JP3038897U - 風量調整ダンパ - Google Patents

風量調整ダンパ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレードの回転角と通過風の通過面積の変化
量が一致したリニアな調整が可能になるとともに、通過
風の流線に渦や剥離が起こらず、通過風による騒音の発
生を抑制することができる風量調整ダンパを提供する。 【解決手段】 流路を形成するケーシング11内に、端
部同士を蝶番構造で接続し端部をヒンジ軸(蝶番軸)1
5として相互に接近離反可能に回動する一対のブレード
12a,12bを有し、ヒンジ軸15は流れ方向に直交
して設けられ、両ブレード12a,12bを対称的に開
閉移動させることにより通過風量を調整し、かつ、両ブ
レード12a,12bは、全閉から全開近傍まで接近離
反する両ブレード12a,12bの回動角と通過風の通
過面積の変化量がほぼ一致する範囲で流路を開閉するよ
うに、その全閉位置において流れ方向に対し所定の角度
で傾斜した状態でケーシング11に当接する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、風量調整ダンパに関し、詳しくは、蝶番構造で接続した一対のブレ ードの接近或いは離反により通過風量を調整する風量調整ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】
ダンパは、空気の流れる通路である風道(ダクト)内に設置され、空気の流れ に抵抗を加えることにより、ダクト内を通過する風量を調整している。通過風量 は、ダクトの開放から閉鎖迄の間で任意に調整することができ、ダクトの閉鎖に よりゼロとなる。ダクトの閉鎖により火や煙の進入を防ぐことができるので、防 火・防煙のためにも用いられる。
【0003】 このようなダンパは、ダクト内に又はダクトと同じ丸又は角形の筒状枠体内に 回転可能なブレードを設け、このブレードを回転させて流路面積を変化させて風 量を調整する。
【0004】 このようなダンパとして、例えば、主に円管状のダクトに用いられ、開口を塞 ぐ円盤を直径軸で回転させ管路の開き具合を調整するバタフライ弁型や、矩形ダ クトの開口を塞いで縦断面方向に配置した複数枚の板(ブレード)を各板中央部 の軸で回転させ、各板の動きにより流路の開き具合を調整するもの等がある。複 数枚の板により流路の開き具合を調整するものは、各板が翼のように空気の流れ を制御することから、各板(翼)が互いに平行となるように動くものを平行翼型 、各板(翼)が互いに向き合うように動くものを対向翼型という。
【0005】 これら平行翼型と対向翼型の内、風量調整用としては、風量調整範囲が広く、 ブレードの角度変化に対し風量変化が大きく風量調整がし易い点から対向翼型が 多く使われている。対向翼型にあっては、各板が空気の流れ方向に対して傾斜す るように回転し、隣接する各板が前端部同士を接近或いは離反させて流路の開閉 を調整する。各板が空気の流れに沿うように流路に平行の場合、各板は最小抵抗 となって流路は全開状態になり、各板が空気の流れを堰止めるように流路にほぼ 直角な場合、各板は最大抵抗となって流路は全閉状態になる。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、ブレードの回転により塞がれるのは回転するブレードの流路断 面への投影面となるので、ブレードが流れに直交する流路の全閉近傍ではブレー ドの回転量に比べて流路断面積の変化量が小さく、風量調整が非常に難しい。こ のように、流路の全開と全閉の間で通過風の通過面積の変化量が一様にならない ため、回転角と通過面積の変化量が一致したリニアな調整ができないという問題 点があった。これは特に、パルスモータ等によりブレード回転角をステップ的に 変化させる場合に、入力パルスに応じて風量がリニアに変化せず自動制御が困難 になるという問題を生ずる。
【0007】 また、隣接する2枚のブレードの前端部と後端部の間で、2枚のブレードが開 く方向に風が流れる通過面積の急拡大部分と2枚のブレードにより流路が絞られ る方向に風が流れる急縮小部分が発生する。急拡大部分では、通過風の流線に渦 や剥離が起こり乱流となって騒音発生の原因になる。更に、この乱流領域に急縮 小部分から出た風が巻き込まれ騒音をさらに大きくするという問題もあった。
