、ポリエステル繊維な
どの従来公知の繊維を挙げることが出来るが、なかでも
本発明ではポリエステル繊維が用いられる。
すなわち、本発明のポリウレタンウレア弾性繊維は12
0℃以上の温度で染色することが可能であり、従来弾性
繊維と混用することが出来なかつたポリエステル繊維と
の混用を可能とし、120℃以上の温度で染色出来るポリ
エステル繊維による被覆弾性糸およびポリエステル繊維
とポリウレタンウレア弾性繊維よりなる布帛となしうる
のである。
本発明にいう被覆弾性糸とは、ポリウレタンウレア弾
性繊維を芯糸とし、他繊維で被覆された被覆弾性糸をさ
すが、その製造方法は、例えば、撚糸機によるカバリン
グ、エアー交絡によるカバリング、精紡機によるカバリ
ングなどがあるがこれらに限定されるものでは無い。
本発明の被覆弾性糸はポリウレタンウレア弾性繊維:
他繊維が1:2〜1:30の比率で被覆されている糸が好まし
い。
また、本発明にいう布帛とは織物、編み物、不織布お
よび紙などをいうが織方法により種々の力学的特性が付
与できる点で織物および編み物が好ましい。
本発明でいうポリウレタンウレア弾性繊維とポリエス
テル繊維よりなる布帛は、該布帛の表面(表糸)のすく
なくとも30%以上がポリエステル繊維である事が好まし
い。本発明の布帛はポリウレタンウレア弾性繊維がその
中心に来るようにし、出来るだけ表面に露出しないよう
にすると耐光性、消費性能上好ましい布帛となる。
また、本発明の布帛にはポリウレタンウレア弾性繊維
が、3重量%以上含有されていることが実用的である。
同様に被覆弾性糸を使用する場合は5重量%以上が実用
的である。これを下回ると布帛の弾性機能が低下する場
合がある。
本発明の布帛は紡績糸やフイラメントあるいは生糸や
加工糸などその形状に限定されない糸よりなることが良
い。本発明に用いるポリエステル繊維は、繰り返し単位
90モル%以上がエチレンテレフタレート残基であるポリ
エステルよりなる事が好ましい。
本発明に用いられる他繊維は通常用いられている繊度
の繊維が用いられるが0.1〜10dの繊維が好ましい。
製編織は常法により行うが、編組織としてはパワーネ
ツト、メツシユ、チユール、パイル、サテン、トリコツ
ト、レース、及びジヤガード(以上経編)、リバーシブ
ル天竺、スムース、モツク、パイル、ベロア、メツシ
ユ、及びジヤガード(以上丸編)等があり、織組織とし
てはサテン、平織ツイル、二重織等がある。
本発明のポリウレタンウレア弾性繊維と他繊維との被
覆弾性糸、布帛などを用いた産業上の利用分野として
は、以下のものが挙げられる。
衣料用;水着、スキーウエアー、サイクリングウエア
ー、レオタード、ランジエリー、フアンデーシヨン、肌
着 雑品;パンテイストツキング、靴下、サポーター、帽
子、手袋、パワーネツト、包帯 非衣料;テニスラケツトのガツト、一体成型加工用カー
シート地糸、ロボツトアーム用金属被覆糸 以下実施例により本発明を詳細に説明する。
本発明で採用した測定方法などについて説明する。
<高分子ジオールの分子量の測定> 高分子ジオールの水酸基価、酸価を測定し、常法に従
つて求める。
<耐熱水性強度保持率> ポリウレタンウレア弾性繊維を該繊維の2〜5倍のデ
ニールを有するポリエステル繊維と併せて筒編(丸編)
地とし、95〜98℃の熱水中でリラックス処理を10分間行
い、この編地を風乾後、プレセツト(180℃×1分、熱
風、無緊張)し、所定の温度(120〜135℃のいずれかの
温度)の熱水で、加圧下、60分間分散染料染色条件下で
処理後、風乾し、編地を解除し、ポリウレタンウレア弾
性繊維のみを取り出して、常法により、処理前、処理後
の強度測定により保持率を求めたものである。
<強伸度の測定> JIS L−1013に従い強伸度を求めた。
<弾性回復率> 弾性繊維を300%伸長し24時間伸長状態で保持する。
その後応力を除去し、5分間放置後の弾性回復率を設定
する。初期長は4cm。
弾性回復率={1−(l−l0)/l0}×100(%) l;張力除去後5分間放置した後の試料の長さ l0;伸長前の試料の長さ <耐塩素性> 次亜塩素酸漂白条件(2%、25℃、60分)による強度
低下で評価する。
用いた化合物は略号を用いて示したが、略号と化合物
の関係は以下の通りである。(表1) 参考例1 (ポリエステルジオールの製造) 2−メチル−1,8−オクタンジオールと1,9−ノナンジ
オールの混合物(モル比:50/50)1600g及びアジピン酸1
460g(ジオール/アジピン酸のモル比:1.3/1)を常圧下
に窒素ガスを通じつつ約220℃の温度で縮合水を留去し
ながらエステル化を行なつた。ポリエステルの酸価が0.
