JPH08327134A - 風量調整ダンパー - Google Patents

風量調整ダンパー

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JPH08327134A
JPH08327134A JP15234695A JP15234695A JPH08327134A JP H08327134 A JPH08327134 A JP H08327134A JP 15234695 A JP15234695 A JP 15234695A JP 15234695 A JP15234695 A JP 15234695A JP H08327134 A JPH08327134 A JP H08327134A
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Yukio Kuno
幸男 久野
Yoji Mori
陽司 森
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Kyoritsu Air Tech Inc
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KYORITSU EATETSUKU KK
Kyoritsu Air Tech Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で羽根開閉に伴う大きな風切り音
の発生を防止すると共に、ダンパー羽根近縁での偏流を
防止し、かつ整流作用を備えると共に、センサによる風
量検知精度を大幅に向上させる。 【構成】 内部に風の流路Pを形成するケーシング12
と、このケーシング12内を回動しつつ該流路Pを開閉
する羽根部14、62、64、と、を備え、該羽根部1
4、62、64は、相互に重ね合わせられ、かつ摺動可
能に取り付けられ、複数の孔18を開孔させた複数の羽
根板16a、16b、66a、66b、68a、68b
を備えてなる風量調整ダンパーである。羽根部そのもの
で流路開閉と複数孔の開閉を行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建物天井裏などに架設
され、ダクト中間に介在して設けられる空調用ダンパー
であって、特に風量調整用のダンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】空調用のダクト内を流れる空気の遮断や
風量を調節するためにダクト中間等にダンパーを介在さ
せ、このダンパーのダンパー羽根を開閉させる機構が公
知である。図43は、従来の1つの風量調整ダンパーの
概略断面説明図であり、図に見られるように、このよう
なダンパーは、所要の厚さを有する箱体の枠Fと、この
枠F内に設けられた軸受に軸支される回動軸Sと、この
回動軸Sに固定されて枠F内の通風口を開閉回動するバ
タフライ羽根Vと、を有し、回動軸Sの一端を延設させ
てその端部をハンドルやモータの出力軸に接続させてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の風量調整ダンパーでは、羽根が流路を閉鎖するよう
に回動すると、羽根の上下端側に空気を押しやるように
して風量制御するので大きな開口から一気に空気を下流
側に流すことになり、どうしても大きな風切り音を生じ
やすく、この騒音をいかに小さなものとするかが空調用
ダンパーの開発段階においても重要な課題となってい
た。また、上記従来の風量調整ダンパーでは、回転角と
風量の関係が曲線的に変化しやすく、特に、流路の全閉
状態に近い場合には羽根のわずかな開度変化でも急激に
風量が変化して、モータ駆動により目標値と応答値を比
較して風量制御する場合にはハンチング動作を生じて良
好な風量制御を行えないという問題があった。更に、上
記のようなバタフライ羽根などでは前述のように羽根の
上下端側に空気を押しやるので流れ下流側において偏流
が生じ、例えば室内吹出口の近く等では使用に耐えない
と共に、上流側の風速の分布も偏ってしまう結果、風速
センサの検知精度が劣り、可変風量型のVAVダンパー
等として使用する場合にはシステム全体の精度を良好に
維持するのが困難であるという問題があった。
【0004】本発明は、かかる上記従来の問題点に鑑み
てなされたものであり、その主要の目的は、極めて簡単
な構成で羽根開閉に伴う大きな風切り音の発生を防止す
ると共に、ダンパー羽根近縁での偏流を防止し、かつ整
流作用を備えると共に、センサによる風量検知精度を大
幅に向上させることのできる風量調整ダンパーを提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明に係る風量調整ダンパーは、内部に風
の流路Pを形成するケーシング12と、このケーシング
12内を回動しつつ該流路Pを開閉する羽根部14、6
2、64、と、を備え、該羽根部14、62、64は、
相互に重ね合わせられ、かつ摺動可能に取り付けられ、
複数の孔18を開孔させた複数の羽根板16a、16
b、66a、66b、68a、68bを備えてなる風量
調整ダンパー10−1、10−2、10−3、10−
4、10−5から構成される。
【0006】請求項2の発明に係る風量調整ダンパーに
おいては、前記羽根部14、62、64により風の流路
P全体を開閉するときにはこれらの複数の孔18を連通
させて連通開口を形成した状態で開閉させ、風の流路P
を閉鎖した後に前記いずれかの羽根板16a、16b、
66a、66b、68a、68bを摺動させて前記連通
開口を閉塞するように構成しても良い。
【0007】また、請求項3の発明に係る風量調整ダン
パーにおいては、前記ケーシング12内を横切るように
回動軸22、58、60を回動自在に取り付けてこの回
動軸22、58、60に前記羽根部14、62、64を
取り付け、該回動軸22、58、60を回動させること
により前記風の流路開閉及び複数の孔18の開閉を行う
兼用駆動機構28を備えてなることとしても良い。
【0008】また、請求項4の発明に係る風量調整ダン
パーにおいては、前記兼用駆動機構28は、前記回動軸
22、58、60を前記流路閉鎖状態から更に連続的に
回動することにより前記複数の孔18を閉塞させるべく
摺動開閉を行うように構成しても良い。
【0009】また、請求項5の発明に係る風量調整ダン
パーにおいては、前記兼用駆動機構28は、ケーシング
12に回動自在に設けられた回動軸22、58、60
と、この回動軸22、58、60に取り付けられた羽根
部14、62、64と、を有し、該羽根部14、62、
64は、前記回動軸22、58、60に対して空転可能
に取り付けられた第1羽根板16a、50a、66a、
68aと、この第1羽根板に対して摺動自在に係合され
た他の羽根板16b、50b、66b、68bと、を備
え、さらに、前記それぞれの羽根板16a、50a、6
6a、68a、16b、50b、66b、68bに設け
られた長溝40、42、52、54、84、86と、前
記回動軸22、58、60に半径方向に向けて固定さ
れ、前記重ね合わせた複数の羽根板16a、50a、6
6a、68a、16b、50b、66b、68bの長溝
40、42、52、54、84、86を貫通して端部を
突設させた駆動用ピン38と、前記羽根部14、62、
64による流路Pの閉鎖位置を規定するストッパ部44
と、を備えてなることとしても良い。
【0010】また、請求項6の発明に係る消音型風量調
整ダンパ−においては、前記長溝84、86は、前記羽
根部62、64の流路閉鎖状態から更に回動軸58、6
0を回動させて駆動用ピン38が他の羽根板66b、6
8bを掛着するようにして摺動させ、前記複数の孔18
を完全閉塞させるのに対応する駆動用ピン38の回動範
囲を含む長さに設定されてなることとしても良い。
【0011】また、請求項7の発明に係る風量調整ダン
パーによれば、前記兼用駆動機構28は、前記複数の羽
根板66a、66b、68a、68bの複数の孔18が
それぞれ連通開口を形成する方向に常時付勢力を付与す
る連通付勢部材46を有してなることとしても良い。
【0012】また、請求項8の発明に係る風量調整ダン
パーによれば、前記長溝40、42、52、54は、前
記それぞれの羽根板16a、16b、50a、50bに
設けられ前記駆動用ピン38による貫通部を形成しつつ
少なくとも互いに異なる方向に向けて形成されてなるこ
ととしても良い。
【0013】また、請求項9の発明に係る風量調整ダン
パーにおいては、前記他の羽根板16bは回動軸22に
沿う方向に摺動可能に設けられてなることとしても良
い。
【0014】また、請求項10の発明に係る風量調整ダ
ンパーにおいては、前記他の羽根板66b、68bは回
動軸58、60と交差する方向に摺動可能に設けられて
なることとしても良い。
【0015】また、請求項11の発明に係る風量調整ダ
ンパーにおいては、前記複数の羽根板16a、50a、
66a、68a、16b、50b、66b、68bは互
いに回転摺動するように設けられてなることとしても良
い。
【0016】また、請求項12の発明に係る風量調整ダ
ンパーにおいては、前記複数の羽根板50a、50bは
円形に形成され、前記第1羽根板50aの長溝52は回
動軸22と交差する方向に長く形成されると共に、該羽
根板50aに対し回転摺動する他の羽根板50bの長溝
54は少なくとも駆動用ピン38のピン径よりも同羽根
板50bの半径方向に長く形成されてなることとしても
良い。
【0017】また、請求項13の発明に係る風量調整ダ
ンパーにおいては、前記回動軸22、58、60と羽根
部14、62、64には該羽根部を流路閉鎖または開放
方向に付勢する流路開閉付勢部材88が設けられてなる
こととしても良い。
【0018】また、請求項14の発明に係る風量調整ダ
ンパーにおいては、前記流路開閉付勢部材88は付勢バ
ネからなり、この付勢バネは、前記他の羽根板66b、
68bの上から前記第1羽根板66a、68a側に押圧
する押えバネを兼用するように張架されてなることとし
ても良い。
【0019】また、請求項15の発明に係る風量調整ダ
ンパーにおいては、前記回動軸58、60はケーシング
12内を横切るように複数個設けられ、これに係合しつ
つ風の流路Pを開閉する羽根部62、64が複数個設け
られてなることとしても良い。
【0020】また、請求項16の発明に係る風量調整ダ
ンパーにおいては、前記羽根部62、64を係止させる
回動軸58、60は、風の流路に対し直列状に配置さ
れ、前記羽根部62、64は互いに逆方向に回動しつつ
流路を閉塞するように設けられてなることとしても良
い。
【0021】また、請求項17の発明に係る風量調整ダ
ンパーにおいては、前記複数の羽根部62、64を同期
して開閉させるための同期開閉機構90が設けられてな
ることとしても良い。
【0022】また、請求項18の発明に係る風量調整ダ
ンパーにおいては、前記回動軸58、60は流路内に2
個設けられ、前記羽根部62、64はこれらの回動軸5
8、60に係止されて前記風の流路Pの2分割面をそれ
ぞれ開閉するように2組設けられてなることとしても良
い。
【0023】また、請求項19の発明に係る風量調整ダ
ンパーにおいては、前記兼用駆動機構28は、ケーシン
グ12に回動自在に設けられた回動軸22と、この回動
軸22に取り付けられた羽根部14と、を有し、該羽根
部14は、前記回動軸22に対して空転可能に取り付け
られた第1羽根板16aと、この第1羽根板16aに対
して摺動自在に係合された他の羽根板16bと、を備
え、前記回動軸22には螺子部126が設けられ、この
螺子部126に螺合しつついずれかの羽根板16
b...を摺動させる進退機構128と、を備えてなる
こととしても良い。
【0024】また、請求項20の発明に係る風量調整ダ
ンパーにおいては、前記進退機構128は、前記螺子部
126に螺合するとともに前記他の羽根板16bに固定
され、前記回動軸22に沿う方向に進退移動するナット
部材134と、前記第1羽根板16aを常時風の流路閉
鎖方向に付勢させる付勢部材(138)と、を備えてな
ることとしても良い。
【0025】また、請求項21の発明に係る風量調整ダ
ンパーにおいては前記兼用駆動機構28は、前記複数の
羽根板66a、66b、68a、68bと連係する中軸
58a、60aと外軸58b、60bからなる複軸構成
を含むこととしても良い。
【0026】また、請求項22の発明に係る風量調整ダ
ンパーにおいては、前記兼用駆動機構28は、モータの
出力軸に連動し、羽根部62、64の流路開閉から複数
の孔18の摺動開閉とを連係させるギヤ機構142を備
えてなることとしても良い。
【0027】また、請求項23の発明に係る風量調整ダ
ンパーにおいては、前記兼用駆動機構28は、前記重ね
合わせた複数の羽根板66a、77b、68a、68b
に回動軸58、60と交差方向に設けた長溝84、86
と、この長溝を貫通する駆動用ピン38を固定した中軸
58a、60aと、この中軸に摺動回転自在に設けら
れ、かつ、この中軸の外面側に同心状に複軸構成で設け
られた外軸58b、60bと、前記中軸58a、60a
に固定され任意の位置に連動ピン150を立設させた第
1ギヤ146と、前記外軸58b、60bに固定され、
回動時に前記第1ギヤ146の連動ピン150に衝合す
る衝合部を備えた第2ギヤ148と、を有し、該第2ギ
ヤ148は、同第2ギヤが連動ピン150に衝合しつつ
回動するときには第1ギヤ146も同期回動して前記中
軸58a、60aと外軸58b、60bの相対回転位置
を変化せないで羽根部62、64を流路閉鎖位置まで回
動させる駆動側ギヤ(140)との係合部154を有
し、前記第1ギヤ146は、羽根部62、64による風
の流路Pの閉鎖状態から中軸58a、60aを回動させ
て前記複数の孔18を閉塞移動させる駆動側ギヤ140
との係合部152を備えてなることとしても良い。
【0028】また、請求項24の発明に係る風量調整ダ
ンパーにおいては、前記複数の羽根板16a、50a、
66a、68a、16b、50b、66b、68bには
これらの羽根板相互の摺動を案内する案内部36、80
が設けられ、かつ、それらの羽根板が重ね合わせた状態