【0008】 本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、ブレードの回転角と通過風の通 過面積の変化量が一致したリニアな調整が可能になるとともに、通過風の流線に 渦や剥離が起こらず、通過風による騒音の発生を抑制することができる風量調整 ダンパの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本考案においては、流路を形成する筒状枠体内に、 端部同士を蝶番構造で接続し該端部を蝶番軸として相互に接近離反可能に回動す る一対のブレードを有し、前記蝶番軸は流れ方向に直交して設けられ、前記両ブ レードを対称的に開閉移動させることにより通過風量を調整し、かつ、前記両ブ レードは、全閉から全開近傍まで接近離反する前記両ブレードの回動角と通過風 の通過面積の変化量がほぼ一致する範囲で流路を開閉するように、その全閉位置 において流れ方向に対し所定の角度で傾斜した状態で前記枠体に当接することを 特徴とする風量調整ダンパを提供する。
【0010】 上記構成によれば、一対のブレードの間には通過風の通る隙間はなく、通過風 は各ブレードに沿って筒状枠体との間を流れ、通過面積が急拡大することはない 。これにより、通過風の流線に渦や剥離が起こらず、通過風による騒音の発生を 抑制することができる。また、半開時、通過風と接触するブレード端部を凸曲面 にすることにより、渦、剥離をさらに減ずることができる。
【0011】 また、全閉から全開近傍まで接近離反する一対のブレードの回動角の変化量と 通過風の通過面積の変化量がほぼ一致し、通過風量は、両ブレードの回動状態に 拘わらず回動角に応じてほぼ一定して変化する。即ち、ブレードの回動に応じて 流路面積がリニアに変化する角度範囲をブレードの開閉移動可能な範囲とする。 これにより、特に風量調整が必要な全閉から全開に近い中間開度までの範囲で筒 状枠体内を通過する通過風量をリニアに調整することができ高精度な風量調整が 容易に行われ、また風量のモータによる自動調整も容易に可能になる。なお、全 開近傍では微妙な調整は不要でありリニア関係がなくても支障なく、また全開時 の通風抵抗を極力小さくするために両ブレードを合わせて流れ方向に一致させる ことが望ましい。このような全開近傍ではブレードの角度を多少変化させても流 量は殆ど変化しない。
【0012】
【考案の実施の形態】
好ましい実施の形態においては、前記両ブレードを同時に対称的に接近或いは 離反させる開閉手段を有することを特徴としている。
【0013】 この構成により、開閉手段を介して両ブレードは同時に対称的に接近或いは離 反するため、筒状枠体内を通過する通過風量の調整を安定して的確に行うことが できる。
【0014】 さらに、好ましい実施の形態においては、前記蝶番軸は、前記枠体に対し流れ 方向に移動可能に装着され、前記開閉手段は、各ブレードに設けた小孔内にブレ ードに対し回転可能に取り付けられためねじ部材と、各めねじ部材に螺合する相 互に逆向きのおねじが切られて各おねじにそれぞれ前記めねじ部材が螺着され、 回転時各めねじ部材を互いに逆方向に対称移動させるように両ブレードを貫通し て設けた逆ねじ付きシャフトとにより構成されたことを特徴としている。
【0015】 この構成により、逆ねじ付きシャフトの回動操作に伴ってめねじ部材が逆ねじ 付きシャフト上を上下移動し、このめねじ部材の上下移動により各ブレードが同 時に対称的に接近或いは離反するため、狭い場所で効率的に、且つ簡単な構成で 各ブレードの動きを可能にすることができる。この場合、両ブレードの開閉動作 に伴って、蝶番軸が流れ方向に移動するため、ブレードを貫通する逆ねじ付きシ ャフトが挿通する孔を流れ方向に長くする必要はなくブレードの開口は最小に抑 えることができ、風漏れは実質上起こらない。また、めねじ部材をブレードに対 し流れ方向にスライドさせる必要はなく構成も簡単になる。
【0016】 さらに、好ましい実施の形態においては、前記逆ねじ付きシャフトは、例えば ウォームギア接続された開閉駆動シャフト等の操作手段を介して回動操作される ことを特徴としている。
