JP2883403B2 - インナーウエアー - Google Patents

インナーウエアー

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JP2883403B2
JP2883403B2 JP12467790A JP12467790A JP2883403B2 JP 2883403 B2 JP2883403 B2 JP 2883403B2 JP 12467790 A JP12467790 A JP 12467790A JP 12467790 A JP12467790 A JP 12467790A JP 2883403 B2 JP2883403 B2 JP 2883403B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ポリウレタン弾性糸を用いた耐光性に優れ
るインナーウエアーに関する。
[従来の技術] 従来からポリウレタン弾性糸を用いたフアンデーシヨ
ンおよびランジエリーは経編が中心であり、表糸はマル
チフイラメント糸であり圧倒的にナイロン−6が使用さ
れている。これはナイロン−6が吸水性を有しているこ
と、さらにはナイロン−6の染色温度は常圧100℃以下
であり、この熱水温度条件ではポリウレタン弾性糸があ
まり劣化せず伸縮性を保持できるためである。経編が中
心であるのは、マルチフライメント糸を使用した時のラ
ンを防ぐためである。
一方肌着やレオタードは丸編がほとんどであり、表糸
は綿糸が中心である。これは紡績糸である綿糸はランの
心配がほとんどないこと及び綿糸の染色も常圧100℃以
下であることによる。
従来伸縮糸として使用されて来たポリウレタン弾性糸
は、エーテル系及びエステル系に大別できる。エーテル
系弾性糸は耐光性に劣る致命的欠点を有する。従つて使
用頻度が高く家庭洗濯の多いインナーウエアー用伸縮糸
としては適していない。
また今日まで、エーテル系或いはエステル系に拘わら
ず、120℃以上の高温高圧染色が可能なポリウレタン弾
性糸に関する開示はなく、従つて常圧可染ポリエステル
糸でない通常のポリエステル糸とポリウレタン弾性糸を
共用したインナーウエアーは皆無である。
[本発明が解決しようとする課題] 本発明は耐光性に優れる伸縮性インナーウエアーを提
供すること、また、本発明は高温高圧染色が必要なポリ
エステル繊維を用いた伸縮性インナーウエアーを提供す
ることにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、ポリウレタン弾性糸と他繊維とからなる布
帛において、該ポリウレタン弾性糸が、高分子ジオール
(A)、有機ジイソシアナート(B)および鎖伸長剤
(C)を重合したポリウレタンよりなり、該高分子ジオ
ールとして 一般式 (式中、R1はメチル分岐を1つ有するアルキレン基、R2
は2価の有機基である) で表わされる構造単位を必須とするポリエステルジオー
ルあるいは、 一般式 (式中、R1はメチル分岐を1つ有するアルキレン基であ
る) で表わされる構造単位を必須とするポリカーボネートジ
オールであって、下記(I)、(II)の条件を満足する
分子量1000〜3500の高分子ジオールが用いられた布帛か
らなり、かつ120℃以上の高温高圧染色が施されたイン
ナーウエアーである。
6≦全炭素数/(エステル結合数あるいはカーボネート
結合数)≦11 …(I) 0.015≦メチン基数/全炭素数≦0.13 …(II) (ここで全炭素数とは高分子ジオール中のエステル結
合、カーボネート結合に含まれる炭素を除いた残りの炭
素の合計数) 本発明において使用されるポリウレタン弾性繊維を構
成するポリウレタンの高分子ジオール成分は、分子量10
00〜3500のポリエステルジオールあるいはポリカーボネ
ートジオールである。
メチル分岐を1つ有するアルキレン基とは、炭素数が
6〜10のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基を与
える化合物としては3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ルや2−メチル−1,8−オクタンジオールが挙げられ
る。メチル分岐を1つ有するジオールの使用により弾性
回復性、耐熱性とも良好となる。メチル分岐が2つ以上
ついたり、エチル、プロピル、ブチル基などの長い側鎖
のついたジオールを使用すると、耐熱性、弾性回復性、
耐寒性などの総合性能が不良となる。ジオールの炭素数
が5より小さいと弾性回復性、耐熱水性、耐熱性などが
不良となる。10より大きいと、弾性回復性、透明性が低
下する。ポリエステルジオールを構成する有機基(R2
を与える化合物としてジカルボン酸が挙げられ、中でも
炭素数が6〜12のジカルボン酸が好ましい。さらに本発
明で用いる高分子ジオールは(I)、(II)式で表され
るような規制を満足させる必要がある。(I)式で全炭
素数/(エステル結合数あるいはカーボネート結合数)
が6より小さいと耐熱水性、耐寒性の低下が大きく、11
より大きいと弾性回復性の低下が大きい。好ましくは6
〜10であることが良い。(II)式でメチン基数/全炭素
数が0.015より小さいと弾性回復性が極端に低下し、0.1
3より大きいと耐熱性、弾性回復性が不良となる。より
好ましい範囲は、0.03〜0.10である。なお、側鎖にメチ
ル分岐を1つ有するジオールは一級のジオールである事
が耐熱性、弾性回復性の点からも好ましい。