3以下になつたとき真空ポンプにより徐々に真空度を上
げ反応を完結させた。こうして水酸基価56、酸価0.12の
ポリエステルジオール(以下、ポリエステルaと記す)
を得た。このポリエステルaの分子量は2000であつた。
参考例2〜9 酸成分及びジオール成分とを各々表2に示したものを
用いること以外は参考例1と同様にして各々表2に示し
たポリエステル(ポリエステルb〜i)を得た。
参考例11 (ポリカーボネートジオールの製造) 窒素気流下、2−メチル−1,8−オクタンジオール(M
OD)と1,9−ノナンジオール(ND)の混合物(MOD/NDの
モル比:35/65)1730gおよびジフエニルカーボネート214
0gよりなる混合物を加熱し、200℃で反応系よりフエノ
ールを留去した。温度を徐々に210〜220℃に上げ、フエ
ノールをほとんど留去させたあと真空にし、6〜10mmHg
の真空下210〜220℃で残りのフエノールを完全に留去し
た。その結果水酸基価56、分子量2000のポリカーボネー
トジオール(ポリカーボネートk)を得た。
参考例12 ジオール成分として、1,9−ノナンジオール1730gを用
いる以外は参考例10と同様にして分子量2000のポリカー
ボネートジオール(ポリカーボネートl)を得た。
参考例13 参考例11と同様にポリカーボネートmを合成した。
実施例1 ポリエステルa(ND/MOD(1/1)とADからの分子量200
0のポリエステルジオール)1モルに対し4,4′−ジフエ
ニルメタンジイソシアナート1.8モルを添加し80℃で90
分反応した。両末端イソシアナートのプレポリマーを60
℃まで冷却しN,N−ジメチルアセトアミドと混合し30%
溶液とした。次いで激しく撹拌しながら、4,4′−ジア
ミノ−ジフエニルメタン0.8モルをN,N−ジメチルアセト
アミドに溶解した溶液を添加し、30%濃度で2000ポイズ
(30℃)の紡糸原液を得た。この重合体溶液を常法に従
い真空脱泡後、口径0.2mm孔数5ホールのノズルから180
℃の加熱空気を流した紡糸筒内に押出し、ジメチルポリ
シロキサンを主成分とする油剤を糸に対して7%付与し
ながら紡速500m/分で捲取つて40デニールのポリウレタ
ンウレア弾性繊維を得た。その物性は表3に示すごとく
好ましいものであつた。
実施例2〜7 実施例1と同様に表2に示す組成のポリエステルジオ
ールとポリカーボネートジオールから表3に示すポリウ
レタンウレアを合成したこのポリウレタンウレアから実
施例1と同様にして40デニールの弾性繊維を得た。この
繊維の物性は表3に示すごとく好ましいものであつた。
比較例1〜4 表3の組成のポリウレタンを実施例1と同様に紡糸し
得られた弾性繊維の性能を評価した。弾性回復性、耐熱
水性強度保持率、伸度において問題があつた。特に比較
例3においては耐塩素性に欠点がある。
比較例5 ポリエステルCと1,4ブタンジオールとからなる80℃
に加熱された混合物と50℃に加熱溶融した4,4′−ジフ
エニルメタンジイソシアナート(MDI)とを、表−3に
示す組成となるように定量ポンプにより2軸押出機に連
続的に供給し、連続溶融重合を行い、生成したポリウレ
タンをストランド状に水中に押し出し、カツトして、ペ
レツトとした。
このペレットを80℃20時間真空乾燥し、通常の単軸押
出機付紡糸機により、紡糸温度235℃、紡糸速度650m/mi
nで紡糸し、40デニールのポリウレタン繊維を得た。こ
の繊維を80℃48時間熱処理し、物性を測定したところ弾
性回復率が劣つていた。
比較例6,7 表3に示す組成のポリウレタンを実施例1と同様に紡
糸し、得られた弾性繊維の性能を評価した。弾性回復性