【0017】 この構成により、例えば水平方向に配置された開閉駆動シャフトの回動操作で 上下方向に配置された逆ねじ付きシャフトが回動するため、上下方向に空間の余 裕がない場所でも簡単な構成で逆ねじ付きシャフトの回動操作ができる。
【0018】 さらに、好ましい実施の形態においては、前記蝶番軸の両端が凸状曲面により 形成され、これを支持する枠体側の支持案内部は、凹状曲面の又は平坦な支持面 を有することを特徴としている。
【0019】 この構成においては、蝶番軸の両端が半球等の凸曲面であるためこれを支持す る支持案内部の支持面との間の摩擦抵抗が少なくなり、各ブレードの開閉時、各 ブレードに回転モーメントが作用して支持案内部に押し付けられながら支持面上 を摺動する蝶番軸の円滑な移動動作が図られるとともに摩耗を防いで寿命を延ば すことができる。
【0020】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0021】 図1は、本考案の一実施例に係る風量調整ダンパの正面図である。図2は、図 1のA−A線に沿う断面図である。図3は、図1の風量調整ダンパの逆ねじ付き シャフトとブレードの装着状態を示す断面説明図である。図4は、図1の風量調 整ダンパのブレードの部分拡大図である。図5は、図1の風量調整ダンパのヒン ジ軸が摺動するガイドの断面図である。
【0022】 図1〜3に示すように、風量調整ダンパ10は、ケーシング11に装着された 一対のブレード(ダンパ翼)12a,12bを有している。ケーシング11は、 両端に矩形状の開口を有する筒状枠体からなり、開口の周囲にはフランジ14が 設けられている。このケーシング11は、開口に連通するように、空気の流れる 通路である図示しないダクトに接続され、流路を形成する。
【0023】 一対のブレード12a,12bは、長方形状薄板の鋼板等からなる各ブレード 12a,12bの一方の端部である長辺同士を、互いに凹部と凸部を組合せた蝶 番(ヒンジ)構造で接続して断面が横V字状に形成されている。各ブレード12 a,12bは、接続部であるヒンジ軸(蝶番軸)15を回動軸として、V字の開 き角を変化させて相互に接近或いは離反可能に回動する。このヒンジ軸15の両 端突出部は、ケーシング11の両側壁11a,11bの上下ほぼ中間に設けられ た両ガイド(支持案内部)16にそれぞれ装着されている。即ち、ヒンジ軸15 は、ケーシング11内の空気の流路の上下ほぼ中心を通り、空気の流れ方向a( 図2,3の矢印参照)にほぼ直交して設けられる。このヒンジ軸15は、V字状 ブレード12a,12bの開閉動作に応じて流れ方向aに移動可能である。
【0024】 各ブレード12a,12bには、長手方向に離間して2個の矩形状の小孔17 が設けられ、小孔17には、例えば六角ナットのように、穴内面がめねじとなっ ためねじ部材18が配置されている。両ブレード12a,12bに設けられた4 個の小孔17は、各ブレード12a,12bが互いに接近し重なり合った際に、 相対する2個同士の位置がほぼ一致する。めねじ部材18の両側には、めねじ部 材18の直径延長上に位置するようにそれぞれ回動軸19が突設され、両回動軸 19,19は、各ブレード12a,12bの上に設置されたブラケット20に回 動可能に保持されている。これらの小孔17は、ブレードの遮蔽機能を損わせな いように、めねじ部材18が軸回りに回転できる範囲で、なるべくめねじ部材1 8の外形に沿った小面積の小さな開口とする。
【0025】 図4に示すように、ブラケット20は、回動軸19を軸回動可能に収納する山 形の膨らみ部20aを有し、この膨らみ部20aに回動軸19を収納して各ブレ ード12a,12bにねじ21により固定されている。よって、めねじ部材18 は、めねじ部材18それ自体は回転することなく回動空間となる小孔17内に位 置するとともに、回動軸19により各ブレード12a,12bに対し回動可能に 装着される。