本発明にいうメチン基とは、水素原子以外の3つの異
なる原子(同じ元素であつても良い)と結合した である。
高分子ジオールの分子量は1000〜3500の範囲が好まし
い。とくに好ましくは、1500〜3000である。1000より小
さいと、弾性回復性、耐熱性、耐熱水性、耐寒性が不良
となり、3500より大きいと、弾性回復性、紡糸安定性、
強度が低下する。本発明で好ましく使用されるメチル分
岐を1つ有する炭素数6〜10のジオールは前述したよう
に3−メチル−1,5−ペンタンジオールおよび2−メチ
ル−1,8−オクタンジオールであり、それらと併用して
使用できる好適なジオールとして1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,
10−デカンジオールなどがあげられるが、なんらこれら
に限定されるものではない。
本発明で用いられるポリエステルジオールを製造する
ためのジカルボン酸としては、炭素数が6〜12の脂肪族
または芳香族ジカルボン酸が好ましい。なかでも脂肪族
ジカルボン酸が好ましい。脂肪族ジカルボン酸の例とし
ては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸等が挙げられる。また芳香族ジカルボ
ン酸の例としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル
酸等が挙げられる。特にアジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸の使用が好ましい。
本発明で使用されるポリエステルジオールはいかなる
製造法によつたものでもよい。例えばポリエチレンテレ
フタレートまたはポリブチレンテレフタレートの製造に
おいて用いられる公知の方法と同様の方法、すなわちエ
ステル交換または直接エステル化とそれに続く溶融重縮
合反応にて製造可能である。
本発明で使用されるポリカーボネートジオールを製造
する際に使用されるカーボネート化合物としては、ジア
ルキルカーボネート、アルキレンカーボネート、または
ジアリールカーボネート等が好ましく用いられるが、本
発明で使用されるポリカーボネートジオールの製造法は
特に限定されるものではない。
本発明に用いられるポリウレタン弾性繊維は前述の条
件を満足する高分子ジオール(A)と有機ジイソシアナ
ート(B)および鎖伸長剤(C)を重合して得られたポ
リウレタンで構成されている。
本発明において使用される適当な有機ジイソシアネー
トとしては、当業界で公知の脂肪族、脂環族もしくは芳
香族の有機ジイソシアナートが挙げられ、具体的には4,
4′−ジフエニルメタンジイソシアナート、p−フエニ
レンジイソシアナート、トルイレンジイソシアナート、
1,5−ナフチレンジイソシアナート、キシリレンジイソ
シアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホ
ロンジイソシアナート、4,4′−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアナート等の分子量500以下のジイソシアナ
ートが例示される。好ましくは4,4′−ジフエニルメタ
ンジイソシアナートである。
また本発明において使用される鎖伸長剤としてはポリ
ウレタン業界における常用の連鎖成長剤、すなわちイソ
シアナートと反応し得る水素原子を少なくとも2個含有
する分子量400以下の低分子化合物、例えばエチレング
リコール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコー
ル、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタ
ンジオール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベ
ンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、ビス(β−ヒ
ドロキシエチル)テレフタレート、キシレングリコール
等のジオール類が挙げられる。これらの化合物は単独で
または、2種以上を混合して使用してもよい。最も好ま
しい鎖伸長剤はブタンジオールまたは1,4−ビス(2−
ヒドロキシエトキシ)ベンゼンである。
特に熱可塑性ポリウレタンから溶融紡糸法により弾性
繊維を製造する場合、熱可塑性ポリウレタンの合成に使
用される有機ジイソシアナートに4,4′−ジフエニルメ
タンジイソシアナート、鎖伸長剤が1,4−ブタジオール
および/または1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)
ベンゼンを選択する事により、耐熱性、弾性回復性、伸
度に優れた性能が得られる。
ポリウレタンを製造する方法に関しては、公知のウレ
タン化反応の技術を採用することができる。本発明者ら
の研究によればなかでも実質的に不活性溶媒の不存在下
で溶融重合することが好ましく、特に多軸スクリユー型
押出機を用いる連続溶融重合が好ましいことが判明し
た。
高分子ジオール(A)に対する有機ジイソシアナート
(B)の割合(B)/(A)は、モル比で1,5〜4.5が弾
性回復性、耐熱性、耐寒性などの総合性能の点から優れ
ている。
さらに高分子ジオール(A)、有機ジイソシアナート
(B)、鎖伸長剤(C)の組成比において、(B)/
[(A)+(C)]のモル比は0.9〜1.2の範囲、特に0.