から離脱しないように保持部34、82が設けられてな
ることとしても良い。
【0029】また、請求項25の発明に係る風量調整ダ
ンパーにおいては、前記複数の孔18は羽根板16a、
50a、66a、68a、16b、50b、66b、6
8bのほぼ全体に分布するように設けられてなる事とし
ても良い。
【0030】また、請求項26の発明に係る風量調整ダ
ンパーにおいては、前記兼用駆動機構28は、多翼開閉
型ダンパーの各羽根部について設けられてなることとし
てもよい。
【0031】
【作用】本発明の請求項1の風量調整ダンパーにおいて
は、内部に風の流路を形成するケーシングと、このケー
シング内を回動しつつ該流路を開閉する羽根部と、を備
え、該羽根部は、相互に重ね合わせられ、かつ摺動可能
に取り付けられ、複数の孔を開孔させた複数の羽根板を
備えている。回転軸の回動と共に、羽根が流路内を回動
すると例えば全開状態からしだいに傾き、羽根本体によ
りしだいに抵抗を増して風の流れを抑制するが、この流
路内を開閉回動するときには羽根部の羽根板はそれぞれ
の多数の孔を合わせて連通開口を形成した状態として開
閉する。従って、常時微小の風量を連通した孔から通過
させている。風は複数の連通開口により分割されて下流
側に流れるので大きな騒音や風切り音がない極めて低騒
音のダンパーとして用いることとなる。また整流効果、
偏流防止効果、に優れ、センサ検知精度も大幅に向上さ
せる。回動軸の回動操作は外部に回動軸の一端部を延長
させて手動操作としても良いし、モータ等の駆動装置に
よることとしても良い。
【0032】請求項2に係る風量調整ダンパーにおいて
は、前記羽根部により風の流路全体を開閉するときには
これらの複数の孔を連通させて連通開口を形成した状態
で開閉させ、風の流路を閉鎖した後に前記いずれかの羽
根板を摺動させる。羽根板そのものに複数の孔を開口さ
せてケーシング内流路全体を開閉するので全開状態から
全閉時にいたるまで最小限の風量を流路断面に対して均
一に通流させるので偏流防止、整流効果の保持ができる
とともに、全閉近くでの風切り音その他の騒音が発生せ
ず、理想的な空調用ダンパーを得ることができる。とく
に、流路の全閉から更に複数孔の全閉を行うことにより
風量の微調整が実現できる。
【0033】請求項3に係る風量調整ダンパーにおいて
は、前記ケーシング内を横切るように回動軸を回動自在
に取り付けてこの回動軸に前記羽根部を取り付け、該回
動軸を回動させることにより前記風の流路開閉及び複数
の孔の開閉を行う兼用駆動機構を備えている。従って、
ケーシング内の風の流路開閉及びそれに続く羽根板に形
成した複数の孔の開閉を1つの駆動系により行え、構成
部材の兼用を実現できて構造も簡単にまとめることとな
る。また、駆動系統の機構が小型化でき、軽量となるの
で取扱も簡単である。
【0034】請求項4に係る風量調整ダンパーにおいて
は、前記兼用駆動機構は、前記回動軸を前記流路閉鎖状
態から更に連続的に回動することにより前記複数の孔を
閉塞させるべく摺動開閉を行うように構成している。従
って、回転軸の回転により羽根部全体を回動させて流路
の全開から全閉までの動きを一次回動とすれば、その全
閉状態から更に回転軸を回動させ、いわば二次回動させ
ることにより羽根板の摺動運動へ変換させるので動きに
むだがなく、応答性が高い。また、作動が確実である。
【0035】請求項5に係る風量調整ダンパーにおいて
は、前記兼用駆動機構は、ケーシングに回動自在に設け
られた回動軸と、この回動軸に取り付けられた羽根部
と、を有し、該羽根部は、前記回動軸に対して空転可能
に取り付けられた第1羽根板と、この第1羽根板に対し
て摺動自在に係合された他の羽根板と、を備え、さら
に、前記それぞれの羽根板に設けられた長溝と、前記回
動軸に半径方向に向けて固定され、前記重ね合わせた複
数の羽根板の長溝を貫通して端部を突設させた駆動用ピ
ンと、前記羽根部による流路の閉鎖位置を規定するスト
ッパ部と、を備えている。回動軸の回動と共に駆動用ピ
ンが回動し、該駆動用ピンが長溝内を移動する動きとな
り、これによって兼用の駆動が実現される。
【0036】請求項6に係る風量調整ダンパーにおいて
は前記長溝は、前記羽根部の流路閉鎖状態から更に回動
軸を回動させて駆動用ピンが他の羽根板を掛着するよう
にして摺動させ、前記複数の孔を完全閉塞させるのに対
応する駆動用ピンの回動範囲を含む長さに設定されてい
る。駆動用ピンが長溝内を移動するだけで摺動側の羽根
板を摺動させ、また摺動側の他の羽根板は重ね合わせた
状態とすれば良く、羽根部による流路全体の開閉ととも
に、重ね合わせた羽根板の摺動による複数孔の開閉機構
を具体化し得る。
【0037】請求項7に係る風量調整ダンパーにおいて
は、前記兼用駆動機構は、前記複数の羽根板の複数の孔
がそれぞれ連通開口を形成する方向に常時付勢力を付与
する連通付勢部材を有している。付勢ばねにより羽根部
の複数の孔を常時開放する方向に付勢するので、付勢機
構が簡単である。コイルバネを用いれば、端部を摺動し
ない方の羽根板側に係着させることによりかさ張りがな
く、コンパクトに仕上げることができる。
【0038】請求項8に係る風量調整ダンパーにおいて
は、前記長溝は、前記それぞれの羽根板に設けられ前記
駆動用ピンによる貫通部を形成しつつ少なくとも互いに
異なる方向に向けて形成されている。回動軸に対して羽
根部の両羽根板ともに、遊転自在に回動軸に取り付けら
れているので摺動しない方の羽根板である第1羽根板の
長溝が一種の案内溝となり、この直角方向の溝内を駆動
用ピンが回動するときにそれと異なる方向に長溝を形成
した他の羽根板は長溝の向きの方向にスライドし、これ
によって、回転運動を直線運動に直接変換し得ることと
なる。また、回動軸に立設した駆動用ピンが回動軸の回
動によりそれぞれの羽根板の長溝を貫通した状態で回転
するので長溝を異なる方向に向かうように形成すること
により長溝の幅方向変位量ぶんだけ回転軸の長手方向に
スライドする。これによって、変換機構を極めて簡単な
構造により形成でき、保守点検が行いやすく、故障が少
ない。
【0039】請求項9に係る風量調整ダンパーにおいて
は、前記他の羽根板は回動軸に沿う方向に摺動可能に設
けられている。摺動しない方の羽根板に回動軸と直交方
向の長溝を設け、摺動する側の羽根板にV字状に開く方
向の長溝を刻設することにより回動軸に沿う方向に可動
側の羽根板を摺動させる。
【0040】請求項10に係る風量調整ダンパーにおい
ては前記他の羽根板は回動軸と交差する方向に摺動可能
に設けられている。回動軸と交差方向の移動によっても
複数の孔の開閉が可能であり、特に複数の回動軸に対し
て複数の羽根部を構成する場合には有効に実現すること
ができる。
【0041】請求項11に係る風量調整ダンパーにおい
ては、前記複数の羽根板は互いに回転摺動するように設
けられている。相互の回転摺動によっても羽根部に形成
した複数の孔の開閉を実現でき、特に、直線的な移動で
はなく、回転移動であるから、摺動しない羽根板と、摺
動する羽根板の大きさを全く同一の大きさに形成して良
く製造工程が簡素化できるだけでなく、羽根の周縁部に
密に開口を設けることができる。
【0042】請求項12に係る風量調整ダンパーにおい
ては、前記複数の羽根板は円形に形成され、前記第1羽
根板の長溝は回動軸と交差する方向に長く形成されると
共に、該羽根板に対し回転摺動する他の羽根板の長溝は
少なくとも駆動用ピンのピン径よりも同羽根板の半径方
向に長く形成されている。回動軸の回動とともに交差方
向に形成した長溝内を駆動用ピンが直線的に移動する際
に、半径方向の振幅移動が生じるのでこれを効果的に吸
収することとなる。
【0043】請求項13に係る風量調整ダンパ−におい
ては、前記回動軸と羽根部には該羽根部を流路閉鎖また
は開放方向に付勢する流路開閉付勢部材が設けられてい
る。風の流路内の羽根部の開閉動作の安定性が確保され
る。
【0044】請求項14に係る風量調整ダンパーにおい
ては、前記流路開閉付勢部材は付勢バネからなり、この
付勢バネは、前記他の羽根板の上から前記第1羽根板側
に押圧する押えバネを兼用するように張架されている。
風の流路内の羽根部の開閉動作を安定的に行わせると共
に摺動する側の羽根の離脱防止、及び、摺動開閉時の孔
開放位置の保持の作用を合わせて行うこととなる。
【0045】請求項15に係る風量調整ダンパーにおい
ては、前記回動軸はケーシング内を横切るように複数個
設けられ、これに係合しつつ風の流路を開閉する羽根部
が複数個設けられている。複数の回動軸について複数の
羽根部を構成する場合でも風の流路の開閉及び羽根板の
摺動による複数孔の開閉を実現できる。
【0046】請求項16に係る風量調整ダンパーにおい
ては、前記羽根部を係止させる回動軸は、風の流路に対
し直列状に配置され、前記羽根部は互いに逆方向に回動
しつつ流路を閉塞するように設けられている。回動軸を
流路に直列状に配置することにより、複数の羽根部を流
路内に設け、抵抗損失を小さなものとし、また、逆方向
に羽根部を回動させることにより蝶羽状に流路を開閉さ
せ、均一な風の通流を行って、偏流の防止、整流効果の
保持を確実なものとしている。
【0047】請求項17に係る風量調整ダンパーにおい
ては、前記複数の羽根部を同期して開閉させるための同
期開閉機構が設けられている。複数の羽根部についての
流路内の同期開閉を行って流路内での断面全体について
風の均一な通流を行え、整流効果をも保持する。
【0048】請求項18に係る風量調整ダンパーにおい
ては、前記回動軸は流路内に2個設けられ、前記羽根部
はこれらの回動軸に係止されて前記風の流路の2分割面
をそれぞれ開閉するように2組設けられている。具体的
に2組の羽根部により流路を2分割した面をそれぞれに
分担させることにより、例えば、半円形状の羽根部を形
成でき、それらの基部側について回動軸に支持させるよ
うにして蝶羽状の開閉機構を具体的に実現することがで
きる。
【0049】請求項19に係る風量調整ダンパーにおい
ては、前記兼用駆動機構は、ケーシングに回動自在に設
けられた回動軸と、この回動軸に取り付けられた羽根部
と、を有し、該羽根部は、前記回動軸に対して空転可能
に取り付けられた第1羽根板と、この第1羽根板に対し
て摺動自在に係合された他の羽根板と、を備え、前記回
動軸には螺子部が設けられ、この螺子部に螺合しつつい
ずれかの羽根板を摺動させる進退機構と、を備えてい
る。回動軸に螺子部を形成し、この螺子部と摺動側の羽
根板を連係させて螺子部の回動により摺動羽根板を摺動
させるので、羽根の流路開閉、及び羽根板の孔開閉作動
が確実である。
【0050】請求項20に係る風量調整ダンパーにおい
ては、前記進退機構は、前記螺子部に螺合するとともに
前記他の羽根板に固定され、前記回動軸に沿う方向に進
退移動するナット部材と、前記第1羽根板を常時風の流
路閉鎖方向に付勢させる付勢部材と、を備えている。摺
動側の羽根板に固定したナット部と螺子部との螺合を進
退機構が有するので、螺子部の螺合による兼用駆動構成
が実現でき、作動が確実である。
【0051】請求項21に係る風量調整ダンパーにおい
ては、前記兼用駆動機構は、前記複数の羽根板と連係す
る中軸と外軸からなる複軸構成を含む。羽根部による流
路の開閉と羽根板の摺動による複数の孔開閉駆動を兼用
して行わしめる場合に2系統の駆動の伝達機構が極めて
簡単となり、連続的な回動軸の回動による両者の切替機
構が比較的に簡単に実現できる。
【0052】請求項22に係る風量調整ダンパーにおい
ては、前記兼用駆動機構は、モータの出力軸に連動し、
羽根部の流路開閉から複数の孔の摺動開閉とを連係させ
るギヤ機構を備えている。モータの駆動軸に連動するギ
ヤ機構により流路の開閉と摺動による複数孔の開閉を駆
動するので、モータ駆動構成によるそれぞれの羽根部あ
るいは羽根板の駆動構成が実現でき、作動の確実性が担
保される。
【0053】請求項23に係る風量調整ダンパーにおい
ては、前記兼用駆動機構は、前記重ね合わせた複数の羽
根板に回動軸と交差方向に設けた長溝と、この長溝を貫
通する駆動用ピンを固定した中軸と、この中軸に摺動回
転自在に設けられ、かつ、この中軸の外面側に同心状に
複軸構成で設けられた外軸と、前記中軸に固定され任意
の位置に連動ピンを立設させた第1ギヤと、前記外軸に
固定され、回動時に前記第1ギヤの連動ピンに衝合する
衝合部を備えた第2ギヤと、を有し、該第2ギヤは、同
第2ギヤが連動ピンに衝合しつつ回動するときには第1
ギヤも同期回動して前記中軸と外軸の相対回転位置を変
化せないで羽根部を流路閉鎖位置まで回動させる駆動側
ギヤとの係合部を有し、前記第1ギヤは、羽根部による
風の流路の閉鎖状態から中軸を回動させて前記複数の孔
を閉塞移動させる駆動側ギヤとの係合部を備えている。
中軸と外軸の複軸、あるいは二重軸構成とし、これに第
1ギヤと第2ギヤを固定させることにより流路の開閉
と、羽根板の摺動による複数の孔の開閉の移行あるいは
切替を確実に行え、羽根部及び羽根板の開閉駆動を確実
に行わしめ得る。
【0054】請求項24に係る風量調整ダンパーにおい
ては、前記複数の羽根板にはこれらの羽根板相互の摺動
を案内する案内部が設けられ、かつ、それらの羽根板が
重ね合わせた状態から離脱しないように保持部が設けら
れている。案内部に案内されて摺動が円滑、確実に行わ
れる。摺動は回転軸に沿うようにスライドさせても良い
し、また、回転軸と略直交する方向にスライド移動させ
るようにしても良い。
【0055】請求項25に係る風量調整ダンパーにおい
ては、前記複数の孔は羽根板のほぼ全体に分布するよう
に設けられている。多数に分割された孔から風が流出す
るので大きな孔から一度に流出する際の大きな騒音発生
等がなく、消音効果が極めて向上する。また、羽根の全
体から流れるので下流側の偏流を効果的に防止できる。
更に、流れの大きな変動がないので上流側のセンサの検
知精度が向上し、センサそのものの取り付け個数も最小
限の個数で良い。
【0056】請求項26に係る風量調整ダンパーにおい
ては、前記兼用駆動機構は、多翼開閉型ダンパーの各羽
根部について設けられている。例えば従来の角型ダンパ
ーの対向翼型あるいは平行翼型ダンパーについて重ね合