【0026】 図1〜3に示すように、これら4個のめねじ部材18には、相対する2個のめ ねじ部材18を同時に螺着させて両ブレード12a,12bを貫通する2本の逆 ねじ付きシャフト22が装着されている。逆ねじ付きシャフト22は、上下にほ ぼ二分され、その上下各部分には、各めねじ部材18に螺合する相互に逆向きで 同ピッチのおねじ22a,22bが形成されている(図1,3参照)。このため 、逆ねじ付きシャフト22は、軸回動時、螺着させた各めねじ部材18を互いに 逆方向に対称移動させることができる。これらの逆ねじ付きシャフト22は、両 ブレード12a,12bを貫通し、その下端は、ケーシング11の下壁板11c に自由回転可能に装着され、上端にはウォーム26及びウォームホイール27か らなるウォームギア機構24を介して開閉駆動シャフト25が連結されている。 このウォーム26とウォームホイール27が噛み合うことにより、ケーシング 11の上面に沿って水平方向に位置する開閉駆動シャフト25の回動駆動力が、 上下方向に位置する逆ねじ付きシャフト22に伝達され、逆ねじ付きシャフト2 2が軸回動する。開閉駆動シャフト25の一端には、回転操作用ハンドル28が 取付けられている(図1参照)。したがって、水平方向に配置された開閉駆動シ ャフト25の回動操作で上下方向に配置された逆ねじ付きシャフト22が回動す るため、上下方向に空間の余裕がない場所でも簡単な構成で逆ねじ付きシャフト 22の回動操作ができる。なお、ウォームギア機構24は逆ねじ付きシャフト2 2の回動方法の一例であり、この他ベルトやチェーン又はギア等を用いて回動さ せる等、他の方法により逆ねじ付きシャフト22を回動させることができる。
【0027】 図3に示すように、この逆ねじ付きシャフト22が軸回転すると、各めねじ部 材18は互いに逆方向に対称移動し、この各めねじ部材18の移動に連れて各ブ レード12a,12bは、ヒンジ軸15を回動軸として対称的に開閉移動する。 従って、逆ねじ付きシャフト22とめねじ部材18からなる開閉手段により、両 ブレード12a,12bを同時に対称的に接近或いは離反させることができる。 各ブレード12a,12bが互いに接近し、ケーシング11の上下方向ほぼ中間 で両者が密着すると、流路は全開状態になる(図3、二点鎖線参照)。一方、各 ブレード12a,12bが互いに離反し、ヒンジ軸15とは反対側の端部がケー シング11に当接すると、流路は全閉状態になる(図3、二点鎖線参照)。
【0028】 この全閉状態のとき、各ブレード12a,12bの外側開放端部は、ケーシン グ11に当接し、各ブレード12a,12bは、流れ方向aに対し所定の角度で 傾斜している。即ち、各ブレード12a,12bは、接近離反する各ブレード1 2a,12bの回動角と通過風の通過面積の変化量がほぼ一致する範囲で流路を 開閉するようにその回動角の範囲が設定され、全閉時のブレード傾斜角度が定ま る。
【0029】 従って、全閉状態の各ブレード12a,12bの傾斜角度は、各ブレード12 a,12bの回動量と流路空間の増加或いは減少割合がほぼ一致してリニアな調 整が可能になる範囲を確保する角度となる。
【0030】 また、めねじ部材18の上下動に伴い、めねじ部材18に対し各ブレード12 a,12bの傾斜が変化するとともに、ヒンジ軸15がケーシング11に対し空 気の流れ方向aに沿って前後移動する。各ブレード12a,12bの傾斜の変化 に対応してめねじ部材18は、ブラケット20内で回動する回動軸19とともに 回動し、ヒンジ軸15は、その両端がガイド16上を摺動する。
【0031】 図3に示すように、ガイド16は、横長板状に形成され、板体ほぼ中央に溝状 の支持面16aが形成されている。支持面16aの縦断面は平坦面であり、図5 に示すように、この平坦支持面16a上にヒンジ軸15の球面状の端部15aを 受ける。なお、支持面16aはヒンジ軸15の端部15aの凸状曲面に対応して 、凸状曲面より緩やかな曲面からなる凹状曲面により形成してもよい。
【0032】 ヒンジ軸15の移動時、逆ねじ付きシャフト22の回転によりめねじ部材18 を介して各ブレード12a,12bに回転モーメントが作用し、ヒンジ軸15は ガイド16に押し付けられながら支持面16a上を摺動する。即ち、図2で、逆 ねじ付きシャフト22が時計方向に回転すれば、回転モーメントによりヒンジ軸 15は左方向に力を受けその左端がガイド16に押し付けられる。逆に、シャフ ト22が反時計方向に回転すれば、ヒンジ軸15は右方向に力を受けその右端が ガイド16に押し付けられる。このような押圧力を受けた場合、前述のように、 ヒンジ軸15の端部15aが凸状曲面により形成されているので、ガイド支持面 16aとの間の摩擦抵抗が少なくなり円滑な摺動動作が得られるとともにヒンジ 軸15の摩耗を防いで寿命を延ばすことができる。