95〜1.15の範囲が好ましい。この範囲とすると耐熱性、
弾性回復性、伸度に優れたポリウレタン弾性繊維が得ら
れる。
なお、(B)/[(A)+(C)]のモル比について
は、ポリウレタン重合時、あるいは紡糸時に制御でき
る。溶融重合の場合温度は特に制限されないが200℃以
上260℃以下が好ましい。
本発明のポリウレタンは実質的に (a)高分子ジオール分子の両末端の水酸基から2個の
水素原子が除かれた形の2価の基; (b)有機ジイソシアナートに由来する一般式 (式中R3は2価の有機基を表す)で示される基; (c)低分子化合物(鎖伸長剤)分子のイソシアナート
と反応しうる2個の水素原子が除かれた形の2価の基; の構造単位よりなると考えられる。ここで(a)の構造
単位は(b)の構造単位とウレタン結合を形成してお
り、また(b)の構造単位の一部は他の(b)の構造単
位とアロハネート結合を形成して結合している場合があ
るものと考えられる。
この様にして得られたポリウレタンからポリウレタン
弾性繊維を製造する方法としては、溶融紡糸法、乾式紡
糸法などがあげられる。溶融紡糸法の場合、紡糸に際し
ては、以下の条件を用いる事が実質的である。第一に紡
糸速度が重要であり、少なくとも900m/min以下さらには
600m/min以下とする事が好ましい。また紡糸を巻取機に
よりボビンに巻き取る際の紡糸テンシヨンは0.1g/d以
下、より好ましくは0.05g/d以下とし、ゴデツトローラ
ーから巻取機への給糸速度差は5%のアンダーフイード
を越えない事が必要であり、等速に近づける事が好まし
い。
また、巻き取られた糸条を低湿下において、ハードセ
グメントのガラス転移温度(Tg)に対し、+20〜−50℃
の範囲において熱処理し、ハードおよびソフトセグメン
トの相分離を十分に実施することが好ましい。
この様にして得られたポリウレタン弾性糸をインナー
ウエアー用として使用する場合は、裸糸として使用して
も良いし他繊維で被覆したいわゆる被覆弾性糸として使
用しても良い。
本発明に使用する他繊維は、インナーウエアー用とし
て使用されるポリアミド繊維(主としてナイロン6)、
ウール、綿、絹、麻等を用いる事が出来る。さらに本発
明に用いるポリウレタン弾性繊維は120℃以上の温度で
高温高圧染色する事が可能であり、従来ポリウレタン弾
性繊維と混用する事が出来なかったポリエステル繊維な
どの高温高圧染色が必要である繊維と混用することが出
来る。
さらにまた、本発明は混用されているポリエステル繊
維はICI法5時間で3級以上の抗ピリング性を有するこ
とが好ましい。この繊維は、リン化合物、ケイ素化合
物、ポリカーボネート化合物、あるいはスルホン基含有
化合物等から選ばれる1種以上の化合物を共重合あるい
は含有したポリエステルから得られる。これらの化合物
は0.05〜5モル%共重合あるいは含有していることが好
ましい。また、抗ピリング性を有する繊維は異型断面繊
維とすることによつても得ることが出来る。偏平度L/W
(繊維断面の最長軸Lと最短軸Wとの比)は2〜10が好
ましい。
特に特開昭61−47818公報に記載の如く、ポリエステ
ル製造に際し純度96%以上の (但しnは3〜8の整数)で示されるリン化合物を添加
(リン原子が全酸成分の0.5〜1.5モル%)後溶融紡糸し
て極限粘度0.38〜0.45、酸性末端基濃度80μeq/g以上の
含リンポリエステル繊維とし、更に110℃以上の熱水処
理によつて極限粘度を0.36以下とすることによつて得ら
れる繊維が好ましい。この時110℃以上のwet処理が必要
であり、本発明に使用の耐熱水性ポリウレタン弾性糸と
の組み合わせによつて初めて抗ピル性と伸縮性を同時に
得ることができる。
本発明でいう高温高圧染色が可能であるとは、ポリエ
ステル繊維の染色に常用される分散染色などを使用し、
120℃×60分の高温高圧染色後においても、ポリウレタ
ン弾性糸の強度保持率が80%以上であることをいう。
製編織は常法により行うが、編組織としてはパワーネ