わせた複数の孔を有する羽根板を備えた羽根部を各羽根
について設けると、リンク機構により1つの回動軸のみ
を回動させるようにして、同期して多翼を開閉すること
ができ、中型、大型の流路を備えたダンパーについても
消音、偏流防止、整流作用を行うこととなる。
【0057】
【実施例】以下、添付図面に基づき本発明の好適な実施
例について説明する。図1ないし図7は、本発明の第1
実施例に係る風量調整ダンパーについて説明している。
図1は風量調整ダンパー10−1の斜視説明図であり、
図において、この風量調整ダンパー10−1は、中空円
筒体状の金属製ケーシング12と、このケーシング12
内を回動しつつ流路Pを開閉する羽根部14を備えてい
る。
【0058】図6、7にも示すように羽根部14は相互
に重ね合わせられた2枚の平板状の羽根板16から形成
されている。これらの羽根板はケーシング12内の流路
Pを閉塞し得る大きさで、本実施例においては長径側が
該ケーシングの直径よりも長い略長円形状に形成されて
いる。そして、これらの羽根板はともにほぼ同じ形状で
1枚の羽根の外径が他の羽根の外径よりやや小さく形成
され、全体としてほぼ同じ大きさに形成されている。そ
して、さらにこれらの羽根板16はそれぞれに複数の孔
18が該羽根板の全体に分布して開口されている。
【0059】複数の孔18の数や孔形状は任意で良く、
さらに孔と孔の配置間隔も任意に設定して良い。但し、
流路全体を開閉するときには相互の孔が連通した状態と
なって複数の連通孔を開口させた状態で開閉するので少
なくともスライドさせて全開状態及び全閉状態をとれる
ように孔の個数や配置箇所等を設定する必要がある。開
口率を大きく取るようにすると、消音効果が高いが空気
流量の制御特性との関係があるのでこれらを考慮して設
定すれば良い。孔の径はできるだけ複数種類について異
なる孔径とすることが望ましい。これによって同じよう
な周波数の風流れのため共振現象を生起させてまれに大
きな騒音を生じさせることがないようにすることができ
る。更に、孔自体は複数個設けるだけで消音効果を得る
ことができる。羽根部の流路内での角度や孔そのものに
ついても完全に一致する同じ大きさの孔が実際に形成配
置されることは製造上の問題等を含めてほとんどない。
従って、空気の流れの場合にはこれらのわずかな差異に
影響されて他の孔と全く同一条件で空気が通流する場合
はなく、これによって、小さな流れとすることによる消
音効果が効果的に作用し得るものである。
【0060】実施例において、ケーシング12の略直径
となる円周上の対向2箇所には軸受20が取り付けられ
ており、この軸受20に軸支されて回動軸22が回動自
在に設けられている。そして、この回動軸に羽根部14
が取り付けられ、回動軸の回動とともに、この羽根部1
4も回動してケーシング内の流路Pを開閉する。
【0061】本実施例において羽根部14は第1及び第
2の略長円形の羽根板16a、16bから形成されてい
る。そして、図2において2個の半円状部を有する金属
帯状バンドの取り付け部材24を介して第1の羽根板1
6aが該回動軸22に対して常時は摺り合わせるような
摩擦を保持しつつ遊転し得るように回動軸に取り付けら
れている。この羽根部の回動軸に対する取り付けは要は
同羽根部が回動軸に対して相対的に遊転できる構成であ
れば良いものであり、取り付け部材24による支持方法
に限るものではない。実施例において、この取り付け部
材24の半円部で回動軸22をまたがせるように配置さ
せて延長平坦部26を溶接あるいはビス固定等により固
定させ該回動軸に第1羽根板16aを遊嵌状に取り付け
ている。
【0062】そして、羽根部14の流路Pをいったん全
閉状態とし、後述する兼用駆動機構によりそれから更に
連続的に回動軸22を回動させつつ羽根板16を摺動さ
せて孔18を閉塞させる。
【0063】本実施例において特徴的なことは、風の流
路開閉及び羽根部自体に設けた複数の孔の開閉を兼用し
て駆動させる兼用駆動機構28を設けたことである。こ
の兼用駆動機構28は前記ケーシング12を横切るよう
に回動軸22を回動自在に取り付けてこの回動軸に前記
羽根部14を取り付け、該回動軸22を回動させること
により風の流路開閉及び複数の孔の開閉を行うものであ
る。兼用駆動機構を設けることにより、流路Pの開閉及
び羽根部自体に設けられた複数の孔の開閉を1つの駆動
機構により行えるので材料コスト、製造コストが安価で
ある。また、構成部材を集中して用いることができるの
で、部材の兼用、保管、管理を行う上で便宜である。
【0064】図3に示すように取り付け部材26の延長
平坦部に図2の裏面側に向かうように案内ピン30が立
設されている。一方、第1の羽根板16aに重ね合わせ
て配置された他の羽根板としての第2の羽根板16bは
前記第1の羽根板16aの取り付け位置に対応する位置
に回動軸に沿う方向に案内溝32が穿溝され、前記取り
付け部材24に立設した案内ピン30が案内溝32を貫
通し、これらの案内溝32や案内ピン30の案内作用に
より第2羽根板16bは第1羽根板16aに対して回動
軸22の長手方向に、すなわち、回動軸に沿う方向に相
対的に円滑にスライド移動し得ることとなる。
【0065】また、案内ピン30の突出端部には少なく
とも案内溝32の幅より大きな抜け止め用の平坦な保持
部34が取り付けられている。これによって両羽根が重
ね合わせた状態から離脱しないように保持する。これら
案内ピン30、案内溝32により案内部36が構成され
ている。
【0066】図1ないし3において回動軸22にはその
長手方向と交差するようにすなわち、回動軸の半径方向
に駆動用ピン38が立設固定されている。この駆動用ピ
ン38は第1及び第2の羽根板16a、16bを貫通し
て更に先端を突出させる程度の充分の長さに形成されて
いる。
【0067】一方、この駆動用ピン38に貫通されて第
1の羽根板16aには回動軸22の長手方向と略直交す
る方向に長い長溝40が形成されると共に、第2の羽根
板16bにもこの駆動用ピン38に貫通される長溝42
が設けられている。この長溝42は第1羽根板16aに
穿溝された長溝とは異なる方向に向けて長く形成されて
いる。すなわち、実施例において長溝40に対して約3
0度の角度に変位した方向を向くように長溝42は形成
されている。
【0068】これによって、回動軸22を回動させると
駆動用ピン38は第1の羽根板16aの直交溝40内を
移動するとともに、その間に第2の羽根板16bの長溝
42内を移動するので約30度の変位した角度に対応す
るストロークぶんだけ回動軸22の長手方向に移動する
ものである。
【0069】一方、前述のように、本実施例においては
長径側が該ケーシングの直径よりも長い略長円形状に形
成されている。そして、例えば短径側が円筒形のケーシ
ング12の直径とほぼ同一径になるように設定されてい
る。従って、図6、7に示すように流路Pの全閉状態に
おいては長径側が上下部の壁に当接してそれ以上流路内
を閉鎖できないようになっている。本実施例ではこの長
径側が当接する流路壁部分がストッパ部44とされる。
このストッパ部は羽根部14による閉鎖位置を規定する
ものであり、規定位置を明確に決めるために断面L字状
のストッパ部材を流路内に取り付けても良い。特に、羽
根部の形状が真円形状の場合には、このストッパ部材を
固定することが必要となる。実施例のように羽根部を楕
円あるいは長円形状にすると流路の全閉状態の際の羽根
部の角度に対する流量の変化が流路を直角状に位置させ
て閉鎖する場合に比較し、より緩やかな、すなわち比例
的な関係に近くなるので流量制御特性が向上するもので
ある。
【0070】本実施例において、兼用駆動機構28は、
ケーシング12に回動自在に設けられた回動軸22と、
この回動軸22に取り付けられた羽根部14と、を有
し、該羽根部14は、前記回動軸22に対して空転可能
に取り付けられた第1羽根板16aと、この第1羽根板
に対して摺動自在に係合された他の羽根板16bと、を
備え、さらに、前記それぞれの羽根板16a、16bに
設けられた長溝40、2と、前記回動軸22に半径方向
に向けて固定され、前記重ね合わせた複数の羽根板16
a、16bの長溝40、42を貫通して端部を突設させ
た駆動用ピン38と、前記羽根部14による流路Pの閉
鎖位置を規定するストッパ部44と、を備えるものであ
る。
【0071】実施例の兼用駆動機構28は、基本的構成
部材としては回動軸22と、回動軸に立設させた駆動用
ピン38のみである。そして、これに羽根部14に長溝
40、42を加工形成しただけである。よって、極めて
構造が簡単であり、製造が容易であるだけでなく、材料
コストも非常に低廉に維持可能である。
【0072】そして、実施例において兼用駆動機構28
は、回動軸22を回動させて羽根部14をいったん流路
Pの閉鎖状態とし、この流路閉鎖状態から更に連続的に
この回動軸を回動させることにより電気的な制御手段な
どを介することなく、そのまま羽根板をスライドさせて
複数の孔18を閉塞させる点において極めて特徴的であ
る。これによって、駆動用ピン38の回転が羽根板の長
溝内を移動することにより直接羽根板そのものを直線状
に移動させるので動きに無駄がなく、また、回転運動を
直線運動に変換する機構が極めて簡単で連動のためのギ
ヤやベルト機構等を必要とすることなく低コストであ
り、さらに、保守、点検も極めて容易であり、故障率そ
のものが極めて低いものである。
【0073】また、回動軸22にはコイルバネに例示さ
れる連通付勢部材46が装嵌されており、この連通付勢
部材46は各羽根板16a、16bが重なり合った状態
で各々の孔18の位置が互いに一致して連通開口を形成
するような方向にバネ付勢するように羽根板16a、1
6bに係着されている。
【0074】ここにおいて、流路P全体を開閉させる通
常の状態では複数の孔18を開口させた状態で羽根部1
4は回動し、全閉状態に至り、それからさらに回動する
ときに、この連通付勢部材46のバネ付勢力に抗して回
動軸22を回動させることにより前記した駆動用ピン3
8による第2の羽根板のスライド移動を行わせることと
なる。実施例においては付勢部材としてコイルバネを用
いているが、ゴムや空気圧により連通開口を形成する方
向に付勢力を付与する構造としても良い。なお、この連
通付勢部材46は例えばコイルバネを用いて前記第2の
羽根板の上から前記第1羽根板側に押圧する押えバネを
兼用するように張架する方が好ましい。これによって、
第2羽根板の離脱防止作用を行える。
【0075】前記したように、それぞれの羽根板16
a、16bに設けられた複数の孔18は同羽根板のほぼ
全体に分布するように設けられる。これによって流路全
体について分割された若干の風量を下流側に流すことと
なり、下流側の偏流を防止し得るので室内に臨んで設け
られるような吹出口に近接した位置に取りつけても良好
な風量調整機能及び整流機能を発揮できる。
【0076】本発明における基本的な特徴は、内部に風
の流路Pを形成するケーシング12と、このケーシング
12内を回動しつつ該流路Pを開閉する羽根部14と、
を備え、該羽根部14は、相互に重ね合わせられ、かつ
摺動可能に取り付けられ、複数の孔18を開孔させた複
数の羽根板16を設けたことである。
【0077】これによって、流路全体の風量調整は孔1
8を連通させて連通開口とした状態で羽根部を開閉させ
て調整できる。このとき、連通開口から分割された多数
の微小風量を常時流しながら全体として開閉するので大
きな開口から急激な開口の変化により生じやすい風切り
音その他の騒音を効果的に消音できる。しかも、偏流を
生じさせることなく、下流側に対しては整流された流れ
を送り込むことができるものである。
【0078】なお、実施例においては丸型ダンパーにつ
いて説明しているが、断面が四角形その他の任意の形状
のダンパーでも良い。また、羽根板形状は長円形状とし
ているが、真円、楕円その他の円形状、あるいは四角、
その他の多角形状、その他の任意形状としても良い。例
えば流路内の内径断面形状とほぼ同じ形状の羽根構成で
あることとしても良く、全体流路を閉塞するときにはス
トッパを取り付けておけば良い。また、羽根板には例え
ばフェルト布を接着させたり、植毛加工を施すことによ
り消音作用を行わせるようにしても良い。
【0079】図1の回動軸22の外方に突出させた端部
には、任意の駆動手段を接続すれば良く、例えば手動用
ハンドル、駆動用モータ軸その他の駆動機構を接続して
使用することができる。なお、図中48は風量検知用セ
ンサである。
【0080】次に第1実施例に係る風量調整ダンパー1
0−1の作用について説明すると、付勢バネ46に付勢
されて常時は第1羽根板16aの孔と第2羽根板16b
の孔とが連通開口を形成するように保持され、駆動用ピ
ン38は長溝40、42を貫通した状態で両長溝のいず
れかの端部側に位置した状態にある。
【0081】今、図6の矢示方向から空気が右側に流れ
るとき、鎖線示のように羽根部14は第1、第2羽根板
を重ね合わせた状態で流路Pを全開した状態にあり、羽
根部14は流れに水平方向に設定されている。
【0082】これからしだいに羽根部14を回動させる
と、羽根部14は次第に流路Pを閉鎖する方向に変位す
る。この時第1、第2羽根板16a、16bは複数個に
分割形成されたセル状の連通開口が形成されているの
で、この連通開口から若干の空気流れfを下流側に流し
ながら羽根板16a、16bの本体部分による抵抗によ
り風量を減少させる。従って、従来のバタフライ羽根の
ように大きな上下の2個の開口を急激に絞りながら変位
する際に生じさせる風切り音その他の騒音がなく、従来
に比較して同一条件下でも大幅に音量を抑制できること
が実験的に確認されている。
【0083】そして、羽根部14の長径側がケーシング
12の内壁に当接すると図6に示すように流路の流れ方
向に対して直角ではなく、やや斜めになった状態で流路
を閉塞して停止する。このとき図6に示すように各羽根
板16a、16bは連通開口を形成してここから風が通
過できるようになっており、一次的にはこの全体の羽根
部14の流路閉鎖による空気流量の制御が達成される。
空気流路の全閉時には複数の孔の開口率により設定され