【0033】 上記構成を有する風量調整ダンパ10において、横V字断面を形成する一対の ブレード12a,12bのV字底部側から開放部側に向かって、V字の背面に沿 って風が絞られて縮小されながら流れ、V字開放端部とケーシング11間の開口 を通る。V字の開き角に応じてこの開口面積が変り風量が調整される。このとき V字の開き角の範囲は、前述のようにブレード回動角と流路断面への投影面積が ほぼリニアになる範囲に設定されるため、前記ハンドル28の操作によりブレー ド傾斜角度を変えて流路の開口面積を調整することにより、ハンドル操作量(回 転量)にほぼリニアに対応して開口面積を変化させることができる。これにより 、風量調整が容易に高精度で行われる。
【0034】 また、空気の流れは、両ブレード12a,12b間がV字を形成して完全に閉 じられているため、従来の対向翼型ダンパのように急拡大部分が生じない。従っ て、渦や剥離等に基づく騒音が抑制される。
【0035】 なお、ダクトサイズに応じてV字を形成する一対のブレード12a,12bを 上下2段又はそれ以上に重ねて設けてもよい。また、このようなV字のブレード と通常の1枚毎のブレードとを組合わせてもよい。この場合も、V字ブレード部 分により風量調整の作業性が向上するとともに騒音発生の低減が図られる。
【0036】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案に係る風量調整ダンパによれば、一対のブレード の間には通過風の通る隙間はなく、通過風は各ブレードに沿って筒状枠体との間 を流れ、通過面積が急拡大することはないので、通過風の流線に渦や剥離が起こ らず、通過風による騒音の発生を抑制することができる。
【0037】 また、全閉から全開近傍まで接近離反する一対のブレードの回動角の変化量と 通過風の通過面積の変化量がほぼ一致し、通過風量は、両ブレードの回動状態に 拘わらず回動角に応じて一定して変化するので、筒状枠体内を通過する通過風量 をリニアに調整することができ、風量調整作業が容易に行われる。また、ブレー ドをパルスモータ等を用いて回転させ風量調整を自動制御することが可能になる 。
【0038】 また、前記両ブレードを同時に対称的に接近或いは離反させる開閉手段を有す る構成とすれば、この開閉手段を介して両ブレードは同時に対称的に接近或いは 離反するので、筒状枠体内を通過する通過風量の調整を安定して的確に行うこと ができる。
【0039】 また、前記蝶番軸は、前記枠体に対し流れ方向に移動可能に装着され、前記開 閉手段は、各ブレードに設けた小孔内にブレードに対し回転可能に取り付けられ ためねじ部材と、各めねじ部材に螺合する相互に逆向きのおねじが切られて各お ねじにそれぞれ前記めねじ部材が螺着され、回転時各めねじ部材を互いに逆方向 に対称移動させるように両ブレードを貫通して設けた逆ねじ付きシャフトとによ り構成すれば、逆ねじ付きシャフトの回動操作に伴ってめねじ部材が逆ねじ付き シャフト上を上下移動し、このめねじ部材の上下移動により各ブレードが同時に 対称的に接近或いは離反するので、狭い場所で効率的に、且つ簡単な構成で各ブ レードの動きを可能にすることができる。
【0040】 また、前記逆ねじ付きシャフトは、例えばウォームギア接続された開閉駆動シ ャフト等の操作手段を介して回動操作される構成とすれば、例えば水平方向に配 置された開閉駆動シャフトの回動操作で上下方向に配置された逆ねじ付きシャフ トが回動するので、上下方向に空間の余裕がない場所でも簡単な構成で逆ねじ付 きシャフトの回動操作ができる。
【0041】 さらに、前記蝶番軸の両端が凸状曲面により形成され、これを支持する枠体側 の支持案内部は、凹状曲面の又は平坦な支持面を有する構成とすれば、蝶番軸の 両端が凸曲面であるためこれを支持する支持案内部との間の摩擦抵抗が少なくな り、各ブレードの開閉時、各ブレードに回転モーメントが作用して支持案内部に 押し付けられる蝶番軸を円滑に摺動させるとともに蝶番軸の摩耗を防いで寿命を 延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の一実施例に係る風量調整ダンパの正