ツト、メツシユ、チユール、パイル、サテン、トリコネ
ツトレース及びジヤカード(以上経編)、リバーシブル
天竺、スムース、モツク、パイル、ベロア、メツシユ、
及びジヤカード(以上丸編)等があり、織組織としては
サテン等が挙げられる。
但しポリウレタン弾性糸の使用量は5重量%以上が実
用的であり、5重量%未満では緊迫力に欠ける。
製編織された生機に121℃以上の高温高圧染色を施
す。例えばポリエステル繊維を使用した場合は、120℃
以上の染液中で分散染色を用い常法により染色する。
親水性(吸湿性あるいは/および吸水性)や制電性
は、インナーウエアー用伸縮性布帛にとつて重要であ
る。肌に直接あるいは肌に近い部位で使用される伸縮性
インナーウエアーの親水性は、ムレ感等の不快感を解消
し、制電性は衣服のまわりつきやゴミ付着を防止する。
インナーウエアーに用いられる伸縮性布帛の制電性あ
るいは/および親水性は使用する素材の選定あるいは後
加工によつて得られる。元来制電性あるいは/および親
水性を有する素材−例えば綿糸を使用しても染色工程中
の助剤や残留撥水剤の影響を受けて制電性あるいは/お
よび親水性を損いやすいので帯電防止加工および親水加
工を併用することが好ましい。
本発明では親水性の評価を簡便性の点からJIS L−109
6滴下法(無伸長時の初期吸水性能)で行い、10秒以下
を持つて親水性を有すると判断した。また制電性につい
ては、JIS L−1094−1980で摩擦帯電圧を測定し(無伸
長時初期摩擦帯電圧)1000V以下を持つて制電性を有す
ると判断した。(通常、実用上許容されるまつわりつき
のない基準は2000V以下……繊維製品消費科学ハンドブ
ツク) 親水加工剤や帯電防止剤は、本発明で使用する他繊維
の種類により異なるが、本発明では無伸長時の初期吸水
性能JIS L−1096滴下法)が10秒以下、初期摩擦帯電圧
(JIS L−1094−1980)が1000V以下であれば親水加工剤
や帯電紡糸剤あるいは加工方法を限定するものではな
く、これら加工剤として常用されるウレタンプレポリマ
ー系加工剤、水溶性シリコーン系加工剤、第4級アンモ
ニウム塩型加工剤等が各種繊維全般用として、カチオン
系加工剤、ポリアルキレンオキサイド鎖型共重合加工
剤、オキシエチル系加工剤、リン酸エステル系加工剤、
あるいはアクリル酸やメタクリル酸共重合体と架橋樹脂
による加工剤等が合繊や合繊を含む繊維用として、アル
キルサルフエート系加工剤やアルキルホスフエート系加
工剤がセルロースやウール用として使用できる。
特にポリエステル繊維用親水および帯電防止剤として
は、ポリエチレングリコールとポリエステルとの共重合
物、例えばパーマローズT(ICI社)や同ポリエステル
系のナイスポールPR−333(日華化学)等がある。
また加工法としては、グラフト処理法やDIP−NIPによ
る後加工法あるいは浴中処理法等があるが、加工コスト
を考慮した場合DIP−NIP法や浴中処理法が好ましい。
また本発明は、上記の初期摩擦帯電圧あるいは/およ
び初期吸水性能を損わない限りにおいて、他の後加工、
例えば抗菌加工剤との併用等は可能である。さらにまた
ブラジヤー等の整型性を得るために接着芯地等他素材と
の貼り合せ等が可能である。
本発明にいう伸縮性インナーウエアーには、フアンデ
ーシヨン(ブラジヤー、ガードル等)、ランジエリー
(スリツプ、キヤミソール等)、肌着(シヨーツ、シヤ
ツ等)、レオタード等がある。
[本発明の作用効果] 本発明のインナーウエアーは耐光性、耐熱水性に優れ
たポリウレタン弾性糸を使用した制電性あるいは/およ
び親水性を有することを特徴としている。制電性あるい
は/および親水性は肌に近い部位で使用するインナーウ
エアーにおいて、発汗による不快感を取り除きさらには
SR性やまとわりつきを防止する効果を有する。またポリ
ウレタン弾性糸の優れた耐光性は、天日干し頻度の多い
インナーウエアーにあつて伸縮性を十分に保持し、さら