る最も空気流量が少ない状態となる。そして、この時も
羽根部14が回動する途中の段階と同じように若干の空
気流れfが羽根部14を通過して流れるので風切り音の
発生を効果的に抑制する。ここにおいて、従来のメクラ
板形式のバタフライ羽根だと、流路全閉近くで大きな風
切り音が生じていたものが、本願の多孔羽根では従来羽
根の全閉に近づいた空気流量の状態でも風切り音を生じ
させることがない。しかも、さらにこの後に複数の孔の
閉塞を若干、あるいは少量の空気流に分割した状態で同
時に完全閉塞まで作動させるので空気の流出位置を分散
させつつ単位孔の流速を緩和させて完全閉塞位置に近い
状態での困難な空気流量の微調整を可能とするものであ
る。
【0084】羽根部の羽根板に設けた孔18は羽根板の
全体に分布して形成されているので、羽根の回動の途中
の段階から空気流を断面視一様に流れるようにするの
で、いわゆる整流効果をともない、これによって、偏流
を防止することとなる。さらに、これによって、上流側
に取り付けたセンサも偏流による影響を受けることな
く、安定的に実際の空気流に極めて近い空気流を忠実に
検知し、反映させ得ることとなる。更に、これによっ
て、目標値に極めて近い精度の高い風量調整が可能とな
り、特に、近時のVAVシステム用のダンパーとして有
効に機能し得ることとなる。
【0085】羽根部14が全体として流路Pを閉鎖させ
た状態では図6の実線示のように駆動用ピン38が上方
側に立設した状態に位置している。この状態から更に回
動軸22が二次回動すると、図7のようにピン38は反
時計回り方向に回動する。図2、図4は流路P全体を閉
鎖させた状態でまだそれぞれの孔18を連通させて連通
開口を保持した状態である。そして、図3、図5が二次
回動を終了して連通開口を閉塞させた完全遮蔽状態であ
る。図7に示すように、図6における二次回動の開始か
ら終了の回動軸の回動の間に駆動用ピン38が第1及び
第2の羽根板16a、16bの長溝40、42内を貫通
状態で移動することにより第2羽根板16bを回動軸の
長手方向に第1羽根板16aに対して相対的にスライド
移動させ、図3のような流路の完全閉塞状態を保持し得
ることとなる。この二次回動の間に連通開口をしだいに
閉塞させる動きを行うので多数の分割孔がしだいに閉塞
するように動く結果、風量の微調整を高精度に行える。
また、全閉に近い場合でも微小分割風量を羽根全体形状
について分布した状態で流すので風切り音を生じさせる
ことなく、極めて静かに流路の完全閉塞を行える。更
に、最後までこの羽根全体に風の流れを分布させた状態
で閉塞動作をするので下流側の偏流を生じさせず、更
に、上流側に取り付けられるセンサにも大きな影響を与
えることなく、高精度のセンサ検知機能を発揮させるこ
とができる。
【0086】流路の完全閉塞を行うことにより、未使用
の室内等への空気流路を遮断させて省エネルギーを達成
する。流路の完全閉塞状態から閉塞回転方向とは逆の方
向に回動軸22を回動させると、付勢バネ46のバネ付
勢力により第1、第2羽根板の孔18が連通開口を形成
させ、さらに開放する方向に回動させると、再び前記し
たような作用を行うこととなる。
【0087】この発明に係る風量調整ダンパーは前記し
た実施例構成に限定されるものではない。例えば、回動
軸は流路を横切るように流路に対しして交差方向に設け
ているが、歯車連結や変換機構等を介して流路に沿う方
向の回動軸としても良い。また、基本的には前記したよ
うに、ケーシングと、このケーシング内を回動しつつ該
流路を開閉する羽根部と、を備え、該羽根部は、相互に
重ね合わせられ、かつ摺動可能に取り付けられ、複数の
孔を開孔させた複数の羽根板を備えた構成とすれば良
く、従って、回動軸の回転と、摺動機構が別個の駆動方
式による事としても良い。
【0088】また、実施例の回動軸に対する羽根板の付
勢バネによる付勢はその他の任意のバネ掛け構成として
も良い。また、羽根部の羽根板のいずれかは回動軸と交
差する方向に摺動可能に設けられる事としても良い。ま
た、羽根板の個数は2個のみでなく、3個、あるいはそ
れ以上の多数羽根構成としても良い。羽根形状はその
他、四角、その他の多角形状としても良い。孔の形状や
配置等についても任意に設定して良いことは前述の通り
である。
【0089】また、本願の発明は内部に風の流路を形成
するケーシングと、このケーシング内に回動自在に設け
られた回動軸と、この回動軸に取り付けられ、ケーシン
グ内を回動しつつ該流路を開閉する羽根部と、を備え、
該羽根部は、相互に重ね合わせられ、かつ摺動可能に取
り付けられ、複数の孔を開孔させた複数の羽根板を備え
てなる風量調整ダンパーとしても良い。さらに、この羽
根部の羽根板のそれぞれはこの回動軸に対して遊嵌状に
取り付けられ、前記複数の羽根の複数の孔がそれぞれ連
通開孔を形成するように付勢させる付勢バネと、を備え
ることとしても良い。
【0090】次に本発明の第2実施例に係る風量調整ダ
ンパー10−2について図8ないし図14に基づいて説
明するが、第1実施例と同一部材には同一符号を付し、
その説明を省略する。
【0091】この実施例では、ケーシング12に回動可
能に軸支された回動軸22に相対的に摺動回転可能に羽
根部14が設けられ、この羽根部が相互に重ね合わせら
れ、かつ摺動可能に取り付けられ、複数の孔18を開口
させた複数の羽根板を備えている点では同一である。
【0092】この実施例では羽根部14の羽根板50
a、50bは真円状に形成されている。また、この実施
例でも兼用駆動機構28を備えており、この兼用駆動機
構28は、ケーシング12に回動自在に設けられた回動
軸22と、この回動軸22に取り付けられた羽根部14
と、を有し、該羽根部14は、前記回動軸22に対して
空転可能に取り付けられた第1羽根板50aと、この第
1羽根板に対して摺動自在に係合された他の羽根板50
bと、を備え、更に、前記それぞれの羽根板50a、5
0bに設けられた長溝52、54と、前記回動軸22に
半径方向に向けて固定され、前記重ね合わせた複数の羽
根板の長溝52、54を貫通して端部を突設させた駆動
用ピン38と、該羽根部14による流路Pの閉鎖位置を
規定するストッパ部44を備えている。
【0093】また、兼用駆動機構28は、回動軸22を
流路Pの閉鎖状態から更に連続的に回動することにより
複数の孔18を開閉させる。本実施例においては、可動
側の羽根板、すなわち第2羽根板50bは第1羽根板5
0aに対して互いに面どうしで摺り合わせるように回転
摺動する点で異なる。
【0094】すなわち、羽根部14の羽根板50a、5
0bは円形に形成され、その略中心位置は軸支部材とし
てのリベット51に軸支されこのリベット51を中心軸
として面摺り合わせ状に相互に回動するようになってい
る。そして、図10に示すように第1羽根板50aの中
心から間隔Sをおいてやや軸の長手方向に移動した位置
に長溝52は回動軸と交差する方向に長く形成されてい
る。間隔Sを長く設定すると、羽根板の回転角度が小さ
くなるので羽根板に穿孔した孔の大きさや配置に対応し
て開閉を行えるよう任意の長さに設定すれば良い。
【0095】また、第1羽根板50aに対し回転摺動す
る第2羽根板50bの長溝54は少なくとも駆動用ピン
38のピン直径よりも同羽根板50bの半径方向に長く
形成されている。従って、図10に示す状態から回動軸
22が回動し、長溝52及び54を縫い刺し状に貫通す
る駆動用ピン38が矢示方向に回動すると、第1羽根板
は単に長溝52内を駆動用ピン38が移動するだけであ
るから移動しないが、この間にリベット51を支点とし
て第2羽根板50bは回動する。このさいに長溝54は
半径方向に長く形成されているので駆動用ピン38の移
動時における直線状の移動をこの半径方向への長溝長さ
で吸収し、羽根板相互の回転スライド運動を円滑に案内
させ、行わせることとなる。
【0096】また、羽根部14により風の流路全体を開
閉するときには複数の孔18を連通させて連通開口を形
成した状態で開閉させ、風の流路を閉鎖した後にいずれ
かの羽根板を摺動させて連通開口を閉塞するように構成
する方が好ましい。図示しないが例えば常時複数の孔1
8を開口させるように第2羽根板と第1羽根板その他の
支持部に付勢バネを張架させておくようにすることが好
適である。
【0097】この第2実施例においてもケーシング12
に回動可能に軸支された回動軸22に相対的に摺動回転
可能に羽根部14を設け、この羽根部が相互に重ね合わ
せられ、かつ摺動可能に取り付けられ、複数の孔18を
開口させた複数の羽根板を設けたことによる消音効果の
保持、風量の微調整可能、整流機能の保持、風量検知用
センサの検知精度の向上等、その他の作用効果は第1実
施例と同様である。
【0098】また、兼用駆動機構における回動軸22
と、駆動用ピンのみにより風の流路Pの開閉駆動及び複
数の孔18の開閉駆動系を1つの駆動系により行えて、
極めて簡単で、製造の容易性、材料コストの低廉性、加
工しやすさ、保守、点検の容易性等の作用効果を奏する
点も第1実施例と同様である。
【0099】また、図8に示すように第2羽根板50b
の円弧回動の案内用に円弧溝55を設け、この円弧溝内
に保持部としての平リベット57を貫挿固定させ端部を
第1羽根板50a側に固定させている。
【0100】羽根部の複数の孔18の開閉を直線状のス
ライド移動ではなく、回転方向の移動によることとする
本実施例の場合においても第1実施例とほとんど同一の
作用効果を奏することとなる。回動軸22の開閉動作及
び羽根部の摺動は手動によりハンドル操作等で駆動する
こととしても良いが、本実施例においては、駆動モータ
56が設けられ、その駆動軸を回動軸22に連結させて
いる。本実施例においては羽根板に穿孔された複数の孔
は中心軸としてのリベット51に対して略放射対称に形
成しているが、孔の配置の態様、孔径の大きさ、数、種
類、形状その他についても第1実施例と同様に任意に設
定して良い。
【0101】次に、本発明の第3実施例に係る風量調整
ダンパー10−3について図15ないし図25に基づい
て説明するが、第1実施例と同一部材には同一符号を付
し、その詳細な説明は省略する。
【0102】図15において中空円筒形のケーシング1
2には、このケーシング内を横切るように2個の回動軸
58、60が回動自在に軸支されている。そして、この
回動軸58、60のそれぞれに羽根部62、64が係合
しつつ取り付けられている。実施例において羽根部6
2、64は、それぞれの回動軸58、60に遊転可能に
軸支され、それぞれの羽根部は半円形状に形成されてい
る。そして、円形の流路Pの半分づつを蝶羽状に開閉す
るように取り付けられている。すなわち、前記回動軸5
8、60は流路の流れ方向に対して流路を横切るように
取り付けられ、かつ、これらの回動軸は流路に対して直
列状に取り付けられている。
【0103】また、図24に示すように、羽根部62、
64は、互いに逆方向に回動しつつ流路を閉塞するよう
に設けられている。すなわち、この実施例において羽根
部62、64の第1、第2羽根板66a、66b、68
a、68bのうち、少なくとも第1羽根板66a、68
aは流路Pの半径よりも長い円弧上に設定された円弧頂
部70a、72aを備えるように形成されている。従っ
て、羽根部62、64は流路と平行な状態における全開
状態から回動して流路全閉状態では流れ方向から約70
度開いた状態となる。従って、この実施例では羽根部6
2、64が流路内壁と当接するような流路円弧部が羽根
部の閉鎖位置を規定するストッパ部44を構成する。
【0104】そして、この2個の回動軸の間隙を塞ぐよ
うにステー65が両回動軸に張架固定されている。従っ
て、上記した半円状の羽根部62、64の回動軸は流路
方向に間隔を置いてずらして設けられ、軸支位置がずれ
た状態でこれらの羽根部が蝶羽状に開閉するようになっ
ている。そして、このずらして形成された間隔を閉塞す
るようにステー65が取り付けられている。
【0105】半円形状の2組の羽根部62、64を用
い、流路の半分づつをそれぞれ負担しつつ蝶羽状に開閉
駆動させることにより、1組の羽根を回動軸支させて流
路を開閉させる場合に比し、流量の制御特性をより向上
させることができる。
【0106】また、回動軸を流路に直列状に配置させる
ことにより流路P内の圧力損失を小さなものとし、空気
流量の制御特性を更に向上させることができる。図1
8、22、23において、前記ステー65は異形のコ字
枠状の板からなり回動軸58、60に遊転可能に取り付
けられた軸環74に端部を固定させ、両回動軸に架設さ
れてこれらの回動軸間の間隙を閉鎖している。
【0107】一方、この回動軸58、60にはそれぞれ
2個のスリーブ76が遊転可能に貫挿され、このスリー
ブ76に半円状の第1羽根板66a、66bが固定され
ている。この第1羽根板66a、66bの円弧部には気
密材あるいは騒音吸収用等のグラスウールまたは発泡体
様の部材78が接着等の手段により取り付けられてい
る。
【0108】前記第1実施例と同様に、ケーシング12
に回動可能に軸支された回動軸58、60に相対的に摺
動回転可能に羽根部62、64が設けられ、この羽根部
が相互に重ね合わせられ、かつ摺動可能に取り付けら
れ、複数の孔18を開口させた複数の羽根板を備えてい
る。
【0109】図22、23は風下側、すなわち第1羽根
板側から見た縦断面作用説明図であり、図18にも見ら
れるようにステー65の端片65a側に回動軸58、6
0と、風の流れ方向から鋭角状の開度で流路Pを閉鎖状
態とする第1羽根板66a、68aとの間に基部を挟装
されるようにして第2羽根板66b、68bが摺動自在
に取り付けられている。
【0110】図16、17は風上側、すなわち第2羽根
板側から見た縦断面作用説明図であり、案内部としての
案内溝80及び第1羽根板に立設し該案内溝80を貫通
突出させて取り付けた保持部としての平リベット82に
より第2羽根板66b、68bは回動軸58、60と交
差する方向に円滑に摺動し得るように第1羽根板66
a、68aに重ね合わせられて設けられている。
【0111】更に、第1、第2羽根板66a、66b、
68a、68bの基部側、すなわち回動軸58、60に