伸度に問題があつた。
実施例8 実施例1で得られたポリウレタンウレア弾性繊維を帝
人製機製シングルカバリング機にて、ドラフト率3.5倍
とし、カバー糸として通常のポリエステルフイラメント
延伸糸(1200m/分で紡糸後3.6倍に延伸)ブライトT型
異形糸75d/36fを撚糸数600回/mで被覆糸を作つた。この
被覆糸を同様にガーゼで包んで実質的に無荷重の状態
で、130℃熱水中で90分間煮沸した。煮沸後デシケータ
ー中で真空乾燥後解撚し、ポリウレタンウレア弾性糸の
み取り出して、弾性回復性の保持率を求めたところ99%
と良好であつた。
実施例9 実施例1で得られたポリウレタンウレア弾性繊維を、
POY−インドロー方式で仮撚された75dのポリエステル加
工糸と引き揃えて、28Gのスムース組織で編成した。編
成編地を95℃×10分の熱水中で、リラツクス後、この編
地を風乾後、プレセツト(180℃×1分、熱風、無緊
張)し、分散染料Resolin Blue FBL(バイエル社製)1.
0%owf、均染剤トーホーソルト(東邦化学社製)1.0g/
、pH調節剤ウルトラMT(御幣島化学社製)1.0g/を
用い、pH5.0に調整した染浴で130℃×60分染色した。染
色後、ピンテンターで、150℃×1分の条件で仕上げ
た。仕上げ品は伸縮性、同色性ともに良好であつた。仕
上げ後編地を解除し、強度、伸度、弾性回復率を測定し
た。
強度、伸度、弾性回復率の低下は少なく、耐熱水性強
度保持率は89%と良好であつた。
この編地を裁断し、裁縫して水着としたところ、この
水着の耐光堅牢度(JIS 0842カーボンアーク第3露光
法)は5級であり、耐塩素堅牢度(JIS 0844強試験法)
変退色5級であり、良好な染色堅牢性を示した。
〔発明の効果〕
以上の実施例から明らかなように、本発明のポリウレ
タン弾性繊維は伸度が大きく弾性回復性に優れるととも
に耐熱水性、耐熱性に優れており、有用性が高く、かつ
広汎な用途への対応が可能となつた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子ジオール(A)、有機ジイソシアナ
    ート(B)およびジアミン(C)を重合して得られるポ
    リウレタンウレアよりなる弾性繊維であつて、該高分子
    ジオールとして数平均分子量1300〜3000の 一般式 で表される構造単位からなるポリエステルジオールある
    いは 一般式 で表される構造単位からなるポリカーボネートジオール
    であり、R1に占める下記構造単位(I)、(II)、(II
    I)は〔(II)+(III)〕/〔(I)+(II)+(II
    I)〕がモル比で0.2以上であり〔(I)+(II)〕/
    〔(I)+(II)+(III)〕がモル比で0.5より大きい
    高分子ジオールを主体として用い、(B)/(A)のモ
    ル比が1.4〜2.8であるポリウレタンウレアであり、かつ
    下記条件(IV)、(V)を満足することを特徴とするポ
    リウレタンウレア弾性繊維。 −(CH2− ……(I) 耐熱水性強度保持率(%)≧60 ……(IV) 弾性回復率(%)≧85 ……(V) (300%伸長で24時間放置後、応力を除去し、5分後の
    弾性回復率)
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JPS5856530A (ja) * 1981-09-30 1983-04-04 Fujitsu Ltd 大規模集積論理回路
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