に優れた耐熱水性はポリエステル繊維と共用し120℃以
上で高温高圧染色しても十分な伸縮性を保持せしめる。
特にポリウレタン弾性糸をポリエステル繊維からな
り、かつ制電性あるいは/および親水性を有するインナ
ーウエアーは従来なく画期的素材として期待できる。
以下実施例にて説明する。
尚本発明で採用した測定方法は次の通りである。
〈高分子ジオールの分子量の測定〉 高分子ジオールの水酸基価、酸価を測定し、常法に従
つて求める。
〈弾性糸の強伸度、弾性回復率の測定〉 JIS L−1013に従い強伸度および弾性回復率を求め
た。ただし後者は200%伸長時の弾性回復率を測定し
た。
〈縫製品の伸度、100%伸長時の瞬間弾性回復率の測
定〉 JIS L−1013に準じ次によつて求めた。
巾7cm×長さ10cmの生地試料をインストロン(スピー
ド1cm/分)にて測定した。伸度は2kg荷重時、瞬間弾性
回復率は100%伸長後(2分間保持)同スピードで元に
戻し、応力が0となった長さから求める。
〈耐光弾性回復保持率の測定〉 JIS L−0842カーボンアーク法に準拠し、縫製品の生
地に63±3℃で20時間照射後、上述法にて弾性回復率を
測定し求める。
用いた化合物は略号を用いて示したが、略号と化合物
の関係は、表1の通りである。
参考例1 (ポリエステルジオールの製造) 2−メチル−1,8−オクタンジオールと1,9−ノナンジ
オールの混合物(モル比:50/50)1600g及びアジピン酸1
460g(ジオール/アジピン酸のモル比:1.3/1)を常圧下
に窒素ガスを通じつつ約220℃の温度で縮合水を留去し
ながらエステル化を行なつた。ポリエステルの酸価が0.
3以下になつたとき真空ポンプにより徐々に真空度を上
げ反応を完結させた。こうして水酸基価56、酸価0.12の
ポリエステルジオール(以下、ポリエステルaと記す)
を得た。このポリエステルaの分子量は2000であつた。
参考例2〜16 酸成分及びジオール成分とを各々表2に示したものを
用いること以外は参考例1と同様にして各々表2に示し
たポリエステル(ポリエステルb〜p)を得た。
参考例17 (ポリカーボネートジオールの製造) 窒素気流下、2−メチル−1,8−オクタンジオール(M
OD)と1,9−ノナンジオール(ND)の混合物(MOD/NDの
モル比:50/50)1730gおよびジフエニルカーボネート214
0gよりなる混合物を加熱し、200℃で反応系よりフエノ
ールを留去した。温度を徐々に210〜220℃に上げ、フエ
ノールをほとんど留去させたあと真空にし、6〜10mmHg
の真空下210〜220℃で残りのフエノールを完全に留去し
た。その結果水酸基価56、分子量2000のポリカーボネー
トジオール(ポリカーボネートa)を得た。
参考例18〜24 ジオール成分、カーボネート化合物を各々表3に示し
たものを用いる以外は参考例17と同様にして、表3に示
したポリカーボネート(ポリカーボネートb〜h)を得
た。
実施例1 ポリエステルaとBDとからなり30℃に加熱された混合
物と50℃に加熱溶融したMDIとをポリエステル/MDI/BDの
使用モル比が1/3.24/2となる量で定量ポンプにより同方
向に回転する二軸スクリユー押出機に連続的に仕込み、
連続溶融重合をおこなつた。このとき前記押出機の中を
前部、中間部および後部の三つの帯域に分け中間部の温
度(重合温度)を230℃とした。生成したポリウレタン
(PU)をストランド状で水中へ連続的に押し出し、次い
でペレタイザーでペレツトに成形した。
このペレツトを80℃10時間真空乾燥し、単軸押出機付
の紡糸機により、紡糸温度230℃、紡糸速度500m/min
で、紡糸テンシヨン0.05g/dで、給糸速度差は約3%の
アンダーフイードとして紡糸し、40デニール/2フイラメ
ントのポリウレタン繊維を得た。この繊維を80℃20時間
熱処理し、物性を測定したところ、表4に示す様に好ま
しい結果が得られた。
このポリウレタン弾性糸(裸糸)とポリエステル紡績