よる支持側にはこれらの回動軸に交差する方向に長く長
溝84、86がそれぞれの第1、第2羽根板に2個づつ
設けられている。摺動しない側の第1羽根板66a、6
8aの長溝は駆動用ピン38が回動して摺動羽根板であ
る第2羽根板を摺動させ得るにたる長さに設定されてい
る。一方、第2羽根板66b、68bの長溝は駆動用ピ
ン38が貫通し、これを引っ掛けるようにして第1羽根
板上を摺動させ得るにたる長さで良く、比較的に短い長
溝として形成されている。それぞれの回動軸58、60
には、これらの回動軸58、60に半径方向に向けて固
定され、前記重ね合わせた複数の羽根板の長溝84、8
6を貫通し、端部を突設させて駆動用ピン38が設けら
れている。また、回動軸58、60には付勢バネとして
のコイルバネ88が装嵌され、羽根部62、64を常時
は流路閉鎖方向に付勢している。このコイルバネ88
は、第2羽根板66b、68bの上に羽根端部を係合さ
せ、該第2羽根板を第1羽根板側に押圧しており、押圧
バネを兼用するように張架されている。
【0112】また、前記した長溝84、86は羽根板6
6、68が流路全閉状態から更に回動軸を回動させて駆
動用ピン38が第2羽根板66b、68bを掛着しなが
ら引っ掛けるようにして摺動させ孔18を完全閉塞させ
るのに対応する駆動用ピンの回動範囲R1を含む長さに
設定されている。すなわち、駆動用ピン38が長溝内を
x位置からy位置に移動するときに複数の孔18を一度
に開閉する。ピン38がy位置で図25(b)のように
孔18を完全閉塞し、x位置で同孔18を全開する。そ
して、更に、孔の全開方向へ駆動用ピン38が回動する
と、これらの孔18の全開状態を保持したままで流路を
開放、あるいは全開位置まで回動させることとなる。
【0113】そして、図25(a)において孔18の全
開状態から更に流路開放方向に回動軸58、60を回動
させると、孔18を全開状態としたままで流路を開き、
流路を全開とするまでの範囲R2を駆動用ピン38が回
動することとなる。この実施例においてもケーシング1
2内を横切るように回動軸58、60を回動自在に取り
付けてこの回動軸に羽根部62、64を取り付け、該回
動軸を回動させることにより風の流路開閉及び複数の孔
18の開閉を行う兼用駆動機構28を備えている。
【0114】これによって、図25(a)に示すように
回動軸58、60を回動することにより風の流路開閉及
び複数の孔の開閉を行うこととなり、1つの駆動系統に
より行うことができ、また、基本的には回動軸と駆動用
ピンのみの構成であるので構造が極めて簡単で、製造が
容易であり、部材の節約ができ、保守、管理も非常に簡
単である。
【0115】本実施例において、第1実施例と同様に兼
用駆動機構28は、ケーシング12に回動自在に設けら
れた回動軸58、60と、この回動軸58、60に取り
付けられた羽根部62、64と、を有し、該羽根部6
2、64は、前記回動軸58、60に対して空転可能に
取り付けられた第1羽根板66a、68aと、この第1
羽根板に対して摺動自在に係合された他の羽根板66
b、68bと、を備え、更に、前記それぞれの羽根板6
6a、66b、68a、68bに設けられた長溝84、
86と、前記回動軸58、60に半径方向に向けて固定
され、前記重ね合わせた複数の羽根板の長溝84、86
を貫通して端部を突設させた駆動用ピン38と、該羽根
部62、64による流路Pの閉鎖位置を規定するストッ
パ部44を備えている。
【0116】兼用駆動機構を設けることによる効果は前
記第1実施例の場合と同様である。流路Pの開閉及び羽
根部自体に設けられた複数の孔の開閉を1つの駆動機構
により行えるので材料コスト、製造コストが安価であ
る。また、構成部材を集中して用いることができるの
で、部材の兼用、保管、管理を行う上で便宜である。
【0117】また、兼用駆動機構28の基本的構成部材
としては回動軸と、回動軸に立設させた駆動用ピン38
のみである。よって、極めて構造が簡単であり、製造が
容易であるだけでなく、材料コストも非常に低廉に維持
可能である。
【0118】また、回動軸を回動させて羽根部をいった
ん流路Pの閉鎖状態とし、この流路閉鎖状態から更に連
続的にこの回動軸を回動させることにより電気的な制御
手段などを介することなく、そのまま羽根板をスライド
させて複数の孔18を閉塞させるので、駆動用ピン38
の回転が羽根板の長溝内を移動することにより直接羽根
板そのものを直線状に移動させるので動きに無駄がな
く、また、回転運動を直線運動に変換する機構が極めて
簡単で連動のためのギヤやベルト機構等を必要とするこ
となく低コストであり、さらに、保守、点検も極めて容
易であり、故障率そのものが極めて低いものである。
【0119】また、兼用駆動機構28は、回動軸58、
60を流路Pの閉鎖状態から更に連続的に回動すること
により複数の孔18を開閉させるように摺動開閉する。
従って、構成部材の動きに無駄がなく、作動が確実であ
る。さらに、羽根部62、64は流路内を互いに逆方向
に回転しながら流路の半分づつを開閉するものであり、
これらの羽根部を同期開閉させるための同期開閉機構9
0が設けられている。
【0120】図15、図18に示すように同期開閉機構
90は、回動軸58、60の軸端となるケーシング12
の外部に取り付けられており、固定台92、枠体94、
カバー96により形成される箱体内に収容されている。
実施例において同期開閉機構90は回動軸58、60に
連結されたカム部材と、このカム部材と係合しつつ該カ
ム部材を同時に逆回転させるスライド機構と、を備えて
いる。
【0121】図18に示すように回動軸58、60の端
部にはカム部材としての略卵断面形状の偏心カム98が
固定され、該カム98の離隔端部側にはケーシング12
の外部側に入力ピン100を突設させている。そして、
この入力ピンは回動軸58、60を支軸として互いに逆
方向に揺動することにより偏心カム98をクランク運動
のように回動させるものである。
【0122】一方、図19ないし図21に示すように2
個の支持軸102に支持されてスライド機構としてのス
ライド板104が風の流れ方向に沿うようにスライド自
在に設けられている。すなわち、矩形のスライド板10
4は風の流れ方向に長く形成された案内長溝106を備
えており、この案内長溝には前記固定台92に立設され
た支持軸102が下部側の円筒環とこの円筒環上に該ス
ライド板104を載置した状態で溝106の上から止め
座付きのボルトで固定してある。そして、この止め座と
円筒環に挟装されて該スライド板104が風の流れ方向
にスライド自在に支持されている。
【0123】また、該スライド板104のスライド方向
と略直交する方向に、互いに離隔した位置に2個の係合
溝108が設けられている。この係合溝108内に前記
偏心カム98に立設した回動軸58、60に対応する入
力ピン100がそれぞれ貫通突設されており、これによ
って、スライド板104を風流れ方向にスライドさせる
と、入力ピン100は案内長溝106内を移動しつつ回
動軸58、60を軸として範囲rを円弧運動する。そし
て、このピン100の移動範囲により回動軸58、60
が回動する範囲を少なくとも羽根部62、64が流路P
を開閉する範囲として設定されている。
【0124】また、このスライド板104には後述する
スライド駆動機構の駆動受けピン110が立設固定され
ている。このスライド板104のスライド駆動機構11
2は、枠体94にスライド板のスライド方向に長く架設
させたネジ軸114と、このネジ軸114に螺合してス
ライド板のスライド方向に進退移動するナット部材11
6と、ナット部材の下面に略中心部を支持されネジ軸1
14と交差する方向に設けられたスライド調整板118
と、このスライド調整板118を互いに反時計方向に回
動するようにスライド板及び該スライド調整板118に
張架されたコイルバネ120を有している。そして、前
記した駆動受けピン110がスライド調整板118の近
縁に配置されて先端を調整板よりも上方に突設させてい
る。従って、コイルバネ120の引張付勢力に抗して該
調整板118をネジ軸114に略直交するように保持
し、これによってネジ軸114に沿ってナット部材11
6が螺進するとともに係合溝108内の入力ピン100
の直線移動時の動きをコイルバネの弾性力で吸収しなが
ら円滑に直線運動を回転運動に変換するようにしてい
る。なお、122はネジ軸114にその駆動軸を固定さ
せた駆動モータである。また、124は、羽根部62、
64の風流れ上流側の流路内に設置した風量検知センサ
である。
【0125】次に、第3実施例の作用について説明する
と、図24及び図25(a)、(b)において、鎖線示
の流路全開状態では羽根部62、64は流れ方向に沿う
ように配置されている。このとき、第2羽根板66b、
68bはコイルバネ88により第1羽根板66a、68
a側に押圧されているので駆動用ピン38は長溝84、
86内においてx位置を保持して孔18を全開状態とし
たままで流路全開状態から全閉状態まで回動する。
【0126】そして、回動軸58、60が流路全閉から
更に同一方向に回動すると、羽根部62、64はストッ
パ部44に当接して回動を制止されるので、図25
(a)の駆動用ピン38のx位置における孔18を全開
状態とした位置から該駆動用ピン38がy位置まで変位
するように回動軸が回動し、これによって、流路の開閉
及び閉鎖状態から更に連続的に回動軸を回動させること
により同時に複数の孔18をも開閉制御することとな
る。
【0127】回動軸58、60の開閉駆動は同期開閉機
構90のカム部材、スライド機構、スライド駆動機構に
より行われ、羽根部62、64を同期して逆方向に回動
させ、流路Pを開閉する。同期開閉機構は実施例構成に
限られるものではなく、回動軸58、60を同期して逆
転し得るような任意の構成であれば良い。
【0128】この第3実施例は内部に風の流路を形成す
るケーシングと、このケーシング内を回動しつつ該流路
を開閉する羽根部と、を備え、該羽根部は、相互に重ね
合わせられ、かつ摺動可能に取り付けられ、複数の孔を
開口させた複数の羽根板を備えた構成である。また、羽
根部により風の流路全体を開閉するときにはこれらの複
数の孔を連通させて連通開口を形成した状態で開閉さ
せ、風の流路を閉鎖した後にいずれかの羽根板を摺動さ
せて連通開口を閉塞するようにした構成である。
【0129】また、ケーシング内を横切るように回動軸
を回動自在に取り付けてこの回動軸に羽根部を取り付
け、該回動軸を回動させることにより風の流路開閉及び
複数の孔の開閉を行う兼用駆動機構を備えた構成であ
る。また、兼用駆動機構は、回動軸を流路閉鎖状態から
更に連続的に回動することにより複数の孔を閉塞させる
べく摺動開閉を行うように構成したものである。その
他、本実施例における同様の構成についての作用効果は
有効に風切り音その他の騒音発生を防止できる点、最も
困難でかつ重要な羽根部の全閉に近い場合での流量制御
機能はかえって向上する点、偏流を防止し整流作用を同
時に行え、末端の空調機器の近くでも設置できる点、風
量検知精度が向上する点、センサ個数が最小限で良い点
をはじめ、第1実施例の場合と同様の作用効果を得るも
のである。また、本実施例では、2個の回動軸に2組の
羽根部を設けているが、例えば、断面角型のケーシング
に複数の孔を穿孔させた羽根板を重ね合わせて羽根部を
3、4、5、6...組回動支持させ、これを外部のリ
ンク機構を介して同時に開閉させるようにし、流路の開
放、閉鎖と共に、これらの孔の開閉をスライドさせなが
ら行うようにしても良いものである。
【0130】次に、本発明の第4実施例に係る風量調整
ダンパー10−4について図26ないし図32に基づい
て説明するが、第1実施例と同一部材には同一符号を付
し、その詳細な説明は省略する。
【0131】この第4実施例は内部に風の流路を形成す
るケーシング12と、このケーシング12内を回動しつ
つ該流路Pを開閉する羽根部14と、を備え、該羽根部
14は、相互に重ね合わせられ、かつ摺動可能に取り付
けられ、複数の孔18を開口させた複数の羽根板16
a、16bを備えた構成である。また、羽根部14によ
り風の流路Pの全体を開閉するときにはこれらの複数の
孔18を連通させて連通開口を形成した状態で開閉さ
せ、風の流路Pを閉鎖した後にいずれかの羽根板16
a、16bを摺動させて連通開口を閉塞するようにした
構成である。また、ケーシング12内を横切るように回
動軸22を回動自在に取り付けてこの回動軸22に羽根
部14を取り付け、該回動軸22を回動させることによ
り風の流路開閉及び複数の孔の開閉を行う兼用駆動機構
28を備えた構成である。また、兼用駆動機構28は、
回動軸22を流路閉鎖状態から更に連続的に回動するこ
とにより複数の孔18を閉塞させるべく摺動開閉を行う
ように構成したものである。
【0132】これらの第1実施例と共通する同様の構成
により同様の効果を奏し得る。この実施例では、流路P
を開閉する羽根部14は1組であり、円筒形のケーシン
グ内を略その内径に対応する大きさの真円状の羽根板1
6a、16bが回動しつつ流路Pを開閉するように設け
られている。
【0133】兼用駆動機構28による回動軸の回動及び
複数の孔の開閉については同様であるが、具体的な兼用
駆動方法が異なる。図26、29、31において、兼用
駆動機構28はケーシング12に回動自在に設けられた
回動軸22と、この回動軸に取り付けた羽根部14と、
を有し、該羽根部14は、前記回動軸22に対して空転
可能に取り付けられた第1羽根板16aと、この第1羽
根板16aに対して摺動自在に係合された他の羽根板と
しての第2羽根板16b、を備えている。
【0134】この実施例では該回動軸22に螺子部12
6が設けられるとともに、この螺子部126に螺合しつ
ついずれかの羽根板を摺動させる進退機構128を備え
ている。図26において、ケーシング12に固定された
軸受20に軸支されて回動軸22が流路を横切るように
して回動自在に取り付けられ、この回動軸22に羽根部
14の第1羽根板16aが軸バンドからなる取り付け部
材24を介して遊転可能に取り付けられている。この回
動軸22の中央部には螺子部126としての螺子溝が螺
刻されており、その螺子溝の左右端は螺子長さ規定用の