面図。
【図2】 図1のA−A線に沿う断面図。
【図3】 図1の風量調整ダンパの逆ねじ付きシャフト
とブレードの装着状態を示す断面説明図。
【図4】 図1の風量調整ダンパのブレードの部分拡大
図。
【図5】 図1の風量調整ダンパのヒンジ軸が摺動する
ガイドの断面図。
【符号の説明】
10:風量調整ダンパ、11:ケーシング、12a,1
2b:ブレード、14:フランジ、15:ヒンジ軸、1
6:ガイド、16a:支持面、17:小孔、18:めね
じ部材、19:回動軸、20:ブラケット、22:逆ね
じ付きシャフト、22a,22b:おねじ、24:ウォ
ームギア機構、25:開閉駆動シャフト、26:ウォー
ム、27:ウォームホイール。

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】流路を形成する筒状枠体内に、端部同士を
    蝶番構造で接続し該端部を蝶番軸として相互に接近離反
    可能に回動する一対のブレードを有し、前記蝶番軸は流
    れ方向に直交して設けられ、前記両ブレードを対称的に
    開閉移動させることにより通過風量を調整し、かつ、前
    記両ブレードは、全閉から全開近傍まで接近離反する前
    記両ブレードの回動角と通過風の通過面積の変化量がほ
    ぼ一致する範囲で流路を開閉するように、その全閉位置
    において流れ方向に対し所定の角度で傾斜した状態で前
    記枠体に当接することを特徴とする風量調整ダンパ。
  2. 【請求項2】前記両ブレードを同時に対称的に接近或い
    は離反させる開閉手段を有することを特徴とする請求項
    1に記載の風量調整ダンパ。
  3. 【請求項3】前記蝶番軸は、前記枠体に対し流れ方向に
    移動可能に装着され、前記開閉手段は、各ブレードに設
    けた小孔内にブレードに対し回転可能に取り付けられた
    めねじ部材と、各めねじ部材に螺合する相互に逆向きの
    おねじが切られて各おねじにそれぞれ前記めねじ部材が
    螺着され、回転時各めねじ部材を互いに逆方向に対称移
    動させるように両ブレードを貫通して設けた逆ねじ付き
    シャフトとにより構成されたことを特徴とする請求項2
    に記載の風量調整ダンパ。
  4. 【請求項4】前記逆ねじ付きシャフトは、開閉操作手段
    を介して回動操作されることを特徴とする請求項1、2
    又は3のいずれかに記載の風量調整ダンパ。
  5. 【請求項5】前記蝶番軸の両端が凸状曲面により形成さ
    れ、これを支持する枠体側の支持案内部は、凹状曲面の
    又は平坦な支持面を有することを特徴とする請求項1か
    ら4のいずれかに記載の風量調整ダンパ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200020045A (ko) * 2018-08-16 2020-02-26 삼성중공업 주식회사 풍량 제어 댐퍼
KR20210029319A (ko) * 2019-09-05 2021-03-16 한국공조엔지니어링 주식회사 공기청정순환기용 가변식 내외기 유로 전환장치 및 이를 구비한 전열교환기
KR20210051845A (ko) * 2019-10-31 2021-05-10 삼성중공업 주식회사 곡관용 유량조절댐퍼

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20200020045A (ko) * 2018-08-16 2020-02-26 삼성중공업 주식회사 풍량 제어 댐퍼
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KR102240766B1 (ko) 2019-09-05 2021-04-19 한국공조엔지니어링 주식회사 공기청정순환기용 가변식 내외기 유로 전환장치 및 이를 구비한 전열교환기
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