糸(単繊度0.4dr×平均長さ3.5inch)40/1(40綿番手、
単糸)を引き揃えて丸編機で編成し編地を得た。この時
の編成条件は次の通りであつた。
編機:28ゲージ、口径30″(福原製機製) 組織:天竺リバーシブル ポリウレタン糸のドラフト(伸縮率):3倍 ポリエステル紡績糸のフイード張力:3g 生機密度:ウエール45×コース85 ついで該生機を次の条件で染色、親水・制電加工及び
仕上げ加工した。
精錬・リラツクス:60℃×1分 (連続リラクサー) プレセツト:180℃×1分(ピンテンター) 染色:染料 Resoline Blue FBL(バイエル社) 2.5% owf 助剤 デイスパーTL(明成化学工業1g/l) 浴比 1:20 温度条件 40℃から40分で130℃まで昇温し、さらに130
℃で30分染色した。
浴中親水・制電加工:染色と同時 親水・制電剤:ナイスポールPR−333 (ポリエステル系) 5% owf 仕上げ加工 フアイナルセツト 170℃×1分 仕上げ密度 ウエール50/インチ×コース90/インチ 次にこの仕上げ編地を裁断、縫製し半袖シヤツを作成
した。
このシヤツの伸度は経210%×緯280%であり、瞬間弾
性回復率(100%伸度時)は経93%×緯92%であり、優
れた伸縮性を示した。また、初期吸水性能は1秒(JIS
L−1096滴下法)であり、初期摩擦帯電圧は430V(JIS L
−1094'80摩擦帯電法)であつた。またこのシヤツの耐
光ケンロー度(JIS L−0842カーボンアーク第3露光法
変退色)は5級であり、耐光弾性回復保持率(100%伸
長時)は経99%×緯99%であり優れた伸縮性を保持して
いた。
実施例2〜13および比較例1〜12 実施例1と同様にして、表2に示す組成のポリエステ
ルから表4に示す組成のポリウレタンを合成しペレツト
化せずにそのまま紡糸頭に供給し、紡糸温度230℃、紡
糸速度500m/minで紡糸して、40デニール/2フイラメント
のポリウレタン弾性糸を得た。この繊維を80℃×20時間
熱処理し物性を評価した。さらに実施例1と同様に製
編、染色、縫製し、実施例1と同様の評価を行つた結果
を表4に示す。実施例2〜13はポリウレタン弾性糸の伸
度、弾性回復率及び縫製品の100%の伸長時の瞬間弾性
回復率、耐光弾性回復保持率が良好である。一方比較例
1〜12は上述の糸物性及び製品物性のすべてにおいて良
好なものは得られず、総合性能に劣る。
実施例14 実施例1のポリウレタン弾性糸の製法にて、210デニ
ール/10フイラメントのポリウレタン弾性糸を得、整形
後この糸をバツク糸とし、50デニール/17フイラメント
のナイロン−6糸をフロント糸とし、24Gラツセル機で
パワーネツト組織で編成した。この時の条件は次の通り
であつた。
編機:エラスチツクラツセル機24E(カールマイヤー
製) ポリウレタン糸の給糸張力:15g 機上密度 26ウエール/インチ×75コース/インチ 次いでこの生機を次の条件で染色仕上げ加工した。
精錬・リラツクス:70℃×1分 (連続リラクサー) プレセツト:190℃×1分(ピンテンター) 染料:Suminol Milling Brilliant Red Bs 0.3% owf 浴条件:PH7.0、浴比1:20 染条件:20分で40℃から95℃に昇温、95℃で30分維持 仕上げ加工:帯電防止剤 ナイスポールTF−501(日華
化学) 3% soln.(ピツクアツプ85%) フアイナルセツト 170℃×1分 仕上げ密度 38ウエール/インチ×150コース/インチ 該仕上げ生地を裁断、縫製しガードルを得た。このガ
ードルの伸度は、経125%×緯110%であり、瞬間弾性回
復率(100%伸長時)は経95%×緯91%であつた。
また初期吸水性能1秒以下(瞬時)であり、初期摩擦
帯電圧は220Vであつた。
さらに耐光弾性回復保持率(100%伸長時)は経97%
×緯98%であり優れた伸縮性を保持していた。
実施例15 実施例1で得られたポリウレタン弾性糸40デニール/2