スリーブ130が装嵌されている。螺子溝長さの設定の
ための構造はこれに限るものではない。後述する切欠孔
の長さ、幅によってナット部材が移動不能にさせること
としても良いし、その他任意の構成で良い。
【0135】この第1羽根板16aの前記回動軸22の
螺子部126に対応する位置には矩形の切欠孔132が
形成されている。そして、前記螺子部126に螺合しつ
つ進退移動するナット部材134が設けられ、このナッ
ト部材の基部側は該切欠孔132を貫通して第2羽根板
16bに固定されている。
【0136】従って、回動軸22を回動させるとナット
部材が回動軸に沿う方向に進退移動し、これに追従して
摺動側の羽根である第2羽根板16bがスライド移動す
ることとなる。
【0137】更に、図28にも示すように、第1羽根板
16aに一端を係止し、他端を流路に立設した支持部材
136に係止させた引張バネ138が張架されて常時、
第1羽根板を流路Pの閉鎖方向に付勢している。そし
て、流路の全閉状態では風流れと直角方向に羽根部14
が制止されるように断面L字状のストッパ部材(44)
が流路内に設けられている。引張バネ136はこの実施
例に限られるものではなく、例えば回動軸にコイルバネ
を装嵌させてバネ端部を流路閉鎖方向に付勢するように
係合させるようにしても良い。
【0138】進退機構128は前記したナット部材と、
引張バネにより例示される付勢部材138を含むもので
ある。前記した螺子部126の螺子溝の長さは少なくと
も羽根板に設けた複数の孔18を開閉できる程度の長さ
に設定すれば良い。
【0139】本実施例の作用について説明すると、図2
8に示すように、付勢部材138の引張力により、第1
羽根板16aは常時流路Pを閉鎖するように付勢されて
いる。このとき、ナット部材134は図26、29、3
1上図示しないが回動軸22を最も反時計方向回りに回
動させた状態で、ナット部材134は螺子部126の左
端寄り側に位置している。そして、このときには、羽根
部に設けた複数の孔18は全閉している(図32(a)
参照)。
【0140】これから図28上時計方向に回動軸22を
回動させると螺子部126をナット部材134が右方向
に螺進し、孔18を全開させる(図32(b)参照)。
その位置でナット部材134は同方向に螺進できないよ
うになっている。従って、更に回動軸を時計方向に回動
させると引張バネ138の引張付勢力に抗して羽根部1
4全体を流路開放方向に回動させ、図28鎖線示のよう
な流路全開状態を得る(図32(a)参照)。このとき
ナット部材134は螺子部126の右寄り側に位置して
いる。流路の全閉から全開までは羽根部自体の複数の孔
18は全開状態を保持している。
【0141】一方全開状態から回動軸22を反時計方向
に回動させると第1羽根板16aは引張バネ138に引
張されているので追従して回動する。従って、螺子部1
26とナット部材134との相対位置は変化せず、よっ
て孔18の全開状態を保持したままで流路全閉まで回動
する。
【0142】流路全閉位置でストッパ部材44に当接し
て羽根部14が回動できないようになり、更に、反時計
方向に回動軸22を回動させるとナット部材134は螺
子部126を螺進し、回動軸に沿う方向に第2羽根板1
6bを摺動させて再び全閉状態を得ることとなる。
【0143】本実施例では回動軸そのものに形成した螺
子部と摺動側の羽根板に固定したナット部材との螺合に
より進退させてスライドさせ、複数の孔18を開閉する
ようにしているので作動が確実である。
【0144】次に、本発明の第5実施例に係る風量調整
ダンパー10−5について図33ないし図38に基づい
て説明するが、第3実施例と同一部材には同一符号を付
し、その詳細な説明は省略する。
【0145】本実施例においては内部に風の流路を形成
するケーシングと、このケーシング内を回動しつつ該流
路を開閉する羽根部と、を備え、該羽根部は、相互に重
ね合わせられ、かつ摺動可能に取り付けられ、複数の孔
を開孔させた複数の羽根板を備えた点、はもとより、2
個の回動軸58、60を備えこれに流路内を回動可能に
支持された2個の羽根部62、64を備えた点、半円形
状で回動軸への支持基部から円弧頂部までの長さは流路
の半径よりも長く、流路の全閉状態で風流れ方向から鋭
角状に保持した状態である点、兼用駆動機構を備えてい
る点、兼用駆動機構28は、ケーシング12に回動自在
に設けられた回動軸58、60と、この回動軸に取り付
けられた羽根部62、64と、を有し、該羽根部62、
64は、前記回動軸58、60に対して空転可能に取り
付けられた第1羽根板66a、68aと、この第1羽根
板に対して摺動自在に係合された他の羽根板66b、6
8bと、を備え、更に、前記それぞれの羽根板66a、
66b、68a、68bに設けられた長溝84、86
と、前記回動軸58、60に半径方向に向けて固定さ
れ、前記重ね合わせた複数の羽根板の長溝84、86を
貫通して端部を突設させた駆動用ピン38と、該羽根部
62、64による流路Pの閉鎖位置を規定するストッパ
部44を備えている点、その他第3実施例と同一符号を
付した構成部材については同一構成であり、同様の作用
効果を奏するので重複するからその詳細説明は省略す
る。
【0146】この第5実施例においては兼用駆動機構2
8は回動軸を複軸構成とし、ギヤ機構に、羽根部による
流路の開閉に対応する回動動作、及び羽根部の複数の羽
根の開閉に対応する回動動作を行わしめるように連係さ
せ、これらを切り替えて駆動させるようにしている。更
に、モータの駆動軸は同一回転で流路開閉から複数の孔
開閉までの駆動を行うようにしている。
【0147】図33、34、35においてケーシング1
2の外部において回動軸58、60のそれぞれの軸端に
は図示しないモータの駆動軸に連結されたピニオンギヤ
140に咬合するギヤ機構142が取り付けられてい
る。これらの回動軸及びギヤ機構については同一構成の
ものがそれぞれに組み付けられているので、以後そのう
ちの1つの回動軸及びギヤ機構の例について説明する。
【0148】図36、38に示すように本実施例におい
て回動軸58は、中軸58a及びその外周に嵌装されて
摺動自在に回動する外軸58bを含む複軸構成となって
いる。そして、この中軸58aには駆動用ピン38が半
径方向に向けて固定され、その先端は羽根板66a、6
6bの長溝84、86を貫通している。
【0149】一方、この中軸58aの外面側には該中軸
と同心状に外軸58bが該中軸に対して相対的に回動可
能に設けられている。前記中軸58bの駆動用ピン38
の取付位置に対応する部分には図38に示すように切欠
溝144が形成されており、この中軸58aの駆動用ピ
ン38はこの切欠溝144を貫通し更に羽根板66a、
66bを貫通して先端を突出させている。この駆動用ピ
ン38の回動により羽根部の複数の孔18を開閉するこ
ととなる。
【0150】回動軸58の軸端に取り付けられるギヤ機
構142は第1ギヤ146及び第2ギヤ148を含む。
図36及び図38において第1ギヤ146は略扇形状に
形成されて円状の基部側は中軸58aに固定されてい
る。またこの第1ギヤ146には連動ピン150が立設
されており(図36(a)上裏面側に立設されてい
る)、後述する第2ギヤが回動する時にこの連動ピンを
押して第1ギヤを同方向に同期回動させる。更にこの第
1ギヤ146の扇形円弧部にはピニオンギヤ140との
咬合部であるギヤ歯を形成した係合部152が設けられ
ている。この第1ギヤ146を回動させると中軸58a
も回動し、よって、駆動用ピン38を駆動させて摺動羽
根板である第2羽根板66bを複数の孔18を閉塞する
ように回動させる。
【0151】また、第2ギヤ148も同様の略扇形形状
に形成され、回動軸58の長手方向に対する位置をずら
せて第1ギヤと重ね合わせるようにして複軸の回動軸の
端部に固定されている。すなわちこの第2ギヤ148の
円状の基部側は複軸中の外軸58b側に固定されてい
る。そして、その円弧部には同じピニオンギヤ140と
の咬合部である係合部154が設けられている。第2ギ
ヤ148の係合部154の回動範囲に前記第1ギヤ14
6の連動ピン150が回動方向と交差するように立設さ
れており、これによって第2ギヤを強制的に回動させる
と第1ギヤも追従して回動するようになっている。
【0152】この実施例において第1羽根板66aは、
外軸58bに固定され、第2羽根板66bはこれに重ね
合わせられて回動軸と交差する方向に摺動可能に設けら
れている。よって第2ギヤを回動させると外軸が回動
し、それに伴って第1羽根板66aが風の流路内を回動
する。
【0153】いま図36(a)において羽根部62は実
線示のように風の流れ上流側に向いており全開状態にあ
る。このとき、図38上中軸58aに固定された駆動用
ピン38は左端実線示位置にあり、よって、摺動側の第
2羽根板66bをスライドさせて複数の孔18を全開状
態にしている。
【0154】これから駆動モータに連動するピニオンギ
ヤ140を回転駆動させると第2ギヤの係合部154が
咬合しつつ同第2ギヤ148を時計回り方向に回動させ
る。このとき第2ギヤの扇形の片部に配置された衝合部
が連動ピン150を同じ方向に押すので中軸58aと、
外軸58bの相対回転位置を変化させることなく両方の
第1、第2ギヤを同期して同一時計回り方向に回動させ
る。中軸と外軸との相対回転位置は変化しないので駆動
用ピン38は切欠溝144内を移動することなく、複数
の孔18は全開状態のままで羽根部64を流路閉鎖方向
に回動させる。
【0155】図36(b)において羽根部が流路内壁で
あるストッパ部44に当接するときに、第2ギヤ148
の一端部と第1ギヤ146の一端部が共に、ピニオンギ
ヤ140に咬合する状態となる。これから更に、ピニオ
ンギヤ140が回動すると、第1ギヤ140の係合部1
52と咬合するようになり、連動ピンを立設した第1ギ
ヤはそれ単独では充分な回動範囲を有しているので第2
ギヤと干渉することなく、自由に回動する結果、この第
1ギヤに固定した中軸58aを回動させて外軸58bと
の相対回転位置を変化させる。これによって、図37上
駆動用ピン38は左端位置から右端位置まで変化すると
きに、図36(c)のように、孔18が閉塞され流路内
を完全に全閉状態とする。このとき各ギヤ152、15
4の円弧部分は略重なり合った状態となっている。
【0156】ピニオンギヤ140が逆方向に回転すれば
逆の順序で、孔18の開放、流路の開放を行い、再び図
36(a)位置に両ギヤが復帰する。この実施例の兼用
駆動機構においてもギヤの咬合により流路の開閉と、複
数孔の開閉をギヤによる連動及び連係により動きを移行
させて兼用駆動させているので作動が確実であり信頼性
が高い。
【0157】また、実施例のように、回動軸を中軸と外
軸の複軸構成とすることにより、ケーシング内の羽根部
を駆動させる際に連動を円滑に行えるとともに、2系統
の駆動を連係させる構造、特に、連続的に駆動させる構
造が極めて簡単となり、製造が容易である。
【0158】この第5実施例の構成は第3実施例とその
他の構成は同一であり、同様の作用効果を奏することが
可能である。例えば、半円形状の2組の羽根部62、6
4を用い、流路の半分づつをそれぞれ負担しつつ蝶羽状
に開閉駆動させることにより、1組の羽根を回動軸支さ
せて流路を開閉させる場合に比し、流量の制御特性をよ
り向上させることができる点、回動軸を流路に直列状に
配置させることにより流路P内の圧力損失を小さなもの
とし、空気流量の制御特性を更に向上させることができ
る点は第3実施例と同様に保持することができる。
【0159】また、基本的な羽根そのものを重ね合わせ
て流路開閉とともに、複数羽根の摺動開閉をできるよう
にした構成も同一であり、それによる作用効果も第1実
施例の説明と同様である。例えば、有効に風切り音その
他の騒音発生を防止できる点、最も困難でかつ重要な羽
根部の全閉に近い場合での流量制御機能はかえって向上
する点、偏流を防止し整流作用を同時に行え、末端の空
調機器の近くでも設置できる点、風量検知精度が向上す
る点、センサ個数が最小限で良い点をはじめ、第1実施
例の場合と同様の作用効果を得るものである。
【0160】更に図39ないし図42に基づいて本発明
の第6実施例に係る風量調整ダンパー10−6について
説明するが、回動軸22、羽根部14の構造及び他の構
造については例えば第1実施例と同様であり、同一の構
成部材については同一符号を付し詳細説明は省略する。
【0161】この第6実施例においては、兼用駆動機構
28は多翼型ダンパーの各羽根部のそれぞれについて設
けてある。図39、40においてダンパーケーシング1
2は角型であり、断面四角形の風の流路を開閉するよう
にそれぞれ四角形の4個の羽根部14が回動自在に回動
軸22に支持されている。この実施例では多翼型のダン
パーについて複数の羽根板16a、16b...を重ね
合わせて摺動自在とした羽根部14を設けている。
【0162】図39においては2個の羽根部14が互い
に対向するように開閉する対向翼タイプの多翼ダンパー
であり、各羽根部について回動軸を回動させることによ
り風の流路開閉及び複数の孔18の開閉を行う兼用駆動
機構28を備えている。実施例においてはリンク機構1
56を用い、回動軸22Rを回動すれば22S、22
T、22Uの回動軸も同期してそれぞれ他の回動軸22
S、22T...を互いに逆方向に回動させる。そして
例えば22Rについてモータ駆動軸と連動させるように
すれば、他の回動軸に支持される羽根部が相互に対向方
向に回動し、かつ、羽根板16a、16bがスライドし
て複数の孔18を開閉させることとなる。このように従
来のリンク機構を用いて同期開閉するようにしてもよい
が、各羽根個別に兼用駆動させる構成としても良い。
【0163】図40は平行翼型の多翼ダンパーであり、
この実施例でも同様にリンク機構156により同期して
羽根部を開閉させ、更に複数の孔18を開閉させるよう
にする。実施例においては第1実施例と同様に駆動用ピ
ン38により回動軸に沿う方向に摺動するように設けら
れている。
【0164】ここにおいて、例えば大きなダクト径流路
に配置される大型のダンパーの場合において多翼型構成
とする場合においても複数孔を備えたスライド開閉型の
ダンパーを構成することが可能である。実施例のリンク
機構156はベルト、チェーン、ギヤ等を用いて同期さ
せるようにしてもよい。
【0165】なお、この多翼形ダンパーで各羽根部につ
いて兼用駆動機構を設ける場合、兼用駆動機構自体は例
えば第3実施例に示すように摺動側の第2羽根板を回動
軸と交差するように摺動させるようにしてもよいし、第
5実施例のように回動軸を複軸構成としてギヤ機構によ
り流路の開閉と複数孔の開閉を切替駆動させる構成とし
ても良い。
【0166】本発明の風量調整ダンパーにおいては、上
記実施例構成に限られるものではなく、特許請求の範囲
に記載した発明の本質を逸脱しない範囲において任意の
改変を加えても良いものである。
【0167】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の風量調
整ダンパーによれば、内部に風の流路を形成するケーシ
ングと、このケーシング内を回動しつつ該流路を開閉す
る羽根部と、を備え、該羽根部は、相互に重ね合わせら
れ、かつ摺動可能に取り付けられ、複数の孔を開孔させ
た複数の羽根板を備えているので、羽根の開度を変化さ
せる場合にも複数の孔を連通させてこの開口から複数個
の微小に分割された空気流を流すので風切り音その他の
騒音の発生を防止し得ると共に、羽根板の全体面から空
気流を流すので閉鎖方向回動時の偏流を生じさせないば
かりでなく、整流を行って下流側へ均一な空気を流すこ
とができる。従って、吹出口等の負荷に近い空調機器に
近接して配置することができ、この種の空調ダンパーの
用途を大幅に広げることが可能である。更に、偏流を生
じさせないので上流側に取り付けられる風速センサの検
知精度が大幅に向上し、センサそのものも流路断面全体
を検出するために複数個設ける必要がなく、単に1個の
センサのみで精度の高い風速の検出が可能であり、セン
サ費用、その取り付け費用などを節約でき、コスト減を
達成し得るものである。また、完全閉塞状態に近い場合
の微小な風量の検知調整が可能である。
【0168】また、請求項2に係る風量調整ダンパーに
よれば、前記羽根部により風の流路全体を開閉するとき
にはこれらの複数の孔を連通させて連通開口を形成した
状態で開閉させ、風の流路を閉鎖した後に前記いずれか
の羽根板を摺動させて前記連通開口を閉塞するように構
成したので、ケーシング内の全体流路の開閉時に騒音を
生じにくいものとすると共に、特に羽根部の閉鎖位置に
近い状態における羽根部の開度変化に比しての急速な風
量の減少を防止でき、消音効果を実効あらしめるととも
に、複数の孔の開閉は流路内における羽根部の閉鎖状態
で行ない、また同時に小さな複数の孔を開閉できるので
風量の微調整を確実に行える。
【0169】また、請求項3に係る風量調整ダンパーに
よれば、前記ケーシング内を横切るように回動軸を回動
自在に取り付けてこの回動軸に前記羽根部を取り付け、
該回動軸を回動させることにより前記風の流路開閉及び
複数の孔の開閉を行う兼用駆動機構を備えることとして
いるので、流路の開閉駆動及び複数の孔開閉用の駆動が
1系統で行えるので部材の兼用により比較的に低コスト
で製造できるとともに、駆動モータ、その他の連動機構
等が簡略化でき、更に、駆動応答性が向上する。
【0170】また、請求項4に係る風量調整ダンパーに
よれば、前記兼用駆動機構は、前記回動軸を前記流路閉
鎖状態から更に連続的に回動することにより前記複数の
孔を閉塞させるべく摺動開閉を行うように構成している
ので回動軸を羽根開放から閉鎖状態に回動させ、流路閉
鎖状態から更に回動させることにより電気的な制御や、
リンクその他の連係機構を必要とすることなく、極めて
簡単な構造で複数の孔による連通開口を完全閉塞すべく
羽根をスライド移動させることが可能である。しかも、
回転軸の回転を継続させることによりスライド変換させ
得るので動きが連続的に生じ、動きに無駄がなく、全閉
に近い状態での風量制御特性が大幅に向上する。
【0171】また、請求項5に係る風量調整ダンパーに
よれば、前記兼用駆動機構は、ケーシングに回動自在に
設けられた回動軸と、この回動軸に取り付けられた羽根
部と、を有し、該羽根部は、前記回動軸に対して空転可
能に取り付けられた第1羽根板と、この第1羽根板に対
して摺動自在に係合された他の羽根板と、を備え、さら
に、前記それぞれの羽根板に設けられた長溝と、前記回
動軸に半径方向に向けて固定され、前記重ね合わせた複
数の羽根板の長溝を貫通して端部を突設させた駆動用ピ
ンと、前記羽根部による流路の閉鎖位置を規定するスト
ッパ部と、を備えているので、基本的には回動軸に駆動
用ピンを取り付け、羽根板に長溝を形成するだけで良い
ので、流路の開閉のための駆動力と別個に羽根部に形成
した複数の孔開閉用の駆動機構を設ける必要がなく構造
が極めて簡単であり、製造の容易性、保守点検の容易性
を確保し、製造効率を向上させ、同時に電気的な制御を
含ませることなく機械的に変換を行わせるものであるか
ら機器そのものの故障率が極めて少ないものである。
【0172】また、請求項6に係る風量調整ダンパーに
よれば、前記長溝は、前記羽根部の流路閉鎖状態から更
に回動軸を回動させて駆動用ピンが他の羽根板を掛着す
るようにして摺動させ、前記複数の孔を完全閉塞させる
のに対応する駆動用ピンの回動範囲を含む長さに設定さ
れているので、回動軸の回動に伴う駆動用ピンの第1羽
根板の長溝内に回動により他の羽根板を確実に移動さ
せ、それぞれの羽根板に形成した複数の孔の開閉作動を
確保し得る。
【0173】また、請求項7に係る風量調整ダンパーに
よれば、前記兼用駆動機構は、前記複数の羽根板の複数
の孔がそれぞれ連通開口を形成する方向に常時付勢力を
付与する連通付勢部材を有しているので、ケーシング内
の全体流路の開閉時に複数の孔を常時開放状態にしてお
くための構成を例えば単一のコイルバネにのみよらしめ
ることができ、そのための構造が極めて簡単であるとと
もに、流路の閉鎖後にこれらの複数の孔を閉鎖する作動
の時にその連係をとるための構造を別体として設ける必
要がなく、兼用駆動機構自体の構造を簡易化させ、か
つ、実効化することが可能である。
【0174】また、請求項8に係る風量調整ダンパーに
よれば、前記長溝は、前記それぞれの羽根板に設けられ
前記駆動用ピンによる貫通部を形成しつつ少なくとも互
いに異なる方向に向けて形成されているので、長溝の構
成で回転運動を直線運動に直接的に変換することを可能
とし、構造が極めて簡単である。
【0175】また、請求項9に係る風量調整ダンパーに
よれば、前記他の羽根板は回動軸に沿う方向に摺動可能
に設けられているので、摺動すべき羽根板側の摺動の構
成を具体化でき、実現し得る一方、回動軸に沿う方向だ
から支持案内構造に無駄がなく、製造しやすい。
【0176】また、請求項10に係る風量調整ダンパー
によれば、前記他の羽根板は回動軸と交差する方向に摺
動可能に設けられてなるので、摺動すべき羽根板側の摺
動の構成を具体化でき、実現しうる。
【0177】また、請求項11に係る消音形風量調整ダ
ンパーによれば、前記複数の羽根板は互いに回転摺動す
るように設けられているので、摺動すべき羽根板側の摺
動の構成を具体化でき、実現し得る。
【0178】また、請求項12に係る風量調整ダンパー
によれば、前記複数の羽根板は円形に形成され、前記第
1羽根板の長溝は回動軸と交差する方向に長く形成され
ると共に、該羽根板に対し回転摺動する他の羽根板の長
溝は少なくとも駆動用ピンのピン径よりも同羽根板の半
径方向に長く形成されているので、他の羽根板の回転摺
動の際に駆動用ピンを半径方向に移動させることによ
り、円滑に回転摺動運動を行わせることができる。
【0179】また、請求項13に係る風量調整ダンパー
によれば、前記回動軸と羽根部には該羽根部を流路閉鎖
または開放方向に付勢する流路開閉付勢部材が設けられ
ているので、羽根部の開閉時における開閉作動を安定的
に行わしめることが可能である。
【0180】また、請求項14に係る風量調整ダンパー
によれば、前記流路開閉付勢部材は、付勢バネからな
り、この付勢バネは、前記他の羽根板の上から前記第1
羽根板側に押圧する押えバネを兼用するように張架され
ているので、羽根部の開閉時における開閉作動を不安定
にすることなく、安定した開閉作動を行わせると同時
に、複数の孔の開閉についても開閉作動が安定して行わ
れるものである。
【0181】また、請求項15に係る風量調整ダンパー
によれば前記回動軸はケーシング内を横切るように複数
個設けられ、これに係合しつつ風の流路を開閉する羽根
部が複数個設けられているので、1の流路を複数羽根に
より開閉することが可能であり、特に偏流の抑制、風量
の制御特性の向上を確保し得る。
【0182】また、請求項16に係る風量調整ダンパー
によれば前記羽根部を係止させる回動軸は、風の流路に
対し直列状に配置され、前記羽根部は互いに逆方向に回
動しつつ流路を閉塞するように設けられているので、複
数の羽根部における流路内の抵抗損失を抑制でき、か
つ、蝶羽状に開閉するようにしているので流路の中央部
から壁側に至る全体について均一な風量を流すことが可
能となり、風量の制御特性を向上させることができる。
【0183】また、請求項17に係る風量調整ダンパー
によれば、前記複数の羽根部を同期して開閉させるため
の同期開閉機構が設けられているので、複数の羽根部の
同期的な開閉が可能となり、特に、蝶羽状に複数の羽根
を同期開閉する場合の風量制御特性の向上を実質的に担
保し得るものである。
【0184】また、請求項18に係る風量調整ダンパー
によれば、前記回動軸は流路内に2個設けられ、前記羽
根部はこれらの回動軸に係止されて前記風の流路の2分
割面をそれぞれ開閉するように2組設けられているの
で、2組の羽根部による蝶羽状の流路開閉作動を確保し
得る。
【0185】また、請求項19に係る風量調整ダンパー
によれば、前記兼用駆動機構は、ケーシングに回動自在
に設けられた回動軸と、この回動軸に取り付けられた羽
根部と、を有し、該羽根部は、前記回動軸に対して空転
可能に取り付けられた第1羽根板と、この第1羽根板に
対して摺動自在に係合された他の羽根板と、を備え、前
記回動軸には螺子部が設けられ、この螺子部に螺合しつ
ついずれかの羽根板を摺動させる進退機構と、を備えて
いるので、兼用駆動を螺子部とこの螺子部と進退機構と
の螺合構成で行わせるので流路の開閉から複数の孔の開
閉への切替が円滑でかつ確実であり、よって作動が確実
である。特に、回転軸の回転に連続して流路開閉及び複
数の孔開閉が円滑に行われ得る。
【0186】また、請求項20に係る風量調整ダンパー
によれば、前記進退機構は、前記螺子部に螺合するとと
もに前記他の羽根板に固定され、前記回動軸に沿う方向
に進退移動するナット部材と、前記第1羽根板を常時風
の流路閉鎖方向に付勢させる付勢部材と、を備えている
ので、ケーシング内の流路の開閉時に複数の孔が不安定
開閉しないようにでき、確実な作動を確保できる。
【0187】また、請求項21に係る風量調整ダンパー
によれば、前記兼用駆動機構は、前記複数の羽根板と連
係する中軸と外軸からなる複軸構成を含むので、ケーシ
ングの内外での回動軸の回動及び羽根板の摺動による複
数孔の開閉駆動を連動あるいは連係のための複雑な機構
を必要とすることなく簡単に行え、種々の駆動力伝達構
造の自由度を高いものとすることができる。
【0188】また、請求項22に係る風量調整ダンパー
によれば、前記兼用駆動機構は、モータの出力軸に連動
し、羽根部の流路開閉から複数の孔の摺動開閉とを連係
させるギヤ機構を備えているので、ギヤ機構の咬合によ
る流路開閉と複数の孔の開閉を行わせることとなり、作
動の確実性を担保し得る。
【0189】また、請求項23に係る風量調整ダンパー
によれば、前記兼用駆動機構は、前記重ね合わせた複数
の羽根板に回動軸と交差方向に設けた長溝と、この長溝
を貫通する駆動用ピンを固定した中軸と、この中軸に摺
動回転自在に設けられ、かつ、この中軸の外面側に同心
状に複軸構成で設けられた外軸と、前記中軸に固定され
任意の位置に連動ピンを立設させた第1ギヤと、前記外
軸に固定され、回動時に前記第1ギヤの連動ピンに衝合
する衝合部を備えた第2ギヤと、を有し、該第2ギヤ
は、同第2ギヤが連動ピンに衝合しつつ回動するときに
は第1ギヤも同期回動して前記中軸と外軸の相対回転位
置を変化せないで羽根部を流路閉鎖位置まで回動させる
駆動側ギヤとの係合部を有し、前記第1ギヤは、羽根部
による風の流路の閉鎖状態から中軸を回動させて前記複
数の孔を閉塞移動させる駆動側ギヤとの係合部を備えて
いるので、中軸と外軸による複軸構成及び第1ギヤと第
2ギヤとの連係により確実に流路の開閉作動及び複数の
孔の開閉作動を行える。
【0190】更に、請求項24に係る風量調整ダンパー
によれば、前記複数の羽根板にはこれらの羽根板相互の
摺動を案内する案内部が設けられ、かつ、それらの羽根
板が重ね合わせた状態から離脱しないように保持部が設
けられているので、羽根部全体が流路全体を開閉すると
きはもとより、摺動側の羽根板の摺動時にも離脱するこ
となく、円滑に摺動案内されながら開閉動作を行わせ得
る。
【0191】更に、請求項25に係る風量調整ダンパー
によれば、前記複数の孔は羽根板のほぼ全体に分布する
ように設けられているので、ケーシング内部の断面全体
について微小な空気通流口が形成される結果、消音効果
を保持すると同時に、偏流を防止でき、整流作用を確保
し得るとともに風量の微調整が高精度に行われ得るもの
である。
【0192】更に、請求項26に係る風量調整ダンパー
によれば、前記兼用駆動機構は、多翼開閉型ダンパーの
各羽根部について設けられているので、例えば角型の大
口径ダンパーについて大きな流量処理が必要な場合にお
いても流路開閉及び複数の孔開閉を兼用して駆動でき、
多用途に用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る風量調整ダンパーの
ケーシングを仮想線で示した概略全体斜視説明図であ
る。
【図2】同実施例の羽根部全体を第1羽根板側から見た
平面図である。