フイラメントと綿のコーマー糸40/1でリバーシブル天竺
を編成し(編成条件は実施例1に同じ)編地を得た。
この編地を次の条件で仕上げ加工した。
精錬・リラツクス:80℃×1分 (連続リラクサー) 漂白:95℃×1hrs.(ウインス) 35%過酸化水素 2g/l PH:10.0 漂白後水洗 10分 水洗後パツデイグ次いで仕上げセツト 帯電防止剤エリミナDS(丸菱油化アルキルサルフエー
ト系)2% soln.(ピツクアツク100%) 仕上げセツト:170℃×1分(ピンテンター)密度ウエー
ル50/インチ×コース90/インチ この仕上げ編地を裁断、縫製し、半袖シヤツを得た。
このシヤツの伸度は、経220%×緯275%であり、瞬間
弾性回復率(100%伸長時)は経92%×緯92%であり、
また初期摩擦帯電圧は160Vであり、初期吸水性能は1秒
以下(瞬時)であつた。また耐光弾性回復保持率(100
%伸長時)は経99%×緯98%であい優れた伸縮性を保持
していた。
実施例16 表糸を、極限粘度0.42、酸性末端基濃度100μeq/gの
ジブチルホスヘートを共重合したポリエステルからなる
含リン(リン原子含有量1.0モル%)ポリエステル紡績
糸40/1(1.4dr×38mm)とする以外は、まつたく実施例
1と同条件で編成、染色仕上げおよび縫製によつて半袖
シヤツを得た。
縫製後のポリエステルの極限粘度は0.34であつた。
このシヤツについて物性を測定したところ、伸度は、
経205%×緯280%であり、瞬間弾性回復率(100%伸長
時)は経93%×緯92%であり優れた伸縮性を示した。ま
た初期吸水性能は1秒であり、初期摩擦帯電圧は390Vで
あつた。ピリングテスト(ICI法5時間)の結果は4〜
5級であり明らかな抗ピリング性を示した。また耐光弾
性回復保持率(100%伸長時)は経98%×緯97%であり
優れた伸縮性を保持していた。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリウレタン弾性体と他繊維とからなる布
    帛において、該ポリウレタン弾性糸が、高分子ジオール
    (A)、有機ジイソシアナート(B)および鎖伸長剤
    (C)を重合したポリウレタンよりなり、該高分子ジオ
    ールとして、 一般式 (式中、R1はメチル分岐を1つ有するアルキレン基、R2
    は2価の有機基である) で表わされる構造単位を必須とするポリエステルジオー
    ルあるいは、 一般式 (式中、R1はメチル分岐を1つ有するアルキレン基であ
    る) で表わされる構造単位を必須とするポリカーボネートジ
    オールであって、下記(I)、(II)の条件を満足する
    分子量1000〜3500の高分子ジオールが用いられた布帛か
    らなり、かつ該布帛に120℃以上の高温高圧染色が施さ
    れているインナーウエアー。 6≦全炭素数/(エステル結合数あるいはカーボネート
    結合数)≦11 …(I) 0.015≦メチン基数/全炭素数≦0.13 …(II) (ここで全炭素数とは高分子ジオール中のエステル結
    合、カーボネート結合に含まれる炭素を除いた残りの炭
    素の合計数)
  2. 【請求項2】請求項1に記載の布帛が無伸長時の初期吸
    水性能が10秒以下(JIS L−1096滴下法)の親水性およ
    び/又は無伸長時の初期摩擦帯電圧が1000V以下(ベル
    トJIS L−1094−1980)の静電性を有するインナーウエ
    アー。
  3. 【請求項3】他繊維がポリエステル繊維である請求項1
    または2に記載のインナーウエアー。
  4. 【請求項4】ポリエステル繊維が、3級以上の抗ピリン
    グ性(ICI法5時間)を有するポリエステル繊維である
    請求項3に記載のインナーウエアー。
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