【図3】同じく同実施例の羽根部全体を第2羽根板側か
ら見た複数の孔を閉塞させた状態を示す平面作用説明図
である。
【図4】ケーシング内の流路に正対するように見て羽根
部を閉鎖し孔を連通させた状態から少し閉じて第2羽根
板側すなわち風上側から見た正面図である。
【図5】図4から複数の孔を閉塞させて完全閉塞状態と
したときの図4の裏面側すなわち風下側から見た背面図
である。
【図6】実施例に係る風量調整ダンパーの縦断面作用説
明図である。
【図7】同じく実施例に係る風量調整ダンパーの縦断面
作用説明図である。
【図8】本発明の第2実施例に係る風量調整ダンパーの
ケーシングを仮想線で示した概略全体斜視説明図であ
る。
【図9】本発明の第2実施例に係る風量調整ダンパーの
羽根部の第1羽根板側から見た斜視説明図である。
【図10】摺動側の羽根板である他の羽根板側から見た
羽根部の要部拡大説明図である。
【図11】(a)は第2実施例の兼用駆動機構の要部拡
大作用説明図である。(b)は第2実施例の兼用駆動機
構の要部拡大作用説明図である。
【図12】摺動側の羽根板である他の羽根板側から見た
羽根部の説明図である。
【図13】第2実施例に係る風量調整ダンパーの作用説
明図である。
【図14】同じく第2実施例に係る風量調整ダンパーの
作用説明図である。
【図15】本発明の第3実施例に係る風量調整ダンパー
の概略斜視説明図である。
【図16】その流路の風上側から見た拡大説明図であ
る。
【図17】複数の孔を閉塞させた状態の流路の風上側か
ら見た風量調整ダンパー拡大説明図である。
【図18】同期開閉機構を外した状態の回動軸及び羽根
部の斜視説明図である。
【図19】同期開閉機構部分の拡大平面図である。
【図20】同期開閉機構の拡大平面図である。
【図21】同期開閉機構のねじ軸部分を省略した拡大平
面図である。
【図22】第3実施例に係る風量調整ダンパーの羽根板
の複数の孔を開口させた状態の流路の風下側から見た拡
大説明図である。
【図23】その羽根板を回動させて流路を半分ほど開い
た状態の流路の風下側から見た拡大説明図である。
【図24】本発明の第3実施例に係る風量調整ダンパー
の拡大横断面作用説明図である。
【図25】(a)はその片側の羽根部のみを示した作用
説明図である。(b)は摺動側の羽根板(第2羽根板)
を完全閉塞させた状態の、同じく片側の羽根部のみを示
した作用説明図である。
【図26】本発明の第4実施例に係る風量調整ダンパー
の第1羽根板側から見た要部拡大説明図である。
【図27】その第2羽根板(摺動側羽根板)側から見た
要部拡大説明図である。
【図28】そのケーシング内部を示した概略縦断構成説
明図である。
【図29】第2羽根板(摺動側羽根板)側から見た回動
軸及び羽根部の要部正面説明図である。
【図30】第1羽根板側から見た回動軸及び羽根部の要
部正面説明図である。
【図31】兼用駆動機構の要部拡大説明図である。
【図32】(a)は、本発明の第4実施例に係る風量調
整ダンパーの作用説明図である。(b)は、本発明の第
4実施例に係る風量調整ダンパーの作用説明図である。
(c)は、本発明の第4実施例に係る風量調整ダンパー
の作用説明図である。
【図33】本発明の第5実施例に係る風量調整ダンパー
の概略分解斜視構成説明図である。
【図34】片側の羽根部の第1羽根板側から見た斜視説
明図である。
【図35】その裏面側から見た斜視説明図である。
【図36】(a)は、ギヤ機構の作用説明図である。
(b)は、同じくギヤ機構の作用説明図である。(c)
は、同じくギヤ機構の作用説明図である。
【図37】回動軸と羽根部の要部拡大断面説明図であ
る。
【図38】(a)は本発明の第5実施例に係る風量調整
ダンパーの作用説明図である。(b)は本発明の第5実
施例に係る風量調整ダンパーの作用説明図である。
【図39】第6実施例の風量調整ダンパーの対向翼型の
概略構成説明図である。
【図40】同じく第6実施例の風量調整ダンパーの平行
翼型の概略構成説明図である。
【図41】図39の実施例のダンパーの概略リンク機構
説明図である。
【図42】図40の実施例のダンパーの概略リンク機構
説明図である。
【図43】従来のダンパーの概略構成説明図である。
【符号の説明】
10−1 第1実施例の風量調整ダンパー 10−2 第2実施例の風量調整ダンパー 10−3 第3実施例の風量調整ダンパー 10−4 第4実施例の風量調整ダンパー 10−5 第5実施例の風量調整ダンパー 10−6 第6実施例の風量調整ダンパー 12 ケーシング 14 羽根部 16 羽根板 16a 第1羽根板 16b 第2羽根板 18 孔 22 回転軸 28 兼用駆動機構 34 保持部 36 案内部 38 駆動用ピン 40 長溝(第1羽根板) 42 長溝(第2羽根板) 44 付勢バネ 50a 第1羽根板 50b 第2羽根板 52 長溝 54 長溝 58 回動軸 58a 中軸 58b 外軸 60a 中軸 60b 外軸 60 回動軸 62 羽根部 64 羽根部 66a、b 羽根板 68a、b 羽根板 84 長溝 86 長溝 90 同期開閉機構 98 偏心カム 100 入力ピン 104 スライド板 112 スライド駆動機構 116 ナット部材 124 風量検知センサ 126 螺子部 128 進退機構 134 ナット部材 136 支持部材 138 引張ばね 142 ギヤ機構 146 第1ギヤ 148 第2ギヤ 150 連動ピン 152 係合部 154 係合部 P 流路

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に風の流路を形成するケーシング
    と、 このケーシング内を回動しつつ該流路を開閉する羽根部
    と、を備え、 該羽根部は、相互に重ね合わせられ、かつ摺動可能に取
    り付けられ、複数の孔を開孔させた複数の羽根板を備え
    てなる風量調整ダンパー。
  2. 【請求項2】 前記羽根部により風の流路全体を開閉す
    るときにはこれらの複数の孔を連通させて連通開口を形
    成した状態で開閉させ、風の流路を閉鎖した後に前記い
    ずれかの羽根板を摺動させて前記連通開口を閉塞するよ
    うに構成した請求項1記載の風量調整ダンパー。
  3. 【請求項3】 前記ケーシング内を横切るように回動軸
    を回動自在に取り付けてこの回動軸に前記羽根部を取り
    付け、 該回動軸を回動させることにより前記風の流路開閉及び
    複数の孔の開閉を行う兼用駆動機構を備えてなる請求項
    1または2記載の風量調整ダンパー。
  4. 【請求項4】 前記兼用駆動機構は、前記回動軸を前記
    流路閉鎖状態から更に連続的に回動することにより前記
    複数の孔を閉塞させるべく摺動開閉を行うように構成し
    た請求項3記載の風量調整ダンパー。
  5. 【請求項5】 前記兼用駆動機構は、ケーシングに回動
    自在に設けられた回動軸と、 この回動軸に取り付けられた羽根部と、を有し、 該羽根部は、前記回動軸に対して空転可能に取り付けら
    れた第1羽根板と、 この第1羽根板に対して摺動自在に係合された他の羽根
    板と、を備え、 さらに、前記それぞれの羽根板に設けられた長溝と、 前記回動軸に半径方向に向けて固定され、前記重ね合わ
    せた複数の羽根板の長溝を貫通して端部を突設させた駆
    動用ピンと、 前記羽根部による流路の閉鎖位置を規定するストッパ部
    と、を備えてなる請求項3または4記載の風量調整ダン
    パー。
  6. 【請求項6】 前記長溝は、前記羽根部の流路閉鎖状態
    から更に回動軸を回動させて駆動用ピンが他の羽根板を
    掛着するようにして摺動させ、前記複数の孔を完全閉塞
    させるのに対応する駆動用ピンの回動範囲を含む長さに
    設定されてなる請求項5記載の風量調整ダンパー。
  7. 【請求項7】 前記兼用駆動機構は、前記複数の羽根板
    の複数の孔がそれぞれ連通開口を形成する方向に常時付
    勢力を付与する連通付勢部材を有してなる請求項3ない
    し6のいずれかに記載の風量調整ダンパー。
  8. 【請求項8】 前記長溝は、前記それぞれの羽根板に設
    けられ前記駆動用ピンによる貫通部を形成しつつ少なく
    とも互いに異なる方向に向けて形成されてなる請求項5
    ないし7のいずれかに記載の風量調整ダンパー。
  9. 【請求項9】 前記他の羽根板は回動軸に沿う方向に摺
    動可能に設けられてなる請求項3ないし8のいずれかに
    記載の風量調整ダンパー。
  10. 【請求項10】 前記他の羽根板は回動軸と交差する方
    向に摺動可能に設けられてなる請求項3ないし7のいず
    れかに記載の風量調整ダンパー。
  11. 【請求項11】 前記複数の羽根板は互いに回転摺動す
    るように設けられてなる請求項1ないし8のいずれかに
    記載の風量調整ダンパー。
  12. 【請求項12】 前記複数の羽根板は円形に形成され、
    前記第1羽根板の長溝は回動軸と交差する方向に長く形
    成されると共に、該羽根板に対し回転摺動する他の羽根
    板の長溝は少なくとも駆動用ピンのピン径よりも同羽根
    板の半径方向に長く形成されてなる請求項11記載の風
    量調整ダンパー。
  13. 【請求項13】 前記回動軸と羽根部には該羽根部を流
    路閉鎖または開放方向に付勢する流路開閉付勢部材が設
    けられてなる請求項3ないし12のいずれかに記載の風
    量調整ダンパー。
  14. 【請求項14】 前記流路開閉付勢部材は付勢バネから
    なり、この付勢バネは、前記他の羽根板の上から前記第
    1羽根板側に押圧する押えバネを兼用するように張架さ
    れてなる請求項3ないし13のいずれかに記載の風量調
    整ダンパー。
  15. 【請求項15】 前記回動軸はケーシング内を横切るよ
    うに複数個設けられ、 これに係合しつつ風の流路を開閉する羽根部が複数個設
    けられてなる請求項1ないし10または13、14のい
    ずれかに記載の風量調整ダンパー。
  16. 【請求項16】 前記羽根部を係止させる回動軸は、風
    の流路に対し直列状に配置され、 前記羽根部は互いに逆方向に回動しつつ流路を閉塞する
    ように設けられてなる請求項15記載の風量調整ダンパ
    ー。
  17. 【請求項17】 前記複数の羽根部を同期して開閉させ
    るための同期開閉機構が設けられてなる請求項15また
    は16記載の風量調整ダンパー。
  18. 【請求項18】 前記回動軸は流路内に2個設けられ、
    前記羽根部はこれらの回動軸に係止されて前記風の流路
    の2分割面をそれぞれ開閉するように2組設けられてな
    る請求項15ないし17のいずれかに記載の風量調整ダ
    ンパー。
  19. 【請求項19】 前記兼用駆動機構は、ケーシングに回
    動自在に設けられた回動軸と、 この回動軸に取り付けられた羽根部と、を有し、 該羽根部は、前記回動軸に対して空転可能に取り付けら
    れた第1羽根板と、 この第1羽根板に対して摺動自在に係合された他の羽根
    板と、を備え、 前記回動軸には螺子部が設けられ、この螺子部に螺合し
    つついずれかの羽根板を摺動させる進退機構と、を備え
    てなる請求項3、4、9、13ないし17のいずれかに
    記載の風量調整ダンパー。
  20. 【請求項20】 前記進退機構は、前記螺子部に螺合す
    るとともに前記他の羽根板に固定され、前記回動軸に沿
    う方向に進退移動するナット部材と、 前記第1羽根板を常時風の流路閉鎖方向に付勢させる付
    勢部材と、を備えてなる請求項19記載の風量調整ダン
    パー。
  21. 【請求項21】 前記兼用駆動機構は、前記複数の羽根
    板と連係する中軸と外軸からなる複軸構成を含む請求項
    3ないし20のいずれかに記載の風量調整ダンパー。
  22. 【請求項22】 前記兼用駆動機構は、モータの出力軸
    に連動し、羽根部の流路開閉から複数の孔の摺動開閉と
    を連係させるギヤ機構を備えてなる請求項3ないし21
    のいずれかに記載の風量調整ダンパー。
  23. 【請求項23】 前記兼用駆動機構は、前記重ね合わせ
    た複数の羽根板に回動軸と交差方向に設けた長溝と、こ
    の長溝を貫通する駆動用ピンを固定した中軸と、 この中軸に摺動回転自在に設けられ、かつ、この中軸の
    外面側に同心状に複軸構成で設けられた外軸と、 前記中軸に固定され任意の位置に連動ピンを立設させた
    第1ギヤと、 前記外軸に固定され、回動時に前記第1ギヤの連動ピン
    に衝合する衝合部を備えた第2ギヤと、を有し、 該第2ギヤは、同第2ギヤが連動ピンに衝合しつつ回動
    するときには第1ギヤも同期回動して前記中軸と外軸の
    相対回転位置を変化せないで羽根部を流路閉鎖位置まで
    回動させる駆動側ギヤとの係合部を有し、 前記第1ギヤは、羽根部による風の流路の閉鎖状態から
    中軸を回動させて前記複数の孔を閉塞移動させる駆動側
    ギヤとの係合部を備えてなる請求項3、4、7、10、
    13、14、15、16、18、21、22のいずれか
    に記載の風量調整ダンパー。
  24. 【請求項24】 前記複数の羽根板にはこれらの羽根板
    相互の摺動を案内する案内部が設けられ、かつ、それら
    の羽根板が重ね合わせた状態から離脱しないように保持
    部が設けられてなる請求項1ないし23のいずれかに記
    載の風量調整ダンパー。
  25. 【請求項25】 前記複数の孔は羽根板のほぼ全体に分
    布するように設けられてなる請求項1ないし24のいず
    れかに記載の風量調整ダンパー。
  26. 【請求項26】 前記兼用駆動機構は、多翼開閉型ダン
    パーの各羽根部について設けられてなる請求項3ないし
    10または13、14、17、21ないし25のいずれ
    かに記載の風量調整ダンパー。
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